JP2011180166A - シリコン細線光導波路の作製方法 - Google Patents

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陽一 榊原
Toshihiro Kamei
利浩 亀井
Yuya Shoji
雄哉 庄司
Kenji Kanetaka
健二 金高
Hitoshi Kawashima
整 河島
Makoto Okano
誠 岡野
Masahiko Mori
雅彦 森
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Abstract

【課題】本発明の課題は、i線ステッパ等解像度が低いステッパを用いても電子ビーム露光技術あるいは液浸ArFエキシマーステッパ技術によると同等のシリコン細線光導波路の先鋭構造を実現することである。
【解決手段】先鋭構造を構成することになる一辺を一部に含むシリコン細線光導波路のコア構造を形成する工程と、該コア構造上にフォトレジストを塗布する工程と、先鋭構造を構成することになる他の一辺を一部に含むマスクパターンを用いて、先鋭構造を構成することになる他の一辺の外側の領域のフォトレジストが除去されるように該フォトレジストに開口を形成する工程と、該開口下に位置するコア構造をドライエッチングにより除去する工程とを含む先鋭構造を有するシリコン細線光導波路の作製方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリコン細線光導波路の作製方法、特にその先鋭構造の作製方法に関するものである。
近年、光導波路のコア部に単結晶あるいはアモルファスのシリコンを用いたシリコン細線光導波路の研究開発が行われている。これはシリコンコア材料と石英系クラッド材料の間で大きな比屈折率差が得られ、光回路の著しい小型化が実現できるためである。
しかし、これらの光導波路ではモードフィールドサイズがサブミクロンのオーダーになり、数ミクロンのモードフィールドサイズをもつ光ファイバ・発光素子・受光素子等との接続では、モードフィールドサイズのミスマッチが大きく、効率的に直接接続することが困難であるという問題があった。
この問題を解決するために、シリコン細線光導波路のモードフィールドサイズを変換する方法が提案されている。なかでも、シリコン細線光導波路の先端を尖らせた先鋭構造(テーパ構造)を利用する方法は高効率のため有望である(特許文献1、特許文献2、非特許文献1参照)。
シリコン細線光導波路の先鋭構造の先端は幅100nm以下、理想的には60nm以下の微細加工が要求されるが、このような微細な構造は極限的な回路幅が要求されないLSIでは現役のプロセスとして幅広く利用されているi線ステッパでは、解像度の関係上得ることはできない。
このため、電子ビーム露光技術を用いる方法が提案されている(特許文献2、非特許文献1参照)。ところが電子ビーム露光技術は生産スループットが極めて低いため実用的な生産技術としては期待できない。
また、最先端の液浸ArFエキシマーステッパ技術を用いれば、原理的には実現可能であるが、液浸ArFエキシマーステッパ技術は極めて高価なプロセスコストが必要であるという問題がある。
特開2002−122750号公報 特開2004−133446号公報
山田浩治他、「シリコン細線導波路システム−基本特性と機能デバイスへの応用」、電子情報通信学会論文誌C, Vol.J88-C, pp.374-387 (2005)
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、本発明の課題は、i線ステッパ等解像度が低いステッパを用いても電子ビーム露光技術あるいは液浸ArFエキシマーステッパ技術によると同等のシリコン細線光導波路の先鋭構造を実現することである。
上記課題を解決するための手段は次のとおりである。
先鋭構造を構成することになる一辺を一部に含むシリコン細線光導波路のコア構造を形成する工程と、該コア構造上にフォトレジストを塗布する工程と、先鋭構造を構成することになる他の一辺を一部に含むマスクパターンを用いて、先鋭構造を構成することになる他の一辺の外側の領域のフォトレジストが除去されるように該フォトレジストに開口を形成する工程と、該開口下に位置するコア構造をドライエッチングにより除去する工程とを含む先鋭構造を有するシリコン細線光導波路の作製方法。
本発明によれば、電子ビーム露光技術あるいは液浸ArFエキシマーステッパ技術によると同等のシリコン細線光導波路の先鋭構造を量産可能かつ廉価に実現することができる。
本発明に係る実施形態1を模式的に示す図 本発明に係る実施形態2を模式的に示す図 本発明に係る実施形態3を模式的に示す図
(本発明について)
本発明は、先端が幅100nm以下の先鋭構造(テーパ構造)をシリコン細線光導波路に付与するための加工技術である。
従来より周知のi線ステッパ(波長365nm)を用いたフォトリソグラフィ技術では、通常の1回露光の方法では回折限界200nm以下の線幅の微細加工はできない。本発明は、i線露光とドライエッチングのプロセスを2回以上繰り返すことで、回折限界を超えた先端が幅100nm以下の先鋭構造をシリコン細線光導波路に付与形成する方法であり、それを用いて高効率なシリコン細線光導波路のモードフィールドサイズ変換構造を実現するものである。
シングルモードのシリコン細線光導波路の線幅は、光導波路の高さにもよるが300nm〜500nm程度であり、露光波長365nmを使うi線ステッパでも高解像度技術を使えば十分加工可能である。そして、本発明により先端が幅100nm以下の先鋭構造を従来より周知のi線ステッパで形成することができるようになれば、量産性に優れた低廉なプロセスコストでシリコン細線光導波路を用いた光回路が作製可能となる。
以下に図面を用いていくつかの本発明の実施形態について説明する。
なお、実際の先鋭構造は、シリコン細線光導波路側の線幅が300nm〜500nm程度に対して長さが数10μm〜300μm程度であり極めて細長いものであるが、図1〜3では縦横比が著しく圧縮されている。
(実施形態1)
まず図1(a)に示すように、先鋭構造を有さないシリコン細線光導波路のコア構造1を、i線ステッパ露光によるフォトレジストパターン形成とそれに続くドライエッチングにより形成する。なお、このシリコン細線光導波路のコア構造の形状は一例を示したにすぎず、目的に応じていろいろな光回路の形状を取ることができる。
続いて形成されたシリコン細線光導波路のコア構造上に、図1(b)のようにフォトレジスト3を塗布する。続いて図1(c)のように、先鋭構造を構成することになる一辺となる辺を一部に含むマスクパターンを用いて、この辺の外側の領域のフォトレジストが除去されるように、i線ステッパ露光と現像を行う。i線ステッパ露光の際には、あらかじめ基板に形成しておいたアライメントマークを基準とした位置合わせを行う。
続いてフォトレジストが除去された開口に露出しているコア構造をドライエッチングにより除去した後、残渣レジストを除去することにより、図1(d)のようなコア構造を形成する。
続いて図1(e)のようにフォトレジストを塗布する。
続いて図1(f)のように、先端構造を構成することになる他の一辺となる辺2を一部に含むマスクパターンを用いて、この辺の外側の領域のフォトレジストが除去されるように、i線ステッパ露光と現像を行う。i線ステッパ露光の際には、あらかじめ基板に形成しておいたアライメントマークを基準とした位置合わせを行う。
続いてフォトレジストが除去された開口4に露出しているコア構造をドライエッチングにより除去した後、残渣レジストを除去することにより、図1(g)のような一辺5、他の一辺6を有する先鋭構造7を形成する。これにより、所望の回折限界を超えた先端が幅100nm以下の先鋭構造を実現することができる。
上記により形成された先鋭構造上に、ポリマー又はシリカ系材料等からなるコア径が大きな導波路をさらに形成することにより、高効率のモードフィールドサイズ変換デバイスを作製することができる。
(実施形態2)
次に第2の実施形態を説明する。
まず図2(a)に示すように、先鋭構造を構成することになる一辺となる辺2を一部に有するシリコン細線光導波路のコア構造1を、i線ステッパ露光によるフォトレジストパターン形成とそれに続くドライエッチングにより形成する。なお、このシリコン細線光導波路の形状は一例を示したにすぎず、目的に応じていろいろな光回路の形状を取ることができる。
続いて形成されたシリコン細線光導波路のコア構造上に、図2(b)のようにフォトレジスト3を塗布する。
続いて図2(c)のように、先鋭構造を構成することになる他方の一辺となる辺を一部に含むマスクパターンを用いて、この辺の外側の領域のフォトレジストが除去されるように、i線ステッパ露光と現像を行う。i線ステッパ露光の際には、あらかじめ基板に形成しておいたアライメントマークを基準とした位置合わせを行う。
続いてフォトレジストが除去された開口4に露出しているコア構造をドライエッチングにより除去した後、残渣レジストを除去することにより、図2(d)のような一辺5、他の一辺6を有する先鋭構造7を形成する。これにより、所望の回折限界を超えた先端が幅100nm以下の先鋭構造を実現することができる。
上記により形成された先鋭構造上に、ポリマー又はシリカ系材料等からなるコア径が大きな導波路をさらに形成することにより、高効率のモードフィールドサイズ変換デバイスを作製することができる。
(実施形態3)
次に第3の実施形態を説明する。
まず図3(a)に示すように、先鋭構造を構成することになる一辺はシリコン細線光導波路の延長線上の一部2として含まれるシリコン細線光導波路のコア構造1を、i線ステッパ露光によるフォトレジストパターン形成とそれに続くドライエッチングにより形成する。
なお、このシリコン細線光導波路の形状は一例を示したにすぎず、目的に応じていろいろな光回路の形状を取ることができる。
続いて形成されたシリコン細線光導波路のコア構造上に、図3(b)のようにフォトレジスト3を塗布する。
続いて図3(c)のように、先鋭構造を構成することになる他方の一辺となる辺を一部に含むマスクパターンを用いて、この辺の外側の領域のフォトレジストが除去されるように、i線ステッパ露光と現像を行う。i線ステッパ露光の際には、あらかじめ基板に形成しておいたアライメントマークを基準とした位置合わせを行う。
続いてフォトレジストが除去された開口4に露出しているコア構造をドライエッチングにより除去した後、残渣レジストを除去することにより、図3(d)のような一辺5、他の一辺6を有する先鋭構造7を形成する。これにより、所望の回折限界を超えた先端が幅100nm以下の先鋭構造を実現することができる。
上記により形成された先鋭構造上に、ポリマー又はシリカ系材料等からなるコア径が大きな導波路をさらに形成することにより、高効率のモードフィールドサイズ変換デバイスを作製することができる。
上記の実施形態1〜3では、先鋭構造は直線形状の傾斜を持つものを示したが、目的に応じて曲線状の形状でもよい。
本発明においては、i線ステッパの位置重ね合わせ機能を用いているが、その精度は一般に数10nm以内である。しかし、本発明の方法では、位置合わせがこの程度ずれても必ず2つのテーパ辺は交差するので、先端が幅100nm以下の先鋭構造を形成することができる。
(実施例)
まず、厚さ170nm、幅500nmの水素化アモルファスシリコン細線光導波路の先端に、図2(a)と同様に、テーパ角度と同じ傾斜角を持つ平行四辺形を接続した構造をi線露光と反応性イオンエッチングにより形成した。また、同一基板上に、水素化アモルファスシリコンをアライメントマーク形状となるように同一のプロセスで同時に形成した。
この構造上にフォトレジストを再度塗布し、図2(c)と同様に、逆向きの傾斜角を持つ平行四辺形の領域だけフォトレジストが除去されるようにi線露光及び現像し、露出した水素化アモルファスシリコンを反応性イオンエッチングによりエッチングした。先鋭構造の長さは300μmとなるように、マスクを設計した。
上記の方法で作製した水素化アモルファスシリコン細線光導波路の先鋭構造の先端部の幅を走査電子顕微鏡で観察したところ、幅25nm以下の先鋭構造の形成が確認できた。
この先鋭構造上にコア径1.5μm×1.5μmのポリイミド光導波路をi線ステッパ露光と酸素ドライエッチングにより形成し、さらに屈折率が石英ガラスと等しいエポキシ樹脂を塗布した後に、ポリイミド光導波路部分をダイシングにより切断し、モードフィールドサイズ変換器を完成させた。光入出力に先球ファイバを用いたカットバック法で接続損失を評価したところ、TE偏光において両端合計で2.0dBであり、良好なモードフィールドサイズ変換器が形成できることがわかった。
本発明において細線光導波路のコア構造に使用するシリコン材料は、結晶シリコンに限らずアモルファスシリコンでもよい。アモルファスシリコンの場合、材料の吸収損失を低減化するために、水素化アモルファスシリコンが望ましいが、シリコン元素以外に炭素、ゲルマニウム等を添加した材料でもよい。
1 シリコン細線光導波路のコア構造
2 先鋭構造となる一辺
3 フォトレジスト
4 フォトレジストの開口
5 先鋭構造の一辺
6 先鋭構造の他の一辺
7 先鋭構造

Claims (1)

  1. 先鋭構造を構成することになる一辺を一部に含むシリコン細線光導波路のコア構造を形成する工程と、該コア構造上にフォトレジストを塗布する工程と、先鋭構造を構成することになる他の一辺を一部に含むマスクパターンを用いて、先鋭構造を構成することになる他の一辺の外側の領域のフォトレジストが除去されるように該フォトレジストに開口を形成する工程と、該開口下に位置するコア構造をドライエッチングにより除去する工程とを含む先鋭構造を有するシリコン細線光導波路の作製方法。
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