JP2011177714A - 鍛造用金型 - Google Patents

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    • F16C3/04Crankshafts, eccentric-shafts; Cranks, eccentrics
    • F16C3/06Crankshafts
    • F16C3/08Crankshafts made in one piece

Abstract

【課題】欠肉の発生を確実に防止しつつ、金属材料の歩留まりを改善するために、塑性流動する金属材料に対して必要十分なブレーキ力を付与することができる鍛造用金型を提供する。
【解決手段】フラッシュランド6よりも外側において、下型2から上型3に向けて隆起する第一隆起部たる下側隆起部11と、ガッター8よりも内側で、かつ、下側隆起部11のさらに外側において、上型3から下型2に向けて隆起する第二隆起部たる上側隆起部12と、からなる屈曲部7が形成される鍛造用金型1とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、型鍛造に使用する鍛造用金型の技術に関し、より詳しくは、バリの生成を抑制することができる鍛造用金型の構造に関する。
従来、例えば自動車のエンジン部品であるクランクシャフトやコネクティングロッド等の異形部品(複雑な形状の部品)の製造に際し、金型等を用いて金属材料に外力を加えることで、金属材料を所定形状に成形する型鍛造による加工が広く採用されている。
型鍛造による加工では、金型の内面に製品インプレッション(製品形状の彫り込み部)が形成された鍛造用金型を用いて、鍛造用金型によって金属材料を挟圧することにより、製品インプレッションの形状に沿わせて金属材料を成形加工することにより、鍛造部品を得るものである。
ここで、従来の鍛造用金型による鍛造工程の一例について、図4および図5を用いて、自動車のエンジン部品であるクランクシャフトの製造を例に説明する。図4は鍛造工程の流れを示すフロー図、図5は鍛造工程の各工程における金属材料の加工状況を示す模式図である。
図4および図5に示す如く、まず、最終成形品であるクランクシャフト105(図5(f)参照)の形状・寸法等に基づく直径を有する円柱状の材料であるビレットが、同じくクランクシャフト105の寸法等に基づく所定の長さに切断され(ステップ(以下「S」と略す)10)鍛造加工に使用する素材が準備される。ここでは、図5(a)に示すように、例えば、直径80mm程度のビレットが長さ400mm程度の棒状に切断された棒状材料101が準備される。次に、棒状材料101が所定の温度(例えば、約1230℃)となるように加熱される(S11)。加熱された棒状材料101は、図5(b)に示すように、クランクシャフト105の形状に基づいて曲げ加工等が施されることにより予備成形され、予備成形品102となる(S12)。
そして、予備成形品102は、最終成形品に対して角部等が単純化された荒地形状(図5(c)参照)の荒地成型品103に成形される荒地工程(S13)と、荒地成型品103が仕上げ形状に成形される仕上げ工程(S14)の両工程においてそれぞれ型鍛造され、仕上げ成形品104となる(図5(d)参照)。これら荒地工程及び仕上げ工程における成形荷重(鍛造荷重)は、例えば約4000tとなる。
仕上げ成形品104は、最終成形品の周囲にバリ104a(図5(e)参照)が形成された形状であり、このバリ104aがトリミングにより切断されて除去される(S15)。バリ104aが除去された仕上げ成形品104は、図5(f)に示すように、最終成形品であるクランクシャフト105となる。その後、冷却が行われ、クランクシャフト105に対し、欠肉やクラック等の鍛造欠陥についての検査が行われる(S16)。
以上の工程を経て製造されるクランクシャフトについては、従来その歩留りは約75%程度となる。
こうした鍛造部品の製造方法においては、予備成形における曲げ加工等や、荒地・仕上げ成形における複数回の鍛造を経るものの、鍛造しようとする部品の形状が複雑であるため、鍛造部品の外周に形成される余剰の材料であるバリが多くなり歩留りが良くないという問題がある。このため、異形部品の鍛造においては如何にして歩留りを向上させるかということが重要な課題となっている。
次に、従来の鍛造用金型について、図6および図7を用いて説明をする。図6は従来の鍛造用金型の全体構成を示す断面模式図、図7は従来の鍛造用金型のフラッシュランド周辺部の構成を示す拡大模式図である。
図6に示す如く、前述した従来の鍛造工程に用いられている鍛造用金型51は下型52と上型53からなる構成としている。下型52の内面には、下側インプレッション52a、下側余肉部52b等を形成し、上型53の内面には、上側インプレッション53a、上側余肉部53b等を形成している。
そして、下型52および上型53が型閉め状態となるときに、下側インプレッション52aと上側インプレッション53aにより、製品形状となる製品インプレッション54を形成するようにしている。また、下型52および上型53が型閉め状態となるときには、下側余肉部52bと上側余肉部53bにより、金属材料が塑性流動する空間となるフラッシュランド56、ガッター58等も形成している。
尚、本実施例に示す従来の鍛造用金型51は、一対の下型52および上型53を上下に重ね合わせる配置としており、また、下型52がベース59に固定され、上型53が図示しない変位機構に固設され上下方向に可動する構成とすることにより、鍛造用金型51が上下方向に開閉可能な構成としている。
フラッシュランド56は、バリ道とも称される部位であって、製品インプレッション54からはみ出した金属材料が流動する空間であり、フラッシュランド56を設けることによって、製品インプレッション54からはみ出した金属材料に対して、該金属材料がフラッシュランド56を流動する際にブレーキ力を付与し、金属材料の流動を規制するとともに、製品インプレッション54における金属材料の充満性を確保するようにしている。
尚、フラッシュランド56によって付与するブレーキ力は、フラッシュランド56の形状(即ち、金属材料が流動する空間の厚みや長さ等)等に応じて異なってくるが、従来の鍛造用金型51においては、フラッシュランド56によって付与するブレーキ力だけでは、金属材料を製品インプレッション54に押し留めておくことができなかった。
ガッター58は、バリ溜りとも称される部位であり、フラッシュランド56を通過してさらに流動する金属材料が滞留し、バリが形成される空間である。ガッター58は、フラッシュランド56の外側で断面視において緩やかに蛇行する空間を形成し、その後さらにその外側で断面視において直線状となる空間を形成している。
フラッシュランド56周辺部の構成について、図7を用いてさらに詳述する。
図7に示す如く、従来の鍛造用金型51に形成されるフラッシュランド56の外側において、ガッター58は断面視において鈍角で緩やかに蛇行している。このような構成では、フラッシュランド56からはみ出した金属材料は緩やかに蛇行しながら、比較的スムーズに塑性流動してガッター58に滞留することになる。
つまり、従来の鍛造用金型51は、フラッシュランド56およびガッター58によって、製品インプレッション54からはみ出した金属材料が塑性流動することを積極的に規制する構造となっていないため、金属材料をフラッシュランド56周辺部に押し留めておくのに必要十分なブレーキ力を付与することができなかった。
次に、欠肉の発生状況について、図8を用いて説明をする。図8は欠肉の発生状況を示す模式図である。
図8に示す如く、従来鍛造加工では、鍛造用金型51を形成する下型52および上型53によって、製品インプレッション54の内容積に見合ったボリュームの金属材料60を挟圧することにより、製品インプレッション54の形状に沿わせて金属材料を成形加工して、鍛造部品を得るようにしている。このとき、製品インプレッション54からはみ出した金属材料60に対して必要十分なブレーキ力が付与される場合、製品インプレッション54の内容積に見合ったボリュームの金属材料60が製品インプレッション54内に押し留められて金属材料の充満性を確保することができ、欠肉は発生しない。
一方、製品インプレッション54からはみ出した金属材料60に対して必要十分なブレーキ力が付与されない場合、ガッター58まで流出してしまう金属材料60が多くなり、製品インプレッション54の内容積に見合ったボリュームの金属材料60が製品インプレッション54内に残留できずに、製品インプレッション54内の金属材料の充満性が悪化し、欠肉が発生する可能性が増大する。
また、バリの量を低減するための方策として、素材として用いる金属材料のボリュームを小さくすることが考えられるが、金属材料に必要十分なブレーキ力を付与することができない従来の鍛造用金型51では、金属材料のボリュームをむやみに少なくすると、欠肉が発生する可能性がさらに増大してしまうことになり、結局バリの量を低減するための有効な方策とはなり得ていなかった。
このように、従来の鍛造用金型51では、金属材料に必要十分なブレーキ力を付与することができないために、バリの量を低減することができないという問題点と、欠肉が発生しやすいという問題点を抱えていた。
つまり、バリの発生を抑制するためには、製品インプレッションからはみ出して塑性流動する金属材料を必要十分なブレーキ力で規制することが有効であると考えられる。
例えば、金属材料の塑性流動を規制するための技術としては、以下の特許文献1に示す技術が知られており、公知となっている。
係る従来技術では、フラッシュランド(バリ道)を塑性流動する金属素材を、鍛造型外周部に形成する立ち上がり(段差部)で規制し、製品インプレッションからはみ出して鍛造用金型の外側へ塑性流動する金属材料の流動速度を抑制する構成としている。また、金属材料の流動速度を抑制することにより、製品インプレッション内に金属材料を確実に充満させるようにして、金属材料のボリュームが少ない場合であっても、欠肉が生じにくい構成としている。
しかしながら係る従来技術のように、鍛造型外周部に設けた立ち上がり(段差部)で金属材料の塑性流動を規制するだけでは必要十分なブレーキ力を得ることができず、金属材料が段差部の先まで塑性流動し、相当量のバリが発生することは避けられず、結局金属材料の歩留まりを思うように改善することができないという状況であった。
実開平5−88739号公報
本発明は、係る現状を鑑みて成されたものであり、欠肉の発生を確実に防止しつつ、金属材料の歩留まりを改善するために、塑性流動する金属材料に対して必要十分なブレーキ力を付与することができる鍛造用金型を提供することを課題としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、一対の第一金型および第二金型からなり、前記第一金型および前記第二金型を型閉めした状態で、前記第一金型に形成される第一成形面と前記第二金型に形成される第二成形面によってインプレッションを形成し、かつ、前記第一成形面の外周側に位置する前記第一金型の内面に形成される第一余肉部と前記第二成形面の外周側に位置する前記第二金型の内面に形成される第二余肉部によって、前記インプレッションの外周側にフラッシュランドを形成し、さらに前記フラッシュランドよりも外周側に位置する前記第一余肉部および前記第二余肉部によってガッターを形成し、前記第一金型および前記第二金型によって金属材料を挟圧し、該金属材料を前記インプレッションに充満させるとともに、前記インプレッションから溢れ出た前記金属材料を前記フラッシュランドから流出させて前記ガッターまで塑性流動させて、前記金属材料を前記インプレッションに沿わせて成形する鍛造用金型であって、前記フラッシュランドとガッターとの間に屈曲部が形成され、前記屈曲部は、前記第一金型から前記第二金型に向けて隆起する第一隆起部と、前記第一隆起部の外周側に配置され、前記第二金型から前記第一金型に向けて隆起する第二隆起部と、を備えるものである。
請求項2においては、前記屈曲部は、前記第一隆起部の前記インプレッション側の傾斜面に沿う前記金属材料の流出方向と、前記第二隆起部の前記インプレッション側の傾斜面に沿う前記金属材料の流出方向と、が成す角度を、前記第一金型側の内角で鋭角となるように前記第一隆起部および前記第二隆起部を形成し、前記金属材料の流動方向を、前記屈曲部において鋭角に屈曲させるものである。
請求項3においては、前記第二金型は、前記第二隆起部よりも前記インプレッション側の前記第一隆起部の形成部位に対応する部位に凹部が形成されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、屈曲部により、ガッターに流出しようとする金属材料の塑性流動を規制することができるため、バリの量を低減することができる。また、各金型に形成する各隆起部の段差を従来の金型に比して低く押さえることができるため、従来の鍛造用金型に比して、金型を製作する際の加工量を低減させることができる。
請求項2においては、金属材料は、鋭角に屈曲する空間を通過しなければガッターまで流出できないため、金属材料の塑性流動を確実に規制することができる。
請求項3においては、凹部方向へ屈曲部の下流方向とは反対側への流れが生じることにより、金属材料が鋭角に屈曲する空間を通過することがさらに困難となるため、より確実に金属材料の塑性流動を規制することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施例に係る鍛造用金型について、図1を用いて説明をする。図1は本発明の一実施例に係る鍛造用金型の全体構成を示す模式図である。
図1に示す如く、本発明の一実施例に係る鍛造用金型1は、従来の鍛造用金型51と同様に下型2と上型3からなる構成としている。下型2の内面には、下側インプレッション2a、下側余肉部2b等を形成し、上型3の内面には、上側インプレッション3a、上側余肉部3b等を形成している。
そして、下側インプレッション2aと上側インプレッション3aにより、製品形状となる製品インプレッション4を形成するようにしている。また、下側余肉部2bと上側余肉部3bにより、金属材料が塑性流動する空間となるフラッシュランド6、屈曲部7、ガッター8等を形成するようにしている。
このように、本発明の一実施例に係る鍛造用金型1は、フラッシュランド6とガッター8の間に屈曲部7を形成する構成としている点で、従来の鍛造用金型51と異なっている。
また、本実施例に示す鍛造用金型1は、前述した従来の鍛造用金型51と同様に、一対の下型2および上型3を上下に重ね合わせる配置としており、また、下型2がベース10に固定され、上型3が図示しない変位機構に固設され上下方向に可動する構成とすることにより、鍛造用金型1が上下方向に開閉可能な構成としている。
尚、本発明に係る鍛造用金型は、上下方向に開閉可能な構成とするものに限定するものではなく、例えば、左右方向に各型が開閉する構成の鍛造用金型等であっても、本発明を適用することが可能であり、鍛造用金型1の開閉方向によって本発明を限定するものではない。
次に、本発明の一実施例に係る鍛造用金型のフラッシュランド周辺部の構成について、図2を用いて説明をする。図2は本発明の一実施例に係る鍛造用金型のフラッシュランド周辺部の構成を示す拡大模式図である。
図2に示す如く、本例の鍛造用金型1において、下型2のフラッシュランド6よりも外周側の部位となる屈曲部7では、断面視において第一の隆起部たる下側隆起部11を形成している。
下側隆起部11は、製品インプレッション4側において第一傾斜面11aが形成される隆起部であり、フラッシュランド6を塑性流動してきた金属材料の流動方向を第一傾斜面11aに沿わせる方向に変更する役割を果たす部位となっている。
また、屈曲部7における、上型3の下側隆起部11よりもさらに外周側の部位では、断面視において第二の隆起部たる上側隆起部12を形成している。
上側隆起部12は、製品インプレッション4側において第二傾斜面12aが形成される隆起部であり、第二傾斜面12aが第一傾斜面11aと成す下型2側の内角の角度θが鋭角となる構成としている。尚、本実施例でいう鋭角は90度以下の角度を指している。
このような構成とすることにより、第一傾斜面11aに沿って塑性流動してきた金属材料は、第二傾斜面12aに突き当たって流動方向が変更されることとなるが、この際角度θが鋭角であるため、第二傾斜面12aに突き当たった金属材料は、第二傾斜面12aに沿って鋭角に屈曲するように流動方向を変更しガッター8側に塑性流動するように強いられることとなる。
ここで、金属材料が鋭角に屈曲しながら塑性流動することは困難であることから、金属材料が屈曲部7を経て容易にガッター8まで流出することがなくなる。つまり、本発明の一実施例に係る鍛造用金型1を用いるとき、金属材料は屈曲部7において強力なブレーキ力が付与されることとなる。
これにより、金属材料がガッター8まで流出して、バリとなることを確実に防止するようにしている。
また、金属材料に対して屈曲部7において強力なブレーキ力が付与されることにより、金属材料が製品インプレッション4内に確実に押し留められるため、製品インプレッション4内における金属材料の充満性を改善することもできる。
これにより、ガッター8に流出してバリとなってしまう金属材料を低減することができ、ボリュームの少ない金属材料を用いたとしても、製品インプレッション4内における金属材料の充満性が悪化せず、欠肉の発生を防止することができる。
即ち、屈曲部7は、下側隆起部11の製品インプレッション4側の第一傾斜面11aに沿う金属材料の流出方向と、上側隆起部12の製品インプレッション4側の第二傾斜面12aに沿う金属材料の流出方向と、が成す角度θを、下型2側の内角で鋭角となるように下側隆起部11および上側隆起部12を形成し、金属材料の流動方向を、屈曲部7において鋭角に屈曲させる構成としている。
このような構成とすることにより、金属材料は、鋭角に屈曲する空間(即ち、屈曲部7)を通過しなければガッター8まで流出できないため、金属材料の塑性流動を確実に規制することができるのである。
さらに、鍛造用金型1において、上型3の上側隆起部12よりも内周側(製品インプレッション4側)の部位であって、下側隆起部11に対応する部位には、断面視において凹部13を形成している。
このような構成とすることにより、第一傾斜面11aに沿って塑性流動してきた金属材料が、第二傾斜面12aに突き当たって流動方向が変更されるとき、一部の金属材料は、ガッター8側ではなく凹部13側に流動方向が変更されて、第二傾斜面12aに沿って塑性流動するように強いられることとなる。
つまり、凹部13を設けることにより、金属材料は、ガッター8側の流動方向だけでなく、それと反対側の凹部13側の流動方向にも塑性流動するように強いられるため、金属材料が屈曲部7を経てガッター8まで流出することがより困難となるのである。つまり、凹部13を設ける構成とすることにより、金属材料は屈曲部7においてより強力なブレーキ力が付与されることとなり、金属材料がガッター8まで流出して、バリとなることをより確実に防止するようにしている。
また、金属材料が屈曲部7においてより強力なブレーキ力が付与されると、金属材料を製品インプレッション4内により確実に押し留めておくことが可能となるため、製品インプレッション4内における金属材料の充満性がさらに改善されることとなる。
これにより、ガッター8に流出してバリとなってしまう金属材料をさらに低減することができ、ボリュームの少ない金属材料を用いたとしても、より確実に欠肉の発生を防止することができる。
即ち、上型3は、上側隆起部12よりも製品インプレッション4の下側隆起部11の形成部位に対応する部位に凹部13が形成される構成としている。
このような構成とすることにより、凹部13方向へ屈曲部7の下流方向とは反対側への流れが生じることにより、金属材料が鋭角に屈曲する空間(即ち、屈曲部7)を通過することがさらに困難となるため、より確実に金属材料の塑性流動を規制することができるのである。
図2に示す如く、下型2および上型3を製作する際の加工に着目すると、下型2の最高高さ(図2中に示す高さH1)は、従来の下型52の最高高さ(図7中に示す高さH3)に比して低く設定されている。また、上型3の最高高さ(図2中に示す高さH2)についても同様に、従来の上型53の最高高さ(図7中に示す高さH4)に比して低く設定されている。これは、本発明に係る鍛造用金型1では、屈曲部7によってブレーキ力を得る構成としているため、各隆起部11・12の段差を低く設定しても必要十分なブレーキ力を得ることが可能であるためである。このため本発明に係る下型2および上型3を製作する加工においては、従来の下型52および上型53に比して加工(切除、切削、研削等による加工)の量を少なく抑えることができるため、鍛造用金型1は従来の鍛造用金型51に比して容易に製作することができる。
次に、本発明の一実施例に係る鍛造用金型による鍛造結果について、図3を用いて説明する。図3は(a)本発明の一実施例に係る鍛造用金型によるバリの形成状況を示す模式図、(b)従来の鍛造用金型によるバリの形成状況を示す模式図である。
図3(a)に示す如く、本発明の一実施例に係る鍛造用金型1を用いて鍛造したクランクシャフトの仕上げ成形品14には、凹部13に沿って形成された凸部16が認められるが、バリ17は凸部16よりも外側までは広がっておらず、金属材料の塑性流動が凹部13付近の屈曲部7で完全に押し留められていることが把握できる。
この仕上げ成形品14を、図3(b)に示す従来の鍛造用金型51を用いて鍛造したクランクシャフトの仕上げ成形品104(図5(d)参照)と比較すると、本発明に係る鍛造用金型1による仕上げ成形品14の方が、従来の鍛造用金型51による仕上げ成型品104におけるバリ104aに比して、バリ17の発生面積が少ないことが確認できる。尚、本発明の一実施例に係る鍛造用金型1を用いた鍛造結果では、材料の歩留まりが85%程度まで改善することが可能となっており、従来に比して約10%程度材料の歩留まりを改善することが可能となっている。
尚、本発明に係る鍛造用金型1を用いた場合の鍛造工程は、図4に示す従来の鍛造工程と同様である。そして、本発明に係る鍛造用金型1を用いた場合には、荒地工程(S13)および仕上げ工程(S14)等のバリが発生する可能性の有る各工程において、バリの低減効果を奏するものである。
また、本発明に係る鍛造用金型1による仕上げ成形品14では、鍛造用金型1の全周に渡って屈曲部7を設ける構成とし、仕上げ成形品14の全周に渡って凸部16が形成される場合を例示しているが、屈曲部7は、必ずしも鍛造用金型1の全周に渡って設ける必要はなく、バリの発生が懸念される部位を選択して、鍛造用金型1の周囲に対して部分的に屈曲部7を設ける構成とすることも可能である。
即ち、本発明の一実施例に係る鍛造用金型1は、一対の第一金型たる下型2および第二金型たる上型3からなり、下型2および上型3を型閉めした状態で、下型2に形成される第一成形面たる下側インプレッション2aと上型3に形成される第二成形面たる上側インプレッション3aによって製品インプレッション4を形成し、かつ、下側インプレッション2aの外周側に位置する下型2の内面に形成される第一余肉部たる下側余肉部2bと上側インプレッション3aの外周側に位置する上型3の内面に形成される第二余肉部たる上側余肉部3bによって、製品インプレッション4の外周側にフラッシュランド6を形成し、さらにフラッシュランド6よりも外周側に位置する下側余肉部2bおよび上側余肉部3bによってガッター8を形成し、下型2および上型3によって金属材料10を挟圧し、金属材料10を製品インプレッション4に充満させるとともに、製品インプレッション4から溢れ出た金属材料10をフラッシュランド6から流出させてガッター8まで塑性流動させて、金属材料10を製品インプレッション4に沿わせて成形する鍛造用金型1であって、フラッシュランド6とガッター8との間に屈曲部7が形成され、屈曲部7は、下型2から上型3に向けて隆起する第一隆起部たる下側隆起部11と、下側隆起部11の外周側に配置され、上型3から下型2に向けて隆起する第二隆起部たる上側隆起部12と、を備える構成としている。
このような構成とすることにより、屈曲部7により、ガッター8に流出しようとする金属材料の塑性流動を規制することができるため、バリ17の量を低減することができるのである。また、各金型2・3に形成する各隆起部11・12の段差を従来の各金型52・53に比して低く押さえることができるため、従来の鍛造用金型51に比して、鍛造用金型1を製作する際の加工量を低減させることができるのである。
本発明の一実施例に係る鍛造用金型の全体構成を示す模式図。 本発明の一実施例に係る鍛造用金型のフラッシュランド周辺部の構成を示す拡大模式図。 (a)本発明の一実施例に係る鍛造用金型によるバリの形成状況を示す模式図、(b)従来の鍛造用金型によるバリの形成状況を示す模式図。 鍛造工程の流れを示すフロー図。 鍛造工程の各工程における金属材料の加工状況を示す模式図。 従来の鍛造用金型の全体構成を示す断面模式図。 従来の鍛造用金型のフラッシュランド周辺部の構成を示す拡大模式図。 欠肉の発生状況を示す模式図。
符号の説明
1 鍛造用金型
2 下型
2a 下側インプレッション
2b 下側余肉部
3a 上側インプレッション
3b 下側余肉部
3 上型
4 製品インプレッション
6 フラッシュランド
7 屈曲部
8 ガッター
11 下側隆起部
11a 第一傾斜面
12 上側隆起部
12a 第二傾斜面
13 凹部

Claims (3)

  1. 一対の第一金型および第二金型からなり、
    前記第一金型および前記第二金型を型閉めした状態で、
    前記第一金型に形成される第一成形面と前記第二金型に形成される第二成形面によってインプレッションを形成し、かつ、
    前記第一成形面の外周側に位置する前記第一金型の内面に形成される第一余肉部と前記第二成形面の外周側に位置する前記第二金型の内面に形成される第二余肉部によって、前記インプレッションの外周側にフラッシュランドを形成し、
    さらに前記フラッシュランドよりも外周側に位置する前記第一余肉部および前記第二余肉部によってガッターを形成し、
    前記第一金型および前記第二金型によって金属材料を挟圧し、
    該金属材料を前記インプレッションに充満させるとともに、
    前記インプレッションから溢れ出た前記金属材料を前記フラッシュランドから流出させて前記ガッターまで塑性流動させて、
    前記金属材料を前記インプレッションに沿わせて成形する鍛造用金型であって、
    前記フラッシュランドとガッターとの間に屈曲部が形成され、
    前記屈曲部は、
    前記第一金型から前記第二金型に向けて隆起する第一隆起部と、
    前記第一隆起部の外周側に配置され、
    前記第二金型から前記第一金型に向けて隆起する第二隆起部と、
    を備える、
    ことを特徴とする鍛造用金型。
  2. 前記屈曲部は、
    前記第一隆起部の前記インプレッション側の傾斜面に沿う前記金属材料の流出方向と、
    前記第二隆起部の前記インプレッション側の傾斜面に沿う前記金属材料の流出方向と、
    が成す角度を、
    前記第一金型側の内角で鋭角となるように前記第一隆起部および前記第二隆起部を形成し、
    前記金属材料の流動方向を、
    前記屈曲部において鋭角に屈曲させる、
    ことを特徴とする請求項1記載の鍛造用金型。
  3. 前記第二金型は、
    前記第二隆起部よりも前記インプレッション側の前記第一隆起部の形成部位に対応する部位に凹部が形成される、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鍛造用金型。
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