JP2011174590A - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

緩衝器のバルブ構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2011174590A
JP2011174590A JP2010040734A JP2010040734A JP2011174590A JP 2011174590 A JP2011174590 A JP 2011174590A JP 2010040734 A JP2010040734 A JP 2010040734A JP 2010040734 A JP2010040734 A JP 2010040734A JP 2011174590 A JP2011174590 A JP 2011174590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
preset
leaf
damping
leaf valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010040734A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5393532B2 (ja
Inventor
Takashi Tsukahara
貴 塚原
Masayoshi Konakai
誠良 小仲井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority to JP2010040734A priority Critical patent/JP5393532B2/ja
Publication of JP2011174590A publication Critical patent/JP2011174590A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5393532B2 publication Critical patent/JP5393532B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】リリーフ荷重のバラツキを低減させて減衰力を安定させる。
【解決手段】減衰バルブ8を、第1リーフバルブ10、セットプレート11及びプリセットバルブ12を重ねたものとし、セットプレート11は放射状に径方向外方へ延出する腕部11dとその先端を折り曲げた押圧部11eを備える。押圧部11eの下端は第1リーフバルブ10に当接し、押圧部11eの上端は折り曲げ部11fにてプリセットバルブ12に当接し、プリセットバルブ12から押圧部11eを介して第1リーフバルブ10へプリセット荷重を与える。リリーフ時には、各押圧部11eがプリセットバルブ12を周方向にて不連続に押すことで、周方向において波打ち状に撓ませ、プリセットバルブ12の撓みを大きくして、ピストンスピードの高速度領域におけるバネレートを下げ、減衰力特性をフラット化すると同時にリリーフ荷重のバラツキを低減させて減衰力を安定させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、二輪車、四輪車等の車両のサスペンション等に組み込まれる緩衝器のバルブ構造にかかり、特に、ピストンの移動速度に対して適正な減衰力を発生するべく、ピストンの減衰バルブにプリセット荷重を与えたバルブ構造に関するものである。
緩衝器においては、作動流体が充填されるシリンダと、シリンダ内に摺動自在に設けられたピストンと、ピストンの軸心部及びシリンダの一方の端壁を貫通するピストンロッドを備えたものが知られている。また、この種の緩衝器におけるバルブ構造として、前後の作動流体室同士を連通して減衰力を発生させるためピストンに複数のオリフィスを設け、減衰バルブによりオリフィスを開閉するものがある。
図11はこのような緩衝器を示すものである。図中(a)は図示省略の車体及びサスペンション間に配置される車両用緩衝器1の外観形状を示す。緩衝器1はシリンダ2とその周囲に巻装されたコイル状のダンパスプリング31とを備え、シリンダ2内にはピストン3が摺動自在に設けられ、このピストン3を上端に設けたピストンロッド4がシリンダ2から下方へ延出している。シリンダ2はその頂部に設けられた取付部32で車体へ取付けられ、ピストンロッド4の下端に設けられた取付部33でサスペンションへ取付けられる。
(b)はシリンダ2のピストン3部分における部分拡大断面であり、ピストン3はシリンダ2内を図の上下方向にて作動流体室5a及び5bに区画し、これらの作動流体室5a及び5bはピストン3に設けられたオリフィス6,7で連通される。オリフィス6は圧側、オリフィス7は伸び側である。オリフィス7はポート7aにて作動流体室5aに臨み、このポート7aは減衰バルブ80で開閉される。オリフィス6も作動流体室5bに臨むポート6aを備え、このポート6aも別の減衰バルブ82にて開閉される。
以下、伸び側について説明する。なお、縮み側の作動も同様である。
ピストン3のポート7a周囲には減衰バルブ80が着座する平坦面の弁座9が形成され、ポート6aの周囲にも減衰バルブ82が着座する弁座が形成されている。
減衰バルブ80及び82はピストン3とともにピストンロッド4の上端部に設けられた細径部4aに外嵌され、ナット14を細径部4aの外周に形成されている雄ネジ部へ締結することで固定されている。
(c)はさらに減衰バルブ80部分を拡大した部分断面図である。減衰バルブ80は円形のリーフバルブであり、その内周側部分80bはピストン3の作動流体室5a側端面のうちポート7aより内周側部分であるバルブ支持面3b上にて支持され、ナット14にてベースバルブ84を介して固定されている。
なお、この減衰バルブ80はそれ自体が後述するプリセット荷重を発生するよう構成されているが、このようなものの一例として、便宜的に1枚のリーフバルブからなる最も簡潔な構成例を模式的に示すものである。但し、性能上の要求により必要に応じて径の異なる多数枚のリーフバルブをピラミッド状に積み上げて所定の減衰特性を出すように構成される場合もある(図12参照)。
減衰バルブ80の外周側部分80cは、弁座9のポート7aに臨む縁部に当接支持されている。弁座9とバルブ支持面3bの間には所定の段差が設けられ、この段差はプリセット段差Eをなす。減衰バルブ80の外周側部分80cを弁座9に当接させ、内周側部分80bをナット14でバルブ支持面3bへ密接固定することにより、減衰バルブ80の径方向中間部はベースバルブ84の外周から曲げられ、弁座9のポート7aに臨む縁部とベースバルブ84の外周との間でたわみ、減衰バルブ80の着座部に所定のプリセット荷重Fを与える。
このプリセット荷重Fは減衰バルブ80のリリーフ荷重(開弁圧)をなし、ピストン3が伸び側に作動すると、伸び側の作動流体室5bに連通するオリフィス7の作動流体が加圧され、この作動流体圧がプリセット荷重Fを超えると減衰バルブ80が作動流体の圧力によって弁座9から離座してリリーフし、ポート7aから作動流体室5aへ作動流体が流出してピストン3が延び側へ移動する。このときオリフィス7の絞りにより所定の減衰力が発生する。
このとき、ポート7aから流出する作動流体の圧力はブロー圧をなし、このブロー圧は、減衰バルブ80が所定のプリセット荷重でリリーフすれば一定であるが、プリセット荷重が変動すれば減衰バルブ80のリリーフ荷重が変動することになってリリーフ時期にバラツキが生じ、その結果、ブロー圧が変動して減衰力も変動することになる。
図中の寸法Aはシリンダの内径、Bはピストンラウンド径、Cはピストンロッドの細径部外径、Dはベースバルブ外径、Eはプリセット段差、Gは減衰バルブ80の曲げ距離である。また、CLはピストンロッドの中心軸線であり、シリンダ及び減衰バルブの各中心軸線でもある。
図12は他の従来例(特許文献1参照)におけるプリセット式減衰バルブの構造を示し、(a)に図11の(c)と同様部位の拡大部分断面図、(b)にこの減衰バルブの一部について分解した斜視図を示す。この減衰バルブ90は、(b)に示すように円板状の第1リーフバルブ91と第2リーフバルブ92の各外周部間にリング93を挟み、リング93の内周部に小径の第3リーフバルブ94を嵌合して位置決めするとともに、(a)に示すように、第2リーフバルブ92の上に積層リーフバルブ95を重ね、ベースバルブ96を介してナット14で固定したものである。
なお、積層リーフバルブ95は性能上の要求に応じて適宜設けられるものであり、この例におけるプリセット式減衰バルブとしての基本的な構成は、第1リーフバルブ91、第2リーフバルブ92及びリング93からなり、図11に示した減衰バルブ80に対して、プリセットバルブである第2リーフバルブ92を第1リーフバルブ91と別体にしたものである。
リング93は第3リーフバルブ94より厚肉にしてあり、この厚みから第3リーフバルブ94の厚みを減じた寸法がプリセット段差Eをなすので、第2リーフバルブ92の外周部をリング93の上に乗せ、内周側部分をナット14により積層リーフバルブ95を介して第3リーフバルブ94の上面へ押しつければ、第2リーフバルブ92の曲げ距離Gに相当する部分がたわみ、弁座9に着座している第1リーフバルブ91の外周部へリング93を介して所定のプリセット荷重Fを与える。
なお、弁座9とバルブ支持面3bとは面一にしておくことができる(以下、この状態をフラットの弁座という)。ただし若干の段差を形成してもよい。また、積層リーフバルブ95は径が異なるリーフバルブを適当数ほぼピラミッド型に積層したものであり、その積層数は任意である。この例では95a・95b・95cの3枚を例示している。積層リーフバルブ95も第2リーフバルブ92とともに撓んでプリセット荷重Fを形成している。
この構成のバリエーションは種々あり、リング93を第2リーフバルブ92と積層リーフバルブ95の間に配置したもの(特許文献2参照)、リング93とを非円形にしたもの(特許文献3参照)、リング93と第1リーフバルブ91との間に周方向を不連続とする切り欠き部を設けた環状体を配置したもの(特許文献4参照)等がある。
実開平4−97133号公報 特開平2004−324817号公報 特開平2006−194336号公報 特開平2002−181110号公報
図9は減衰力(縦軸)とピストンスピード(ピーク速度;横軸)の関係を示すグラフであり、伸び側部分の一部を拡大して示したものである。このグラフ中の仮想線は、図11及び12におけるような従来例の一般的な特性を示し、点Pはリリーフポイントでありかつ高速領域の開始点である。
この特性は低速領域及び中速領域で、勾配k1なる急勾配の直線状をなし、点Pにて屈曲し、より緩やかな勾配k2(k1>k2)の直線状になる。
すなわち、低速領域及び中速領域では、減衰バルブ80及び90がオリフィス7のポート7a(図11、12)を閉じた状態に維持し、予めピストンに設けられている図示しない別の絞り通路を作動液が流動することによって所定の減衰力を発生する。
ピストンスピードが点Pの速さになると、減衰バルブ80及び90はポート7aを開いて作動液をリリーフする。リリーフ後の高速領域では減衰バルブ80や90の撓みがピストンスピードに応じて変化し、ポート7aの開口度が変化するため減衰力も変化する。また減衰バルブ80や90の撓み易さはそれぞれのバネレートに応じるため、勾配k2は減衰バルブ80や90のバネレートに相当する(但し、厳密には減衰バルブ80と同90のバネレートは異なるが、高バネ傾向の代表特性を示すものとして一括りにk2で示す)。
なお、低速領域、中速領域及び高速領域はピストンスピードに関する便宜的な区分であり、本願においては、リリーフ後の領域(点Pより高速側)を高速領域とし、リリーフ前の領域を低速領域及び中速領域とする。
仮想線の上下に平行する点線はリリーフ荷重のバラツキを表し、このバラツキの大きさは予め所定の公差等によって定まる。しかも、このバラツキによる減衰力の変動幅は高速領域における減衰力特性の勾配すなわち減衰バルブ80や90のバネレートが大きいほど大きくなる。すなわち、勾配k2及び後述する本願発明の勾配k3の直線がそれぞれ同じリリーフ荷重のバラツキ幅Δ1を有していても、勾配k2は本願発明の勾配k3と比べればかなり大きな値であるから(k2>k3)、減衰力の変動幅は勾配k2に相当する高バネタイプのものの方が、勾配k3に相当する低バネタイプのものよりも大きくなる。
したがって、減衰力の変動幅を小さくするためには、高速領域の減衰力特性を低くするフラット化が求められる。
また、ブロー圧が安定すれば減衰力の変動も少なくなるので、減衰力の変動幅を小さくするためにはブロー圧のバラツキを抑制することも求められる。このブロー圧安定化には、リリーフ荷重のバラツキを低減させること、すなわちセット荷重のバラツキを低減させる必要がある。
このリリーフ荷重のバラツキは、図12における減衰バルブ90のように、プリセット荷重を与えるため第2リーフバルブ92を第1リーフバルブ91と別に設けてプリセットバルブとしたとき、このプリセットバルブのバネレートを小さくして撓みやすくすることでも可能になることが知られている。
図10は、プリセット荷重とこれを与えるプリセットバルブの撓みとの関係を示すグラフである。図中の仮想線は図12の第2リーフバルブ92に相当する従来例のプリセットバルブにおけるバネレートk4であり、このバネレートk4は後述する本願発明のバネレートk5と比べればかなり大きな値であって(k4>k5)、撓みが所定の公差Zであるとき、プリセット荷重にはΔ2なる比較的大きなバラツキが生じ、このバラツキがリリーフ荷重のバラツキとなる。
一方、実線で示す本願発明のように、バネレートをより小さな値のk5として撓みやすくすると、同じ公差Zでもプリセット荷重のバラツキはΔ3と著減する。したがって、プリセットバルブのバネレートを小さくすれば、リリーフ荷重のバラツキ低減が可能になる。
しかし、図11に示す減衰バルブ80ではこのようなフラット化が困難である。すなわち減衰バルブ80は所定のプリセット荷重を発生しなければならないから、それ自体にある程度の大きなバネレートを要求されており、しかも、シリンダの内径Aが寸法上の制約から大きくできないためピストンラウンド径Bを小径化せざるを得ず、ピストンロッドの外径Cは強度上の制限から細くできず、ベースバルブ84はこのピストンロッドの外径Cにより内径が定まり、外径Dを十分には小径化できないため、減衰バルブ80の曲げ距離Gはこれらの各種制約により短くせざるを得ない。その結果、減衰バルブ80は撓み量が制約されてしまい、バネレートを一定以上に小さくできず、図9における勾配k2程度のものとなってしまうことになった。
また、弁座9とバルブ支持面3bとの間にプリセット段差Eの段差を設けてプリセット荷重Fを発生する場合、プリセット段差Eの公差を厳しくすることは、製造技術的に困難な上、設備や材料及び品質管理等の面から製造コストの上昇を招く。しかし、プリセット段差Eの公差を弛めれば、プリセット荷重Fのバラツキ、すなわちリリーフ荷重のバラツキを大きくすることになる。そこで上記製造コストの上昇を招くことなく、高速領域の減衰力特性をフラット化するとともに減衰力の安定化が求められる。
図12に示す従来例では、弁座9がフラットになっているため、弁座9に対するプリセット段差Eのための段差加工をほぼ不要にできる。しかも第2リーフバルブ92を第1リーフバルブ91と別に設けてプリセットバルブとし、これを撓みやすいものとすることができる。しかし、第2リーフバルブ92はプリセットバルブとして機能するためにリング93の協働を必要とする。このリング93は周方向に連続するものであるから、第2リーフバルブ92の外周部はリング93と周方向で連続して接触している。このためリリーフ時に第1リーフバルブ91からリング93を介して第2リーフバルブ92の外周部周方向全体へ力が加わると、第2リーフバルブ92は周方向における撓みが生じず、径方向で撓むだけであるから、やはり所定の短い曲げ距離G(図12)の制約を受け、図10におけるk4程度の比較的バネレートの高いものになってしまい、プリセット荷重のバラツキはΔ2程度の大きなものとなってしまう。したがって、プリセット荷重のバラツキを可及的に小さくするためには、プリセットバルブをより一層撓みやすくしてことが求められる。
また、特許文献1〜4のバルブ構造はいずれも、周方向に連続する環状体(リング)を備えるものであり、この環状体を介して第1リーフバルブへプリセットバルブからプリセット荷重を与えるものであるから、やはりプリセットバルブは周方向における撓みを生じずに径方向でのみ撓むため、バネレートを低くすることには限界があった。
そこで本願は、プリセットバルブを備えるとともに、曲げ距離が限られた減衰バルブに対して、プリセットバルブの撓みを大きくしてバネレートを下げることにより、高速度領域の減衰力特性をフラット化すると同時にリリーフ荷重のバラツキを少なくしてブロー圧を安定させ、減衰力を安定させることを主たる目的とする。
上記課題を解決するため本願発明に係る緩衝器のバルブ構造は、シリンダ内を摺動するピストンに設けたオリフィスを減衰バルブで開閉するとともに、この減衰バルブにプリセット荷重を設けた緩衝器のバルブ構造において、
前記減衰バルブは、前記ピストンに設けられた弁座に着座する第1リーフバルブと、これに重なる第2リーフバルブと、これら第1及び第2リーフバルブ間に介在される別体のセットプレートとを備え、
前記セットプレートは周方向へ互いに分離されてそれぞれが独立的に動作可能な複数の分離構造部を備え、
各分離構造部は、前記第1及び第2リーフバルブへそれぞれ接触し、
前記分離構造部を介して前記第2リーフバルブから前記第1リーフバルブへプリセット荷重を与えるとともに、
リリーフ時における前記第2リーフバルブは、前記分離構造部による押圧により、周方向にて撓むことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、上記請求項1において、前記分離構造部は、前記セットプレートの中心部から放射状に径方向外方へ延出するとともに周方向へ等間隔で設けられる複数の腕部と、この各腕部の先端を折り曲げて形成された押圧部とを備え、
この押圧部は、前記ピストンの中心軸線方向にて一端側が前記第1リーフバルブへ当接し、他端側が前記第2リーフバルブへ当接することを特徴する。
請求項3に係る発明は、上記請求項2において、前記各押圧部は前記第1リーフバルブに対して周方向にて不連続に当接することを特徴する。
請求項4に係る発明は、上記請求項2又は3において、前記各押圧部の前記第1リーフバルブに対する当接幅が、前記第2リーフバルブへの当接幅よりも広いことを特徴する。
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれかにおいて、前記セットプレートがプレス成形にて形成されることを特徴する。
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜5のいずれかにおいて、前記リリーフ時における前記第2リーフバルブは周方向にて波打ち状に撓むことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、減衰バルブを、第1及び第2リーフバルブと、これらの間に介在される別体のセットプレートとを備えるものとし、このセットプレートに周方向へ互いに分離されてそれぞれが独立的に動作可能な複数の分離構造部を備え、各分離構造部を第1及び第2リーフバルブへそれぞれ接触させ、分離構造部を介して第2リーフバルブから前記第1リーフバルブへプリセット荷重を与えた。
したがって、リリーフ時には、第1リーフバルブが各分離構造部を介して第2リーフバルブを開き方向へ押すとともに、各分離構造部は周方向にて相互に分離されかつそれぞれが独立的に動作可能であるから、第2リーフバルブを周方向にて分離された状態で押すことになり、第2リーフバルブは周方向にて撓む。
このため、第2リーフバルブは径方向において曲げ距離が限られていても、周方向において複数の不連続な支持点をもつことで周方向でも撓むことができ、径方向の撓みに加えて、周方向における撓みも加わるため、大きく撓むことが可能になる。
その結果、ピストンスピードの高速領域における減衰バルブのバネレートを低くして減衰力特性をフラット化できると同時に、リリーフ荷重のバラツキを低減させてブロー圧を安定させ、その結果、減衰力を安定化させることができる。
しかもブロー圧の安定化と減衰力特性のフラット化を同時に達成できる。
請求項2の発明によれば、セットプレートに中心部から放射状に径方向外方へ延出するとともに周方向へ等間隔で設けられる複数の腕部と、この各腕部の先端を折り曲げて形成された押圧部とを設けて分離構造部としたので、分離構造部を容易に形成できる。しかも、腕部の先端を折り曲げて押圧部とすることにより、押圧部の高さでプリセット荷重を形成するためのプリセット段差を形成できる。
このプリセット段差は別体のセットプレートに形成するものであって、ピストン側へ困難な加工をするものではないので、容易かつ高精度に形成できる。また、押圧部の高さを変更するだけでプリセット荷重を容易に調整できることになり、しかもプリセット荷重の設定における自由度も高くなる。
請求項3の発明によれば、各押圧部が第1リーフバルブに対して周方向にて不連続に当接するので、リリーフ時における第1リーフバルブの周方向へ波打ち状をなす弾性変形を容易かつ確実に生じさせることができる。
請求項4の発明によれば、各押圧部の第1リーフバルブに対する当接幅が、第2リーフバルブへの当接幅よりも広いので、リリーフ時において、各押圧部が第1リーフバルブを押圧する力がより局部的に集中することになり、リリーフ時における第1リーフバルブの周方向へ波打ち状をなす弾性変形をさらに容易かつ確実に生じさせることができる。
請求項5の発明によれば、セットプレートをプレス成形にて形成するので、容易かつ安価に製造できる。
請求項6の発明によれば、リリーフ時に第2リーフバルブが、周方向にて波打ち状に撓むので、周方向全体において無理なくかつ大きく撓むことができる。
実施形態に係る緩衝器のバルブ構造を示す断面図 減衰バルブを構成する要部の分解斜視図 セットプレートの製造工程図 減衰バルブの組み立てを説明する断面図 減衰バルブの動作説明図 他の実施形態に関する図3に対応する図 他の実施形態に関する図4に対応する図 他の実施形態に関する図5に対応する図 ピストンスピードと減衰力の関係を示すグラフ プリセットバルブのたわみとプリセット荷重の関係を示すグラフ 従来例の緩衝器及びバルブ構造を示す断面図 他の従来例におけるバルブ構造の断面図
以下、本発明を実施するための形態を添付図面に基づいて説明する。
図1はピストンを中心とした本発明の一実施の形態にかかるバルブ構造を示し、図11に相当する部位におけるリーフバルブの荷重設定前の状態を示す断面図、図2は減衰バルブ要部の分解斜視図、図3はリーフバルブの製造工程を示す図、図4は減衰バルブの組み立てを説明する図、図5は減衰バルブのリリーフ時における動作を説明する図である。
本実施形態にかかる緩衝器1は、図1に示すように、作動流体が充填されるシリンダ2と、シリンダ2内にピストンリング3aを介して摺動自在に嵌合されたピストン3と、ピストン3を一端部に取付け、他端側がシリンダ2から延出するピストンロッド4と、を備える。本実施形態における緩衝器1及びシリンダ2の構成は図11と同様であり、ピストン3における減衰バルブ構造のみが異なるので、以下、減衰バルブ構造について説明し、共通部については説明を省略する。
ピストン3はシリンダ2内を図の上下方向にて作動流体室5a及び5bに区画し、これらの作動流体室5a及び5bはピストン3に設けられたオリフィス6,7で連通される。オリフィス6は圧側、オリフィス7は伸び側である。オリフィス7はポート7aにて作動流体室5aに臨み、このポート7aは減衰バルブ8で開閉される。ピストン3のポート7a周囲には減衰バルブ8が着座する平坦面の弁座9が形成されている。
なお、図11に示すように、オリフィス6も作動流体室5bに臨むポートを6a備え、このポートも別の減衰バルブにて開閉される。この縮み側の減衰バルブも伸び側と同様の構造をなすので、以下伸び側の減衰バルブ8についてのみ説明する。但し、伸び側又は縮み側の減衰バルブのうちいずれか一方を以下に説明する構造とし、他のものをこれと異なる適宜な従来構造とすることもできる。
減衰バルブ8は、ピストンスピードに応じてオリフィス7のポート7aに対する開閉を調節するものであり、予め所定のプリセット荷重でオリフィス7のポート7aを閉じており、ピストン3が伸び側(図上方)へ移動するとき、オリフィス7内の作動流体圧が所定の設定値になると、作動流体が減衰バルブ8を押し開いて弁座9から離座させることによりリリーフし、減衰バルブ8と弁座9の間に形成される間隙を通して作動流体が作動流体室5aから5bへオリフィス7を介して流れるようになっている。
減衰バルブ8は、ピストン3の端面に保持され、第1リーフバルブ10、セットプレート11及びプリセットバルブ12と、セットプレート11とプリセットバルブ12との間に介設される第1のベースバルブ13と、プリセットバルブ12とナット14との間に介設される第2のベースバルブ15とを有する。
プリセットバルブ12はセットプレート11によって弾性変形することによりプリセット荷重Fを第1リーフバルブ10に与えている。
なお、本実施形態では弁座9はフラットに構成されてバルブ支持面3bとの間には段差が形成されず、プリセット段差Eはセットプレート11によって形成されている。このため、弁座9を段差加工する必要がないので、段差加工における厳格な加工精度が要求されずプリセット荷重に対するバラツキをすくなくすることができる。但し、弁座9とバルブ支持面3bとの間に若干の段差を形成することは自由であり、この場合も、段差の大きさよりもセットプレート11によるプリセット段差Eの方が遙かに大きいため、このような微少段差の形成による加工公差は、プリセット荷重のバラツキにおいて無視できる程度のものとなる。
図2は第1リーフバルブ10、セットプレート11及びプリセットバルブ12の各斜視図を示す図である。これらはそれぞれ金属や樹脂もしくはゴム又はこれらの複合材料からなるバネ性とある程度の剛性を有する適宜な剛弾性部材からなり、各内周側をピストンロッド4の細径部4a(図1)に固定され、外周側が自由端をなし、弾性変形自由になっている。
第1リーフバルブ10は円板状の板バネであり、軸心部に設けられた孔10aがピストンロッド4の細径部4aに挿入された状態でナット14によりピストン3の端面に保持される。内周側部分10bは上面が第1のベースバルブ13の着座する部分であり、下面がバルブ支持面3bへ密接する部分である。外周側部分10cは外周縁部を自由端として弾性変形自由の部分である。
プリセットバルブ12は第1リーフバルブ10と同様のリーフバルブであり、本願発明における第2リーフバルブに相当し、軸心部に設けられた孔12aがピストンロッド4の細径部4aに挿入された状態でナット14によりピストン3の端面に保持される。内周側部分12bは上面が第2のベースバルブ15の着座する部分であり、下面はセットプレート11の内周部11cが着座する部分である。外周側部分12cは外周縁部を自由端として弾性変形自由の部分であり、セットプレート11の折り曲げ部11fに接触してこれを下方へ押圧する。
セットプレート11はプリセットバルブ12の外周側部分12cを弾性変形させてプリセット荷重を発生させるための部材であり、弾性に富む適宜材料からなり、例えば、第1リーフバルブ10及びプリセットバルブ12と同様の金属製板バネ材料から形成される。
このセットプレート11は、第1リーフバルブ10とプリセットバルブ12の間に配置され、リング状の内周部11cを備え、この内周部11cの軸心部に設けられた孔11aにピストンロッド4の細径部4aが挿入され、第1リーフバルブ10の内周側部分10bと第1のベースバルブ13とで内周部11cが挟持された状態でナット14により固定される。
内周部11cの外周縁部からは半径方向外側へ複数(本例では6個)の腕部11dが放射状に延出されている。腕部11dは内周部11cの周方向へ等間隔(本例では60°間隔)で設けられている。腕部11dの半径方向外側となる先端部には、押圧部11eが連続して一体に設けられている。押圧部11eは腕部11dと略T字状をなすように腕部11dの先端部両側へ所定長さ延出している。腕部11dと押圧部11eは本願発明における分離構造部に相当し、この分離構造部は周方向へ等間隔で互いに分離して設けられ、それぞれが独立的に動作できるようになっている。
腕部11dにおける押圧部11eの付け根部分を略直角に折り曲げた折り曲げ部11fとし、腕部11dと押圧部11eを略L字形に折り曲げている。隣り合う腕部11d及び押圧部11e間は互いに分離されている。この分離する部分(間隙もしくは空間)を分離部11gとする。この分離部11gの大きさは不均一であり、隣り合う腕部11d間では広くなっている。一方、隣り合う押圧部11e間では狭く、むしろ互いに接する程度の僅小間隙程度になっている。
押圧部11eには直線状の切り落とし部11hが設けられている。切り落とし部11hは第1リーフバルブ10の外周縁部上へ当接する部分であり、この当接部を直線状にすることで、押圧部11eを第1リーフバルブ10へ安定して当接させることができる。
図3はセットプレート11の成形工程を示す。本実施形態のセットプレート11は、製造コスト低減、寸法精度の向上及び品管理を容易にする等のために、金属製の平板を打ち抜いて折り曲げるプレス成形によって形成される。但し、材料及び成形方法がこれに限定されない。
図3の(a)はこの打ち抜きされた打ち抜き部材11bを示す斜視図であり、図3の(b)は折り曲げ成形終了後におけるセットプレート11の外観を示す斜視図である。
図3の(a)に示すように、打ち抜き部材11bは、平板11iから打ち抜かれた平板状をなす。この状態では、各腕部11dと押圧部11eは同一平面上にあり、各腕部11dと押圧部11eは円周方向に等間隔で設けられる。各腕部11dと押圧部11eの数は任意である。
各押圧部11eの外周部は全体が仮想線で示す一つの円11jをなすように設けられる。各押圧部11eの外周部中央は、この円11jの一部を弦方向に沿って切除したものに相当する切り落とし部11hをなす。
この打ち抜き部材11bを、腕部11dにおける押圧部11eの付け根部分を折り曲げ部11fとして略直角に折り曲げると、図3の(b)に示すように、全体として略カップ形に湾曲されたセットプレート11になる。
このようにすると、打ち抜き及び折り曲げによるプレス成形にて容易に成形することができ、しかも押圧部の高さH(図4)を高精度で正確に形成でき、しかもその高さを自由に設定することができる。また、プレス成形によれば安価に製造できる。但し、セットプレート11の形成はプレス成形方法に限定されず種々可能である。例えば、セットプレート11の材料を樹脂もしくはゴム、又はこれらと金属の複合とする場合には、これらの材料に適した種々な成形方法が採用可能である。
また、セットプレート11は略カップ状に湾曲するため、この湾曲形状による腕部11dの弾性力によって、腕部11dの折り曲げ部11fがプリセットバルブ12に対する接触を保持し、かつ押圧部11eの切り落とし部11hが第1リーフバルブ10に対する接触を保持するとともに、押圧部11eは第1リーフバルブ10の外周部背面側を軸方向から押圧できる。
図4は減衰バルブ8の組立工程を示し、図4の(a)はナット14による締め付け固定前の状態、図4の(b)はナット14による締め付け固定後の減衰バルブ8が組立られた状態を示す。
まず、図4の(a)において、第1リーフバルブ10、セットプレート11、第1のベースバルブ13、プリセットバルブ12及び第2のベースバルブ15を、この順にピストンロッド4の細径部4aに外嵌する。この状態では、セットプレート11及びプリセットバルブ12はまだ変形せず、セットプレート11の内周部11c及び腕部11dは第1リーフバルブ10の上面から離れた上方にあり、第1リーフバルブ10の上面との間に押圧部の高さHが形成されている。この押圧部の高さHは折り曲げ部11fと切り落とし部11h間の寸法に相当する。なお、プリセット段差Eは押圧部の高さHから第1のベースバルブ13の板厚を減じたものである(図4の(b)参照)。
この状態でナット14を締め付けると、セットプレート11及びプリセットバルブ12はそれぞれ内周側部分が第1及び第2のベースバルブ13、15を介して第1リーフバルブ10の内周側部分10b上へ押しつけられ、下方へ撓み変形して図4の(b)に示す状態になる。なお、セットプレート11はその軸心部に設けられた孔11aにピストンロッド4の細径部4aを貫通させることで、ピストンロッド4に対して正確に位置決めされるので、組み付けが容易であり、組立性が向上する。
図4の(b)において、セットプレート11は内周部11cが第1のベースバルブ13により第1リーフバルブ10の内周側部分10b上へ押しつけられ、内周部11cから径方向外方へ延出する腕部11dは、押圧部11eの下端部が第1リーフバルブ10の外周縁部上面に当接固定されているため、折り曲げ部11fから内周部11cの間で下方へ湾曲する。
プリセットバルブ12は内周側部分12bが第2のベースバルブ15により第1のベースバルブ13の上へ押しつけられる。このとき外周縁部がセットプレート11の折り曲げ部11fへ当接するため、プリセットバルブ12の外周側部分12cは、折り曲げ部11fから第2のベースバルブ15の外周部の間で斜めに弾性変形する。この弾性変形部分は曲げ距離G(図1)にほぼ相当し、折り曲げ部11fと第2のベースバルブ15の外周部間における高低差はプリセット段差Eに相当する。
プリセットバルブ12の外周側部分12cにおけるプリセット段差Eに相当する高さ方向の弾性変形はプリセット荷重Fを発生し、このプリセット荷重Fは折り曲げ部11fを下方へ押圧する。押圧部11eは図示断面にてほぼ軸方向へ平行し弁座9に対して略垂直になるように延び、押圧部11eの切り落とし部11hが第1リーフバルブ10の外周縁部上へ当接しているため、押圧部11eを介して第1リーフバルブ10の外周縁部をその背面(弁座9に対する着座面と反対側の面)側からほぼ垂直に押圧し、弁座9への着座部にプリセット荷重Fを与える。
このとき、プリセットバルブ12の外周側部分12cと折り曲げ部11fとの接触、及び押圧部11eと第1リーフバルブ10との接触は、それぞれ別部材相互の当接であり、押圧部11eが弁座9に対してほぼ垂直になっているので、プリセット荷重Fは弁座9に対してほぼ垂直にかかることになり、プリセット荷重Fのほぼ全部を効率的にリリーフ圧とすることができる。
図5は減衰バルブ8を径方向外方から部分的に展開して示す図であり、図5の(a)は着座状態、図5の(b)はリリーフ状態を示す。図5の(a)において、隣り合う折り曲げ部11fが互いに分離しているため、プリセットバルブ12の外周側部分12cは、各折り曲げ部11fを断続的に押圧する。第1リーフバルブ10に接触する押圧部11eの切り落とし部11hは周方向寸法が折り曲げ部11fの周方向寸法より長いため、各切り落とし部11hは第1リーフバルブ10に対して周方向へ少ない間隔で当接するので、プリセット荷重Fを第1リーフバルブ10に対して周方向へほぼ均一に伝達し、第1リーフバルブ10の外周縁部を弁座9へ均一に着座させることができる。
図5の(b)に示すように、リリーフ時には第1リーフバルブ10は作動流体圧によって上方へ押し上げられ、弁座9から離座して弁座9との間に間隙19を形成し、ここから作動流体を流出させる。
このとき、第1リーフバルブ10から押圧部11eを介してプリセットバルブ12へ伝達される力fは、隣り合う押圧部11e(及び腕部11d)が互いに分離部11gにて分離されているから、周方向へ間隔をもって配置された折り曲げ部11fがプリセットバルブ12を周方向にて断続的に押し上げる。このため、プリセットバルブ12は複数の折り曲げ部11fによる、周方向にて不連続な複数の支持点を有することになるので、プリセットバルブ12は周方向で波打つように弾性変形して撓むことになる。
このため、プリセットバルブ12の撓みは、径方向に加えて周方向にも生じることにより増大するため、プリセットバルブ12のバネレートを低くできる。
なお、この例ではプリセットバルブ12は周方向にて波打ち状に撓むので、周方向全体において無理なく(局部的な応力集中が無く)大きく撓むことができる。しかし、周方向における撓みはこのような波打ち状のものに限定されず、周方向における高さが変化するようにたわみ変形すればどのようなものでもよい。
また、押圧部11eの下端部は切り落とし部11hの左右へ張り出しており、この部分は円11j(図3の(a)参照)に沿う部分として円弧状をなしており、その下端部は先端側ほど第1リーフバルブ10から上方へ大きく離れる。このため、第1リーフバルブ10の外周縁部はその一部が隣り合う切り落とし部11h間にて図の上方へ若干撓み可能になり、この点も減衰バルブ8全体のバネレート低減に貢献する。
また、減衰バルブ8のバネレートは、第1リーフバルブ10、セットプレート11及びプリセットバルブ12の各バネレートの合計であり、減衰バルブ8のバネレートの合計は、ピストンスピードの低速領域から高速領域にて、図9のグラフに対応する減衰力特性を実現できるように設定されている。このとき、セットプレート11の腕部11d及び押圧部11eを分離構造部としてセットプレート11のバネレートを低くし、プリセットバルブ12を必要なプリセット荷重Fの形成に足るだけの小さなバネレートの弱いバネとすることで、減衰バルブ8のバネレートを容易に調整できる。
以下、本実施形態にかかるバルブ構造の作用、効果について説明する。
まず、減衰バルブ8が弁座9へ着座したときは図1及び図5の(a)に示すように、セットプレート11によるプリセット段差Eにより、プリセットバルブ12が弾性変形して所定のプリセット荷重Fを第1リーフバルブ10の外周部背面へ真上から与える。このため、プリセット荷重Fは弁座9に対してほぼ垂直に効率よく与えられて要求されるリリーフ圧に相当するものとなり、プリセット荷重Fのロスが少なくなる分だけプリセットバルブ12のバネレートを下げて撓みやすくすることができる。
また、セットプレート11の腕部11d及び押圧部11eを分離構造部とし、隣り合うもの相互で分離し、それぞれが独立的にプリセットバルブ12へ接触するようにしたので、リリーフ時には、プリセットバルブ12を径方向における限られた曲げ距離Gの制約下における弾性変形のみならず、周方向にても波打ち状に弾性変形させることができ、たわみを大きくすることができる。このため、ピストンスピードの高速領域におけるバネレートを下げることができる。その結果、高速領域の減衰力特性をフラット化することが可能になる。
これを図9において説明する。図9の実線は本願発明に係る減衰力特性であり、低速領域及び中速領域では従来例と同様の勾配k1なる直線になる。しかし、本願発明に係るプリセットバルブ12が上述したように大きく撓むことができるため、高速領域では点Pにて折れ曲がり、従来例の勾配k2よりもさらに緩やかな勾配k3(k1>k2>k3)の直線になり、高速領域の減衰力特性をフラット化することができる。そのうえ、プリセット荷重のバラツキをΔ3程度として同時に小さくすることができる。
すなわち、前述したように、図10において実線で示す直線は本願発明に係るものであり、本願発明に係るプリセットバルブ12が上述したように大きく撓むことができるため、そのバネレートk5は従来例のものより小さくなる。その結果、従来例ではRなるプリセット荷重を得るに際して、所定の公差ZによりΔ2なる比較的大きなプリセット荷重のバラツキが生じることに対して、本願発明では、バネレートk5が小さいため、同じRなるプリセット荷重を得る場合は、より大きな撓みが必要になり、かつ同じ公差Zであっても、プリセット荷重のバラツキはΔ3と小さくなる。このため、プリセット荷重のバラツキを小さくすることができる。
その結果、図9において、本願発明における勾配k3の直線は、従来であればΔ1なる比較的大きなプリセット荷重のバラツキを伴うところ、より小さなΔ3程度にすることができる。このため、高速領域の減衰力特性をフラット化すると同時に、リリーフ荷重のバラツキを低減させることができ、高速領域におけるリリーフ時のブロー圧を安定させて、その結果、減衰力を安定させることができる。
しかも、減衰バルブ8を第1リーフバルブ10、セットプレート11及びプリセットバルブ12で構成でき、従来例のようなリーフバルブを略ピラミッド状に多数枚積層するものを用いる必要がないので、減衰バルブ8を構造簡単かつ小型にできる。
但し、性能上の要求により従来例のようなリーフバルブを多数枚積層することは自由にでき、例えば、高速領域における減衰力を大きくする場合には、第1リーフバルブ10の板厚や枚数を増加することにより容易に調整できる。
また、プリセット段差Eは押圧部の高さHを調整することにより容易に設定できる。しかも、押圧部11eはプレス成形等により容易かつ高精度に形成でき、従来例のような弁座9に段差加工をする必要がなくなるので、製造コストの上昇を招くことなく、この加工に伴うプリセット荷重Fのバラツキを少なくすることができる。
そのうえ、セットプレート11はプレス成形によれば安価かつ容易に製造できる。しかもプリセット段差Eは、ピストン3と別体のセットプレート11にて形成できるから、ピストン3の弁座9側に加工する必要がなく、プリセット荷重のためにピストン3側に高精度
な加工をしないで済み、減衰バルブ8の製造において、設備や材料が一般的なもので足り、製造及び品質管理が容易になるので、コストダウンが可能になる。
また、別体のセットプレート11を用いてプリセット段差Eを形成するとともに、プリセット段差Eの寸法に対する自由度も大きくなるから、プリセット荷重が異なる種々の仕様を得る場合にも、既存のピストン3をそのままとし、セットプレート11又は段差調整バルブ13を交換するだけで対応できる場合があるので、この点でもコストダウンが可能になる。
次に、本発明にかかるバルブ構造の他の実施形態について図6〜8に基づいて説明する。図6〜8は、前実施形態における図3〜5にそれぞれ対応している。なお、この実施形態は、前実施形態におけるセットプレート11に代えて他形式のセットプレート21を組み込んだものであるため、セットプレート以外のその他の部分は前実施形態と共通であり、これらについては共通の符号を用いるとともに、これら共通部の詳細な説明は基本的に省略する。
図6に示すように、本実施形態に係るセットプレート21も、プレス成形によって形成され、平板を打ち抜いて平面状の打ち抜き材21bを得、この腕部21dの一部を折り曲げ成形し、腕部21dの先端側を上方へ折り曲げて押圧部21eとすることにより立体的なセットプレート21を形成するものである。
図6(a)に示すように、打ち抜き部材21bは、リング状の内周部21cと、内周部21cの外周縁部から半径方向外側へ放射状に延出された腕部21dとを備えている。腕部21dは平面視で内周部21cの周方向へ等間隔で適当数(本例では6個)形成されており、半径方向外側が狭くなった略台形状をなし、隣り合うもの相互は分離部21gにより分離されている。腕部21dの内周部21cとの付根部分は幅狭の細首部21kをなしている。この細首部21kにより腕部21dを撓みやすくしてセットプレート21のバネレートを下げることに役立っている。
この打ち抜き部材21bの腕部21dに対して径方向中間部を折り曲げると、図6(b)に示すように、長手方向の先端部がL字形に折り曲げられて上方へ起立する押圧部21eとなり、全体として略カップ形の立体形状になる。なお、21aは軸心部の孔、21fは折り曲げ部、21gは分離部であり、前実施形態とは押圧部21e及び分離部21gの形状が最も大きく相違し、押圧部21eの上端が自由端をなしてプリセットバルブ12へ当接し、折り曲げ部21fが切り落とし部11hに代わって第1リーフバルブ10に当接する。また分離部21gは隣り合う押圧部21e間で十分に広い間隙をなしている。
図7は減衰バルブ8の組立工程を示し、図7の(a)はナット14による締め付け固定前の状態、図7の(b)はナット14による締め付け固定後の減衰バルブ8が組立られた状態を示す。
まず、図7の(a)において、第1リーフバルブ10、セットプレート21、第1のベースバルブ13、プリセットバルブ12及び第2のベースバルブ15を、この順にピストンロッド4の細径部4aに外嵌する。この状態では、セットプレート21及びプリセットバルブ12はまだ変形せず、セットプレート21の内周部21c及び腕部21dは第1リーフバルブ10の上面に重なって当接支持され、第1のベースバルブ13はセットプレート21の内周部21c上に重なっている。
押圧部21eは第1リーフバルブ10の上面から押圧部の高さHに相当する寸法分上方へ向かって突出し、その上端にプリセットバルブ12の外周部分12cの先端部が当接している。
この状態でナット14を締め付けると、図7の(b)に示すように、プリセットバルブ12は内周部分12bが下方へ押し込まれて第1のベースバルブ13の上へ押しつけられ、外周側部分12cは第2のベースバルブ15の外周部で曲がり、径方向外方へ外開き状をなすように撓んで先端が押圧部21eの上端に当接する。この弾性変形部分は曲げ距離G(図1)にほぼ相当し、プリセットバルブ12はプリセット段差Eに応じたプリセット荷重Fを発生して外周部分先端部から押圧部21eへ伝達する。プリセット段差Eは押圧部の高さHから第1のベースバルブ13及び第1リーフバルブ10の内周側部分10bにおける各板厚分を減じたものに相当する。
図7の(b)において、押圧部21eは折り曲げ部21fにて第1リーフバルブ10の外周側部分10cの先端部上面へ当接しているので、押圧部21eの上端へ加えられたプリセット荷重Fにより、第1リーフバルブ10の外周側部分10cを弁座9へ押しつける。このとき、押圧部21eは第1リーフバルブ10の外周縁部をその背面側からほぼ垂直に押圧することができる。
図8は減衰バルブ8の動作を説明する図であり、図8の(a)は着座状態、図8の(b)はリリーフ状態を示す。図8の(a)において、隣り合う押圧部21e及び腕部21dが互いに分離しているため、プリセットバルブ12と第1リーフバルブ10はそれぞれ周方向において等間隔に断続配置された押圧部21eを介して力の伝達が行われる。なお、押圧部21eはプリセットバルブ12側の上端の幅が狭く、第1リーフバルブ10側の下端である折り曲げ部21fの幅が広い正台形状であり、しかも第1リーフバルブ10には折り曲げ部21fよりもさらに幅の広い腕部21dが当接している。
このため、プリセットバルブ12から加えられるプリセット荷重Fは第1リーフバルブ10へ幅広く分散されて均一化されて伝達されるが、逆に、第1リーフバルブ10からプリセットバルブ12側へ伝達される力は、幅の狭い押圧部21eの上端から局部的に集中してプリセットバルブ12へ加えられることになる。
その結果、図8の(b)に示すように、リリーフ時には第1リーフバルブ10は作動流体圧によって上方へ押し上げられ、弁座9から離座するとともに、押圧部11eを介してプリセットバルブ12へ伝達される力fは、幅の狭い押圧部11eの上端に集中することになり、この押圧部11eが周方向へ十分に大きな間隔をもって配置されているため、プリセットバルブ12は周方向にて断続的に押し上げられて周方向で波打つように弾性変形することになる。このため、プリセットバルブ12の弾性変形量が増大し、プリセットバルブ12のバネレートを低くできる。なお、プリセットバルブ12を周方向で波打ち形状以外の形状に弾性変形させて撓ませててもよいことは前実施形態と同様である。
このように、本実施形態によっても前実施形態と同様の作用効果が得ることができる。
しかも、セットプレート11のプリセットバルブ12に対する接触部を押圧部21eの上端のみとしたから、リリーフ時における第1リーフバルブ10側の力をプリセットバルブ12の外周縁部へより局部的に集中させて伝達できるから、プリセットバルブ12の周方向におけるたわみ変形をより生じ易くすることができる。
なお、本願発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、減衰バルブのバネレートを大きくしたい場合は、第1リーフバルブ10の板厚を大きくしたり、枚数を増やすことで自由に対応できる。
例えば、このような調整により図9における従来例同様なk2なる勾配の減衰力特性としても、セットプレート11とプリセットバルブ12の構成を上記各実施形態のようにすることで、プリセットバルブ12の撓み量を大きくしてプリセット荷重のバラツキを勾配k2の直線に沿う仮想線で示した小さな範囲のΔ3にできるから、ブロー圧の安定化を実現したままの状態に維持させることができる。
1:緩衝器、2:シリンダ、3:ピストン、4:ピストンロッド、6:オリフィス、7:オリフィス、8:減衰バルブ、9:弁座、10:第1リーフバルブ、11:セットプレート、11d:腕部、11e:押圧部、12:プリセットバルブ、14:ナット、21:セットプレート、21d:腕部、21e:押圧部

Claims (6)

  1. シリンダ内を摺動するピストンに設けたオリフィスを減衰バルブで開閉するとともに、この減衰バルブにプリセット荷重を設けた緩衝器のバルブ構造において、
    前記減衰バルブは、前記ピストンに設けられた弁座に着座する第1リーフバルブと、これに重なる第2リーフバルブと、これら第1及び第2リーフバルブ間に介在される別体のセットプレートとを備え、
    前記セットプレートは周方向へ互いに分離されてそれぞれが独立的にプリセット荷重を伝達可能な複数の分離構造部を備え、
    各分離構造部は、前記第1及び第2リーフバルブへそれぞれ接触し、
    前記分離構造部を介して前記第2リーフバルブから前記第1リーフバルブへプリセット荷重を与えるとともに、
    リリーフ時における前記第2リーフバルブは、周方向へ前記各分離構造部が間隔を持って押圧することにより、周方向にて撓むことを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. 前記分離構造部は、前記セットプレートの中心部から放射状に径方向外方へ延出するとともに周方向へ等間隔で設けられる複数の腕部と、この各腕部の先端を折り曲げて形成された押圧部とを備え、
    この押圧部は、前記ピストンの中心軸線方向にて一端側が前記第1リーフバルブへ当接し、他端側が前記第2リーフバルブへ当接することを特徴する請求項1に記載した緩衝器のバルブ構造。
  3. 前記各押圧部は前記第1リーフバルブに対して周方向へ間隔を持って不連続に当接することを特徴する請求項2に記載した緩衝器のバルブ構造。
  4. 前記各押圧部の前記第1リーフバルブに対する当接幅が、前記第2リーフバルブへの当接幅よりも広いことを特徴する請求項2又は3に記載した緩衝器のバルブ構造。
  5. 前記セットプレートがプレス成形にて形成されることを特徴する請求項1〜4のいずれかに記載した緩衝器のバルブ構造。
  6. 前記リリーフ時における前記第2リーフバルブは周方向にて波打ち状に撓むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載した緩衝器のバルブ構造。
JP2010040734A 2010-02-25 2010-02-25 緩衝器のバルブ構造 Active JP5393532B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010040734A JP5393532B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 緩衝器のバルブ構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010040734A JP5393532B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 緩衝器のバルブ構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011174590A true JP2011174590A (ja) 2011-09-08
JP5393532B2 JP5393532B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=44687625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010040734A Active JP5393532B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 緩衝器のバルブ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5393532B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020034068A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 流体圧緩衝器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0335341U (ja) * 1989-08-14 1991-04-05
JP2006070991A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Showa Corp 緩衝器のバルブ構造
JP2008202713A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器のバルブ構造
JP2008274991A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Showa Corp 油圧緩衝器のピストンバルブ装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0335341U (ja) * 1989-08-14 1991-04-05
JP2006070991A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Showa Corp 緩衝器のバルブ構造
JP2008202713A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器のバルブ構造
JP2008274991A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Showa Corp 油圧緩衝器のピストンバルブ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020034068A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 流体圧緩衝器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5393532B2 (ja) 2014-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102018916B1 (ko) 실린더 장치의 제조 방법
JP5697787B1 (ja) 成形材製造方法
KR101983929B1 (ko) 슬릿을 가지는 관상부를 포함하는 금속 성형품 및 그 제조 방법, 및 그에 이용되는 제조 장치 및 금형
CN103711831B (zh) 缓冲器
CN105074264B (zh) 筒以及缓冲器
KR102012982B1 (ko) 실린더 장치
JP2018051622A (ja) バルジ成形装置及びバルジ成形方法
CN105370958A (zh) 一种压电陶瓷驱动薄膜式伺服阀
JP5393532B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
CN215596109U (zh) 浮动保压机构以及保压机
US9394934B2 (en) Fastening method and cylinder device
JP2007198515A (ja) ピストン
US9970502B2 (en) Annular spring system
WO2017026332A1 (ja) 緩衝器のバルブ構造
JP5086651B2 (ja) プレス成形装置
JP6360291B2 (ja) 緩衝器のバルブ構造
WO2016013129A1 (ja) ピストンおよび緩衝器
JP6787013B2 (ja) 成形材製造方法
JP5618415B2 (ja) ピストン
EP2303767B1 (en) Linear fluidic actuator
CN100415409C (zh) 活塞制造方法
JP2022011356A (ja) 振動型アクチュエーター,光学機器、および電子機器
KR102047195B1 (ko) 유압 프레스 성형 장치, 상기 장치를 이용한 로드 휠의 제조 방법 및 상기 방법에 의해 제조된 로드휠
JP2004257296A (ja) 往復ポンプの弁装置
JP2539261Y2 (ja) 油圧緩衝器の減衰バルブ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5393532

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250