JP2011173892A - 高清掃性シリカ材料及びそれを含有する歯磨剤 - Google Patents

高清掃性シリカ材料及びそれを含有する歯磨剤 Download PDF

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Abstract

【課題】増粘特性と研磨特性に優れたゲル/沈降シリカの複合材料、及び該複合材料を含有する歯磨配合物の提供。
【解決手段】5〜50体積%のシリカゲルを含み、該複合材料は40〜100ml/100gの範囲のアマニ油吸収を示し、そして該複合材料は5〜30mg損失/100,000回転の範囲の10%Brass−Einlehner硬度を示す複合材料、および該複合材料を含有する歯磨配合物。該複合材料は、3〜20μmのメジアン粒径を示す粒子の形態であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、沈降シリカとシリカゲルの現場(in situ)生成組成物である独自の研磨材料及び/又は増粘材料に関する。該組成物は現場生成された複合材料の構造に応じて異なる有益な特性を示す。低構造性の複合材料の場合(アマニ油の吸収量の測定で、吸油量40〜100ml/複合材料100g)、高い被膜(ペリクル)清掃特性と穏やかな象牙質研磨レベルが同時に可能なので、歯表面を有害に削ることなく効果的に清掃する歯磨剤をユーザーに提供できる。高構造性の複合材料の量が多いと、低構造型ほどではないにせよ、そのような望ましい研磨及び清掃特性と共に粘度の上昇と増粘性の利益も得られる傾向にある。かくして、中間的清掃材料は100超〜150の吸油量を示し、高増粘/低研磨性複合材料は150を超える吸油特性を示す。現場で同時製造されたこのような沈降シリカ/シリカゲル組合せ物は、そのような成分の物理的混合物と比べて、思いがけず効果的な低研磨性と高清掃能、及び異なる増粘特性を提供する。本発明は、そうした目的のためのそのようなゲル/沈降シリカ複合材料の独自の製法、並びに前述の構造範囲内の異なる材料、及びそれを含む歯磨剤を包含する。
先行技術の背景
研磨物質は、被膜(ペリクル)を含む様々な付着物を歯の表面から除去するために従来の歯磨剤組成物にも含まれている。被膜は固く付着し、褐色又は黄色の色素を含むことも多いため歯の見た目を悪くする。清掃は重要であるが、研磨剤は歯を損傷するのであまり攻撃的でないほうがよい。理想的には、効果的な歯磨剤の研磨材料は、被膜は最大限除去するが、歯の硬組織に対する研磨及び損傷は最小限にとどめるものである。結果的に、とりわけ、歯磨剤の性能は研磨成分による研磨の程度に非常に敏感である。従来、研磨清掃材料は流動性乾燥粉末の形態で歯磨剤組成物に導入されていた。あるいは、歯磨剤の製剤前又は製剤時に調製された流動性乾燥粉末形の研磨剤の再分散によって導入されていた。また、より最近では、そのような研磨剤がスラリー形で提供され、貯蔵、輸送、及び標的歯磨剤への導入が容易になっている。
合成の低構造性シリカが、該材料が研磨剤として提供する有効性のために、そしてまた低毒性及び他の歯磨剤成分(一例を挙げるとフッ化ナトリウムなど)との適合性のために、そのような目的に利用されている。合成シリカを製造する場合、その目的は最大の清掃性と硬い歯表面への最小の衝撃性を提供するシリカを得ることである。歯科研究者はそうした目的に適合する研磨材料の特定に絶えず関心を払っている。
合成シリカ(高構造性のもの)は歯磨剤及びその他の同様のペースト材料の増粘剤としても利用され、粘度の上昇、形状保持、ブラシ垂れといった制御性を改良するため、流動学的特性を補完及び改変する。練り歯磨きを製剤する場合、例えば、消費者の求めるいくつかの要件を満足できる安定なペーストを提供する必要がある。消費者の求める要件とは、例えば、圧をかけて(すなわちチューブを絞り)容器(チューブなど)から寸法安定性のあるペーストとして移し替えることができ、そうした圧を取り除けば元の状態に戻る能力、ブラシヘッドにそのようにして容易に移し替えることができ、そのような移動時及び移動後にチューブから流れ出さない能力、ブラシ上で使用前及びブラッシングの前に標的の歯に適用する際に寸法安定性を維持する性質、そして少なくともユーザーの利益のために美的目的にかなう適正な口当たりの提供などであるが、これらに限定されない。
一般的に、歯磨剤は、標的とする対象歯との適正な接触を可能にするための主たる湿潤剤(例えば、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコールなど)、対象歯の適正な清掃及び研磨のための研磨剤(例えば沈降シリカ)、水、及びその他の活性成分(例えば虫歯予防利益のためのフッ化物系化合物)を含む。そのような歯磨剤に適正な流動学的利益を付与する能力は、増粘剤(例えば含水シリカ、ハイドロコロイド、ガムなど)を適正に選択及び利用することにより、そうした重要な湿潤剤、研磨剤、及び虫歯予防成分を適切に含有させるための適正な支持ネットワークを形成させることによって得られる。従って、適切な歯磨剤組成物の製剤化は、配合の点からも、そのような製剤中に存在する成分の数、量、及び種類の点からもかなり複雑になりうることは明白である。この結果、歯磨剤業界内での優先順位は高くないものの、そのような成分の数を減らする能力、又はこれらの必要な性質の少なくとも二つを満たすある種の成分を提供しようとする試みは、全体的な製造コスト削減の可能性は言うまでもなく、製剤化の複雑さを削減する可能性も秘めている。
いくつかの水不溶性研磨剤が歯磨剤組成物に使用又は記載されている。これらの研磨剤は、天然及び合成の研磨粒子材料を含む。一般に知られている合成研磨剤は、アモルファス沈降シリカ及びシリカゲル及び沈降炭酸カルシウム(PCC)などである。歯磨剤用のその他の研磨剤は、チョーク、炭酸マグネシウム、リン酸二カルシウム及びその二水和物形、ピロリン酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、メタリン酸カリウム、オルトリン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、パーライトなどである。
特に、合成的に製造された沈降性低構造性シリカは、それらの清掃能、相対的安全性、及び湿潤剤、増粘剤、フレーバー、虫歯予防剤などの典型的な歯磨剤成分との適合性のために、歯磨剤の研磨成分として使用されている。知られているように、合成沈降シリカは一般的に、可溶性アルカリケイ酸塩から、鉱酸及び/又は酸性ガスの添加によってアモルファスシリカの不安定化及び沈降によって製造される。そのときの製造条件は、最初に形成される一次粒子は互いに会合して複数の集合体(aggregate、すなわち一次粒子の離散クラスター)を形成しがちであるが、三次元ゲル構造に凝集(agglomeration)しない条件下で行われる。得られた沈降物は、反応混合物の水性フラクションから、ろ過、洗浄、及び乾燥プロセスによって分離される。次いで該乾燥生成物は、適切な粒径及びサイズ分布を提供するために機械的に粉砕される。
シリカの乾燥プロセスは、噴霧乾燥、ノズル乾燥(例えばタワー又は噴水)、ホイール乾燥、フラッシュ乾燥、ロータリーホイール乾燥、オーブン/流動床乾燥などを用いて従来式に達成される。
ところが実際は、そうした従来の研磨材料は、清掃の最大化と象牙質研磨の最小化に伴う限界に多少なりとも苦しんでいる。そのような特性を最適化するための従来の能力と言えば、一般的にそのような目的に使用される個々の成分の構造を制御することくらいである。そのような歯磨剤用の沈降シリカ構造の改質例は、Wasonの米国特許第3,967,563号、3,988,162号、4,420,312号、及び4,122,161号、Aldcroftらの米国特許第4,992,251号及び5,035,879号、Newtonらの米国特許第5,098,695号、並びにMcGillらの米国特許第5,891,421号及び5,419,888号のような文献中の技術に記載されている。シリカゲルの改質も、McGillらの米国特許第5,647,903号、Dewolf,IIらの米国特許第4,303,641号、Seybertの米国特許第4,153,680号、及びPaderらの米国特許第3,538,230号のような文献中に記載されている。これらの開示物は、歯磨剤の利益のために被膜清掃能の向上と象牙質研磨レベルの削減を付与するためにそのようなシリカ材料に施した改良を教示している。しかしながら、これらの典型的改良は、歯磨剤製造業者がそのような個々の材料を異なる量で他の類似成分と配合し、異なる結果レベルの清掃及び研磨特性を達成できるような好適な性質水準を提供する能力に欠けている。こうした限界を補うために、異なる目標レベルを可能にする様々なシリカの組合せ物を提供しようとする試みがなされてきた。異なる粒径及び比表面積の組成物が含まれるそのようなシリカ組合せ物が、Karlheinz Schellerらの米国特許第3,577,521号、Macyareaらの米国特許第4,618,488号、Muhlemannの米国特許第5,124,143号、及びPlogerらの米国特許第4,632,826号に開示されている。しかしながら、そのようにして得られた歯磨剤は、所望レベルの研磨性及び高い被膜清掃性を同時に提供できていない。
ある構造の沈降シリカとシリカゲルの物理的混合物を提供しようとする別の試みもなされている(特にRiceの米国特許第5,658,553号の中で)。シリカゲルはエッジを呈するので、たとえ低構造型であっても理論的には沈降シリカよりも大きく表面を研磨する能力を示すことは一般に認められている。従って、この特許の中でそのような材料を一緒にブレンドしたことは、沈降シリカ単独の場合より制御されてはいるが高いレベルの研磨と高い被膜清掃能とが合体したという点で、当時は改良を提供した。該開示において、別個に製造され共配合されたシリカゲルと沈降シリカは、PCR及びRDAレベルの向上を可能にしたが、非常に高いPCR結果を示す従前に提供されたシリカの場合より低い研磨特性に関して明らかに大きな制御を伴うことが示されている。残念ながら、これらの結果は確かに正しい方向への工程ではあるが、十分に高い被膜清掃性と同時に、被膜の除去が、有害な象牙質破壊を招くことなく達成できるような低い放射性象牙質研磨特性を示すシリカ系歯科用研磨剤を提供するというニーズは依然として大きく満たされないままである。実際、歯科用シリカ工業内で以前に提供されていたものよりも著しく高いPCRレベル対RDAレベルを示す、より安全な研磨剤が求められている。繰り返すが、Rice特許は望ましい研磨特性へのスタートにすぎない。さらに、これら別個のゲルと沈降材料を製造し、そのような特性の適正な標的レベルに合うようにそれらを計量する必要性は、製造プロセスにコストとプロセス工程を追加することになる。そのような組合せの利益を、非常に高レベルの被膜清掃性と比較的低い〜中程度の象牙質研磨度で提供しながら、同時に歯磨剤内への配合も容易にする方法はこのように現時点で業界にはない。
購入、貯蔵及び歯磨剤内への導入を必要とする添加剤の数を制限したい希望は常にある。従って、同時に増粘特性と研磨特性を提供し、そのような性質のために複数の成分を添加せずにすむ能力は、業界内ではまだ満たされていないニーズである。
発明の目的及び要旨
今回、沈降シリカの製造法における改変によって、その中に標的量のシリカゲルを現場で同時製造できることを見出した。特に現場生成された複合材料の最終構造を制御できる改変法である。そのような新規方法は、歯磨剤内で優れた象牙質研磨能と被膜清掃能を提供する現場生成されたゲル/沈降シリカ材料の製造を可能にする。あるいは、望ましい研磨及び清掃性だけでなく優れた増粘性も示す製剤が、そのように特異的に製造され、貯蔵され導入された添加剤の導入によって可能になる。
特に、特異的な現場形成された複合材料は放射性象牙質研磨結果の低さに比べて非常に高レベルの被膜清掃性を示すので、得られた材料は、歯磨剤製造業者がある高レベルの清掃性と低い研磨性を求めて他の研磨材料(例えば低構造性の沈降シリカ、炭酸カルシウムなど)と共に加えることもできる。そうすることにより最終ユーザーに対して研磨からの保護には大きな余裕を提供しながら清掃の最適化が提供される。また、特定の科学的理論に拘束されるつもりはないが、最終複合材料中のシリカゲルの量を増やすと、高い清掃性と削減された象牙質研磨レベルの制御された結果に寄与する狭い粒径範囲の提供に役立つとも考えられている。以下で詳細に検討するが、そのような材料の物理的混合物(すなわち同一反応内で同時に製造されていない)には、そのような性質を限られたレベルでしか与えられず、許容可能な高被膜清掃レベルを付与すると同時に、非常に高い、有害でありうる程度の象牙質研磨水準を示す材料(特に沈降シリカ成分)を用意する必要があるということが分かっている。新規な現場生成沈降/ゲルの組合せシリカは、思いがけず高度の被膜清掃性と著しく低い象牙質研磨値を提供するので、より良好な歯保護のためにより望ましい可能性のある低研磨材料というだけにとどまらないものを歯磨剤工業にもたらす。様々な量のそのようなシリカゲル成分の存在は、ゲル凝集体が研磨のために呈示する鋭いエッジの利益が、共存する様々なレベルの異なる構造のシリカ沈降物とともに、高清掃、中間的清掃、又は増粘/低清掃の三つの一般的性質のうちの一つを示す総体的複合材料をもたらすのを可能にすることは認識されている。そのような一般的性質は、総体的なゲル/沈降複合材料の構造(前述のようにアマニ油の吸収によって測定)にすべて依存している。現場製造された場合、得られたゲル/沈降材料は、別個に製造されたそのような成分の乾燥ブレンドと比較して、思いがけず改良された性質を提供する。このようにして、高清掃の場合を一例に挙げると、被膜清掃レベルは極めて高いが、実際には象牙質研磨レベルは制限されるので、標的の歯基質に対して高すぎる研磨レベルを与えることのない優れた清掃材料が提供される。
あるいは、しかし決して重要性は劣らないのが、象牙質研磨及び被膜清掃特性(前段落で記載したものより程度は低いが)と一緒に増粘性も提供するシリカ系成分の材料を同じ反応媒体内で同時に製造し、単一の添加剤でそのような有益な結果を可能にする能力である。出発材料の濃度及び/又はゲル及び/又は沈降物の反応条件の変更を通じて、最終複合材料中のシリカゲルの量及び/又はその中の沈降成分の目標とする高−、中−、又は低構造を制御する能力は、複合材料自体の総体的清掃、研磨、及び/又は増粘特性を制御する能力を提供する。従って、より大きい増粘特性と削減されてはいるが効果的な被膜清掃特性を示す複合材料は、多量のシリカゲル及び/又は多量の高構造沈降物のいずれかを含み、その結果、総体的複合材料は十分に高いアマニ油吸収(150ml超/100g材料)を示し、目標とする所望の増粘性/低研磨性を提供する。このように、シリカゲル/沈降物のそうした製造パラメータを制御することによって、単一の添加剤でこれらの多様な清掃、研磨、及び/又は増粘性を、高価な可能性のあるそして/又は配合が困難な材料を同じ目的のために複数添加しなくても提供できることが分かった。
本明細書中で使用しているすべての部、パーセンテージ及び比率は特に明記しない限り重量による。本明細書中に引用したすべての文献は参照によって本明細書に援用する。
従って、本発明の一つの目的は、改良された被膜清掃性を提供しつつ象牙質又はエナメルの研磨レベルはそれに応じて許容しがたいほど高く増加しない沈降シリカ及びゲルシリカの複合材料を提供することである。本発明の別の目的は、そのように有効な沈降物/ゲルのシリカ組合せ物を製造するための新規方法を提供することである。その場合、該材料は同時に現場で製造されるので歯磨剤の製造中ではなく材料の製造中に該材料の適正比率を決めることが可能になる。また、本発明の目的は、現場生成された沈降/ゲルのシリカ複合材料によって示されるアマニ油吸収レベルが三つの範囲のうちの一つに入る複合材料を提供することである。すなわち、非常に高い清掃材料の場合、吸油量40〜100ml/複合材料100g、中間的高さの清掃材料の場合、100より大〜150mlまで/100g、そして清掃/増粘/低研磨材料の場合、150より大である。
従って、本発明は、シリカゲルと沈降シリカを同時に製造する方法を包含し、前記方法は、
a)十分量のアルカリケイ酸塩と酸性化剤を一緒に混合してシリカゲル組成物を形成させ;そして前記形成されたシリカゲル組成物を最初に洗浄、精製、又は改質せずに、
b)前記シリカゲル組成物に十分量のアルカリケイ酸塩と酸性化剤を同時に導入して沈降シリカを形成させ、それによって沈降/ゲルのシリカ組合せ物を製造する
順次工程を含む。本発明はまた、そのようなプロセスの生成物も包含し、その中に存在するシリカゲルの量は、得られた全沈降/ゲルシリカの同時製造組合せ物の5〜80体積%である。さらに本発明には、上記三つの吸油測定値の範囲に入る複合材料、及び上記発明的プロセスの生成物のみならずそのような材料も含む歯磨剤も包含される。
一般的に、合成沈降シリカは、希アルカリケイ酸塩溶液を強鉱酸水溶液と、ゾル及びゲルへの凝集が起こりえない条件下で混合し、撹拌し、次いでろ過して沈降シリカを取り出すことによって製造される。得られた沈降物は次に洗浄、乾燥され、そして所望サイズに粉砕される。
また一般的に、シリカゲルは、シリカヒドロゲル、含水ゲル、エーロゲル、及びキセロゲルを含む。シリカゲルも、アルカリケイ酸塩溶液を強酸と(又はその逆)反応させてヒドロゾルを形成させ、新しく形成されたヒドロゾルを熟成してヒドロゲルにすることによって形成される。次いで該ヒドロゲルを洗浄、乾燥し、粉砕して所望材料にする。
前述のように、そのような材料を別に製造することは、歴史的に、これらの別材料の製造と、歯磨剤への配合時にその所望の清掃/研磨レベルを提供するように二つを一緒に適正に計量することを必要としてきた。
これに対し、そのような材料を同時製造する発明的方法は、製造者が、製造中のパラメータ制御を通じて、シリカゲル及び沈降シリカ成分の量の範囲と共に沈降成分の構造も標的にすることで所望の清掃/研磨レベルを付与することを可能にする。これは、従来の別々の配合によるそのような材料の物理的混合物(すなわち乾燥ブレンド)とは著しく異なる。基本的に、新規方法は、所望のシリカゲルの量を標的とし、そしてそのような所望レベルを生み出すためにアモルファス沈降シリカ製造中にある反応条件を特定的に選択することを含む。
発明的研磨組成物は、歯磨剤(dentifrice)、練り歯磨き(toothpaste)などの口腔清掃組成物を製造する際のすぐに使える(ready-to-use)添加剤である。特に練り歯磨き製造プロセスにおける原料として適している。さらに、そのようなシリカ生成物は、鋭いエッジと低研磨性が望まれる用途、例えば食洗機用洗剤(これだけに限らない)のようなある種の製剤中の抑泡剤(これだけに限らない)にも利用できる。そのような材料の追加の使用可能性は、食品運搬容器、ゴムの添加剤及び担体、化粧品添加剤、パーソナルケア用品添加剤、プラスチック粘着防止添加剤、及び医薬品添加剤などであるが、これらに限定されない。
本発明の現場製造されたゲル/沈降シリカ複合材料と、比較のそのような材料の物理的混合物の歯磨剤組成物についての象牙質研磨と被膜清掃比との間の相関を示すグラフ図である。 本発明の現場製造されたゲル/沈降シリカ複合材料と、比較のそのような材料の物理的混合物についての増粘能とシリカゲル構造との間の相関を示すグラフ図である。 本発明の現場製造されたゲル/沈降シリカ複合材料の歯磨剤組成物の象牙質研磨及び被膜清掃測定値と、比較の従来的歯研磨剤の同じ測定値との間の相関を示すグラフ図である。
発明の詳細な説明
本発明で使用される研磨及び/又は増粘性の組合せ物は現場形成された材料で、歯表面の過度の研磨を起こさずに高い清掃効果を有する口腔清掃組成物を製造するために他の成分とオンデマンドで容易に調合できる。研磨及び/又は増粘組成物の必須及び随意成分、本発明と同一物製造の関連法について、以下にさらに詳細に説明する。
一般的製造法
本発明のシリカ組成物は、以下の二段階プロセスに従って製造される。第一段階でシリカゲルが形成され、第二段階で沈降シリカが形成される。本プロセスにおいて、アルカリケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムの水溶液を、均一混合物を確保するのに適切な混合手段を備えた反応器に入れ、反応器中のアルカリケイ酸塩の水溶液を約40℃〜約90℃の温度に予熱する。好ましくは、アルカリケイ酸塩水溶液は、約3.0〜35wt%、好ましくは約3.0〜約25wt%、さらに好ましくは約3.0〜約15wt%のアルカリケイ酸塩濃度を有する。好ましくは、アルカリケイ酸塩はケイ酸ナトリウムで、SiO:NaOの比率は約1〜約4.5、さらに特に約1.5〜約3.4である。反応器に入れるアルカリケイ酸塩の量は、バッチで使用される全ケイ酸塩の約10wt%〜80wt%である。所望により、硫酸ナトリウム溶液のような電解質を反応媒体(ケイ酸塩溶液又は水)に加えてもよい。次に、酸性化剤又は酸、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リン酸など(好ましくは硫酸)の水溶液をその希薄溶液として(例えば約4〜35wt%、さらに典型的には約9.0〜15.0wt%の濃度)ケイ酸塩に加え、ゲルを形成させる。シリカゲルが生成し、pHを所望レベル(例えば約3〜10)に調整したら、酸の添加を停止し、ゲルをバッチ反応温度、好ましくは約65℃〜約100℃に加熱する。この第一段階完了後、生成したシリカゲルを決して改質しないことに注意するのは重要である。従って、この得られたゲルは、第二段階の開始前に洗浄、精製、清掃などされない。
次に、ゲルの反応温度が上昇後、第二段階を開始する。(1)前に使用したのと同じ酸性化剤の水溶液、及び(2)反応器中にあるのと同じ種のアルカリケイ酸塩を含有する水溶液の追加量(該水溶液は約65℃〜約100℃に予熱されている)を反応器に同時に添加する。酸性化剤とケイ酸塩の添加速度を調整すれば、第二段階の反応中の同時添加pHを制御できる。このpH制御を用いて生成物の物理的性質が制御できる。一般的に、平均バッチpHが高ければ低構造性のシリカ生成物が得られ、平均バッチpHが比較的低ければ高構造性のシリカ生成物が得られる。高剪断再循環も利用できる。酸溶液の添加は反応器のバッチのpHが約4〜約9に低下するまで続ける。この発明的方法の目的のために、“平均バッチpH”という用語は、沈降物形成段階中に5分ごとにpHレベルを測定し、全経過時間にわたる総計を平均化して得られた平均pHを意味するものとする。
酸性化剤とアルカリケイ酸塩の流入停止後、反応器のバッチを5分〜30分間熟成又は“消化”させる。このとき反応器の内容物は一定のpHに維持される。消化完了後、反応バッチをろ過し水洗して、過剰副産物の無機塩を、シリカろ過ケーキからの洗液が導電率による測定で最大でも5%の副産物塩含有量になるまで除去する。
シリカろ過ケーキを水中でスラリー化し、次いで噴霧乾燥のような任意の従来の乾燥技術によって乾燥させ、約3wt%〜約50wt%の水分を含有するアモルファスシリカを製造する。次に、シリカを粉砕して、約3μm〜25μm、好ましくは約3μm〜約20μmの所望のメジアン粒径を得る。さらに狭いメジアン粒径範囲に分級すれば、向上した清掃利益の提供にも役立つ。
合成アモルファスシリカを沈降させる前述の製造プロセス方法論のほか、シリカ生成物の製造法は必ずしもそれに限定されないので、例えば先行の米国特許第3,893,840号、3,988,162号、4,067,746号、4,340,583号、及び5,891,421号(これらはいずれも引用によって本明細書に援用する)に記載の方法論が、再循環と高剪断処理を組み込むように適当に修正される限り、それらの方法に従って一般的に達成することもできる。当業者には分かるとおり、得られた沈降シリカの特性に影響を及ぼす反応パラメータは、様々な反応物を添加する速度及びタイミング;様々な反応物の濃度レベル;反応pH;反応温度;製造中の反応物の撹拌;及び/又は何らかの電解質を加える場合の速度などである。
本発明的材料を製造するための代替法は、McGillらの米国特許第6,419,174号に教示されている方法(これに限定されない)のようなスラリー形のもの、並びにHuangの米国公開特許出願第20030019162号に記載のフィルタープレススラリー法などである。
発明的シリカ複合材料は、前述のようにそれぞれが示すアマニ油吸収範囲に応じて特徴付けされ、三つの異なるカテゴリーに分類される。油吸収試験は、以下でさらに詳細に説明するが、沈降シリカ材料の構造を決定するのに一般的に使用される。これについては、J.Soc.Cosmet.Chem.,29,497−521(1978年8月)、及びPigment Handbook:Volume 1,Properties and Economics,第2版,John Wiley & Sons,1988,p.139−159に示されている。しかしながら、本発明の場合、該試験はここでは、代わりに総体的なゲル/沈降シリカ複合材料の構造を決定するのに利用されているのに注意することは重要である。このようにして発明的材料の三種類の基本タイプは上記定義のように分類された。以下のセクションで解説する。
シリカゲルと沈降物の発明的現場生成複合材料(“組合せ物”とも呼ぶ)は、三つの主要タイプ、すなわちi)高清掃性の歯研磨剤、相関する研磨性は典型的な高清掃シリカ系生成物よりも低い(例えばRDAレベル250未満);ii)中間的清掃性の歯研磨剤、高清掃レベルは低下しているが(上記高清掃材料と比較した場合)、RDA測定値はずっと低い(例えばせいぜい150程度);及びiii)あるレベルの清掃性及び研磨性(例えば呈示PCR90未満、測定RDA80未満)を示す増粘性(粘度調整)生成物を含む様々な機能(これらに限定されない)のために有用である。各タイプの製造は、異なる因子、例えば反応条件(例えば温度、撹拌/剪断、反応物の添加速度、ゲル成分の量など)、及び反応物の濃度(例えば一例を挙げると、酸に対するケイ酸塩のモル比)に基づく。これらについてはさらに以下で別々に説明する。
高清掃研磨材料
本発明の現場プロセスは、選択性は、反応のpH、反応物の組成、ゲル成分の量、及びその結果としてそれから製造されて得られたゲル/沈降シリカ複合材料の構造に関して従うが、驚くべきことに極めて高い被膜清掃性を示す研磨材料をもたらした。そのような高清掃材料は、ある種の低構造ゲル/沈降シリカ複合材料の製造を通して、再度、清掃性の利益を損なうことなくより低い放射性象牙質研磨レベルを目標にして調整することができる。そのような材料は、以下の実施例4、6、7、11、及び15に少なくとも例示されており、有害な過度の象牙質研磨をすることなく清掃する能力を示している(例えば歯磨剤1、3、及び4の中で)。そのような製品は、歯磨剤の総体的な清掃及び研磨レベルを目指して、歯磨剤中の単一の清掃/研磨成分として利用することも、又は一つの可能性ある好適な態様においては、他の低研磨性添加剤を補うものとして使用することもできる。
この高清掃材料の場合、ゲル成分は、最終形成されたゲル/沈降シリカ複合材料の5〜50体積%の量で存在する(従って沈降シリカ成分は結果として95〜50体積%の量で存在する)。高清掃材料を形成するために可能なゲルの量は複合材料の50%ほどにもなりうるが、その量はそれよりずっと少ないのが好ましい。その主な理由は、高清掃材料中に存在するゲルの量が多くなるほど、次の局面で製造する必要のある低構造沈降シリカ成分の量が多くなることが分かったからである。従って、製造されるゲルの総量は好ましくは比較的低い(例えば10〜25%)。ゲル成分のそのようなパーセンテージは実際、それぞれ異なるシリカ材料の製造局面中に存在するケイ酸塩の量を表す。従って、10%というゲルの測定値は、ゲルが最初に製造される間、反応器内に全ケイ酸塩反応物体積の10%が存在することを反映している(一例として)。最初のゲル製造の次に、残りの90%のケイ酸塩反応物体積が沈降シリカ成分の製造のために使用される。しかしながら、沈降物形成局面が開始されると、一部のケイ酸塩は実際にはゲルを製造することもあるが、最終形成された複合材料中の各成分のパーセンテージの決定にはそのような可能性は反映されていないことに注意することは重要である。従って、上記のパーセンテージは単に最良推定値であって、成分の最終量の具体的な決定ではない。このような問題は、ほかの現場ゲル/沈降物複合材料のカテゴリーにも同様に存在する。
一般的に、このような特定の高清掃研磨剤は、適切な酸と適切なケイ酸塩出発材料を混合して(酸濃度は、水溶液で5〜25%、好ましくは10〜20%、さらに好ましくは10〜12%、ケイ酸塩出発材料の濃度は、同じく水溶液中で4〜35%)最初にシリカゲルを形成する方法によって製造できることが確認されている。ゲル形成後(何らの特記すべきゲルの洗浄も、他の種類の精製も、物理的修飾もなしに)、十分なケイ酸塩と酸を形成されたゲルに加え、高清掃複合材料を形成するために所望の様々な構造の沈降シリカ成分(好ましくは低構造であるが、その他の構造のシリカ生成物も、総体的構造が必要レベルの被膜清掃性を得るのに十分である限り、製造中に得てもよい)をさらに製造する。全反応のpHはどこでも3〜10の範囲内に制御されうるが、低構造の沈降シリカを製造するためには高いpHが望ましい。このプロセスを通じて高清掃、中〜低研磨材料を提供するには、ゲルの量は少ない方が好ましく(前述のように複合材料の10〜30体積%)、低構造沈降シリカの量は比較的多い方が好ましい(複合材料の90〜70体積%)ことが分かった。このカテゴリーに付随する適正なPCR及びRDAレベルを示すには、得られたゲル/シリカ複合材料はアマニ油吸収が40〜100mlの油量/100gの材料を示す必要がある。
概して発明的な高清掃ゲル/沈降シリカ組合せ物は一般的に以下の性質を有する。10% Brass Einlehner硬度値は約5〜30mg損失/100,000回転の範囲にあり、試験歯磨剤(以下の実施例中に示されている)においてRDA(Radioactive Dentin Abrasion、放射性象牙質研磨)値は約180〜240、そして(同一試験歯磨剤において)PCR(Pellicle Cleaning Ratio、被膜清掃比)値は90〜160、RDAに対するPCRの比率は0.45〜0.7の範囲内である。
中間的清掃研磨剤
本発明の現場プロセスは、反応のpH、反応物の濃度、ゲル成分の量、及びその結果としてそれから製造されて得られたゲル/沈降シリカ複合材料の総体的構造の点で前述の高清掃材料の場合と同様の程度の選択性に従うが、ここでも驚くべきことに中間的生成物(本質的に削減されてはいるが依然として比較的高い清掃レベルと低研磨レベルを有する)の複合材料の製造法をもたらした。従って、異なる濃度、pHレベル、とりわけ最終的なゲルの割合の選択によって、比較的高い被膜清掃成果と前述の高清掃材料と比べて低い研磨性を可能にする総体的に中間構造のゲル/沈降シリカ複合材料が製造できる。以下の実施例5、10、12、14、16、及び17に少なくともそのような中間的研磨生成物のある種の製造法を示す(以下の歯磨剤2、7、9、及び10の中でもさらに例示されている)。
この中間的清掃材料の場合、ゲル成分は、最終形成されたゲル/沈降シリカ複合材料の10〜60重量%の量で存在する(従って沈降シリカ成分は結果として90〜40重量%の量で存在する)。高清掃材料を形成するために可能なゲルの量は複合材料の60%ほどにもなりうるが、その量はそれよりずっと少ないのが好ましい。その主な理由は、中間的清掃材料中に存在するゲルの量が多くなるほど、次の局面で製造する必要のある低構造沈降シリカ成分の量が多くなることが分かったからである。従って、製造されるゲルの総量は好ましくは比較的低い(例えば20〜33%)。高清掃材料で前述したように、ゲル成分のそのようなパーセンテージは実際、それぞれ異なるシリカ材料の製造局面中に存在するケイ酸塩の量を表す。
一般的に、このような特定の中間的清掃研磨剤は、適切な酸と適切なケイ酸塩出発材料を混合して(酸濃度は、水溶液で5〜25%、好ましくは10〜20%、さらに好ましくは10〜12%、ケイ酸塩出発材料の濃度は、同じく水溶液中で4〜35%)最初にシリカゲルを形成する方法によって製造できることが確認されている。ゲル形成後(何らの特記すべきゲルの洗浄も、他の種類の精製も、物理的修飾もなしに)、十分なケイ酸塩と酸を形成されたゲルに加え、中間的清掃複合材料を形成するために所望の適当な構造の沈降シリカ成分をさらに製造する。全反応のpHはどこでも3〜10の範囲内に制御されうる。最初に形成されたゲルの量に応じて、沈降シリカ成分の量及び構造は、高清掃材料の場合とほぼ同じように目標設定すればよい。このプロセスを通じて、前述の高清掃材料と比べて中間的清掃、低研磨材料を提供するには、ゲルの量は多い方が好ましく(前述のように複合材料の10〜60体積%、好ましくは20〜33%)、低構造沈降シリカの量は少ない方が好ましい(複合材料の90〜40体積%、好ましくは80〜67%)ことが分かった。このカテゴリーに付随する適正なPCR及びRDAレベルを示すには、得られたゲル/シリカ複合材料はアマニ油吸収が100〜150mlまでの油量/100gの材料を示す必要がある。
概して、発明的な中間的清掃ゲル/沈降シリカ組合せ物は一般的に以下の性質を有する。10% Brass Einlehner硬度値は2.5〜12.0の範囲にあり、試験歯磨剤(以下の実施例中に示されている)においてRDA(放射性象牙質研磨)値は約95〜150、そして(同一試験歯磨剤において)PCR(被膜清掃比)値は90〜120、RDAに対するPCRの比率は0.7〜1.1の範囲内である。
増粘清掃剤/研磨剤
最後に、ここでも驚くべきことに上記2種類の研磨剤とほぼ同じように、本発明の現場プロセスを利用することによって、ある程度の研磨性及び清掃性も示すシリカ系の粘度調整材料が提供できることが分かった。同時製造されたゲル/沈降物の存在は、驚くべきことに材料にある種の研磨性を与えるようである。その材料を高構造シリカ製造法によって製造すると、歯磨剤に効果的な増粘性(又は他の種類の粘度調整)も提供される。このようにして、そのような増粘剤は、その粘度調整効果のためだけでなく、同時に存在する高清掃及び/又は研磨性歯磨剤成分を補助するためにも加えることができる。実施例3、8、9、及び13に少なくともそのような増粘性研磨剤の一般的製造法を示す(以下の歯磨剤5、6、及び8の中でもさらに例示されている)。
この低清掃レベルの材料の場合、ゲル成分は、最終形成されたゲル/沈降シリカ複合材料の20〜85体積%の量で存在する(従って沈降シリカ成分は結果として80〜15体積%の量で存在する、該成分は好ましくは高構造形で存在する)。高清掃材料を形成するために可能なゲルの量は複合材料の20%ほどでありうるが、その量はそれよりずっと多いのが好ましい。その主な理由は、増粘研磨材料中に存在するゲルの量が少なくなるほど、次の局面で製造する必要のある高構造沈降シリカ成分の量が多くなることが分かったからである。従って、製造されるゲルの総量は好ましくは比較的高い(例えば45〜65%、さらに好ましくは50%)。その他のカテゴリーの清掃材料で前述したように、ゲル成分のそのようなパーセンテージは実際、それぞれ異なるシリカ材料の製造局面中に存在するケイ酸塩の量を表す。
一般的に、このような特定の増粘研磨剤は、適切な酸と適切なケイ酸塩出発材料を混合して(酸濃度は、水溶液で5〜25%、好ましくは10〜20%、さらに好ましくは10〜12%、ケイ酸塩出発材料の濃度は、同じく水溶液中で4〜35%)最初にシリカゲルを形成する方法によって製造できることが確認されている。ゲル形成後(何らの特記すべきゲルの洗浄も、他の種類の精製も、物理的修飾もなしに)、十分なケイ酸塩と酸を形成されたゲルに加え、増粘研磨複合材料を形成するために所望の高構造沈降シリカ成分をさらに製造する。全反応のpHはどこでも3〜10の範囲内に制御されうる。最初に形成されたゲルの量に応じて、沈降シリカ成分の量及び構造は、次のケイ酸塩及び酸反応物をより酸性の媒体中で反応させてより多量の高構造沈降シリカ成分を形成させることによって目標設定することができる。このプロセスを通じて増粘研磨材料を提供するには、ゲルの量は多い方が好ましく(前述のように複合材料の20〜85体積%、好ましくは45〜65%)、低構造沈降シリカの量は比較的少ない方が好ましい(なるべく少なく)が、高構造沈降シリカの量は比較的多い方が好ましい(複合材料の80〜15体積%、好ましくは55〜35%)ことが分かった。このカテゴリーに付随する適正なPCR及びRDAレベルを示すには、得られたゲル/シリカ複合材料はアマニ油吸収が150より大、最大可能性約225mlの油量/100gの材料を示す必要がある。
概して、発明的増粘研磨性ゲル/沈降シリカ組合せ物は一般的に以下の性質を有する。10% Brass Einlehner硬度値は約1.0〜5.0mg損失/100,000回転の範囲にあり、試験歯磨剤(以下の実施例中に示されている)においてRDA(放射性象牙質研磨)値は約20〜約80、そして(同一試験歯磨剤において)PCR(被膜清掃比)値は約50〜80、RDAに対するPCRの比率は0.8〜3.5の範囲内である。
発明的材料の歯磨剤への使用
本明細書中に記載の発明的現場生成ゲル/沈降シリカ複合材料は、本発明の歯磨剤組成物に提供される清掃剤成分として単独で利用できるが、少なくとも高清掃カテゴリーの材料の場合、中程度に高いRDAレベルは一部の消費者には許容され得ないかもしれない。そこで、この点に関しては適切な歯磨剤の中に本発明の複合材料とそれに物理的にブレンドされた他の研磨剤とを組み合わせることが、目標とする歯の清掃及び研磨結果を所望の保護レベルにするために好ましいかもしれない。従って、任意の数の他の従来型研磨添加剤が、本発明に従って発明的歯磨剤中に存在してもよい。その他のそのような研磨粒子は、例えば、沈降炭酸カルシウム(PCC)、重質炭酸カルシウム(GCC)、リン酸二カルシウム又はその二水和物形、シリカゲル(単独で、又はあらゆる構造のもの)、アモルファス沈降シリカ(同じく単独で、又はあらゆる構造のもの)、パーライト、二酸化チタン、ピロリン酸カルシウム、水和アルミナ、焼成アルミナ、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、不溶性炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウムなどであるが、これらに限定されない。これらを目標とする製剤(例えば歯磨剤など)の研磨特性を調整するために、また所望であれば、所望の研磨組成物中に導入してもよい。
前述の沈降/ゲルシリカ組合せ物は、歯磨剤組成物に配合する場合、約5重量%〜約50重量%、さらに好ましくは約10重量%〜約35重量%の量で存在する(特に歯磨剤が練り歯磨きの場合)。本発明の研磨組成物を配合した総合歯磨剤又は口腔清掃剤は、便宜上下記の可能な成分及びその相対量を含むことができる(すべての量ともwt%)。
Figure 2011173892
さらに、前述のように、発明的研磨剤は、その他の研磨材料、例えば沈降シリカ、シリカゲル、リン酸二カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、メタケイ酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、アルミナ、焼成アルミナ、ケイ酸アルミニウム、沈降及び重質炭酸カルシウム、チョーク、ベントナイト、粒状熱硬化性樹脂、及び当業者に公知のその他の適切な研磨材料と共に使用してもよい。
研磨成分のほかに、歯磨剤は一つ以上の官能向上剤を含有していてもよい。官能向上剤は、湿潤剤、甘味剤、界面活性剤、フレーバー、着色剤及び増粘剤(時にバインダ、ガム、又は安定剤として知られることもある)などである。
湿潤剤は、歯磨剤に質感又は“口当たり”を加えると共に歯磨剤の乾燥を防止する役割を果たしている。適切な湿潤剤は、ポリエチレングリコール(様々に異なる分子量の)、プロピレングリコール、グリセリン(グリセロール)、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、及び加水分解水添デンプン、並びにこれらの化合物の混合物などである。湿潤剤の典型的な量は、練り歯磨き組成物の約20wt%〜約30wt%である。
甘味剤は、製品に良味を与えるために練り歯磨き組成物に加えられる。適切な甘味剤は、サッカリン(ナトリウム、カリウム又はカルシウムサッカリンとして)、シクラメート(ナトリウム、カリウム又はカルシウム塩として)、アセスルファム−K、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、アンモニア化グリチルリチン、デキストロース、レブロース、スクロース、マンノース、及びグルコースなどである。
界面活性剤は、本発明の組成物に該組成物をより美容的に受け入れられるようにするために使用される。界面活性剤は好ましくは洗剤材料で、組成物に洗剤性及び発泡性を付与する。適切な界面活性剤は、安全かつ有効量のアニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、両性及びベタイン界面活性剤で、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシネートのアルカリ金属又はアンモニウム塩、ミリストイルサルコシネート、パルミトイルサルコシネート、ステアロイルサルコシネート及びオレオイルサルコシネート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、イソステアレート及びラウレート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン、N−ラウロイル、N−ミリストイル、又はN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、及びエタノールアミン塩、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、ココアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、パルミチルベタインなどである。ラウリル硫酸ナトリウムが好適な界面活性剤である。界面活性剤は典型的には本発明の口腔ケア組成物中に約0.1〜約15重量%、好ましくは約0.3〜約5重量%、例えば約0.3〜約2重量%の量で存在する。
フレーバーは所望により歯磨剤組成物に加えることができる。適切なフレーバーは、ウィンターグリーン油、ペパーミント油、スペアミント油、サッサフラス油、及びクローブ油、シナモン、アネトール、メントール、チモール、オイゲノール、ユーカリプトール、レモン、オレンジ並びにフルーツの香り、スパイスの香りなどを加えるためのその他のフレーバー化合物などであるが、これらに限定されない。これらのフレーバーは、化学的には、アルデヒド、ケトン、エステル、フェノール、酸、並びに脂肪族、芳香族及びその他のアルコールの混合物からなる。
着色剤は製品の美的外観を改良するために加えることができる。適切な着色剤は、FDAのような適切な規制機関によって承認されている着色剤及び欧州食品医薬品指令(European Food and Pharmaceutical Directives)にリストされているものから選ばれ、TiOのような顔料並びにFD&C及びD&C色素のような着色剤を含む。
増粘剤は、練り歯磨きを相分離に対して安定化させるゼラチン構造を提供するため、本発明の歯磨剤組成物に有用である。適切な増粘剤は、シリカ増粘剤;デンプン;グリセリンデンプン;カラヤガム(ステルクリアガム)、トラガカントガム、アラビアガム、ガティガム、アカシアガム、キサンタンガム、グアガム及びセルロースガムのようなガム;ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum);カラギーナン;アルギン酸ナトリウム;寒天;ペクチン;ゼラチン;セルロース化合物、例えばセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、及び硫酸化セルロース;天然及び合成クレイ、例えばヘクトライトクレイ;並びにこれらの化合物の混合物などである。増粘剤又はバインダの典型的な量は練り歯磨き組成物の約0wt%〜約15wt%である。
本発明の組成物には、虫歯、歯周病及び温度感受性の予防及び治療を提供するために、所望により治療薬(薬用成分)を使用してもよい。治療薬の例は、フッ化物源、例えばフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化スズ、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウムなど;縮合リン酸塩、例えばピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸一水素三ナトリウム;トリポリホスフェート、ヘキサメタホスフェート、トリメタホスフェート及びピロホスフェートなど;抗微生物剤、例えばトリクロサン、ビスグアニド、例えばアレキシジン、クロルヘキシジン及びグルコン酸クロルヘキシジン;酵素、例えばパパイン、ブロメライン、グルコアミラーゼ、アミラーゼ、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、タンナーゼ、及びプロテアーゼ;第四級アンモニウム化合物、例えば塩化ベンザルコニウム(BZK)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、及び臭化ドミフェン;金属塩、例えばクエン酸亜鉛、塩化亜鉛、及びフッ化スズ;サンギナリア(血根草)エキス及びサンギナリン;精油、例えばユーカリプトール、メントール、チモール、及びサリチル酸メチル;フッ化アミン;過酸化物などであるが、限定を意図してはいない。治療薬は、歯磨剤に単独で又は組み合わせて治療上安全及び有効レベルで使用されうる。
保存剤も、細菌成長を防止するために所望により本発明の組成物に加えてもよい。メチルパラベン、プロピルパラベン及び安息香酸ナトリウムのような口腔組成物への使用が承認されている適切な保存剤を安全かつ有効量加えることができる。
本明細書中に開示された歯磨剤には、様々な追加成分、例えば脱感作薬、治療薬、その他の虫歯予防剤、キレート剤/封鎖剤、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、その他の歯垢防止/歯石防止剤、乳白剤、抗生物質、抗酵素、酵素、pH調整剤、酸化剤、抗酸化剤なども加えることができる。
言及した添加剤のほかに組成物の残り部分には水が供給される。水は好ましくは脱イオン化され、そして不純物が除去されたものである。歯磨剤は通常、約20wt%〜約35wt%の水を含む。
そのような練り歯磨剤に利用するのに有用なシリカ増粘剤は、非制限的例として、ZEODENT(登録商標)165シリカのようなアモルファス沈降シリカなどである。その他の好適な(非制限的)シリカ増粘剤は、ZEODENT(登録商標)163及び/又は167及びZEOFREE(登録商標)153、177、及び/又は265シリカで、すべて米国ミズーリ州ハバー・ド・グラースのJ.M.Huber Corporationから入手できる。
本発明の目的のために、“歯磨剤(dentifrice)”は、Oral Hygiene Products and Practice,Morton Pader著,Consumer Science and Technology Series,Vol 6,Marcel Dekker出版、NY 1988,p.200に定義の意味を有する。前記文献は引用によって本明細書に援用する。すなわち、“歯磨剤”は、“手の届く歯表面を清掃するために歯ブラシと共に使用される物質である。歯磨剤は主に、水、洗剤、湿潤剤、バインダ、フレーバー、及び主成分としての微粉砕研磨剤で構成される。歯磨剤は、虫歯予防剤を歯に送達するための研磨剤含有剤形とみなされる。”歯磨剤は、歯磨剤に配合する前に溶解されるべき成分を含有する(例えば、フッ化ナトリウム、リン酸ナトリウムのような虫歯予防剤、サッカリンのようなフレーバー)。
本明細書中に記載のシリカ及び練り歯磨き(歯磨剤)の性質は、別途記載のない限り以下のように測定した。
本願で報告した沈降シリカ/シリカゲルの硬度を測定するのに使用したBrass Einlehner(BE)摩耗試験は、米国特許第6,616,916号(引用によって本明細書に援用する)に詳述されているが、一般的に以下のように使用されるEinlehner AT−1000摩耗試験機を使用する。(1)Fourdrinier真鍮ワイヤスクリーンを秤量し、10%水性シリカ懸濁液の作用に一定時間さらす;(2)次に摩耗量をFourdrinierワイヤスクリーンからの100,000回転あたりの真鍮損失をミリグラムで測定する。結果は、mg損失の単位で測定されるが、これを10%Brass Einlehner(BE)摩耗値とすることができる。
吸油値は練り合せ(rubout)法を用いて測定する。この方法は、平滑面上でアマニ油をシリカと、堅いパテ様ペーストが形成されるまでスパチュラで練り合わせることによって混合するという原理に基づく。広げるとカールするようなペースト混合物を得るのに要した油の量を測定することにより、シリカの吸油値を計算することができる。この値は、シリカの吸収能を飽和するためにシリカの単位重量あたりに要したの油の体積を表す。吸油レベルが高いほど、沈降シリカは高構造であることを示す。同様に、低い値は、低構造沈降シリカとみなされているものを表す。吸油値の計算は以下のように実施した。
吸油値 =(吸油量、ml)/(シリカの重量、グラム)×100
= ml油/100gシリカ
屈折率(“RI”)と光透過率を測定する第一工程として、一連のグリセリン/水ストック溶液(約10個)を調製し、これらの溶液の屈折率が1.428〜1.46に入るようにした。必要なグリセリン/水の正確な比率は使用した正確なグリセリンによるので測定を行う技術者によって決定される。典型的には、これらのストック溶液は水中グリセリン濃度70wt%〜90wt%の範囲をカバーする。屈折率を決定するために、各標準溶液の1又は2滴を別個に屈折計(アッベ60屈折計 モデル10450)の固定プレート上に置く。カバープレートを取り付け、所定の位置に固定する。光源と屈折計のスイッチを入れ、各標準溶液の屈折率を読む。
別の20mlボトルに、2.0±0.01mlの発明的ゲル/沈降シリカ生成物を正確に秤量し、18.0±0.01mlのそれぞれのグリセリン/水 ストック溶液を加えた(測定された吸油値が150を超える生成物の場合、試験は1gの発明的ゲル/沈降シリカ生成物と19gのグリセリン/水 ストック溶液を使用した)。次にボトルを激しく振盪し、シリカ分散液を形成させた。ボトルから栓を取り、ボトルをデシケータに入れ、次いで真空ポンプで排気した(約24インチHg)。
次に分散液を120分間脱気し、完全脱気されているか目視検査した。サンプルを室温に戻した後(約10分)、製造業者の操作説明書に従って590nm(Spectronic 20 D+)における%透過率(“%T”)を測定した。
発明的生成物/グリセリン/水の分散液についての%透過率の測定は、少量の各分散液を石英キュベットに入れ、590nmの波長における%Tを各サンプルについて0〜100のスケールで読み取ることによって実施した。%透過率対使用したストック溶液のRIを曲線上にプロットした。発明的生成物の屈折率は、%透過率対RI曲線上のプロットされたピーク最大値(縦座標又はX値)の位置と定義された。ピーク最大値のY値(又は横座標)は%透過率であった。
本明細書中に報告されている沈降シリカ/シリカゲルの表面積は、Brunaurら、J.Am.Chem.Soc.,60,309(1938)のBET窒素吸着法によって決定する。
全細孔容積(Hg)は、Micromeritics Autopore II 9220装置を用いて水銀ポロシメトリーによって測定する。孔径は、Washburn等式により、接触角シータ(θ)(=140°)と表面張力ガンマ(=485ダイン/cm)を用いて計算できる。この装置は、様々な材料のボイド容積及び孔径分布を測定する。水銀を圧力の関数としてボイドに圧入し、サンプル1グラムあたり侵入した水銀の体積を各圧力設定で計算する。本明細書中で表されている全細孔容積は、真空〜60,000psiの圧力で侵入した水銀の累積体積を表す。各圧力設定における体積の増分(cm/g)を圧力設定の増分に対応する細孔半径又は直径に対してプロットする。侵入体積対細孔半径又は直径の曲線におけるピークは孔径分布のモード(最頻値)に対応し、サンプル中の最も一般的な孔径を特定する。具体的には、5mlのバルブとステム体積約1.1mlを有する粉体ペネトロメータで、サンプルサイズをステム体積の25〜75%を達成するように調整する。サンプルを排気して50μmHgの圧力にし、5分間維持する。水銀を1.5〜60,000psiで細孔に充填するが、約103個の各データ収集ポイントごとに10秒間の平衡時間を取る。
メジアン粒径は、ペンシルバニア州Boothwyn、Horiba Instrumentsから入手できるModel LA−930(又はLA−300又は同等のもの)レーザ光散乱装置を用いて決定する。
粒径分布の緊密性(tightness)を説明する二つの基準は、Horibaレーザ光散乱装置を用いて測定される粒径スパン比とベータ値である。“粒径スパン比”とは、10パーセンタイルの粒子の累積直径(D10)マイナス90体積パーセンタイルの累積体積(D90)を50体積パーセンタイルの粒子の直径(D50)で割ったもの、すなわち(D10−D90)/D50を意味する。スパン比が低いほど粒径分布が狭いことを示す。“粒径ベータ値”とは、25体積パーセンタイルの粒子の累積直径(D25)を75体積パーセンタイルの粒子の直径(D75)で割ったもの、すなわちD25/D75を意味する。ベータ値が高いほど粒径分布が狭いことを示す。
シリカのCTAB外表面積は、シリカ表面上のCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)の吸収によって決定される。過剰分は遠心によって分離し、界面活性剤電極を用い、ラウリル硫酸ナトリウムによる滴定で決定する。シリカの外表面積は吸着されたCTABの量から決定する(吸着前後のCTAB分析)。具体的には、約0.5gのシリカを100.00mlのCTAB溶液(5.5g/L)入りの250mlビーカーに入れ、電気撹拌プレート上で1時間混合し、次いで10,000rpmで30分間遠心分離する。1mlの10%Triton X−100を、100mlのビーカーに入れた5mlの透明上清に加える。pHを0.1N HClで3.0〜3.5に調整し、検体を界面活性剤電極(Brinkmann SUR1501−DL)を用いて0.0100Mのラウリル硫酸ナトリウムで滴定し、終点を決定する。
発明的シリカの%325メッシュ残分は、44ミクロン又は0.0017インチの開口部を有する米国標準ふるいNo.325(ステンレススチールワイヤクロス)を利用して測定する。10.0gのサンプルを0.1gの単位まで秤量し、1クオートのHamiltonミキサModel No.30のカップに入れ、約170mlの蒸留水又は脱イオン水を加えてスラリーを最低7分間撹拌する。該混合物を325メッシュスクリーンに移す;カップを洗浄し洗液もスクリーンに加える。ウオータースプレーを20psiに調整し、スクリーンに2分間直接スプレーする。スプレーヘッドはスクリーンクロス上約4〜6インチに維持しなければならない。洗瓶の蒸留水又は脱イオン水を用いてスクリーンの片側の残分を洗浄し、蒸発皿に洗い移す。2〜3分間放置し、透明水をデカントする。乾燥させ(対流式オーブン@150℃又は赤外オーブンで約15分間)、冷却し、化学てんびんで残分を秤量する。
水分又は乾燥減量(LOD)は、105℃で2時間乾燥させた場合に測定されたシリカサンプルの重量減である。強熱減量(LOI)は900℃で2時間強熱した場合に測定されたシリカサンプルの重量減である(サンプルは事前に105℃で2時間予備乾燥させてある)。
本発明で遭遇する反応混合物(5重量%スラリー)のpH値は、いずれかの従来のpH感受性電極でモニタできる。
硫酸ナトリウム含量は、公知濃度のシリカスラリーの導電率によって測定した。具体的には、38gのシリカウェットケーキサンプルをHamilton Beach Mixer、モデル番号30の1クオートミキサカップに量り入れ、140mlの脱イオン水を加えた。スラリーを5〜7分間混合した後、該スラリーを250mlのメスシリンダに入れ、シリンダを250mlの印まで脱イオン水(ミキサカップを濯いだ水を用いる)で満たした。サンプルはメスシリンダ(蓋をした)を数回反転させることによって混合した。導電率メータ、例えばCole Palmer CON 500 Model #19950−00を用いてスラリーの導電率を決定した。硫酸ナトリウム含量は、公知の添加法(method-of-addition)の硫酸ナトリウム/シリカ組成物スラリーから作成した標準曲線とサンプルの導電率を比較することによって決定した。
以下の更なる試験は、全般的な現場ゲル/沈降物製造法の中で最初に製造されたシリカゲルの構造を分析するために利用した。これらの分析に含まれるのは多孔度である。そのようなアクセッシブル(accessible)多孔度の性質は、窒素の吸脱着等温線測定を用いて得た。BJH(Barrett−Joiner−Halender)モデル平均孔径は、ジョージア州NorcrossのMicromeritics Instrument Corporationから入手できる高速比表面積/細孔分布測定装置(Accelerated Surface Area and Porosimetry System、ASAP 2010)を利用し、脱着等温線を基に決定した。サンプルは真空圧が約5μm水銀になるまで150〜200℃で脱ガスした。そのような分析機は77Kでの自動容積タイプであった。細孔容積は圧力P/P=0.99で得た。平均孔径は、円筒形の細孔と仮定して細孔容積と表面積から誘導される。孔径分布(ΔV/ΔD)は、ある孔径範囲に入るの細孔容積を提供するBJH法を用いて計算した。孔径範囲1.7〜300.0nmについてはHalsey厚さ曲線タイプを用い、この場合両端で開いている細孔部分はない。
練り歯磨き(歯磨剤)の粘度は、Helipath T−Fスピンドルを備え、5rpmにセットされたBrookfield粘度計Model RVTを利用して測定する。練り歯磨きの粘度を、25℃で、スピンドルが練り歯磨き試験サンプルを通って降下するときの3つの異なる高さで測定し、結果を平均する。Brookfield粘度はセンチポアズ(cP)で表される。
本発明で使用されたシリカ組成物を含有する歯磨剤の放射性象牙質研磨(RDA)値は、HefferenのJournal of Dental Res.,July−August 1976,55(4),pp.563−573に示され、またWasonの米国特許第4,340,583号、4,420,312号及び4,421,527号に記載の方法に従って決定する。前記文献及び特許は引用によって本明細書に援用する。
歯磨剤の清掃性は典型的には被膜清掃比(“PCR”)値の点から表される。PCR試験は、歯磨剤組成物が固定されたブラッシング条件下で歯から被膜を除去する能力を測定する。PCR試験は“In Vitro Removal of Stain With Dentifrice” G.K.Stookeyら、J.Dental Res.,61,1236−9,1982に記載されている。PCR及びRDAの結果はいずれも歯磨剤組成物の成分の性質及び濃度によって変動する。PCR及びRDA値は無単位である。
発明の好適な態様
発明的材料は、順に、第一のシリカゲル(又はゲル様材料)を形成させ、それに十分量の反応物を加えて最初に製造されたゲル(又はゲル様材料)と同時に存在する沈降シリカ成分を形成させることによって製造された。ゲルの量は第一段階における反応物の量によって制御され、一方沈降シリカの量は第二段階における反応物の量によって制御される。最終生成物の構造は、最初に製造されたゲルの量とそれに関連する沈降シリカの量、及び上で詳述した温度、速度、濃度、pHなどの反応パラメータによって制御される。
最初のゲル形成
実施例1〜2
最初の二つの実施例で、全般的なゲル/沈降物製造法の中の最初のシリカゲル製造について示す。最初の製造後、これらのサンプルの一部を洗浄及び精製して、実際のゲルが最初に形成されたかどうか、そしてまたそのようなサンプルによって示されるその他のゲルの性質を調べるために、得られた材料を分析した。残りのサンプルは、さらに以下のゲル/沈降生成物を製造するために何らの洗浄、精製などされずに利用されたことに注意するのは重要である。
各実施例で、3.3モル比の特定濃度のケイ酸ナトリウム水溶液を一定量、30ガロンの反応器に入れ、その中で60rpmで撹拌した。次に反応器内容物を50℃に加熱し、次いで11.4%の硫酸(30℃に加熱されている)を特定速度で特定時間の間加え、次いで得られた生成物をゲル様材料に変化させた。次にこの材料をろ過し、その後水(約60℃)で洗浄し、噴霧乾燥させた。このようにして回収及び乾燥させた材料を、次に以下に示すようないくつかの性質について試験した。そのための試験法は上に示した。以下の表1に反応パラメータ及び条件を示す。表2には最初に製造されたこれらのゲル生成物の性質の分析結果を示す。分析により、シリカゲル材料が最初に形成されたことは明白であった。繰り返すが、それらの回収後に実施されたろ過及び洗浄工程は、形成されたゲルを以下の表2にあるようないくつかの性質についてさらに分析するために必要だったにすぎない。このような分析は、目的のゲル/沈降シリカ組合せ物の実際の発明的現場製造中には一般的に実施されない。シリカゲルが最初に形成されたかどうか、そしてその性質を分類目的のために調べたいという単なる興味である。さらに、本表並びに本開示全体にわたって、得られなかった又は測定されなかったデータはいずれもダッシュで表してある。さらに、シリカゲル単独について測定された吸油性は、発明的ゲル/沈降シリカ組合せ物全体についての油吸収の測定値を示すものでもそれと混同すべきものでもないことに注意することは重要である。
Figure 2011173892
Figure 2011173892
ゲル/沈降物複合材料の現場製造
実施例3〜7
実施例3〜7は、約10〜23体積%のゲルと、従って約90〜約77体積%の沈降シリカを含有する(添付の表に示すとおり)。これらの実施例の生成物は、低構造(LS)から中間的構造(MS)から高構造(HS)までの様々なシリカ構造レベルを有していた。
特定濃度(ケイ酸塩濃度A)及びSiO:NaO比3.3の、ある体積のケイ酸ナトリウム水溶液(ケイ酸塩体積A)を反応器に入れ、その中で撹拌する(反応器のサイズに応じて撹拌速度は約60〜約92rpmであるが、該プロセスには任意の速度を利用してもよい)という第一段階の手順に従った。反応器の内容物を50℃に加熱し、次いで11.4%の硫酸を特定速度(酸速度A)で特定時間(酸添加時間A)の間加えた。(例えば実施例5の場合、撹拌機の速度は60rpmにセットしたが、酸添加時間4〜5分の間に1分間だけ120RPMに上げた)。この時点で、必要であれば形成されたシリカゲルに特定体積の水を加えた。この後、シリカゲルが視覚的に確認され、スラリーのpHを試験し、所望により、指示通り酸添加速度を調整することによってpH5.0に維持した。次に、得られたスラリーを93℃にまで加熱し(その他はそれより低い80℃ほどの温度にしか加熱しなかったが、第二段階の沈降開始後は93℃まで加熱を続けた)、その温度をバッチ製造中維持した。その後、第二の量のケイ酸ナトリウム水溶液の同時添加を開始した。すなわち、85℃に予熱されたものを特定濃度(ケイ酸塩濃度B)及び特定速度(ケイ酸塩速度B)で、そして同じ硫酸を特定速度(酸速度B)で加えた。反応器内容物の75LPMの速度での再循環は、酸とケイ酸塩の同時添加開始後に始まり、消化の間継続した。特定時間のケイ酸ナトリウム導入(ケイ酸塩添加時間B)後、その流れを停止させた。反応器内容物のpHは、同時添加段階中、連続してモニタした。酸の添加は、バッチ全体のpHが約7.0に降下するまで続けた。このpHが達成されたら、酸の流れを約2.7リットル/分に減速し、得られたバッチの全般的pHが4.6に低下するまでその速度で続けた。次に完成したバッチを93℃に10分間加熱した(消化)。この間、バッチのpHは4.6に維持された。次に得られたスラリーをろ過によって回収し、ろ液の導電率をモニタすることによって測定した硫酸ナトリウム濃度が約5%未満(好ましくは4%未満、最も好ましくは2%未満)になるまで洗浄した。次いで入口温度〜480℃を利用して約5%の水分レベルにまで噴霧乾燥させた。次に乾燥生成物を粉砕して均一サイズにした。実施例3〜7で用いたパラメータを表3に示す。以下に示すように、一部の実施例については酸速度レベルを反応中に調整した。
Figure 2011173892
実施例3〜7のいくつかの性質を前述の方法に従って測定し、結果を表4にまとめた。
Figure 2011173892
実施例8〜12
実施例8〜12は、約25〜35体積%のゲルと約75〜約65体積%の沈降シリカを含有する。これらの実施例の生成物は、非常に低構造〜高構造までの様々なシリカ構造レベルを有していた。これらの実施例は実施例3〜7に示した手順に従って製造されたが、パラメータは以下の表5に記載のものを用いた(実施例12は容積約40,000リットルの非常に大型の反応器中、撹拌速度約92rpm及び高剪断再循環流速約3050リットル/分で製造されたことに注意する)。
Figure 2011173892
実施例8〜12のいくつかの性質を前述の方法に従って測定し、結果を表6にまとめた。
Figure 2011173892
実施例13〜14
実施例13〜14は、約50%のゲルと約50%の沈降シリカを含有する。これらの実施例の生成物は、低構造〜非常に高構造までの様々なシリカ構造レベルを有していた。これらの実施例は実施例3〜7に示した手順に従って製造されたが、パラメータは以下の表7に記載のものを用いた。
Figure 2011173892
実施例13〜14のいくつかの性質を前述の方法に従って測定し、結果を表8にまとめた。
Figure 2011173892
実施例15〜17
実施例15〜17は、ゲル/沈降物製造中の沈降シリカ成分のpH調整を通じて、また反応濃度の変化を通じて、ゲルの量とシリカ構造が調整できる能力を反映したものである。これらの実施例は実施例3〜12に示した手順に従って製造されたが、パラメータは以下の表9に記載のものを用い、上記実施例12に示したのと同じ反応器内及び同じ撹拌条件下で実施した。実施例15及び17は高剪断再循環なしであったが、実施例16は実施例12と同じ高剪断再循環流速を用いた。
Figure 2011173892
実施例15〜17のいくつかの性質を前述の方法に従って測定し、結果を表10にまとめた。
Figure 2011173892
歯磨剤の製剤
上記のゲル/沈降シリカのいくつかの実施例を用いて練り歯磨剤を製造し、発明的組成物が、二つの成分を最適の歯保護利益のためにさらに計量せずともすぐに使えるオンデマンド能力を持つことを実証した。
歯磨剤の製造のため、グリセリン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びソルビトールを一緒に混合し、成分が溶解して第一の混合物を形成するまで撹拌した。脱イオン水、フッ化ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム及びナトリウムサッカリンも一緒に混合して、これらの成分が溶解して第二の混合物を形成するまで撹拌した。次にこれら二つの混合物を撹拌しながら合わせた。この後、所望により着色剤を撹拌しながら加え、“プレミックス”を得た。プレミックスをRossミキサー(Model 130 LDM)に入れ、シリカ増粘剤、研磨シリカ及び二酸化チタンを減圧なしに混合した。30インチの真空に引き、得られた混合物を約15分間撹拌した。最後にラウリル硫酸ナトリウムとフレーバーを加え、混合物を減速した混合速度で約5分間撹拌した。得られた歯磨剤をプラスチックラミネートの練り歯磨き用チューブに移し、今後の試験のために保管した。歯磨剤の配合を以下の表11に示す。使用した歯磨剤の配合は、発明及び比較の清掃研磨剤のPCR及びRDA(並びに粘度)を測定する目的にふさわしい試験用の歯磨剤の配合であるとみなされた。物理的及び美的観点から歯磨剤の適正な形成を可能にするためにカルボキシメチルセルロースの量を状況によって変化させたが、その分は加えた脱イオン水の量で相殺した。しかしながら、全般的な基本の歯磨剤の配合は前述のように行った試験に関しては本質的に固定されていた。
Figure 2011173892
コネチカット州ダンベリーのUnion Carbide Corporationより入手したポリエチレングリコール
デラウェア州ウィルミントンのHercules CorporationのAualonディヴィジョンから入手したカルボキシメチルセルロース;Noviantから入手可能なCMCであるCEKOL(登録商標)2000も使用可
上記のように調製した歯磨剤を前述の方法に従ってPCR及びRDAの性質について評価した。各歯磨剤の測定値並びにPCR:RDA比を以下の表12に示す。製剤1、3、及び8のPCRデータは、ルイジアナ州ポートアレンのSoutheastern Dental Research Corporationから得、残りのPCRデータはインジアナ州インジアナポリスのOral Health Research Instituteから得た。
Figure 2011173892
結果は、様々な性能を示しているが、非常に効果的な清掃能と比較的低い象牙質研磨性を有している。
いくつかの別の歯磨剤も調製した。製剤12〜14については2個の発明的シリカの組合せ、製剤11については発明的シリカと市販シリカ(J.M.Huber CorporationのZEODENT(登録商標)115)の組合せを使用した。歯磨剤は前述の方法に従って製造し、成分のほとんどは上記の表11と同じであった。以下の表13に、異なるシリカ研磨剤のブレンドを配合したこれらの練り歯磨きの配合表を、本明細書中に記載の発明との関連で提供する。
Figure 2011173892
メリーランド州ハバー・ド・グラースのJ.M.Huber Corporationから入手した低構造沈降シリカ。
上記のように調製した歯磨剤を前述の方法に従ってPCR及びRDAの性質について評価した。各歯磨剤の測定値並びにPCR:RDA比を以下の表14に示す。
Figure 2011173892
これらの組合せ、特に製剤12、13、及び14の清掃能は、これらの製剤が研磨レベルはかなり低いのに非常に驚くほど効果的な歯研磨及び被膜除去材料であることを明示している。
図面の詳細な説明
図1は、上掲の一部の歯磨剤で得られたRDAとPCRの比を、Riceの米国特許第5,658,553号に開示されているのとほとんど同じようにして製造されたシリカゲルと沈降シリカの物理的混合物と比較したグラフ図である。各線の傾きは、それぞれ異なる製剤によって得られた一般的結果を示すが、本発明の同時形成された組合せ物がより大きなPCR結果と、相関して低いRDAを提供していることを示している。従って、そのような発明的組合せ物は、同時に許容できないほど大きく象牙質を研磨することなく大きい清掃能を可能にしていることが思いがけず発見された。
すべての歯磨剤は、許容可能な粘度、フッ化物利用性、及び優れた美学(立ち上がり、質感、分散)を示した。特に図1のグラフ図を見ると、比較のためのそのような材料の物理的ブレンドが、現場生成された本発明の組合せ物と同じように望ましい被膜清掃効率と低いRDA値を示さないことは明白である。
同様に図2に発明的な現場製造されたシリカ組合せ物の増粘能とRice特許に記載のゲルと沈降物の物理的ブレンドのそれとの比較を提供する(上記と同じ試験歯磨剤において)。これらの異なるタイプの材料の全般的構造とその結果としての機能には著しい違いがあることが明白である。現場生成された複合材料は、その中に存在するゲル/沈降物の量の範囲全体にわたってRice特許のブレンドとは異なる増粘度を示している。従って、明らかにこれらの二つの異なるタイプの歯磨剤用添加物には形態及び特徴上の差がある。
さらに、図3に発明的ゲル/沈降物複合材料の広範囲にわたるPCR対RDAの読みの測定を従来の沈降シリカ研磨剤の同じ測定と比較したグラフ図を示す(この場合も上記と同じ試験歯磨剤での測定)。この図から、発明的ゲル/沈降シリカ複合材料は従来の研磨材料よりも高いPCR結果と、相関して低いRDA性とを可能にしていることが明白で、比較の研磨剤と発明的な現場製造タイプとの間には顕著な差があることが示されている。このようにして、驚くべきことに、シリカゲルと沈降シリカ材料のブレンドの現場製造法は、改良された被膜清掃利益を提供しながら、同時にずっと低い象牙質研磨の読みを示すことが認められた。これによって、使用中に歯表面を有害に研磨する傾向の低い、より効果的な清掃材料が提供される。
本発明をある好適な態様及び実施と関係づけて説明及び開示してきたが、本発明をそのような特定の態様に制限することは全く意図していない。それどころか添付の特許請求の範囲及びその等価物によって定義されうる等価の構造、構造的等価物並びにあらゆる代替の態様及び変形もカバーするものとする。
[本発明の態様]
[1]
現場製造されたゲル/沈降シリカの組合せ物であって、前記組合せ物は、
a)十分量のアルカリケイ酸塩と酸性化剤を一緒に混合してシリカゲル組成物を形成させ;そして前記形成されたシリカゲル組成物を最初に洗浄又は精製をせずに、
b)その後前記シリカゲル組成物に十分量のアルカリケイ酸塩と酸性化剤を導入して、シリカゲルに影響を及ぼすことなく沈降シリカを形成させることによってゲル/沈降シリカ組合せ物を製造する
順次工程を含む方法によって製造される組合せ物。
[2]
前記組合せ物が3〜20ミクロンの範囲のメジアン粒径を示す粒子の形態である、1に記載の現場製造されたゲル/沈降シリカ組合せ物。
[3]
1に記載の現場製造されたゲル/沈降シリカ組合せ物を含む歯磨剤。
[4]
前記歯磨剤が、前記現場製造されたゲル/沈降シリカ組合せ物とは異なる研磨成分を含む、3に記載の歯磨剤。
[5]
2に記載の現場製造されたゲル/沈降シリカ組合せ物を含む歯磨剤。
[6]
前記歯磨剤が、前記現場製造されたゲル/沈降シリカ組合せ物とは異なる研磨成分を含む、5に記載の歯磨剤。

Claims (15)

  1. 現場製造されたゲル/沈降シリカの複合材料であって、該複合材料は5〜50体積%のシリカゲルを含み、ここで該複合材料は40〜100ml/100gの範囲のアマニ油吸収を示し、そして該複合材料は約5〜30mg損失/100,000回転の範囲の10%Brass Einlehner硬度を示す、
    前記の複合材料。
  2. 該複合材料が10〜30体積%のシリカゲルを含む、請求項1に記載の複合材料。
  3. 該複合材料が3〜20μmのメジアン粒径を示す粒子の形態である、請求項1又は2に記載の複合材料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の該複合材料を含む歯磨配合物。
  5. 該複合材料以外の研磨物質をさらに含む請求項4に記載の歯磨配合物。
  6. 請求項1に記載の複合材料を製造する方法であって、
    a)水性溶液内で4〜35重量%の濃度を有する十分量のアルカリケイ酸塩と、水性溶液内で5〜25重量%の酸濃度を有する酸性化剤を、約40〜約90℃の温度で撹拌下に一緒に混合してシリカゲル粒子を含む組成物を形成させ;そして前記形成されたシリカゲル粒子を含む組成物を最初に洗浄、改質又は精製をせずに、
    b)その後、シリカゲル粒子を含む前記組成物に十分量のアルカリケイ酸塩と酸性化剤を導入して、沈降シリカを形成させることによってゲル/沈降シリカ複合材料を製造する
    順次工程、ただし全反応のpHは3〜10の範囲にある
    を含む方法。
  7. 工程a)の濃度が10〜20重量%である、請求項6に記載の方法。
  8. 現場製造されたゲル/沈降シリカの複合材料であって、該複合材料は5〜50体積%のシリカゲルを含み、ここで該複合材料が試験歯磨剤組成物内に単一の研磨成分として組み込まれたときに、該歯磨剤組成物が約0.45〜約0.7のPCR(被膜清掃比):RDA(放射性象牙質研磨)比、約90〜約160のPCR値及び240以下のRDAレベルを示す、複合材料。
  9. 該複合材料が10〜30体積%のシリカゲルを含む、請求項8に記載の複合材料。
  10. 請求項8に記載の複合材料を含む、歯磨剤組成物。
  11. 請求項9に記載の複合材料を含む歯磨剤組成物。
  12. 該複合材料以外の研磨材料をさらに含む、請求項10に記載の歯磨剤組成物。
  13. 該複合材料以外の研磨材料をさらに含む、請求項11に記載の歯磨剤組成物。
  14. 請求項8に記載の複合材料を製造する方法であって、
    a)水性溶液内で4〜35重量%の濃度を有する十分量のアルカリケイ酸塩と、水性溶液内で5〜25重量%の酸濃度を有する酸性化剤を、約40〜約90℃の温度で撹拌下に一緒に混合してシリカゲル粒子を含む組成物を形成させ;そして前記形成されたシリカゲル粒子を含む組成物を最初に洗浄、改質又は精製をせずに、
    b)その後、シリカゲル粒子を含む前記組成物に十分量のアルカリケイ酸塩と酸性化剤を導入して、沈降シリカを形成させることによってゲル/沈降シリカ複合材料を製造する
    順次工程、ただし全反応のpHは3〜10の範囲にある
    を含む方法。
  15. 工程a)の濃度が10〜20重量%である、請求項14に記載の方法。
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