JP2011179366A - エンジンおよびエンジンのロアメタル欠品検査方法 - Google Patents
エンジンおよびエンジンのロアメタル欠品検査方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】半リング形状のアッパーメタル20およびロアメタル30と、を具備し、前記アッパーメタル20と前記ロアメタル30とは、前記アッパーメタル20の下端面20A・20Bと前記ロアメタル30の上端面30A・30Bとで当接し、前記アッパーメタル20は、内周面側に一方の下端面20Aから他方の下端面20Bまで周方向に油溝21が形成され、前記油溝21の深さは、前記アッパーメタル20の内周に対し偏心しており、かつ、前記下端面20A・20Bではゼロであって、前記油溝21の下端部(下端面20A・20Bが形成されている部分の近傍)には、前記下端面20A・20Bに開口する切り欠き25・25が形成される。
【選択図】図2
Description
図1は本発明の実施形態に係るエンジンの構成を示した模式図、図2は同じくクランクシャフトの構成を示した断面図および模式図、図3は同じくアッパーメタルの構成を示した斜視図およびAA´断面図である。図4は同じくアッパーメタルにおけるエアおよび潤滑油の流れを示した斜視図、図5は本発明の実施形態に係るロアメタル欠品検査工程のフローを示したフロー図、図6は従来のクランクシャフトの構成を示した断面図および模式図である。図7は従来の別のクランクシャフトの構成を示した断面図および模式図である。
本発明の実施形態のエンジン100は、直列4気筒エンジンであって、シリンダブロック5と、シリンダブロック5の下部に配置されるクランクシャフト10と、シリンダ内のピストン(図示略)に連結される4つのコネクティングロッド15と、を具備している。
クランクシャフト10は、クランクピン13の外周面からクランクジャーナル12の外周面へ向けて直線として形成される4つのクランク油孔11を具備している。
また、V孔タイプのクランク油孔211は、径貫通孔211Aと傾斜孔211Bとの交差部でバリが発生した場合には、発生したバリが脱落してクランクジャーナル212とアッパーメタル220及びロアメタル230との間に進入し、エンジンの焼付けの原因となる。しかし、I孔タイプのクランク油孔11は、1つのクランク油孔11のみで構成され、クランク油孔11の交差部がないため、交差部に発生するバリの心配が不要である。
従って、I孔タイプのクランク油孔11は、V孔タイプのクランク油孔211と比較して、コストおよび信頼性の観点から有利である。
また、油溝21は、軸方向からみて、油溝21の輪郭線がアッパーメタル20の内周の輪郭線に対して、輪郭線の中心が上方に移動するように、偏芯した輪郭線を構成するように形成されている。
さらに、油溝21の下端面20Aおよび下端面20Bにおける油溝21の深さはゼロとなるように形成されている。言い換えれば、下端面20Aおよび下端面20Bでは、油溝21は形成されていない(図3(B)参照)。
アッパーメタル20は半リング形状に構成され、アッパーメタル20の内周側には上述した油溝21が形成されている。油溝21の両下端部(下端面20A・20Bが形成されている部分の近傍)には、軸方向からみて半三日月形状の輪郭線を構成し、アッパーメタル20のそれぞれの下端面20A・20Bと平行な径方向からみて略長方形の輪郭を構成し、周方向からみて略長方形の輪郭を構成するように、切り欠き25・25が形成されている。
ロアメタル欠品検査方法とは、クランクシャフト10がシリンダブロック5に組み込まれた状態ではロアメタル30の欠品が視認できないため、シリンダブロック5の給油孔(図示なし)よりエアを供給して、供給したエアの圧力値と所定の基準圧力値とを対比してロアメタル30の在否を確認する検査方法である。
ロアメタル欠品検査工程S100は、上述したI孔タイプのクランクシャフト10、並びに、油溝偏芯型のアッパーメタル20を具備するエンジン100を組み立てるときの途中の工程である。具体的には、エンジン100において、シリンダブロック5にアッパーメタル20、ロアメタル30およびクランクシャフト10を組み付けた後に、ロアメタル30の組み付け忘れ(欠品)を確認する工程である。
このとき、ロアメタル30がシリンダブロック5に組み付けられていれば、シリンダブロック5の給油孔から供給されたエアは、油孔22を経由して油溝21に封入され、切り欠き25・25を通過し、ロアメタル30の上端面30A・30Bに到達する。このとき、供給したエアはロアメタル30の上端面30A・30Bにより堰き止められ、シリンダブロック5から漏洩することはない。
一方、ロアメタル30がシリンダブロック5に組み付けられていなければ(欠品)、シリンダブロック5の給油孔から供給されたエアは、油孔22を経由して油溝21に封入され、切り欠き25・25を通過し、本来ロアメタル30が存在すべきクランクジャーナル12の下方の空間に封入され、シリンダブロック5から漏洩する。
このとき、ロアメタル30がシリンダブロック5に組み付けられていれば、供給したエアは外部に漏洩することはないため、供給したエアの圧力は基準圧力値以上の圧力値となる。
一方、ロアメタル30がシリンダブロック5に組み付けられていなければ(欠品)、供給したエアはクランクジャーナル12の下方の空間に封入されシリンダブロック5から漏洩するため、供給したエアの圧力は基準圧力値未満の圧力値となる。
なお、基準圧力値とは、予め試験や検査実績などによって定められる圧力値である。
このとき、油溝21内に供給したエアの圧力値と前記基準圧力値とを対比し、供給したエアの圧力が基準圧力値以上の圧力値であれば、ロアメタル30がシリンダブロック5に組み付けられていると判断する。
一方、供給したエアの圧力が基準圧力値未満の圧力値であれば、ロアメタル30がシリンダブロック5に組み付けられていない(欠品)と判断する。
10 クランクシャフト
11 クランク油孔
12 クランクジャーナル
13 クランクピン
20 アッパーメタル
20A 下端面
20B 下端面
21 油溝
25 切り欠き
30 ロアメタル
30A 上端面
30B 上端面
100 エンジン
S100 ロアメタル欠品検査工程
S110 エア供給工程
S120 供給圧確認工程
S130 ロアメタル欠品判断工程
Claims (2)
- クランクピンの外周面からクランクジャーナルの外周面へ向けて直線として形成されるクランク油孔を具備するクランクシャフトと、
前記クランクジャーナルを上方から回転自在に支持する半リング形状のアッパーメタルと、
前記クランクジャーナルを下方から回転自在に支持する半リング形状のロアメタルと、
を具備し、
前記アッパーメタルと前記ロアメタルとは、前記アッパーメタルの下端面と前記ロアメタルの上端面とで当接し、
前記アッパーメタルは、内周面側に一方の下端面から他方の下端面まで周方向に油溝が形成され、
前記油溝の深さは、前記アッパーメタルの内周に対し偏心しており、かつ、前記下端面ではゼロであって、
前記油溝の下端部には、前記アッパーメタルの下端面に開口する切り欠きが形成される、
エンジン。 - クランクピンの外周面からクランクジャーナルの外周面へ向けて直線として形成されるクランク油孔を備えるクランクシャフトと、
前記クランクジャーナルを上方から回転自在に支持する半リング形状のアッパーメタルと、
前記クランクジャーナルを下方から回転自在に支持する半リング形状のロアメタルと、
を具備し、
前記アッパーメタルと前記ロアメタルとは、前記アッパーメタルの下端面と前記ロアメタルの上端面とで当接し、
前記アッパーメタルは、内周面側に一方の下端面から他方の下端面まで周方向油溝が形成され、
前記油溝の深さは、前記アッパーメタルの内周に対し偏心しており、かつ、前記下端面ではゼロであって、
前記油溝の下端部には、前記アッパーメタルの下端面に開口する切り欠きが形成される、
エンジンのロアメタル欠品検査方法において、
前記油溝に連通する給油孔から前記油溝にエアを供給し、
供給したエアの圧力値と所定の基準圧力値とを対比し、
前記対比の結果によってロアメタルの在否を判定する、
エンジンのロアメタル欠品検査方法。
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