JP2011173479A - 車両用ホイール - Google Patents

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明宏 池田
Haruyuki Sakabe
春之 阪部
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【課題】ヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果を奏し得る複数の吸音空域を備えた車両用ホイールを提案する。
【解決手段】リム空洞部21と連通する複数の嵌合孔22に区画弾性片31を夫々装着することによって、該区画弾性片31の嵌入隔壁部32によりリム空洞部21の内部空域24を区画して、嵌合孔22を封止する封止部33の連通孔37によりタイヤ内空域102と夫々連通する複数の吸音空域25が形成される車両用ホイールである。各吸音空域25とその連通孔37とによってヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成し、その作用効果によりタイヤ内空域102で発生する空洞共鳴音を低減でき、車両走行中に生ずるロードノイズを低減できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両走行中に、タイヤとリム部とにより密閉されたタイヤ内空域で発生する気柱共鳴音(いわゆる空洞共鳴音)を低減し得る車両用ホイールに関するものである。
自動車等の車両では、エンジンノイズ低減技術の進歩により、車両走行中に、路面から入力する振動に起因するロードノイズが顕在化してきている。このロードノイズの一因として、タイヤと車両用ホイールのリム部とにより密閉されたタイヤ内空域で発生する空洞共鳴音が指摘されている。この空洞共鳴音は、車両走行中に路面から入力した振動により、タイヤ内空域の周長を一波長とする定在波が発生し、この定在波が特定の周波数帯(180Hz〜270Hz)で気柱共鳴現象を起こすことにより生ずる。
上記した空洞共鳴音を低減する方法として、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器を適用した構成が提案されている。例えば、特許文献1のように、車両用ホイールのリム部に、周方向に複数の副気室を形成し、該副気室とタイヤ内空域とを連通する孔部を設けた構成が提案されている。この構成は、副気室によりヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成したものであり、上記したタイヤ内空域で発生する空洞共鳴音を低減することが可能である。
特開2003−326904号公報
ところで、上記の特許文献1にあっては、鋳造の際にリム部の外周面に縦壁を周成し、該縦壁を外周面に沿うように折り曲げ加工して、同じ鋳造時に周方向で均等間隔をおいて前記外周面に形成した複数の側壁と溶接または接着することにより、折り曲げ加工後の縦壁と側壁とにより囲まれた副気室を複数形成することが開示されている。この副気室の成形方法では、縦壁の折り曲げ加工と共に、該縦壁と複数の側壁とを溶接または接着することを要する。しかし、縦壁を折り曲げると、外部から遮蔽された空域が形成されることから、該縦壁と複数の側壁とを隙間無く溶接または接着することは極めて難しい。そして、縦壁と側壁との間に隙間が生じた場合には、隣り合う副気室が直接連通してしまうことから、上記したヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果が充分に発揮できず、所望の空洞共鳴音の低減効果が得られない。このように、上述した特許文献1は、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成する副気室を安定して形成することが難しく、現実的な車両用ホイールの生産工程に適用することが難しい。
本発明は、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果を奏し得る複数の吸音空域を備えた車両用ホイールを提案するものである。
本発明は、車軸に固定されるディスク部と、タイヤが装着されて密閉状のタイヤ内空域を形成するリム部とを備えた車両用ホイールにおいて、前記リム部は、その外周縁に沿って設けられた円環状のリム空洞部と、リム部の外表面で開口して前記タイヤ内空域と前記リム空洞部の内部空域とを連通する複数の嵌合孔とを備えるものであって、前記リム空洞部内に挿入されて、該リム空洞部の内部空域をその周方向の前後で隔てる弾性変形可能な嵌入隔壁部と、前記嵌入隔壁部により隔てられたリム空洞部の前後いずれか一方と前記タイヤ内空域とを連通する連通孔を備えた、前記嵌合孔を封止する封止部とを具備し、前記各嵌合孔に夫々装着されることにより、リム空洞部の内部空域を周方向で区画して、各連通孔により前記タイヤ内空域と夫々連通する複数の吸音空域を形成する区画弾性片を備えていることを特徴とする車両用ホイールである。ここで、区画弾性片は、その封止部が嵌合孔を封止するように装着されることから、嵌入隔壁部を嵌合孔から挿入されるようにして取り付けられる構成や、嵌合孔と対向する部位に取付孔を設けて該取付孔から挿入されるようにして取り付けられる構成が好適である。後者の構成では、取付孔を埋めることを要する。また、複数の嵌合孔が、周方向に均等間隔をおいて設けられている構成が好適である。
かかる構成にあっては、各嵌合孔に装着された区画弾性片により、タイヤ内空域と連通孔を介して連通する吸音空域を形成し、該吸音空域と連通孔とによってヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成するものである。すなわち、区画弾性片は、リム空洞部を区画するための隔壁を形成し(嵌入隔壁部を有し)、かつ吸音空域とタイヤ内空域とを連通する連通孔を有するものである。さらに、区画弾性片は、その封止部により嵌合孔を封止することから、吸音空域は、区画弾性片の連通孔を介してのみタイヤ内空域と連通する。このように形成される吸音空域と連通孔とは、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器として優れた作用効果を発揮することができ、タイヤ内空域で発生する空洞共鳴音を低減する効果が高い。
本構成の区画弾性片としては、弾性変形可能な材料により一体成形されてなるものが好適である。さらに、嵌入側壁部は、リム空洞部の断面形状よりも若干大きな相似または類似形状とした構成が好適であり、その弾性変形によって、リム空洞部の内周面に密着させる。そして、封止部にあっても、その弾性変形により嵌合孔を封止できる。これにより、リム空洞部を区画してなる吸音空域は、連通孔を除き、密閉状に形成されており、上述したヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果が高く発揮され得る。また、例えば、嵌入側壁部を嵌合孔から挿入することによって区画弾性片を装着するようにした場合には、嵌入側壁部を弾性変形することによって該嵌合孔から挿入する。
尚、本構成にあっては、リム部にリム空洞部と嵌合孔とを形成した車両用ホイールを成形し、この嵌合孔に、別に成形した区画弾性片を装着することによって、比較的容易に得ることができる。すなわち、リム空洞部と嵌合孔とを形成した車両用ホイールを、従来の製造方法に従って成形し、さらに区画弾性片を装着することによって、本発明にかかる車両用ホイールを生産することができる。このように、本発明の車両用ホイールは、上述した作用効果を発揮するものとして、比較的容易かつ安定して生産することができるものである。
上述した車両用ホイールにあって、区画弾性片は、その封止部が、リム部の嵌合孔に内嵌する内嵌部と、嵌合孔よりも外側に突出して該嵌合孔の外側孔周縁に着座する被着突部とを備えると共に、嵌入隔壁部が、封止部の内嵌部と連通する部位に、前記嵌合孔の内側孔周縁に着座する被着面部を備えている構成が提案される。
かかる構成にあって、嵌合孔に装着された区画弾性片は、その封止部の内嵌部が嵌合孔に内嵌すると共に、封止部の被着突部と嵌入隔壁部の被着面部とが嵌合孔の孔周縁に内外から被着することから、連通孔を除き、嵌合孔を隙間無く封止することができる。そのため、吸音空域と連通孔とが、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器として一層高い作用効果を発揮でき得る。さらに、封止部の被着突部と嵌入隔壁部の被着面部とによって嵌合孔に装着されることから、車両走行中にも外れたり位置ズレすることがなく、上述した本発明の作用効果を長期に亘って発揮することができる。
上述した車両用ホイールにあって、リム部は、タイヤの表側ビードを支持する表側ビードシート部と、該表側ビードシート部と内方へ凹むウエル部とを連成するウエル壁部とが形成された円環状のアウターリム部を備えるものであって、リム空洞部が、前記アウターリム部に周成され、かつ嵌合孔がウエル壁部に開口されている構成が提案される。
かかる構成にあっては、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成する連通孔がウエル部に面するように開口した構成である。ここで、タイヤ内空域では、その最も内側となるウエル部の直上空域で、空洞共鳴音の音圧が高くなる傾向がある。そのため、このウエル部に面して連通孔を開口することによって、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器として空洞共鳴音を低減する効果が一層向上する。
尚、鋳造成形される車両用ホイールとしては、ディスク部と連成するアウターリム部が肉厚状に形成されることから、当該アウターリム部を減肉して軽量化することが求められている。本構成にあっては、このアウターリム部内に周方向に亘って内部空域を形成したものであるから、ホイール重量を軽量化することができる。
本発明の車両用ホイールは、上述したように、リム空洞部と連通する複数の嵌合孔に区画弾性片を夫々装着することによって、該区画弾性片の嵌入隔壁部によりリム空洞部の内部空域を区画して、嵌合孔を封止する封止部の連通孔によりタイヤ内空域と夫々連通する複数の吸音空域が形成されるものであるから、各吸音空域とその連通孔とによってヘルムホルツ式の共鳴吸音器を構成して、その作用効果によりタイヤ内空域で発生する空洞共鳴音を低減でき、車両走行中に生ずるロードノイズを低減できる。また、本構成は、リム空洞部と嵌合孔とを備えた車両用ホイールを成形し、別に成形した区画弾性片を装着することによって、比較的容易かつ安定して生産することができ得る。
上述した車両用ホイールにあって、区画弾性片の封止部が、嵌合孔に内嵌する内嵌部と該嵌合孔の外側孔周縁に着座する被着突部とを備え、嵌入隔壁部が、嵌合孔の内側孔周縁に着座する被着面部を備えた構成とした場合には、区画弾性片と嵌合孔との密着性が向上するため、吸音空域と連通孔とによりヘルムホルツ式の共鳴吸音器として発揮される作用効果が一層向上する。
上述した車両用ホイールにあって、リム部のアウターリム部にリム空洞部が周成され、かつ嵌合孔がウエル壁部に開口されている構成とした場合には、空洞共鳴音の音圧が高くなるウエル部の直上空域に向けて開口する連通孔によって、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器として空洞共鳴音を低減する効果が一層向上する。
本発明にかかる車両用ホイール1の縦断面図である。 同上の車両用ホイール1の、図1に示すP−P断面図である。 図1のX部を示す拡大図である。 リム空洞部21を形成する過程を示す説明図である。 (A)区画弾性片31の斜視図と、(B)該区画弾性片の平面図である。 別例の区画弾性片51を示す、(A)斜視図と、(B)平面図である。 別例の車両用ホイール61に区画弾性片31を装着する過程を示す説明図である。
本発明の実施例を、添付図面を用いて詳述する。
図1,2に、本発明にかかる車両用ホイール1を示す。この車両用ホイール1は、アルミニウム合金を鋳造成形してなるものであり、車軸が連結されるディスク部2と、タイヤが装着されるリム部3とを備えてなる。尚、本実施例にあって、ディスク部2の背面側から意匠面側へ向かう方向を表方とし、逆向きを裏方としている。また、車両用ホイール1の中心軸線Oと直交するホイール径方向に沿って、該中心軸線Oへ向かう方向を内方とし、逆向きを外方としている。
上記のディスク部2は、略円盤状のハブ取付部4と、該ハブ取付部4の外周縁から外方へ放射状に設けられた複数のスポーク部5とを備えている。ここで、ハブ取付部4には、その中央にハブ孔17が設けられ、該ハブ孔17の外側に周方向で互いに均等間隔となる位置に複数のボルト孔18が設けられている。また、互いに隣り合うスポーク部5の間に飾り孔6が夫々に形成されている。
また、上記のリム部3は、その両端開口縁にタイヤ100のビード101a,101bを側方から保持するフランジ部10a、10bが形成され、各フランジ部10a、10bに、タイヤのビードを着座させて支持固定するビートシート部11a,11bが夫々に連成されている。さらに、表裏両側のビードシート部11a,11bの間には、タイヤ装着時に、タイヤのビードを落とすためのウエル部13が設けられている。そして、表側ビードシート部11aとウエル部13とがウエル壁部14を介して連成されている。ここで、表側ビードシート部11aとウエル壁部14とは、上記したディスク部2の各スポーク部5と連成する円環状のアウターリム部9に設けられている。
尚、この車両用ホイール1にあっては、車両に装着された場合にホイール外観となるディスク部2の表面により、所謂意匠面が構成されている。そして、車両用ホイール1の上記した各部位はそれぞれ、中心軸線Oを中心とする同心状に形成されている。また、車両用ホイール1に所定のタイヤ100を装着した状態で、リム部3と該タイヤ100とにより密閉された環状のタイヤ内空域102が形成される。
次に本発明の要部について説明する。
図1,2のように、車両用ホイール1のリム部3には、そのアウターリム部9の内部に、断面略多角形状(本実施例では断面略三角形状)の内部空域24が周成されており、該アウターリム部9によって本発明にかかるリム空洞部21が構成されている。ここで、リム空洞部21の内部空域24は、径方向に沿った表側内周面21aと、表裏方向に沿った内側内周面21bと、傾斜内周面21cとにより囲繞された空域である(図3参照)。そして、アウターリム部9のウエル壁部14に、周方向で均等間隔をおいて三個の嵌合孔22が開口形成されており、各嵌合孔22により、前記リム空洞部21の内部空域24を当該リム部3の外部に連通させている。尚、嵌合孔22は、円形状に形成されており、その内径が、リム空洞部21の内側内周面21bの径方向幅に比して小さくなっている(図3参照)。
このような車両用ホイール1の製造方法としては、鋳造により、リム部43のウエル部13の裏端部位から外方へ起立する環状壁部45を形成した構成のホイール予備形状品41を成形する。尚ここで、図4(A)は、鋳造後に切削加工により、このホイール予備形状品41を、所望の寸法形状に成形すると共に、表側フランジ部10aの外側基部位に段差状の接合周部46を周成した状態を示している。そして、図4(B)のように、前記した環状壁部45を表方へ折り曲げる加工を行う。これにより、環状壁部45の先端部45aを前記した接合周部46に着座させ、この前記先端部45aと接合周部46とを周方向に亘って溶接し、さらにその外表面を切削加工して形状を整えることにより、リム空洞部21を構成するアウターリム部9を成形する(図1,3参照)。その後、該アウターリム部9のウエル壁部14に、周方向で均等間隔をおいて三つの嵌合孔22を穿設する加工を行う。
一方、このように成形した車両用ホイール1には、上記したアウターリム部9の各嵌合孔22に区画弾性片31を装着する。この区画弾性片31は、プラスチックやゴムなどの弾性変形可能な材料により一体的に成形されている。この区画弾性片31としては、図3のように、嵌合孔22からリム空洞部21内に押し込まれて内部空域24をその前後で隔てる嵌入隔壁部32と、嵌合孔22を封止する封止部33とから構成されている。ここで、封止部33は、図5のように、嵌合孔22に内嵌する円柱状の内嵌部35と、該内嵌部35に比して径大な略半球状の被着突部36とからなる。この内嵌部35は、その幅(高さ)を嵌合孔22の幅(深さ)と同じ寸法とし、かつその外形寸法を嵌合孔22の内径より僅かに大きく設定して、外周面が嵌合孔22の内周面に密接するようにしている。
上記嵌入隔壁部32は、略多角柱状(本実施例では略三角柱状)のブロック体をなし、その略多角形の断面形状がリム空洞部21の断面形状と相似するように形成されている。この嵌入隔壁部32は、その略多角形の断面積がリム空洞部21の断面積に比して僅かに大きくなるように形成されており、リム空洞部21に挿入された状態で該リム空洞部21の内周面と密接するようにしている。詳述すれば、嵌入隔壁部32は、略多角形状(略三角形状)の区画面32a,32bと、リム空洞部21の表側内周面21aに密接する表側被着面32cと、内側内周面21bに密接する内側被着面32dと、傾斜内周面21cに密接する傾斜被着面32eとを備えている。ここで、表側被着面32c、内側被着面32d、傾斜被着面32eは、それぞれ略四角形状を成す。
そして、この嵌入隔壁部32の内側被着面32dから上記した封止部33の内嵌部35が突成されている。この内側被着面32dは、その外形寸法が内嵌部35の外径に比して大きく、上記嵌合孔22の内側孔周縁に被着する。すなわち、この内側被着面32dを備えた内側部位により、本発明にかかる被着面部34が構成されている。
さらに、上記した封止部33は、その被着突部36に開口する連通孔37を備えている。この連通孔37は、上記した嵌入隔壁部32内へ延成されて、その一方の区画面32aに開口している。すなわち、連通孔37は、封止部33の被着突部36の開口部37aと嵌入隔壁部32の区画面32aの開口部37bとを連通している。
このような区画弾性片31は、その嵌入隔壁部32を弾性変形させて上記アウターリム部9の嵌合孔22からリム空洞部21の内部空域24に押し込むことによって、該嵌合孔22に装着される。ここで、区画弾性片31は、その嵌入隔壁部32の断面形状が内部空域24の断面形状と揃う向きに調整して、嵌合孔22に装着する。尚、嵌合孔22に押し込む際には、石鹸水等に濡らすことによって、該押し込み作業を容易に行い得るようにすることが好適である。
区画弾性片31が嵌合孔22に装着されると、図3のように、嵌入隔壁部32は、その表側被着面32c、内側被着面32d、傾斜被着面32eがそれぞれリム空洞部21の内周面と密接し、該リム空洞部21の内部空域24をその前後に隔てる。封止部33の内嵌部35が嵌合孔22に内嵌すると共に、該嵌合孔22の内外の孔周縁に封止部33の被着突部36と嵌入隔壁部32の内側被着面32d(被着面部34)が被着する。これにより、嵌合孔22の孔周端を隙間無く閉鎖することができる。そのため、リム空洞部21の内部空域24は、区画弾性片31の連通孔37のみによって外部と連通した状態となる。そして、連通孔37により、当該区画弾性片31の嵌入隔壁部32によって隔てた内部空域24の一側(区画片32aが向いた片側)が外部と連通する。
そして、同様に、周方向に均等間隔をおいて形成された各嵌合孔22に、上記した区画弾性片31を夫々に装着する。これにより、各区画弾性片31の嵌入隔壁部32によって、リム空洞部21の内部空域24が均等間隔で区画される(図2参照)。そして、このリム空洞部21の内部空域24を区画弾性片31によって三分割された各空域が、本発明にかかる吸音空域25である。各吸音空域25は、その一側の隔壁を構成する区画弾性片31の連通孔37により、外部と連通している。すなわち、各吸音空域25は、夫々に一つの連通孔37を有する構成となっている。尚、吸音空域25は、区画弾性片31の嵌入隔壁部32によって隣り合う他の吸音空域25と隔てられており、さらに、封止部33によって嵌合孔22を封止していることから、連通孔37のみで外部と連通している。
このように各嵌合孔22に区画弾性片31を装着した車両用ホイール1に、タイヤ100を装着すると、上記の各吸音空域25はその連通孔37を介してタイヤ内空域102と連通する(図1,3参照)。これにより、夫々の吸音空域25と連通孔37とは、タイヤ内空域102を伝播する音波に対して、所謂ヘルムホルツ式の共鳴吸音器として作用する。すなわち、タイヤ内空域102を伝わる音波が、吸音空域25と連通する連通孔37に出入り(伝搬)することによって、該連通孔37内の空気が振動し、この振動エネルギーが熱エネルギーに変換される。これにより、タイヤ内空域102を伝播する音波の振動が低減するため、該タイヤ内空域102内で生ずる空洞共鳴音を低減することができる。このように、吸音空域25と連通孔37とによって、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器が構成されている。
ここで、本実施例にあっては、吸音空域25と連通する連通孔37を周方向に均等間隔で設け、且つ各吸音空域25を同じ容積としていることから、タイヤ内空域102を伝播する空洞共鳴音を効果的に低減することができ、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果を高く発揮できる。
尚、上記した区画弾性片31は、その連通孔37の断面積(開口径)および長さを、タイヤ内空域102を伝播する空洞共鳴音の周波数を低減するように、該周波数に応じて設定する。具体的には、タイヤ内空域102で気柱共鳴現象を起こす特定の周波数帯(180Hz〜270Hz)に対して、吸音空域25が上記したヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果を発揮するように、前記した連通孔37の形状(断面積や長さ)を設定する。これにより、当該車両用ホイール1を取り付けた車両を走行した場合に、タイヤ100が路面から受ける振動によって生ずる気柱共鳴現象を低減することができるため、この気柱共鳴現象によるロードノイズを効率的に低減することができ得る。
また、本実施例の車両用ホイール1は、上述したように、鋳造成形後にリム部3に設けた環状壁部45を折り曲げ加工して溶接することにより、リム空洞部21を備えた構成として製造し、さらに、別に成形した区画弾性片31を各嵌合孔22に装着することによって得ることができる。このように本実施例の車両用ホイール1は、従来の製造方法を適用して比較的容易かつ安定して生産することができ、上述したロードノイズの低減効果を安定して発揮できるものである。
一方、上記した実施例の別例として、図6の区画弾性片51を用いた構成について説明する。尚、区画弾性片51以外は、上述した実施例と同じ構成であり、同じ構成要素には同じ記号を記し、その説明を省略している。
この別例の区画弾性片51は、封止部33と略L字形の嵌入隔壁部52とを備えた構成である。ここで、封止部33は、上記した実施例と同じ構成である。そして、嵌入隔壁部52は、矩形板状の被着面部54と、略多角形板状(例えば、略三角形状)の隔壁部56とから構成されており、被着面部54の一辺縁から隔壁部56が略直交状に延成されている。そして、連通孔57が封止部33を介して被着面部54の中央部分を貫通するように略一直線状に形成されている。この連通孔57は、隔壁部56の一方の区画面56a側に開口しており、封止部33の開口部57aと嵌入隔壁部52の開口部57bとを連通している。前記の隔壁部56は、肉厚状に形成されており、その略多角形状(略三角形状)の区画面56a,56bと、表側板端面56cと、傾斜板端面56dとを備え、該表側板端面56cがリム空洞部21の表側内周面21aに密接し、傾斜板端面56dが傾斜内周面21cに密接する。また、被着面部54がリム空洞部21の内側内周面21bに密接する。これにより、嵌入隔壁部52がリム空洞部21の内部空域24をその前後で隔てる。この別例の区画弾性片51にあっても、上述した実施例と同様に、嵌入隔壁部52を弾性変形させて各嵌合孔22から押し入れられることより、該嵌入隔壁部52によってリム空洞部21を吸音空域(図示省略)に区画する。この場合にも、夫々の吸音空域と連通孔57とによって、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果を奏することから、上述した実施例と同様に、タイヤ内空域102で発生する空洞共鳴音を低減することができ得る。
さらに、図7に示す別例の車両用ホイール61について説明する。この車両用ホイール61は、その製造工程で、リム部63のアウターリム部69に、ウエル壁部64から意匠面側まで貫通するように嵌合孔72と取付孔75とが穿設される。このように一対の嵌合孔72と取付孔75とは、周方向で均等間隔をおいて複数形成される。一対の嵌合孔72と取付孔75とは、表裏方向でリム空洞部21の内部空域24を介して連通していることから、上記した実施例の区画弾性片31を嵌合孔72に装着する際には、該区画弾性片31の嵌入隔壁部32を取付孔75側から引張ることにより、該嵌入隔壁部32をリム空洞部21の内部空域24に挿入する。その後、取付孔75を、溶接金属76などにより埋める。このように各嵌合孔72に区画弾性片31を装着することによって、上述した実施例と同様に、複数の吸音空域を形成できるため、ヘルムホルツ式の共鳴吸音器としての作用効果を発揮できる。尚、区画弾性片31を嵌合孔72に装着する際には、該区画弾性片31を取付孔75から押し入れたり又は取付孔75を通して嵌合孔72側から引張ったりすることにより、該嵌入隔壁部32をリム空洞部21の内部空域24に挿入するようにしても良い。
尚、上記の別例にあって、区画弾性片31の嵌入隔壁部32をリム空洞部21の内部空域24に挿入した後に、取付孔75に所定のボルト(図示せず)やリベット(図示せず)等を装着することによって当該取付孔75を埋めることもできる。
このように嵌合孔72と対向する取付孔75を穿設して、該取付孔75側から区画弾性片31の嵌入隔壁部32を引張ることにより該区画弾性片31を装着するようにして製造される構成にあっては、嵌入隔壁部32を比較的容易にリム空洞部21の内部空域24に挿入できる。さらに、嵌入隔壁部32が適切にリム空洞部21の内部空域24を前後に隔てた状態に配置されるかを視認することができ、その位置調整も適宜行うことができる。
また、上述した実施例にあっては、嵌合孔を周方向で三箇所に設けて各嵌合孔に区画弾性片31を装着することにより、リム空洞部の内部空域を三分割して吸音空域を形成する構成であるが、その他の構成として、例えば、嵌合孔を周方向で四箇所設けてリム空洞部の内部空域を四分割し、四つの吸音空域を形成する構成としても良い。さらに、前記内部空域を五分割や六分割するなどしてもよく、適宜設定することが可能である。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、リム空洞部をリム部の裏側部分に設けた構成とすることもできる。
1,61 車両用ホイール
2 ディスク部
3,63 リム部
9,69 アウターリム部
11a 表側ビードシート部
13 ウエル部
14,64 ウエル壁部
21 リム空洞部
22,72 嵌合孔
24 内部空域
25 吸音空域
31,51 区画弾性片
32,52 嵌入隔壁部
33 封止部
34,54 被着面部
35 内嵌部
36 被着突部
37,57 連通孔
100 タイヤ
101a,101b ビード
102 タイヤ内空域

Claims (3)

  1. 車軸に固定されるディスク部と、タイヤが装着されて密閉状のタイヤ内空域を形成するリム部とを備えた車両用ホイールにおいて、
    前記リム部は、その外周縁に沿って設けられた円環状のリム空洞部と、リム部の外表面で開口して前記タイヤ内空域と前記リム空洞部の内部空域とを連通する複数の嵌合孔とを備えるものであって、
    前記リム空洞部内に挿入されて、該リム空洞部の内部空域をその周方向の前後で隔てる弾性変形可能な嵌入隔壁部と、
    前記嵌入隔壁部により隔てられたリム空洞部の前後いずれか一方と前記タイヤ内空域とを連通する連通孔を備えた、前記嵌合孔を封止する封止部とを具備し、
    前記各嵌合孔に夫々装着されることにより、リム空洞部の内部空域を周方向で区画して、各連通孔により前記タイヤ内空域と夫々連通する複数の吸音空域を形成する区画弾性片を備えていることを特徴とする車両用ホイール。
  2. 区画弾性片は、
    その封止部が、リム部の嵌合孔に内嵌する内嵌部と、嵌合孔よりも外側に突出して該嵌合孔の外側孔周縁に着座する被着突部とを備えると共に、
    嵌入隔壁部が、封止部の内嵌部と連通する部位に、前記嵌合孔の内側孔周縁に着座する被着面部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイール。
  3. リム部は、タイヤの表側ビードを支持する表側ビードシート部と、該表側ビードシート部と内方へ凹むウエル部とを連成するウエル壁部とが形成された円環状のアウターリム部を備えるものであって、
    リム空洞部が、前記アウターリム部に周成され、かつ嵌合孔がウエル壁部に開口されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ホイール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101594733B1 (ko) * 2015-04-27 2016-02-16 유동기 이너림부에 공동부가 형성된 자동차 휠
KR101780730B1 (ko) 2016-03-31 2017-09-26 주식회사 하이.티.티. 흡음 휠용 마스킹 핀
US11633976B2 (en) 2019-04-30 2023-04-25 Honda Motor Co., Ltd. Vehicular wheel having a spoke defining a hollow chamber and vehicles including same

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