JP2011178333A - タイヤ故障検知具およびタイヤ故障検知装置 - Google Patents

タイヤ故障検知具およびタイヤ故障検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】空気入りタイヤの外周部の内周面の温度変化を早期にかつ正確に検知することができ、空気入りタイヤの故障やその予兆を的確に検知する上で有利なタイヤ故障検知具およびタイヤ故障検知装置を提供する。
【解決手段】タイヤ故障検知具12は、環状部材16と温度検知部18と送信部20とを含んで構成される。環状部材16は、空気入りタイヤの空洞部内に配置され、空気入りタイヤの外周部の内周面に沿って延在し、かつ、内周面に接触しつつ内周面に対して相対的に回転可能に設けられている。環状部材16は、環体24と、環体24の外周面に該環体24の延在方向に間隔をおいて取着された複数の支持部材26とを含んで構成される。温度検知部18は、空気入りタイヤの外周部の内周面の温度を検知する。送信部20は、環状部材16に設けられ温度検知部18で検知された温度を示す検知信号を送信する。
【選択図】図2

Description

本発明はタイヤ故障検知具およびタイヤ故障検知装置に関する。
車両走行中において発生する空気入りタイヤの故障としてバーストやセパレーションがある。バーストは、ゴムやカーカスが破壊する故障であり、セパレーションは、ゴムとゴムとが剥離し、あるいはゴムとベルト層とが剥離する故障である。
これらバーストやセパレーションといった故障の原因の一つとして、タイヤの外周部であるクラウン部やショルダー部の温度が急激に上昇することによってタイヤを構成する部材の強度が低下することが挙げられる。
そこで、空気入りタイヤの温度変化に基づいて空気入りタイヤの故障やその予兆を検知して運転者に報知するタイヤ故障検知装置が提案されている。
この場合、空気入りタイヤの故障やその予兆をより的確に検知する上で、タイヤの外周部の温度を如何にして早期にかつ正確に検知するかが重要となる。
一方、空気入りタイヤの温度を検知する装置として、次のようなものが提案されている。
ランフラットタイヤのリムに装着される中子またはビード部ストッパに温度センサを設けるもの(特許文献1参照)。
リムベースの周面あるいはタイヤクラウン部内周面に沿って配置された中空可撓管からなるリング状弾性体に温度センサを設けるもの(特許文献2参照)。
タイヤ空洞部においてタイヤ内周面およびリムの双方から離れた箇所に支持部材を介して温度センサを配置するもの(特許文献3参照)。
特開2005−35394号公報 特開2004−3214924号公報 特開2005−43096号公報
しかしながら上記従来技術は、何れもタイヤ気室内の温度を検知することに留まるものであるため、タイヤの外周部の温度を早期かつ正確に検知する上で不利があり、何らかの改善が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気入りタイヤの外周部の内周面の温度変化を早期にかつ正確に検知することができ、空気入りタイヤの故障やその予兆を的確に検知する上で有利なタイヤ故障検知具およびタイヤ故障検知装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のタイヤ故障検知具は、空気入りタイヤの空洞部内に配置され、前記空気入りタイヤの外周部の内周面に沿って延在し、かつ、前記内周面に接触しつつ前記内周面に対して相対的に回転可能に設けられた環状部材と、前記環状部材に設けられ前記環状部材が相対的に回転することで前記内周面の全長にわたって前記内周面の温度を検知する温度検知部と、前記環状部材に設けられ前記温度検知部で検知された温度を示す検知信号を送信する送信部とを含むことを特徴とする。
また本発明のタイヤ故障検知装置は、空気入りタイヤの空洞部内に配置されるタイヤ故障検知具と、車両に設けられる車両側ユニットとを備えるものであって、前記タイヤ故障検知具は、前記空気入りタイヤの空洞部内に配置され、前記空気入りタイヤの外周部の内周面に沿って延在し、かつ、前記内周面に接触しつつ前記内周面に対して相対的に回転可能に設けられた環状部材と、前記環状部材に設けられ前記環状部材が相対的に回転することで前記内周面の全長にわたって前記内周面の温度を検知する温度検知部と、前記環状部材に設けられ前記温度検知部で検知された温度を示す検知信号を送信する送信部とを含み、前記車両側ユニットは、前記検知信号を受信する受信部と、前記受信された検知信号に基づいて前記空気入りタイヤの状態を判定する状態判定部と、前記判定結果を報知する報知部とを含むことを特徴とする。
本発明のタイヤ故障検知具によれば、タイヤの内周面の温度を内周面の全周にわたって満遍なく検知し、その検知結果を送信することができるので、タイヤの内周面の温度変化を早期にかつ正確に検知する上で有利となる。
また、本発明のタイヤ故障検知装置によれば、そのようなタイヤ故障検知具によって検知されたタイヤの内周面の温度変化に基づいて空気入りタイヤの故障やその予兆を早期にかつ的確に検知することができる。
第1の実施の形態に係るタイヤ故障検知装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係るタイヤ故障検知具の構成を示す斜視図である。 状態判定部30の判定動作を説明する図である。 第2の実施の形態に係るタイヤ故障検知具の構成を示す斜視図である。 第3の実施の形態に係るタイヤ故障検知具の構成を示す斜視図である。 温度検知部18の第1変形例を示す斜視図である。 温度検知部18の第2変形例を示す斜視図である。 温度検知部18の第3変形例を示す斜視図である。 送信部20の第1変形例を示す斜視図である。 送信部20の第2変形例を示す斜視図である。 送信部20の第3変形例を示す斜視図である。 本発明に係るタイヤ故障検知装置10を用いて行った空気入りタイヤの温度測定の実験結果を示す図である。
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は第1の実施の形態に係るタイヤ故障検知装置10の構成を示すブロック図、図2は第1の実施の形態に係るタイヤ故障検知具の構成を示す斜視図である。
図1、図2に示すように、タイヤ故障検知装置10は、タイヤ故障検知具12と車両側ユニット14とを備える。
タイヤ故障検知具12は、図2に示すように、環状部材16と温度検知部18と送信部20とを含んで構成されている。
環状部材16は、空気入りタイヤの空洞部内に配置され、空気入りタイヤの外周部の内周面に沿って延在し、かつ、内周面に接触しつつ内周面に対して相対的に回転可能に設けられている。
なお、本発明において空気入りタイヤの外周部とは、クラウン部であり、あるいは、クラウン部とショルダー部である。
環状部材16は、帯状部材22の両端が接合されて環状に形成された環体24と、環体24の外周面に該環体24の延在方向に間隔をおいて取着された複数の支持部材26とを含んで構成されている。
帯状部材22は、弾性復元力を有する熱可塑性樹脂からなり断面が厚さよりも幅が大きい扁平な矩形状を呈している。
このような熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート(PC),ポリスチレン(PS)、ポリビニルアルコール(PVA),エチレン−酢酸ビニル強重合樹脂(EVA)などの従来公知のさまざまな熱可塑性樹脂が使用可能であるが、ヒンジ特性に優れていることからポリプロピレン(PP)が好ましい。
帯状部材22の両端の接合は、両端を溶融して溶着してもよく、あるいは、接着剤を用いて接着してもよく、帯状部材22の両端の接合は、従来公知のさまざまな接合方法が使用可能である。
支持部材26は、空気入りタイヤの外周部の内周面に対して安定して接触できるように、タイヤ空洞部内で傾きにくいように(倒れにくいように)クラウン部の内周面に対応した幅で形成されている。
なお、支持部材26の幅とは、環状部材16をタイヤに装着した時におけるタイヤ回転軸方向の長さである。
本実施の形態では、支持部材26は、矩形状の板の四隅を面取りした八角形の板状を呈している。
支持部材26は連続気泡を有する多孔質材料で形成することが好ましい。
支持部材26を連続気泡を有する多孔質材料で形成すると、タイヤの内周面に接触している支持部材26の箇所からタイヤ気室内への熱伝導性が良好となり、タイヤの内周面における熱のこもりを抑制することができる。そのため、空気入りタイヤの温度が上昇する場合に及ぼす影響を低減する上で有利となる。
また、支持部材26を連続気泡を有する多孔質材料で形成すると、支持部材26が吸音性を発揮して騒音低減材として機能しタイヤ転動時の空洞共鳴音を抑制する上でも好ましい。言い換えると、環体24と複数の支持部材26からなる環状部材16は空気入りタイヤ用静音具を構成している。
このような多孔質材料としては、発泡ウレタン、吸音フェルト、発泡アルミニウムなど従来公知のさまざまな材料が使用可能であるが、欠け・裂け等の破損や圧縮(へたり)等の変形を有効に抑制する上で、軟質ポリウレタンフォームが好ましい。
また、複数の支持部材26の外周面を通る想像線の全長は、すなわち、環状部材16の外周面の全長は、クラウン部の内周面の全長よりも僅かに小さい寸法で形成されている。これにより、環状部材16の内周面に対する相対的な回転は、環状部材16の外周面の全周がタイヤの内周面の全周に接触した状態で行われる。
温度検知部18は、空気入りタイヤの外周部の内周面の温度を検知するものである。
温度検知部18としては、接触式の温度センサあるいは非接触式の温度センサが使用可能である。
接触式の温度センサとしては、熱電対あるいはサーミスタなどの従来公知のさまざまな温度センサが採用可能である。
また、接触式の温度センサとしては、温度センサの測定面がタイヤの内周面に面接触するものが好ましい。これは、点接触する温度センサを用いた場合に比較して、タイヤの内周面に対する単位面積当たりの接触圧を低減することができ、したがって、温度センサとタイヤの内周面とが摩擦することによって生じる摩擦熱を抑制する上で有利となるからである。
また、接触式の温度センサの場合、温度センサの測定面を自己潤滑作用のある合成樹脂でコーティングしておくと、温度センサとタイヤの内周面とが摩擦することによって生じる摩擦熱を抑制する上で好ましい。このような合成樹脂としてポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など従来公知のさまざまな合成樹脂が採用可能である。
上述した摩擦熱の抑制を図る点で、また、温度検知部18の環状部材16(環体24または支持部材26)に対する取り付けが簡単かつ確実に行える点で、また、省電力化を図る点で、接触式の温度センサとしては柔軟性を有する薄膜型の熱電対が好ましい。
また、非接触式の温度センサとしては、赤外放射温度計(サーモパイル)などの従来公知のさまざまな温度センサが採用可能である。
温度検知部18が接触式である場合には、図2に示すように、温度検知部18は、支持部材26の外周面に露出するように支持部材26に取着されている。そして、環状部材16が相対的に回転することで、温度検知部18は、タイヤの内周面の全長にわたって内周面に接触しつつ移動する。
温度検知部18が非接触式である場合には、温度検知部18は、支持部材26の内部に埋め込まれて配設され、あるいは、タイヤの内周面に接触しないように環体24に配設される。そして、環状部材16が相対的に回転することで、温度検知部18は、内周面の全長にわたって内周面に沿って移動する。
温度検知部18により検知される内周面の温度は、空気入りタイヤのクラウン部の内周面の温度である。
本実施の形態では、図2に示すように、支持部材26の長さ方向の中間部で幅方向の両側寄りの箇所にそれぞれ温度検知部18が配置されている。
なお、温度検知部18は1つでもよく、あるいは、複数の温度検知部18を、環状部材16の周方向に間隔をおいた複数箇所に配設してもよい。
温度検知部18を複数配設した場合には、タイヤの内周面の周方向に間隔をおいた複数箇所の温度を同時に検知でき、温度検知の精度の向上を図る上で有利となる。
また、温度検知部18の環状部材16への取り付けは、接着あるいは熱溶着など従来公知のさまざまな手段によって行うことができる。
送信部20は、環状部材16に設けられ温度検知部18で検知された温度を示す検知信号をアンテナ20Aを介して無線通信によって予め定められた時間間隔(例えば、1分間隔)で送信するものである。
本実施の形態では、送信部20は、内蔵された電池から供給される電力によって動作する。
なお、送信部20が電池を内蔵せず、後述する車両側ユニット14に設けた信号源から高周波信号を定期的に送信し、この高周波信号をタイヤ故障検知部12に設けた電力変換部によって電力に変えて送信部20に供給することで送信部20を作動させ、送信部20から受信部28に検出信号を送信する構成にしてもよい。
また、送信部20が電池を内蔵せず、車両側ユニット14の受信部28から送信される質問信号を送信部20が受信して質問信号のエネルギーを電力として用い、送信部20が質問信号に応答して温度を示す検知信号を送信する構成にしてもよい。
送信部20は、タイヤの内周面に接触しないように、環体24や支持部材26に設けられる。
言い換えると、送信部20はタイヤの内周面に接触しない環状部材16の箇所に設けられている。
本実施の形態では、送信部20は、支持部材26の内周面に露出して設けられ、あるいは、支持部材26に埋め込まれて設けられている。
このようにすることで、送信部20が受けるタイヤ転動に伴って生じる衝撃および応力の影響を抑制でき、送信部20の耐久性の向上を図る上で有利となる。
タイヤ故障検知具12は、環状部材16が弾性を有するため、外力によって変形されながらタイヤ内に挿入されても、外力が除かれると、環状部材16はタイヤの内周面の周方向に連続的に延在するように復元する。
その結果、タイヤ故障検知具12はクラウン部の内周面に装着される。
また、タイヤ故障検知具12は空気入りタイヤに対して着脱自在であり、その着脱作業は簡便である。また、タイヤ故障検知具12の空気入りタイヤへの装着に際して、空気入りタイヤおよびホイールに何ら特別な加工を行う必要がないため、作業性の向上を図る上で有利となり、また、タイヤをリムに組み付ける際にタイヤ故障検知具12が邪魔になることがなく、リム組み性を良好なものとする上で有利となる。
なお、環状部材16が弾性を有していない場合であっても、後述するように車両の走行時、タイヤの回転により環状部材16が回転されるため、環状部材16はその遠心力によりクラウン部の内周面に装着可能である。
ここで、タイヤ故障検知具12を乗用車用の空気入りタイヤの空洞部に装着した場合におけるタイヤ故障検知具12の回転について具体的に説明する。
乗用車用の空気入りタイヤでタイヤの外周長が2m、車両速度が時速40kmであった場合、空気入りタイヤは1秒間で5、6回転することになる。
ここで、タイヤ故障検知具12が空気入りタイヤ1回転につき環状部材16の外周長の2%分相対的に回転すると仮定すると、約10秒間でタイヤ故障検知具12が1回転し、したがって、1分間でタイヤ故障検知具12が5、6回転することになり、温度検知部18によってタイヤの内周面の温度を内周面の全周にわたって満遍なく検知することができる。
図1に示すように、車両側ユニット14は、車両に設けられ、受信部28と状態判定部30と報知部32とを含んでいる。
受信部28は、アンテナ28Aを介して送信部20から送信された前記の検知信号を受信するものである。
状態判定部30は、受信された検知信号に基づいて空気入りタイヤの状態を判定するものである。
報知部32は、判定結果を運転者(ユーザ)に視覚的にあるいは音声により報知するものである。
本実施の形態では、報知部32は、車室のインストルメントパネルに設けられた赤色光で発光する赤色ランプと、黄色光で発光する黄色ランプと、車室内に設けられたブザーによって構成されている。
なお、報知部32は、判定結果を視覚的にあるいは音声により報知できればよく、例えば、報知部32としてインストルメントパネルに設けられたディスプレイを用い、ディスプレイに判定結果を示す文字、アイコン、インジケータを表示させるようにしてもよい。
車両側ユニット14の動作について具体的に説明する。
図3は状態判定部30の判定動作を説明する図であり、横軸は温度検知部18で検知されたタイヤの内周面の温度(℃)を示し、縦軸は単位時間当たり(例えば、1分当たり)の温度上昇率(℃/分)を示す。
また、図3において、符号Z1は故障領域を示し、符号Z2は故障警戒領域を示し、符号Z3は正常領域を示す。
図3に示す温度、温度上昇率、各領域Z1,Z2,Z3の関係を示すデータがマップとしてメモリに格納されており、状態判定部30はこのマップに基づいて判定動作を行う。
すなわち、状態判定部30は、温度検知部18で検知されたタイヤの内周面の温度とその温度上昇率とが図3のどの領域に該当するかを判定し、該当する領域に対応する報知動作を報知部32に実行させる。
すなわち、状態判定部30は、温度と温度上昇率とが故障領域Z1に該当すると、タイヤに故障が発生したと判定し、報知部32によって赤色ランプを発光させ運転者に停車を促す故障警報を行う。
また、状態判定部30は、温度と温度上昇率とが故障警戒領域Z2に該当すると、タイヤ故障が発生する危険がある過負荷の状態にあると判定し、報知部32によって黄色ランプを発光させ運転者に注意を促す過負荷警告を行う。
また、状態判定部30は、温度と温度上昇率とが正常領域Z3に該当すると、タイヤ故障が発生する危険がないと判定し、報知部32の赤色ランプ、黄色ランプを滅灯させる。
温度および温度上昇率と、警告内容とを例示すると以下のとおりである。
温度50℃以上かつ温度上昇率6℃/分以上では過負荷警告を行う。
温度50℃以上かつ温度上昇率12℃/分以上では故障警報を行う。
温度100℃以上かつ温度上昇率4℃/分以上では過負荷警告を行う。
温度100℃以上かつ温度上昇率8℃/分以上では故障警報を行う。
温度110℃以上では温度上昇率に拘わらず過負荷警告を行う。
温度120℃以上では温度上昇率に拘わらず故障警報を行う。
温度−30℃以下では温度上昇率に拘わらず低温警報を行う。
なお、上記の数値は、空気入りタイヤとして、タイヤサイズ11R22.5のチューブレスラジアルタイヤを用いた場合の一例である。
以上説明したように、本実施の形態のタイヤ故障検知具12によれば、タイヤ故障検知具12が空気入りタイヤの空洞部内に配置された状態で空気入りタイヤが転動することにより、環状部材16が空気入りタイヤの外周部の内周面に接触しつつ内周面に対して相対的に回転する。
そのため、環状部材16に設けられた温度検知部18によってタイヤの内周面の温度をタイヤの内周面の全周にわたって満遍なく検知し、その検知結果を送信することができる。
したがって、空気入りタイヤのクラウン部やショルダー部の温度変化を早期にかつ正確に検知することができる。
特にタイヤのクラウン部の内周面は、タイヤのクラウン部の外周面(トレッド面)に比較して外部の温度の影響を受けないため、タイヤの温度を正確に検知する上で有利である。
また、本実施の形態のタイヤ故障検知装置10によれば、そのようなタイヤ故障検知具12によって検知された空気入りタイヤのクラウン部やショルダー部の温度変化に基づいて空気入りタイヤの故障やその予兆を早期にかつ的確に検知することができる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
図4は第2の実施の形態に係るタイヤ故障検知具12の構成を示す斜視図である。なお、以下の実施の形態において第1の実施の形態と同様の部分、部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、第2の実施の形態は、複数の支持部材26が環体24の内周面に該環体24の延在方向に間隔をおいて取着されている点のみが第1の実施の形態と異なっている。
この場合、タイヤ故障検知具12の回転時における遠心力によって支持部材26の外周面がタイヤの内周面に押し付けられるので、支持部材26(環状部材16)の外周面のタイヤ内周面への接触が確実になされる。
このような第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
また、第1の実施の形態と同様に、支持部材26を連続気泡を有する多孔質材料で形成すると、支持部材26が吸音性を発揮して騒音低減材として機能しタイヤ転動時の空洞共鳴音を抑制する上でも好ましい。言い換えると、環体24と複数の支持部材26からなる環状部材16は空気入りタイヤ用静音具を構成している。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
図5は第3の実施の形態に係るタイヤ故障検知具12の構成を示す斜視図である。
環状部材16は、空気入りタイヤの空洞部内に配置され、空気入りタイヤのクラウン部の内周面に沿って延在し、かつ、内周面に接触しつつ内周面に対して相対的に回転可能に設けられている。
環状部材16は、環状に延在する単一の支持部材34で構成されている。
支持部材34を構成する材料は、第1、第2の実施の形態の支持部材26と同様であり、したがって、環状部材16は、連続気泡を有する多孔質材料で形成されている。
温度検知部18および送信部20は、支持部材34の周方向に間隔をおいた複数箇所に設けられている。これにより、タイヤの内周面の周方向に間隔をおいた複数箇所の温度を同時に検知し、温度検知の精度の向上を図る上で有利となる。
このような第3の実施の形態においても第1、第2の実施の形態と同様な効果が奏される。
また、第1、第2の実施の形態と同様に、支持部材34が連続気泡を有する多孔質材料で形成されているので、支持部材34が吸音性を発揮して騒音低減材として機能しタイヤ転動時の空洞共鳴音を抑制する上でも好ましい。言い換えると、支持部材34からなる環状部材16は空気入りタイヤ用静音具を構成している。
次に、温度検知部18の配置の変形例について説明する。
図6は温度検知部18の第1変形例を示すもので、支持部材26の互いに対向する一対の隅部の寄りの箇所にそれぞれ温度検知部18が配置されている。したがって、タイヤの内周面の周方向に間隔をおいた複数箇所の温度を同時に検知し、温度検知の精度の向上を図る上で有利となる。
図7は温度検知部18の第2変形例を示すものである。
支持部材26(環状部材16)は、クラウン部の内周面の両側のショルダー部の内周面に接触する幅で形成され、温度検知部18は支持部材26(環状部材16)の幅方向の両側に設けられている。
温度検知部18により検知される内周面の温度は、空気入りタイヤのショルダー部の内周面の温度であり、温度検知部18によってショルダー部の内周面の温度を的確に検知する上で有利となる。
図8は温度検知部18の第3変形例を示すものである。
支持部材26(環状部材16)は、クラウン部の内周面の両側のショルダー部の内周面に接触する幅で形成され、複数の温度検知部18が、支持部材26の幅方向に間隔をおいて直線状に並べられて配置されている。言い換えると、環状部材16は、クラウン部の内周面に対応した幅で形成され、温度検知部18は、環状部材16の幅方向に間隔をおいて複数設けられている。
したがって、支持部材26の幅方向の両端に位置する温度検知部18はショルダー部の内周面の温度を検知し、その他の温度検知部18はクラウン部の内周面の温度を検知する。
このようにすると、クラウン部およびショルダー部にわたって満遍なく内周面の温度を的確に検知する上で有利となる。
次に、送信部20の配置の変形例について説明する。
図9は送信部20の第1変形例を示すもので、支持部材26の中央に送信部20が埋め込まれ、タイヤの外周部の内周面に接触しないように配置されている。
図10は送信部20の第2変形例を示すもので、支持部材26の内周面の中央に送信部20が露出して配置されている。この場合には、環体24がタイヤの外周部の内周面に接触するように配置され、送信部20はタイヤの外周部の内周面に接触しないように配置される。
図11は送信部20の送信部20の第3変形例を示すもので、環体24の内周面に送信部20が配置されている。この場合には、支持部材26がタイヤの外周部の内周面に接触するように配置され、送信部20はタイヤの外周部の内周面に接触しないように配置される。
図9、図10、図11の何れの場合も、送信部20は、タイヤの内周面に接触しないので、送信部20が受けるタイヤ転動に伴って生じる衝撃および応力の影響を抑制でき、送信部20の耐久性の向上を図る上で有利となる。
以下、本発明の実験結果について説明する。
図12は本発明に係るタイヤ故障検知装置10を用いて行った空気入りタイヤの温度測定の実験結果を示す図である。横軸は経過時間(分)、縦軸はタイヤの内周面および気室内の温度(℃)を示す。
試料となる空気入りタイヤの空洞部に本発明に係るタイヤ故障検知具12を装着すると共に、タイヤ気室内の温度を検知する従来装置をタイヤの空洞部に配置して室内ドラム耐久試験を行い、タイヤ変形を感知する故障検知器で故障の有無を判定した。
空気入りタイヤの仕様は、タイヤサイズ225/45R17であり、ロードインデックスは91Vである。
まず、実験開始後、ロードインデックス65%の軽い荷重で10分間の予備走行を行ったのち、ロードインデックス100%の荷重で時間経過と共に速度を上昇させ高速走行を行った。
図12から明らかなように、気室内温度は内周面の温度に遅れて上昇していることがわかる。
そして、内周面の温度は、空気入りタイヤが故障(バースト、あるいは、セパレーション)を生じる直前で急激に上昇しているのに対して、気室内温度ではそのような急激な温度変化が現れていない。
これらのことから、本発明に係るタイヤ故障検知具12およびタイヤ故障検知装置10を用いることにより、空気入りタイヤのクラウン部やショルダー部の温度変化を早期にかつ正確に検知することができ、空気入りタイヤの故障やその予兆を的確に検知する上で有利であることが明らかとなった。
10……タイヤ故障警報装置、12……タイヤ故障検知具、14……車両側ユニット、16……環状部材、18……温度検知部、20……送信部、22……帯状部材、24……環体、26、34……支持部材、28……受信部、30……状態判定部、32……報知部。

Claims (15)

  1. 空気入りタイヤの空洞部内に配置され、前記空気入りタイヤの外周部の内周面に沿って延在し、かつ、前記内周面に接触しつつ前記内周面に対して相対的に回転可能に設けられた環状部材と、
    前記環状部材に設けられ前記環状部材が相対的に回転することで前記内周面の全長にわたって前記内周面の温度を検知する温度検知部と、
    前記環状部材に設けられ前記温度検知部で検知された温度を示す検知信号を送信する送信部とを含む、
    ことを特徴とするタイヤ故障検知具。
  2. 前記温度検知部は、接触式であり、
    前記温度検知部は、前記環状部材が相対的に回転することで前記内周面の全長にわたって接触する、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  3. 前記温度検知部は、非接触式であり、
    前記温度検知部は、前記環状部材が相対的に回転することで前記内周面の全長にわたって前記内周面に沿って移動する、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  4. 前記環状部材の前記内周面に対する相対的な回転は、前記環状部材の外周面の全周が前記空気入りタイヤの内周面の全周に接触した状態で行われる、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  5. 前記環状部材の外周面の全長は、前記空気入りタイヤの内周面の全長よりも小さい寸法で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  6. 前記温度検知部は、前記環状部材の延在方向に間隔をおいて複数設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  7. 前記環状部材は、前記外周部であるクラウン部の内周面に対応した幅で形成され、
    前記温度検知部は、前記環状部材の幅方向に間隔をおいて複数設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  8. 前記環状部材は、前記外周部であるクラウン部の内周面に対応した幅で形成され、
    前記温度検知部は前記環状部材の幅方向の両側に設けられ、
    前記温度検知部により検知される前記内周面の温度は、前記空気入りタイヤのクラウン部の内周面の幅方向の両側の温度である、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  9. 前記環状部材は、前記外周部であるクラウン部の内周面の両側のショルダー部の内周面に接触する幅で形成され、
    前記温度検知部は前記環状部材の幅方向の両側に設けられ、
    前記温度検知部により検知される前記内周面の温度は、前記ショルダー部の内周面の温度である、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  10. 前記環状部材は、帯状部材の両端が接合されて環状に形成された環体と、前記環体に該環体の延在方向に間隔をおいて取着された複数の支持部材とを含んで構成され、
    前記温度検知部および前記送信部は、前記環体または前記支持部材に取着されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  11. 前記支持部材は、連続気泡を有する多孔質材料で形成されている、
    ことを特徴とする請求項10記載のタイヤ故障検知具。
  12. 前記環状部材は、帯状部材の両端が接合されて環状に形成された環体で構成され、
    前記温度検知部および前記送信部は、前記環体に取着されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  13. 前記環状部材は、連続気泡を有する多孔質材料で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  14. 前記送信部は前記内周面に接触しない前記環状部材の箇所に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ故障検知具。
  15. 空気入りタイヤの空洞部内に配置されるタイヤ故障検知具と、車両に設けられる車両側ユニットとを備えるタイヤ故障検知装置であって、
    前記タイヤ故障検知具は、
    前記空気入りタイヤの空洞部内に配置され、前記空気入りタイヤの外周部の内周面に沿って延在し、かつ、前記内周面に接触しつつ前記内周面に対して相対的に回転可能に設けられた環状部材と、
    前記環状部材に設けられ前記環状部材が相対的に回転することで前記内周面の全長にわたって前記内周面の温度を検知する温度検知部と、
    前記環状部材に設けられ前記温度検知部で検知された温度を示す検知信号を送信する送信部とを含み、
    前記車両側ユニットは、
    前記検知信号を受信する受信部と、
    前記受信された検知信号に基づいて前記空気入りタイヤの状態を判定する状態判定部と、
    前記判定結果を報知する報知部とを含む、
    ことを特徴とするタイヤ故障警報装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012020615A (ja) * 2010-07-13 2012-02-02 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ損傷検知具およびタイヤ損傷検知装置
US9555675B2 (en) 2012-11-19 2017-01-31 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Flexible sensor support for tire inspection

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