JP2011181769A - 電磁波送受信特性改善用シート体 - Google Patents

電磁波送受信特性改善用シート体 Download PDF

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Abstract

【課題】電力伝送比率の向上及び安定した電力伝送比率の確保を図る。
【解決手段】電磁的結合に応じて送電用コイル12から受電用コイル14へ電力を非接触に伝送するWPS機器1内の受電用コイル14の磁界影響範囲X内に配置される特性改善シート体15であって、磁界影響範囲X内の受電用コイル14対向側に配置される磁気シールド層21と、この磁気シールド層21の背面に配置された導体層23と、電力伝送比率を向上させるべく、磁気シールド層21及び導体層23間に配置された中間層22とを積層して構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁波送受信特性改善用シート体に関する。
従来、ケーブルを使用することなく、空間的に離れた2点間で電力を伝送するワイヤレス電力供給(Wireless Power Supply:以下、単にWPSと称する)機能を備えた非接触型電力伝送機器、すなわちWPS機器が知られている。このWPS機器は、交流電源と接続した送電用コイルと、負荷と接続した受電用コイルとの間で磁界共鳴や電磁誘導等により高周波磁界を利用して負荷に対して電力を非接触で伝送するものである。
WPS機器は、接点部の露出がないため、接点部分の劣化を気にせず、防水性の確保が容易になることや、送電側機器及び受電側機器間の接続がワイヤレス構成であるため、送電側機器及び受電側機器間の着脱が容易になるという利点が多々ある。
しかしながら、上記従来のWPS機器では、磁界共鳴や電磁誘導等により高周波磁界を利用して電力を伝送する際、送電用コイル又は受電用コイルの近傍の磁界影響範囲内に金属等の導体が配置されると、高周波磁界によって導体表面に渦電流が生じる。そして、WPS機器は、導体表面に渦電流が生じると、例えば、渦電流起因の反磁界による減磁やジュール熱が発生し、導体による磁界エネルギの損失が生じ、大きな電力伝送損失や信号強度の低下が生じる。
そこで、このような事態に対処すべく、従来技術では、透磁率が大きく、磁気損失が小さく、しかも、渦電流防止のための電気抵抗が大きい磁気シールド体をコイル及び導体間に配置する技術が広く知られている。
従来技術では、コイル対向側の導体表面に磁気シールド体を密着積層した電磁波送受信特性改善用シート体をコイルの磁界影響範囲内に配置したので、磁界影響範囲内での導体による磁界エネルギの損失を抑制できる。
特開2008−294385号公報 特開2009−76513号公報
そこで、本出願人は、コイル、磁気シールド体及び導体間の配置関係を変えて電力伝送比率を測定する実験を行った。その結果、磁気シールド体及び導体間の距離を適正化することで、磁界エネルギの損失が抑制され、電力伝送比率の向上が図れることを見い出した。
更に、本出願人は、磁気シールド体及び導体間の距離を適正化した場合、磁界影響範囲内に新たな金属体等の導体を配置したとしても、新たな導体の影響を受けることなく、安定した電力伝送比率を確保できることも見い出した。
開示技術は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、磁界エネルギの損失を抑制しながら、電力伝送比率の向上及び安定した電力伝送比率の確保を図ることができる電磁波送受信特性改善用シート体を提供することにある。
本願の開示する電磁波送受信特性改善用シート体は、一つの態様において、電磁的結合に応じて送電用コイルから受電用コイルへ電力を非接触に伝送する非接触型電力伝送機器内の前記送電用コイル及び前記受電用コイルの内、少なくとも一つのコイルの磁界影響範囲内のコイル対向側に配置された磁気シールド層と、当該磁気シールド層の背面に配置された導体層と、前記非接触に伝送する電力の伝送比率を向上させるべく、前記磁気シールド層及び前記導体層間に配置された中間層とを積層して構成するようにした。
本願の開示する電磁波送受信特性改善用シート体の一つの態様では、磁界影響範囲内の磁界エネルギの損失を抑制しながら、電力伝送比率の向上及び安定した電力伝送比率の確保を図ることができるという効果を奏する。
図1は、実施例1のWPS機器の概略構成を示す説明図である。 図2は、実施例1のWPS機器の内部機器の配置関係を示す概略断面図である。 図3は、実験に使用するWPS機器の概略構成を示す説明図である。 図4は、実験例毎の受電電力及び電力伝送比率の測定結果を示す説明図である。 図5は、実験例1の内部機器の配置構成を示す概略断面図である。 図6は、実験例2の内部機器の配置構成(磁界影響範囲外に金属体を配置)を示す概略断面図である。 図7は、実験例3の内部機器の配置構成(磁界影響範囲内に金属体を配置)を示す概略断面図である。 図8は、実験例4の内部機器の配置構成(磁界影響範囲内に磁気シールド体及び金属体を積層配置)を示す概略断面図である。 図9は、実験例5の内部機器の配置構成(磁界影響範囲内に磁気シールド体、間隙及び金属体を配置)を示す概略断面図である。 図10は、実験例6の内部機器の配置構成(磁界影響範囲内に磁気シールド体を配置、磁界影響範囲外に金属体を配置)を示す概略断面図である。 図11は、実施例2の特性改善シート体の一部を破断した平面図である。 図12は、図11のA‐A線断面図である。 図13は、実施例2のWPS機器の内部機器の配置関係を示す概略断面図である。 図14は、所定条件下で中間層及び導体層の材質毎の受電電力の測定結果を示す説明図である。 図15は、中間層がない場合の特性改善シート体、中間層がある場合の特性改善シート体を示す説明図である。 図16は、特性改善シート体が複数ユニットで構成する場合の説明図である。 図17は、受電用コイルと一体化した特性改善シート体を示す説明図である。 図18は、受電用コイル及び特性改善シート体間に間隙層を配置し、受電用コイルと一体化した特性改善シート体を示す説明図である。
以下、図面に基づいて、本願の開示する電磁波送受信特性改善用シート体を内蔵したWPS機器の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。
図1は、実施例1のWPS機器の概略構成を示す説明図、図2は、実施例1のWPS機器の内部機器の配置関係を示す概略断面図である。図1に示すWPS機器1は、交流電源11と接続する送電用コイル12と、負荷13と接続する受電用コイル14とを有する。送電用コイル12は、受電用コイル14との電磁的結合、例えば、高周波磁界に応じて受電用コイル14に非接触で電力を伝送する。
更に、WPS機器1は、受電用コイル14の磁界影響範囲X内に電磁波送受信特性改善用シート体(以下、単に特性改善シート体と称する)15を配置した。特性改善シート体15は、磁界影響範囲X内の受電用コイル14に対向するように配置する。尚、説明の便宜上、受電用コイル14の磁界影響範囲X内に特性改善シート体15を配置したが、送電用コイル12の磁界影響範囲内に特性改善シート体15を配置しても良い。
特性改善シート体15は、磁気シールド層21、中間層22及び導体層23を積層することで構成する。磁気シールド層21は、透磁率が大きく、磁気損失が小さく、渦電流防止のための電気抵抗が大きい磁性体又は複合磁性体である。導体層23は、非磁性の導体である。中間層22は、磁気シールド層21及び導体層23の電気抵抗率よりも大きい物質で構成し、磁気シールド層21及び導体層23間を離間する中空部を備えたものである。更に、中間層22は、高周波磁界を利用した非接触の電力伝送比率を向上させるものである。
実施例1では、磁気シールド層21、中間層22及び導体層23を順次積層して構成した特性改善シート体15を受電用コイル14の磁界影響範囲X内に配置する。その結果、実施例1では、磁界影響範囲Xでの磁界エネルギの消費を抑制できるため、従来の磁気シールド層21及び導体層23を密接積層して構成した特性改善シート体に比較しても、受電電力の向上、すなわち電力伝送比率の向上を図ることができる。
図3は、実験に使用するWPS機器1Aの概略構成を示す説明図である。図3に示すWPS機器1Aは、交流電源11と接続する送電用コイル12Aと、負荷13と接続する受電用コイル14Aとを有する。送電用コイル12Aは、第1コイル31と第2コイル32とを有する。第1コイル31は、交流電源11と接続し、第2コイル32と電磁誘導的結合することで、第2コイル32に対して電力を非接触に伝送する。第2コイル32は、コンデンサ32Aを配置し、LC共振回路を構成する。
また、受電用コイル14Aは、第3コイル33と第4コイル34とを有する。第3コイル33は、コンデンサ33Aを配置し、LC共振回路を構成する。第2コイル32及び第3コイル33は、LC共振回路を使用して磁界共鳴的結合することで、第2コイル32から第3コイル33へ電力を非接触に伝送する。更に、第3コイル33は、第4コイル34と電磁誘導的結合することで、第4コイル34に対して電力を非接触に伝送する。第4コイル34は、第3コイル33からの電力を負荷13に供給する。
次の各種条件下、すなわち実験環境下でWPS機器1Aの受電電力及び電力伝送比率を測定した。条件として、第1コイル31は材質を銅、直径φ80mm、第2コイル32は材質を銅、直径φ100mm、第3コイル33は材質を銅、直径φ100mm、第4コイル34は材質を銅、直径φ80mmとした。更に、送電用コイル12A及び受電用コイル14A間の距離を100mm、交流電源11を±10Vの1.8MHz、負荷13を10Ω、後述する金属体41をアルミ板(幅150mm、厚さ1mm)、後述する磁気シールド体42の厚みを0.5mmとした。図4は、実験例毎の受電電力及び電力伝送比率の測定結果を示す説明図である。尚、電力伝送比率は、実験例4の受電電力を基準(100%)にする。
図5は、実験例1の内部機器の配置構成を示す概略断面図である。実験例1の配置構成は、送電用コイル12A及び受電用コイル14Aの磁界が主に分布する方向Yに、磁界影響範囲Xが存在する。実験例1の配置構成では、受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に金属体や磁気シールド体も存在しない場合である。第1コイル31は、第2コイル32との電磁誘導的結合に応じて、第2コイル32に対して電力を非接触で伝送する。第2コイル32は、第3コイル33との磁界共鳴的結合に応じて、第3コイル33に対して電力を非接触で伝送する。第3コイル33は、第4コイル34との電磁誘導的結合に応じて、第4コイル34に対して電力を非接触で伝送する。この際、受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内には金属体や磁気シールド体も存在しないため、磁界エネルギが吸収及び消費されるものは無く、最も大きな受電電力及び電力伝送比率を取得できる。図4に示す実験例1では、受電電力が3.45W、電力伝送比率が157%の測定結果を得た。
図6は、実験例2の内部機器の配置構成(磁界影響範囲X外に金属体41を配置)を示す概略断面図である。実験例2の配置構成は、受電用コイル14Aの磁界影響範囲X外に金属体41が存在する場合である。第2コイル32は、第3コイル33との磁界共鳴的結合に応じて、第3コイル33に対して電力を非接触で伝送する。第3コイル33は、第4コイル34との電磁誘導的結合に応じて、第4コイル34に対して電力を非接触で伝送する。この際、金属体41が受電用コイル14Aの磁界影響範囲X外に存在するため、磁界エネルギが吸収及び消費されるものは無く、実験例1と同等の受電電力及び電力伝送比率を確保できる。図4に示す実験例2では、受電電力が3.43W、電力伝送比率が156%の測定結果を得た。
図7は、実験例3の内部機器の配置構成(磁界影響範囲X内に金属体41を配置)を示す概略断面図である。実験例3の配置構成は、受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に金属体41が存在する場合である。第2コイル32は、第3コイル33との磁界共鳴的結合に応じて、第3コイル33に対して電力を非接触で伝送する。第3コイル33は、第4コイル34との電磁誘導的結合に応じて、第4コイル34に対して電力を非接触で伝送する。この際、金属体41が受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に存在して磁界エネルギを消費するため、受電電力及び電力伝送比率が格段に低下することが判明した。図4に示す実験例3では、受電電力が0.02W、電力伝送比率が0.9%の測定結果を得た。
図8は、実験例4の内部機器の配置構成(磁界影響範囲X内に磁気シールド体42及び金属体41を積層配置)を示す概略断面図である。実験例4の配置構成は、受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に磁気シールド体42及び金属体41が積層配置した場合である。尚、磁気シールド体42及び金属体41は密接積層したものである。第2コイル32は、第3コイル33との磁界共鳴的結合に応じて、第3コイル33に対して電力を非接触で伝送する。第3コイル33は、第4コイル34との電磁誘導的結合に応じて、第4コイル34に対して電力を非接触で伝送する。この際、金属体41が受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に存在するが、磁界影響範囲X内に存在する磁気シールド体42で磁束を吸収し、磁界エネルギの消費が小さい状態で磁界に磁束を還流させる。その結果、実験例4では、実験例3に比較して受電電力及び電力伝送比率が回復する。図4に示す実験例4では、受電電力が2.20W、電力伝送比率が100%の測定結果を得た。
図9は、実験例5の内部機器の配置構成(磁界影響範囲X内に磁気シールド体42、間隙及び金属体41を配置)を示す概略断面図である。実験例5の配置構成は、受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に磁気シールド体42及び金属体41を配置した場合である。尚、磁気シールド体42及び金属体41間は中空の間隙で離間したものである。第2コイル32は、第3コイル33との磁界共鳴的結合に応じて、第3コイル33に対して電力を非接触で伝送する。第3コイル33は、第4コイル34との電磁誘導的結合に応じて、第4コイル34に対して電力を非接触で伝送する。この際、金属体41及び磁気シールド体42が受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に存在するものの、金属体41及び磁気シールド体42間に中空の間隙が存在するため、実験例4に比較して受電電力及び電力伝送比率が向上する。尚、図4に示す実験例5では、間隙が1mmの場合、受電電力を2.31W、電力伝送比率を105%、間隙が2mmの場合、受電電力を2.41W、電力伝送比率を110%の測定結果を得た。また、実験例5では、間隙が4mmの場合、受電電力を2.18W、電力伝送比率を99%、間隙が10mmの場合、受電電力を1.96W、電力伝送比率を89%の測定結果を得た。この結果、後述するが、磁界影響範囲X内で金属体41及び磁気シールド体42間の間隙の距離を適正化しないと、実験例4よりも大きな受電電力及び電力伝送比率を得ることができないことも判明した。
図10は、実験例6の内部機器の配置構成(磁界影響範囲X内に磁気シールド体42を配置、磁界影響範囲X外に金属体41を配置)を示す概略断面図である。実験例6の配置構成は、受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に磁気シールド体42、更に、磁界影響範囲X外に金属体41を配置した場合である。第2コイル32は、第3コイル33との磁界共鳴的結合に応じて、第3コイル33に対して電力を非接触で伝送する。第3コイル33は、第4コイル34との電磁誘導的結合に応じて、第4コイル34に対して電力を非接触で伝送する。この際、金属体41は磁界影響範囲X外であるため、磁界エネルギを吸収及び消費するものは無いが、磁気シールド体42が磁界影響範囲X内に存在するため、磁界エネルギが消費し、受電電力及び電力伝送比率が低下してしまう。尚、図10に示す実験例6では、受電電力が1.76W、電力伝送比率が80%の測定結果を得た。
本出願人は、上記実験結果に基づき、磁気シールド体42及び導体42を密着積層した場合(実験例4)に比較して、磁気シールド体42及び金属体41間に間隙を備えた場合(実験例5)の方が受電電力及び電力伝送比率が向上することが判明した。
そこで、実験例5を反映した特性改善シート体、すなわち、磁気シールド層21、中間層22及び導体層23を順次積層して構成した特性改善シート体15について詳細に説明する。図11は、実施例2の特性改善シート体15の一部を破断した平面図、図12は、図11のA−A線断面図である。図11及び図12に示す特性改善シート体15は、磁気シールド層21、中間層22及び導体層23を積層配置することで構成する。更に、中間層22は、中空部22A及び支柱部22Bを有する。中空部22Aは、磁気シールド層21及び導体層23間を離間する中空部位である。支柱部22Bは、磁気シールド層21及び導体層23間を連結する部位である。
図13は、実施例2のWPS機器1Aの内部機器の配置関係を示す概略断面図である。受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に特性改善シート体15を配置した場合、当該磁界影響範囲X内の金属体41の有無に関係なく、受電電力及び電力伝送比率が同等である。尚、磁界影響範囲X内に金属体41が有る場合、受電電力が2.38W、電力伝送比率が108%、磁界影響範囲X内に金属体41がない場合、受電電力が2.39W、電力伝送比率が109%であるため、その受電電力及び電力伝送比率はほぼ同等である。
図14は、所定条件下で中間層22及び導体層23の材質毎に受電電力の測定結果の一例を示す説明図である。尚、所定条件では、磁気シールド層21の透磁率μ’を50、磁気損失μ”を1、表面抵抗を10kΩ、厚さを0.5mmとする。更に、中間層22は、アクリル樹脂の場合に厚さ2mm、ガラスの場合に厚さ2mm、空気の場合に厚さ2mm、アルミ板(非磁性金属)の場合に厚さ2mm、磁性セラミック(絶縁体)の場合に厚さ2mmとする。更に、導体層23は、アルミ膜(非磁性金属膜)の場合に厚さ0.01mm、鉄膜(磁性金属膜)の場合に厚さ0.01mmとする。更に、第1コイル31は材質を銅、直径φ80mm、第2コイル32は材質を銅、直径φ100mm、第3コイル33は材質を銅、直径φ100mm、第4コイル34は材質を銅、直径φ80mmとした。更に、送電用コイル12A及び受電用コイル14A間の距離を100mm、交流電源11を±10Vの1.8MHz、負荷13を10Ω、金属体41をアルミ板(幅150mm、厚さ1mm)、磁気シールド層21の厚みを0.5mmとした。
図14に示すように、導体層23が「アルミ」で中間層22がない特性改善シート体15を使用した場合の受電電力は2.18Wである。これに対して、導体層23が「アルミ」で、中間層22が「アクリル樹脂」の特性改善シート体15を使用した場合の受電電力は2.42W、また、導体層23が「アルミ」で中間層22が「ガラス」の特性改善シート体15を使用した場合の受電電力は2.39Wである。更に、導体層23が「アルミ」で中間層22が「空気」の特性改善シート体15を使用した場合の受電電力は2.41Wである。その結果、導体層23が「アルミ」の場合、中間層22がない場合に比べて、受電電力が向上していることが解る。しかしながら、導体層23が「アルミ」で中間層22が「アルミ」の場合の受電電力は2.17W、導体層23が「アルミ」で中間層22が「磁性セラミック」の場合の受電電力は2.10Wである。その結果、導体層23が「アルミ」の場合でも、中間層22がない場合に比べて、受電電力が若干ながら低下していることが判明した。
また、導体層23が「鉄」で中間層22がない特性改善シート体15を使用した場合の受電電力は1.12Wである。これに対して、導体層23が「鉄」で、中間層22が「アクリル樹脂」の特性改善シート体15を使用した場合の受電電力は1.30W、また、導体層23が「鉄」で中間層22が「ガラス」の場合の受電電力は1.35Wである。更に、導体層23が「鉄」で中間層22が「空気」の場合の受電電力は1.27Wである。その結果、導体層23が「鉄」の場合でも、中間層22がない場合に比べて、受電電力が向上していることが判明した。
従って、図4の実験例5の測定結果に示すように、特性改善シート体15の磁気シールド層21及び導体層23間に中間層22を配置する場合でも、その中間層22の厚みを調整する必要がある。そこで、このような適切な中間層22の厚みを算出する方法について説明する。図15(A)は、中間層22がない場合の特性改善シート体15を示す説明図、図15(B)は、中間層22がある場合の特性改善シート体15を示す説明図である。
まず、図15(A)に示す中間層22がない場合の特性改善シート体15を基準にし、磁気シールド層21の厚みをt1、導体層23の厚みをt0とする。更に、磁気シールド層21の透磁率(複素透磁率の実数項)μ’として、μ’1<μ’2<μ’3<μ’4とし、磁気損失tanδ=μ”/μ’を一定とする。磁気シールド層21の透磁率がμ’1の場合に得られる受電電力をP1、磁気シールド層21の透磁率がμ’2の場合に得られる受電電力をP2とする。更に、磁気シールド層21の透磁率がμ’3の場合に得られる受電電力をP3、磁気シールド層21の透磁率がμ’4の場合に得られる受電電力をP4とする。この場合、P1<P2<P3=P4が成立するため、磁気シールド層21の適正な透磁率はμ’3となる。その結果、磁束の吸い込み能はt1μ’3となる。
また、図15(B)に示す中間層22がある場合の特性改善シート体15内の磁気シールド層21の厚みをt2、中間層22の厚みをt3、導体層23の厚みをt0とする。この場合、中間層22の適切な厚さt3は、α(t1−t2)μ’3=α(t1μ’3−t2μ’3)で算出できる。但し、α=1/20〜1/10=0.05〜0.1ということになる。尚、中間層22の有無に関係なく、磁気シールド層21の透磁率がμ’3の場合は、係数αを1/20とする。
例えば、t1=1mm、t2=0.2mmとした場合、透磁率μ’1=10に対してt3=1/20*(1−0.2)*10=0.4mm、透磁率μ’2=25に対してt3=1/20*(1−0.2)*25=1mmとなる。更に、透磁率μ’3=50に対してt3=1/20*(1−0.2)*50=2mmとなる。その結果、図4に示す実験例5で調べると、間隙が2mmの場合に受電電力が2.41W、電力伝送比率が110%と一番適正であることが解る。
また、t1=1mm、t2=0.5mmとした場合、透磁率μ’3=50に対してt3=1/20*(1−0.5)*50=1.25mmが最適な中間層22の厚みとなる。
また、中間層22がある場合の磁気シールド層21にμ’1を適用し、t1=1mm、t2=0.2mmとした場合、t3=α(t1μ’3−t2μ’1)=1/10*(1*50−0.2*10)=4.8mmが最適な中間層22の厚みとなる。尚、μ’1がμ’3に比べてかなり小さい場合には係数α=1/10となる。
また、中間層22がある場合の磁気シールド層21にμ’2を適用し、t1=1mm、t2=0.2mmとした場合、t3=α(t1μ’3−t2μ’2)=1/10*(1*50−0.2*25)=3mmが最適な中間層22の厚みとなる。尚、μ’1がμ’3に比べて小さい場合には係数α=1/15となる。
従って、上記数式t3=α(t1−t2)μ’3=α(t1μ’3−t2μ’3)を使用することで、受電電力及び電力伝送比率が最適な中間層22の厚みt3を算出することができる。
実施例2では、磁気シールド層21、中間層22及び導体層23を順次積層して構成する特性改善シート体15を磁界影響範囲X内に配置する。その結果、実施例2では、磁界エネルギが消費されることなく、実験例4を反映した従来の特性改善シート体に比較して、最適な受電電力及び電力伝送比率を確保できる。
尚、上記実施例2では、受電用コイル14Aの磁界影響範囲X内に1ユニットの特性改善シート体15を配置したが、非接触の電力伝送量に応じて、図16に示すように、複数ユニットの特性改善シート体15を重ねて配置するようにしても良い。この場合、送電用コイル12Aから受電用コイル14Aへの電力伝送量が大電力の場合に適用可能である。
また、上記実施例では、受電用コイル14A及び特性改善シート体15間を離間したが、受電用コイル14A及び特性改善シート体15間を密接して、図17に示すように受電用コイル14Aと一体化した特性改善シート体15Aとしても良い。この場合、部品個数の削減を図りながら、実装スペースを抑制することができる。
また、上記実施例では、受電用コイル14A及び特性改善シート体15間を離間したが、受電用コイル14A及び特性改善シート体15間に間隙層24を積層して、図18に示すように、受電用コイル14Aと一体化した特性改善シート体15Bとしても良い。この場合、部品個数の削減を図ることができる。
また、上記実施例では、送電用コイル12Aを第1コイル31及び第2コイル32、受電用コイル14Aを第3コイル33及び第4コイル34で構成した。しかしながら、第1コイル31及び第4コイル34を無くし、第2コイル32に交流電源11、第3コイル33に負荷13を接続し、第2コイル32及び第3コイル33間を磁界共鳴的結合で電力を伝送するようにしても良い。
また、上記実施例では、第2コイル32及び第3コイル33を無くし、第1コイル31及び第4コイル34間を電磁誘導的結合で電力を伝送するようにしても良い。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
1 WPS機器
1A WPS機器
12 送電用コイル
12A 送電用コイル
14 受電用コイル
14A 受電用コイル
15 特性改善シート体
21 磁気シールド層
22 中間層
23 導体層
X 磁界影響範囲

Claims (6)

  1. 電磁的結合に応じて送電用コイルから受電用コイルへ電力を非接触に伝送する非接触型電力伝送機器内の前記送電用コイル及び前記受電用コイルの内、少なくとも一つのコイルの磁界影響範囲内のコイル対向側に配置された磁気シールド層と、当該磁気シールド層の背面に配置された導体層と、前記非接触に伝送する電力の伝送比率を向上させるべく、前記磁気シールド層及び前記導体層間に配置された中間層とを積層して構成することを特徴とする電磁波送受信特性改善用シート体。
  2. 前記中間層は、
    前記磁気シールド層及び前記導体層の電気抵抗率よりも大きい非磁性体で構成することを特徴とする請求項1記載の電磁波送受信特性改善用シート体。
  3. 前記中間層は、
    前記磁気シールド層及び前記導体層間を離間する中空部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波送受信特性改善用シート体。
  4. 前記導体層は、
    非磁性の導体で構成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の電磁波送受信特性改善用シート体。
  5. 前記磁気シールド層は、
    複素透磁率の実数部が大きく、複素透磁率の虚数部が小さく、かつ、表面抵抗の大きな磁性体又は複合磁性体で構成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の電磁波送受信特性改善用シート体。
  6. 前記磁気シールド層及び前記導体層間に前記中間層を配置しない場合の当該磁気シールド層の厚みをt1、最大電力伝送比率を得る際の当該磁気シールド層の最低の複素透磁率の実数部をμ、複素透磁率の虚数部を一定とした場合を基準にし、前記磁気シールド層及び前記導体層間に前記中間層を配置する際の当該磁気シールド層の厚みをt2とした場合、所定係数α*(t1−t2)*μに基づき、最大電力伝送比率を得る際の中間層の厚みt3を算出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の電磁波送受信特性改善用シート体。
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