図1は住宅に対する本発明による監視システムの設置状態を示した説明図である。図1の例にあっては、住宅24に設けられている台所、居間、主寝室、子供部屋、階段室のそれぞれに火災を検出して警報する無線式の住警器(住宅用火災警報器)住警器10−1〜10−4が設置され、FM電波環境の良い居間には緊急地震速報装置25が設置されている。ここで、緊急地震速報装置25は特許請求の範囲に記載した地震速報装置に対応する。
住警器10−1〜10−5は、イベント信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅全体の火災監視を行っている。いま住宅24の子供部屋で万一、火災が発生したとすると、住警器10−4が火災を検出して警報(異常警報)を開始する。この火災を検出して警報を開始することを、住警器における「発報」という。住警器10−4が発報するとき、住警器10−4は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−1〜10−3,10−5に対し、火災発生を示すイベント信号を無線により送信する。他の住警器10−1〜10−3,10−5は、連動元の住警器10−4からの火災発生を示すイベント信号を受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
住警器が検出する自己のイベントとしては、上述の火災発生だけでなく、火災復旧や警報停止、また緊急地震速報や緊急地震速報試験の停止等があり、これらについては後述する。また、以下では、住警器が検出するイベントを単に「イベント」とし、緊急地震速報装置が検出する「装置イベント」とそれぞれ区別している。またイベント検出に伴い住警器が送信する信号、装置イベント検出に伴い緊急地震速報装置が送信する信号の双方を「イベント信号」としているが、必要に応じ前者をイベント信号、後者を装置イベント信号と記載することがある。
連動元となった住警器10−4の警報音としては、例えば音声メッセージにより「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を出力する。一方、連動先の住警器10−1〜10−3,10−5にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージを出力する。
また連動元となった住警器10−4の警報に伴う表示(警報表示)としては、例えばLED22(後述)を点灯させる。一方、連動先の住警器10−1〜10−3,10−5にあっては、LED22を点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLED22による警報表示を区別できるようにしている。
なお、連動元のLED22を点滅とし、連動先のLED22を点灯としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLED22の明滅または点滅、点灯表示であっても良い。また例えば赤色LEDと黄色LEDを設け、連動元は赤色LEDを駆動し、連動先は黄色LEDを駆動するといった2色表示としても良い。もちろん、2つのLEDを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な2色LEDが採用できる。
住警器10−1〜10−5が警報音を出している状態で、警報停止スイッチ20(後述)を操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。このとき例えば、連動元である住警器10−4で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器10−1〜10−5の警報を停止し、連動先である住警器10−1〜10−3,10−5のいずれかで警報停止操作が行われた場合には、住警器10−4の警報は停止せず、住警器10−1〜10−5の警報を停止するようにする。また、次に説明する緊急地震速報装置25からも、同様に警報器の警報停止操作を行うことが出来るようにしても良い。
緊急地震速報装置25は、自己のイベントとして例えばFM放送による緊急地震速報信号を検出して再生出力すると共に緊急地震速報を示すイベント信号を住警器10−1〜10−5に無線送信する。FM放送による緊急地震速報は「(チャイム音2回)緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」を2回繰り返す。緊急地震速報装置25は、例えば最初のチャイム音の信号を解析して緊急地震速報信号の受信機を検出して受信待機状態から再生動作に切り替わり、「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」を設定音量で出力させる。
なお、緊急地震速報装置25が検出する自己のイベントは特許請求の範囲に於ける装置イベント、緊急地震速報装置が送信するイベント信号は特許請求の範囲に於ける装置イベント信号に対応する。装置イベントには、緊急地震速報信号の受信または受信停止の他に、操作部の操作による緊急地震速報試験指示、同試験の停止、住警器からのイベント信号受信、操作部の操作による住警器の警報停止指示、同じく住警器の試験指示等がある。
本実施形態の住警器10−1〜10−5は、緊急地震速報装置25の設置に伴い、緊急地震速報装置25から緊急地震速報を示す装置イベント信号を受信した時に緊急地震速報を示す情報を音声メッセージとして出力する。緊急地震速報を示す情報を音声メッセージとしては例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」との音声を出力する。
また緊急地震速報装置25には試験スイッチが設けられており、試験スイッチを操作すると緊急地震速報試験を示すイベント信号が送信され、住警器10−1〜10−5で受信されて、住警器10−1〜10−5から緊急地震速報試験を示す情報が、例えば音声メッセージ等で出力される。緊急地震速報試験の実施を示す情報として出力される音声メッセージ内容としては例えば「ピーピー 緊急地震速報の試験です。とする。
ここで、居間には緊急地震速報装置25と住警器10−2が設置されており、このままでは両方から緊急地震速報や緊急地震速報試験の実施が音声出力されて聞き取り難くなる。そこで本実施形態にあっては住警器10−1〜10−5に緊急地震速報および/または緊急地震速報試験実施の報知出力を禁止する禁止モードの設定を、ディップスイッチなどにより設定可能としており、例えば居間に設置した住警器10−2については禁止モードを設定しておくことで、緊急地震速報装置25から緊急地震速報を示すイベント信号を受信しても、緊急地震速報を示す情報は出力しないようにしている。
このモード設定機能は住警器側に設けられても良いが、一般的には住警器のほうが緊急地震速報装置に比べて設置台数が多いことが想定されるので、システム機器の全体コスト等を考慮して、緊急地震速報装置25に設けるものとしても良い。なお、緊急地震速報試験を示す情報は禁止モードを設定しても出力する。住警器側に禁止モード設定機能を設ける場合には、この設定状態では緊急地震速報試験実施の報知も禁止させるようにしても良い。また、緊急地震速報の報知または同試験実施の報知出力を禁止するモードをそれぞれ別に設定するようにしても良い。
図2は本発明による無線式の住警器の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面図を、図2(B)に側面図を示している。
図2において、本実施形態の住警器10(10−1〜10−5)の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には、周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部16が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出するようにしている。
カバー12に設けた検煙部16の左下側には音響穴18が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。
警報停止スイッチ20は住警器10の機能点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報時に警報停止スイッチ20が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると機能自己点検を実施して結果を報知する。
警報停止スイッチ20は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたタクトスイッチ(図示せず)とで構成されている。スイッチカバー内部のタクトスイッチ近傍には、点線で示すように警報表示を行うLED22が配置されており、LED22が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED22の作動状態が外部から分かるようにしている。
また本体14の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
なお図1の住警器10にあっては、検煙部16を備え、火災による煙を検出する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタ等の温度検出素子を備えた住警器や火災に伴うその他の物理現象を検出する住警器、火災以外にガス漏れを検出する警報器、侵入者や地震その他の異常(異状)を検出する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。そして、本発明の警報システムは、これら各種の警報器を混在させて構成しても良い。
図3は図1の警報システムに設けた緊急地震放送受信機及び住警器の実施形態を示したブロック図であり、住警器は居間に設置した住警器10−1について示しているが、他の住警器10−2〜10−5についても同様の構成となる。
住警器10−1はワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を備え、プロセッサ28に対してはアンテナ31を備えた無線通信部30、記録部(メモリ)32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を設けている。
無線通信部30には送信回路42と受信回路44が設けられ、他の住警器10−2〜10−5との間でイベント信号を無線により送受信できるようにし、更に緊急地震速報装置25からのイベント信号を受信できるようにしている。なお、後述する緊急地震速報装置25の表示部76やスピーカ74で、住警器10−1による火災警報等を連動報知させる場合には、送信回路42から緊急地震速報装置25に対して信号の送信も行うことになる。
無線通信部30としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
もちろん無線通信部30としては、日本国内以外の場所については、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
記憶部としてのメモリ32には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番48、各住警器を特定するID(識別子)となる送信元符号50、図1のように住宅に設置した住警器10−1〜10−5で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号52が格納されている。
連番48は警報器間の、主に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
送信元符号50としては、国内に提供される住警器何れとも同一符号として重複しないように例えば26ビットの符号コードとし、住警器のシリアル番号等を利用している。
グループ符号52は連動グループを構成する複数の住警器に共通に設定される符号であり、例えば無線通信部30で受信した他の住警器からのイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ32に登録しているグループ符号52に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として受信して処理することになるので、近隣の住宅等に設置された、連動を要しない他のグループに属する警報器との不要な連動を回避出来る。
センサ部34には、煙を検出して信号を出力する検煙部16を設けている。前述のように、センサ部34には検煙部16に代えて、火災による温度を検出するサーミスタ等の温度検出素子や、火災に伴うその他の物理現象変化を検出する各種素子を設けてもよい。
報知部36には警報音等を出力するスピーカ56と警報表示を行うLED22が設けられている。スピーカ56は、図示しない音声合成回路部から、自己が記憶保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常その他を表示する。スピーカ56に代えて、ブザー等を用いても良い。またLED22に代え、2色LEDや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、LEDと液晶表示器を併設するなどしても良い。
操作部38には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20は、報知部36からスピーカ56により火災や障害の警報音を出力しているとき又はLED22により警報表示を行っているときにのみ警報停止スイッチとして機能する。例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音は停止するが、警報表示は停止または所定時間後に停止するといった警報停止処理が行われる。
一方、連動元や連動先を示す警報を行っていない通常監視状態においては、警報停止スイッチ20は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ20を操作すると、所定の自己点検動作が実行されて報知部36から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
なお、障害警報中に警報停止スイッチ20が操作された場合には、所定の自己点検動作を実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行うようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることが出来る。そして、このとき障害状態が解消している場合には、例えば「障害は解消しました」等のメッセージを出力して、障害停止処理に移行しても良い。
更に操作部38にはモードスイッチ21が設けられている。モードスイッチ21は本体裏面などに設けたディップスイッチ等であり、緊急地震速報の禁止モードをオン、オフ設定することができる。モードスイッチ21のオンにより禁止モードを設定すると、緊急地震速報装置25から緊急地震速報を示すイベント信号を受信しても、緊急地震速報を示す情報の出力は行われない。
この機能を利用して、例えば緊急地震速報装置が設置されている部屋に住警器も設置されているような場合や、同じ部屋に住警器が複数台設置されている場合等に、必要に応じて所定の機器だけに情報出力させることが出来るので、複数の機器で重複しての情報出力を避けることが出来、このため、この場合例えば禁止設定された住警器の電池消耗を抑制することが出来る等の効果が得られる。
電池電源40は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線通信部30を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
プロセッサ28にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検出部58、送信処理部60、受信処理部62、警報処理部64、及び緊急地震速報処理部66の機能が設けられている。
イベント検出部58は、センサ部34による異常(ここでは火災)検出、操作部38による警報停止や点検指示、センサ部34の異常検出がなくなる異常復旧等のイベントを検出する。またイベント検出部58は受信処理部62を介して他の住警器10−2〜10−5及び緊急地震速報装置25から取得したイベント信号(装置イベント信号)の解読結果として得られたイベント内容を検出する。
送信処理部60は、イベント検出部58によりセンサ部34による異常検出、操作部38による警報停止や点検指示、センサ部34の異常検出がなくなる異常復旧等の自己のイベントを検出した時に、検出イベントを示すイベント信号を、無線通信部30から連動先のとなる住警器に向けて送信させる。受信処理部62は、他の住警器10−2〜10−5及び緊急地震速報装置25からのイベント信号(他の住警器からのイベント信号、緊急地震速報装置25からの装置イベント信号)を、無線通信部30を介して受信解読する。なお、緊急地震速報装置25に設けた操作部78の操作によって住警器の火災警報等を停止させる機能を搭載する場合は、イベント信号の種類として、当該警報停止を示すイベント信号(装置イベント信号)も含まれることになる。
警報処理部64は、イベント検出部58で自己の異常として火災を検出した時にスピーカ56から連動元を示す警報音を出力すると共に、LED22を例えば点灯駆動して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を、送信処理部60および送信回路42を介してアンテナ31から他の住警器に向けて送信する。
具体的に説明すると、警報処理部66は、センサ部34に設けた検煙部16の煙検出信号からイベント検出部60で火災を検出したときに、報知部36のスピーカ56から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」を繰り返し出力させると共に、LED22を点灯して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を、送信処理部60および無線通信部30の送信回路42によりアンテナ31から他の住警器10−2〜10−5に向けて送信させる。
なお、後述するように住警器で火災を検出した場合に緊急地震速報装置でも火災警報を出力させるようにするときには、このイベント信号を緊急地震速報装置25でも受信して処理することになる。
また警報処理部64は、他の住警器10−2〜10−5のいずれかから火災を示すイベント信号を無線通信部30の受信回路44により受信し、受信処理部64で有効となったときに、報知部36のスピーカ56から連動先を示す警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる警報音を繰り返し出力させ、同時にLED22を点滅駆動して連動先を示す警報表示を行う。
また、イベント検出部58はセンサ障害とローバッテリー障害を検出する。センサ障害の検出は、所定の測定時間間隔T1、例えばT1=1秒間隔でセンサ部34の検煙部16から出力される煙検出信号をA/D変換により読み込んでメモリ32のバッファ領域に保持し、例えば所定の時間間隔T2=10分毎に、メモリ32のバッファ領域に保持している10分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル(零点レベルという)を下回った時に出力停止状態である等としてセンサ部16の障害と判定する。
このように煙濃度検出信号の10分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部16に設けている受光素子の断線、受光アンプの停止などの障害が発生したことによるものである可能性が高い。なお、センサ部16にサーミスタなどの温度検出素子等を設けた場合にも、各種の処理により、同様にセンサ障害を検出することが出来る。
ローバッテリー障害の検出は、所定の測定時間間隔T3、例えばT3=4時間間隔で電池電源40の電源電圧をA/D変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にローバッテリー障害と判定し、更にローバッテリー障害との判定が連続して所定回数続いたときにローバッテリー障害を確定する。
警報処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害又はローバッテリー障害を検出した時に、報知部36のスピーカ56からの警報音とLED22の表示により連動元を示すセンサ障害及び又はローバッテリー障害警報を出力させる。また警報処理部64は、センサ障害及び又はローバッテリー障害を示すイベント信号を、送信処理部60および送信回路42を介してアンテナ31から他の住警器10−2〜10−5に送信して、当該他の住警器10−2〜10−5に連動先を示すセンサ障害及び又はローバッテリー障害警報を警報音及び/又は表示で行わせる。
同様に、センサ障害及び又はローバッテリー障害を示すイベント信号を、緊急地震速報装置25でも受信して、連動先を示すセンサ障害及び又はローバッテリー警報を出力させるようにしても良い。この場合、緊急地震速報装置25の無線通信部82には住警器からの信号を受信する機能を設け、プロセッサ68には受信したイベント信号を解析して処理する機能を設け、解析結果に応じて表示部76やスピーカ74から対応する警報を出力する。センサ障害やローバッテリー障害に限らず、火災警報の場合にも同様とすることが出来る。このようにすれば、緊急地震速報装置でも住警器のイベントに応じた報知が行えるようになり、使い勝手が向上し、システム運用の応用範囲も拡がる。
更に警報処理部64は、受信回路44および受信処理部62を介して他の住警器10−2〜10−5の何れかからセンサ障害及び又はローバッテリー障害を示すイベント信号を受信した時に、報知部36のスピーカ56からの警報音と、LED22の表示とにより連動先を示すセンサ障害及び又はローバッテリー障害警報を出力させる。
警報処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害を検出した場合、報知部36のスピーカ56から連動元(障害元)を示すセンサ障害の警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力し、同時にLED22を例えば点灯し、その後は一定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。
また警報処理部64は、センサ障害を示すイベント信号を他の住警器10−2〜10−5に送信することで、他の住警器10−2〜10−5に連動先を示すセンサ障害警報を出力させる。このとき例えば、スピーカ56からの警報音として「ピッ 別の警報器が故障です」を出力させると共にLED22により連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
また警報処理部64は、イベント検出部58でローバッテリー障害を検出した場合、報知部36のスピーカ56から連動元(障害元)を示すローバッテリー障害の警報音として例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力し、同時にLED22を例えば点灯し、その後は、一定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。
また警報処理部64は、ローバッテリー障害を示すイベント信号を他の住警器10−2〜10−5に送信することで、他の住警器10−2〜10−5に連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させ、同時にLED22により連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
また警報処理部64は連動元を示す火災警報または連動先を示す火災警報の出力中に、警報停止スイッチ20の操作を検出した時、又は他の住警器からの警報停止を示すイベント信号受信を検出した場合、スピーカ56からの音声メッセージとLED22の警報表示による火災警報の出力を停止する。このときはLED22による警報表示については、所定時間継続した後に停止しても良い。
また、他の住警器からの警報停止を示すイベント信号受信を検出し他場合に、自己が検出している火災が復旧していないときには、自己の警報音および/または警報表示による警報出力を継続するようにしても良い。すなわち、自己の連動元としての警報出力は、自己の警報停止スイッチが操作された時または自己のセンサ部34からの信号に基づく火災復旧を検出した時にのみ停止するようにしても良い。
警報処理部64は、操作部38に設けた警報停止スイッチ20の警報停止操作を、連動元を示す障害警報出力中に検出した場合、自己の連動元を示す警報音を停止すると共に表示を所定時間継続させた後に停止し、更に連動先を示す障害警報出力中の警報器に警報停止信号を送信して警報音と表示を停止させる。
緊急地震速報処理部66は、緊急地震速報装置25から緊急地震速報を示すイベント信号を受信した時に、緊急地震速報を示す音声メッセージを報知部36のスピーカ56から出力させる。このとき例えばLED22を同時に点灯、点滅又は明滅させる。
また、緊急地震速報処理部66は、緊急地震速報装置25から緊急地震速報試験を示す試験イベント信号を受信した時に、緊急地震速報試験を示す情報を音声メッセージで報知部36のスピーカ56から出力させる。例えばこのときにもLED22を同時に点灯、点滅又は明滅させる。
更に、緊急地震速報処理部66は、モードスイッチ21の設定オン操作により緊急地震速報を示す情報の出力を禁止する禁止モードを設定している場合には、緊急地震速報装置25から緊急地震速報を示すイベント信号を受信しても、緊急地震速報試験を示す情報を音声メッセージの出力は行わない。
モードスイッチ21による音声メッセージの出力禁止は、緊急地震速報についても設定できるようにしても良い。また、音声メッセージや他の音響出力を禁止した場合でも、表示だけは行うようにしても良く、その逆に表示だけを禁止しても良い。
更に音響出力の禁止と表示の禁止をそれぞれ別に指定出来るようにしても良い。即ち、出力禁止の設定は、緊急地震速報と緊急地震速報試験、また音響出力と表示出力について、適宜選択設定できるようにすることが出来る。このようにすれば、報知出力を行うイベントの種類に応じて、その報知方法を選択的に設定できるようになり、利用者の希望や機器の設置状況によって適宜の報知パターンとすることが出来るので、使い勝手が良い。
次に緊急地震速報装置25を説明する。緊急地震速報装置25は、プロセッサ68、FM受信部70、音声増幅部72、スピーカ74、表示部76、操作部78、メモリ80、無線通信部82で構成され、プロセッサ68にはプログラムの実行で実現する機能として緊急地震速報解析部90、装置イベント検出部92及び送信部94が設けられている。
FM受信部70は操作部78の操作で選局したFM局にチューナを同調してその放送電波を受信し、音声信号として復調して出力している。音声増幅部72は待機状態では動作を停止しており、そのためスピーカ74から受信されたFM放送の再生出力は行われない。プロセッサ68の解析処理による緊急地震速報信号が検出されると音声増幅部72が動作状態に切り替えられ、その時、FM受信部68から再生出力された緊急地震速報の放送内容をスピーカ74から出力する。表示部76は待機受信表示、緊急地震速報受信表示、選局周波数表示などのFM放送受信に必要な表示を行う。
ここで、緊急地震速報だけでなく、例えばFM告知放送を受信して、その内容に応じて適宜の処理を行わせることも出来るが、ここではFM緊急地震速報を受信して緊急地震速報に伴う警報を出力し、また住警器でも同警報を連動出力させる場合について説明する。
無線通信部82には送信回路86が設けられ、アンテナ84から住警器10−1〜10−5にイベント信号(装置イベント信号)を無線送信できるようにしている。無線通信部82としては、住警器10−1と同様に、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30またはSTD−T67に準拠した構成を備える。
メモリ80には、住警器10−1のメモリ32と同様に、イベント信号の順番を示す連続番号である連番、緊急地震速報装置25を特定するID(識別子)となる送信元符号、連動グループを構成するためのグループ符号が格納されている。
プロセッサ68に設けた緊急地震速報解析部90は、緊急地震速報放送信号の最初に流れる2回のチャイム音の解析処理により緊急地震速報信号の受信を検出し、音声増幅部72を所定時間動作して続く緊急地震速報を再生してスピーカ74から出力する。緊急地震速報解析部90による緊急地震速報のチャイム音解析は、例えば特許文献3に記載されたベクトル相関法などで行う。
プロセッサ68に設けた装置イベント検出部92は緊急地震速報解析部90による緊急地震速報受信を緊急地震速報装置25のイベントとして検出し、住警器10−1〜10−5側に緊急地震速報を示すイベント信号(装置イベント信号)として送信し、住警器10−1〜10−5側でも報知部36から緊急地震速報を示す情報を出力させる。
また操作部78には試験スイッチ88が設けられている。試験スイッチ88を操作すると、装置イベント検出部92により試験スイッチ88の操作が検出され、これに基づき送信部94が住警器10−1〜10−5側に緊急地震速報試験を示すイベント信号(装置イベント信号)を送信して住警器10−1〜10−5に試験動作させる。
住警器の火災検出による火災警報出力中に緊急地震速報装置25の試験スイッチ88が操作された場合には、警報停止操作として受け付け、警報停止を示すイベント信号(装置イベント信号)を生成して住警器へ送信して、住警器の火災警報出力を停止させるようにしても良い。
このとき、緊急地震速報装置25が住警器側で火災警報が行われていることを知っている場合、例えば住警器からの火災を示すイベント信号を受信することによって緊急地震速報装置25で火災の連動警報を出力している場合等には、自己の火災警報出力を停止するようにしても良い。
緊急地震速報装置25が住警器側で火災警報が行われていることを知り得ない場合には、試験スイッチ88の操作を受け、緊急地震速報装置25からは緊急地震速報装置試験を示すイベント信号(装置イベント信号)が送信されるが、これを受信した住警器が火災警報出力中であれば、住警器で警報停止指示として受け付けて火災警報出力を停止するようにすれば良い。
もちろん、緊急地震速報装置25の操作部78に試験スイッチ88とは別に警報停止スイッチを設けることが出来る。この場合でも火災警報中の試験スイッチ88の操作に対しては前述のような処理とするか、キャンセルするようにすれば良い。
このようにして、緊急地震速報装置25の操作部78からも、住警器側の火災警報出力を停止させることが出来る。
更に同様に、緊急地震速報の再生出力中に試験スイッチや警報停止スイッチが操作された場合に、住警器側での情報出力を停止させるようにしても良い。
緊急地震速報装置25の電源は商用AC電源であるが、停電時のバックアップのために電池電源を設けても良い。もちろん電池駆動としても良いが、この場合は機能上または運用上電池寿命の管理に配慮する必要がある。一例として、住警器10−1(〜10−5)と同様の電池電圧監視および電池電圧低下報知機能を設けることも出来る。
図4は本実施形態で連動警報に使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図である。説明の便宜上、住警器10−1〜10−5が送信するイベント信号を単に「イベント信号」、緊急地震速報装置25が送信するイベント信号を「装置イベント信号」と呼ぶことがあるが、信号フォーマットはどちらも同じものを使用している。
図4において、イベント信号46は連番48、送信元符号50、グループ符号52及びイベント符号54で構成されている。
連番48はイベント信号の順番を示す連続番号であり、イベント信号を送信する毎に1つずつ増加させる。また、連番48は住警器10−1〜10−5及び緊急地震速報装置25の各々で非同期に生成している。連番48は住警器10−1〜10−5や緊急地震速報装置25間の、主に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
送信元符号50は例えば26ビットの符号であり、シリアル番号等を利用している。グループ符号52は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図1の住警器10−1〜10−5及び緊急地震速報装置25につき同じグループ符号が設定されている。
なおグループ符号52としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と、各住警器、緊急地震速報装置に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。
イベント符号54は、火災、ガス漏れ(例えばガス漏れ警報器やガス漏れ検出機能を併せ持つ住警器等の場合)などのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば
0001=火災
0010=ガス漏れ
0011=警報停止
0100=復旧
0101=センサ障害
0110=ローバッテリー障害
0111=緊急地震速報
1000=緊急地震速報試験
としている。ここで、0000はイベント検出(または装置イベント検出)を伴わない、例えば定期通報に使用する。
なおイベント符号42のビット数は、5ビット、6ビットと増加させることで、更に多種のイベント内容を表すことができる。例えば、復旧のイベント符号は火災復旧と障害復旧に分けても良い。
図5及び図6は図3の住警器10−1における監視処理の例を示したフローチャートである。図5において、住警器10−1の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、禁止モード設定の有無を含む各種設定情報の読み込みを実行し、異常がなければステップS2に進み、火災を監視している。センサ部34から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えるとステップS2で火災を判別してステップS3に進み、連番、送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器10−2〜10−5に無線送信した後、ステップS4でスピーカ56からの警報音とLED22の、例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
続いて、ステップS5でセンサ部34からの煙検出信号が低下して火災状態が解消する火災復旧の有無を判別しており、火災復旧を判別するとステップS6で連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信した後、ステップS7でスピーカ56からの警報音とLED22の点灯による警報表示とによる連動元を示す火災警報を停止する。なお、LED22による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
続いてステップS8で警報停止スイッチ20の操作の有無を判別し、スイッチ操作有りが判別されるとステップS9で警報中か否かを判別する。ステップS9で警報中が判別されると、ステップS10に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信し、ステップS11に進んで連動元を示すスピーカ56からの警報音を停止し、LED22の点灯による警報表示を消灯する。なお、LED22による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
ステップS9で警報中でないと判別した場合には、所定の点検動作を実施して結果を報知するようにしているが、図示を省略している。
続いて図6のステップS12に進み、他の住警器からの火災を示すイベント信号受信の有無を判別している。他の住警器からの火災を示すイベント信号受信を判別すると、ステップS13に進んで連動先を示す火災警報としてスピーカ56からの警報音とLED22の、例えば点滅による警報表示を行う。
次にステップS14で他の住警器からの火災復旧を示すイベント信号受信の有無を判別しており、火災復旧を示すイベント信号を受信すると、ステップS15に進んで連動先の警報として行っているスピーカ56からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
次にステップS16で他の住警器からの警報停止を示すイベント信号の受信の有無をチェックしており、警報停止を示すイベント信号の受信を判別すると、ステップS17に進んで警報中か否かを判別し、警報中を判別するとステップS18に進んで連動先を示す警報音を停止し、警報表示も停止させる。
続いてステップS19で緊急地震速報の禁止モードの設定有無を判別し、禁止モードの設定が無ければステップS20に進んで緊急地震速報を示すイベント信号受信の有無をチェックしており、緊急地震速報を示すイベント信号の受信を判別するとステップS21で緊急地震速報メッセージを報知部36のスピーカ56から出力すると共に、例えばLED22を点灯する。
緊急地震速報メッセージは、所定回数出力後若しくは所定時間の経過後、または緊急地震速報装置25から同メッセージの停止を示すイベント符号を含むイベント信号を受信した時や、音声や表示による緊急地震速報の出力中に警報停止スイッチ20の操作を判別したときに停止するようにすれば良い(図示省略)。LED22の点灯についても同様となる。
なお、音声メッセージ出力停止とLED22による表示出力停止のタイミングは同時である必要は無く、例えば音声メッセージ出力停止からさらに所定時間の経過後にLED22の表示出力を停止するようにすることも出来る。このようにすれば、緊急地震速報メッセージ停止後にも、緊急地震速報メッセージが出力された事実を確認することが出来る。
ステップS19で緊急地震速報の禁止モードの設定を判別した場合はステップS20、S21はスキップし、緊急地震速報を示すイベント信号の受信を判別しても緊急地震通報メッセージを出力しない。これは図1のように住警器10−1(図1では10−2)が緊急地震速報装置25と同じ部屋に設置されているような場合に活用できる機能である。
このようにすれば、例えば同じ部屋で同じ警報が複数の装置から出力されて混乱を招くことが避けられる。また、禁止モードを設定した住警器の電池消耗を抑えることが出来る。
なお、この処理例の場合はステップS19とステップS20の順番を入れ替えることも出来る。
続いてステップS22に進んで緊急地震速報の試験を示すイベント信号受信の有無をチェックしており、緊急地震速報の試験を示すイベント信号の受信を判別するとステップS23で緊急地震通報の試験メッセージを報知部36のスピーカ56から出力し、同時にLED22を、例えば点灯する。この試験メッセージは、所定回数出力後または所定時間の経過後に停止する(図示省略)。
図7は図3に示した緊急地震速報装置25の受信処理例を示したフローチャートである。図7において、緊急地震速報装置25の電源を投入するとステップS31で初期化及び自己診断を行い、エラーが無ければステップS32に進んで操作部78の選局操作によりFM局の選局処理を行う。
そしてステップS33の受信待機動作に移行する。受信待機動作はFM受信部70を動作してFM放送電波を受信再生しているが、音声増幅部72の動作は停止してスピーカ74から放送を流していない状態である。
続いてステップS34で緊急地震速報のチャイム音受信の有無を緊急地震速報解析部90の解析処理を通じて判別しており、チャイム音受信を判別するとステップS35に進み、音声増幅部72を動作することで、そのとき受信している緊急地震速報の放送をスピーカ74から充分に大きな音量で流す。
次にステップS36に進み、図4のフォーマットに従った緊急地震速報の試験を示すイベント信号を生成して住警器側に無線送信する。続いてステップ37で例えば所定時間の経過を待ってステップS38に進み、音声増幅部72の動作を停止することで、放送音の再生出力を停止する。
所定時間の経過に依らず、操作部78による停止操作を受け付けたときに再生出力を停止させるように構成しても良い。また、放送音の再生出力を停止する際、併せて緊急地震速報出力の停止を示すイベント信号を住警器10−1〜10−5側へ送信するようにしても良い。
またステップS39では試験スイッチ88の操作有無を判別しており、試験スイッチ88の操作有りを判別すると、ステップS40に進んで図4のフォーマットに従った緊急地震速報の試験を示すイベント信号(装置イベント信号)を生成して住警器側に無線送信する。以上の処理をステップS41で電源オフによる動作停止指示が判別去れるまで繰り返す。
なお、上記の実施形態は火災を検出して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器その他各種の警報器を配置した警報システムについても同様に適用できる。もちろん、警報器はセンサ部34に感震センサ等の地震検知部を備えた地震警報器であっても良い。
住警器(住宅用火災警報器)の警報出力機能を禁止することは規格上出来ないが、住警器以外の適宜の警報器を使用する場合には、警報器側の異常警報を禁止させるモードを設けることも出来る。このようにすれば、例えば緊急地震速報装置や中継アダプタからの異常(住警器の場合の火災にあたる)警報を出力させる代わりに、緊急地震速報装置の近隣に設置されている警報器からの異常警報を禁止させるパターンを採ることも出来る。
また、上記の実施形態では複数台の警報器を使用したシステムを例に取って説明したが、警報器は1台であっても良い。逆に、緊急地震速報装置は複数台であっても良い。このとき、緊急地震速報装置同士についても、適宜連携連動させても良い。
また、上記の実施形態で警報停止スイッチ20として示した操作手段は、必ずしもスイッチである必要は無く、リモコン装置等を使用して外部からの通信によって警報履歴出力を指示するもの等、どのような手段や方法を適用しても良く、「操作部」はこれら他の手段や方法を含む。
また、警報器から緊急地震速報装置への連動による異常警報(火災警報等)の出力は、表示のみで行わせるようにしても良い。例えば、ブザー音や音声メッセージ等の音響警出力は警報器だけで充分足りるが、電力消費の大きなフラッシュライト等を用いて異常発生の視覚的な報知効果を高めたいといった場合には、商用電源や専用電源等を使用していることで電力消費を抑える必要性が比較的低い緊急地震速報装置側に当該フラッシュライト等の表示装置を設けて、住警器の異常(火災)警報に連動して動作させて表示報知の効果を高めても良い。
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等が出来る。
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることが出来る。
また、緊急地震速報装置は、FM放送の緊急地震速報を条規実施の形態のように直接受信しても良いし、別の装置や設備を介して間接的に受信しても良い。
また、上記の実施形態で述べた「受信がある」、「受信が無い」、「受信した場合」、「受信を判別」等は、受信した信号が有効なものとして認識されたか否かの判定も含んでいる。
また、警報器の規格等によっては、上記実施形態のLEDによる表示が「警報」と認められない場合があるが、本発明では規格上「警報」に含まれるか否かに関わらず、警報表示、警報に伴う表示、または単に表示として記載している。本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部は警報器と別体に設けられていても良い。
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用でき、さらに用途の異なる警報器を適宜組み合わせたシステムにも適用できる。
また、上記の実施形態は緊急地震速報装置と警報器としての住警器を連携させる場合を例に取ったが、これに加えて例えばインターホンや給湯用リモコン装置等、任意の装置を連携させるシステムとしても良い。
また、警報器同士は必ずしも連動するものでなくても良く、所定の警報器が緊急地震速報装置と連携できるものであれば良い。
また、警報器や緊急地震速報装置間の各連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線通信と無線通信を適宜混在させるものであっても良い。
また、緊急地震速報装置25は住警器等の警報器との間で連携を行う機能を有するものであれば良く、その他の機能を複合的に備えるものであっても良い。例えば、緊急地震速報装置(の機能)は、インターホン装置等に内蔵しても良い。
また、本発明に於いて緊急地震速報装置は装置イベント信号として、少なくとも緊急地震速報を示す信号を送信出来れば良く、その他の装置イベント信号送信機能は必須ではない。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。