JP2011178607A - 多孔質ハニカム構造体及びその製造方法 - Google Patents

多孔質ハニカム構造体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PM捕集性能を十分に確保し、圧力損失の増大を抑制することができ、かつ、優れた耐熱衝撃性を有する多孔質ハニカム構造体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ハニカム状に配された多孔質の隔壁2とその隔壁2に囲まれて軸方向に形成された多数のセル3とを有する多孔質ハニカム構造体1の製造方法において、少なくとも、タルク、溶融シリカ及び水酸化アルミニウムを含有するコーディエライト化原料を押出成形し、ハニカム成形体を成形する成形工程と、ハニカム成形体を乾燥する乾燥工程と、その乾燥工程後のハニカム成形体を焼成し、多孔質ハニカム構造体1を得る焼成工程とを有する。コーディエライト化原料における溶融シリカは、BET法により求めた比表面積が2.5m2/g以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を捕集して排ガスの浄化を行う排ガス浄化フィルタに用いられる多孔質ハニカム構造体及びその製造方法に関する。
従来から、ディーゼルエンジン等の内燃機関より排出される排ガス中の粒子状物質(Particulate Matter:以下、PMという)を捕集して排ガスの浄化を行う、多孔質ハニカム構造体を用いた排ガス浄化フィルタが知られている。
上記多孔質ハニカム構造体は、ハニカム状に配された多孔質の隔壁とその隔壁に囲まれて軸方向に形成された多数のセルとを有する。そして、排ガスを導入する入口側のセルの下流側端部及び排ガスを排出する出口側のセルの上流側端部を封止材によって封止して用いられる。
上記多孔質ハニカム構造体を用いた排ガス浄化フィルタによる排ガスの浄化は、次のようにして行われる。すなわち、内燃機関より排出された排ガスは、多孔質ハニカム構造体の入口側のセルに導入され、その後、多孔質の隔壁を通過する。このとき、排ガス中のPMが隔壁に存在する多数の細孔に捕集され、排ガスが浄化される。浄化された排ガスは、出口側のセルから排出される。また、隔壁に捕集されたPMは、定期的に燃焼除去され、これによって隔壁のPM捕集機能を再生している。
ところで、上記多孔質ハニカム構造体は、隔壁に形成される細孔径をどのように設計するかにより、PM捕集性能、圧力損失等の特性が異なる。そのため、隔壁の細孔分布を制御することが求められていた。
そこで、特許文献1には、製造原料であるコーディエライト化原料に含有されるタルク及び溶融シリカの微小粒と粗大粒を所定の割合とするハニカム構造体の製造方法が開示されている。これにより、細孔径が大きく、気孔率が高いハニカム構造体を得ることができる。
特開2008−90393号公報
上記多孔質ハニカム構造体は、ディーゼルエンジン等の内燃機関の近傍に設置されることから、継続的に熱衝撃に曝される。そのため、十分な耐熱衝撃性も求められていた。
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、得られるハニカム構造体の気孔率、微細孔、粗大細孔等を制御することはできるものの、熱膨張係数にばらつきが生じ、安定した耐熱衝撃性を得ることができなかった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、PM捕集性能を十分に確保し、圧力損失の増大を抑制することができ、かつ、優れた耐熱衝撃性を有する多孔質ハニカム構造体及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、ハニカム状に配された多孔質の隔壁と該隔壁に囲まれて軸方向に形成された多数のセルとを有するコーディエライト製の多孔質ハニカム構造体の製造方法において、
少なくとも、タルク、溶融シリカ及び水酸化アルミニウムを含有するコーディエライト化原料を押出成形し、ハニカム成形体を得る成形工程と、上記ハニカム成形体を乾燥する乾燥工程と、該乾燥工程後の上記ハニカム成形体を焼成し、上記多孔質ハニカム構造体を得る焼成工程とを有し、
上記コーディエライト化原料における上記溶融シリカは、BET法により求めた比表面積が2.5m2/g以下であることを特徴とする多孔質ハニカム構造体の製造方法にある(請求項1)。
本発明の多孔質ハニカム構造体の製造方法は、上記のごとく、成形工程、乾燥工程及び焼成工程を行う。そして、多孔質ハニカム構造体の原料であるコーディエライト化原料中の溶融シリカは、BET法により求めた比表面積(以下、適宜、BET比表面積という)が2.5m2/g以下である。これにより、熱膨張係数が低く(例えば、0.4×10-6/℃以下)、急激な温度変化にも耐え得る耐熱衝撃性に優れた多孔質ハニカム構造体を得ることができる。
以下、この理由について説明する。
本発明者らが上記コーディエライト化原料としてタルク、溶融シリカ及び水酸化アルミニウムを選定した場合における多孔質ハニカム構造体の熱膨張係数について解析したところ、その熱膨張係数は、コーディエライト結晶の結晶異方性に基づくマイクロクラックの大きさ(長さ)で決定され、このマイクロクラックの大きさ(長さ)は、生成されるコーディエライト結晶粒径に依存することがわかった。また、このコーディエライト結晶粒径は、溶融シリカの粒子径に依存し、特に微細粒子(例えば、10μm以下の粒子)の存在量が大きな影響を与えるということがわかった。
そして、溶融シリカの微細粒子の存在量が少ない場合には、すなわち溶融シリカのBET比表面積が小さい場合には、コーディエライト結晶粒径が大きくなり(マイクロクラックが大きくなり)、結果として熱膨張係数が小さくなることを見出した。
本発明は、このことを利用したもので、上記コーディエライト化原料中の溶融シリカのBET比表面積を上記特定の値以下としている。これにより、熱膨張係数が低く、耐熱衝撃性に優れた多孔質ハニカム構造体を得ることができる。
また、本発明では、この溶融シリカの微細粒子の存在量をBET比表面積によって制御している点にも大きな特徴がある。すなわち、微細粒子の存在量は、一般的にレーザ回折・散乱法等を用いて測定された粒度分布等から導き出すことができるが、測定範囲が広いため(例えば、0.1〜2000μm)、実際の微細粒子の存在量に対して誤差が大きくなる。そこで、より微細粒子の存在量を制御するために、BET比表面積を採用しているのである。
また、上述したように、上記コーディエライト化原料中の溶融シリカのBET比表面積を上記特定の値以下としている。すなわち、上記コーディエライト化原料中の溶融シリカの微細粒子の存在量を少なくしている。この溶融シリカは、細孔形成に大きく寄与することから、結果的に細孔径の小さな細孔が形成され難くなる。これにより、PM捕集性能を十分に確保し、細孔の目詰まりによる圧力損失の増大を抑制することができる、細孔特性に優れた多孔質ハニカム構造体を得ることができる。
このように、本発明の製造方法によれば、PM捕集性能を十分に確保し、圧力損失の増大を抑制することができ、かつ、優れた耐熱衝撃性を有する多孔質ハニカム構造体を得ることができる。
実施例における、多孔質ハニカム構造体を示す説明図。 実施例における、溶融シリカのBET比表面積と多孔質ハニカム構造体の熱膨張係数との関係を示す説明図。 実施例における、多孔質ハニカム構造体の熱膨張係数と耐熱衝撃温度との関係を示す説明図。 実施例における、溶融シリカのBET比表面積と細孔径5μm以下の細孔容積率との関係を示す説明図。
本発明において、上記多孔質ハニカム構造体は、例えば、ディーゼルエンジン等の内燃機関より排出される排ガス中のPMを捕集して排ガスの浄化を行う排ガス浄化フィルタに用いられるものである。
また、上記コーディエライト化原料における上記溶融シリカは、BET法により求めた比表面積が2.5m2/g以下である。
上記溶融シリカのBET比表面積が2.5m2/gを超える場合には、熱膨張係数の低い(例えば、0.4×10-6/℃以下)多孔質ハニカム構造体を得ることができないおそれがある。
また、上記コーディエライト化原料における上記溶融シリカは、BET法により求めた比表面積が1.2m2/g以下であることがより好ましい(請求項2)。
この場合には、さらに熱膨張係数が低く(例えば、0.2×10-6/℃以下)、より一層耐熱衝撃性に優れた多孔質ハニカム構造体を得ることができる。
なお、上記BET法とは、粉体粒子の表面に予め大きさのわかっている分子やイオンを吸着させ、その量から試料の比表面積を測定する方法である。
また、上記コーディエライト化原料は、粒度分布計によって測定される粒径8.7μm以下の上記タルクよりなる微小粒の累積頻度と粒径8.7μm以下の上記溶融シリカよりなる微小粒の累積頻度との和が15%以下であると共に、粒径31.3μm以上の上記タルクよりなる粗大粒の累積頻度と31.3μm以上の上記溶融シリカよりなる粗大粒の累積頻度の和が10%以下であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、細孔径5〜25μmの狭い範囲の細孔を高い確率で形成することができる。そのため、PM捕集性能を十分に確保し、細孔の目詰まりによる圧力損失の増大を抑制することができる、細孔特性に優れた多孔質ハニカム構造体を得ることができる。
以下、この理由について説明する。
本発明者らが上記コーディエライト化原料としてタルク、溶融シリカ及び水酸化アルミニウムを選定した場合における多孔質ハニカム構造体の細孔形成メカニズムについて解析したところ、細孔径は、タルク及び溶融シリカの粒子径によって決定されることがわかった。そして、上記コーディエライト化原料中のタルク、溶融シリカの収縮率を考慮し、粒子径を最適化することで、細孔径分布を所望の範囲で高度に制御できることを見出した。
したがって、上記特定のコーディエライト化原料を用いることにより、細孔径5〜25μmの狭い範囲の細孔を高い確率で形成することができる。一方、圧力損失に影響を与える細孔径5μm以下の細孔の割合を低くすることができる(例えば、細孔容積率15%以下、好ましくは10%以下)。また、PM捕集性能や強度に影響を与える細孔径25μmを超える細孔の割合を低くすることができる。
ここで、細孔径5μm以下の細孔容積率とは、全細孔容積に対する細孔径5μm以下の細孔容積の割合のことである。
上記タルク及び上記溶融シリカにおける微小粒の累積頻度の和が15%を超える場合には、得られる多孔質ハニカム構造体の隔壁に、細孔径5μm以下の細孔が多く形成され、圧力損失が大きくなるおそれがある。また、触媒を担持した場合には、その担持した触媒で細孔が詰まり、圧力損失がさらに大きくなるおそれがある。
また、上記タルク及び上記溶融シリカにおける粗大粒の累積頻度の和が10%を超える場合には、細孔径25μmを超える細孔が多く形成され、PMがすり抜け易くなってPM捕集性能が低下したり、強度が低下したりするおそれがある。
ここで、累積頻度について説明する。粒度分布計では各粒子径毎の存在比率分布が得られるが、累積頻度は、この分布の総和であり、100%となる。グラフとしては横軸を粒子径、縦軸を頻度(%)で表すことができ、ある粒子径範囲までの累積頻度として求めることが可能である。狙いの粒子径よりも細かい累積頻度の総和を微小粒累積頻度とし、逆に狙いの粒子径よりも粗い粒子径の累積頻度の総和を粗大粒累積頻度と定義する。
そして、粒度分布計による粒径8.7μm以下のタルクよりなる微小粒と粒径8.7μm以下の溶融シリカよりなる微小粒との累積頻度の和とは、粒径8.7μm以下のタルクと粒径8.7μm以下の溶融シリカのそれぞれが占める体積比率にタルク及び溶融シリカの各々の累積頻度との積をとり、得られたタルク、溶融シリカそれぞれの値の和をいう。
また、粒径31.3μm以上のタルクよりなる粗大粒と粒径31.3μm以上の溶融シリカよりなる粗大粒との累積頻度の和とは、上記と同様、31.3μm以上のものに対して同様の手順にて求めた和である。
なお、上記粒度分布計としては、レーザ回折・散乱法を用いた粒度分布測定装置等を用いることができる。
また、上記タルク及び上記溶融シリカの微小粒は、気流分級により取り除く等して制御することができる。また、上記タルク及び上記溶融シリカの粗大粒は、メッシュ分級により取り除く等して制御することができる。
また、上記コーディエライト化原料は、不純物として、Fe23、CaO、Na2O、K2O等を含有してもよい。
また、上記溶融シリカは、球状又は破砕状であることが好ましい(請求項4)。
上記溶融シリカは、コーディエライト生成温度域でも高温度域で母材に溶け込み、自らの形骸が細孔の形となる。そして、細孔径の制御に対して球状又は破砕状がコントロールし易いため好ましい。
また、上記成形工程では、コーディエライト化原料に水等を加えて混練し、これを押し出し成形し、ハニカム状のハニカム成形体に成形する。これにより、連続成形が可能になると共に、コーディエライト結晶を配向させて低膨張性にすることができる。また、ハニカム状に押出成形した後、切断することにより、容易に所望寸法の成形体を得ることができる。
また、上記成形工程では、コーディエライト化原料と水とを混練するだけでなく、必要に応じて、さらに可燃性物質等を加えてもよい。
また、上記乾燥工程では、上記成形工程で成形されたハニカム成形体を熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等で乾燥させて水分などを蒸発させる。その中でも、全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点で、熱風乾燥とマイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥を行うことが好ましい。
また、上記乾燥工程は、例えば、約80℃〜100℃の温度で加熱することにより行う。加熱時間は、ハニカム成形体の大きさ等に合わせて適宜選択することが好ましい。
また、上記焼成工程は、例えば、約1300〜1500℃の温度において5〜20時間保持することにより行う。ただし、焼成温度及び焼成時間は、ハニカム成形体の大きさ等によって適宜変更することが好ましい。
なお、上記乾燥工程と上記焼成工程とは、別々の工程として行ってもよいが、乾燥温度から連続的に焼成温度に変更することによって、一つの工程にまとめることもできる。
また、本発明の製造方法により製造されてなる多孔質ハニカム構造体において、上記隔壁は、化学組成がSiO2:45〜55重量%、Al23:33〜42重量%、MgO:12〜18重量%よりなるコーディエライトを主成分とし、かつ、40〜800℃における熱膨張係数が0.4×10-6/℃以下である(請求項5)。
この場合には、上記多孔質ハニカム構造体は、急激な温度変化にも耐え得る、優れた耐熱衝撃性を有するものとなる。
上記隔壁の熱膨張係数が0.4×10-6/℃を超える場合には、耐熱衝撃性が低下するおそれがある。
また、本発明の製造方法により製造されてなる多孔質ハニカム構造体において、上記隔壁は、化学組成がSiO2:45〜55重量%、Al23:33〜42重量%、MgO:12〜18重量%よりなるコーディエライトを主成分とし、かつ、40〜800℃における熱膨張係数が0.2×10-6/℃以下である(請求項6)。
この場合には、上記多孔質ハニカム構造体の耐熱衝撃性をより一層高めることができる。
また、上記隔壁は、平均細孔径が8〜14μmであることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記多孔質ハニカム構造体は、PM捕集性能を十分に確保することができると共に、細孔の目詰まりによる圧力損失の増大を抑制することができる。
上記隔壁の平均細孔径が8μm未満の場合には、圧力損失が大きくなるおそれがある。また、触媒を担持した場合には、その担持した触媒で細孔が詰まり、圧力損失がさらに大きくなるおそれがある。一方、14μmを超える場合には、微粒子がすり抜け易くなってPM捕集性能が低下したり、強度が低下したりするおそれがある。
なお、平均細孔径の測定は、水銀圧入式ポロシメータ等により行うことができる。
また、上記隔壁は、気孔率が40〜60%であることが好ましい(請求項8)。また、上記隔壁は、気孔率が45〜55%であることがより好ましい。
この場合には、上記多孔質ハニカム構造体は、PM捕集性能を十分に確保することができると共に、細孔の目詰まりによる圧力損失の増大を抑制することができる。
上記隔壁の気孔率が40%未満の場合には、圧力損失が大きくなるおそれがある。一方、60%を超える場合には、PM捕集性能が低下したり、強度が低下したりするおそれがある。
なお、気孔率の測定は、水銀圧入式ポロシメータ等により行うことができる。
本例は、本発明の製造方法により得られる多孔質ハニカム構造体の耐熱衝撃性、細孔特性について調べたものである。
本例では、BET法により求めた比表面積が異なる溶融シリカを含むコーディエライト化原料を用いて複数の多孔質ハニカム構造体を作製し、これらについて熱膨張係数の測定及び耐熱衝撃性試験を行った。
以下、これを詳説する。
まず、本例において作製する多孔質ハニカム構造体の基本構成について説明する。
図1に示すごとく、多孔質ハニカム構造体1は、ハニカム状に配された多孔質の隔壁2と、その隔壁2に囲まれて軸方向に形成された断面四角形状の多数のセル3と、その外周側面を覆う筒状の外周壁4とを有する。隔壁2には、その隔壁2を通過する排ガス中のPMを捕集するための細孔が多数形成されている。
同図に示すごとく、多孔質ハニカム構造体1は、直径140mm、長さ220mmの円柱形状を呈している。また、隔壁2の厚みは380μmである。
また、多孔質ハニカム構造体1は、化学組成がSiO2:45〜55重量%、Al23:33〜42重量%、MgO:12〜18重量%よりなるコーディエライトを主成分とするセラミックで構成されている。
次に、上記構成の多孔質ハニカム構造体の製造方法について説明する。
本例において、多孔質ハニカム構造体を製造するに当たっては、少なくとも、タルク、溶融シリカ及び水酸化アルミニウムを含有するコーディエライト化原料を押出成形し、ハニカム成形体を成形する成形工程と、ハニカム成形体を乾燥する乾燥工程と、乾燥工程後のハニカム成形体を焼成し、多孔質ハニカム構造体を得る焼成工程とを行う。
具体的には、まず、タルク35.4質量%、溶融シリカ19.4質量%及び水酸化アルミニウム45.2質量%からなるコーディエライト化原料を準備した。このとき、溶融シリカのBET比表面積が異なる(BET比表面積0.5〜10m2/gの範囲にある)複数のコーディエライト化原料を準備した。
また、コーディエライト化原料としては、粒度分布計によって測定される粒径8.7μm以下のタルクからなる微小粒の累積頻度が9.0%で、粒径6.25μm以下の溶融シリカからなる微小粒の累積頻度が4.4%、すなわち、これら微小粒の累積頻度の和が13.4%の原料を採用した。
次いで、コーディエライト化原料に有機系造孔剤、バインダー、水等を添加した後、混合機にて混合撹拌し、スラリー状のコーディエライト化原料を作製した。そして、スラリー状のコーディエライト化原料を周知のハニカム押出成型機にて押出成形し、所望の長さに切断した(成形工程)。
次いで、切断したハニカム成形体をマイクロ波乾燥装置により水分の80%以上を蒸発させ、さらに80℃の熱風で12時間乾燥させた(乾燥工程)。そして、乾燥したハニカム成形体を1420℃で20時間焼成した(焼成工程)。
これにより、多孔質ハニカム構造体を得た。
次に、得られた多孔質ハニカム構造体について、熱膨張係数を測定した。
熱膨張係数の測定は、熱膨張計を用いて行った。なお、測定温度範囲は、40〜800℃とした。
熱膨張係数の測定結果を図2に示す。
図2は、コーディエライト化原料における溶融シリカのBET比表面積(m2/g)と得られた多孔質ハニカム構造体の熱膨張係数(×10-6/℃)との関係を示したものである。
同図から、コーディエライト化原料における溶融シリカのBET比表面積が小さくなると、得られる多孔質ハニカム構造体の熱膨張係数が低くなることがわかる。特に、溶融シリカのBET比表面積が1.5m2/gあたりを下回ると、熱膨張係数が急激に低くなることがわかる。
よって、本発明の範囲、すなわち溶融シリカのBET比表面積を2.5m2/g以下とすれば、多孔質ハニカム構造体の熱膨張係数を非常に低くすることができ、確実に0.4×10-6/℃以下にすることができる。さらに、溶融シリカのBET比表面積を1.2m2/g以下とすれば、多孔質ハニカム構造体の熱膨張係数をさらに低くすることができ、確実に0.2×10-6/℃以下にすることができる。
次に、得られた多孔質ハニカム構造体について、耐熱衝撃性試験を行った。
耐熱衝撃性試験は、予め所定の温度に熱した電気炉に多孔質ハニカム構造体を入れ、その多孔質ハニカム構造体が所定の温度になるように十分な時間加熱した後、空冷した。そして、急速な冷却(冷却速度:約50℃/分)における熱衝撃により、多孔質ハニカム構造体の側面、端面、内部等にクラックが発生するかを確認した。クラックの発生は、目視、打音等により確認した。この作業をクラックが発生するまで加熱温度を50℃ずつ上げながら行い、クラックが発生しなかった最高温度を耐熱衝撃温度とした。
耐熱衝撃性試験の結果を図3に示す。
図3は、得られた多孔質ハニカム構造体の熱膨張係数(×10-6/℃)と耐熱衝撃温度(℃)との関係を示したものである。
同図から、多孔質ハニカム構造体の熱膨張係数が低くなると、耐熱衝撃温度が高くなることがわかる。特に、本発明の範囲、すなわち熱膨張係数を0.4×10-6/℃以下とすれば、耐熱衝撃温度が700℃以上と非常に高くなり、優れた耐熱衝撃性が得られる。さらに、熱膨張係数を0.2×10-6/℃以下とすれば、耐熱衝撃温度が800℃以上とさらに高くなり、より一層優れた耐熱衝撃性が得られる。
次に、得られた多孔質ハニカム構造体について、細孔径5μm以下の細孔容積率を測定した。ここで、細孔径5μm以下の細孔容積率とは、全細孔容積に対する細孔径5μm以下の細孔容積の割合のことである。
細孔径5μm以下の細孔容積率の測定は、ポロシメータを用いた水銀圧入法によって細孔径分布を求め、その細孔径分布から細孔径5μm以下の細孔容積率を求めた。
細孔径5μm以下の細孔容積率の測定結果を図4に示す。
図4は、コーディエライト化原料における溶融シリカのBET比表面積(m2/g)と得られた多孔質ハニカム構造体における細孔径5μm以下の細孔容積率(%)との関係を示したものである。
同図から、コーディエライト化原料における溶融シリカのBET比表面積が小さくなると、細孔径5μm以下の細孔容積率が低くなることがわかる。特に、溶融シリカのBET比表面積が1.5m2/gあたりを下回ると、細孔径5μm以下の細孔容積率がさらに低くなることがわかる。
よって、本発明の範囲、すなわち溶融シリカのBET比表面積を2.5m2/g以下とすれば、細孔径5μm以下の細孔容積率を15%以下と非常に低くすることができる。さらに、溶融シリカのBET比表面積を1.2m2/g以下とすれば、細孔径5μm以下の細孔容積率を10%以下とより一層低くすることができる。そして、これにより、PM捕集性能を十分に確保し、細孔の目詰まりによる圧力損失の増大を抑制することができる、細孔特性に優れた多孔質ハニカム構造体を得ることができる。
1 多孔質ハニカム構造体
2 隔壁
3 セル

Claims (8)

  1. ハニカム状に配された多孔質の隔壁と該隔壁に囲まれて軸方向に形成された多数のセルとを有する多孔質ハニカム構造体の製造方法において、
    少なくとも、タルク、溶融シリカ及び水酸化アルミニウムを含有するコーディエライト化原料を押出成形し、ハニカム成形体を成形する成形工程と、
    上記ハニカム成形体を乾燥する乾燥工程と、
    該乾燥工程後の上記ハニカム成形体を焼成し、上記多孔質ハニカム構造体を得る焼成工程とを有し、
    上記コーディエライト化原料における上記溶融シリカは、BET法により求めた比表面積が2.5m2/g以下であることを特徴とする多孔質ハニカム構造体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の多孔質ハニカム構造体の製造方法において、上記コーディエライト化原料における上記溶融シリカは、BET法により求めた比表面積が1.2m2/g以下であることを特徴とする多孔質ハニカム構造体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の多孔質ハニカム構造体の製造方法において、上記コーディエライト化原料は、粒度分布計によって測定される粒径8.7μm以下の上記タルクよりなる微小粒の累積頻度と粒径8.7μm以下の上記溶融シリカよりなる微小粒の累積頻度との和が15%以下であると共に、粒径31.3μm以上の上記タルクよりなる粗大粒の累積頻度と31.3μm以上の上記溶融シリカよりなる粗大粒の累積頻度の和が10%以下であることを特徴とする多孔質ハニカム構造体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質ハニカム構造体において、上記溶融シリカは、球状又は破砕状であることを特徴とする多孔質ハニカム構造体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質ハニカム構造体の製造方法により製造された多孔質ハニカム構造体において、
    上記隔壁は、化学組成がSiO2:45〜55重量%、Al23:33〜42重量%、MgO:12〜18重量%よりなるコーディエライトを主成分とし、かつ、40〜800℃における熱膨張係数が0.4×10-6/℃以下であることを特徴とする多孔質ハニカム構造体。
  6. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の多孔質ハニカム構造体の製造方法により製造された多孔質ハニカム構造体において、
    上記隔壁は、化学組成がSiO2:45〜55重量%、Al23:33〜42重量%、MgO:12〜18重量%よりなるコーディエライトを主成分とし、かつ、40〜800℃における熱膨張係数が0.2×10-6/℃以下であることを特徴とする多孔質ハニカム構造体。
  7. 請求項5又は6に記載の多孔質ハニカム構造体において、上記隔壁は、平均細孔径が8〜14μmであることを特徴とする多孔質ハニカム構造体。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の多孔質ハニカム構造体において、上記隔壁は、気孔率が40〜60%であることを特徴とする多孔質ハニカム構造体。
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