JP2011181303A - 蓋体係止構造、電池収容構造及びカード型電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 機器を薄くすることに蓋体が寄与でき、そのようにしても蓋体が不必要に外れることがない、被蓋される空間の密閉性を維持できるカード型電子機器を提供する。
【解決手段】 本発明は、カード状本体に設けられた電池収容凹部にコイン型電池を収容させるカード型電子機器に関する。適用されている蓋体係止構造は、電池収容空間を、蓋体を所定方向にスライドさせて閉成させると共に、その逆方向に蓋体をスライドさせて蓋体を離脱させる構造である。そして、蓋体の閉成状態において、蓋体の少なくとも一部の縁部近傍をカード状本体に係合させる係合部材と、蓋体に設けられた透孔と、蓋体の閉成状態において、透孔に嵌合する嵌合部を有する、電池収容空間を画定する部材に取り付けられたばね部材とを有する。嵌合部は、電池収容空間側への外力により嵌合が解かれて蓋体の逆方向へのスライドを可能とするものである。
【選択図】 図5
【解決手段】 本発明は、カード状本体に設けられた電池収容凹部にコイン型電池を収容させるカード型電子機器に関する。適用されている蓋体係止構造は、電池収容空間を、蓋体を所定方向にスライドさせて閉成させると共に、その逆方向に蓋体をスライドさせて蓋体を離脱させる構造である。そして、蓋体の閉成状態において、蓋体の少なくとも一部の縁部近傍をカード状本体に係合させる係合部材と、蓋体に設けられた透孔と、蓋体の閉成状態において、透孔に嵌合する嵌合部を有する、電池収容空間を画定する部材に取り付けられたばね部材とを有する。嵌合部は、電池収容空間側への外力により嵌合が解かれて蓋体の逆方向へのスライドを可能とするものである。
【選択図】 図5
Description
本発明は、蓋体係止構造、電池収容構造及びカード型電子機器に関し、例えば、ボタン電池やコイン型電池、リチウムイオン電池などを交換可能に収容する構造、装置に適用し得るものである。
カード型電卓、カード型ラジオ、非接触ICカードなど、今日では、多くのカード型電子機器があり、その中にはコイン型電池を電源としているものがある。コイン型電池は1次電池であるため、寿命により、カード型電子機器に装着しているコイン型電池を交換しなければならないことも生じる。コイン型電池を交換可能に収容する構造として、従来、特許文献1や特許文献2に記載のものがある。
特許文献1に記載のものは、ホルダがコイン型電池の周囲を挟み込んで保持し、コイン型電池を保持しているホルダを、カード状本体の縁部に設けられている開口から挿入したり取出したりするものである。
特許文献2に記載のものは、カード状本体の縁部に設けられている開口からコイン型電池を単独で出し入れできるものであって、その開口を回動する蓋体によって被蓋するものである。
特許文献1や特許文献2に記載のものは、カード状本体の縁部に設けられている開口からコイン型電池を着脱するものであった。図1は、カード状本体の裏面からコイン型電池を着脱できるようにした、蓋体がスライドする従来のコイン型電池の収容構造を示している。図1は、蓋体を、カード状本体から離脱している状態で示している。また、図1は、コイン型電池や、コイン型電池と電気的に接続するための金属片の図示を省略している。
図1において、カード状本体1には、2個のコイン型電池を並設して収容できる収容凹部2が形成されており、この収容凹部2は、蓋体3によって被蓋される。
収容凹部2は、カード状本体1の下側(図1では右側)の縁部に設けられている壁部2a、左右の縁部に設けられている壁部2b、2cとで画定されると共に、収容凹部2における壁部2aに対向する部分は、裏面板部4の下方空間に連絡するようになされている。
蓋体3は、概ね平板状に成形されているものであり、図1のA方向にスライドすることで、収容凹部2を閉成し(覆い)、又は、開放するものである。カード状本体1の左右縁部の壁部2b、2cには、蓋体3を支持しながらスライドすることを容易にするための段部5a、5bが設けられている。
収容凹部2を閉成する際に先頭側となる蓋体3の縁部近傍の内面中央部には、閉成時の進行方向に向かって延びている係止爪6が設けられており、その縁部近傍の内面両端には、閉成時の進行方向に向かって延びている支持用突片7a、7bが設けられている。収容凹部2における裏面板部4の下方空間側には、係止爪6を案内する一対の案内壁8a、8bが設けられており、蓋体3の閉成時には、蓋体3の係止爪6は案内壁8a、8bに案内されながら裏面板部4の下方に押し込まれ、係止爪6の先端に設けられている鍵部6aが裏面板部4の内面に設けられている図示しない凹部に係合するようになされている。蓋体3の閉成状態では、蓋体3の支持用突片7a、7bは裏面板部4の内面を外方(図1では上方)に押圧するように機能し、蓋体3の支持をより強固なものとするようになされている。
収容凹部2を閉成する際に後方側となる蓋体3の部分は、蓋体3の閉成状態で、収容凹部2の壁部2aを外側から覆う側面部9となっており、この側面部9には、閉成時の進行方向に向かって延びている、2つの挿入片10a、10b(図1では挿入片10bは陰に隠れて見えない)が設けられている。これら挿入片10a、10bは、蓋体3の閉成状態で、収容凹部2の壁部2aに設けられている図示しない凹部又は孔部に係合するようになされている。
係止爪6の基端が蓋体3の本体に接続している近傍には、その部分に弾性を付与すると共に、スライド時にスライド方向の指との引っかかりを与えるための薄肉凹条11a、11b、11cが設けられている。蓋体3の閉成状態で、薄肉凹条11a、11b、11cの部分を押圧することで、係止爪6の先端鍵部6aと裏面板部4の内面に設けられている図示しない凹部との係合が解かれ、この押圧状態で、蓋体3を開放方向へスライドすることにより、蓋体3をカード状本体1から離脱させることができる。
カード型電子機器はカード型を採用しているので、薄ければ薄いほど、ポケットやカバンなどの収容や携帯が容易になり、好ましいものである。
しかしながら、上述した従来の技術はいずれも、カード型電子機器の厚さを一段と薄くしようとした場合に課題を有するものであった。
特許文献1に記載の電池収容構造は、コイン型電池がホルダに保持されるためホルダは厚くなってしまい、そのホルダが開口に挿入されるカード状本体(言い換えると、カード型電子機器)もホルダを安定的に保持する厚さが必要となって、全体の厚さを薄くしようとしてもその要求にほとんど対応できない構造であった。
特許文献2に記載の電池収容構造は、カード状本体はコイン型電池を受け入れる空間を画定する上下の板部材を必要とした上、コイン型電池を出し入れする縁部開口を覆う蓋体も板部材でなるものである。すなわち、カード型電子機器の厚さを規定する板部材が、上下の板部材に加え、さらにもう1枚必要な構造となっているため、全体の厚さを薄くしようとしても、特許文献2に記載の電池収容構造ではその要求にほとんど対応できない。
図1に記載のスライド式の電池収容構造では、カード型電子機器の厚さは、カード状本体1の表面(図1の下面)側の板部材の厚さと、コイン型電池の厚さと、蓋体3を構成する板部材の厚さとの総和となる。コイン型電池の厚さは一定であるので、全体の厚さを薄くしようとすると、カード状本体1の表面側の板部材の厚さや、蓋体3を構成する板部材の厚さを薄くしなければならない。仮に、蓋体3を構成する板部材の厚さを薄くし、そこから延びる係止爪6の太さをそのままとすると、係止爪6の基端が蓋体3から外れる恐れが高まってしまう。特に、材質が合成樹脂の場合にはこのような恐れが非常に高い。一方、蓋体3を構成する板部材の厚さを薄くし、かつ、そこから延びる係止爪6の太さも細くすると、係止爪6の鍵部6aが小さくなり、鍵部6aと、裏面板部4の内面に設けられている図示しない凹部との係合が弱くなり、蓋体3が不必要にカード状本体1から離脱する恐れが高くなる。また、蓋体3を構成する板部材の厚さを薄くすると、そのような薄い板部材に薄肉凹条11a、11b、11cを適切に設けることが難しくなり、蓋体3の開放操作がし難くなる。薄肉凹条に代え、その部分を貫通孔とすると、指との引っかかりを確保できる反面、携帯時などにおいても、この貫通孔を通して塵埃がカード型電子機器の内部に入り込む恐れが非常に大きくなる。
また、図1に記載のスライド式の電池収容構造では、この構造を備えた筐体(本体)の大きさや蓋体の厚さに関わらず、鍵部6aと凹部との係合を解除する方向と、蓋体3を本体1から外す方向が同一であるため、蓋体3に対してこの方向の力が加わると蓋体3が本体1から外れてしまう。
さらに、上記方向の力は、蓋体3のどこに加わっても上記作用につながるため、蓋体3の面積が大きければ大きいほど上記問題が発生する可能性が高くなる。
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、装置を薄くすることに蓋体が寄与でき、蓋体が不必要に外れることがない、被蓋される空間の密閉性を維持できる蓋体係止構造、電池収容構造及びカード型電子機器を提供しようとしたものである。
第1の本発明は、装置本体に設けられた凹部空間を、蓋体を所定方向にスライドさせて閉成させると共に、上記所定方向の逆方向に上記蓋体をスライドさせて上記装置本体から上記蓋体を離脱させる蓋体係止構造において、(1)上記蓋体の閉成状態において、上記蓋体の少なくとも一部の縁部近傍を上記装置本体に係合させる係合部材と、(2)上記蓋体に設けられた透孔と、(3)上記透孔に嵌合する嵌合部と、(4)上記嵌合部と接続され、上記蓋体の閉成状態において、上記透孔に上記嵌合部を付勢し嵌合させる、上記凹部空間を画定する部材に取り付けられたばね部材とを有し、(5)上記嵌合部は、上記凹部空間方向の外力が加えられることで上記透孔との嵌合が解かれて上記蓋体の上記逆方向へのスライドを可能とするものであることを特徴とする。
第2の本発明は、装置本体に設けられた、電池を収容する電池収容凹部を、蓋体を所定方向にスライドさせて閉成させると共に、上記所定方向の逆方向に上記蓋体をスライドさせて上記装置本体から上記蓋体を離脱させる電池収容構造において、上記蓋体の係止構造として、第1の本発明の蓋体係止構造を適用したことを特徴とする。
第3の本発明は、カード状本体に設けられた電池収容凹部にコイン型電池を収容させる電池収容構造を有するカード型電子機器において、上記電池収容構造として、第2の本発明の電池収容構造を適用したことを特徴とする。
本発明の蓋体係止構造、電池収容構造及びカード型電子機器によれば、装置を薄くすることに蓋体が寄与でき、蓋体が不必要に外れることがなく、被蓋される空間の密閉性を損なうこともない。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による蓋体係止構造、電池収容構造及びカード型電子機器の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
以下、本発明による蓋体係止構造、電池収容構造及びカード型電子機器の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
実施形態のカード型電子機器は、非接触ICカードでなっている各種の電子マネーの残高を読み取って表示する電子マネー残高表示装置である。
図2は、実施形態の電子マネー残高表示装置の表面を示す平面図である。
実施形態の電子マネー残高表示装置20は、各種の電子マネー(例えば、Suica(登録商標)、Edy(登録商標)等)と同様な矩形状の輪郭を有するカード形をしており、4〜5mm程度の厚みを有している。電子マネー残高表示装置20の表面には、当該電子マネー残高表示装置20に近接された電子マネーの残高を表示する液晶ディスプレイ21と、電子マネーから残高を得て表示する動作を起動するオン(ON)スイッチ22とが設けられている。オンスイッチ22が操作された以降、短時間(例えば、4〜5秒)の間だけ電子マネー残高表示装置20は動作を実行し、その後、自動的にオフするようになされている。すなわち、オフスイッチは設けられていない。電子マネー残高表示装置20の表面のほぼ全面に、1枚のシートが貼付されている。液晶ディスプレイ21はシートに設けられた窓を介して外部に露出しており、オンスイッチ22の本体はシートの下方にあり、オン操作は、シート上に記載された文字「ON」の所をシートごと押圧することで行うようになされている。
図3は、実施形態の電子マネー残高表示装置20の電気的構成を示すブロック図であり、図2との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
電子マネー残高表示装置20は、上述した液晶ディスプレイ21及びオンスイッチ22に加え、電源部23、電子マネーリーダ部24及び制御部25を有する。
電源部23は、例えば、直列接続された2個のコイン型電池を中心として構成されているものであり、オンスイッチ22がオン操作されたときに、電子マネーリーダ部24及び制御部25に電源を供給し、制御部25から電源オフが通知されたときに、電子マネーリーダ部24及び制御部25への電源供給を終了させるものである。
電子マネーリーダ部24は、アンテナ24aを備え、当該電子マネー残高表示装置20が対応できる電子マネーが適用している非接触通信方式(例えば、FeliCa(登録商標))に応じて、電子マネーに記憶されている情報(残高を含む)を読み取るものである。電子マネーリーダ部24としては、非接触ICカードの既存のリーダ/ライタを適用することができる。電子マネーリーダ部24は、得られた電子マネー情報を制御部25に与えるものである。
制御部25は、電子マネーリーダ部24から与えられた電子マネー情報の中から残高を取り出して、液晶ディスプレイ21に表示させるものである。制御部25は、CPU及びメモリを中心として構成されたり、専用のICチップで構成されたり、既存のDSPに所定プログラムを書き込むことで構成されたりしているものである。制御部25は、処理に必要なクロックの発生構成を含み、制御部25内のタイマ部25aは、そのクロックをカウントすることにより計時するものである。制御部25は、所定時間だけ表示が実行されたときには、電源オフを電源部23に通知するものである。
図4は、制御部25による処理の流れを示すフローチャートである。
利用者は、残高を知りたい電子マネーを、当該電子マネー残高表示装置20の裏面側に接するように重ね、この状態で、オンスイッチ22をオン操作する。これにより、制御部25に電源部23から電源が供給されるようになり、制御部25は図4に示す処理を開始する。
制御部25は、電子マネーリーダ部24によって電子マネーと所定時間(例えば0.5秒)だけ通信させた後(ステップS1)、通信が成功したか否かを判別する(ステップS2)。通信が成功した場合には、制御部25は、電子マネー情報が得られた電子マネーは当該電子マネー残高表示装置20が処理対象としている電子マネー(処理対象は例えば20種類用意されている)か否かを電子マネー情報内のマネーの識別情報に基づいて判別する(ステップS3)。処理対象としている電子マネーであると、制御部25は、得られた電子マネー情報の中から残高(の情報)を抽出して液晶ディスプレイ21に表示させ(ステップS4)、その表示時間が所定時間(例えば4秒)となったときに電源部23に電源オフを通知して(ステップS5)、図4に示す一連の動作を終了する。一方、電子マネーとの通信が失敗した場合や、電子マネーとの通信は成功したが処理対象としている電子マネーでない場合には、制御部25は、エラーを液晶ディスプレイ21に表示させ(ステップS6)、その表示時間が所定時間(例えば4秒)となったときに電源部23に電源オフを通知して(ステップS5)、図4に示す一連の動作を終了する。
以上のようにして、利用者はオンスイッチ22をオン操作するだけで容易に電子マネーの残高を知得することができる。この際、オフ操作が不要であって利便性が高くなっている。また、通信に失敗したときに、所定回数を上限として通信に成功するまで再通信を繰り返すことも考えられるが、失敗したときに直ちにエラー表示して終了するようにしたので、無駄な電力を抑えることができる。因みに、電子マネーの動作電源(動作用エネルギー)を、当該電子マネー残高表示装置20から通信時に供給するため、通信時の消費電力は通信以外での消費電力より大きいものとなっている。
実施形態の電子マネー残高表示装置20は、利用者が電子マネーと共に携帯するものであるので、電子マネーまではいかずとも薄ければ薄いほど好ましいものである。また、電子マネーと通信を行うため、カード形の箱体には金属を適用できず合成樹脂を適用している。
図5は、実施形態の電子マネー残高表示装置20における電池収容構造(実施形態の電池収容構造)を示す斜視図である。この電池収容構造には実施形態の蓋体係止構造が適用されている。図5は、蓋体を、カード状本体から離脱している状態で示している。また、図5は、コイン型電池や、コイン型電池と電気的に接続するための金属片の図示を省略している。
図5において、カード状本体31には、2個のコイン型電池を並設して収容できる収容凹部32が形成されており、この収容凹部32は、蓋体33によって被蓋される。
収容凹部32は、カード状本体31の下側(図5では右側)の縁部に設けられている壁部32a、左右の縁部に設けられている壁部32b、32cとで画定されると共に、収容凹部32における壁部32aに対向する部分は、裏面板部34の下方空間に連絡するようになされている。
蓋体33は、概ね平板状に成形されているものであり、図5のB方向にスライドすることで、収容凹部32を閉成し(覆い)、又は、開放するものである。カード状本体31の左右縁部の壁部32b、32cには、蓋体33を支持しながらスライドすることを容易にするための段部35a、35bが設けられている。
収容凹部32を閉成する際に先頭側となる蓋体33の縁部近傍の内面中央部には、閉成時の進行方向に向かって延びている中央支持用突片36が設けられており、その縁部近傍の内面両端には、閉成時の進行方向に向かって延びている支持用突片37a、37bが設けられている。収容凹部32における裏面板は部34の下方空間側には、中央支持用突片36を案内する一対の案内壁38a、38bが設けられており、蓋体33の閉成時には、蓋体33の中央支持用突片36は案内壁38a、38bに案内されながら裏面板部34の下方に押し込まれる。蓋体33の閉成時の進行方向の縁部と、裏面板部34の収容凹部32側の縁部とが接するまで、蓋体33が押し込まれるようになされており、蓋体3の閉成状態で、中央支持用突片36は左右方向の位置を規制すると共に、裏面板部34の内面を外方に押圧するように機能し、蓋体33の支持をより強固なものとするようになされている。また、蓋体33の閉成状態では、蓋体33の両端の支持用突片37a、37bも、裏面板部34の内面を外方に押圧するように機能し、蓋体33の支持をより強固なものとするようになされている。
この実施形態の場合、中央支持用突片36は鍵などを備えない棒状をしており、係止爪のような機能は担当していない。
収容凹部32を閉成する際に後方側となる蓋体33の部分は、蓋体33の閉成状態で、収容凹部32の壁部32aを外側から覆う側面部39となっており、この側面部39には、閉成時の進行方向に向かって延びている、3つの挿入片40a、40b(図5では挿入片40bは陰に隠れて見えない)、40c(図5では挿入片40cは陰に隠れて見えない)が設けられている。これら挿入片40a〜40cは、蓋体33の閉成状態で、収容凹部32の壁部32aに設けられている図示しない凹部又は孔部に係合するようになされている。
閉成時の進行方向からみて、蓋体33の上面の後側寄りであって、左右方向には中心の位置に透孔(浅い貫通孔)41が設けられている。一方、収容凹部32には、その底面に一端が固定されている片持ち梁状のばね部材42が設けられており、その先端は上述の透孔41に嵌合する嵌合部42aとなっている。嵌合部42aの外周は透孔41の内周とほぼ同様であり、嵌合時において、塵埃が進入できる隙間はないに等しい。ばね部材42の固定基端と嵌合部42aとを結ぶ、蓋体33の移動方向に延びている連結部分42bは、収容される2つのコイン型電池の左右方向の位置を規制する機能を果たしている。なお、収容凹部32の壁部32aの内面側に設けられている円筒状切欠部も、コイン型電池の位置規制機能を果たしている。ばね部材42は、カード状本体31と一体で成形されたものであり、射出成形の容易さや金型抜けのために、ばね部材42の下方には孔43ができてしまうが、上述したように、電子マネー残高表示装置20の表面は1枚シートで覆われるため、この孔43も1枚シートで覆われ、塵埃の進入箇所となることはない。
以上の構成の電池収容構造(蓋体係止構造)において、蓋体33が取り外されて開放されている状態から、蓋体33を閉成させる際には、蓋体33の左右の縁部を、カード状本体31の左右縁部の壁部32b、32cに設けられている段部35a、35bに合わせて載せ、その状態で、下方へ押圧させながら閉成方向にスライドさせていく。このようなスライド状態では、ばね部材42の嵌合部42aは蓋体33の内面によって下方に押されている。
蓋体33のスライドにより、その進行方向の縁部と、裏面板部34の収容凹部32側の縁部とが接し、蓋体33の進行は終了する。蓋体33の中央支持用突片36は終了直前から案内壁38a、38bによって案内され、左右方向の位置を規制する。また、進行が終了したときには、裏面板部34の内面側に入り込んで、ばね部材42の外方への弾発力を受けて裏面板部34の内面を外方に押圧し、蓋体33の支持をより強固にする。また、蓋体33の進行が終了した状態では、蓋体33の両端の支持用突片37a、37bも、ばね部材42の外方への弾発力を受けて、裏面板部34の内面を外方に押圧し、蓋体33の支持をより強固にする。
また、蓋体33の進行が終了したとき、蓋体33の挿入片40a〜40cは、蓋体33の閉成状態で、収容凹部32の壁部32aに設けられている図示しない凹部又は孔部に係合する。挿入片40a〜40cも、ばね部材42の外方への弾発力を受けて、図示しない凹部又は孔部との係合をより強固にする。
さらに、蓋体33の進行が終了したとき、ばね部材42の先端の嵌合部42aは、蓋体33の透孔41と嵌合する。この嵌合によっても、蓋体33の前後左右の位置を規制する。また、嵌合状態においても、ばね部材42は蓋体33を外方に押すような弾発力を発揮し、上述したような各所での支持を確実なものとする。
一方、閉成状態の蓋体33を取り外して開放する際には、蓋体33の透孔41と嵌合しているばね部材42の先端嵌合部42aを、指の先端で内方に押圧して嵌合を解除し、透孔41にかかっている指の先端をそのまま開放方向に移動させて蓋体33を外れる方向にスライドさせれば良い。
上記実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
鍵部を有する係止爪を利用した蓋体の場合には、不必要な開放を考慮して、蓋体の厚みを薄くし難い。一方、実施形態の蓋体33は、鍵部を有する係止爪を利用していないので、蓋体33の厚みを薄くすることができ、電子マネー残高表示装置20を薄くすることに蓋体33が寄与することができる。言い換えると、薄い電子マネー残高表示装置20を実現することができる。
上述のように蓋体33を薄くしても、その閉成状態(支持状態)で、カード状本体31に設けられたばね部材33が、蓋体33の強固な支持に必要な力(弾発力)を与えるようにしたので、蓋体33が不必要に外れるようなことを防止することができる。因みに、図1に示した従来技術では、蓋体に設けられた係止爪が蓋体の支持に必要な力を与えるようにしていたので、蓋体を薄くした場合に、その力が不十分になって蓋体が不必要に外れる恐れがあった。さらに、仮に、蓋体を薄くしない場合であっても、係止爪による係止では利用者が解放を意図した力を加えなくても蓋体が不必要に外れる恐れがあるが、透孔41と嵌合部42aとの嵌合では、利用者が解放を意図した大きな力を加えない限り、嵌合状態が解かれることはなく、蓋体が不必要に外れる恐れは皆無に近い。
また、上記実施形態の場合、蓋体33は透孔41を有するが、閉成状態ではこの透孔41にばね部材42の先端嵌合部42aが嵌合しているため、収容凹部32の密封性をほぼ確保でき、塵埃が進入することを防止することができる。
ここで、透孔41の位置は、開放時に進行側となる縁部に近いため、蓋体33を開放するための押圧、それに続くスライド操作がし易いものとなっている。
(B)他の実施形態
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
上記実施形態では、カード型電子機器が電子マネー残高表示装置であるものを示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電子マネーからの情報を処理する装置であっても、残高以外の情報をも、スクロールなどの方法によって表示できるものであっても良い。また、カード型電卓、カード型ラジオ、カード型歩数計などに、本発明を適用することができる。
本発明による蓋体係止構造や電池収容構造は、カード型電子機器以外の装置に適用できることは勿論である。
本発明による蓋体係止構造は、電池収容凹部以外の空間を被蓋する構造としても適用可能なものである。例えば、メモリカードを収容する空間を被蓋する蓋体の係止構造として、本発明による蓋体係止構造を適用可能である。
上記実施形態においては、2個のコイン型電池を収容する収容凹部を被蓋する場合を示したが、収容するコイン型電池の数は1個でも3個以上であっても良い。
上記実施形態においては、蓋体とカード状本体との係合箇所が、閉成時の進行方向の先頭側で3箇所、閉成時の進行方向の後行側で3箇所の計6箇所(透孔と嵌合部との嵌合を除く)のものを示したが、係合箇所の個数は先頭側及び後行側共にこれに限定されるものではない。例えば、凸片ではなく、蓋体の左右方向に延びる1つの凸条を利用して係合させるものであっても良い。
上記実施形態においては、透孔41とばね部材42とが一対のものを示したが、複数対を有するものであっても良い。ばね部材42も、カード状本体31と一体成形されていないものであっても良く、また、片持ち梁状のものでなくても良い。例えば、つる巻きばねの先端に嵌合部を有するものであっても良い。ばね部材42の基端が接続されている部材は、収容凹部32の底面部材に限定されず、収容凹部32の側面部材などであっても良い。
20…電子マネー残高表示装置、31…カード状本体、32…収容凹部、33…蓋体、34…裏面板部、36…中央支持用突片、37a、37b…支持用突片、38a、38b…案内壁、40a、40b、40c…挿入片、41…透孔、42…ばね部材、42a…ばね部材の嵌合部。
Claims (3)
- 装置本体に設けられた凹部空間を、蓋体を所定方向にスライドさせて閉成させると共に、上記所定方向の逆方向に上記蓋体をスライドさせて上記装置本体から上記蓋体を離脱させる蓋体係止構造において、
上記蓋体の閉成状態において、上記蓋体の少なくとも一部の縁部近傍を上記装置本体に係合させる係合部材と、
上記蓋体に設けられた透孔と、
上記透孔に嵌合する嵌合部と、
上記嵌合部と接続され、上記蓋体の閉成状態において、上記透孔に上記嵌合部を付勢し嵌合させる、上記凹部空間を画定する部材に取り付けられたばね部材とを有し、
上記嵌合部は、上記凹部空間方向の外力が加えられることで上記透孔との嵌合が解かれて上記蓋体の上記逆方向へのスライドを可能とするものである
ことを特徴とする蓋体係止構造。 - 装置本体に設けられた、電池を収容する電池収容凹部を、蓋体を所定方向にスライドさせて閉成させると共に、上記所定方向の逆方向に上記蓋体をスライドさせて上記装置本体から上記蓋体を離脱させる電池収容構造において、
上記蓋体の係止構造として、請求項1に記載の蓋体係止構造を適用したことを特徴とする電池収容構造。 - カード状本体に設けられた電池収容凹部にコイン型電池を収容させる電池収容構造を有するカード型電子機器において、
上記電池収容構造として、請求項2に記載の電池収容構造を適用したことを特徴とするカード型電子機器。
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- 2010-03-01 JP JP2010043811A patent/JP2011181303A/ja active Pending
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