JP2011174847A - 基板表面付着成分分析用捕集材および基板表面付着成分分析方法 - Google Patents

基板表面付着成分分析用捕集材および基板表面付着成分分析方法 Download PDF

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恭子 黒木
Takahiro Matsuura
孝浩 松浦
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Abstract

【課題】フォトマスクのヘイズ対策をより確実に行うため、フォトマスクを取り囲む雰囲気ならびにフォトマスクとペリクルに囲まれた低容量の閉空間の雰囲気の汚染物質を効果的に捕集し、正確に分析するために汚染物質を効率よく脱離し、自身からの放出化学物質が極めて少なく、露光下でも捕集出来、分析工程における各種処理に対して影響を与えない捕集材および分析手法を提供することにある。
【解決手段】高純度石英からなり、多孔質体もしくは繊維凝集体とすることで比表面積を大きくし、シート状としたことを特徴とする基板表面付着成分分析用捕集材。
【選択図】図2

Description

本発明は、フォトマスク基板に付着する汚染物質やフォトマスク基板を取り巻く雰囲気成分を捕集する捕集材と捕集成分を簡易にかつ的確に分析する手法に関するものである。
半導体素子や液晶表示素子の製造工程の一つであるフォトリソグラフィー工程では、ガラス板表面にクロムやモリブデンやケイ素およびその酸化物や窒化物を蒸着したものをパターニングしたフォトマスクを回路原版として使用している。このフォトマスクに光を照射し、レジスト塗布したシリコンウェハや液晶板上に回路パターンを転写している。しかし、照射時にフォトマスク上に異物が付着していると、照射光の吸収や散乱や回折が起こり、形成されたマスクパターンとは異なるパターンがウェハや液晶板に転写され、製品の歩留まり低下を引き起こす。このため、フォトマスク製造工程では、異物が無いよう洗浄し、フォトマスク上に目的波長の光をよく透過させる異物防護冶具であるペリクルをフォトマスクパターンを覆うように貼り付ける方法が行われている。
ペリクルは一般に、アルミニウムなどの金属およびその酸化物からなるフレームに、アクリル系樹脂やフッ素ポリマーからなる接着剤を用いセルロースやフッ素ポリマーからなるメンブレン(ペリクル膜)を接着したもので、このペリクルをアクリル系樹脂やシリコーン樹脂からなる接着剤でフォトマスクに接着させる。
近年、LSIなどの半導体素子では微細化が進み、これらに伴いリソグラフィの露光波長が、g線(436nm)からi線(365nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)と、ステップ的に短くなってきている。
露光波長が短波長化すると照射エネルギーが増加し、フォトマスク上およびペリクル上、またはフォトマスクとペリクルに囲まれた空間内に存在する各種物質の化学反応が促進され、成長性の異物が生成する。この成長性異物がフォトマスク上やペリクル上で凝集した状態はクモリもしくはヘイズと呼ばれ、特にガラス部上に成長するクモリはマスクと異なるパターンを転写するため問題となる。特にエキシマレーザーを用いる工程では、露光雰囲気中に存在する酸素がオゾンへと変化するため各種物質の酸化反応が促進されてしまい、著しくフォトマスクの品質を低下させてしまう。
この問題を解決するために、さまざまな手法が確立されている。例えば、ヘイズの原因となるペリクル部材からのアウトガスに下限値を設けるものである(特許文献1)。
またペリクル付フォトマスク全体をガス置換可能とするユニットを有す露光装置ならびにその手法が確立され、露光中もマスクやペリクル、およびフォトマスクとペリクルに囲まれた空間を常に不活性ガスでパージすることが提案されている(特許文献2)。
しかし、特許文献1においては、部材そのもののアウトガスが低減され非常に有効な手段ではあるが、ヘイズの原因となる決定的な成分が削減されていない場合効果が無い上、フォトマスク製造工程や保管雰囲気中から新たに吸着されるガス成分については制御することが出来ない。また、特許文献2においては、ヘイズ原因成分がフォトマスクガラス基板に親和性、吸着性のある化学物質である場合、不活性ガス雰囲気中に保存しても完全に置換させることは難しい。
その結果、フォトマスク上やペリクル上の成長性異物は撲滅されていない。生成した成
長性異物を除去するには、フォトマスクからペリクルを剥がし、フォトマスクを洗浄し直す必要がある。すなわち、フォトマスク製造における洗浄工程、異物検査工程を再度行わなければならない。こうした作業は、半導体素子や液晶表示素子の製造工程における生産能力を低下させ、さらには製造コストの増加を引き起こしていた。
フォトマスクのヘイズ撲滅には、上記のように不特定種のガス量を低減したり、フォトマスクとペリクルに囲まれた空間のガスを置換したりするだけでは不十分である。これらの対策をより効果的にするために、ヘイズの原因物質を特定しその特定物質を根本から絶つことが不可欠である。
こういった理由から、特定物質の分析についてもさまざまな手法が発案されている。石英管にシリコン粉末を充填したものに、半導体製造における雰囲気を通気し、シリコン粉末に吸着した汚染物質をガスクロマトグラムで分析方法)が開示されている(特許文献3。
フォトマスクに関連した分析としては、ガラスや金属で出来た管にガラス粒子もしくは表面にクロムやモリブデンが覆われているガラス粒子を詰めた吸着管が発案されている(特許文献4)。
しかし、これらの手法はいずれも吸着管内の捕集剤に捕集するために雰囲気をポンプなどで吸引する必要があり、低容量の閉空間のガスを分析することが困難であった。また、吸着剤が固体粉末のため、それを封入する管や容器が必要となり準備に時間を要すことが難点であった。
特開2007−333910号公報 特開2002−196478号公報 特開平11−160299号公報 特開2007−127476号公報
フォトマスクのヘイズ対策をより確実に行うため、フォトマスクを取り囲む雰囲気ならびにフォトマスクとペリクルに囲まれた低容量の閉空間の雰囲気の汚染物質を効果的に捕集し、正確に分析するために汚染物質を効率よく脱離し、自身からの放出化学物質が極めて少なく、露光下でも捕集出来、分析工程における各種処理に対して影響を与えない捕集材および分析手法を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、高純度石英からなり、多孔質体もしくは繊維凝集体とすることで比表面積を大きくし、シート状としたことを特徴とする基板表面付着成分分析用捕集材である。
また、請求項2に記載の発明は、前記分析用捕集材が500℃の高温耐性であることを特徴とする請求項1に記載された基板表面付着成分分析用捕集材である。
また、請求項3に記載の発明は、前記分析用捕集材が強酸性および強塩基性の液体に耐性があることを特徴とする請求項1または2に記載された基板表面付着成分分析用捕集材である。
また、請求項4に記載の発明は、前記分析用捕集材が500nm以下の短波長光の照射に耐性を持つことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載されたシート状基板表面付着成分分析用捕集材である。
また、請求項5に記載の発明は、基板表面に付着する汚染物質を高純度石英からなり、多孔質体もしくは繊維凝集体とすることで比表面積を大きくし、シート状とした捕集材に選択的にかつ効率よく吸着させ、その後汚染物質を脱離させて分析することを特徴とする基板表面付着成分分析方法である。
また、請求項6に記載の発明は、前記汚染物質の脱離方法が加熱である事を特徴とする請求項5に記載の基板表面付着成分分析方法である。
また、請求項7に記載の発明は、前記汚染物質の脱離方法が酸性および塩基性液体、または純水により行う事を特徴とする請求項5に記載の基板表面付着成分分析方法
本発明の捕集材は高純度石英からなり、多孔質体もしくは繊維凝集体で表面積が大きいため分析に必要な量の雰囲気中の汚染物質を捕集出来る。また形状がシート状であるため低容量閉空間にも挿入出来、さらに500nm以下の低波長光に対する露光耐性があるため、露光環境下でのサンプル採取も可能であり露光中に変化する化学物質の捕集が出来る。
自身からの放出化学物質が極めて少なく、500℃程度の高温に加熱できるため、捕集した汚染物質を効率よく加熱脱離することが出来、強酸強アルカリなどに対する薬品耐性があり、汚染物質を効率よく溶媒中に溶出できる。
フォトマスクガラス部に吸着、付着する汚染物質の分析が簡単となり、クモリの原因物質同定により、原因物質の発生源の特定によりくもりの発生を抑制するための対策をうつことが出来る。
ペリクル付きフォトマスク1の一例を示す模式図である。 捕集材4の設置方法の一例を示す概念図である。 分析方法のフローチャートを示したものである。 実施例1および比較例1、2における吸着された汚染物質を分析した結果を示したものである。
以下、本発明の実施の形態の捕集材ならびに分析手法について図面を参照して説明する。図1に示すように、ペリクル付きフォトマスク1は、ガラス基板2a上に蒸着された遮光膜2bをパターニングしたフォトマスク2と、フレーム3aにメンブレン(ペリクル膜)3bを接着剤3cで貼り付けしたペリクル3とからなり、ペリクル3はフォトマスク2に接着剤3dを用いて貼り付けられている。
捕集材4はシート状の多孔質体もしくは繊維凝集体の石英であり、形状はシート状であれば特に限定されず任意である。フォトマスクガラス部に吸着、付着する汚染物質を十分に捕集できるよう、比表面積は100m/g以上、好ましくは1000m/g以上あることが望ましい。
図2に示すように、捕集材4はフォトマスクガラス部に吸着される成分やフォトマスク2とペリクル3に囲まれた空間の雰囲気5を捕集するよう、フォトマスク2上に雰囲気5と接するように設置される。
次に本発明の実施の形態の分析手法について、図3に示されるフローチャートを用い説明する。本発明の分析方法は捕集材に汚染物質を捕集する過程と汚染物質を捕集した捕集材を分析する過程を有する。まず、図2で説明した設置方法の一例のように、フォトマスク2上に捕集材4を設置する。このとき、ペリクル3からの発ガスや雰囲気5を純粋に捕集するようフォトマスク2は洗浄しても良いし、目的によっては洗浄しなくても良い。なお、捕集材4は予め、純水や酸性もしくは塩基性液体、アルコールなどで洗浄を行い、純度の高いHeなどの不活性雰囲気中で300℃以上加熱し、クリーンな状態にしておくことが望ましい。
次に、捕集材4をフォトマスク2とペリクル3で囲まれるよう、ペリクル3を貼りこむ。そのまま所定期間捕集材4に雰囲気5をさらし、捕集する。このとき、露光による成分変化を計測したい場合は、フォトマスク2とペリクル3で囲まれる空間に500nm以下の波長光を露光しても良い。
所定期間雰囲気5を捕集したのち、ペリクル3をフォトマスク2から剥がし、捕集材4を取り出す。
次に捕集材4を分析する過程について説明する。捕集材4には、雰囲気5に含まれる様々な成分のうち、ガラスに吸着されやすい成分が選択的に捕集されている。このうち炭化水素やアルコールなどに代表される有機物については、捕集材4を加熱することにより脱離したガス成分をガスクロマト分析にて分析する。また、硫酸やアンモニウムに代表される無機物に関しては、捕集材4を酸、塩基もしくは純水などにより抽出した後、抽出液のイオンクロマト分析を行う。
以下、本発明の実施例を示す。ガラス上に遮光膜としてモリブデンシリサイドが蒸着されているものをパターニングしたフォトマスク2をオゾン水にて洗浄した。捕集材4として、47mmΦの高純度石英繊維ろ紙(厚さ1mm以下)を用い、石英ろ紙は予めエタノールおよびアセトンで洗浄し、高純度Heガス雰囲気中で300℃雰囲気中に2時間の条件で加熱した。
次に捕集材4をフォトマスク2上に設置し、捕集材4を囲むようフッ素化合物をメンブレンとしたペリクル3をフォトマスク2に貼付した。そのまま1週間放置し、雰囲気5を捕集材4に捕集させた後、ペリクル3をフォトマスク2から剥離し捕集材4を取り出した。捕集材4は、分析用サンプラーにて300℃雰囲気中に60分加熱し、発生したガスを吸着管に吸着させ、加熱脱着式のGC/MSで分析を行った
<比較例1>
実施例1と同様、フォトマスク2とペリクル3の間に、捕集材4として42mm角の高純度石英板(厚さ約2.3mm)を用い捕集したのち、同様にGC/MS分析を行った。
<比較例2>
実施例1と同様、フォトマスク2とペリクル3の間に、捕集材としてGerstel社製TWISTERを用い捕集したのち、同様にGC/MS分析を行った。
実施例1および比較例1、2の分析結果を図4に示した。実施例1と比較例1において
、同一成分で比較した場合実施例の方が多量に検出されていることから、同様の大きさの石英捕集材として本発明の捕集材のほうが捕集効率の高いことがわかる。また、比較例2においては、実施例とは異なる成分が検出されているため、フォトマスクに付着する成分のみを純粋に分析することは出来ないことが確認された。以上で述べたように、本発明によりフォトマスクに吸着されやすい物質を選択的かつ容易に捕集し分析することが出来た。
1・・・ペリクル付きフォトマスク
2・・・フォトマスク
2a・・・ガラス基板
2b・・・遮光膜
3・・・ペリクル
3a・・・フレーム
3b・・・メンブレン
3c・・・接着剤
3d・・・接着剤
4・・・捕集材
5・・・空間の雰囲気

Claims (7)

  1. 高純度石英からなり、多孔質体もしくは繊維凝集体とすることで比表面積を大きくし、シート状としたことを特徴とする基板表面付着成分分析用捕集材。
  2. 前記分析用捕集材が500℃の高温耐性であることを特徴とする請求項1に記載された基板表面付着成分分析用捕集材。
  3. 前記分析用捕集材が強酸性および強塩基性の液体に耐性があることを特徴とする請求項1または2に記載された基板表面付着成分分析用捕集材。
  4. 前記分析用捕集材が500nm以下の短波長光の照射に耐性を持つことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載されたシート状基板表面付着成分分析用捕集材。
  5. 基板表面に付着する汚染物質を高純度石英からなり、多孔質体もしくは繊維凝集体とすることで比表面積を大きくし、シート状とした捕集材に選択的にかつ効率よく吸着させ、その後汚染物質を脱離させて分析することを特徴とする基板表面付着成分分析方法。
  6. 前記汚染物質の脱離方法が加熱である事を特徴とする請求項5に記載の基板表面付着成分分析方法。
  7. 前記汚染物質の脱離方法が酸性および塩基性液体、または純水により行う事を特徴とする請求項5に記載の基板表面付着成分分析方法。
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