JP2011178815A - 二層型粉末化粧料の再分散性向上方法及び変色防止方法 - Google Patents

二層型粉末化粧料の再分散性向上方法及び変色防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エタノールを主要基剤とし、これに不溶な抗菌性ゼオライト粉末を配合した二層型粉末化粧料において、(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性に極めて優れ、かつ、衣類に付着した場合における(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止可能な二層型粉末化粧料による再分散性向上方法及び変色防止方法を提供すること。
【解決手段】(a)抗菌性ゼオライト粉末と、(b)エタノールを基剤として50〜90質量%含有する二層型粉末化粧料であって、さらに(c)グルタチオン及び/又はL−システインを0.1〜5質量%含有し、(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性向上剤として、(c)グルタチオン及び/又はL−システインの存在下において(d)パラフェノールスルホン酸亜鉛塩を0.1〜5質量%含有し、さらに(f)水を含有することを特徴とする二層型粉末化粧料によって、前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させ、さらに前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は二層型粉末化粧料に関する。さらに詳しくは、エタノールを主要基剤とし、エタノール基剤に不溶な抗菌性ゼオライト粉末を配合した二層型粉末化粧料において、使用時における抗菌性ゼオライト粉末の再分散性に極めて優れ、かつ、衣類に付着した場合等における抗菌性ゼオライト粉末の変色を的確に防止可能な二層型粉末化粧料の再分散性向上方法及び変色防止方法に関する。
デオドラント化粧料として利用される抗菌性ゼオライトは、汗と共に衣類に付着して変色が発生する場合がある。また、抗菌性ゼオライト粉末を配合する二層型粉末化粧料は、使用に際して、二層に分離している抗菌性ゼオライト粉末を再分散させ均一に分散させる必要が生じる。なお、二層型粉末化粧料とは、粉末を配合した液状の製剤であり、静置しておくと粉末が沈降し粉末と液の二層に分離するため、使用時に振とうして粉末を均一に分散させて(粉末を再分散させること)使用する化粧料を意味する。
特許文献1には、抗菌性ゼオライトと、グルタチオン及び/又はL−システインと、油分とを含有することを特徴とする油系皮膚外用剤が記載されており、油系の制汗化粧料が衣服に付着した場合に、グルタチオン及び/又はL−システインが日光による抗菌性ゼオライトの変色を、洗濯することによって容易に落したりその汚れの度合いを緩和したりする効果を発揮することが開示されている。
一方、不溶性粉末の抗菌性ゼオライトを配合する粉末二層型化粧料においては、粉末を分散させる溶液となるべき化粧料基剤が重要な構成要素となる。しかしながら、特許文献1で用いる基剤は油系に限定され、エタノール基剤については何らの検討もなされていない。さらに特許文献1には、抗菌性ゼオライトとグルタチオン及び/又はL−システインという本願発明の必須成分の一部は存在するものの、特許文献1は本願発明の全体の構成に対して何らの知見を与えるものではない。
なお、エタノール基剤に不溶性粉末として抗菌性ゼオライトを配合した本願発明においては、特許文献1に記載されているグルタチオン及び/又はL−システインを配合することにより、日光暴露による変色を防止できることが本願発明により判明した。また、特許文献1におけるグルタチオン及び/又はL−システインの効果とは、衣服付着の抗菌性ゼオライトの日光暴露による変色を洗濯することによって容易に落とすことが出来る効果(すなわち洗濯性向上効果)であり、本願発明の日光暴露による抗菌性ゼオライトの変色防止効果とは本質的に異なるものである。このことは、特許文献1の実施例1〜12の「日光暴露後の汚染着(変色防止効果)」の評価が全て「×」になっていることからも容易に理解される。
さらに、油系皮膚外用剤である特許文献1とは基剤の異なる本願発明の化粧料において、必ずしもグルタチオン及び/又はL−システインが特許文献1と同様の効果を発揮するとは限らない。
一方、エタノール基剤に不溶性粉末として抗菌性ゼオライトを配合した二層型粉末化粧料においては、単にグルタチオン及び/又はL−システインを配合しても、抗菌性ゼオライトの再分散性に優れた化粧料が得られないことも、本願発明により判明している。
特許文献2には銀系抗菌剤用の変色防止剤が記載されている。特許文献2には、チオール基を有する化合物からなる銀系抗菌剤用の変色防止剤により、銀系抗菌剤の優れた抗菌活性を低下させずに、銀系抗菌剤およびこれで処理した抗菌性付与対象物の変色を防止し得る変色防止剤が開示されており、チオール基を有する化合物として、システイン、還元型グルタチオン、チオグリコール酸等が記載されている。しかしながら、特許文献2の変色防止剤の対象は、特に抗菌性を付与したシートの変色防止に限定され、アルコール基剤に不溶性粉末として抗菌性ゼオライトを配合した本願発明の粉末二層型化粧料については何らの知見を与えるものではない。一方、エタノール基剤に不溶性粉末として抗菌性ゼオライトを配合した二層型粉末化粧料においては、単にグルタチオン及び/又はL−システインを配合しても、抗菌性ゼオライトの再分散性に優れた化粧料が得られないことは上述した通りである。
特許文献3には、表面をシリコーン処理した抗菌性ゼオライト粉末に、HLBが5以下のポリエーテル変性シリコーンを分散剤として使用することにより、好ましい再分散性効果を発揮する二層型粉末化粧料が記載され、さらにパラフェノールスルホン酸亜鉛塩を含有することが好ましいことが記載されている。しかしながら、特許文献3においては抗菌性ゼオライト粉末の変色防止効果は必ずしも検討されていない。また、再分散される抗菌性ゼオライト粉末がシリコーンで表面を疎水化処理した粉末に限定されてしまうという問題点もある。なお、特許文献1に記載されているグルタチオン及び/又はL−システインが、本願発明において、良好な変色防止効果を発揮するか否かは当業者に予測不可能であり、上述したように、基剤の異なる化粧料において、グルタチオン及び/又はL−システインが特許文献1と同様の効果を発揮するとは限らない。
一方、一般に粉末の分散剤として金属セッケンを用いることは公知である。しかしながら、エタノール基剤に不溶性粉末として抗菌性ゼオライトを配合した本願発明においては、脂肪酸の2価の金属塩を単独で分散剤として配合したとしても、抗菌性ゼオライト粉末の十分な再分散性が得られないことが本願発明者により確認されている。
再表2006/95753号公報 特開2002−308708号公報 特開2009−234994号公報
抗菌性ゼオライト粉末を配合した二層型粉末化粧料は、使用時に粉末を分散させ、使用後には粉末が沈降するように設計される化粧料である。一般に、粉末が系の中で凝集する場合、アグリゲーションを起こせば再分散が困難となる。このように、二層型粉末化粧料の設計において、沈降したり凝集したりする粉末を、使用時に再び容易に分散せしめる再分散性技術は極めて重要な技術的事項である。
一方、衣服に付着する抗菌性ゼオライト粉末による変色を防止する技術も、抗菌性ゼオライト粉末を配合した二層型粉末化粧料において極めて重要な技術的事項となる。
本発明者等は上述の観点に鑑み、抗菌性ゼオライト粉末を配合した二層型粉末化粧料における粉末の再分散性と変色防止について鋭意研究した結果、エタノールを主要基剤とし、エタノール基剤に不溶な抗菌性ゼオライト粉末を配合した二層型粉末化粧料において、抗菌性ゼオライト粉末の変色防止剤としてグルタチオン及び/又はL−システインを配合し、更に抗菌性ゼオライト粉末の再分散性向上剤としてパラフェノールスルホン酸亜鉛を配合することによって、抗菌性ゼオライト粉末が衣服に付着した場合の日光による変色を防止し、さらには、使用時の容器の振とうにより抗菌性ゼオライト粉末の再分散性が飛躍的に向上することを見出して、本発明を完成するに至った。
さらに、グルタチオン及び/又はL−システインとパラフェノールスルホン酸亜鉛との組み合わせに加えて、脂肪酸の2価以上の金属塩(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸)を配合することによって、抗菌性ゼオライト粉末の再分散性が一層向上し、長期間静置後も良好な再分散性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、エタノール基剤に不溶性粉末として抗菌性ゼオライトを配合した粉末二層型化粧料において、抗菌性ゼオライト粉末の再分散性と、衣服に付着した場合の変色防止効果の両立を図ることを目的とする。
すなわち、本発明は、(a)抗菌性ゼオライト粉末と、(b)エタノールを基剤として50〜90質量%含有する二層型粉末化粧料であって、さらに(c)グルタチオン及び/又はL−システインを0.1〜5質量%含有し、(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性向上剤として、(c)グルタチオン及び/又はL−システインの存在下において(d)パラフェノールスルホン酸亜鉛塩を0.1〜5質量%含有し、さらに(f)水を含有することを特徴とする二層型粉末化粧料によって、前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させ、さらに前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する方法を提供するものである。
また、本発明は、上記の二層型粉末化粧料にさらに(e)脂肪酸の2価以上の金属塩を含有することを特徴とする二層型粉末化粧料によって、前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させ、さらに前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する上記の方法を提供するものである。
また、本発明は、前記成分(a)の抗菌性ゼオライトが下記平均式(1)で表されるMQレジンで被覆されていることを特徴とする二層型粉末化粧料によって、(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させ、さらに前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する上記の方法を提供するものである。
[化1]
(R 3 SiO 1/2 2 ・nSiO 2 (1)
(式中、Rは一価炭化水素基であり、nは1〜5の数である。)
さらに、本発明は、前記(e)脂肪酸の2価以上の金属塩がステアリン酸カルシウムであることを特徴とする上記の二層型粉末化粧料によって、前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させ、さらに前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する上記の方法を提供するものである。
エタノール基剤に不溶性粉末として抗菌性ゼオライトを配合した二層型粉末化粧料において、抗菌性ゼオライト粉末の再分散性に極めて優れ、かつ衣服に付着した場合に抗菌性ゼオライト粉末の変色を抑制できる二層型粉末化粧料である。
<(a)抗菌性ゼオライト粉末>
本発明に用いる抗菌性ゼオライト粉末は、ゼオライトのイオン交換可能な部分に抗菌性金属イオンを保持しているゼオライトの粉末が使用される。すなわち、ゼオライトのイオン交換可能なイオンの一部又は全部が抗菌性金属で置換されたゼオライトの粉末である。本発明においては、抗菌性金属イオンと共にアンモニウムイオンで置換されたゼオライトも好ましい。
ゼオライトは天然ゼオライト及び合成ゼオライトのいずれでもよい。ゼオライトは、一般に三次元骨格構造を有するアルミノシリケートであり、一般式としては、XM2/nO・Al23・YSiO2・ZH2Oで表示される。この一般式において、Mはイオン交換可能なイオンを表し、通常は1または2価の金属イオンである。nは(金属)イオンの原子価である。X及びYはそれぞれ金属酸化物、シリカ係数、Zは結晶水の数を表示している。
ゼオライトの具体例としては、例えば、A−型ゼオライト、X−型ゼオライト、Y−型ゼオライト、T−型ゼオライト、高シリカゼオライト、ソーダライト、モルデナイト、アナルサイム、クリノプチロライト、チャバサイト、エリオナイト等を挙げることができる。これらのゼオライトのイオン交換容量は、A−型ゼオライト7meq/g、X−型ゼオライト6.4meq/g、Y−型ゼオライト5meq/g、T−型ゼオライト3.4meq/g、ソーダライト11.5meq/g、モルデナイト2.6meq/g、アナルサイム5meq/g、クリノプチロライト2.6meq/g、チャバサイト5meq/g、エリオナイト3.8meq/gである。いずれも抗菌性金属イオンやアンモニウムイオンでイオン交換するに十分な容量を有している。
ゼオライト中のイオン交換可能なイオンは、例えば、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等である。また、これらのイオンに置換される抗菌性金属イオンは、例えば、銀、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、又はタリウムのイオンであり、好ましくは銀、銅又は亜鉛のイオン、さらに好ましくは銀イオンである。本発明においては、特に、銀イオンと亜鉛イオンとアンモニウムイオンとで置換された抗菌性ゼオライトも好ましい。
抗菌性金属イオンは、抗菌性の観点からは、ゼオライト中に0.1〜15質量%含有されていることが好ましい。例えば、銀イオン0.1〜15質量%及び銅イオン又は亜鉛イオンを0.1〜8質量%含有する抗菌性ゼオライトが好ましい。一方、アンモニウムイオンは、ゼオライト中に20質量%まで含有させることができるが、ゼオライトの変色を有効に防止するという観点から、ゼオライト中に0.5〜5質量%がより好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。なお、質量%とは110℃乾燥基準のゼオライト中の質量百分率である。
本発明において抗菌性ゼオライト粉末は市販品を使用できる。例えば、抗菌性銀イオンと共に、亜鉛イオンとアンモニウムイオンを置換したゼオライト(セラメディックAJ10N:株式会社シナネンゼオミック)を好ましく使用できる。
抗菌性ゼオライトの製造方法としては、例えば、下記の如く調製される。すなわち、予め調製した銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等の抗菌性金属イオンを含有する混合水溶液にゼオライトを接触させて、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンと上記イオンとを置換させる。接触は、10〜70℃、好ましくは40〜60℃で3〜24時間、好ましくは10〜24時間バッチ式又は連続式(例えば、カラム法)によって行うことができる。なお、上記混合水溶液のpHは3〜10好ましくは5〜7に調整することが適当である。該調整により、銀の酸化物等のゼオライト表面又は細孔内への析出を防止できるので好ましい。また、混合水溶液中の各イオンは、通常いずれも塩として供給される。例えば、銀イオンは、硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硝酸塩、ジアンミン銀硫酸塩等であり、銅イオンは、硝酸銅(II)、過塩素酸銅、酢酸銅、テトラシアノ銅酸カリウム、硫酸銅等であり、亜鉛イオンは硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等であり、水銀イオンは、過塩素酸水銀、硝酸水銀、酢酸水銀であり、錫イオンは、硫酸錫等、鉛イオンは硫酸鉛、硝酸鉛等であり、ビスマスイオンは、塩化ビスマス、ヨウ化ビスマス等であり、カドミウムイオンは、過塩素酸カドミウム、硫酸カドミウム、硝酸カドミウム、酢酸カドミウムであり、クロムイオンは、過塩素酸クロム、硫酸クロム、硫酸アンモニウムクロム、硝酸クロム等であり、タリウムイオンは、過塩素酸タリウム、硫酸タリウム、硝酸タリウム、酢酸タリウム等を用いることができる。
ゼオライト中の抗菌性金属イオンの含有量は、前記混合水溶液中の各イオン(塩)濃度を調整することによって、適宜制御することができる。例えば、抗菌性ゼオライトが銀イオンを含有する場合、前記混合水溶液中の銀イオン濃度を0.002M/l〜0.15M/lとすることによって、適宜、銀イオン含有量0.1〜5%の抗菌性ゼオライトを得ることができる。また、抗菌性ゼオライトがさらに銅イオン、亜鉛イオンを含有する場合、前記混合水溶液中の銅イオン濃度は0.1M/l〜0.85M/l、亜鉛イオン濃度は0.15M/l〜1.2M/lとすることによって、適宜、銅イオン含有量0.1〜8%、亜鉛イオン含有量0.1〜8%の抗菌性ゼオライトを得ることができる。抗菌性ゼオライトは、上記の混合水溶液以外に、各イオンを単独で含有する水溶液を用い、各水溶液とゼオライトとを逐次接触させることによって、イオン交換することもできる。各水溶液中の各イオンの濃度は、前記混合水溶液中の各イオン濃度に準じて定めることができる。
イオン交換が終了したゼオライトは、十分に洗浄した後乾燥する。乾燥は105℃〜115℃又は減圧(1〜30Torr)下において70〜90℃で行うことが好ましい。
なお、錫、ビスマス等適当な水溶性塩類のないイオンや有機イオンのイオン交換は、アルコールやアセトン等の有機溶媒溶液を用いて難溶性の塩基性塩が析出しないように反応させることができる。
抗菌性ゼオライト粉末の平均粒径は10μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜5μmである。また、平均粒径がこの範囲である場合に、その粒度分布において粒径が15μmを超えるものが20%以下であることが好ましい。平均粒子径は透過電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径などの常法によって測定される。
<MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末>
本発明においては、使用性向上の点からMQレジンで被覆した抗菌性ゼオライト粉末が好ましい。
抗菌性ゼオライト粉末は、MQレジンにて常法により表面処理を行った疎水化処理粉末であることが好ましい。本発明において使用するMQレジンとは、SiO2単位(Q単位)と、R3SiO1/2単位(M単位)とからなる、部分的に架橋した公知の有機シリコーン樹脂(トリメチルシロキケイ酸)である。平均式(1)に示される構造を有し、そのM/Qモル比は0.7〜1.0のものである。
[化2]
(R3SiO1/22・nSiO2 (1)
(式中、Rは一価炭化水素基であり、nは1〜5の数である。)
MQレジンは、従来、撥水剤等としてファンデーション、アイクリーム、乳液、クリーム、サンスクリーン等の化粧品原料として単独で使用される他、化粧料用粉体の表面処理剤としても使用されている(特許第3378590号等)。
本発明に用いるMQレジンは、一般的には、(CH3)3SiCl、(CH3)3SiOSi(CH3)3、(CH3)3SiOH等のM単位を有するオルガノシロキサンと、水ガラス、オルソアルキルシリケート、アルキルポリシリケート等のシリケート類とを、有機溶媒中で、水、酸を添加して加水分解、縮合を行った後、中和、洗浄、溶媒除去等の工程を経て得られる。
本発明に用いるMQレジンのM/Qモル比は0.7〜1.0である。これは、M/Qモル比が1.0を超えたり、また0.7未満になったりすると、良好な被覆が得られない場合があるからである。
また、本発明に用いられるMQレジンの分子量は特に限定されないが、500〜10000の間にあることが好ましい。これは、分子量が500未満であると処理した粉末が凝集しやすいという欠点があり、10000を超えるとMQレジンの有機溶媒に対する溶解性が低下し粉体表面に均一に被覆できないという欠点があるためである。
本発明では、抗菌性ゼオライトの表面を上記MQレジンで被覆した抗菌性ゼオライト粉末を配合することが好ましい。MQレジンの被覆方法は特に限定されない。例えば、抗菌性ゼオライトをヘンシェルミキサー等で攪拌しながら溶媒に溶解したMQレジンを添加混合後、溶媒を除去、乾燥することによって得られる。使用する溶媒は、MQレジンが溶解する揮発性有機溶媒であり、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、2−プロパノール、n−ヘキサン、シクロヘキサン等が例示される。
MQレジンの抗菌性ゼオライトに対する被覆量は、抗菌性ゼオライトに対して、質量比で0.5質量%以上であり、使用性の点から好ましくは0.5〜10質量%である。さらに好ましくは、1〜3質量%である。
<抗菌性ゼオライト粉末の配合量>
抗菌性ゼオライトの二層型粉末化粧料中の含有量は、二層型粉末化粧料全量に対して0.1〜50質量%、好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。製品形態に応じて適宜決定され、適する量が配合される。
<(b)エタノール>
本発明の二層型粉末化粧料は、(b)エタノールを溶液の主要基剤として、二層型粉末化粧料全量に対して50〜90質量%含有するものである。特にエタノールを75〜90質量%程度を含有する溶液系の二層型粉末化粧料が好ましい。溶液を構成するエタノールの含有量が75〜90質量%と多量の方が、抗菌性ゼオライト粉末の変色防止効果に優れている場合がある。
なお、本発明の二層型粉末化粧料において、抗菌性ゼオライト粉末を分散させるための溶液を構成する他の成分として、水を1〜10質量%配合しても良い。
<(c)グルタチオン及び/又はL−システイン>
本願発明に用いるグルタチオン及び/又はL−システインは、(a)抗菌性ゼオライト粉末と(b)エタノールを基剤として50〜90質量%含有する二層型粉末化粧料において、日光暴露による抗菌性ゼオライトの変色を防止する効果を発揮する。すなわち、デオドラント剤として使用される本願発明の化粧料が汗等により衣類に付着し、衣類に付着した(a)抗菌性ゼオライト粉末の日光暴露による変色を防止する効果が、本願発明におけるグルタチオン及び/又はL−システインの顕著な効果である。かかる効果は、本願発明におけるグルタチオン及び/又はL−システインの効果として、本願発明者により初めて見出された予期せぬ効果であり、本願発明特有の顕著な効果である。
なお、背景技術で説明した特許文献1におけるグルタチオン及び/又はL−システインの効果は、汗と日光暴露による変色防止効果ではない。すなわち、特許文献1の発明においては、グルタチオン及び/又はL−システインを配合していても、汗と日光暴露によって抗菌性ゼオライトの変色(衣類の汚染着)が発生する。そして、その変色を洗濯によって容易に落とすことが出来る効果(洗濯性向上効果)が、まさしく特許文献1記載の発明におけるグルタチオン及び/又はL−システインの効果なのであり、かかる効果は本願発明における、日光暴露により生じる抗菌性ゼオライトの変色を防止する効果とは本質的に異なる効果である。
本願発明における(a)抗菌性ゼオライト粉末と(b)エタノールを基剤として50〜90質量%含有する二層型粉末化粧料において、グルタチオン及び/又はL−システインを必須成分として配合する変色防止効果は、本願発明の進歩性に大いに寄与する効果なのである。
<(c)グルタチオン及び/又はL−システインの配合量>
グルタチオン及び/又はL−システインの二層型粉末化粧料中の含有量は、二層型粉末化粧料全量に対して0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5質量%、さらに好ましくは0.3〜0.5質量%である。
<(d)パラフェノールスルホン酸亜鉛塩>
本願発明に用いるパラフェノールスルホン酸亜鉛は、(c)グルタチオン及び/又はL−システインを必須成分として配合されている(a)抗菌性ゼオライト粉末と(b)エタノールを基剤として50〜90質量%含有する二層型粉末化粧料において、二層に分離して沈降している(a)抗菌性ゼオライト粉末を、使用時に容器を振ることによって当該粉末の再分散性が飛躍的に向上することに寄与する必須成分である。
すなわち、(d)パラフェノールスルホン酸亜鉛は、単独で(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させる効果を発揮するのではない。上述した抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する(c)グルタチオン及び/又はL−システインをも必須成分として配合されている本願特有の二層型粉末化粧料において、すなわち必須成分のグルタチオン及び/又はL−システインの存在下において、(d)パラフェノールスルホン酸亜鉛が、(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を顕著に向上させる効果が本願発明者により見出された。
なお、エタノールを主要基剤とする二層型粉末化粧料においては、(a)抗菌性ゼオライト粉末を再分散させることは一般に困難である。しかしながら、本願発明においては、
(a)抗菌性ゼオライト粉末を高配合(例えば二層型粉末化粧料全量に対して5質量%以上配合)したとしても、顕著な再分散性が得られている。
<(d)パラフェノールスルホン酸亜鉛塩の配合量>
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩の二層型粉末化粧料中の含有量は、二層型粉末化粧料全量に対して0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1.5質量%、さらに好ましくは0.3〜0.7質量%である。0.1質量%未満では再分散性の顕著な向上は期待できず、また、5質量%を超えて配合しても効果の増大は期待できない。
<(e)脂肪酸の2価以上の金属塩>
本発明においては、グルタチオン及び/又はL−システインとパラフェノールスルホン酸亜鉛との組み合わせに加えて、脂肪酸の2価以上の金属塩を配合することによって、抗菌性ゼオライト粉末の再分散性が一層向上し、長期間静置後も良好な再分散性を示すことが、本願発明者により見出された。
脂肪酸の2価以上の金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム
が好ましく、特にステアリン酸カルシウムが好ましい。
<(e)脂肪酸の2価以上の金属塩の配合量>
脂肪酸の2価以上の金属塩の二層型粉末化粧料中の含有量は、二層型粉末化粧料全量に対して0.1〜5質量%が好ましい。0.1質量%未満では再分散性の一層の向上は期待できず、また、5質量%を超えて配合しても効果の増大は期待できない。
<(f)水>
本発明においてはさらに水を配合することが好ましい。水の配合量は、二層型粉末化粧料全量に対して、1〜40質量%が好ましく、より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは1〜15質量%である。
本発明の皮膚外用剤には上記した必須成分の他に通常化粧品に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤型に応じて常法により製造することが出来る。以下に具体的な配合可能成分を列挙するが、上記必須配合成分と、下記成分の一種または二種以上とを配合して本発明の皮膚外用剤を調製できる。
なお、本発明においては、塗布した後に、エタノールや水等が揮散することによる粉末の粉浮き(白うき)を防ぐために、常温で液状の保湿剤や油分を配合することも好ましい。配合する保湿剤や油分の種類や配合量は限定されないが、上述した目的のためであれば、ブチレングリコールやポリプロピレングリコール等の保湿剤を1〜15質量%配合することも好ましい。
また、本発明においては、(塗布後の液だれ防止等の)使用性の点から増粘剤を配合することも好ましい。増粘剤としては、エタノールを50質量%以上配合した基剤に良好に溶解し、増粘効果を発揮するものであれば特に限定しないが、使用性の点からヒドロキシプロピルセルロースが特に好ましい。上述した目的としてヒドロキシプロピルセルロースを使用する場合は、二層型粉末化粧料全量に対して、0.01〜5.0質量%配合することが好ましい。0.01質量%未満では、液だれ防止等の使用性向上の効果は期待できない。また、5.0質量%を超えて配合すると、粘度が高くなり、静置しても粉末が沈降せず二層型粉末化粧料にならない。
なお、二層型粉末化粧料に増粘剤を配合して、系の粘度を増大させるという(塗布する使用性の観点からとろみを付与するため)、粉末の再分散性に一般に不利となる増粘剤配合の条件下によっても、本願発明では良好な粉末の再分散性を高度に維持できるという顕著な効果を有している。
上記抗菌性ゼオライト以外の粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
液体油脂としては、例えば、アボカド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
ロウとしては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、スクワレン、ワセリン等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N'-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては下記化合物が挙げられる。
(1)安息香酸系紫外線吸収剤
例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステルなど。
(2)アントラニル酸系紫外線吸収剤
例えば、ホモメンチル-N- アセチルアントラニレートなど。
(3)サリチル酸系紫外線吸収剤
例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレートなど。
(4)ケイ皮酸系紫外線吸収剤
例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメートなど。
(5)トリアジン系紫外線吸収剤
例えば、ビスレゾルシニルトリアジン。
さらに具体的には、ビス{〔4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス{4−(2−エチルヘキシロキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジンなど。
(6)その他の紫外線吸収剤
例えば、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン。ジモルホリノピリダジノンなどのピリダジン誘導体。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
低級アルコールとしては、例えば、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル−1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
pH調製剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン、トラネキサム酸、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸グルコシド、4−メトキシサリチル酸カリウム等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);殺菌剤(例えば、安息香酸及びその塩類、イソプロピルメチルフェノール、ウンデシレン酸及びその塩類、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンザトニウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、塩化クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルクレゾール、クロルフェネシン、クロロブタノール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、サリチル酸及びその塩類、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化ドミフェン、ソルビン酸及びその塩類、チモール、チラム、デヒドロ酢酸及びその塩類、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルフェノール、ハロカルバン、ピロガロール、フェノール、ヘキサクロロフェン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、NN"−メチレンビス(N'−(3−ヒドロキシメチル−2.5−ジオキソ−4−イミダ、ラウロイルサルコシンナトリウム、レゾルシン等)等が挙げられる。
本発明の二層型粉末化粧料は、デオドラントローションや、ロールオンタイプのデオドラントロールオン等のデオドラント化粧料として好適に使用される。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。配合量は特に断りのない限り全量に対する質量%である。
実施例及び比較例のエタノールを主要基剤とする二層型粉末化粧料(デオドラントローション)を常法により製造して、抗菌性ゼオライト粉末の再分散性と変色防止効果を検討した。評価方法、使用した配合成分、本発明の効果を「表1」に示す。
<評価方法>
「再分散性の評価方法(1)」
試料(実施例及び比較例の二層型粉末化粧料)を50mLのガラス管に充填し、1日(室温)静置し、粉末を沈降させた。
ガラス管を手で上下に振って振とうさせ(これを1回と数える)、目視により粉末が均一に再分散したと判断されるまでの回数を確認した。
振とう回数が、5回以下を◎、6〜10回を〇、11〜20回を○△、21回〜30回を△、31回以上を×と評価した。
「再分散性の評価方法(2)」
試料(実施例及び比較例の二層型粉末化粧料)を50mLのガラス管に充填し、1ヶ月(室温)静置し、粉末を沈降させた。
ガラス管を手で上下に振って振とうさせ(これを1回と数える)、目視により粉末が均一に再分散したと判断されるまでの回数を確認した。
振とう回数が、5回以下を◎、6〜10回を〇、11〜20回を○△、21回〜30回を△、31回以上を×と評価した。
「変色防止効果」
十分に振とうして粉末を再分散させた試料(実施例及び比較例の二層型粉末化粧料)と、人工汗(水to100wt%、塩化ナトリウム0.8wt%、酢酸0.5wt%、リン酸2ナトリウム12水塩0.8wt%)を1:1で混合した後、30μLを計り取り、白色綿布(JIS規格染色堅ろう度試験用添付白布)に塗布した。
試料を塗布した布を日光に暴露後(10分)、目視により変色が認められた場合は×、認められない場合は〇と判定した。

Figure 2011178815
Figure 2011178815
*1:信越化学工業株式会社 KF-6016
*2:MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末は、M/Qモル比0.8のMQレジンをデカメチルシクロペンタシロキサン溶媒を用い常法に従って被覆処理した。被覆量は約3質量%である。
*3:株式会社シナネンゼオミック セラメディックAJ10N
以上の結果より、エタノールを主要基剤とし、エタノール基剤に不溶な抗菌性ゼオライト粉末を配合した二層型粉末化粧料において、抗菌性ゼオライト粉末の変色防止剤としてグルタチオンを配合し、更に抗菌性ゼオライト粉末の再分散性向上剤としてパラフェノールスルホン酸亜鉛を配合することによって、抗菌性ゼオライト粉末の衣服に付着した場合の変色を抑制し、さらに、使用時の容器の振とうにより抗菌性ゼオライト粉末の再分散性が顕著に向上することが分かる(実施例1)。使用性向上のため増粘剤としてヒドロキシプロピルセルロースを配合し、抗菌性ゼオライト粉末の再分散性が一層困難な場合においても、抗菌性ゼオライト粉末の変色防止剤としてグルタチオンを配合し、再分散性向上剤としてパラフェノールスルホン酸亜鉛を配合することによって十分に良好な再分散性をえることができる(実施例3及び5)。また、パラフェノールスルホン酸亜鉛は、グルタチオンを配合した場合にのみ抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させることができ、単独で配合したとしてもその効果を発揮しない(比較例1及び2)。
さらに、グルタチオンとパラフェノールスルホン酸亜鉛との組み合わせに加えて、脂肪酸の2価以上の金属塩であるステアリン酸カルシウムを配合することによって、抗菌性ゼオライト粉末の再分散性が一層向上し、長期間静置後も良好な再分散性を示すことを分かる(実施例2、4及び6)。また、再分散性の優れた効果は、増粘剤のヒドロキシプロピルセルロースを配合して系の粘度を増大させたとしても、本発明においては優れた再分散性を高度に維持できることが判明した(実施例6)。
また、抗菌性ゼオライト粉末の変色防止剤としてL−システインを単独で、またはグルタチオンと混合して用いることによっても、変色がなく、抗菌性ゼオライト粉末の再分散性に優れた製剤を得ることができる(実施例7及び8)。この場合においてもステアリン酸カルシウムが抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を一層向上させることが分かる(実施例9)。
なお、本発明においては、一般に粉末の分散剤として使用される脂肪酸の2価の金属塩(ステアリン酸カルシウム)を単独で配合したとしても、抗菌性ゼオライト粉末の十分な再分散性は得られない(比較例4)。
以下に本発明の実施例を挙げる。
〔実施例10:デオドラントローション〕
配合成分 質量%
エタノール 86.6
精製水 7
抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 0.5
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.35
グリセリン 5
メントール 0.4
〔実施例11:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 88.5
精製水 5
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 0.4
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.5
ステアリン酸カルシウム 0.5
ヒドロシキプロピルセルロース 0.1
香料 適量
〔実施例12:デオドラントローション〕
配合成分 質量%
エタノール 78
精製水 5
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 0.4
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.5
ステアリン酸亜鉛 0.3
ポリプロピレングリコール 10
N,N−ジメチルアクリルアミド−2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体 0.5
香料 適量
〔実施例13:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 84.3
精製水 5
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 0.1
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.1
ポリプロピレングリコール 5
ステアリン酸カルシウム 0.5
〔実施例14:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 76.5
精製水 10
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 1.5
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 1.5
ポリプロピレングリコール 5
ステアリン酸カルシウム 0.5
〔実施例15:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 73.8
精製水 15
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 0.5
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.7
ポリプロピレングリコール 5
〔実施例16:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 84.4
精製水 5
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 0.3
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.3
ポリプロピレングリコール 5
〔実施例17:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 79.05
精製水 10
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 0.35
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.5
ポリプロピレングリコール 5
ステアリン酸カルシウム 0.1
〔実施例18:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 74.15
精製水 10
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 0.35
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.5
ポリプロピレングリコール 5
ステアリン酸カルシウム 5
〔実施例19:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 50
精製水 40
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 1
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 1
ポリプロピレングリコール 2.5
ステアリン酸カルシウム 0.5
〔実施例20:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 87.7
精製水 1
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
グルタチオン 0.3
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.5
ポリプロピレングリコール 5
ステアリン酸カルシウム 0.5
〔実施例21:デオドラントロールオン〕
配合成分 質量%
エタノール 63.3
精製水 25
MQレジン被覆抗菌性ゼオライト粉末 5
L−システイン 0.7
パラフェノールスルホン酸亜鉛塩 0.5
ポリプロピレングリコール 5
ステアリン酸カルシウム 0.5
本発明は、抗菌性ゼオライト粉末をエタノール基剤に分散させた二層型粉末化粧料の再分散性向上方法及び変色防止方法であり、主にデオドラント化粧料に利用される。
本発明に用いる二層型粉末化粧料は、使用時における(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性に極めて優れ、かつ、衣類に付着した場合等における(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を効果的に防止出来る。したがって、抗菌性ゼオライト粉末を配合した二層型粉末化粧料として産業上の利用価値が極めて高い。

Claims (4)

  1. (a)抗菌性ゼオライト粉末と、(b)エタノールを基剤として50〜90質量%含有する二層型粉末化粧料であって、さらに(c)グルタチオン及び/又はL−システインを0.1〜5質量%含有し、(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性向上剤として、(c)グルタチオン及び/又はL−システインの存在下において(d)パラフェノールスルホン酸亜鉛塩を0.1〜5質量%含有し、さらに(f)水を含有することを特徴とする二層型粉末化粧料によって、前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させ、さらに前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する方法。
  2. 請求項1記載の二層型粉末化粧料にさらに(e)脂肪酸の2価以上の金属塩を含有することを特徴とする二層型粉末化粧料によって、前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させ、さらに前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する請求項1記載の方法。
  3. 前記成分(a)の抗菌性ゼオライトが下記平均式(1)で表されるMQレジンで被覆されていることを特徴とする二層型粉末化粧料によって、前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させ、さらに前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する請求項1又は2記載の方法
    [化1]
    (R 3 SiO 1/2 2 ・nSiO 2 (1)
    (式中、Rは一価炭化水素基であり、nは1〜5の数である。)
  4. 前記(e)脂肪酸の2価以上の金属塩がステアリン酸カルシウムであることを特徴とする二層型粉末化粧料によって、前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の再分散性を向上させ、さらに前記(a)抗菌性ゼオライト粉末の変色を防止する請求項1〜3の何れか1項記載の方法。
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