JP2011177618A - メタン発酵処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニア性窒素を除去する前工程を経ることなく、下水汚泥や家畜糞尿等といったアンモニア性窒素を多く含む有機性廃棄物を直接メタン発酵処理する。
【解決手段】メタン発酵液に微生物を担持し得る疎水性の多孔性担体を浸漬してメタン発酵反応を進行させた後、このメタン発酵液に担体を浸漬したままの状態でアンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を投入してメタン発酵処理を行うようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、メタン発酵処理方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、アンモニア性窒素を多く含有する有機性廃棄物の処理に好適なメタン発酵処理方法に関する。
資源の有効利用を図る方法の一つとして、有機性廃棄物をメタン発酵処理してメタンガスを含むバイオガスをエネルギー源として回収する方法が知られている。
ところで、有機性廃棄物には様々な性状のものが存在している。例えば、有機性汚泥(下水汚泥や浄化槽汚泥等)や家畜糞尿等といった有機性廃棄物については、メタン発酵を阻害する要因となるアンモニア性窒素が多く含まれている。そこで、アンモニア性窒素によるメタン発酵の阻害を防ぐべく、アンモニア性窒素を多く含む有機性廃棄物をメタン発酵処理するための方法が各種提案されている。
例えば、特許文献1では、家畜糞尿を固液分離し、分離した液をメタン発酵させる前段階で、アンモニア性窒素をストラバイト法やストリッピング法などにより除去することにより、アンモニア性窒素によるメタン発酵の阻害を防ぐようにしている。ストラバイト法とは、固液分離した液に、マグネシウムイオンMg2+、リン酸イオンPO 2−を添加し、液中に含まれるアンモニウムイオンNH と反応させ、MgNHPO・6HO(ストラバイト)の結晶を析出させることにより、液中のアンモニウムイオンを除去する方法である。また、ストリッピング法とは、固液分離した液のpHを約10程度に上げて、下部方向から空気を吹き込んでアンモニアを飛ばす方法である。
特開2000−263097号公報
しかしながら、特許文献1のように、有機性廃棄物からアンモニア性窒素を予め除去した後にメタン発酵処理を行う場合、手間や時間がかかる。また、ストラバイト法を用いると、固液分離した液にマグネシウムイオンやリン酸イオンが残存してメタン発酵槽の微生物コミュニティーに悪影響を及ぼす可能性もあり得る。さらには、ストリッピング法を用いた場合には、固液分離した液のpHを上昇させていることから、そのままメタン発酵槽に投入すると微生物コミュニティーに悪影響を及ぼすため、中和処理等が必要になる。そこで、このような前処理工程を経ることなく、アンモニア性窒素を多く含む有機性廃棄物を直接メタン発酵処理する方法の確立が望まれている。
本発明は、アンモニア性窒素を除去する前工程を経ることなく、アンモニア性窒素を多く含む有機性廃棄物を直接メタン発酵処理する方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、本願発明者等が鋭意検討を行った結果、予めメタン発酵液に炭素繊維不織布を浸漬してメタン発酵反応を進行させておくと、その後にアンモニア性窒素が高濃度に含まれる有機性廃棄物を処理しても、アンモニア性窒素によるメタン発酵の阻害が生じることなく、メタン発酵処理を行うことができることを知見した。
本願発明者等は、この知見から、炭素繊維不織布に限らず、微生物を担持し得る炭素製の多孔性担体、さらには微生物を担持し得る疎水性の多孔性担体を用いても、同様の効果が得られる可能性が導かれることを知見し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本発明のメタン発酵処理方法は、メタン発酵液に微生物を担持し得る疎水性の多孔性担体を浸漬してメタン発酵反応を進行させた後、このメタン発酵液に担体を浸漬したままの状態でアンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を投入してメタン発酵処理を行うようにしている。
また、本発明のメタン発酵処理方法は、メタン発酵液に微生物を担持し得る疎水性の多孔性担体を浸漬してメタン発酵反応を進行させて担体を取り出し、このメタン発酵液とは別のメタン発酵液に取り出された担体を浸漬すると共にアンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を投入してメタン発酵処理を行うようにしている。
ここで、担体は炭素製担体とすることが好ましく、炭素製担体は炭素繊維不織布とすることが好ましい。
本発明によれば、アンモニア性窒素を除去する前工程を経ることなく、有機性汚泥(下水汚泥や浄化槽汚泥等)や家畜糞尿等といったアンモニア性窒素を多く含む有機性廃棄物をメタン発酵液に直接投入してメタン発酵処理することが可能となる。
実施例におけるメタン発酵リアクターの運転条件(負荷条件)を示す図である。 各種条件におけるバイオガス発生速度の経時変化を示す図である。 各種条件におけるバイオガス中のメタンガス含有量を示す図である。 各種条件におけるメタン発酵液の揮発性脂肪酸濃度の経時変化を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のメタン発酵処理方法は、メタン発酵液に微生物を担持し得る疎水性の多孔性担体を浸漬してメタン発酵反応を進行させた後、このメタン発酵液に担体を浸漬したままの状態でアンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を投入してメタン発酵処理を行うようにしている。
本発明におけるメタン発酵処理方法の処理対象物は、アンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物であり、具体的には、例えば、下水汚泥や浄化槽汚泥等の各種有機性汚泥、家畜糞尿、生ごみ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機性廃棄物を処理する場合には、そのままメタン発酵液に投入してもよいが、固液分離して固形分をコンポスト化することで堆肥等として有効利用を図りつつ、アンモニア性窒素と共に有機物を含む分離液をメタン発酵処理の対象としてもよい。
本願発明者等の実験によれば、本発明の方法によらずにメタン発酵処理を行った場合、メタン発酵液中のアンモニア性窒素濃度が850mg−N/L以上になると、メタン発酵が阻害されることが確認された。これに対し、本発明の方法によりメタン発酵処理を行った場合、メタン発酵液中のアンモニア性窒素濃度が850mg−N/L以上の濃度になってもアンモニア性窒素が存在しない場合と同じようにメタン発酵を進行させることができ、少なくとも3150mg−N/L程度の濃度であればアンモニア性窒素が存在しない場合と同じようにメタン発酵を進行させることができることが本願発明者等の実験により確認されている。
本発明に使用される微生物を担持し得る疎水性の多孔性担体としては、微生物が有機物と共に担持されて空隙内にバイオフィルムが形成され得る三次元構造を有する担体を使用することができる。空隙内にバイオフィルムが形成されることで、空隙内にアンモニア性窒素が侵入し難くなり、空隙内部(深部)に存在するメタン菌に対するアンモニア性窒素の影響が低減される。具体的には、例えば、炭素繊維、ポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維などの疎水性繊維製の織物や不織布、炭素、ポリエチレン及びポリプロピレンなどの疎水性物質の多孔質体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、担体の空隙率は25%〜98%とすればよいが、空隙率が50%〜98%とすることが好適であり、空隙率が98%とすることがより好適である。尚、炭素製の素材は、高い空隙率の確保が容易であり、例えば炭素繊維不織布は、高い空隙率(98%)を確保し易く、しかも安価に入手でき、好適である。
また、担体の表面には、複数の突起が存在していることが好適である。突起が存在することで、固形物が引っかかり易くなってバイオフィルムの形成が促進され易くなる。また、突起と突起の間がバイオフィルムで埋め尽くされることにより、アンモニア性窒素が空隙内部(深部)にさらに侵入し難くなり、空隙内部(深部)に存在するメタン菌に対するアンモニア性窒素の影響がさらに低減される。突起の長さは、例えば0超〜2mm程度とすればよい。尚、疎水性繊維の織物や不織布を用いた場合には、繊維自体に突起が存在していることが多く、例えば炭素繊維不織布の場合には1mm程度の突起が複数存在している。したがって、担体表面に突起を確保する上では、疎水性繊維の織物や不織布を用いることが好適である。
尚、担体の形状については、特に限定されるものではなく、例えば、シート状、球状、チューブ状、螺旋状等とすればよい。また、担体は、その全体を上記素材で形成する必要はなく、例えば、基材表面の一部または全体を上記素材で覆ったものを担体として使用するようにしてもよい。
ここで、本発明では、メタン発酵液に微生物を担持し得る疎水性の多孔性担体を浸漬してメタン発酵反応を進行させた後に、メタン発酵液にアンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を投入するようにしている。担体をメタン発酵液に浸漬してメタン発酵反応を進行させると、メタン発酵液に含まれる微生物と有機物とが担体の表面に付着してバイオフィルムが徐々に形成され、最終的には担体の空孔がバイオフィルムにより埋め尽くされる。この状態でメタン発酵液にアンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を投入すると、アンモニア性窒素は拡散によって担体の空孔に侵入することになるので、空孔に存在しているバイオフィルムにおいては、空孔の内部(深部)に向かうに従ってアンモニア性窒素濃度が低下するアンモニア性窒素の濃度勾配が形成されることになる。したがって、空孔の内部(深部)に向かうに従ってバイオフィルム中のメタン生成菌を含む微生物がアンモニア性窒素の影響を受けにくくなる効果が得られ、メタン発酵が阻害されることなく進行するようになる。
担体の空孔にバイオフィルムを形成させるために必要な時間は、担体の性状や空孔の深さ、径の大きさ等によって変化するが、例えば、有機物負荷量を5g−COD/L/日とした場合には、概ね10日程度メタン発酵反応を進行させれば、バイオフィルムは十分に形成される。尚、アンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物をメタン発酵処理するためのメタン発酵液とは別のメタン発酵液を用いて担体の空孔にバイオフィルムを形成させてもよい。この場合にも、上記と同様の効果が得られる。
本発明のメタン発酵処理を実施するためのメタン発酵液の温度については、4℃〜100℃未満とすればよいが、好適には40℃〜70℃、より好適には50℃〜60℃、さらに好適には55℃である。
上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、メタン発酵液にアンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を投入するのとほぼ同時に担体を投入してメタン発酵処理を行うようにしてもよい。この場合にも担体の空孔が徐々にバイオフィルムにより埋め尽くされて、上記と同様の効果が得られるものと考えられる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
<実験方法>
(1)基質の調製
基質には、以下に示す4%ドッグフード(日本ペットフード製)含有新鮮基質を用いた。
[4%ドッグフード含有基質(水1L中の組成)]
ドッグフード: 40g
KHPO: 1.135g
HPO: 1.74g
NiCl・6HO: 0.4mg
CoCl・6HO: 0.48mg
(2)リアクターの構成
デュラン社製の250mL容ガラスバイアル瓶をリアクターとして用いた。このガラス瓶に生ゴミからの安定したガス生成が行われていた好熱性嫌気性消化槽(メタン発酵槽)内から採取した汚泥を250mL入れた。
(3)リアクターの運転条件
温度(発酵液温度)55℃で攪拌しながら運転を行った。尚、リアクターの運転はフィルアンドドロー方式で行い、1日に1回、発酵液を一定量廃棄し、同量の基質を添加するようにした。また、この際に5Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて発酵液のpHを8.0に維持した。
リアクターの有機物負荷量(g−CODcr/L/日)と水理学的滞留時間(日)は、基質の添加量により調整して、図1に示す負荷となるようにした。図1において、□が有機物負荷量であり、○が水理学的滞留時間である。有機物負荷量は、具体的には以下の通りである。尚、CODcrとは、重クロム酸塩を用いた場合の化学的酸素要求量である。
・1−4日目 :0.99g−CODcr/L/日
・5−7日目 :2.0g−CODcr/L/日
・8−11日目 :3.0g−CODcr/L/日
・12−15日目:4.0g−CODcr/L/日
・16−59日目:4.9g−CODcr/L/日
また、ガラス瓶には、リアクターを攪拌しながら運転するための攪拌子を収容した。ガラス瓶は収容物を全て入れた後、窒素ガス置換してから蓋をして密封し、ガラス瓶内の嫌気環境を確保した。
(4)分析方法
蓋の上面に設けたシリコーンゴムにガス採集管を差し込み、ガス採集管のガラス瓶の外側の端部に袋を備えて、ガラス瓶内から発生するバイオガスを袋内に採集した。そして、ガス発生量を水上置換法により測定した。
また、袋内のバイオガス中のメタン含有量を、Active Carbonカラム(GLサイエンス製)を使用して、ガスクロマトグラフィー(GL-390B、GLサイエンス製)を用いて測定した。
経時的に採取した発酵液について、揮発性脂肪酸(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸)濃度を、TSKgel OApak-A/Pカラム(東ソー製)を使用して、高速液体クロマトグラフィー(GL-7400、GLサイエンス製)を用いて測定した。
<実施例1>
(実験条件):炭素繊維不織布有り、アンモニウムイオン添加あり
ガラス瓶内に炭素繊維不織布を入れ、発酵液へのアンモニウムイオンの添加を行いながらリアクターの運転を行った。アンモニウムイオンの添加は、発酵液に塩化アンモニウムを添加することにより行った。
(炭素繊維不織布)
ガラス瓶内に炭素繊維不織布(タイプ:ピッチ、空隙率:約98%、縦:70mm、横:30mm、厚さ:2.4mm)を2枚入れた。
(アンモニウムイオン添加条件)
28日目に500mg−N/L分のアンモニウムイオンを添加してアンモニウムイオン濃度を790mg−N/L(ドッグフードの分解に伴うアンモニウムイオンも含む)とし、28−41日目はアンモニウムイオン濃度が790mg−N/Lを維持するようにアンモニウムイオンを添加し続けた。
42日目に800mg−N/L分のアンモニウムイオンを添加してアンモニウムイオン濃度を1560mg−N/L(ドッグフードの分解に伴うアンモニウムイオンも含む)とし、42−54日目はアンモニウムイオン濃度が1560mg−N/Lを維持するようにアンモニウムイオンを添加し続けた。
55日目に1500mg−N/L分のアンモニウムイオンを添加してアンモニウムイオン濃度を2920mg−N/L(ドッグフードの分解に伴うアンモニウムイオンも含む)とし、55−59日目はアンモニウムイオン濃度が2920mg−N/Lを維持するようにアンモニウムイオンを添加し続けた。
<実施例2>
(実験条件):炭素繊維不織布有り、アンモニウムイオン添加有り(高負荷)
アンモニウムイオンの負荷量(添加量)以外は実施例1と同様の条件でリアクターの運転を行った。
(アンモニウムイオン添加条件)
28日目に500mg−N/L分のアンモニウムイオンを添加してアンモニウムイオン濃度を790mg−N/L(ドッグフードの分解に伴うアンモニウムイオンも含む)とし、28−41日目はアンモニウムイオン濃度が790mg−N/Lを維持するようにアンモニウムイオンを添加し続けた。
42日目に2800mg−N/L分のアンモニウムイオンを添加してアンモニウムイオン濃度を3150mg−N/L(ドッグフードの分解に伴うアンモニウムイオンも含む)とし、42−54日目はアンモニウムイオン濃度が3150mg−N/Lを維持するようにアンモニウムイオンを添加し続けた。
<比較例1>
(実験条件):炭素繊維不織布無し、アンモニウムイオン添加無し
ガラス瓶内に炭素繊維不織布を入れず、発酵液へのアンモニウムイオンの添加を行うことなく実施例1と同様の条件でリアクターの運転を行った。但し、ドッグフードが分解されて生じるアンモニウムイオンは存在しており、その濃度は380mg−N/L程度であった。
<比較例2>
(実験条件):炭素繊維不織布有り、アンモニウムイオン添加無し
発酵液へのアンモニウムイオンの添加を行わなかった以外は実施例1と同様の条件でリアクターの運転を行った。但し、ドッグフードが分解されて生じるアンモニウムイオンは存在しており、その濃度は380mg−N/L程度であった。
<比較例3>
(実験条件):炭素繊維不織布無し、アンモニウムイオン添加有り
ガラス瓶内に炭素繊維不織布を入れずに、実施例1と同様の条件でリアクターの運転を行った。但し、アンモニウムイオンの負荷条件は以下の通り異なっていた。
(アンモニウムイオン負荷条件)
28−41日目はアンモニウムイオン濃度が850mg−N/Lであった。
42−54日目はアンモニウムイオン濃度が1660mg−N/Lであった。
55−59日目はアンモニウムイオン濃度が3110mg−N/Lであった。
<実験結果>
(1)バイオガス発生速度
実施例1、2及び比較例1〜3におけるバイオガス発生速度の経時変化を図2に示す。
炭素繊維不織布を用いずにアンモニウムイオン添加を行った条件である比較例3では、アンモニウムイオンの添加を行うとバイオガス発生速度が低下し、40日目にはバイオガスの発生が殆ど起こらなくなった。これに対し、炭素繊維不織布を用いてアンモニウムイオン添加を行った条件である実施例1では、アンモニウムイオンを添加していない比較例1及び2とほぼ同様の実験結果を示し、運転期間中はバイオガスを良好に発生させ続けることができた。このことから、炭素繊維不織布を発酵液に入れてメタン発酵処理を行うことで、発酵液のアンモニウムイオン濃度が2920mg−N/Lまで上昇しても、アンモニウムイオンによるメタン発酵の阻害を抑えながら、効率よくバイオガスを生成できることが明らかとなった。
また、実施例2の実験結果から、発酵液のアンモニウムイオン濃度が3150mg−N/Lまで上昇しても、アンモニウムイオンによるメタン発酵の阻害を抑えながら、効率よくバイオガスを生成できることが明らかとなった。
(2)バイオガスのメタン含有率
実施例1、2及び比較例1〜3におけるバイオガスのメタン含有率の経時変化を図3に示す。炭素繊維不織布を用いずにアンモニウムイオン添加を行った条件である比較例3では、30日経過後から徐々にメタン含有率が低下する傾向が見られた。これに対し、他の条件については、メタンガス含有率はほぼ同程度であった。
(3)揮発性脂肪酸濃度
実施例1、2及び比較例1〜3における揮発性脂肪酸濃度の経時変化を図4に示す。炭素繊維不織布を用いずにアンモニウムイオン添加を行った条件である比較例3では、30日経過後から急激に揮発性脂肪酸濃度が上昇する傾向が見られた。これに対し、他の条件については、揮発性脂肪酸は低濃度に抑えられることが確認でき、特に、実施例1と比較例2では、リアクターの運転期間中において、揮発性脂肪酸濃度が極めて低濃度に抑えられることが明らかとなった。
(4)まとめ
以上の結果から、炭素繊維不織布を用いることで、発酵液のアンモニウムイオン濃度が3150mg−N/Lまで上昇しても、アンモニウムイオンを添加していない場合と同じレベルでメタン発酵を進行させ得ることが明らかとなった。
また、実施例1と比較例3では、アンモニウムイオンの添加条件が同一であったにも関わらず、発酵液のアンモニウムイオン濃度に違いが見られたが、この濃度差は僅かなものであった。したがって、発酵液中の微生物の作用によるアンモニウムイオンの酸化反応や炭素繊維不織布によるアンモニウムイオンの吸着等はリアクター内ではほとんど起こっていないと考えられる。
ここで、炭素繊維不織布によりアンモニウムイオンの吸着が起こるか否かについて検証を行った。具体的には、デュラン社製の250mL容ガラスバイアル瓶を準備し、純水にアンモニウムイオンを1500mg−N/Lの濃度で溶解させた溶液を250mL入れた。そして、pHは上記と同様8.0に調整し、炭素繊維不織布を2枚添加し、55℃で攪拌しながら運転した。その結果、アンモニウムイオン濃度は実験開始直後(0時間後)は1465mg−N/Lとなり、24時間後は1409mg−N/Lとなり、48時間後には1477mg−N/Lとなった。このように、炭素繊維不織布を添加してもアンモニウムイオン濃度の変化は見られなかったことから、炭素繊維不織布によるアンモニウムイオンの吸着は起こっていないことが明らかとなった。
以上より、アンモニウムイオン濃度が高濃度の発酵液中において、炭素繊維不織布が発酵液中の微生物コミュニティーを安定化してメタン発酵を効率よく進行させる役割を担っていることが考えられる。
炭素繊維不織布の具体的役割は、以下のように考えることができる。即ち、発酵液に浸漬した炭素繊維不織布の空孔に、時間の経過と共に発酵液中の微生物と有機物により構成されるバイオフィルムが徐々に形成されて埋め尽くされる。バイオフィルムが形成された炭素繊維不織布の空孔内部には、発酵液中に存在するアンモニウムイオンは拡散により侵入することになるので、発酵液からの距離に依存してアンモニウムイオン濃度が低下することになる。その結果、バイオフィルムで埋め尽くされた炭素繊維不織布の空孔の内部(深部)に向かうに従ってアンモニウムイオン濃度が低下するアンモニウムイオンの濃度勾配が形成され、アンモニウムイオンによるメタン発酵の阻害の影響を受けにくくなり、炭素繊維不織布の空孔の内部でメタン生成菌を含む微生物コミュニティーが安定に機能してメタン発酵を効率よく進行させているものと考えられる。
したがって、炭素繊維不織布のみならず、微生物を担持し得る空孔を有する炭素製担体、さらには疎水性担体を用いた場合にも、炭素繊維不織布を用いた場合と同様の効果を発揮するものと考えられる。

Claims (4)

  1. メタン発酵液に微生物を担持し得る疎水性の多孔性担体を浸漬してメタン発酵反応を進行させた後、前記メタン発酵液に前記担体を浸漬したままの状態でアンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を投入してメタン発酵処理を行うことを特徴とするメタン発酵処理方法。
  2. メタン発酵液に微生物を担持し得る疎水性の多孔性担体を浸漬してメタン発酵反応を進行させて前記担体を取り出し、前記メタン発酵液とは別のメタン発酵液に前記取り出された担体を浸漬すると共にアンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を投入してメタン発酵処理を行うことを特徴とするメタン発酵処理方法。
  3. 前記担体が炭素製である請求項1または2に記載のメタン発酵処理方法。
  4. 前記炭素製担体が炭素繊維不織布である請求項3に記載のメタン発酵処理方法。
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