JP2011176160A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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欣樹 與名本
Ichiro Yamakawa
市朗 山川
Naotoshi Akamatsu
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Abstract

【課題】微細化されたMISFETのゲート電極の加工精度を向上することができる技術を提供する。
【解決手段】シリコン上にニッケルプラチナ合金膜を形成する(S101)。そして、第1加熱処理を実施する(S102)。このとき、第1加熱処理において、加熱温度は250℃〜270℃であり、加熱時間は30秒未満である。続いて、未反応のニッケルプラチナ合金膜を除去する(S103)。その後、第2加熱処理を実施する(S104)。このとき、第2加熱処理において、加熱温度は、450℃〜600℃である。
【選択図】図7

Description

本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、少なくとも、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート電極の表面にプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する半導体装置およびその製造技術に適用して有効な技術に関する。
特開2005−19705号公報(特許文献1)には、2段階の熱処理によってニッケルシリサイド膜を形成する技術が記載されている。具体的には、半導体基板上にニッケル膜を形成した後、加熱温度が250℃〜400℃で、かつ、加熱時間が5分以内の第1熱処理を施す。そして、未反応のニッケル膜を除去した後、加熱温度が450℃〜550℃で、かつ、加熱時間が5分以内の第2熱処理を実施することにより、ニッケルシリサイド(NiSi)膜を形成するとしている。
特開2009−16500号公報(特許文献2)には、2段階の熱処理によって金属シリサイド膜を形成する技術が記載されている。具体的には、半導体基板上に、例えば、ニッケル膜を形成する場合、第1の熱処理は、加熱温度が400℃〜500℃で、かつ、加熱時間が10秒以上1分以下で行う。そして、未反応のニッケル膜を除去した後、第2の熱処理を施す。この第2の熱処理の温度は、第1の熱処理の温度よりも高い温度で行われ、加熱時間は、10秒以上1分以下としている。この特許文献2では、金属シリサイド膜として、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜にも適用できるとしている。
特開2009−111214号公報(特許文献3)には、2段階の熱処理によってプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する技術が記載されている。具体的には、半導体基板上に、NiPt膜を形成した後、加熱温度が200℃〜350℃で、かつ、加熱時間が30秒〜120秒である第1アニール工程を実施する。そして、未反応膜を除去した後、加熱温度が350℃より高い温度から600℃までの温度で、かつ、加熱時間が30秒〜120秒の第2アニール工程を実施するとしている。
特開2005−19705号公報 特開2009−16500号公報 特開2009−111214号公報
MISFETの製造プロセスにおいては、例えば、ゲート電極の形成方法が歩留まりを大きく左右する。これは、形成方法によって、ゲート電極の結晶粒径が大きく変化するためである。例えば、結晶粒径が大きくなると、結晶粒径がゲート電極の加工寸法を超えてしまい、設計どおりの加工ができなくなる。また、結晶粒径が大きくなると、ゲート電極の表面におけるラフネスが飛躍的に大きくなるため、ゲート電極と配線との間で安定したコンタクト(電気的接触)を確保することが困難となる。
一般的に、MISFETのゲート電極は、加工することが容易なポリシリコン膜が使用されているが、ポリシリコン膜は高抵抗であるため、さらなるゲート電極の低抵抗化を図るため、ゲート電極を構成するポリシリコン膜の表面に低抵抗なシリサイド膜を形成することが行われている。つまり、現在では、ポリシリコン膜とこのポリシリコン膜の表面に形成された金属シリサイド膜からゲート電極を構成することが主流となっている。したがって、微細化されるゲート電極の加工精度を確保するためには、金属シリサイド膜の形成方法がキーポイントとなる。
一般に、金属シリサイド膜は、金属膜をシリコン上に形成した後、加熱処理を施して、金属膜とシリコンとを反応させることにより形成される。この金属シリサイド膜を構成する金属としては、様々な元素が検討されている。例えば、金属シリサイド膜としてコバルトシリサイド膜が使用されている。ところが、コバルトは凝集しやすく熱負荷に比較的弱いという性質を有していることから、現在では、コバルトよりも熱負荷に強いニッケルが多く使用されている。ただし、ニッケルシリサイド膜であっても、600℃程度の熱負荷で、ニッケルシリサイド膜の組成がNiSiからNiSiへと相転移し、これに伴って、結晶粒が凝集しラフネスが大きくなってしまうことが知られている。半導体装置の製造プロセスにおいては、600℃程度の熱負荷は避けられないものであり、このことが原因となってニッケルシリサイド膜の適用限界が決定されてしまっている。
ところが、近年、プラチナを数%含有させたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を使用することで、上述した問題を改善できることが明らかになってきている。つまり、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜では、ニッケルシリサイド膜の相転移温度を上昇させることができ、かつ、凝集も抑制できることが発見された。そこで、近年では、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の検討が盛んに進められている。しかし、現在の製造プロセスでは、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶粒径を小さく(例えば、50nm以下)制御することが困難となっている。特に、近年では、MISFETの微細化が進んでおり、MISFETのゲート電極の微細化も進んでいる。このため、ゲート電極のシリサイド膜としてプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を使用するためには、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶粒径を小さくする必要があり、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶粒径を小さくできる製造プロセスの実現が必要とされている。プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶粒径を小さく制御できる製造プロセスが実現可能となれば、微細化されたMISFETのゲート電極の加工精度を向上することができるからである。
本発明の目的は、微細化されたMISFETのゲート電極の加工精度を向上することができる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
代表的な実施の形態による半導体装置は、MISFETを含み、前記MISFETは、(a)半導体基板と、(b)前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、(c)前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、(d)前記半導体基板内に形成されたソース領域と、(e)前記半導体基板内に形成されたドレイン領域とを備える。そして、前記ゲート電極は、(c1)前記ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、(c2)前記ポリシリコン膜上に形成されたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜とを有する。ここで、前記プラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であることを特徴とするものである。
また、代表的な実施の形態による半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、(b)前記ゲート絶縁膜上にポリシリコン膜を形成する工程と、(c)前記ポリシリコン膜を加工することによりゲート電極を形成する工程とを備える。そして、(d)前記半導体基板内にソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、(e)前記(a)工程〜前記(d)工程を経た後、前記ゲート電極を覆う前記半導体基板上にニッケルプラチナ合金膜を形成する工程とを備える。さらに、(f)前記(e)工程後、加熱温度が250℃以上270℃以下で、かつ、加熱時間が30秒未満である第1加熱処理を実施する工程と、(g)前記(f)工程後、第2加熱処理を実施する工程とを備える。このとき、前記(f)工程と前記(g)工程を実施することにより、前記ゲート電極の表面、前記ソース領域の表面、および、前記ドレイン領域の表面にプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成することを特徴とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
微細化されたMISFETのゲート電極の加工精度を向上することができる。
本発明の実施の形態1における半導体装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図2に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図3に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図4に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図5に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図6に続くシリサイド工程の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1におけるシリサイド工程を実施した後の断面図である。 プラチナ含有ニッケルシリサイドの相転移を示す図である。 (a)〜(c)は、比較例において、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する工程を説明するための模式図である。 (a)〜(c)は、実施の形態1において、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する工程を説明するための模式図である。 プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶構造をX線回折法で解析した結果を示す図である。 図12のピークを解析して結晶相と結晶粒径を算出した表である。 (a)〜(d)は、第1加熱処理の加熱時間を変えたものについてAFMで評価した結果を示す図である。 第1加熱処理の加熱時間を変えた場合において、最終的に形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜のシート抵抗を示す表である。 実施の形態2における半導体装置の構成を示す断面図である。 実施の形態2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図17に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図18に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図19に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図21に続くシリサイド工程の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2におけるシリサイド工程を実施した後の断面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態1における半導体装置について図面を参照しながら説明する。本実施の形態1では、半導体装置としてCMISFET(Complementary Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を例に挙げて説明する。図1は、本実施の形態1におけるCMISFETの構成を示す断面図である。このCMISFETは、nチャネル型MISFETQ1とpチャネル型MISFETQ2から構成されている。まず、CMISFETを構成するnチャネル型MISFETQ1について説明する。
図1に示すように、半導体基板1Sの主面(表面)には素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで区画された領域が活性領域となっている。素子分離領域STIで区画された活性領域のうちnチャネル型MISFET形成領域では、半導体基板1S内にp型ウェルPWLが形成されている。p型ウェルPWLは、ボロン(ホウ素)などのp型不純物を半導体基板1Sに導入したp型半導体領域から形成されている。
次に、p型ウェルPWL(半導体基板1S)上にはゲート絶縁膜GOXが形成されており、このゲート絶縁膜GOX上にゲート電極G1が形成されている。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、ゲート電極G1は、例えば、ポリシリコン膜PFとこのポリシリコン膜PFの表面に形成されたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSから形成されている。ゲート電極G1を構成するポリシリコン膜PFには、ゲート電極G1の空乏化を抑えるために、例えば、リンなどのn型不純物が導入されている。ゲート電極G1の一部を構成するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSはゲート電極G1の低抵抗化のために形成されている。
ゲート電極G1の両側の側壁には、例えば、酸化シリコン膜からなるサイドウォールSWが形成されており、このサイドウォールSW直下の半導体基板1S(p型ウェルPWL)内には浅い低濃度不純物拡散領域EX1が形成されている。この浅い低濃度不純物拡散領域EX1はn型半導体領域であり、ゲート電極G1に整合して形成されている。そして、この浅い低濃度不純物拡散領域EX1の外側には深い高濃度不純物拡散領域NRが形成されている。この深い高濃度不純物拡散領域NRもn型半導体領域であり、サイドウォールSWに整合して形成されている。深い高濃度不純物拡散領域NRの表面には低抵抗化のためのプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSが形成されている。浅い低濃度不純物拡散領域EX1と深い高濃度不純物拡散領域NRによりソース領域が形成され、浅い低濃度不純物拡散領域EX1と深い高濃度不純物拡散領域NRによりドレイン領域が形成される。このようにして、nチャネル型MISFETQ1が形成されている。
次に、CMISFETを構成するpチャネル型MISFETQ2について説明する。図1に示すように、半導体基板1Sの主面(表面)には素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで区画された領域が活性領域となっている。素子分離領域STIで区画された活性領域のうちpチャネル型MISFET形成領域では、半導体基板1S内にn型ウェルNWLが形成されている。n型ウェルNWLは、リン(P)や砒素(As)などのn型不純物を半導体基板1Sに導入したn型半導体領域から形成されている。
次に、n型ウェルNWL(半導体基板1S)上にはゲート絶縁膜GOXが形成されており、このゲート絶縁膜GOX上にゲート電極G2が形成されている。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、ゲート電極G2は、例えば、ポリシリコン膜PFとこのポリシリコン膜PFの表面に形成されたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSから形成されている。ゲート電極G2を構成するポリシリコン膜PFには、ゲート電極G2の空乏化を抑えるために、例えば、ボロン(ホウ素)などのp型不純物が導入されている。ゲート電極G2の一部を構成するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSはゲート電極G2の低抵抗化のために形成されている。
ゲート電極G2の両側の側壁には、例えば、酸化シリコン膜からなるサイドウォールSWが形成されており、このサイドウォールSW直下の半導体基板1S(n型ウェルNWL)内には浅い低濃度不純物拡散領域EX2が形成されている。この浅い低濃度不純物拡散領域EX2はp型半導体領域であり、ゲート電極G2に整合して形成されている。そして、この浅い低濃度不純物拡散領域EX2の外側には深い高濃度不純物拡散領域PRが形成されている。この深い高濃度不純物拡散領域PRもp型半導体領域であり、サイドウォールSWに整合して形成されている。深い高濃度不純物拡散領域PRの表面には低抵抗化のためのプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSが形成されている。浅い低濃度不純物拡散領域EX2と深い高濃度不純物拡散領域PRによりソース領域が形成され、浅い低濃度不純物拡散領域EX2と深い高濃度不純物拡散領域PRによりドレイン領域が形成される。このようにして、pチャネル型MISFETQ2が形成されている。
続いて、nチャネル型MISFETやpチャネル型MISFET(両者をまとめてMISFETという)と接続する配線構造について説明する。MISFET上には、MISFETを覆うように窒化シリコン膜SNが形成されており、この窒化シリコン膜SN上に酸化シリコン膜からなるコンタクト層間絶縁膜CILが形成されている。このコンタクト層間絶縁膜CILには、コンタクト層間絶縁膜CILを貫通してMISFETのソース領域やドレイン領域を構成するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSに達するコンタクトホールCNTが形成されている。コンタクトホールCNTの内部には、バリア導体膜であるチタン/窒化チタン膜が形成され、コンタクトホールを埋め込むようにタングステン膜が形成されている。このように、コンタクトホールCNTにチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を埋め込むことにより、導電性のプラグPLGが形成されている。そして、コンタクト層間絶縁膜CIL上には、例えば、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1が形成されており、この層間絶縁膜IL1に配線溝が形成されている。この配線溝を埋め込むように配線L1が形成されている。配線L1は、例えば、タンタル/窒化タンタル膜と銅膜の積層膜から形成されており、コンタクト層間絶縁膜CILに形成されたプラグPLGと電気的に接続されるようになっている。以上のようにして、本実施の形態1における半導体装置(CMISFET)が構成されている。
ここで、本実施の形態1の特徴は、ゲート電極G1、G2や、深い高濃度不純物拡散領域NR、PRに形成されているプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの構成にある。具体的に、本実施の形態1におけるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSは、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であることを特徴としている。
例えば、シリサイド膜としてコバルトシリサイド膜よりも熱負荷に強いニッケルシリサイド膜が使用されているが、このニッケルシリサイド膜であっても、600℃程度の熱負荷で、ニッケルシリサイド膜の組成がNiSiからNiSiへと相転移し、これに伴って、結晶粒が凝集しラフネスが大きくなってしまうことが知られている。ところが、近年、プラチナを数%含有させたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを使用することで、ニッケルシリサイド膜の弱点を改善できることが明らかになってきている。つまり、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSでは、ニッケルシリサイド膜の相転移温度を上昇させることができ、かつ、凝集も抑制することができるのである。そこで、本実施の形態1における半導体装置においても、シリサイド膜としてプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを使用している。
しかし、現在の製造プロセスでは、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶粒径を小さく(例えば、50nm以下)制御することが困難という現状がある。特に、近年では、MISFETの微細化が進んでおり、MISFETのゲート電極の微細化も進んでいる。つまり、ゲート電極の微細化が進んでいるが、ゲート電極の表面に形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの粒径を、例えば、50nm以下にすることができれば、50nmの加工精度が要求される微細化されたゲート電極を精度良く加工することができる。言い換えれば、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの粒径が大きくなると、ゲート電極を微細加工することが困難になる。したがって、微細化されるゲート電極の加工精度を向上させるには、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの粒径を小さく形成することが必要となることがわかる。さらに、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの粒径が大きくなると、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの表面におけるラフネス(凹凸)が大きくなる。このことは、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを形成しているゲート電極、ソース領域(深い高濃度不純物拡散領域)やドレイン領域(深い高濃度不純物拡散領域)とプラグとの接触不良が起こりやすくなることを意味する。以上のことから、微細化された半導体デバイスの加工精度向上、および、半導体デバイス(MISFET)とプラグとの接続信頼性の向上の観点から、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの粒径を小さくすることが望まれていることがわかる。
そこで、本実施の形態1では、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの製造方法に工夫を施すことにより、粒径の小さなプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの製造を実現している。具体的に、本実施の形態1では、粒径が50nm以下のプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを形成することが可能となっている。これにより、例えば、半導体デバイス(MISFET)の加工寸法が50nm程度となる場合であっても、精度良く半導体デバイス(MISFET)を製造することができる。さらに、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSの粒径を50nm以下に小さくすることにより、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSのラフネスを小さくすることができ、半導体デバイス(MISFET)とプラグとの接続信頼性を向上することができる。
次に、本実施の形態1におけるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを実現可能な製造工程を含む半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
まず、図2に示すように、ホウ素(B)などのp型不純物を導入したシリコン単結晶よりなる半導体基板1Sを用意する。このとき、半導体基板1Sは、略円盤形状をした半導体ウェハの状態になっている。そして、半導体基板1SのCMISFET形成領域に素子間を分離する素子分離領域STIを形成する。素子分離領域STIは、素子が互いに干渉しないようにするために設けられる。この素子分離領域STIは、例えばLOCOS(local Oxidation of silicon)法やSTI(shallow trench isolation)法を用いて形成することができる。例えば、STI法では、以下のようにして素子分離領域を形成している。すなわち、半導体基板1Sにフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して素子分離溝を形成する。そして、素子分離溝を埋め込むように半導体基板1S上に酸化シリコン膜を形成し、その後、化学的機械的研磨法(CMP;chemical mechanical polishing)により、半導体基板1S上に形成された不要な酸化シリコン膜を除去する。これにより、素子分離溝内にだけ酸化シリコン膜を埋め込んだ素子分離領域STIを形成することができる。
次に、素子分離領域STIで分離された活性領域に不純物を導入してウェルを形成する。例えば、活性領域のうちnチャネル型MISFET形成領域には、p型ウェルPWLを形成し、pチャネル型MISFET形成領域には、n型ウェルNWLを形成する。p型ウェルPWLは、例えばホウ素などのp型不純物をイオン注入法により半導体基板に導入することで形成される。同様に、n型ウェルNWLは、例えばリン(P)や砒素(As)などのn型不純物をイオン注入法により半導体基板に導入することで形成される。
続いて、p型ウェルPWLの表面領域およびn型ウェルNWLの表面領域にチャネル形成用の半導体領域(図示せず)を形成する。このチャネル形成用の半導体領域は、チャネルを形成するしきい値電圧を調整するために形成される。
次に、図3に示すように、半導体基板1S上にゲート絶縁膜GOXを形成する。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。ただし、ゲート絶縁膜GOXは、酸化シリコン膜に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、ゲート絶縁膜GOXを酸窒化シリコン膜(SiON)としてもよい。すなわち、ゲート絶縁膜GOXと半導体基板1Sとの界面に窒素を偏析させる構造としてもよい。酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて膜中における界面準位の発生を抑制したり、電子トラップを低減する効果が高い。したがって、ゲート絶縁膜GOXのホットキャリア耐性を向上でき、絶縁耐性を向上させることができる。また、酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて不純物が貫通しにくい。このため、ゲート絶縁膜GOXに酸窒化シリコン膜を用いることにより、ゲート電極中の不純物が半導体基板1S側に拡散することに起因するしきい値電圧の変動を抑制することができる。酸窒化シリコン膜を形成するのは、例えば、半導体基板1SをNO、NOまたはNHといった窒素を含む雰囲気中で熱処理すればよい。また、半導体基板1Sの表面に酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜GOXを形成した後、窒素を含む雰囲気中で半導体基板1Sを熱処理し、ゲート絶縁膜GOXと半導体基板1Sとの界面に窒素を偏析させることによっても同様の効果を得ることができる。
また、ゲート絶縁膜GOXは、例えば酸化シリコン膜より誘電率の高い高誘電率膜から形成してもよい。従来、絶縁耐性が高い、シリコン−酸化シリコン界面の電気的・物性的安定性などが優れているとの観点から、ゲート絶縁膜GOXとして酸化シリコン膜が使用されている。しかし、素子の微細化に伴い、ゲート絶縁膜GOXの膜厚について、極薄化が要求されるようになってきている。このように薄い酸化シリコン膜をゲート絶縁膜GOXとして使用すると、MISFETのチャネルを流れる電子が酸化シリコン膜によって形成される障壁をトンネルしてゲート電極に流れる、いわゆるトンネル電流が発生してしまう。
そこで、酸化シリコン膜より誘電率の高い材料を使用することにより、容量が同じでも物理的膜厚を増加させることができる高誘電体膜が使用されるようになってきている。高誘電体膜によれば、容量を同じにしても物理的膜厚を増加させることができるので、リーク電流を低減することができる。
例えば、高誘電体膜として、ハフニウム酸化物の一つである酸化ハフニウム膜(HfO膜)が使用されるが、酸化ハフニウム膜に変えて、ハフニウムアルミネート膜、HfON膜(ハフニウムオキシナイトライド膜)、HfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)、HfSiON膜(ハフニウムシリコンオキシナイトライド膜)のような他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。さらに、これらのハフニウム系絶縁膜に酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化イットリウムなどの酸化物を導入したハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。ハフニウム系絶縁膜は、酸化ハフニウム膜と同様、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜より誘電率が高いので、酸化ハフニウム膜を用いた場合と同様の効果が得られる。
続いて、ゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PFを形成する。ポリシリコン膜PFは、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、nチャネル型MISFET形成領域に形成されているポリシリコン膜PF中にリンや砒素などのn型不純物を導入する。同様に、pチャネル型MISFET形成領域に形成されているポリシリコン膜PF中にホウ素などのp型不純物を導入する。
次に、図4に示すように、パターニングしたレジスト膜をマスクにしたエッチングによりポリシリコン膜PFを加工して、nチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G1を形成し、pチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G2を形成する。
ここで、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極G1には、ポリシリコン膜PF中にn型不純物が導入されている。このため、ゲート電極G1の仕事関数値をシリコンの伝導帯近傍(4.15eV)の値にすることができるので、nチャネル型MISFETのしきい値電圧を低減することができる。一方、pチャネル型MISFET形成領域のゲート電極G2には、ポリシリコン膜PF中にp型不純物が導入されている。このため、ゲート電極G2の仕事関数値をシリコンの価電子帯近傍(5.15eV)の値にすることができるので、pチャネル型MISFETのしきい値電圧を低減することができる。このように本実施の形態1では、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETの両方でしきい値電圧を低減することができる(デュアルゲート構造)。
続いて、図5に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、nチャネル型MISFETのゲート電極G1に整合した浅い低濃度不純物拡散領域EX1を形成する。浅い低濃度不純物拡散領域EX1は、n型半導体領域である。同様に、pチャネル型MISFET形成領域に浅い低濃度不純物拡散領域EX2を形成する。浅い低濃度不純物拡散領域EX2は、pチャネル型MISFETのゲート電極G2に整合して形成される。この浅い低濃度不純物拡散領域EX2は、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより形成することができる。
次に、図6に示すように、半導体基板1S上に酸化シリコン膜を形成する。酸化シリコン膜は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜を異方性エッチングすることにより、サイドウォールSWをゲート電極G1、G2の側壁に形成する。サイドウォールSWは、酸化シリコン膜の単層膜から形成するようにしたが、これに限らず、例えば、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜からなるサイドウォールSWを形成してもよい。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、nチャネル型MISFET形成領域にサイドウォールSWに整合した深い高濃度不純物拡散領域NRを形成する。深い高濃度不純物拡散領域NRは、n型半導体領域である。この深い高濃度不純物拡散領域NRと浅い低濃度不純物拡散領域EX1によってソース領域が形成される。同様に、深い高濃度不純物拡散領域NRと浅い低濃度不純物拡散領域EX1によってドレイン領域が形成される。このようにソース領域とドレイン領域を浅い低濃度不純物拡散領域EX1と深い高濃度不純物拡散領域NRで形成することにより、ソース領域およびドレイン領域をLDD(Lightly Doped Drain)構造とすることができる。
同様に、pチャネル型MISFET形成領域にサイドウォールSWに整合した深い高濃度不純物拡散領域PRを形成する。この深い高濃度不純物拡散領域PRと浅い低濃度不純物拡散領域EX2によってソース領域およびドレイン領域が形成される。したがって、pチャネル型MISFETにおいてもソース領域およびドレイン領域はLDD構造をしている。
このようにして、深い高濃度不純物拡散領域NRおよび深い高濃度不純物拡散領域PRを形成した後、1000℃程度の熱処理を行なう。これにより、導入した不純物の活性化が行なわれる。
次に、ゲート電極G1、G2の表面、および、深い高濃度不純物拡散領域NR,PRの表面にプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する。この工程は、本実施の形態1の特徴であり、以下に、この工程について図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施の形態1におけるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する工程の流れを示すフローチャートである。まず、ゲート電極を形成した半導体基板上にニッケルプラチナ合金膜を形成する(S101)。具体的には、プラチナを10%以下含有するニッケルプラチナ合金ターゲットを使用したスパッタリング法により、ゲート電極を形成した半導体基板上にニッケルプラチナ合金膜を形成する。このとき形成されるニッケルプラチナ合金膜の膜厚は、例えば、20nmである。
本実施の形態1では、ニッケルプラチナ合金ターゲットを使用する例について説明しているが、別々のニッケルターゲットとプラチナターゲートを使用したスパッタリング法を使用してもよい。本実施の形態1のように、ニッケルプラチナ合金ターゲットを使用する場合は、コスト低減を図ることができる。一方、ニッケルターゲットとプラチナターゲットを使用する場合には、形成するニッケルプラチナ合金膜の組成調整を容易に行うことができる。なお、本実施の形態1では、プラチナを10%以下含有するニッケルプラチナ合金ターゲットを使用しているが、これに限らず、ニッケルプラチナ合金ターゲット中のプラチナの含有率が10%でなくてもよい。また、本実施の形態1では、スパッタリング法によってニッケルプラチナ合金膜を形成しているが、これに限らず、他の成膜法を使用してもよい。
続いて、第1加熱処理を半導体基板に施すことにより、ニッケルプラチナ合金膜とシリコン(ゲート電極や深い高濃度不純物拡散領域)を反応させて、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する(S102)。このとき、第1加熱処理において、加熱温度は250℃〜270℃であり、加熱時間は30秒未満である。そして、第1加熱処理の雰囲気は、例えば、窒素100%である。この第1加熱処理によって、シリコンからなるゲート電極および深い高濃度不純物拡散領域の表面に、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。このような第1加熱処理を実施した後は、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜と、シリコンと反応せずに残っている未反応のニッケルプラチナ合金膜が共存する。
このため、第1加熱処理を実施した後、未反応のニッケルプラチナ合金膜を除去する(S103)。具体的に、未反応のニッケルプラチナ合金膜は、硫酸と過酸化水素水を1:1で混合した溶液に1分間浸すことにより除去される。このようにして、未反応のニッケルプラチナ合金膜が除去されて、第1加熱処理で形成されたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が残存する。
次に、第2加熱処理を半導体基板に施すことにより、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する(S104)。ここで形成されるNiPtSi(0<x≦0.1)の組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜の膜厚は、例えば、10nmである。このとき、第2加熱処理において、加熱温度は450℃〜600℃である。そして、第2加熱処理の雰囲気は、例えば、窒素100%である。この第2加熱処理によって、図8に示すように、シリコンからなるゲート電極G1、G2および深い高濃度不純物拡散領域NR、PRの表面に、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。
以上のシリサイド工程が本実施の形態1の特徴であり、この工程により、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを形成することができる。
次に、配線工程について図1を参照しながら説明する。図1に示すように、半導体基板1Sの主面上に窒化シリコン膜SNを形成し、この窒化シリコン膜SN上にコンタクト層間絶縁膜CILを形成する。このコンタクト層間絶縁膜CILは、例えば、酸化シリコン膜から形成される。その後、コンタクト層間絶縁膜CILの表面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用して平坦化する。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、コンタクト層間絶縁膜CILにコンタクトホールCNTを形成する。例えば、図1では、nチャネル型MISFETのソース領域とドレイン領域、および、pチャネル型MISFETのソース領域とドレイン領域に接続するコンタクトホールCNTが図示されている。なお、図1では、図示されていないが、ゲート電極G1やゲート電極G2にもコンタクトホールCNTが接続される。
その後、コンタクトホールCNTの底面および内壁を含む層間絶縁膜上にチタン/窒化チタン膜を形成する。チタン/窒化チタン膜は、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜は、例えば、後の工程で埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆるバリア性を有する。
そして、コンタクトホールCNTを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜を形成する。このタングステン膜は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、コンタクト層間絶縁膜CIL上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を例えばCMP法を除去することにより、プラグPLGを形成することができる。
次に、図1に示すように、プラグPLGを形成したコンタクト層間絶縁膜CIL上に層間絶縁膜IL1を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜IL1に溝を形成する。その後、溝内を含む層間絶縁膜IL1上にタンタル/窒化タンタル膜を形成する。このタンタル/窒化タンタル膜は、例えば、スパッタリング法により形成することができる。続いて、タンタル/窒化タンタル膜上に薄い銅膜よりなるシード膜を、例えば、スパッタリング法で形成した後、このシード膜を電極とする電解めっき法により、溝を形成した層間絶縁膜IL1上に銅膜を形成する。その後、溝の内部以外の層間絶縁膜IL1上に露出している銅膜を、例えば、CMP法で研磨して除去することにより、層間絶縁膜IL1に形成された溝内にだけ銅膜を残す。これにより、配線L1を形成することができる。さらに、配線L1の上層に配線を形成するが、ここでの説明は省略する。このようにして、最終的に本実施の形態1における半導体装置を形成することができる。
なお、本実施の形態1では、銅膜よりなる配線L1を形成する例について説明したが、例えば、アルミニウム膜よりなる配線L1を形成してもよい。この場合は、コンタクト層間絶縁膜CILおよびプラグPLG上にチタン/窒化チタン膜、アルミニウム膜、チタン/窒化チタン膜を順次、形成する。これらの膜は、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの膜のパターニングを行い、配線L1を形成する。これにより、アルミニウム膜よりなる配線L1を形成することができる。
本実施の形態1における半導体装置の製造方法によれば、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを形成することができるが、以下に、このメカニズムについて比較例と対比しながら説明する。
まず、プラチナ含有ニッケルシリサイドの一般的な性質について説明する。図9は、プラチナ含有ニッケルシリサイドの相転移を示す図である。図9に示すように、低温領域において、プラチナ含有ニッケルシリサイドの組成は、NiPtSiである。そして、温度が上昇すると、プラチナ含有ニッケルシリサイドは相転移して、NiPtSiの組成になる。さらに、高温領域になると、プラチナ含有ニッケルシリサイドは相転移して、NiPtSiの組成になる。つまり、プラチナ含有ニッケルシリサイドは、低温領域から高温領域になるにつれて2度の相転移を繰り返し、NiPtSi→NiPtSi→NiPtSiの組成に変化する。このとき、NiPtSiとNiPtSiは、比較的高抵抗となる性質を有するのに対し、NiPtSiは比較的低抵抗となる性質を有している。したがって、ゲート電極、ソース領域およびドレイン領域の低抵抗化を図るために形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、低抵抗のNiPtSiの組成からなることが望ましい。そこで、通常、半導体装置の製造方法におけるシリサイド工程は、低抵抗のNiPtSiの組成からなるプラチナ含有ニッケルシリサイドが形成されるように実施される。
上述したことを前提として、比較例におけるシリサイド工程について説明する。図10は、比較例において、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する工程を説明するための模式図である。まず、図10(a)に示すように、シリコン(Si)上にニッケルプラチナ合金膜(NiPt)を形成する。このニッケルプラチナ合金膜(NiPt)は、アモルファスの状態となっている。この状態で、第1加熱処理を実施する。比較例における第1加熱処理は、例えば、加熱温度が350℃で、かつ、加熱時間が100秒程度で実施される。この比較例における第1加熱処理を実施すると、図10(b)に示すように、ニッケルプラチナ合金膜(NiPt)とシリコン(Si)が反応して、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。具体的に、このとき形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、NiPtSiの組成を有している。つまり、図10(b)に示すように、比較例における第1加熱処理が実施されると、NiPtSiの組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。このプラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、結晶粒径が50nm〜60nmの大きさのNiPtSiから形成される。すなわち、比較例における第1加熱処理によって形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、NiPtSiの組成を有し、かつ、50nm〜60nmという大きな結晶粒径を有している。
その後、第2加熱処理を実施すると、図10(c)に示すように、NiPtSiの組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。具体的に、第2加熱処理は、例えば、加熱温度が550℃で、かつ、加熱時間が50秒程度で実施される。この比較例における第2加熱処理を実施すると、50nm〜60nm程度の結晶粒径を有するNiPtSiが相転移とともに凝集して、結晶粒径が数百nm〜数μm程度であるNiPtSiが形成される。このとき、50nm〜60nm程度の粒径を有するNiPtSiが凝集して、数百nm〜数μm程度の結晶粒径を有するNiPtSiが形成されるので、この形成過程で、図10(c)に示すように隣接するNiPtSiの間に隙間が生じる。以上のように説明した比較例においては、NiPtSiの組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成されるが、比較例では次に示すような問題点が発生する。
まず、第1に、比較例で最終的に形成されるNiPtSiの結晶粒径が数百nm〜数μmと大きくなることが挙げられる。このため、例えば、半導体デバイス(MISFET)が微細化されて、例えば、50nm程度の加工精度が要求される場合に、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶粒径が数百nm〜数μmとなるため、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶粒径よりも小さな加工精度を確保することが困難となる。
第2に、図10(c)に示すように、比較例では、大結晶となる複数のNiPtSiの間に隙間が生じるため、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の抵抗が増大するとともに、この隙間が大きくなると断線に至るおそれが生じる。
第3に、比較例では、大結晶となる複数のNiPtSiの間に隙間が生じるため、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の表面平坦性(ラフネス)が粗くなり、この結果、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜とプラグとの接続信頼性が悪化する。以上のように、比較例におけるシリサイド工程では様々な問題点が発生することがわかる。
続いて、本実施の形態1におけるシリサイド工程について説明する。図11は、本実施の形態1において、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する工程を説明するための模式図である。まず、図11(a)に示すように、シリコン(Si)上にニッケルプラチナ合金膜(NiPt)を形成する。このニッケルプラチナ合金膜(NiPt)は、アモルファスの状態となっている。この状態で、第1加熱処理を実施する。本実施の形態1における第1加熱処理は、例えば、加熱温度が250〜270℃で、かつ、加熱時間が30秒未満で実施される。この本実施の形態1における第1加熱処理を実施すると、図11(b)に示すように、ニッケルプラチナ合金膜(NiPt)とシリコン(Si)が反応して、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。具体的に、このとき形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、アモルファス状態のプラチナ含有ニッケルシリサイド(NiPtSi(A))と、NiPtSiの組成を有する微結晶が混在したものとなっている。つまり、図11(b)に示すように、本実施の形態1における第1加熱処理が実施されると、NiPtSiの組成を有する微結晶がアモルファス状態のプラチナ含有ニッケルシリサイドの中に点在するようにプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。このNiPtSiの組成を有する微結晶は、結晶粒径が10nm以下となっている。すなわち、本実施の形態1における第1加熱処理によって形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、アモルファスとNiPtSiの組成を有する微結晶が混在した状態で形成され、かつ、NiPtSiの組成を有する微結晶の粒径が10nm以下で形成される。
その後、本実施の形態1における第2加熱処理を実施すると、図11(c)に示すように、NiPtSiの組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。具体的に、第2加熱処理は、例えば、加熱温度が450℃〜600℃で、かつ、加熱時間が50秒程度で実施される。この本実施の形態1における第2加熱処理を実施すると、10nm以下の結晶粒径を有するNiPtSi(微結晶)が相転移とともに成長して、結晶粒径が50nm以下であるNiPtSiが形成される。このとき、本実施の形態1では、第2加熱処理を実施する前に多数のNiPtSi(粒径10nm以下の微結晶)が形成されており、これらの多数のNiPtSi(粒径10nm以下の微結晶)が成長して、隙間なく50nm以下であるNiPtSiが形成される。
ここで、第2加熱処理の温度を450℃〜600℃としているのは以下に示す理由による。つまり、第2加熱処理の温度が450℃よりも低くなると、NiPtSiの組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が成長しないからである。一方、第2加熱処理の温度を600℃よりも高くすると、高抵抗なNiPtSiの組成を有する結晶相へ相転移してしまうからである。
以上のようにして、本実施の形態1においては、最終的に結晶粒径が50nm以下のNiPtSiから構成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成されるので、以下に示す利点を有している。
第1の利点は、本実施の形態1で最終的に形成されるNiPtSiの結晶粒径を50nm以下に小さくすることができることが挙げられる。このため、例えば、半導体デバイス(MISFET)が微細化されて、例えば、50nm程度の加工精度が要求される場合であっても、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶粒径が50nm程度となるため、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶粒径と同程度の加工精度を確保することができる。
第2の利点は、図11(c)に示すように、複数のNiPtSiの間に隙間が生じることなく緻密にNiPtSiを形成することができる点にある。これより、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の抵抗増加および断線を抑制することができる。
第3の利点は、最終的に形成される複数のNiPtSiの間に隙間が生じないため、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜のラフネスを小さくすることができる点にある。この結果、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜とプラグとの接続信頼性を向上させることができる。以上のように、本実施の形態1におけるシリサイド工程では、比較例には存在しない様々な利点を有していることがわかる。
本実施の形態1の特徴は、第1加熱処理の条件にある。具体的に、本実施の形態1では、第1加熱処理の加熱温度を250℃〜270℃にし、第1加熱処理の加熱時間を30秒未満としている。これにより、第1加熱処理を実施した後、アモルファスと結晶粒径が10nm以下のNiPtSiを混在させたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成することができる。つまり、本実施の形態1の特徴は、第1加熱処理の条件を調整することにより、第1加熱処理を実施した後の段階で、結晶粒径が10nm以下のNiPtSi(微結晶)を形成する点にある。これにより、第1加熱処理後に第2加熱処理を実施すると、NiPtSiが相転移および成長してNiPtSiが形成されるが、このとき形成されるNiPtSiの結晶粒径を50nm以下に小さくすることができるのである。すなわち、本実施の形態1では、第1加熱処理で形成されるNiPtSiの結晶粒径を10nm以下とすることができるので、第2加熱処理によって結晶が成長しても、その成長したNiPtSiの結晶粒径を50nm以下にすることができるのである。
これに対し、比較例では、第1加熱処理の加熱温度を350℃にし、かつ、加熱時間を100秒程度にしている。したがって、比較例における第1加熱処理を実施すると、既に、50nm〜60nm程度の結晶粒径を有するNiPtSiが形成されてしまう。そして、第1加熱処理を実施した後、さらに、第2加熱処理を実施すると、50nm〜60nm程度の粒径を有するNiPtSiが凝集して、数百nm〜数μm程度の結晶粒径を有するNiPtSiが形成されてしまうのである。
このように本実施の形態1と比較例とを対比すると第1加熱処理の条件が異なることに起因して、第1加熱処理後に形成されるNiPtSiの結晶粒径に大きな差が生じていることがわかる。つまり、本実施の形態1における技術的思想は、第1加熱処理後に形成されるNiPtSiの結晶粒径を小さくすることができれば、最終的に形成されるNiPtSiの結晶粒径を小さくできるのではないかという着想に基づいてなされたものである。そして、この着想を具現化するために、本発明者は、第1加熱処理の加熱温度を250℃〜270℃とし、かつ、加熱時間を30秒未満とすることにより、結晶粒径が10nm以下のNiPtSi(微結晶)を形成できることを見出したのである。
ここで、加熱温度を250℃〜270℃としている理由は以下に示すようなものである。すなわち、250℃よりも温度が低くなると、ニッケルプラチナ合金とシリコンとの間でシリサイド反応が生じないため、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成されなくなる。一方、270℃以上よりも温度が高くなると、結晶粒径が10nm以下のNiPtSi(微結晶)を形成することができなくなるからである。また、第1加熱処理の加熱時間を30秒未満としている理由は、加熱時間が長くなると微結晶が成長し、かつ、相転移を起こして消滅してしまうからである。なお、第1加熱処理の雰囲気としては、100%の窒素ガスから構成される場合に限らず、その他の不活性雰囲気を使用することもできる。
続いて、本実施の形態1における半導体装置の製造方法で形成されたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶構造を解析した結果について説明する。
図12は、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶構造をX線回折法で解析した結果を示す図である。図12において、縦軸はX線回折信号強度(任意単位)を示しており、横軸は角度(°)を示している。図12に示すX線回折法は、スプリング8のBL16XUという装置を使用し、かつ、8.57KeVのエネルギーを持つX線を使用して測定している。図12は、第1加熱処理を実施した後第2加熱処理前に形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶構造を解析したものである。ここで、第1加熱処理の条件は、加熱温度が260℃、雰囲気が窒素100%、および、加熱時間は、2秒、7.5秒、30秒、75秒である。すなわち、図12に示す曲線(a)〜(d)は、加熱時間が2秒、7.5秒、30秒、75秒であるものに対応する。具体的に、曲線(a)は、加熱時間が2秒のものに対応し、曲線(b)は、加熱時間が7.5秒のものに対応している。さらに、曲線(c)は、加熱時間が30秒のものに対応し、曲線(d)は、加熱時間が75秒のものに対応している。
図12からわかるように、曲線(a)と曲線(b)は、角度40°〜45°の範囲において、ピークに相当するものが見られないが、曲線(c)と曲線(d)には、角度40°〜45°の範囲において、ピークが形成されていることがわかる。この図12で角度40°〜45°の範囲に表れるピークは、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜内に形成されている結晶相の結晶粒径に対応するものである。つまり、図12の角度40°〜45°に表れるピークの幅から結晶粒径が算出される。つまり、このピーク幅が小さくなればなるほど、結晶粒径は大きくなり、ピーク幅が大きいほど結晶粒径の小さな結晶相が存在し、また、ピークが形成されない場合には、さらに、結晶粒径が小さくなることを意味している。したがって、定性的に、曲線(a)と曲線(b)はピークが形成されていないことから、結晶粒径が小さいことがわかり、曲線(c)と曲線(d)はピークが形成されていることから、結晶粒径がある程度の大きさを有していることがわかる。
なお、角度40°〜45°の範囲に表れるX線回折信号強度は、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜内の結晶相に対応するものであり、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜内のアモルファスに対するX線回折信号強度は、別の角度(例えば、角度10°〜角度20°)に表れる。したがって、図12に示す曲線(a)と曲線(b)において、角度40°〜45°の範囲でわずかな盛り上がりが存在することは、曲線(a)と曲線(b)に対応して、微細な結晶粒径を有する結晶相が存在することを示しているといえる。
図13は、図12のピークを解析して結晶相と結晶粒径を算出した表である。結晶相は、ピークの生じる角度から求め、結晶粒径は、ピークの半値幅からシェラーの式を用いて算出している。図13に示すように、加熱時間が30秒(曲線(c))の場合と、加熱時間が75秒(曲線(d))の場合、結晶粒径が50nm〜62nm程度であり、かつ、NiPtSiの組成を有する結晶が形成されていることがわかる。一方、加熱時間が2秒(曲線(a))の場合と、加熱時間が7.5秒(曲線(b))の場合は、結晶粒径が10nm以下のNiPtSiの組成を有する微結晶が形成されていることがわかる。したがって、本実施の形態1のシリサイド工程のように、第1加熱処理の加熱温度を250℃〜270℃にし、第1加熱処理の加熱時間を30秒未満とすれば、結晶粒径が10nm以下のNiPtSiの組成を有する微結晶を形成することができることがわかる。言い換えれば、第1加熱処理の加熱温度を250℃〜270℃にしても、加熱時間が30秒以上になる場合には、結晶粒径が10nm以下のNiPtSiの組成を有する微結晶が形成されないことがわかる。つまり、結晶粒径が10nm以下のNiPtSiの組成を有する微結晶を形成するには、加熱温度と加熱時間の両方を規定する必要があることがわかる。
次に、最終的に形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜の構造をAFM(Atomic Force Microscope)を使用して評価した結果について説明する。図14(a)〜(d)は、第1加熱処理の加熱時間を変えたものについてAFMで評価した結果を示す図である。図14(a)は、第1加熱処理と第2加熱処理を実施した最終的なプラチナ含有ニッケルシリサイド膜に対応している。具体的に、第1加熱処理の加熱温度を260℃にし、かつ、加熱時間が2秒であり、第2加熱処理の加熱温度は500℃としている。また、図14(b)は、第1加熱処理と第2加熱処理を実施した最終的なプラチナ含有ニッケルシリサイド膜に対応している。具体的に、第1加熱処理の加熱温度を260℃にし、かつ、加熱時間が7.5秒であり、第2加熱処理の加熱温度は500℃としている。同様に、図14(c)は、第1加熱処理と第2加熱処理を実施した最終的なプラチナ含有ニッケルシリサイド膜に対応している。具体的に、第1加熱処理の加熱温度を260℃にし、かつ、加熱時間が30秒であり、第2加熱処理の加熱温度は500℃としている。また、図14(d)は、第1加熱処理と第2加熱処理を実施した最終的なプラチナ含有ニッケルシリサイド膜に対応している。具体的に、第1加熱処理の加熱温度を260℃にし、かつ、加熱時間が75秒であり、第2加熱処理の加熱温度は500℃としている。
図14において、測定領域は、500nm角の領域である。図14(a)〜(d)に示す白黒のコントラストは、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜(試料)の表面のラフネスに対応しており、白色領域は凸部に対応し、黒色領域は凹部に対応している。図14(a)、(b)では、ラフネスが小さく、表面の凹凸差が1nm以下であるのに対し、図14(c)、(d)では、ラフネスが大きく、表面の凹凸差が10nm以上である。このことは、図14(c)や図14(d)では、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜が存在しない隙間領域が存在していることを意味している。したがって、第1加熱処理の加熱時間を2秒や7.5秒(30秒未満)とする場合では、最終的に形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜の表面のラフネスを小さくすることができることがわかる。このことから、本実施の形態1における第1加熱処理の条件を満たす範囲内では、複数のNiPtSiの間に隙間が生じることなく緻密にNiPtSiを形成することができることがわかる。これより、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜の抵抗増加および断線を抑制することができる。さらに、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜のラフネスを小さくすることができるので、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜とプラグとの接続信頼性を向上させることができる。
続いて、最終的に形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜のシート抵抗を、第1加熱処理の加熱時間を変えて測定した結果について説明する。図15は、第1加熱処理の加熱時間を変えた場合において、最終的に形成されるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜のシート抵抗を示す表である。図15において、第1加熱処理の加熱温度は260℃であり、第2加熱処理の加熱温度は500℃としている。
図15に示すように、第1加熱処理の加熱時間が2秒や7.5秒の場合、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜のシート抵抗は10Ω/□程度である。これに対し、第1加熱処理の加熱温度が30秒や75秒の場合、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜のシート抵抗は15Ω/□程度に増加していることがわかる。
この傾向は、以下のように説明される。第1加熱処理の加熱時間が30秒未満の場合、図11(b)に示すように、第1加熱処理を実施した後、結晶粒径が10nm以下の微結晶が多数存在する。この状態で、第2加熱処理を実施すると、図11(c)に示すように、これらの微結晶を種として多数の粒径が50nm以下の結晶が成長する。一方、第1加熱処理の加熱時間が30秒以上となる場合、図10(b)に示すように、第1加熱処理を実施した後には、微結晶は存在せず、粒径が50nm〜60nm以上の大きな結晶粒径を有する結晶が存在する。この状態で、第2加熱処理を実施すると、図10(c)のように大きな結晶粒径を有する結晶は成長の核となり、粒径が数百nm〜数um以上のより大きな大結晶へと成長する。以上のことから、第1加熱処理の加熱時間が30秒未満の場合は、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜のラフネスが1nm以下という小さな値となり、シート抵抗も10Ω/□程度となる。これに対し、第1加熱処理の加熱時間が30秒以上となる場合は、結晶が大きいため、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜のラフネスが大きくなり、かつ、大結晶間に隙間(プラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成されない領域)が存在するために、シート抵抗も15Ω/□程度に大きくなると考えられる。
本実施の形態1の最後に特許文献3に記載された技術と、本実施の形態1に記載された技術的思想とを対比する。特許文献3に記載された技術と、本実施の形態1に記載された技術的思想は、ともに、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜を第1加熱処理と第2加熱処理によって形成している点で共通する。一方、特許文献3と本実施の形態3の主な相違点は、第1加熱処理の温度範囲である。具体的に、特許文献3では、第1加熱処理を、加熱温度が200℃〜350℃で、かつ、加熱時間が30秒〜120秒で実施している。これに対し、本実施の形態1では、第1加熱処理を、加熱温度が250℃〜270℃で、かつ、第1加熱処理の加熱時間を30秒未満とする条件で実施している。
特許文献3に記載された技術の条件で第1加熱処理を実施する場合を考える。この場合、第1加熱処理の加熱温度が200℃〜350℃であるため、図10で説明した比較例の場合を包含していることになる。このため、特許文献3に記載された技術では、比較例で説明した場合と同様に第1加熱処理を実施すると、既に、50nm〜60nm程度の結晶粒径を有するNiPtSiが形成されてしまう。そして、第1加熱処理を実施した後、さらに、第2加熱処理を実施すると、50nm〜60nm程度の粒径を有するNiPtSiが凝集して、数百nm〜数μm程度の結晶粒径を有するNiPtSiが形成されてしまう場合も包含している。したがって、特許文献3に記載された技術で第1加熱処理を実施すると、比較例と同様に第2加熱処理を実施した後の最終的なプラチナ含有ニッケルシリサイド膜の結晶が大きくなる場合を包含している。この結果、特許文献3に記載された技術では、(1)微細加工の精度を確保することが困難となること、(2)大結晶の間に隙間が生じシート抵抗が大きくなること、(3)大結晶の間に隙間が生じることによるラフネスの増大という問題点が生じる場合を含んでいる。すなわち、特許文献3に記載された技術では、本実施の形態1のように、微細加工の精度向上や、シート抵抗の抑制、および、ラフネスの抑制という顕著な効果を常に奏する技術ではなく、再現性の乏しい技術ということができる。
これは、特許文献3に記載された技術が、第1加熱処理でNiPtSiを形成するだけの観点から第1加熱処理の温度範囲を決定しているからであり、この温度範囲(200℃〜350℃)内でNiPtSiの結晶粒径が変化することを認識していないからである。つまり、特許文献3に記載された技術には、温度によってNiPtSiの結晶粒径が変化することを認識しておらず、さらに、第1加熱処理で形成されるNiPtSiの粒径を小さくすることにより、第2加熱処理後に形成されるNiPtSiの粒径を小さくすることができることについて記載も示唆もされていない。
本実施の形態1における技術的思想は、第1加熱処理でNiPtSiを形成するだけの観点から第1加熱処理の温度範囲を決定しているのではなく、温度によって、NiPtSiの粒径が変化することに着目している。そして、この着目点に基づいて、第1加熱処理の加熱温度を250℃〜270℃にし、第1加熱処理の加熱時間を30秒未満とすることで、第1加熱処理を実施した後、アモルファスと結晶粒径が10nm以下のNiPtSiを混在させたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成することができることを見出している。つまり、本実施の形態1の特徴は、第1加熱処理の条件を調整することにより、第1加熱処理を実施した後の段階で、結晶粒径が10nm以下のNiPtSi(微結晶)を形成することを想到しているのである。これにより、第1加熱処理後に第2加熱処理を実施すると、NiPtSiが相転移および成長してNiPtSiが形成されるが、このとき形成されるNiPtSiの結晶粒径を50nm以下に小さくすることができるのである。すなわち、本実施の形態1では、第1加熱処理で形成されるNiPtSiの結晶粒径を10nm以下とすることができるので、第2加熱処理によって結晶が成長しても、その成長したNiPtSiの結晶粒径を50nm以下にすることができるのである。この結果、本実施の形態1のように、微細加工の精度向上や、シート抵抗の抑制、および、ラフネスの抑制という顕著な効果を再現性よく実現することができるのである。
以上のことから、特許文献3に記載された技術には、第1加熱温度の温度範囲(200℃〜350℃)から、さらに、本実施の形態1における温度範囲(250℃〜270℃)に限定する技術的意義を見出すことができず、この結果、特許文献3の温度範囲を限定して、本実施の形態1における温度範囲とすれば、微細加工の精度向上や、シート抵抗の抑制、および、ラフネスの抑制という顕著な効果を再現性よく実現することができる動機付けとなる記載や示唆もない。したがって、当業者といえども、特許文献3に記載された技術から本実施の形態1における技術的思想を容易に想到することは困難であると考えられる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、ゲート電極G1、G2の表面にプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを形成する例について説明したが、本実施の形態2では、ゲート電極G1、G2のすべてをプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSから形成する例について説明する。
図16は、本実施の形態2におけるCMISFET(半導体装置)の構成を示す断面図である。図16に示すCMISFETは、図1に示すCMISFETとほぼ同様な構成をしているため、異なる構成について説明する。
本実施の形態2におけるCMISFETと前記実施の形態1におけるCMISFETとの相違点は、前記実施の形態1では、ゲート電極G1、G2の表面にプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを形成していたが、本実施の形態2では、ゲート電極G1、G2のすべてをプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSから形成している点にある。
これにより、本実施の形態2によれば、ゲート電極G1およびゲート電極G2をプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSからなるフルシリサイド電極とすることができる。これにより、ゲート電極G1、G2に高抵抗のポリシリコン膜が存在せず、低抵抗なプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSだけから構成することができるので、ゲート電極G1、G2のさらなる低抵抗化を図ることができる。また、フルシリサイド電極では、ポリシリコン膜に発生する空乏化も存在しないので、CMISFETの性能向上も図ることができる。
ここで、本実施の形態2でも、ゲート電極G1、G2や、深い高濃度不純物拡散領域NR、PRに形成されているプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを以下のように構成している。すなわち、本実施の形態2におけるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSは、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であることを特徴としている。これにより、前記実施の形態1でも説明したように、微細加工の精度向上や、シート抵抗の抑制、および、ラフネスの抑制という顕著な効果を再現性よく実現することができる。
本実施の形態2における半導体装置は上記のように構成されており、以下に、その製造方法について図面を参照しながら説明する。
まず、図17に示すように、ホウ素(B)などのp型不純物を導入したシリコン単結晶よりなる半導体基板1Sを用意する。このとき、半導体基板1Sは、略円盤形状をした半導体ウェハの状態になっている。そして、半導体基板1SのCMISFET形成領域に素子間を分離する素子分離領域STIを形成する。
次に、素子分離領域STIで分離された活性領域に不純物を導入してウェルを形成する。例えば、活性領域のうちnチャネル型MISFET形成領域には、p型ウェルPWLを形成し、pチャネル型MISFET形成領域には、n型ウェルNWLを形成する。p型ウェルPWLは、例えばホウ素などのp型不純物をイオン注入法により半導体基板に導入することで形成される。同様に、n型ウェルNWLは、例えばリン(P)や砒素(As)などのn型不純物をイオン注入法により半導体基板に導入することで形成される。
続いて、p型ウェルPWLの表面領域およびn型ウェルNWLの表面領域にチャネル形成用の半導体領域(図示せず)を形成する。このチャネル形成用の半導体領域は、チャネルを形成するしきい値電圧を調整するために形成される。
次に、図18に示すように、半導体基板1S上にゲート絶縁膜GOXを形成する。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。ただし、ゲート絶縁膜GOXは、酸化シリコン膜に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、ゲート絶縁膜GOXを酸窒化シリコン膜(SiON)や酸化シリコン膜よりも誘電率の高い高誘電率膜としてもよい。
続いて、ゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PFを形成する。ポリシリコン膜PFは、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、nチャネル型MISFET形成領域に形成されているポリシリコン膜PF中にリンや砒素などのn型不純物を導入する。同様に、pチャネル型MISFET形成領域に形成されているポリシリコン膜PF中にホウ素などのp型不純物を導入する。
次に、図19に示すように、パターニングしたレジスト膜をマスクにしたエッチングによりポリシリコン膜PFを加工して、nチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G1を形成し、pチャネル型MISFET形成領域にゲート電極G2を形成する。
続いて、図20に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、nチャネル型MISFETのゲート電極G1に整合した浅い低濃度不純物拡散領域EX1を形成する。浅い低濃度不純物拡散領域EX1は、n型半導体領域である。同様に、pチャネル型MISFET形成領域に浅い低濃度不純物拡散領域EX2を形成する。浅い低濃度不純物拡散領域EX2は、pチャネル型MISFETのゲート電極G2に整合して形成される。この浅い低濃度不純物拡散領域EX2は、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより形成することができる。
次に、図21に示すように、半導体基板1S上に酸化シリコン膜を形成する。酸化シリコン膜は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜を異方性エッチングすることにより、サイドウォールSWをゲート電極G1、G2の側壁に形成する。サイドウォールSWは、酸化シリコン膜の単層膜から形成するようにしたが、これに限らず、例えば、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜からなるサイドウォールSWを形成してもよい。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、nチャネル型MISFET形成領域にサイドウォールSWに整合した深い高濃度不純物拡散領域NRを形成する。深い高濃度不純物拡散領域NRは、n型半導体領域である。この深い高濃度不純物拡散領域NRと浅い低濃度不純物拡散領域EX1によってソース領域が形成される。同様に、深い高濃度不純物拡散領域NRと浅い低濃度不純物拡散領域EX1によってドレイン領域が形成される。このようにソース領域とドレイン領域を浅い低濃度不純物拡散領域EX1と深い高濃度不純物拡散領域NRで形成することにより、ソース領域およびドレイン領域をLDD(Lightly Doped Drain)構造とすることができる。
同様に、pチャネル型MISFET形成領域にサイドウォールSWに整合した深い高濃度不純物拡散領域PRを形成する。この深い高濃度不純物拡散領域PRと浅い低濃度不純物拡散領域EX2によってソース領域およびドレイン領域が形成される。したがって、pチャネル型MISFETにおいてもソース領域およびドレイン領域はLDD構造をしている。
このようにして、深い高濃度不純物拡散領域NRおよび深い高濃度不純物拡散領域PRを形成した後、1000℃程度の熱処理を行なう。これにより、導入した不純物の活性化が行なわれる。
次に、ゲート電極G1、G2のすべて、および、深い高濃度不純物拡散領域NR,PRの表面にプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する。この工程は、本実施の形態2の特徴であり、以下に、この工程について図22を参照しながら説明する。
図22は、本実施の形態2におけるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する工程の流れを示すフローチャートである。まず、ゲート電極を形成した半導体基板上にニッケルプラチナ合金膜を形成する(S201)。具体的には、プラチナを10%以下含有するニッケルプラチナ合金ターゲットを使用したスパッタリング法により、ゲート電極を形成した半導体基板上にニッケルプラチナ合金膜を形成する。このとき形成されるニッケルプラチナ合金膜の膜厚は、例えば、20nmである。
本実施の形態2では、ニッケルプラチナ合金ターゲットを使用する例について説明しているが、別々のニッケルターゲットとプラチナターゲートを使用したスパッタリング法を使用してもよい。本実施の形態1のように、ニッケルプラチナ合金ターゲットを使用する場合は、コスト低減を図ることができる。一方、ニッケルターゲットとプラチナターゲットを使用する場合には、形成するニッケルプラチナ合金膜の組成調整を容易に行うことができる。なお、本実施の形態2では、プラチナを10%以下含有するニッケルプラチナ合金ターゲットを使用しているが、これに限らず、ニッケルプラチナ合金ターゲット中のプラチナの含有率が10%でなくてもよい。また、本実施の形態2では、スパッタリング法によってニッケルプラチナ合金膜を形成しているが、これに限らず、他の成膜法を使用してもよい。
続いて、第1加熱処理を半導体基板に施すことにより、ニッケルプラチナ合金膜とシリコン(ゲート電極や深い高濃度不純物拡散領域)を反応させて、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する(S202)。このとき、第1加熱処理において、加熱温度は250℃〜270℃であり、加熱時間は30秒未満である。そして、第1加熱処理の雰囲気は、例えば、窒素100%である。この第1加熱処理によって、シリコンからなるゲート電極の全体および深い高濃度不純物拡散領域の表面に、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。このような第1加熱処理を実施した後は、プラチナ含有ニッケルシリサイド膜と、シリコンと反応せずに残っている未反応のニッケルプラチナ合金膜が共存する。
このため、第1加熱処理を実施した後、未反応のニッケルプラチナ合金膜を除去する(S203)。具体的に、未反応のニッケルプラチナ合金膜は、硫酸と過酸化水素水を1:1で混合した溶液に1分間浸すことにより除去される。このようにして、未反応のニッケルプラチナ合金膜が除去されて、第1加熱処理で形成されたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が残存する。
次に、第2加熱処理を半導体基板に施すことにより、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成する(S204)。ここで形成されるNiPtSi(0<x≦0.1)の組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜の膜厚は、例えば、10nmである。このとき、第2加熱処理において、加熱温度は450℃〜600℃である。そして、第2加熱処理の雰囲気は、例えば、窒素100%である。この第2加熱処理によって、図23に示すように、シリコンからなるゲート電極G1、G2の全体および深い高濃度不純物拡散領域NR、PRの表面に、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成を有するプラチナ含有ニッケルシリサイド膜が形成される。
以上のシリサイド工程が本実施の形態2の特徴であり、この工程により、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であるプラチナ含有ニッケルシリサイド膜CSを形成することができる。
次に、配線工程について図16を参照しながら説明する。図16に示すように、半導体基板1Sの主面上に窒化シリコン膜SNを形成し、この窒化シリコン膜SN上にコンタクト層間絶縁膜CILを形成する。このコンタクト層間絶縁膜CILは、例えば、酸化シリコン膜から形成される。その後、コンタクト層間絶縁膜CILの表面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用して平坦化する。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、コンタクト層間絶縁膜CILにコンタクトホールCNTを形成する。例えば、図16では、nチャネル型MISFETのソース領域とドレイン領域、および、pチャネル型MISFETのソース領域とドレイン領域に接続するコンタクトホールCNTが図示されている。なお、図16では、図示されていないが、ゲート電極G1やゲート電極G2にもコンタクトホールCNTが接続される。
その後、コンタクトホールCNTの底面および内壁を含む層間絶縁膜上にチタン/窒化チタン膜を形成する。チタン/窒化チタン膜は、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜は、例えば、後の工程で埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆるバリア性を有する。
そして、コンタクトホールCNTを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜を形成する。このタングステン膜は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、コンタクト層間絶縁膜CIL上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を例えばCMP法を除去することにより、プラグPLGを形成することができる。
次に、図16に示すように、プラグPLGを形成したコンタクト層間絶縁膜CIL上に層間絶縁膜IL1を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜IL1に溝を形成する。その後、溝内を含む層間絶縁膜IL1上にタンタル/窒化タンタル膜を形成する。このタンタル/窒化タンタル膜は、例えば、スパッタリング法により形成することができる。続いて、タンタル/窒化タンタル膜上に薄い銅膜よりなるシード膜を、例えば、スパッタリング法で形成した後、このシード膜を電極とする電解めっき法により、溝を形成した層間絶縁膜IL1上に銅膜を形成する。その後、溝の内部以外の層間絶縁膜IL1上に露出している銅膜を、例えば、CMP法で研磨して除去することにより、層間絶縁膜IL1に形成された溝内にだけ銅膜を残す。これにより、配線L1を形成することができる。さらに、配線L1の上層に配線を形成するが、ここでの説明は省略する。このようにして、最終的に本実施の形態2における半導体装置を形成することができる。
なお、本実施の形態2では、銅膜よりなる配線L1を形成する例について説明したが、例えば、アルミニウム膜よりなる配線L1を形成してもよい。この場合は、コンタクト層間絶縁膜CILおよびプラグPLG上にチタン/窒化チタン膜、アルミニウム膜、チタン/窒化チタン膜を順次、形成する。これらの膜は、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの膜のパターニングを行い、配線L1を形成する。これにより、アルミニウム膜よりなる配線L1を形成することができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
1S 半導体基板
CIL コンタクト層間絶縁膜
CNT コンタクトホール
CS プラチナ含有ニッケルシリサイド膜
EX1 浅い低濃度不純物拡散領域
EX2 浅い低濃度不純物拡散領域
GOX ゲート絶縁膜
G1 ゲート電極
G2 ゲート電極
IL1 層間絶縁膜
L1 配線
NR 深い高濃度不純物拡散領域
NWL n型ウェル
PF ポリシリコン膜
PLG プラグ
PR 深い高濃度不純物拡散領域
PWL p型ウェル
Q1 nチャネル型MISFET
Q2 pチャネル型MISFET
SN 窒化シリコン膜
STI 素子分離領域
SW サイドウォール

Claims (12)

  1. MISFETを含み、
    前記MISFETは、
    (a)半導体基板と、
    (b)前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
    (c)前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
    (d)前記半導体基板内に形成されたソース領域と、
    (e)前記半導体基板内に形成されたドレイン領域とを備え、
    前記ゲート電極は、
    (c1)前記ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、
    (c2)前記ポリシリコン膜上に形成されたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜とを有する半導体装置であって、
    前記プラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であることを特徴とする半導体装置。
  2. MISFETを含み、
    前記MISFETは、
    (a)半導体基板と、
    (b)前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
    (c)前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
    (d)前記半導体基板内に形成されたソース領域と、
    (e)前記半導体基板内に形成されたドレイン領域とを備え、
    前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜上に形成されたプラチナ含有ニッケルシリサイド膜から形成されている半導体装置であって、
    前記プラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であることを特徴とする半導体装置。
  3. (a)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    (b)前記ゲート絶縁膜上にポリシリコン膜を形成する工程と、
    (c)前記ポリシリコン膜を加工することによりゲート電極を形成する工程と、
    (d)前記半導体基板内にソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
    (e)前記(a)工程〜前記(d)工程を経た後、前記ゲート電極を覆う前記半導体基板上にニッケルプラチナ合金膜を形成する工程と、
    (f)前記(e)工程後、加熱温度が250℃以上270℃以下で、かつ、加熱時間が30秒未満である第1加熱処理を実施する工程と、
    (g)前記(f)工程後、第2加熱処理を実施する工程とを備える半導体装置の製造方法であって、
    前記(f)工程と前記(g)工程を実施することにより、前記ゲート電極の表面、前記ソース領域の表面、および、前記ドレイン領域の表面にプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記プラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記(e)工程は、ニッケル原子とプラチナ原子を含むスパッタターゲットを使用したスパッタリング法により、前記ゲート電極を覆う前記半導体基板上に前記ニッケルプラチナ合金膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、
    (h)前記(f)工程後、前記(g)工程前に、未反応の前記ニッケルプラチナ合金膜を除去する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項6記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記(h)工程は、硫酸と過酸化水素水を使用することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記(g)工程で実施される前記第2加熱処理は、加熱温度が450℃以上600℃以下で行なわれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記(f)工程後、前記(g)工程前の段階で、前記ゲート電極を覆う前記半導体基板上には、アモルファス状態のプラチナ含有ニッケルシリサイドと、組成がNiPtSiからなり、かつ、粒径が10nm以下の微結晶とが混在する膜が形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. (a)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    (b)前記ゲート絶縁膜上にポリシリコン膜を形成する工程と、
    (c)前記ポリシリコン膜を加工することによりゲート電極を形成する工程と、
    (d)前記半導体基板内にソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
    (e)前記(a)工程〜前記(d)工程を経た後、前記ゲート電極を覆う前記半導体基板上にニッケルプラチナ合金膜を形成する工程と、
    (f)前記(e)工程後、加熱温度が250℃以上270℃以下で、かつ、加熱時間が30秒未満である第1加熱処理を実施する工程と、
    (g)前記(f)工程後、第2加熱処理を実施する工程とを備える半導体装置の製造方法であって、
    前記(f)工程と前記(g)工程を実施することにより、前記ゲート電極の全部、前記ソース領域の表面、および、前記ドレイン領域の表面にプラチナ含有ニッケルシリサイド膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項10記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記プラチナ含有ニッケルシリサイド膜は、NiPtSi(0<x≦0.1)の組成からなり、かつ、粒径が50nm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項10記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記(f)工程後、前記(g)工程前の段階で、前記ゲート電極を覆う前記半導体基板上には、アモルファス状態のプラチナ含有ニッケルシリサイドと、組成がNiPtSiからなり、かつ、粒径が10nm以下の微結晶とが混在する膜が形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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JP2017228807A (ja) * 2017-09-29 2017-12-28 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置

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