JP2011173201A - ロボットハンド - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動源が非常停止したときにワークを落下させることなくワークを保持できるロボットハンドを提供する。
【解決手段】一対の落下防止機構40L・40Rを具備し、一対の落下防止機構40L・40Rは、ワーク100を把持するときにワーク100に接触する把持カム41と、把持カム41を回動可能に支持する回転支点ピン42と、を備え、各把持カム41・41は、ワーク100を把持するときに、一対の駆動フィンガー30L・30Rをワーク100に近接させることにより、ワーク100に押圧され、各把持カム41・41には、ワーク100を把持している状態で、ワーク100の自重によりワーク100へ近接する方向B1・B2への回動力が加えられ、把持カム41にワーク100へ近接する方向B1・B2への回動力が加えられることにより、把持カム41によるワーク100に対する押圧力が増加する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ワークを把持して所定の場所まで搬送するロボットハンドの技術に関する。
従来から工場の設備等では、ロボットハンドを用いてワークを所定の場所まで搬送している。ロボットハンドは、ワークに対して近接離間する一対のフィンガーを具備し、例えば当該一対のフィンガーで互いに反対の方向にワークを押圧することで、ワークに対して所定の把持力を加えた状態でワークを搬送する。このようなロボットハンドの一対のフィンガーは、例えば、ロボットハンドの本体に収容されるモータ等によって駆動する。
このようなロボットハンドでは、前記モータが非常停止したときに、把持力がなくなってしまうため、一対のフィンガーからワークが落下してしまうという問題があった。このような非常停止としては、例えば、停電による電源遮断、および作業者等のオペレーションによる非常停止等がある。
上記のような問題を解消する技術として、以下に示す特許文献1、特許文献2、および特許文献3のような技術が開示されている。
特許文献1に開示された技術では、基部、リンク、回転軸機構、および二つのバネを用いる。
基部には、リンクが回転軸機構を介して回動可能に支持される。また、二つのバネのうち一方は、リンクが開く方向に回動したとき、リンクを閉じる方向に付勢する。他方のバネは、リンクが閉じる方向に回動したとき、リンクを開く方向に付勢する。
これによれば、ワークを外側から把持、あるいは内側から把持しているときに、バネの付勢力が把持力として作用する。このため、駆動源が非常停止したときに、リンク(フィンガー)からワークが落下することを防止できる。
しかし、特許文献1に開示された技術では、例えば、1kgのワークを把持した後で50kgのワークを把持するとき、1kgのワークを把持するだけの付勢力を持ったバネでは、50kgのワークを把持できない場合がある。
つまり、特許文献1に開示された技術では、ワークの重量に応じてバネを交換する必要があるため、汎用性が低いという点で不利であった。
特許文献2に開示された技術では、シリンダ、ピストン、リンク、マスタージョウ、およびロック機構を用いる。
シリンダ内には、ピストンが上下方向に摺動可能に配置され、所定の駆動源より流体が供給される。リンクには、ロックピンが取り付けられる。マスタージョウは、リンクを介してピストンに連結され、ピストンの上下運動によって、ワークに対して近接離間する。また、ロック機構は、ピストンの動作と連動するロックシリンダと、ロックシリンダに連結されるカムとを備える。また、マスタージョウでワークを把持したとき、リンクに形成されるロックピンにカムが当接する。
これによれば、ピストンの駆動源が非常停止したときに、リンクのロックピンにカムが当接しているため、マスタージョウが開く方向に移動することを防止できる。つまり、マスタージョウ(フィンガー)からワークが落下することを防止できる。
しかし、特許文献2に開示された技術では、形状および自重等が異なるワークを把持する場合において、マスタージョウの開く幅および把持力等が変わる。マスタージョウの開く幅に応じてピストンの上下量が変わるため、把持力の制御が困難となってしまう。
例えば、電磁弁、レギュレータ、およびセンサ等を用いることにより、フィンガーおよび把持力を制御することが考えられる。この場合、構造が複雑化するとともに、把持力の精度補償等が必要になってしまう。
つまり、特許文献2に開示された技術では、汎用性に欠けるという点で不利であった。
また、特許文献3に開示された技術では、回転軸、ナット、リンク機構、およびグリッパ部を用いる。
回転軸は、駆動源に接続されて回動可能に構成される。ナットは、回転軸に形成される雄ネジ部に螺合され、回転軸の回動に伴って回転軸の軸心方向に沿って移動する。グリッパ部は、リンク機構を介して回転軸に連結され、回転軸の回動によってワークに対して近接離間する。このような回転軸の雄ネジ部とナットの雌ネジ部とは、所定の摩擦係数以上となるように、ネジのピッチや角度が設定されている。
これによれば、駆動源が非常停止したときに、グリッパ部(フィンガー)が開くことなくワークを保持できる。また、駆動源の動力によって把持力を制御できるため、形状および自重等が異なるワークを把持できる。
しかし、特許文献3に開示された技術では、回転軸の駆動源が非常停止したときに、バックラッシの影響を受けて、グリッパ部が開く方向に移動する場合がある。このとき、グリッパ部とワークとの間に隙間が生じるため、ワークが落下してしまうという点で不利であった。
また、無励磁作動型ブレーキによって非常停止時にフィンガーを固定して、ワークを保持することが考えられる。しかし、この場合においても、バックラッシの影響を受けてフィンガーが開く方向に移動した場合には、ワークが落下してしまう。また、把持力がなくなるためワークが落下してしまう場合がある。
さらに、図15に示すように、ワーク100の形状に沿った専用トレー101にワーク100が位置決めされている場合において、近接離間可能に設けられた一対のフィンガー130・130を本体120に備えたロボットハンド110が、ワーク100を把持できない場合がある。
これは、一対のフィンガー130・130が本体120の中心L10に対して対称に配置されているため、本体120の中心L10がワーク100の中心L2からずれた状態(以下「芯ずれ」と表記する)でワーク100を把持すると、一方のフィンガー130だけがワーク100に接触してしまうことに起因する。つまり、専用トレー101および間仕切りトレー等にワーク100が位置決めされている状態で芯ずれが発生したとき、ワーク100を把持できないという点で不利であった。
特開2009−119567号公報 特開2008−272867号公報 特開2009−125851号公報
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、駆動源が非常停止したときにワークを落下させることなくワークを保持できるロボットハンドを提供するものである。
請求項1においては、一対の駆動フィンガーをワークに近接させて前記ワークを押圧することで、前記ワークを把持するロボットハンドであって、前記一対の駆動フィンガーにそれぞれ支持される一対の落下防止機構を具備し、前記各落下防止機構は、前記各駆動フィンガーよりも前記ワーク側に配置され、前記ワークを把持するときに前記ワークに接触する把持部と、前記把持部を前記各駆動フィンガーに対して相対的に回動可能に支持する回動部と、を備え、前記各把持部は、前記ワークを把持するときに、前記一対の駆動フィンガーを前記ワークに近接させることにより、前記ワークに押圧され、前記各把持部には、前記ワークを把持している状態で、前記ワークの自重により前記ワークへ近接する方向への回動力が加えられ、前記各把持部に前記ワークへ近接する方向への回動力が加えられることにより、前記各把持部による前記ワークに対する押圧力が増加する、ものである。
請求項2においては、前記把持部は、前記駆動フィンガーより前記ワーク側に突出する第一カム部を有し、前記ワークへ近接する方向へ回動したときに、前記第一カム部の前記駆動フィンガーからの突出量が増加する把持カムによって形成され、前記回動部は、前記駆動フィンガーに支持されるとともに、前記把持カムに嵌装される回転支点ピンによって形成される、ものである。
請求項3においては、前記把持カムは、前記駆動フィンガーより前記ワークの反対側に突出し、前記第一カム部の動作に対して、前記回転支点ピンの軸心を基準として対称に動作する第二カム部を有する、ものである。
請求項4においては、前記把持部は、前記駆動フィンガーより前記ワーク側に所定の間隔だけ離れた状態で配置される把持フィンガーによって形成され、前記回動部は、前記把持フィンガーを、前記駆動フィンガーに対して平行姿勢を維持した状態で回動可能に支持する平行リンク機構と、前記把持フィンガーを前記ワーク側に付勢する付勢部材と、によって形成される、ものである。
本発明は、駆動源が非常停止したときに、ワークに対する把持力を維持することができるため、ワークを落下させることなくワークを保持できる、という効果を奏する。
第一実施形態のロボットハンドの全体的な構成を示す説明図。(a)正面図。(b)側面図。 同じくロボットハンドの動作フローを示すフロー図。(a)ワークを搬送するときの動作を示す図。(b)非常停止したときの動作を示す図。 同じくワークを把持する状態を示す正面図。(a)ワークに把持カムを接触させた状態を示す図。(b)ワークを把持する状態を示す図。 同じくワークを搬送する状態を示す正面図。 同じくワークを内側から把持する動作を示す正面図。(a)ワークを把持する前の状態を示す図。(b)ワークに把持カムを接触させた状態を示す図。(c)非常停止したときの状態を示す図。 第一実施形態のロボットハンドの別実施形態を示す側面図。 第二実施形態のロボットハンドの全体的な構成を示す説明図。 同じくロボットハンドの動作フローを示すフロー図。(a)ワークを搬送するときの動作を示す図。(b)非常停止したときの動作を示す図。 同じくワークを仮把持する前の状態を示す正面図。 同じくワークを仮把持する状態を示す正面図。 同じくワークを仮把持して持ち上げた状態を示す正面図。 同じくワークを本把持する状態を示す正面図。 同じくワークを内側から把持する場合のロボットハンドの全体的な構成を示す正面図。 同じくワークを内側から把持する動作を示す正面図。(a)ワークを把持する前の状態を示す図。(b)非常停止したときの状態を示す図。 従来のロボットハンドの全体的な構成を示す正面図。
以下に、本発明に係るロボットハンドの第一実施形態であるロボットハンド10について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、図1(a)における矢印W方向を「左方」として左右方向を規定する。また、図1(a)における矢印H方向を「上方」として上下方向を規定する。
ロボットハンド10は、ワーク100を把持して搬送するものである。図1に示すように、ロボットハンド10は、本体20、一対の駆動フィンガー30L・30R、および一対の落下防止機構40L・40Rを具備する。
本体20には、一対の駆動フィンガー30L・30Rを駆動させるモータが収容される。また、本体20は、所望の位置に移動可能となるように構成される。
一対の駆動フィンガー30L・30Rは、ワーク100を把持するためのものである。一対の駆動フィンガー30L・30Rは、それぞれ本体20の左右下端部に支持される。
一対の駆動フィンガー30L・30Rは、それぞれ本体20のモータにより左右方向に駆動される。一対の駆動フィンガー30L・30Rの前記モータによる駆動は、一対の駆動フィンガー30L・30Rが互いに近接離間する方向に移動するように行われる。
なお、駆動フィンガー30Rは、本体20の右側で支持されており、本体20の左側で支持される駆動フィンガー30Lに対して本体20の中心を基準として左右対称に動作する点を除いて、駆動フィンガー30Lと同様に構成される。このため、以下において、駆動フィンガー30Rの説明は省略する。
駆動フィンガー30Lは、本体20に支持されて、収容部31と切込部32a・32bとを有する。
収容部31は、駆動フィンガー30Lの下端部を切り欠いて、落下防止機構40Lを収容可能に形成される。
切込部32a・32bは、収容部31の上部に形成され、駆動フィンガー30Lの左右両端部から駆動フィンガー30Lの左右中央部に向かって斜め下方向に向かって切り込むような、略V字状に形成される。
このような駆動フィンガー30Lは、リンク機構等を介して前記モータに連結され、前記モータの回動に伴って、一対の駆動フィンガー30L・30Rの間に位置するワーク100に対して近接離間可能に構成される。
一対の落下防止機構40L・40Rは、一対の駆動フィンガー30L・30Rによりワーク100を把持する際に、ワーク100に実際に当接して保持するものである。一対の落下防止機構40L・40Rは、それぞれ一対の駆動フィンガー30L・30Rの下端部で支持されて、一対の駆動フィンガー30L・30Rの移動に伴って一体的に移動する。一対の落下防止機構40L・40Rは、それぞれ把持カム41および回転支点ピン42を備える。
なお、落下防止機構40Rは、駆動フィンガー30Rの下端部で支持されて、落下防止機構40Lに対して本体20の中心を基準として左右対称に動作する点を除いて、落下防止機構40Lと同様に構成される。このため、以下において、落下防止機構40Rの説明は省略する。
落下防止機構40Lにおける把持カム41には、その左右両端部において駆動フィンガー30Lより左右方向に突出する回転端41a・41bが形成される。回転端41a・41bは、左右方向端部に向かうにつれて上方向に傾斜するような形状に形成されており、把持カム41の中心を基準として対称に形成されている。つまり、把持カム41は、全体的に略ハート状に形成されている。
把持カム41の左右中央部の上端部は、切込部32a・32bの下端部に当接する。
回転支点ピン42は、駆動フィンガー30Lの下端部に回動可能に支持されるとともに、摺動性の高いブッシュ43を介して把持カム41に嵌装され、把持カム41を回動可能に支持する。つまり、回転支点ピン42は、その軸心が把持カム41の回動中心となって、把持カム41を駆動フィンガー30Lに対して相対的に回動可能に支持する。
また、把持カム41は、摺動性の高いブッシュ43を介して回転支点ピン42に支持されているので、駆動フィンガー30Lに対して円滑に回動することが可能となっている。
このように構成される落下防止機構40Lは、把持カム41を図1(a)において時計回りに回動させたとき、回転端41bが駆動フィンガー30Lの切込部32bに当接する。また、把持カム41を時計回りに回動させると、回転端41aの駆動フィンガー30Lからの突出量が増加する。
一方、落下防止機構40Lの把持カム41を図1(a)において反時計回りに回動させたとき、回転端41aが駆動フィンガー30Lの切込部32aに当接する。また、把持カム41を反時計回りに回動させると、回転端41bの駆動フィンガー30Lからの突出量が増加する。
また、把持カム41に外部から力を加えない場合には、図1(a)に示すような回転端41a・41bが上下方向において互いに同じ位置(以下、「把持カム41の初期位置」と表記する)に配置される。また、回転端41a・41bの駆動フィンガー30Lからの突出量は等しくなる。このような把持カム41は、高摩擦係数を有するゴム系の弾性体によって構成される。
次に、ロボットハンド10がワーク100をある場所から、当該場所とは異なる所定の場所まで搬送する際の動作について説明する。
なお、ロボットハンド10は、略直方体状のワーク100を把持するものとして説明を行う。この場合、ロボットハンド10は、ワーク100を外側から把持する。
また、以下において、ワーク100が搬送される前に配置されている位置を「ワーク位置P1」と表記する。また、ワーク100を搬送する位置(ワーク100の搬送先の位置)を「開放位置」と表記する。
まず、図1(a)および図2(a)に示すように、ロボットハンド10は、ワーク100を把持できるように、一対の駆動フィンガー30L・30Rをワーク100から離間させて開状態にする(S110)。すなわち、駆動フィンガー30Lを左方向に移動させるとともに、駆動フィンガー30Rを右方向に移動させて、駆動フィンガー30L側の把持カム41と駆動フィンガー30R側の把持カム41との左右方向の間隔がワーク100の左右幅よりも広くなるように、一対の駆動フィンガー30L・30Rをワーク100から離間させる。
一対の駆動フィンガー30L・30Rを開状態にした後、ロボットハンド10は、本体20をワーク位置P1まで移動させて、駆動フィンガー30L側の把持カム41と駆動フィンガー30Rの把持カム41との間にワーク100が配置されるようにする(S120)。
本体20を移動させた後、図2(a)および図3(a)に示すように、ロボットハンド10は、一対の駆動フィンガー30L・30Rを閉じる(S130)。つまり、一対の駆動フィンガー30L・30Rをワーク100に近接させる。このとき、各把持カム41・41の回転端41aがワーク100に接触する。
一対の駆動フィンガー30L・30Rを閉じて各把持カム41・41の回転端41aがワーク100に接触した後、図2(a)および図3に示すように、ロボットハンド10は、ワーク100を把持する(S140)。より詳細には、一対の駆動フィンガー30L・30Rをさらに閉じる。
このとき、回転端41aの各駆動フィンガー30L・30Rからの突出量が減少する方向へ各把持カム41・41が回動するが、各把持カム41・41は切込部32aによりその回動が規制される。このため、各把持カム41・41はワーク100に圧接して弾性変形する(図3(b)に示す矢印A1・A2参照)。
つまり、回転端41aにおいて各把持カム41・41が縮み、各把持カム41・41とワーク100との間の摩擦力が増加する。
なお、第一実施形態では、各把持カム41・41の回動において、回転端41aの各駆動フィンガー30L・30Rからの突出量が減少する方向への回動とは、矢印A1・A2の方向、つまり一対の駆動フィンガー30L・30Rの間隔が一定であれば各把持カム41・41がワーク100から離間する方向である。
ワーク100を把持した後に、図2(a)に示すように、ロボットハンド10は、ワーク100を開放位置まで搬送する(S150)。より詳細には、ワーク100を持ち上げて、開放位置まで本体20を移動させる。そして、ワーク100を開放位置上に載置する。このとき、一対の駆動フィンガー30L・30Rは、それぞれワーク100へ近接して、各把持カム41・41を介してワーク100を押圧することで、ワーク100を把持するために必要な把持力を加えている。つまり、S150において、ワーク100は、一対の駆動フィンガー30L・30Rの押圧によって把持されている。
また、図4に示すように、ロボットハンド10によりワーク100を把持して搬送する際には、ワーク100に圧接している各把持カム41・41に対して、回転端41aとワーク100との間の摩擦力およびワーク100の自重によって、ワーク100が落下する方向、即ち第一実施形態では下方向への力がかかる(図4に示す矢印G参照)。
つまり、落下防止機構40Lの把持カム41には、該把持カム41が時計回りに回動する方向の力がかかり、落下防止機構40Rの把持カム41には、該把持カム41が反時計回りに回動する方向の力がかかる(図4に示す矢印B1・B2参照)。
落下防止機構40Lの把持カム41に時計回り方向の力がかかり、落下防止機構40Rの把持カム41に反時計回り方向の力がかかることにより、各把持カム41・41がかかった力の方向、即ちワーク100へ近接する方向へ回動して、回転端41aの各駆動フィンガー30L・30Rからの突出量が増加し、ロボットハンド10によるワーク100の把持状態が保持される。
この場合、各把持カム41・41が回動して、回転端41aの各駆動フィンガー30L・30Rからの突出量が増加することにより、回転端41aの突出した部分の圧縮度合いが高まり、各把持カム41・41のワーク100に対する押圧力が増大して、ロボットハンド10によるワーク100の把持力が増大することとなる。
つまり、各把持カム41・41は、弾性変形している状態から元の形状へ戻ろうとすることでワーク100を押圧するため、各把持カム41・41が回動して回転端41aの圧縮度合いが高まることで、ワーク100に対する摩擦力が増し、把持力が増大する(グリップ効果)。
ワーク100を搬送した後に、ロボットハンド10は、ワーク100を開放する(S160)。つまり、ワーク100を開放位置上に載置した後に、一対の駆動フィンガー30L・30Rをワーク100から離間させる。
ワーク100を開放したとき、落下防止機構40Lの把持カム41は、時計回りに回動し、把持カム41の初期位置に戻る。一方、落下防止機構40Rの把持カム41は、反時計回りに回動し、把持カム41の初期位置に戻る。
このように、ロボットハンド10は、ワーク位置P1から開放位置までワーク100を搬送する。
ここで、ロボットハンド10は、S150にてワーク100を搬送しているとき等に非常停止する場合がある。このような場合としては、例えば、停電による電源遮断、および作業者のオペレーションによる非常停止等がある。
S150にてワーク100を搬送しているときにロボットハンド10が非常停止すると、本体20のモータの駆動力により一対の駆動フィンガー30L・30Rに付与されているワーク100に対する押圧力がなくなってしまう。
以下では、S150にてワーク100を搬送しているときに、ロボットハンド10が非常停止した場合の動作について説明する。
図2(b)および図4に示すように、ロボットハンド10が非常停止したときには、一対の駆動フィンガー30L・30Rに付与されていた前記モータの駆動力による押圧力がなくなるが、一対の駆動フィンガー30L・30Rは、ブレーキ等により左右方向の移動が規制され、ワーク100の把持状態の間隔を維持する。
ロボットハンド10によりワーク100を把持して搬送しているときには、前述のように、各把持カム41・41は、ワーク100の自重によってワーク100へ近接する方向B1・B2へ回動して、ワーク100の把持力が増大している。
また、一対の駆動フィンガー30L・30Rを駆動する機構にギアを用いた場合等においては、ロボットハンド10が非常停止すると、バックラッシの影響を受けて、一対の駆動フィンガー30L・30Rが、ワーク100の把持状態からわずかに開いてしまう場合がある(例えば、0.4mm程度開いてしまうことがある)。
この場合においても、一対の駆動フィンガー30L・30Rの開きに対応して各把持カム41・41がワーク100へ近接する方向B1・B2へ回動することで、各把持カム41・41のワーク100への押圧力が増大し、ワーク100に対する把持力を維持することができ、ワーク100を落下させることなく確実に保持することが可能となっている。
つまり、ロボットハンド10が非常停止した場合、各把持カム41・41の回動(S210)によりワーク100の把持力を増大させることができ、ワーク100を確実に保持することが可能となっている(S220)。
このように、ロボットハンド10が非常停止したときでも、ワーク100には、各把持カム41・41によって、十分な把持力が加えられることとなる。これにより、ロボットハンド10は、一対の駆動フィンガー30L・30Rよりワーク100を落下させることなくワーク100を保持できる。
ここで、ワーク100の自重が重ければ重いほど、各把持カム41・41には、ワーク100が落下する方向Gへより強い力がかかる。このため、各把持カム41・41は、より強い力でワーク100へ近接する方向B1・B2へ回動し、回転端41aの各駆動フィンガー30L・30Rからの突出量が増加し(実際には、各駆動フィンガー30L・30Rとワーク100との間隔は一定であるため、回転端41aの収縮量が増大する)、ワーク100の把持力が大きくなる。
つまり、各把持カム41・41は、ワーク100の自重が重ければ重いほど、より強い力でワーク100を押圧する。このように、一対の落下防止機構40L・40Rは、ワーク100の自重を把持力に変換する。
ワーク100を保持した後で、図2(b)に示すように、急停止した要因を復旧させる(S230)。
これによれば、ロボットハンド10が非常停止したときに、一対の駆動フィンガー30L・30Rからワーク100を落下させることなくワーク100を保持できる。
このように、第一実施形態の一対の落下防止機構40L・40Rの把持部は、各駆動フィンガー30L・30Rよりワーク100側に突出する第一カム部としての回転端41aを有し、ワーク100へ近接する方向B1・B2へ回動したときには、回転端41aの各駆動フィンガー30L・30Rからの突出量が増加して、回転端41aがワーク100を押圧する把持カム41を備える。また、各把持カム41・41は、各駆動フィンガー30L・30Rよりもワーク100側に配置され、ワーク100を把持するときにワーク100に接触する。
また、第一実施形態の一対の落下防止機構40L・40Rの回動部は、各駆動フィンガー30L・30Rに支持されるとともに、各把持カム41・41に嵌装される回転支点ピン42を備える。また、各回転支点ピン42・42は、各把持カム41・41を各駆動フィンガー30L・30Rに対して相対的に回動可能に支持する。
なお、第一実施形態では、S140にて一対の駆動フィンガー30L・30Rを本体20のモータにより駆動することで、ワーク100を把持するために必要な把持力をワーク100に対して加えたが、その後にS150にてワーク100を搬送するときには、必ずしも本体20のモータによる一対の駆動フィンガー30L・30Rの駆動状態を保持しておく必要はない。すなわち、ワーク100を搬送するときには、S140にてワーク100を把持したときにおける一対の駆動フィンガー30L・30Rの間隔をブレーキ等により保持しておけば、本体20のモータによる一対の駆動フィンガー30L・30Rの駆動力を、S140のワーク把持時よりも小さくしたり、あるいは前記駆動力を停止したりしても構わない。
この場合、各把持カム41・41は、S150においてワーク100を搬送するときには、ワーク100の自重によりワーク100へ近接する方向B1・B2へ回動するため、ワーク100に対する把持力を維持することができる。つまり、ワーク100の自重を利用してワーク100を保持できる。
このように、ワーク100を把持している状態では、一対の落下防止機構40L・40Rの把持カム41には、ワーク100の自重により、把持カム41がワーク100へ近接する方向である方向B1・B2への力がかかっており、この方向B1・B2への力によりワーク100を押圧することで、ワーク100を確実に保持している。
つまり、各把持カム41・41は、ワーク100を把持するときに、一対の駆動フィンガー30L・30Rをワーク100に近接させることにより、ワーク100に押圧され、各把持カム41・41には、ワーク100を把持している状態で、ワーク100の自重によりワーク100へ近接する方向B1・B2への回動力が加えられ、各把持カム41・41にワーク100へ近接する方向B1・B2への回動力が加えられることにより、各把持カム41・41によるワーク100に対する押圧力が増加するように構成されている。
このように構成することにより、従来技術にあるようなフィンガーでワーク100を把持する場合と比較して、より小さい把持力でワーク100を把持できる。従って、より小さいモータで一対の駆動フィンガー30L・30Rを駆動できる。
また、ロボットハンド10は、図5に示すように、把持するワーク100が中空状に形成されたものである場合、一対の駆動フィンガー30L・30Rをワーク100の内側から近接させることにより、ワーク100を把持することができる。
この場合、図3、図4、および図5に示すように、ワーク100を把持するときにおける、一対の駆動フィンガー30L・30Rのワーク100に対して近接離間する方向が、ワーク100を外側から把持する場合と比較して反対方向になる。
また、ワーク100を把持するときの、各把持カム41・41の回動方向も、ワーク100を外側から把持する場合と比較して反対方向になる。
そして、ワーク100を把持する際には、一対の駆動フィンガー30L・30Rを開いて各把持カム41・41の回転端41bがワーク100に接触した後、さらに一対の駆動フィンガー30L・30Rを開く。このとき、回転端41bの各駆動フィンガー30L・30Rからの突出量が減少する方向へ各把持カム41・41が回動するが、各把持カム41・41は切込部32bに当接してその回動が規制されるため、各把持カム41・41はワーク100に圧接して弾性変形する(図5(b)に示す矢印A1・A2参照)。
前述のようにワーク100を内側から把持し、把持した状態で搬送しているときに、ロボットハンド10が非常停止した場合には、一対の駆動フィンガー30L・30Rに付与されていた前記モータの駆動力による開く側への押圧力がなくなるが、一対の駆動フィンガー30L・30Rは、ブレーキ等により左右方向の移動が規制され、ワーク100の把持状態の間隔を保持する。
または、一対の駆動フィンガー30L・30Rを駆動する機構にギアを用いた場合等においては、バックラッシの影響を受けて、一対の駆動フィンガー30L・30Rが、ワーク100の把持状態からわずかに開く。
この状態において、一対の駆動フィンガー30L・30Rの開きに対応して各把持カム41・41が回動する。より詳細には、各把持カム41・41は、ワーク100と回転端41bとの間の摩擦力およびワーク100の自重によって、ワーク100が落下する方向Gへの力がかかる。このとき、落下防止機構40Lの把持カム41は、反時計回りに回動して、回転端41bにてワーク100を押圧する(図5(c)に示す矢印B1・C1参照)。一方、落下防止機構40Rの把持カム41は、時計回りに回動して、回転端41bにてワーク100を押圧する(図5(c)に示す矢印B2・C2参照)。つまり、ワーク100の把持力を増大させることができ、ワーク100を確実に保持することができる。
これにより、一対の落下防止機構40L・40Rは、ワーク100を内側から把持している場合においても、ロボットハンド10が非常停止したときに、一対の駆動フィンガー30L・30Rからワーク100を落下させることなくワーク100を保持できる。
なお、各把持カム41・41の回転端41bの形状は、回転端41aの形状に対して各把持カム41・41の中心を基準として対称に形成したが、これに限定されるものでない。すなわち、各把持カム41・41の回転端41bは、ワーク100を内側から把持できる形状であればよい。さらに、各把持カム41・41の回転端41bは、回転端41aに対して、各把持カム41・41の回動中心である各回転支点ピン42・42を基準として対称に動作すればよく、必ずしも回転端41aと回転端41bとの形状が対称である必要はない。
このように、一対の落下防止機構40L・40Rの把持カム41は、一対の駆動フィンガー30L・30Rから第一カム部である回転端41aとは反対側に突出し、回転端41aの動作に対して、回転支点ピン42の軸心を基準として対称に動作する第二カム部としての回転端41bを有する。
これにより、一対の落下防止機構40L・40Rは、それぞれ把持カム41を交換することなくワーク100を外側および内側の両側から把持できる。
なお、第一実施形態では、把持カム41を一対の落下防止機構40L・40Rに一つだけ備える構成としたが、これに限定されるものでない。すなわち、例えば図6に示すように、把持カム41は、回転支点ピン42に複数(図6では三つ)が積層状態で回動可能に支持される構成であってもよい。
この場合、ワーク100の把持カム41と接触する部分に凹凸が形成されている場合等においても、当該凹凸に把持カム41を追従させることができる。つまり、ワーク100の凹凸の頂点部分だけに、把持カム41が接触することを防止できる。従って、ワーク100と把持カム41との間の接触面積を大きくできるため、ロボットハンド10が非常停止したときに、より確実にワーク100を保持できる。
また、第一実施形態の各把持カム41・41は、弾性体によって構成したが、これに限定されるものでない。すなわち、各把持カム41・41は、ワーク100を把持しているとき等において、ワーク100が滑り落ちないような部材にて構成すればよい。
例えば、回転端41aに接触する部分が弾性体で成形されるワーク100を把持する場合等においては、各把持カム41・41を金属部材で構成し、ワーク100を把持するときに、ワーク100を弾性変形させて各把持カム41・41とワーク100との間の摩擦力を増大させても構わない。
次に、第二実施形態のロボットハンド50について説明する。また、ロボットハンド50は、ワーク100を外側から把持する場合と内側から把持する場合とで、その構成が異なる。まず、ワーク100を外側から把持する場合のロボットハンド50の構成について説明する。
図7に示すように、ロボットハンド50は、本体60、一対の駆動フィンガー70L・70R、および一対の落下防止機構80L・80Rを具備する。
第二実施形態の本体60は、第一実施形態の本体20と同様に構成されるため、その説明を省略する。
第二実施形態の一対の駆動フィンガー70L・70Rには、第一実施形態の一対の駆動フィンガー30L・30Rの収容部31および切込部32a・32bに代えて、当接部71が形成される。一対の駆動フィンガー70L・70Rは、互いに近接離間するように左右方向へ移動可能に構成されている。当接部71は、一対の駆動フィンガー70L・70Rの内側面(一対の駆動フィンガー70L・70Rの互いに対向する面)に形成される。
一対の落下防止機構80L・80Rは、それぞれ一対の駆動フィンガー70L・70Rの下端部で支持されて、一対の駆動フィンガー70L・70Rの移動に伴って一体的に移動する。一対の落下防止機構80L・80Rは、それぞれ把持フィンガー81、平行リンク機構82、およびストッパ83を備える。
なお、落下防止機構80Rは、駆動フィンガー70Rの下端部で支持されており、駆動フィンガー70Lの下端部で支持される落下防止機構80Lに対して本体60の中心L1を基準として左右対称に動作する点を除いて、落下防止機構80Lと同様に構成される。このため、以下において、落下防止機構80Rの説明は省略する。
把持フィンガー81は、平行リンク機構82を介して駆動フィンガー70Lに支持される。把持フィンガー81の内側(ワーク100側)の端面には、接触部81aが形成される。また、把持フィンガー81の上端部には、把持フィンガー81の短手方向(一対の駆動フィンガー70L・70Rの移動方向である左右方向)に貫通する貫通孔81bが形成される。また、把持フィンガー81の中途部には、係止部81cが形成される。
平行リンク機構82は、第一リンクピン82a・82a、第二リンクピン82b・82b、およびリンク部材82c・82cを有する。
第一リンクピン82a・82aは駆動フィンガー70Lの下端部に設けられ、駆動フィンガー70Lの下端部において上下に所定の間隔を空けて配置される。第一リンクピン82a・82aは、駆動フィンガー70Lの下端部でリンク部材82c・82cの左端部を回動可能に支持する。
第二リンクピン82b・82bは把持フィンガー81の中途部に設けられ、把持フィンガー81の中途部において上下に第一リンクピン82a・82aと略同一の間隔を空けて配置される。第二リンクピン82b・82bは、把持フィンガー81の中途部でリンク部材82c・82cの右端部を回動可能に支持する。
リンク部材82c・82cは、このように第一リンクピン82a・82aおよび第二リンクピン82b・82bにより支持されることにより、駆動フィンガー70Lと把持フィンガー81とを連結している。
また、リンク部材82c・82cは、互いに長手方向の向きが平行となるように配置され、リンク部材82c・82cの長手方向の向きは、内側(駆動フィンガー70Lが閉じる側、図7においては右側)へ向かうにつれて上方向に傾斜している。
このようにして、平行リンク機構82は、駆動フィンガー70Lと把持フィンガー81とを連結している。
ストッパ83には、係止部83aと突出部83bとが形成される。突出部83bは、貫通孔81bに挿通可能な形状を有し、駆動フィンガー70Lの当接部71から内側(図7においては右側)へ向かって突出する。突出部83bは、把持フィンガー81の右側から把持フィンガー81の貫通孔81bに挿通され、把持フィンガー81の右方に突出する。突出部83bの先端部(把持フィンガー81の右方に突出する部分)には、突出部83bよりも大径の係止部83aが形成されている。また、把持フィンガー81は、貫通孔81bに挿通される突出部83bに対して摺動可能に構成されている。
これにより、係止部83aは、把持フィンガー81が時計回りに所定の角度まで回動(駆動フィンガー70Lから離れる方向へ移動)したときに、把持フィンガー81と当接する。
一対の落下防止機構80L・80Rの間には、バネ84が取り付けられる。バネ84は、左右両端部が各把持フィンガー81・81の係止部81cに係止される。各把持フィンガー81・81の係止部81cは、落下防止機構80Lの把持フィンガー81における第二リンクピン82b・82bの間、および落下防止機構80Rの把持フィンガー81における第二リンクピン82b・82bの間に配置され、各把持フィンガー81・81が回動したときに、平行リンク機構82と接触しないように形成される。
バネ84は引っ張りバネに構成されており、落下防止機構80Lの把持フィンガー81を右側に向かって付勢するとともに、落下防止機構80Rの把持フィンガー81を左側に向かって付勢する。
このように構成される落下防止機構80Lの把持フィンガー81は、外部から力を加えない場合、ストッパ83の係止部83aに当接するまで時計回りに回動する(駆動フィンガー70Lから離れる方向へ移動する)。このとき、落下防止機構80Lの把持フィンガー81は、駆動フィンガー70Lに対して傾斜しないように平行に移動する。つまり、把持フィンガー81は、平行リンク機構82により、駆動フィンガー70Lに対して平行姿勢を維持した状態で回動可能に支持されている。
把持フィンガー81が係止部83aに当接している状態では、駆動フィンガー70Lと把持フィンガー81との間に所定の大きさのクリアランス85が形成される。
なお、以下において、把持フィンガー81がストッパ83の係止部83aに当接し、クリアランス85が最も大きくなる位置を「把持フィンガー81の初期位置」と表記する。
次に、ロボットハンド50がワーク100をワーク位置P1から開放位置まで搬送する際の動作について説明する。
第二実施形態のワーク100は、ワーク位置P1にてワーク100の下端部の形状に沿った形状を有する専用トレー101に位置決めされている。
まず、図7および図8(a)に示すように、ロボットハンド50は、ワーク100を把持できるように、一対の駆動フィンガー70L・70Rをワーク100から離間させて開状態にする(S310)。すなわち、駆動フィンガー70Lを左方向に移動させるとともに、駆動フィンガー70Rを右方向に移動させて、駆動フィンガー70L側の把持フィンガー81と駆動フィンガー70R側の把持フィンガー81との左右方向の間隔がワーク100の左右幅よりも広くなるように、一対の駆動フィンガー70L・70Rをワーク100から離間させる。
一対の駆動フィンガー70L・70Rを開状態にした後、ロボットハンド50は、本体60をワーク位置P1まで移動させて、駆動フィンガー70L側の把持フィンガー81と駆動フィンガー70R側の把持フィンガー81との間にワーク100が配置されるようにする(S320)。
S320にて本体60を移動させたとき、図9に示すように、本体60の中心L1がワーク100の中心L2からずれる場合がある(図9においては、ワーク100の中心L2が本体60中心L1に対して左方へずれている)。
このような状態で一対の駆動フィンガー70L・70Rによりワーク100を把持しようとすると、一方の把持フィンガー81だけが先にワーク100に接触してしまうことになる。
なお、以下では、このような本体60の中心L1がワーク100の中心L2からずれた状態を「芯ずれ」と表記する。
また、第二実施形態では、S320にてこのような芯ずれが生じたものとして説明行う。
S320にて本体60を移動させた後で、図8(a)および図9に示すように、ロボットハンド50は、一対の駆動フィンガー70L・70Rを閉じる(S330)。このとき、始めに落下防止機構80Lの把持フィンガー81の接触部81aだけがワーク100に接触する。
図9および図10に示すように、S330では、落下防止機構80Lの把持フィンガー81だけがワーク100に接触した状態で、さらに一対の駆動フィンガー70L・70Rを閉じる(ワーク100へ近接する方向へ移動する)。
このとき、落下防止機構80Lの把持フィンガー81は、反時計回りに回動する(駆動フィンガー70Lに近づく方向へ移動する)(図10に示す矢印A1参照)。このため、落下防止機構80Lのクリアランス85の長さは、把持フィンガー81がその初期位置にある場合と比較して短くなる。つまり、落下防止機構80Lの把持フィンガー81が駆動フィンガー70Lに近づく方向へ移動した分だけ、各駆動フィンガー70L・70Rはワーク100へ近接する。
従って、落下防止機構80Lの把持フィンガー81だけがワーク100に接触した状態から、さらに一対の駆動フィンガー70L・70Rをワーク100に近接できる。これにより、落下防止機構80Rの把持フィンガー81の接触部81aもワーク100に接触する。
このような少なくとも一方の落下防止機構80L・80Rのクリアランス85の距離が、把持フィンガー81がその初期位置にある場合と比較して短くなるとともに、各把持フィンガー81・81の接触部81aがワーク100に接触している状態を「仮把持」と表記する。
ワーク100を仮把持した後で、図8(a)に示すように、ロボットハンド50は、ワーク100を持ち上げる(S340)。
仮把持した状態のワーク100を持ち上げる際には、ロボットハンド50は以下のように動作する。
図10および図11に示すように、一対の落下防止機構80L・80Rは、それぞれワーク100の自重によってワーク100が落下する方向、即ち第二実施形態では下方向への力がかかる(図11に示す矢印G参照)。
このとき、落下防止機構80Lの把持フィンガー81は、ワーク100の自重による下方向への力がかかるとともにバネ84によってワーク100側に付勢されているため、時計回りに回動して(駆動フィンガー70Lから離れる方向へ移動して)(図11に示す矢印B2参照)、ワーク100を内側へ押し込もうとする(図11に示す矢印C2参照)。
また、落下防止機構80Rの把持フィンガー81は、ワーク100の自重による下方向への力がかかるとともにバネ84によってワーク100側に付勢されているため、反時計回りに回動して(駆動フィンガー70Rから離れる方向へ移動して)(図11に示す矢印B1参照)、ワーク100を内側へ押し込もうとする(図11に示す矢印C1参照)。
この際、前記芯ずれにより、落下防止機構80Lのクリアランス85は落下防止機構80Rのクリアランス85よりも小さくなっていて、落下防止機構80Lの接触部81aによるワーク100の押し込み力の方が、落下防止機構80Rの接触部81aによるワーク100の押し込み力よりも大きいため、現実には、落下防止機構80Lの把持フィンガー81が駆動フィンガー70Lから離れる方向へ移動するとともに、落下防止機構80Rの把持フィンガー81が駆動フィンガー70Rに近づく方向へ移動することとなる。
つまり、ワーク100の中心L2が本体60の中心L1に対して落下防止機構80L側へずれた芯ずれ状態でワーク100を仮把持し、さらにワーク100を持ち上げると、落下防止機構80Lの接触部81aによるワーク100の内側への押し込み力によって、落下防止機構80Rの把持フィンガー81が外側(図11における右側)へ押圧されて時計回りに回動する(駆動フィンガー70Rに近づく方向へ移動する)。
そして、各把持フィンガー81・81は、その押し込みによる力が互いにつり合う位置で左右方向への移動を停止し、その停止位置でワーク100を保持する。
この停止位置でのワーク100の保持においては、落下防止機構80Lの把持フィンガー81には時計回りに回動する方向の力がかかり、接触部81aによりワーク100を内側へ押し込む(図11に示す矢印B2・C2参照)。一方、落下防止機構80Rの把持フィンガー81には反時計回りに回動する方向の力がかかり、接触部81aによりワーク100を内側へ押し込む(図11に示す矢印B1・C1参照)。
このように、一対の落下防止機構80L・80Rの把持フィンガー81の内側への押圧力によりワーク100を把持することにより、一対の落下防止機構80L・80Rはワーク100を保持する。
つまり、第二実施形態では、各把持フィンガー81・81の回動において、矢印B1・B2方向がワーク100へ近接する方向となる。
また、第二実施形態では、各把持フィンガー81・81の回動において、各把持フィンガー81・81が各駆動フィンガー70L・70Rに近づく方向が矢印A1・A2方向、つまり各駆動フィンガー70L・70Rの間隔が一定であれば各把持フィンガー81・81がワーク100から離間する方向となる。
ここで、各把持フィンガー81・81の押圧による力が互いにつり合う位置は、落下防止機構80Lのクリアランス85と落下防止機構80Rのクリアランス85とが等しい距離となる位置である。言い換えれば、本体60の中心L1とワーク100の中心L2とが重なる位置である。
このように、一対の落下防止機構80L・80Rは芯ずれを吸収できる(コンプライアンス効果が得られる)。このため、把持フィンガー81の一方だけがワーク100に当接したときに、本体60を揺らして芯ずれを吸収するフローティング機構等を別途具備することなく、芯ずれを吸収できる。
ワーク100を持ち上げて、ワーク100と本体60との芯ずれを吸収した後、図8(b)および図12に示すように、ロボットハンド50は、ワーク100を本把持する(S350)。より詳細には、ワーク100を仮把持した状態から、一対の駆動フィンガー70L・70Rを、さらにワーク100に近接させて、ワーク100に所定の把持力を加える。
このとき、落下防止機構80Lの把持フィンガー81は、反時計回りに回動して(駆動フィンガー70Lに近づく方向へ移動して)、駆動フィンガー70Lに形成される当接部71に当接する。また、落下防止機構80Rの把持フィンガー81は、時計回りに回動して(駆動フィンガー70Rに近づく方向へ移動して)、駆動フィンガー70Rに形成される当接部71に当接する。
つまり、一対の落下防止機構80L・80Rのクリアランス85がなくなり、これ以上一対の駆動フィンガー70L・70Rを閉じられない状態となる(以下、「本把持」と表記する)。
ワーク100を本把持した後で、図8(b)に示すように、ロボットハンド50は、ワーク100を開放位置まで搬送する(S360)。
ワーク100を搬送した後で、ロボットハンド50は、ワーク100を開放する(S370)。
このとき、一対の駆動フィンガー70L・70Rは開く方向へ移動し、落下防止機構80Lの把持フィンガー81は、時計回りに回動してストッパ83の係止部83aに当接し、把持フィンガー81の初期位置に戻る。また、落下防止機構80Rの把持フィンガー81は、反時計回りに回動してストッパ83の係止部83aに当接し、把持フィンガー81の初期位置に戻る。
ここで、本体60の中心L1とワーク100の中心L2との位置が大きくずれた場合、前述したような仮把持の状態で持ち上げたときに、芯ずれを吸収しきれない可能性がある。芯ずれを吸収しきれない状態で、精度が求められる開放位置(例えば、専用トレー等)にワーク100を搬送する場合、ワーク100を開放したときに開放位置からずれてしまう可能性がある。
このような場合には、S350にてワーク100を搬送するときに、一対の駆動フィンガー70L・70Rをワーク100に対して近接離間させて、ワーク100を持ち直すことで、芯ずれを吸収できる。また、ワーク100を本把持するときに、より大きな力でワーク100を押し込むことによっても、芯ずれを吸収できる。
このように、ロボットハンド50は、ワーク位置P1から開放位置までワーク100を搬送する。
ここで、ロボットハンド50は、ワーク100を搬送しているとき等に非常停止する場合がある。
以下では、S350にてワーク100を搬送しているときに、ロボットハンド50が非常停止した場合の動作について説明する。
図8(b)および図12に示すように、ロボットハンド50が非常停止したときには、本体60のモータの駆動力により一対の駆動フィンガー70L・70Rに付与されているワーク100に対する押圧力がなくなるとともに、ブレーキ等により一対の駆動フィンガー70L・70Rの左右方向の移動が規制され、ワーク100を本把持している状態の間隔を維持する。
また、一対の駆動フィンガー70L・70Rを駆動する機構にギアを用いた場合等においては、ロボットハンド50が非常停止すると、バックラッシの影響を受けて、一対の駆動フィンガー70L・70Rが、ワーク100の把持状態からわずかに開く。
この状態において、各把持フィンガー81・81には回動方向への力がかかる。より詳細には、各把持フィンガー81・81には、ワーク100が落下する方向Gの力、つまり、各把持フィンガー81・81がワーク100へ近接する方向B1・B2の力がかかる。
各把持フィンガー81・81に前述の回動方向の力がかかることにより、ロボットハンド50は、ワーク100を保持する。つまり、各把持フィンガー81・81にワーク100へ近接する方向B1・B2の力がかかり、接触部81aによりワーク100が内側へ押し込まれることとなり、ワーク100に対する把持力を維持することができ、ワーク100を落下させることなく確実に保持することが可能となっている。
つまり、ロボットハンド50が非常停止した場合、各把持フィンガー81・81の回動(またはワーク100へ近接する方向B1・B2への力がかかること)(S410)によりワーク100の把持力を増大させることができ、ワーク100を確実に保持することが可能となっている(S420)。
このように、ロボットハンド50が非常停止したときでも、ワーク100には、各把持フィンガー81・81によって、十分な把持力が加えられることとなる。これにより、ロボットハンド50は、一対の駆動フィンガー70L・70Rよりワーク100を落下させることなくワーク100を保持できる。
ここで、ワーク100の自重が重ければ重いほど、各把持フィンガー81・81には、ワーク100が落下する方向Gへより強い力がかかる。このため、各把持フィンガー81・81にかかる、ワーク100へ近接する方向B1・B2への力が、より大きくなる。
つまり、各把持フィンガー81・81は、ワーク100の自重が重ければ重いほど、より強い力でワーク100を押圧する。このように、一対の落下防止機構80L・80Rは、ワーク100の自重を把持力に変換する。
ロボットハンド50が非常停止した場合、ワーク100はロボットハンド50に把持された状態を維持するが、その後、図8(b)に示すように、急停止した要因を復旧させる(S430)。
これによれば、ロボットハンド50が非常停止したときに、一対の駆動フィンガー70L・70Rからワーク100を落下させることなくワーク100を保持できる。
このように、第二実施形態の一対の落下防止機構80L・80Rの把持部は、各駆動フィンガー70L・70Rよりワーク100側に所定の間隔だけ離れた状態で配置される把持フィンガー81を備えている。また、各把持フィンガー81・81は、各駆動フィンガー70L・70Rよりもワーク100側に配置され、ワーク100を把持するときにワーク100に接触する。
また、第二実施形態の一対の落下防止機構80L・80Rの回動部は、各駆動フィンガー70L・70Rと各把持フィンガー81・81とをそれぞれ連結するとともに、各把持フィンガー81・81が各駆動フィンガー70L・70Rに対して傾斜しないように各把持フィンガー81を回動可能に支持する、つまり各把持フィンガー81・81を、各駆動フィンガー70L・70Rに対して平行姿勢を維持した状態で回動可能に支持する平行リンク機構82・82と、各把持フィンガー81・81をワーク100側に付勢するバネ(付勢部材)84と、を備えている。また、平行リンク機構82・82とバネ84とは、各把持フィンガー81・81を各駆動フィンガー70L・70Rに対して相対的に回動可能に支持する。
次に、各把持フィンガー81・81をワーク100の内側に当接させて、ワーク100を内側から把持する場合のロボットハンド50の構成について説明する。
図13に示すように、各把持フィンガー81・81は、各駆動フィンガー70L・70Rの外側(ワーク100側)に配置され、外側の端面が接触部81aとして形成される。
各駆動フィンガー70L・70Rと各把持フィンガー81・81とを連結する各リンク機構82・82のリンク部材82c・82cは、外側に向かうにつれて上方向に傾斜する。
各ストッパ83・83は、各駆動フィンガー70L・70Rから外側へ向けて突出しており、各把持フィンガー81・81の貫通孔81bに突出部83bを挿通する。各ストッパ83・83の係止部83aは各把持フィンガー81・81の外側に配置される。
バネ84は、両端部が各把持フィンガー81・81の下端部に形成される係止部81cに係止され、各把持フィンガー81・81を外側に付勢する。
ワーク100を内側から把持する場合、図9および図14(a)に示すように、一対の駆動フィンガー70L・70Rのワーク100に対して近接離間する方向が、ワーク100を外側から把持する場合と比較して反対方向になる。また、各把持フィンガー81・81のワーク100に対して近接離間する回動方向も、ワーク100を外側から把持する場合と比較して反対方向になる。
従って、ワーク100を内側から把持した状態で搬送しているときに、ロボットハンド50が非常停止した場合、図14(b)に示すように、一対の駆動フィンガー70L・70Rはワーク100を本把持している状態の間隔を保持し、落下防止機構80Lの把持フィンガー81には反時計回りに回動する方向への力がかかり、把持フィンガー81は接触部81aにてワーク100を外側へ押圧する(図14(b)に示す矢印B2・C2参照)。また、落下防止機構80Rの把持フィンガー81には時計回りに回動する方向への力がかかり、接触部81aにてワーク100を外側へ押圧する(図14(b)に示す矢印B1・C1参照)。
これにより、一対の落下防止機構80L・80Rは、ワーク100を内側から把持している場合においても、ロボットハンド50が非常停止したときに、一対の駆動フィンガー70L・70Rからワーク100を落下させることなくワーク100を保持できる。
なお、第二実施形態では、S350にて一対の駆動フィンガー70L・70Rを本体60のモータにより駆動することで、ワーク100を把持するために必要な把持力をワーク100に対して加えたが、その後にS360にてワーク100を搬送するときには、必ずしも本体60のモータによる一対の駆動フィンガー70L・70Rの駆動状態を保持しておく必要はない。すなわち、ワーク100を搬送するときには、S350にてワーク100を把持したときにおける一対の駆動フィンガー70L・70Rの間隔をブレーキ等により保持しておけば、本体60のモータによる一対の駆動フィンガー70L・70Rの駆動力を、S350のワーク把持時よりも小さくしたり、あるいは前記駆動力を停止したりしても構わない。
この場合、各把持フィンガー81・81には、ワーク100を搬送するときには、ワーク100の自重によりワーク100へ近接する方向B1・B2への力がかかるため、接触部81aにてワーク100を押圧する。このため、ワーク100の自重を利用してワーク100を保持できる。
また、第二実施形態の各把持フィンガー81・81が、仮に一対の駆動フィンガー70L・70Rに対して平行に回動しないように構成すると、S340にて仮把持の状態でワーク100を持ち上げると、各把持フィンガー81・81自体が回動して(自転して)ワーク100を持ち上げられない場合がある。
従って、各把持フィンガー81・81は、平行リンク機構82によって一対の駆動フィンガー70L・70Rに対して平行に回動する構成が好ましい。
このように、ワーク100を把持している状態では、各把持フィンガー81・81には、ワーク100の自重により、各把持フィンガー81・81がワーク100へ近接する方向である方向B1・B2への力がかかっており、この方向B1・B2への力によりワーク100を押圧することで、ワーク100を確実に保持する。
つまり、各把持フィンガー81・81は、ワーク100を把持するときに、一対の駆動フィンガー70L・70Rをワーク100に近接させることにより、ワーク100に押圧され、各把持フィンガー81・81には、ワーク100を把持している状態で、ワーク100の自重によりワーク100へ近接する方向への回動力が加えられ、各把持フィンガー81・81にワーク100へ近接する方向への回動力が加えられることにより、各把持フィンガー81・81によるワーク100に対する押圧力が増加するように構成されている。
このように構成することにより、従来技術にあるようなフィンガーでワーク100を把持する場合と比較して、より小さい把持力でワーク100を把持できる。従って、より小さいモータで一対の駆動フィンガー70L・70Rを駆動できる。
また、第二実施形態では、S350にてワーク100を仮把持した状態からワーク100を本把持する構成としたが、これに限定されるものでない。すなわち、開放位置に精度が求められない場合等においては、本把持することなく(図11に示すような仮把持の状態で)ワーク100を搬送しても構わない。
この場合、各把持フィンガー81・81がワーク100へ近接する方向B1・B2に回動するため、ワーク100を保持できる。
なお、第一実施形態のロボットハンド10で芯ずれが発生した場合、先にワーク100に接触する一方の把持カム41は、他方の把持カム41が接触するまで回動し、切込部32a・32bにて弾性変形する。つまり、各把持カム41・41の間で回動量および変形量が異なる状態で、各把持カム41・41の回転端41a・41bがワーク100に接触する。
この場合においても、各把持カム41・41は、押圧による力が互いにつりあう位置でワーク100を保持する。つまり、芯ずれが発生した場合においても、当該芯ずれを吸収できる。
本実施形態において、前述のように、一対の駆動フィンガー30L・30R(70L・70R)を駆動させる機構にギアを用いた場合等においては、ロボットハンド10(50)が非常停止したときに、バックラッシの影響を受けて、一対の駆動フィンガー30L・30R(70L・70R)がわずかに開く。
このような場合においては、バックラッシによって開く距離を予め測定し、測定結果に基づいて一対の落下防止機構40L・40R(80L・80R)を構成することが好ましい。
例えば、第一実施形態の一対の落下防止機構40L・40Rでは、図3に示すように、各把持カム41・41がワーク100に接触した後に、一対の駆動フィンガー30L・30Rをワーク100に近接させる。そして、各把持カム41・41をワーク100から離間する方向A1・A2へ回動させた状態から、バックラッシにより一対の駆動フィンガー30L・30Rが開く場合、各把持カム41・41を回動させるために一対の駆動フィンガー30L・30Rを近接方向へ移動させた距離が、バックラッシにより開く距離よりも大きくなるように、ワーク把持時の各把持カム41・41の形状、回動量、および変形量等を調整する。これにより、バックラッシの影響を受けて一対の駆動フィンガー30L・30Rがわずかに開いた場合でも、確実に一対の駆動フィンガー30L・30Rからワーク100を落下させることなくワーク100を保持できる。
また、第二実施形態の一対の落下防止機構80L・80Rでは、図10に示すように、各把持フィンガー81・81がワーク100に接触した後に、一対の駆動フィンガー70L・70Rをワーク100に近接させる。そして、各把持フィンガー81・81をワーク100から離間する方向A1・A2へ回動させた状態から、バックラッシにより一対の駆動フィンガー70L・70Rが開く場合、各把持フィンガー81・81を回動させるために一対の駆動フィンガー70L・70Rを近接方向へ移動させた距離が、バックラッシにより開く距離よりも大きくなるように、仮把持時および本把持時の一対の落下防止機構80L・80Rのクリアランス85を調整する。これにより、バックラッシの影響を受けて一対の駆動フィンガー70L・70Rがわずかに開いた場合でも、確実に一対の駆動フィンガー70L・70Rからワーク100を落下させることなくワーク100を保持できる。
10 ロボットハンド
30L・30R 一対の駆動フィンガー
40L・40R 一対の落下防止機構
41 把持カム(把持部)
41a 回転端
42 回転支点ピン(回動部)
50 ロボットハンド
70L・70R 一対の駆動フィンガー
80L・80R 一対の落下防止機構
81 把持フィンガー(把持部)
81a 接触部
82 平行リンク機構
84 バネ(付勢部材)
100 ワーク
A1・A2 ワークから離間する方向
B1・B2 ワークへ近接する方向

Claims (4)

  1. 一対の駆動フィンガーをワークに近接させて前記ワークを押圧することで、前記ワークを把持するロボットハンドであって、
    前記一対の駆動フィンガーにそれぞれ支持される一対の落下防止機構を具備し、
    前記各落下防止機構は、
    前記各駆動フィンガーよりも前記ワーク側に配置され、前記ワークを把持するときに前記ワークに接触する把持部と、
    前記把持部を前記各駆動フィンガーに対して相対的に回動可能に支持する回動部と、
    を備え、
    前記各把持部は、前記ワークを把持するときに、前記一対の駆動フィンガーを前記ワークに近接させることにより、前記ワークに押圧され、
    前記各把持部には、前記ワークを把持している状態で、前記ワークの自重により前記ワークへ近接する方向への回動力が加えられ、
    前記各把持部に前記ワークへ近接する方向への回動力が加えられることにより、前記各把持部による前記ワークに対する押圧力が増加する、
    ロボットハンド。
  2. 前記把持部は、
    前記駆動フィンガーより前記ワーク側に突出する第一カム部を有し、前記ワークへ近接する方向へ回動したときに、前記第一カム部の前記駆動フィンガーからの突出量が増加する把持カムによって形成され、
    前記回動部は、
    前記駆動フィンガーに支持されるとともに、前記把持カムに嵌装される回転支点ピンによって形成される、
    請求項1に記載のロボットハンド。
  3. 前記把持カムは、前記駆動フィンガーより前記ワークの反対側に突出し、前記第一カム部の動作に対して、前記回転支点ピンの軸心を基準として対称に動作する第二カム部を有する、
    請求項2に記載のロボットハンド。
  4. 前記把持部は、
    前記駆動フィンガーより前記ワーク側に所定の間隔だけ離れた状態で配置される把持フィンガーによって形成され、
    前記回動部は、
    前記把持フィンガーを、前記駆動フィンガーに対して平行姿勢を維持した状態で回動可能に支持する平行リンク機構と、
    前記把持フィンガーを前記ワーク側に付勢する付勢部材と、によって形成される、
    請求項1に記載のロボットハンド。
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