JP2011172872A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動体の回転軸や駆動手段に作用する負荷を軽減し得る遊技機を提供する。
【解決手段】
揺動可動体181は、設置部材に対して第1の回転連結軸172を中心に揺動可能に枢支されると共に、該第1の回転連結軸172から偏倚した位置に装飾可動体185が揺動可能に枢支されている。そして、設置部材170に対する揺動可動体181の第1の回転連結軸172と、当該揺動可動体181に対して装飾可動体185を支持する支持軸190との間に、駆動モータ178に接続された作動杆200を枢支して、駆動モータ178の駆動により作動杆200が可動体181を揺動するよう構成された。
【選択図】図55

Description

この発明は、動作により演出を行なう可動体を備えた遊技機に関するものである。
代表的な遊技機であるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状の装飾部材が配設されて、遊技盤の裏側に配設された液晶式やドラム式等の図柄表示装置の表示部を装飾部材の窓口の後側に臨ませ、この図柄表示装置で図柄組み合わせゲームやリーチ演出等を表示して遊技演出を行なうよう構成されている。また、前記装飾部材に対して、所要の動作を行なう可動体を備えた可動演出装置を配設し、該可動演出装置の可動体を前記図柄表示装置で行なわれる遊技演出に合わせて動作させることにより、視覚的な演出効果を高め、遊技の興趣を向上するようにしたパチンコ機も知られている。例えば、特許文献1に記載された可動演出装置は、液晶画面の上辺近傍に回転軸が位置するよう第1の可動部材が配設されると共に、該液晶画面の左辺近傍に回転軸が位置するよう第2の可動部材が配設されて、モータの駆動によって各可動体が液晶画面の前側で夫々揺動するよう構成されている。
特開2007−54140号公報
ところで、特許文献1に記載された可動演出装置のように可動部材を複数備えるとしても、個々の可動部材を個別に動作するだけで演出効果に乏しいという問題があった。そこで、可動体に対して別の可動体を設けることで、可動演出装置を利用した演出効果の向上を図ることが考えられる。しかしながら、可動体に別の可動体を配設する構成では、可動体全体の重量が増大し、可動体の回転軸に大きな荷重が掛かることになる。このため、可動体の回転軸の損傷を防止するために該回転軸の剛性を高める必要があり、装置の大型化やコストの増大を招来する問題がある。また、可動体の重量が増大することで、可動体を駆動する駆動手段に掛かる負荷も増大することから、大型でパワーのある駆動手段を採用する必要が生じ、この点からも装置の大型化やコスト増といった問題が懸念される。
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、可動体の回転軸や駆動手段に作用する負荷を軽減し得る遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
駆動手段(178)の駆動により可動体(181)を動作させて演出を行なう可動演出装置(106)を備えた遊技機において、
前記可動体(181)は、本体(170)に対して回転軸(172)を中心に揺動可能に枢支されると共に、該回転軸(172)から偏倚した位置に、前記駆動手段(178)に接続された作動部材(200)が枢支されて、駆動手段(178)の駆動に伴って作動部材(200)が可動体(181)を揺動するよう構成されたことを要旨とする。
請求項1の発明によれば、可動体の回転軸から偏倚した位置に作動部材が連結されているから、可動体に掛かる荷重の一部が作動部材で支持される。すなわち、可動体の荷重が回転軸と作動部材に分散されるから、可動体を支持する回転軸の構成を簡略にでき、装置の大型化やコストの増大を防止できる。また、可動体の回転軸から変位した位置に連結された作動部材を駆動手段が動作することで可動体が揺動されるから、駆動手段の駆動により可動体の回転軸を直接回転駆動する構成に較べて駆動手段に掛かる負荷が軽減される。
請求項2に係る発明では、前記可動体(181)は、棒形状に形成されて一方端部が前記本体(170)に対して前記回転軸(172)を中心に揺動可能に枢支されると共に、該可動体(181)の他方端部に第2の可動体(185)が枢支されて、該本体(170)に対する可動体(181)の回転軸(172)と、当該可動体(181)に対して第2の可動体(185)を支持する第2の回転軸(190)との間に前記作動部材(200)が枢支されたことを要旨とする。
請求項2の発明によれば、棒形状に形成された可動体の一方端部を本体に枢支し、該可動体の他方端部に第2の可動体を枢支することで、可動体の揺動時における第2の可動体の移動範囲も大きくし得る。ここで、可動体の揺動に伴って傾斜角度が大きくなって回転軸に掛かる負荷が増大した場合でも、可動体に対して第2の可動体を支持する第2の回転軸との間に枢支された作動部材が可動部材を支持することで、回転軸に掛かる負荷を効果的に軽減し得る。
請求項3に係る発明では、前記可動体(181)は、前記回転軸(172)から上方に延在する第1位置と、該第1位置から傾斜した第2位置との間を揺動可能に構成されて、
前記第1位置に可動体(181)を保持した状態では、該可動体(181)および第2の可動体(185)を含めた可動部材(180)の全体の重心が回転軸(172)を通る鉛直線(L1)よりも、当該可動体(181)の第1位置から第2位置への回転方向前側に位置するよう構成されたことを要旨とする。
請求項3の発明によれば、第1位置に可動体を保持した状態において、該可動体および第2の可動体を含めた可動体全体の重心が回転軸を通る鉛直線よりも、当該可動体の第1位置から第2位置への回転方向前側に位置するよう構成したことで、自重により第1位置から第2位置に向けて揺動する力が作用するから、駆動手段の駆動力を軽減でき、より小型の駆動手段を採用可能になる。
請求項4に係る発明では、前記駆動手段(178)により回転される回転板(195)の偏心位置に前記作動部材(200)を枢支するよう構成されて、該駆動手段(178)の駆動により回転板(195)を回転することで、前記可動体(181)を揺動するよう作動部材(200)が動作されると共に、
前記回転板(195)に対して前記作動部材(200)を支持する第3の回転軸(197)は、前記第1位置において回転板(195)の回転中心よりも前記可動体(181)に対する作動部材(200)の枢支点から離間して位置すると共に、該第1位置において可動体(181)に対する作動部材(200)の枢支点と前記回転板(195)の回転中心とを通る直線(L2)に対して回転板(195)の回転方向に偏って位置するよう構成され、
前記第1位置にある前記作動部材(200)の第3の回転軸(197)に対して、第1位置から第2位置に移動する際の第3の回転軸(197)の移動方向後方側の端部に当接して回転板(195)の回転を規制する規制部(177)を設けるよう構成されたことを要旨とする。
請求項4の発明によれば、可動体を第1位置に保持した状態では、該第1可動体を直接操作して揺動することは不可能となる。従って、第1位置の可動体に対して自重により第1位置から第2位置に向けて揺動する力が作用しても、該可動体を確実に第1位置に保持することができる。
本発明に係る遊技機によれば、可動体の回転軸や駆動手段に作用する負荷を軽減することが可能となる。
本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例に係る遊技盤を示す正面図である。 実施例に係る遊技盤を示す背面図である。 実施例に係る遊技盤を示す左側面図である。 実施例に係る板部材を示す正面図である。 実施例に係る装飾部材を後側から視た状態で示す概略斜視図である。 実施例に係る装飾部材の背面図である。 実施例に係る装飾部材における窓側部用発光装置の配設部位を示す要部背面図である。 実施例に係る遊技盤における窓側部用発光装置の配設部位を、裏ユニットを破断して示す要部背面図である。 図2のA−A線断面図である。 実施例に係る窓側部用発光装置を分解して装飾部材と共に示す後側から視た要部分解斜視図である。 実施例に係る窓側部用発光装置を分解して装飾部材と共に示す後側から視た要部分解斜視図である。 実施例に係る裏ユニットの入賞口用発光装置の配設部位を、装飾部材のステージとの関係で示す前側から視た要部斜視図である。 実施例に係る装飾部材の要部正面図である。 図14のB−B線断面図である。 図14のC−C線断面図である。 実施例に係る装飾部材における球通路のリブとパチンコ球との関係を示す説明図である。 実施例に係る各種演出装置や発光装置を配設した裏ユニットを示す正面図である。 実施例に係る裏ユニットを後側から視た概略斜視図である。 図18のD−D線断面図である。 図20における基板設置部を示す拡大図である。 実施例に係る裏ユニットの基板設置部と裏中継基板との関係を示す後側から視た要部概略斜視図である。 実施例に係る裏ユニットから発光基板や磁気センサ等を分解して前側から視た概略斜視図である。 実施例に係る裏ユニットから可動演出装置や発光装置を分解して前側から視た概略斜視図である。 実施例に係る裏ユニットにおける入賞口用発光装置の配設部位を示す要部正面図である。 図2のE−E線断面図であって下側部分を示す。 実施例に係る裏ユニットから入賞口用発光装置やカバー部材を分解して前側から視た概略斜視図である。 図2のF−F線断面図であって下側部分を示す。 実施例に係る裏ユニットから表示器および表示設置部を分解して前側から視た概略斜視図である。 実施例に係る裏ユニットにおける表示器の配設部位を示す要部縦断側面図である。 実施例に係る表示器の正面図である。 図20における上側部分の拡大図である。 実施例に係る遊技盤を左可動演出装置が作動位置まで移動した状態で示す正面図である。 図2のG−G線断面図である。 図33のH−H線断面図である。 図2のE−E線断面図であって上側部分を示す。 図2のI−I線断面図である。 図2のJ−J線断面図であって左側部磁気センサの配設部位を示す。 図2のK−K線断面図である。 実施例に係る裏ユニットの左側部分を拡大して示す正面図である。 実施例に係る左可動演出装置を示す正面図である。 実施例に係る左可動演出装置を前側から視た概略斜視図である。 実施例に係る左可動演出装置を前側から視た状態で示す分解斜視図である。 図41のL−L線においてセンサ設置部のみを断面で示す底面図である。 図41のM−M線断面図である。 実施例に係る左可動演出装置の内部構造を示す正面図である。 実施例に係る左可動演出装置における副可動体の作動前および作動後の状態を内部構造が分かる状態で示す説明正面図である。 実施例に係る左可動演出装置における副可動体の作動前および作動後の状態を内部構造が分かる状態で示す説明背面図である。 実施例に係る右可動演出装置を示す正面図であって、可動部材が第1位置にある状態を示す。 実施例に係る右可動演出装置を示す正面図であって、可動部材が第2位置にある状態を示す。 実施例に係る右可動演出装置を正面側から視た状態で示す斜視図である。 実施例に係る右可動演出装置を裏ユニットに取り付けた状態で示す拡大図であって、可動部材が第2位置にある状態を示す。 実施例に係る右可動演出装置を正面側から視た状態で示す分解斜視図である。 実施例に係る右可動演出装置を背面側から視た状態で示す分解斜視図である。 実施例に係る可動部材(揺動可動体および装飾可動体)と駆動機構との関係を示す背面図である。 (a)は、実施例に係る揺動可動体における上端部近傍を示す拡大図であり、(b)は揺動可動体と装飾可動体との関係の要部を背面側から視た状態で示す分解図である。 実施例に係る右可動演出装置における駆動機構を示す分解斜視図である。 実施例に係る可動部材(揺動可動体および装飾可動体)と駆動機構との関係の要部を示す背面図であって、揺動可動体が第1位置にある状態で示す。 実施例に係る可動部材(揺動可動体および装飾可動体)と駆動機構との関係の要部を示す背面図であって、揺動可動体が第2位置にある状態で示す。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤17(図2参照)が着脱可能に保持された本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられて、該遊技盤17の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が着脱し得るよう配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤17を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、該前枠14の下方にパチンコ球Wを貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前記前枠14の下部位置に、パチンコ球Wを貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。また、前記中枠12の裏側には、遊技に供されたパチンコ球Wを遊技店側に設けた球回収設備に排出する球回収部(図示せず)が設けられている。実施例では、前記図柄表示装置13としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
前記パチンコ機10の裏側には、図示しないが、パチンコ機10の電源制御を行なう電源装置、球払出し装置を駆動制御する払出し制御装置、打球発射装置を駆動制御する発射制御装置、外部端末に接続されるインターフェース基板等が配設されている。なお、これらの各装置は、前記遊技盤17の裏側に配設される主制御装置(図示せず)に配線接続され、該主制御装置からの制御信号に基づいて所定の制御を実行するようになっている。
(遊技盤について)
前記中枠12に配設される前記遊技盤17は、図2〜図4に示すように、前面(盤面)にパチンコ球Wが流下可能な遊技領域18aが画成された平板状の板部材18と、該板部材18の裏面に組付けられて前記図柄表示装置13が着脱可能に配設されると共に、何れも後述する可動演出装置105,106や発光装置85,107,108や発光基板109,110,111等が配設される合成樹脂材で形成された裏ユニット19とから構成され、該裏ユニット19に形成された前後に開口する開口部19aおよび後述する装飾部材28の窓口28aを介して図柄表示装置13の表示部を前面側から視認し得るよう構成されている。なお、当該遊技盤17において装飾部材28の窓口28aが、図柄表示装置13の表示部を前側から視認可能となる可視部として機能する。
(板部材について)
前記板部材18は、図2に示すように、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼付けた化粧板であって、該板部材18の表面に、略円形状に湾曲形成したレール20が配設されて、該レール20によりパチンコ球Wが流下可能な前記遊技領域18aが画成され、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球Wが遊技領域18a内に打ち出されるようになっている。また板部材18には、ルーター加工等の孔開け加工により前後に貫通する複数(実施例では3つ)の貫通口21a,21b,21cが前記遊技領域18a内に開設されて(図5参照)、各貫通口21a,21b,21cに対して各種部品が前側から取り付けられる。なお、前記貫通口21a,21b,21cの形成数は、板部材18に対して取り付けられる各種部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更されるものである。また、前記板部材18には、前記遊技領域18a内に多数の遊技釘(図示せず)が植設されており、遊技領域18aを流下するパチンコ球Wが遊技釘に接触することで流下方向を不規則に変化するようになっている。
ここで、実施例では、図5に示すように、前記板部材18には、前記貫通口として、前記レール20で囲まれた遊技領域18aの略中央から右側部(図5では左側部)に至る大部分が開口する第1の貫通口(開口部)21aと、該第1の貫通口21aの下方位置において遊技領域18aの左右幅方向の略中央に開設された第2の貫通口21bと、遊技領域18aの左下方(第2の貫通口21bの左側方位置、図5では右側方)に開設された第3の貫通口21cとの夫々が開設されている。そして、板部材18に開設された大型の第1の貫通口21aに、前後に開口する窓口28aが形成された装飾部材28(後述)が取り付けられている。また、前記板部材18に開設された第2の貫通口21bには、遊技領域18aを流下するパチンコ球Wが入賞可能な始動入賞装置24や特別入賞装置26が取り付けられている。更に、前記板部材18に開設された第3の貫通口21cには、遊技領域18aに開口する複数の左普通入賞口(入賞口)27bを備えた合成樹脂製の入賞口用飾り部材(飾り部材)27が取り付けられている。
前記板部材18には、前記第1の貫通口21aの左側部に、前後に貫通する貫通孔22が、該第1の貫通口21aに連通状態で形成されており、該貫通孔22には、後述する装飾部材28の球通過ゲート36が設けられるゲート用飾り部材37の後部が収容されるようになっている(図5または図10参照)。また板部材18の裏面には、前記貫通孔22の左端部に連通して後方に開口する所定深さの溝部23が、板部材18の左端部に向けて所定長さで形成され、該溝部23は、後述する配線38,43の引き回し空間として利用される。なお、貫通孔22は、前記裏ユニット19における後述する左画壁部56cの内側(窓口側)に位置すると共に、溝部23は、該左画壁部56cを挟んで内側から外側まで延在し、該溝部23を介して前記配線38,43を裏ユニット19の外側に引き出し得るよう構成される(図9参照)。
(入賞装置について)
前記始動入賞装置24には、遊技領域18aに臨んで該遊技領域18aを流下するパチンコ球Wが入賞可能な上下の始動入賞口24a,24bが設けられる。そして、始動入賞装置24の始動入賞口24a,24bへのパチンコ球Wの入賞を契機として、所定数のパチンコ球Wが賞球として前記上下の球受け皿15,16に払い出されると共に、後述する表示器90の特別表示部91において図柄変動が開始されるようになっている。なお、下側の始動入賞口24bを挟む左右位置には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の羽根部材25,25が設けられ(図2参照)、図示しないソレノイド等の駆動手段により羽根部材25,25を揺動することで、下側の始動入賞口24bが開閉される。
前記特別入賞装置26は、遊技領域18aに臨む横長の特別入賞口26aが開閉扉26bで常には閉鎖されており、前記始動入賞口24a,24bへのパチンコ球Wの入賞を契機とした前記表示器90の特別表示部91での図柄変動の結果、該特別表示部91に所定の図柄組み合わせで図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉26bが開放するよう作動制御されて、特別入賞口26aへの入賞により多数の賞球を獲得し得るようになっている。なお、前記図柄表示装置13では、前記始動入賞装置24の始動入賞口24a,24bへのパチンコ球Wの入賞を契機とした前記特別表示部91での図柄変動の開始から、該図柄変動の結果としての当りと外れの確定までの間において、特別表示部91で行われる図柄変動ゲームに係わる図柄変動演出が行なわれて、遊技者に期待感や優越感等を与え得るよう構成される。
(入賞口用飾り部材について)
前記板部材18に配設される前記入賞口用飾り部材27は、前記第3の貫通口21cを前側から覆い得る寸法および形状に形成された非光透過性の装飾板体27aと、該装飾板体27aに設けられた複数(実施例では3つ)の左普通入賞口(入賞口)27bと、装飾板体27aに前後に貫通するよう形成された開口部に嵌め込まれて可視部として機能する光透過性の光透過部材27cとから構成される。そして、図26に示す如く、光透過部材27cの後端部を第3の貫通口21cに対して前側から挿入して板部材18の表面に装飾板体27aを当接させ、該装飾板体27aを板部材18にネジ止めすることで、当該入賞口用飾り部材27が板部材18に位置決め固定される。入賞口用飾り部材27を板部材18に取り付けた状態で、前記光透過部材27cおよび各左普通入賞口27bは第3の貫通口21cに臨むと共に、左普通入賞口27bは前記遊技領域18aに開口する。また装飾板体27aには、各左普通入賞口27bに対して第3の貫通口21c内を板部材18の裏面まで延出する樋部27dが設けられ、遊技領域18aから左普通入賞口27bに入賞したパチンコ球Wは、板部材18の裏側に取り付けられた裏ユニット19の後述する左排出用球通路76に樋部27dを介して通入するよう構成される。なお、入賞口用飾り部材27を板部材18に取り付けた状態で光透過部材27cの後端は、図26に示す如く、板部材18の裏面より前側に位置するよう設定され、第3の貫通口21c内には、光透過部材27cの後方に後述する入賞口用発光装置85を収容可能な空間が確保されるようになっている。
(装飾部材について)
前記板部材18の前記第1の貫通口21aには、前後に開口する枠状の装飾部材28が前側から嵌め込まれるようにして着脱自在に配設される。そして、前記裏ユニット19の開口部19aから臨む前記図柄表示装置13の表示部は、装飾部材28における前後に開口する窓口28aを介して板部材18(遊技盤17)の前側に露出して、該図柄表示装置13の表示部で展開される図柄変動演出を前側から視認し得るようになっている。
前記装飾部材28は、図6,図7または図36等に示す如く、前記第1の貫通口21aの内周面に沿って延在する内周壁28bと、該内周壁28bの前端部に設けられて外側方へ突出する固定片28cとを備える。そして、内周壁28bを第1の貫通口21aに対して前側から挿入して板部材18の表面に固定片28cを当接させ、該固定片28cを板部材18にネジ止めすることで、当該装飾部材28が板部材18に位置決め固定される。また装飾部材28には、左側部の上下の略中央位置から装飾部材28の上縁および右側縁をなす枠部分に亘って、固定片28c(板部材18の表面)より前方へ突出する庇状部28dが連続して形成されており、前記遊技領域18aに打ち出されて庇状部28dに接触したパチンコ球Wを側方に誘導して装飾部材28の窓口28aを横切って流下しないようになっている。
前記装飾部材28には、図2または図13等に示す如く、窓口28aの下側に、ステージ部29が配設されると共に、窓口28aの左側に、遊技領域18aに球導入口30aが開口して該遊技領域18aを流下するパチンコ球Wを取り込んでステージ部29に案内する球導入部30が設けられ、該球導入部30からステージ部29に通出されたパチンコ球Wは、ステージ部29の転動面29a上を左右に転動した後に、前記各入賞口24a,24b,26a,27bおよび後述する右普通入賞口34が臨む遊技領域18aに排出される。
(装飾部材の光透過部について)
前記装飾部材28には、光透過性の合成樹脂材等から形成されて、後述する発光装置39,107,108や発光基板110のLEDから照射される光によって窓口28a内や前側を照明可能としたり、後述する表示器90の表示を前側から視認可能とするための複数の光透過部31,32,33が設けられる。実施例では、窓口28aの上部、左側部および右下隅部に、上部光透過部31、左側部光透過部32および隅部光透過部33が設けられている(図6,図7参照)。これら光透過部31,32,33については、対応する発光装置39,107,108や発光基板110または表示器90と関連することから、該発光装置39,107,108や発光基板110または表示器90の説明に関連して後述するものとする。なお、装飾部材28における隅部光透過部33の下側には、前記始動入賞装置24の右側方に臨む位置に、右普通入賞口34が遊技領域18aに開口するように設けられ、該右普通入賞口34に入賞したパチンコ球Wは、裏ユニット19に設けられた後述する右排出用球通路77を介して機外(球回収部)に排出されるよう構成される。
(ゲート用飾り部材について)
前記装飾部材28の左側部には、遊技領域18aを流下するパチンコ球Wを検出可能な球検出センサ35が配設される球通過ゲート36を備えるゲート用飾り部材(飾り部材)37が一体的に設けられている。そして、遊技領域18aに臨む球通過ゲート36をパチンコ球Wが通過したことを球検出センサ35で検出することで、後述する表示器90の普通表示部93で表示される普通図柄が変動開始するよう構成されている。またゲート用飾り部材37には、図11および図12に示す如く、遊技領域18aに臨む球通過ゲート36の後側に、前記球検出センサ35を保持するためのセンサ保持部37aが設けられており、装飾部材28を前記第1の貫通口21aに取り付けた状態で、該センサ保持部37aが前記貫通孔22に収容されるようになっている(図10参照)。なお、センサ保持部37aは、貫通孔22から後方に突出しない寸法に設定されている。そして、センサ保持部37aで保持された球検出センサ35の後端に一端が接続するセンサ用配線38が、図9または図10に示す如く、前記板部材18の裏面に形成された前記溝部23に収容された状態で引き回された後に、裏ユニット19に配設された後述する裏中継基板61に接続されるよう構成される。
(窓側部用発光装置について)
前記装飾部材28に設けられた前記左側部光透過部32には、前記ゲート用飾り部材37に対応する内側の近傍位置に、前記窓口28aの内側を照明可能な窓側部用発光装置(電気部品)39が配設されている。左側部光透過部32には、図8,図11または図12に示す如く、装飾部材28の内周壁28bに沿って延在する外側壁部32aと、該外側壁部32aから内側に離間して位置する内側壁部32bおよび両壁部32a,32bの前端間に位置する前壁部32cとにより後方に開口する収容部32dが画成され、該収容部32dに前記窓側部用発光装置39が収容状態で配設される。窓側部用発光装置39は、図8または図12に示す如く、内側(窓口側)を向く実装面に複数のLED(発光体)40aを実装した窓用発光基板(発光基板,電気部品)40と、該窓用発光基板40を前記左側部光透過部32に縦向き姿勢で取り付けるための取付部材41とから構成される。取付部材41は、前記収容部32dの開口形状に略合致する板状に形成されたものであって、その内側縁の上下端部に、窓用発光基板40の後端部上下位置を支持可能な支持部41a,41aが形成される。また取付部材41には、上下に離間して前後に貫通する2つのネジ用通孔41bが夫々形成されると共に、両ネジ用通孔41b,41bの間に位置決め孔41cが前後に貫通するよう形成されている。
これに対し、前記左側部光透過部32には、図8,図10,図11または図12に示す如く、収容部32dを画成する前壁部32cに、窓用発光基板40の前端部を支持可能な受部32eが設けられると共に、該前壁部32cおよび外側壁部32aには後方に向けて突出する固定ボス32fが、上下方向に離間して設けられている。また、外側壁部32aにおける両固定ボス32f,32fの間に臨む後端に、後方に突出する位置決めピン32gが突設される。そして、前端部を受部32eで支持するよう収容部32dに収容した窓用発光基板40の後端部を支持部41a,41aで支持すると共に、位置決め孔41cに位置決めピン32gを挿通することで位置決めされた取付部材41を、各ネジ用通孔41bに後側から挿通したネジを対応する固定ボス32fに設けたネジ孔に螺挿して固定することで、窓用発光基板40が受部32eと支持部41aとで前後から挟持された状態で収容部32dに収容状態で取り付けられる。
なお、前記収容部32dに収容された窓用発光基板40は、実装面が内側壁部32bに対向し、前記LED40aの発光によって内側壁部32bを介して前記窓口側部が照明される。また窓用発光基板40における後端部の上下部位には、図11または図12に示すように、前側に凹む切欠部40bが夫々形成され、両切欠部40b,40bにおいて前記取付部材41の支持部41a,41aで窓用発光基板40を支持することで、両切欠部40b,40bの間で後方に突出する部分が支持部41a,41aに当接して、当該窓用発光基板40の上下方向の位置決めがなされる。
前記左側部光透過部32における外側壁部32aには、図11または図12に示す如く、前記ゲート用飾り部材37に配設された球検出センサ35の側方に対向する位置(第1の貫通口21aと貫通孔22との連通部)に、後方および外側方に開口する側開口42が形成されている。また、前記窓用発光基板40における実装面とは反対側の裏面には、前記側開口42と対応する位置にコネクタ受部40cが設けられ、該コネクタ受部40cに一端が接続する部品用配線43が、側開口42を介して収容部32dから外側方に引き出されるよう構成される。なお、前記取付部材41の前面における前記側開口42と対応する位置には、前方に向けて突出する閉塞片41dが設けられ(図11参照)、取付部材41を左側部光透過部32に取り付けた状態で、該閉塞片41dが側開口42の後部開口側を閉塞して、側開口42に挿通された部品用配線43が後方に抜けるのを防止するよう構成される。
前記左側部光透過部32における外側壁部32aの後端は、前記板部材18の裏面より前側に位置するよう設定され、前記側開口42から外側方に引き出された部品用配線43は、第1の貫通口21aから貫通孔22に向けて板部材18の裏面より後方に突出しない状態で引き回し得るようになっている。そして、該部品用配線43は、図9または図10に示す如く、前記板部材18の裏面に形成されて前記センサ用配線38が引き回される前記溝部23内を引き回された後に、裏ユニット19に配設された後述する裏中継基板61に接続されるよう構成される。
(ステージ部について)
前記装飾部材28のステージ部29は、上下方向に緩やかに起伏する波形に形成された転動面29aを有し(図13参照)、該転動面29a上のパチンコ球Wは、上下方向に変位しながら左右に転動するようになっている。実施例の転動面29aは、上方に突出した凸形状部分(山状の部分)が1箇所設けられると共に、下方に突出した凹形状部分(谷状の部分)を凸形状部分の左右両側部の2箇所に備えた起伏形状に形成される。なお、装飾部材28には、ステージ部29における転動面29aの後端縁に沿って上下方向に延在する後壁部44が設けられ、該後壁部44における転動面29aから上方に延出する部分で、該転動面29aを転動するパチンコ球Wが板部材18の後方(図柄表示装置13の表示部側)へ移動するのを規制するよう構成される。
(装飾部材の球通路について)
前記ステージ部29における転動面29aの後端縁に設けられた前記後壁部44には、図15または図16に示すように後方に膨出する画壁によって前記転動面29aを挟んで上下方向に延在する導入路45が画成され、該導入路45の上端部に形成される球入口45aは、該転動面29aにおける凸形状部分の頂部に対応する上方位置で開口し、転動面29aを転動するパチンコ球Wが球入口45aを介して導入路45に通入可能に構成される。なお、後壁部44は透明(光透過性)な合成樹脂材から形成されて、前記裏ユニット19に配設される後述する下部発光基板111の前側を覆う装飾カバー119に施された意匠が前側から視認可能に構成されると共に、該下部発光基板111に実装したLED(発光体)111aからの光が後壁部44に後側から照射されて、後壁部44全体が照らされるよう構成される。
前記装飾部材28には、前記導入路45の下端部に連通接続されて前記ステージ部29の下方において前後方向に延在し、前記始動入賞装置24の上側で球出口46aが開口する球通路46が形成されている。該球通路46の球出口46aは、図13に示す如く、前記転動面29aにおける凸形状部分の頂部に対応する下方位置において前記固定片28cに開設されたものであって、該球出口46aが始動入賞装置24に設けた上側の始動入賞口24aの鉛直上方に位置して、球出口46aから排出されるパチンコ球Wが上側の始動入賞口24aに入賞し易くなっている(図2参照)。ちなみに、前記ステージ部29の転動面29aから通入したパチンコ球Wを遊技領域18aに排出するための導入路45および球通路46は、遊技中のパチンコ球Wを誘導する通路である。
前記球通路46には、図14に示す如く、3条のリブ47,48,49が、該球通路46に沿って並列に形成されている。実施例では、球通路46の底部中央に第1リブ47が形成され、該第1リブ47を挟んで左側部に左第2リブ48が形成されると共に右側部に右第2リブ49が形成される。また、左右の第2リブ48,49の離間間隔R1は、図17に示す如く、パチンコ球Wの直径Rより大きく設定され(R1>R)、前記導入路45から球通路46に通入したパチンコ球Wは、第1リブ47と左第2リブ48または第1リブ47と右第2リブ49の2点で支持して案内し得るよう構成される。なお、第1リブ47に対する左右の第2リブ48,49の高さ位置は、第1リブ47と第2リブ48,49とでパチンコ球Wが支持された状態において、第2リブ48,49とパチンコ球Wとの接触部が、図17(a),(b)に示すように当該パチンコ球Wにおける中心を通る水平線Xと交差する外周近傍となるよう設定されて、第1リブ47と左第2リブ48または第1リブ47と右第2リブ49の2点で支持されるパチンコ球Wを安定して誘導し得るよう構成されている。
実施例において左右の第2リブ48,49は、球通路46における左右の側部の上下方向の略中央に位置して、該第2リブ48,49の下端縁が前記水平線Xより下側でパチンコ球Wに接触するようになっている。なお、各リブ47,48,49は、球通路46の延在方向と直交する方向での断面が、略矩形状に形成されている。また第2リブ48,49については、図17に示す如く、通路内側を向く面が弧状に形成されている。
前記球通路46を画成する上壁における前記第1リブ47と対向する位置には、図16に示す如く、該球通路46に沿って規制リブ50が下方に向けて突設されている。第1リブ47と規制リブ50との離間寸法は、パチンコ球Wの直径より大きく、第1リブ47と左第2リブ48または第1リブ47と右第2リブ49の2点で支持された状態のパチンコ球Wが規制リブ50に接触することはなく、かつパチンコ球Wが上下に大きく跳ねるのを規制し得る寸法に設定される。なお、規制リブ50における後端下角部(導入路45に臨む角部)は弧状に形成されて、導入路45から球通路46へのパチンコ球Wの流入を阻害しないよう構成される。
前記導入路45を画成する後壁および底壁には、図16に示す如く、前記球通路46の第1リブ47に整列する中間リブ51が、導入路45に沿って突設され、前記ステージ部29の転動面29aから導入路45に通入したパチンコ球Wを中間リブ51で球通路46に向けて安定して誘導し得るようになっている。また中間リブ51の前端における上端の位置は、図16に示す如く、第1リブ47の後端における上端より高くなるよう設定されており、導入路45から球通路46へのパチンコ球Wの円滑な流入を図り得るよう構成される。
(裏ユニットについて)
前記裏ユニット19は、図19に示すように、前方に開口する矩形箱状に形成された箱状本体52と、該箱状本体52の下端部に形成され、複数の基板設置部60や排出用球通路76,77が形成された下部構造体53と、箱状本体52の開口前端部および下部構造体53の前端部に形成されて外側へ延出し、前記板部材18の裏面に当接する固定部54とから基本的に構成される。箱状本体52は、前記板部材18に対向する矩形板状に形成された対向面部(後壁)55と、該対向面部55における上下左右の各縁部から前方に延出する画壁部(外周壁部)56a,56b,56c,56dとから前方に開口するよう形成されて、上および左右の各画壁部56a,56c,56dの前端部から箱状本体52の開口外側へ向けて延出するよう前記固定部54が形成されている。また下部構造体53は、壁部によって前方に開口するよう形成されて、下および左右の壁部の前端から外側へ向けて前記固定部54が形成される。そして、各固定部54の前面を板部材18の裏面に当接した状態で、ネジを介して板部材18に裏ユニット19が着脱自在に固定されて、箱状本体52によって前記装飾部材28の窓口28aを後側から覆い得るよう構成される。
前記対向面部55に、上下および左右幅の大部分が開口する大型の前記開口部19aが形成されており、以下の説明において、対向面部55における開口部19aに対する上下左右に位置する部分について、上対向面部55a、下対向面部55b、左対向面部55c、右対向面部55dと夫々指称し、該上下左右の対向面部55a,55b,55c,55dに対応する画壁部を、上画壁部56a、下画壁部56b、左画壁部56c、右画壁部56dと夫々指称するものとする。そして、実施例では板部材18の裏側に裏ユニット19を配設した状態で、上下方向に延在する左画壁部56cが、図9に示す如く、板部材18の裏面に左右方向に延在するよう形成された前記溝部23の後側に交差するように延在し、該左画壁部56cを挟んで溝部23が裏ユニット19の内側と外側とに亘って延在するよう構成されている。また板部材18の貫通孔22は、左画壁部56cより内側に臨んでおり、前記球検出センサ35に接続するセンサ用配線38および前記窓側部用発光装置39の窓用発光基板40に接続する部品用配線43が、前記溝部23内を左画壁部56cを越えて内側から外側に引き回し得るようになっている。なお、前記左画壁部56cには、図4または図10に示す如く、板部材18の溝部23と対応する位置に、板部材18の裏面から離間する切欠部19bが上下方向に所定長さで形成され、溝部23から裏ユニット19の外側に引き出されるセンサ用配線38や部品用配線43が左画壁部56cの前端縁に接触するのを抑制し得るよう構成される。
前記裏ユニット19における対向面部55の裏面には、図19に示すように、前記開口部19aを囲繞するように位置決め突部57が、上下および左右の縁部に沿って設けられ、前記図柄表示装置13は、その表示部を開口部19aに裏側から臨ませた状態で、上下および左右の各端縁が対応する位置決め突部57に当接した状態で位置決め固定される。
(制御装置について)
前記図柄表示装置13の裏面には、図3に示す如く、図柄表示装置13の表示を制御する基板を備える表示制御装置58および表示制御装置58に演出用の制御信号を出力する基板を備える統括制御装置(電気部品)59が左右方向に並べて着脱自在に配設される。また、前記裏ユニット19における図柄表示装置13の設置位置より下方に設けられる前記下部構造体53の裏面には、図3,図19に示す如く、複数(実施例では3つ)の前記基板設置部60が左右方向に離間して設けられ、各基板設置部60には、複数のコネクタ受部61a(図20,図21等参照)が設けられた裏中継基板(基板)61が着脱自在に取り付けられて、該裏中継基板61に設けたコネクタ受部61aに対して、前記可動演出装置105,106や発光装置39,85,107,108や発光基板109,110,111,154,158および表示器90等の電気部品に接続した配線および前記統括制御装置59に接続した配線の夫々がコネクタ接続されて、各電気部品が統括制御装置59に電気的に接続されるようになっている。また、前記主制御装置に接続した配線も裏中継基板61に接続されて、該主制御装置と統括制御装置59とは電気的に接続される。
前記統括制御装置59は、前記可動演出装置105,106や発光装置39,85,107,108および発光基板109,110,111,154,158の各LED等のパチンコ機10に配設される各種電気部品の制御も行なうものであって、統括制御装置59の制御信号に基づいて表示制御装置58が制御を実行して図柄表示装置13の表示部で図柄変動演出が行なわれると共に、可動演出装置105,106や発光装置39,85,107,108および発光基板109,110,111,154,158の各LED等が駆動または発光制御される。また、主制御装置からの制御信号に基づいて、後述する表示器90での図柄変動ゲームが行なわれる。
(下部構造体の基板設置部について)
前記下部構造体53の裏面に形成される3つの基板設置部60は、基本的な構成は同じであるので、同一部位には同じ符号を付して説明すると共に、区別する場合には左基板設置部60、中基板設置部60および右基板設置部60と夫々指称するものとする。なお、実施例では、各基板設置部60に取り付けられる裏中継基板61は、前記コネクタ受部(コネクタ)61aが設けられる面が後側を向く姿勢で取り付けられるようになっており、このコネクタ受部61aが設けられて表側に現われる面(表面)を実装面と指称すると共に、これとは反対に前側を向いて表側に現われない面(裏面)を回路面と指称するものとする。また前記コネクタ受部61aは、前記統括制御装置59との間で信号をやり取りする複数の装置に対応する複数の配線を纏めたケーブルYが接続するよう構成された大型のものである。
前記基板設置部60は、図3または図19に示すように、取り付け対象となる裏中継基板61の外形形状と略一致する矩形枠状に形成された当接支持部62と、当接支持部62における前記統括制御装置59の配設位置に対して離間する側である下側の支持壁62aに形成されて、裏中継基板61の下端縁(一端縁)が挿脱可能に差込み状態で係合可能な複数の係合部63と、当接支持部62における前記統括制御装置59の配設位置に近接する側である上側の支持壁62aに形成されて、係合部63に係合した裏中継基板61の上端縁(他端縁)に係脱可能に係合する弾性フック(係合片)64とを基本的に備えている。そして、各基板設置部60に対して対象となる裏中継基板61は、実装面とは反対の回路面を前記当接支持部62の端部に当接した状態で、下端縁が係合部63に係合すると共に上端縁に弾性フック64が係合して取り付けられる。なお、係合部63の少なくとも1つは、裏中継基板61の角部において下端縁と側端縁の両方に係合して、該裏中継基板61の左右方向への位置決めを行ない得るよう構成される。また、基板設置部60には、当接支持部62における上側の支持壁62aに近接する位置に、該当接支持部62より後方へ突出する位置決めピン65が突設されており、基板設置部60に裏中継基板61を設置した際に、該裏中継基板61に形成した係合孔(図示せず)に位置決めピン65が挿入されるようになっている。
前記弾性フック64は、当接支持部62の上側の支持壁62aにおける左右方向の略中央に位置して、その先端下面に設けた爪部64aが裏中継基板61の上端縁側の実装面に当接することで裏中継基板61を保持するよう構成される。そして、該弾性フック64を裏中継基板61の上端縁から離間するよう上側に向けて弾性変形することで、当該裏中継基板61の基板設置部60からの取り外しを許容するようになっている。
前記中基板設置部60の当接支持部62における上側の支持壁62aには、図19または図22に示す如く、前記弾性フック64を挟む左右両側に、当接支持部62の端部に回路面が当接した裏中継基板61における上端縁側の周端に当接可能な突部66が夫々設けられている。この突部66は、前述したように中基板設置部60に対して裏中継基板61が上下の弾性フック64および係合部63を介して取り付けられている状態で、該裏中継基板61の上端縁側の周端に当接可能に構成されたものであって、弾性フック64の爪部64aと裏中継基板61との係合が解除される方向への該裏中継基板61の移動を規制するべく機能する。突部66における当接支持部62の端部からの突出寸法は、図22に示す如く、当接支持部62に回路面が当接した裏中継基板61の実装面より後方に突出する高さに設定されている。なお、突部66は、図21に示す如く、前記図柄表示装置13の下端縁を位置決めする下側の前記位置決め突部57の突出端の下側に位置して、該位置決め突部57と当接支持部62および下対向面部55bとの間に画成された空間67を引き回される後述する表示器用配線97が後方に移動するのを規制する規制手段としても機能するよう構成される。実施例では、中基板設置部60にのみ突部66を設けているが、左右の基板設置部60,60にも同様に突部66を設けてもよい。
(下部構造体の前側の構成について)
図18,図22または図23に示すに如く、前記下部構造体53の前側中央には、前記始動入賞装置24における板部材18から後方に突出する装置本体を収容する中収容部68が画成されている。この中収容部68は、図20に示す如く、前方および下方に開口するように画成される。また、下部構造体53の下端部には、中収容部68の下方位置に上側に向けて凹設された凹部69が設けられている。そして、中収容部68に前記始動入賞装置24の装置本体が収容されると共に、凹部69に前記特別入賞装置26の板部材18から後方に突出する装置本体が収容されるようになっている。
前記下部構造体53には、前記中収容部68の左側に、後述する左下磁気センサ73が配設される左収容部70が前方に開口するよう画成されると共に、該中収容部68の右側には、後述する表示器90の表示設置部100が設けられる右収容部71が前方に開口するよう画成される。なお、前記中収容部68には、後述する右下磁気センサ75が配設されるようになっている。
(下磁気センサについて)
前記左収容部70の後側を画成する収容壁部70aには、前側に向けて突出する複数の取付けボス70bが設けられ(図23参照)、これら取付けボス70bの前端にセンサホルダ72を介して左下磁気センサ73が着脱自在に取り付けられる。また、前記中収容部68の後側を画成する収容壁部68aには、該中収容部68に収容される始動入賞装置24の装置本体と干渉しない右方位置に、前側に向けて突出する複数の取付けボス68bが設けられ、これら取付けボス68bの前端にセンサホルダ74を介して右下磁気センサ75が着脱自在に取り付けられる。両下磁気センサ73,75は、長方形状のケーシングの内部に、その長手方向に沿う方向に延在する一対のリード片の一部を接離可能に対向配置して構成されたリードスイッチであって、各収容部68,70に配設した左右の下磁気センサ73,75は、該センサ73,75を構成するリード片の延在方向(ケーシングの長手方向)が、左右方向に沿うと共に前記板部材18の裏面と平行となる横置き姿勢で、前記始動入賞装置24の左右両側に位置決めされる。
なお、中および左の各収容部68,70に取り付けられた左右の下磁気センサ73,75の磁気検出可能範囲は、何れも前記始動入賞装置24における上下の始動入賞口24a,24b、特別入賞装置26の特別入賞口26aに臨むように設定される。また、左下磁気センサ73の磁気検出可能範囲は、左普通入賞口27bにも及び、右下磁気センサ75の磁気検出可能範囲は、右普通入賞口34にも及ぶように設定されている。両下磁気センサ73,75は前記統括制御装置59に接続され、該下磁気センサ73,75が磁気を検出した際には、統括制御装置59の制御下にランプやスピーカ等を用いた異常報知が行なわれるよう構成される。
(排出用球通路について)
前記下部構造体53には、前記板部材18に配設された入賞口用飾り部材27に設けた3つの左普通入賞口27bと対応する位置に、各左普通入賞口27bに入賞したパチンコ球Wを遊技盤17の下方へ排出案内する左排出用球通路(球通路)76が形成されると共に、前記右普通入賞口34と対応する位置に、該右普通入賞口34に入賞したパチンコ球Wを遊技盤17の下方へ排出案内する右排出用球通路77が形成される(図18,図23等参照)。
前記左排出用球通路76は、図27に示す如く、前方に開口する複数の通路78,79,80,81を連通して構成され、各通路78,79,80,81を画成する通路用壁部(壁部)82の前端は、前記裏ユニット19の固定部54の前面と同一面に位置しており、裏ユニット19を板部材18の裏側に取り付けた際には通路用壁部82の前端が板部材18の裏面に当接して、該左排出用球通路76の前方開口は板部材18により塞がれるようになっている(図26参照)。左排出用球通路76は、最上部に位置する左普通入賞口27bに連通する第1縦通路78と、中間に位置する左普通入賞口27bに連通する第2縦通路79および、最下部に位置する左普通入賞口27bに連通する第3縦通路80とを、第1縦通路78から第3縦通路80に向けて下方傾斜するよう形成された傾斜通路81を介して連通して構成されて、各左普通入賞口27bに入賞したパチンコ球Wを、集合して第3縦通路80の下流端(下端)に形成した球排出口80aを介して機外(球回収部)に排出するよう構成される。なお、前記裏ユニット19の下部構造体53の下辺に形成される固定部54は、図27に示す如く、傾斜通路81を画成する通路用壁部82の下側に一体的に形成されており、該固定部54を前記板部材18に当接固定することで、左排出用球通路76の前端を板部材18の裏面に確実に当接させるようになっている。
前記第3縦通路80の下流端部に左普通入賞センサ83が取り付けられ(図18参照)、各左普通入賞口27bに入賞したパチンコ球Wを、該左普通入賞センサ83で検出することで賞球が払い出されるようになっている。
なお、前記右排出用球通路77は、前方および下方に開口する縦通路から構成されて、裏ユニット19を板部材18の裏側に取り付けた際に該右排出用球通路77に前記右普通入賞口34が連通し、右普通入賞口34に入賞したパチンコ球Wを、右排出用球通路77の下流端(下端)に形成した球排出口77aを介して機外(球回収部)に排出するよう構成される。また、右排出用球通路77の下流端部に右普通入賞センサ84が取り付けられ(図18参照)、右普通入賞口34に入賞したパチンコ球Wを、該右普通入賞センサ84で検出することで賞球が払い出されるようになっている。
(入賞口用発光装置について)
前記裏ユニット19には、前記左排出用球通路76の形成位置に対応して、前記板部材18に配設した入賞口用飾り部材27の光透過部材27cを裏側から照明可能な入賞口用発光装置(演出装置)85が配設される。この入賞口用発光装置85は、図27に示す如く、実装面に複数のLED(発光体)86aを実装した入賞用発光基板86と、該入賞用発光基板86が実装面を前側に向けた姿勢で収容されるケース体87を備える。ケース体87は、透明な合成樹脂材から形成されたものであって、平板状の板部の外周縁に後側に突出するよう壁部を形成した後方に開口する箱状体87aの後端に、複数のフランジ部87bが外方に向けて形成されており、箱状体87aの内部に前記入賞用発光基板86がネジ止め固定される。前記下部構造体53には、左排出用球通路76の形成位置を外れると共に、ケース体87の各フランジ部87bと対応する位置の夫々に取付けボス88が設けられている。そして、箱状体87aおよびフランジ部87bの裏面を前記左排出用球通路76を画成する通路用壁部82または取付けボス88の前端に当接した状態で、各フランジ部87bを対応する取付けボス88にネジ止めすることで、下部構造体53の前面に入賞口用発光装置85が着脱自在に位置決め固定される(図13,図25参照)。
前記ケース体87の箱状体87aは、図5に示す如く、前記板部材18に形成された前記第3の貫通口21cにおける左普通入賞口27bの樋部27dが臨む部位を除く部分の開口形状と略相似する形状に形成される。また入賞口用発光装置85は、下部構造体53(裏ユニット19)の前面から突出する状態で配設され、裏ユニット19を板部材18の裏側に取り付けた際に、図26に示す如く、該入賞口用発光装置85のケース体87が板部材18の第3の貫通口21cに収容されて、前記入賞口用飾り部材27の光透過部材27cを裏側から照らすことができるよう構成される。
前記入賞口用発光装置85は、図13または図25に示す如く、前記左排出用球通路76の前面開口の一部と前後に重なるように位置して、当該入賞口用発光装置85により左排出用球通路76の前面開口の一部が覆われるようになっている。具体的には、左排出用球通路76を構成する第1縦通路78および第2縦通路79の下部(左普通入賞口27bと各通路78,79との連通部の下側)および傾斜通路81の一部が入賞口用発光装置85で覆われ、その他の部分の前面開口は覆われることなく前記第3の貫通口21cの裏側に開口状態で臨んでいる。
(カバー部材について)
前記左排出用球通路76には、その前面開口の一部を覆うカバー部材89が着脱自在に配設される。このカバー部材89は、図27に示す如く、前記第1縦通路78および第2縦通路79における左普通入賞口27bとの連通部を除く部分の前面開口および傾斜通路81の前面開口を覆い得るようその開口形状に略一致する形状に形成された本体板89aと、該本体板89aの外縁の複数箇所に設けられた係合部89bとから構成される。また、左排出用球通路76を画成する通路用壁部82には、カバー部材89の係合部89bに対応する夫々の位置に、該係合部89bが係脱自在に係合する被係合部82aが形成されている。実施例では、係合部89bが本体板89aの外縁から突出する突部として形成されると共に、被係合部82aが通路用壁部82の前端から退避する凹部として形成される。そして、各係合部89bを対応する被係合部82aに係合することで、本体板89aが通路78,79,81の前面開口を覆った状態で、当該カバー部材89が下部構造体53に位置決めされる。またカバー部材89の本体板89aは、通路78,79,81の前面開口内に臨んだ状態で、その前面が通路用壁部82の前端と同一位置に臨むよう構成される。
前記左排出用球通路76の前面開口を覆うように配設されたカバー部材89は、該カバー部材89の前側に臨むように下部構造体53に取り付けられる前記入賞口用発光装置85(ケース体87)と前記通路用壁部82とで前後から挟持されることで脱落不能に取り付けられる。そして、左排出用球通路76において前記第3の貫通口21cに入賞口用発光装置85と重なることなく開口状態で臨んでいる部分がカバー部材89で覆われるようになっている(図25参照)。なお、入賞口用発光装置85における左排出用球通路76の前面開口に重なる部分の裏側は、前記カバー部材89が存在し、該通路76を流下するパチンコ球Wが前記入賞用発光基板86に接触するのは該カバー部材89で防止される。
(表示器について)
前記裏ユニット19の下部構造体53における右収容部71には、該裏ユニット19を板部材18に取り付けた状態で、前記遊技領域18a内における右下部に臨むように、当該パチンコ機10の現在の遊技状態を表示する表示器90が配設されている。この表示器90は、図31に示す如く、特別表示部91、ラウンド回数表示部92、普通表示部93、特別保留表示部94および普通保留表示部95等が、一枚の表示基板96に纏めて設置されており、これら各表示部91,92,93,94,95は、表示基板96の裏側を向く実装面に設けられたコネクタ受部96aに一端が接続される表示器用配線(配線)97、前記裏中継基板61を介して主制御装置に接続されるよう構成される。各表示部91,92,93,94,95は、夫々が少なくとも1個以上の発光手段としてのLEDを備えており、主制御装置による各LEDの点灯制御により所定の状態を表示し得るようになっている。
特別表示部91は、前記始動入賞装置24の始動入賞口24a,24bにパチンコ球Wが入賞することを契機として主制御装置において実行される特別図柄の抽選結果を、複数の表示パターンにて表示するためのものである。実施例の特別表示部91は、7個のLEDを8の字状に配置したブロック状の7セグメント形表示部から構成されて、上側の始動入賞口24aへのパチンコ球Wの入賞を契機として図柄変動を開始すると共に結果を表示する第1特別表示部91aと、下側の始動入賞口24bへのパチンコ球Wの入賞を契機として図柄変動を開始すると共に結果を表示する第2特別表示部91bとを左右並列に備える。各特別表示部91a,91bでは、各LEDを個別に点灯制御することで、点灯したLEDの組合わせにより複数の表示パターンを発現し得るようになっている。
ラウンド回数表示部92は、前述した主制御装置における特別図柄の抽選結果により特定遊技状態が成立した場合に、成立した該特定遊技状態に対応する上限ラウンド回数を、遊技者に報知するためのものである。実施例のパチンコ機10は、上限ラウンド回数を2回に設定した第1特定遊技状態、上限ラウンド回数を15回に設定した第2特定遊技状態、そして上限ラウンド回数を16回に設定した第3特定遊技状態との、合計3種類の特定遊技状態を発現するように設計されている。従ってラウンド回数表示部92は、3種類の各特定遊技状態に夫々対応する3個のラウンド回数表示LED92a,92b,92cにより構成される。そして、各ラウンド回数表示LED92a,92b,92cは、主制御装置により個別に点灯制御され、主制御装置における抽選結果として第1特定遊技状態が成立した場合には第1ラウンド回数表示LED92aが点灯し、第2特定遊技状態が成立した場合には第2ラウンド回数表示LED92bが点灯し、第3特定遊技状態が成立した場合には第3ラウンド回数表示LED92cが点灯するよう構成されている。
普通表示部93は、前記球通過ゲート36をパチンコ球Wが通過して、球検出センサ35での検出信号が主制御装置に入力された際に、該主制御装置において実行される前記始動入賞装置24の開閉羽根25の開閉動作有無の抽選結果を表示するものである。この普通表示部93は、第1および第2からなる2個の普通表示LED93a,93bから構成される。第1普通表示LED93aおよび第2普通表示LED93bは、所要の点滅時間に亘って交互に点滅するよう点灯制御された後、主制御装置における抽選結果が「開閉動作あり」の場合には、第1普通表示LED93aが点灯した状態で停止し、前記始動入賞装置24に設けた開閉羽根25,25が所定時間および所定回数だけ開放制御される。また、主制御装置における抽選結果が「開閉動作なし」の場合には、第2普通表示LED93bが点灯した状態で停止し、該開閉羽根25,25の開放制御は行なわれない。
前記特別保留表示部94は、始動入賞装置24における上側の始動入賞口24aに入賞したパチンコ球(入賞球)Wの保留個数を表示する第1特別保留表示部98と、始動入賞装置24における下側の始動入賞口24bに入賞したパチンコ球(入賞球)Wの保留個数を表示する第2特別保留表示部99で構成される。第1特別保留表示部98は、2個の第1特別保留表示LED98a,98bから構成されると共に、第2特別保留表示部99は、2個の第2特別保留表示LED99a,99bから構成され、各々が個別に点灯または点滅制御されることで4個の保留個数まで表示可能となっている。また前記普通保留表示部95は、前記球通過ゲート36を通過したパチンコ球(通過球)Wの保留個数を表示するための2個の普通保留表示LED95a,95bから構成され、各々が個別に点灯または点滅制御されることで4個の保留個数まで表示可能となっている。
前記特別保留表示部98,99および普通保留表示部95における各2個のLEDによる保留個数の表示態様として、実施例では、保留個数の1個の場合は、一方のLEDが点灯、他方のLEDが消灯、保留個数の2個の場合は、一方のLEDが点灯、他方のLEDが点灯、保留個数の3個の場合は、一方のLEDが点滅、他方のLEDが点灯、保留個数の4個の場合は、一方のLEDが点滅、他方のLEDが点滅に設定されている。
なお、前記特別表示部91には、現在のパチンコ機10の状態を表示するためのLEDからなる状態表示部(図示せず)が設けられ、状態表示部におけるLEDの状態によって、該パチンコ機10が変動時間短縮機能の作動中(時短状態中)であるか否か、または復電時(電源投入時)に確率変動機能の作動中であるか否かを表示するよう構成される。実施例では、第1特別表示部91aに第1状態表示LEDが設けられ、第2特別表示部91bに第2状態表示LEDが設けられ、パチンコ機10が変動時間短縮状態となっている場合には、第2状態表示LEDが点灯するよう制御され、復電時に確率変動状態となっている場合には、第1状態表示LEDが点灯するよう制御される。
前記「変動時間短縮機能」とは、特定遊技状態の終了後に、(1)主制御装置により実行される前記開閉羽根25,25の開閉動作有無の抽選において「開閉動作あり」の条件が成立する抽選確率の変化、(2)開閉羽根25,25の開閉動作パターンの変化、(3)普通表示部93における第1普通表示LED93aおよび第2普通表示LED93bの点滅時間の変化、の何れかを付与する機能である。また、前記「確率変動機能」とは、特定遊技状態が終了した後に、前記主制御装置における抽選の確率(特別表示部91a,91bにおける大当りの当選確率)を、低確率(通常状態)から高確率(確率変動状態)に変動させる機能である。
(表示設置部について)
前記表示基板96は、前記装飾部材28の右下部において該装飾部材28の一部を構成する前記隅部光透過部33の裏側に臨むように、前記裏ユニット19の前記右収容部71に設けた表示設置部(設置部)100に配設される。表示設置部100は、図29または図30に示す如く、表示基板96を裏側に収容可能な後方に開放する箱状に形成されたものであって、裏面には後方に突出する複数(実施例では2つ)の脚部101が設けられる。各脚部101には、前記裏ユニット19の下部構造体53における右収容部71を画成する後側の収容壁部71aから前方に突設した取付けボス71bの前端が嵌合する凹部(図示せず)が裏面に設けられると共に、該凹部の中央に対応して前後方向に貫通するネジ用通孔101aが穿設されている。そして、表示設置部100は、各取付けボス71bに対応する脚部101の凹部を前側から嵌合した状態で、ネジ用通孔101aに前側から挿通したネジを取付けボス71bのネジ孔に螺挿することで、裏ユニット19の前面から所定長だけ突出した状態で位置決め固定される。そして、裏ユニット19に取り付けられた表示設置部100は、該裏ユニット19を板部材18の裏側に取り付けた際には、前面が板部材18の前面と略同一レベルに臨むように前記第1の貫通口21aに臨むよう構成される。
前記表示設置部100は、光の透過が不能な素材から構成され、裏側にネジ止め固定される前記表示基板96の実装面に設けられた各表示部91,92,93,94,95に対応する位置には、該表示部91,92,93,94,95を前側から視認可能な孔部102,103が設けられている。前記特別表示部91に対応する第1の孔部102は、第1および第2特別表示部91a,91bを共通して収容可能な形状に設定されたものであり、表示基板96を設置部裏面に取り付けた状態で、特別表示部91は、その前面が表示設置部100の前面(最前面)に臨むように第1の孔部102に収容される。これに対し、他の表示部92,93,94,95に対応する第2の孔部103は、各LED92a,92b,92c,93a,93b,95a,95b,98a,98b,99a,99bに対応する位置において表示設置部100の前後方向に突出する突出部104に前後方向に貫通するよう形成されたものであって、表示基板96を設置部裏面に取り付けた状態で、各第2の孔部103の後端部に対応する各LED92a,92b,92c,93a,93b,95a,95b,98a,98b,99a,99bが収容されるよう構成される(図28参照)。そして、各第2の孔部103では、LED92a,92b,92c,93a,93b,95a,95b,98a,98b,99a,99bが個々に収容されることで、各LED92a,92b,92c,93a,93b,95a,95b,98a,98b,99a,99bの点灯時には他のLEDの光と明確に区分し得るようになっている。
(配線挿通口について)
前記表示設置部100が取り付けられる下部構造体53を構成して、前記表示基板96と対向する収容壁部71aに、図30に示す如く、前後方向に貫通する配線挿通口71cが形成され、該表示基板96のコネクタ受部96aに一端が接続する表示器用配線97は、該配線挿通口71cを介して裏ユニット19の裏側に引き出されるよう構成される。そして、裏側に引き出された表示器用配線97が、前記位置決め突部57と中基板設置部60の当接支持部62および下対向面部55bとの間に画成された空間67を左方に引き回されて、前記左基板設置部60に取り付けられている裏中継基板61に接続されるようになっている。
(装飾部材の隅部光透過部について)
前記裏ユニット19に取り付けた前記表示器90の前側に位置する前記装飾部材28の隅部光透過部33は、光の透過が可能な透明または半透明の素材から形成された装飾板から構成されると共に、該装飾板の前面にはパチンコ機10のモチーフとなる意匠が施されている。また、隅部光透過部33における表示器90の各表示部91,92,93,94,95の前側に臨む位置には、透明な透明部33a,33bが設けられ(図7参照)、7セグメントを構成するLEDや各表示LED92a,92b,92c,93a,93b,95a,95b,98a,98b,99a,99bが点灯した際には、その光が隅部光透過部33を透過して前側から認識されるようになっている。なお、隅部光透過部33の裏面には、特別表示部91に対応する第1透明部33aの形成部位と、他の表示部92,93,94,95に対応する第2透明部33bの形成部位との間に段差が設けられて、前記板部材18の裏側に裏ユニット19を取り付けた状態で、第1透明部33aの周囲裏面に前記表示設置部100の前面が当接すると共に、第2透明部33bの周囲裏面に表示設置部100に設けた突出部104の前面が当接するよう構成される。また隅部光透過部33における透明部33a,33b以外の部位は半透明に形成されて、裏側に臨む各表示部91,92,93,94,95からの光を明確に区分し得るようになっている。
なお、隅部光透過部33における前記ラウンド回数表示LED92a,92b,92cに対応する第2透明部33b,33b,33bの前面には、図示しないが夫々対応するラウンド回数(2,15,16)が表示されて、各特定遊技状態が成立したことが容易かつ明確に認識できるようになっている。
(裏ユニットに配設される可動演出装置および発光装置について)
前記板部材18の裏側に裏ユニット19を取り付けた状態で、該裏ユニット19の対向面部55と板部材18との間に所要の空間が画成され、前記対向面部55に設けられる前記可動演出装置105,106、発光装置107,108および発光基板109,110,111が、該空間に臨むよう構成される。実施例では、図18に示す如く、左対向面部55cに左可動演出装置105が配設され、右対向面部55dに右可動演出装置106が配設される。また図24に示す如く、上対向面部55aには、左可動演出装置105に設けられる可動体120,139a,139bの前後に臨む2つの上部発光装置107,108が配設され、右対向面部55dには、前記右可動演出装置106の後側に臨む側部発光基板109が配設され、右対向面部55dと下対向面部55bとが交わる右下隅部には、装飾部材28の前記隅部光透過部33の後側に臨む隅部発光基板110が配設される。更に、下対向面部55bには、前記装飾部材28においてステージ部29の後端縁に沿って設けられた前記後壁部44の後側に臨むように下部発光基板111が配設される。
(第1の上部発光装置について)
前記裏ユニット19における上画壁部56aには、図19に示す如く、前記板部材18の裏面に当接する前端面より前側で上方に延出する延出部117cが設けられ、該延出部117cの前側に第1の上部発光装置(発光装置)107が配設される。第1の上部発光装置107は、図24に示す如く、実装面に複数のLED(発光体)112aを実装した第1発光基板(発光基板)112と、該第1発光基板112が実装面を前側に向けた姿勢で収容されるケース部材113を備える。ケース部材113は、透明な合成樹脂材から形成されたものであって、平板状の板部の外周縁に後側に突出するよう壁部を形成した後方に開口する箱状を呈し、該ケース部材113の内部に前記第1発光基板112がネジ止め固定される。そして、ケース部材113が前記延出部117cの前側にネジ止め固定されることで、当該第1の上部発光装置107は、裏ユニット19の前端から前方および上方に延出した状態で該裏ユニット19に取り付けられる(図32参照)。
前記第1発光基板112は、図19または図24に示す如く、略円形の第1基板部112bと、該第1基板部112bから右方に延出するよう連設される略弧状の第2基板部112cとから構成され、実施例では第1基板部112bと第2基板部112cに実装されるLED112aの種類が異なるよう構成される。例えば第1基板部112bには発光色が単色(例えば白色)のLEDが実装されるのに対し、第2基板部112cには発光色が可変可能なフルカラーLEDが実装される。但し、各基板部112b,112cに実装されるLEDの種類は他の組合わせであってもよく、また同種のものであってもよい。
前記ケース部材113は、前記第1発光基板112の形成に応じた形状に形成されたものであって、前記第1基板部112bに対応する略円筒状の第1ケース部113aと、前記第2基板部112cに対応する円弧箱状の第2ケース部113bとから構成される。そして、第1ケース部113aの前壁には、第1基板部112bに実装されたLED112aに対応する位置の夫々にレンズ部(図示せず)が設けられて、単色LEDからの光を強調し得るようになっている。これに対し、第2ケース部113bの前壁には乱反射加工が施されて、フルカラーLEDからの光で広範囲を照明し得るよう構成される。なお、各ケース部113a,113bに施される加工は、対応するLEDの種類に応じて設定すればよく、前述したものに限定されない。
(装飾部材の上部光透過部について)
前記装飾部材28の上部には、図6または図7に示す如く、窓口側(内周壁28bの内側)の略中央において前後方向に開口する筒状の第1の収容部114と、該第1の収容部114の右側に連通状態で形成されて後方に開口する第2の収容部115とが形成される。また両収容部114,115により形成される後方に開口する収容部の全体形状が、裏ユニット19に配設される前記第1の上部発光装置107(ケース部材113)の外形形状に略相似するよう構成される。すなわち、裏ユニット19を板部材18の裏側に取り付けた際に、該第1の上部発光装置107が第1および第2の収容部114,115に亘って収容されるようになっている(図34参照)。
前記第1の収容部114の前側開口には、光透過性の合成樹脂材から形成されたレンズ体114aが配設されて、前記第1の上部発光装置107の第1発光基板112における第1基板部112bに実装したLED112aからの光がレンズ体114aに照射されるよう構成される。また、第2の収容部115を構成する前壁には前後に貫通する複数のスリット115aが形成され、前記第1の上部発光装置107の第1発光基板112における第2基板部112cに実装したLED112aからの光がスリット115aを介して前側に照射されるようになっている。すなわち実施例では、レンズ体114aおよびスリット115aが上部光透過部(光透過部)31として機能している。なお、光透過部は、レンズ体やスリット等に限らず、裏側から照射される光を前側に透過可能なものであれば、半透明板や各種光拡散加工を施した板部材から構成されたものであってもよい。
(第2の上部発光装置について)
前記裏ユニット19における上対向面部(設置部)55aには、前記第2の上部発光装置(第2の発光装置)108が配設される。この第2の上部発光装置108は、前側を向く実装面に複数のLED(発光体)116aが実装された第2発光基板116(図23参照)と、該第2発光基板116の前側を覆うカバー体117とから構成されて、第2発光基板116およびカバー体117の夫々が上対向面部55aにネジ止め固定されている。カバー体117は、光透過性の合成樹脂材から形成されたものであって、図32に示す如く、上対向面部55aに沿って延在する垂直面部117aと、該垂直面部117aの上端縁から前方に突出するよう形成された突出面部117bと、該突出面部117bの前端縁から上方に延出する前記延出部117cとから構成される。すなわち、実施例では前記第1の上部発光装置107が配設される延出部117cが第2の上部発光装置108のカバー体117に一体形成されている。
前記第1の上部発光装置107は、図32または図35に示す如く、前記第2の上部発光装置108の前方に離間して位置し、両上部発光装置107,108の間に、前記左可動演出装置105に設けられる可動体120,139a,139bが収容可能な下方に開放する可動体用空間118が画成される。すなわち、後述するように可動体120,139a,139bは、待機位置において両上部発光装置107,108の間に画成される可動体用空間118に収容され(図32)、該可動体120,139a,139bの前方に第1の上部発光装置107が臨むと共に、該可動体120,139a,139bの後方に第2の上部発光装置108が臨むようになっている。前記可動体用空間118は、待機位置と作動位置との間を往復移動する可動体120,139a,139bが待機位置に臨む状態で、作動位置に向けて開口して、該可動体120,139a,139bの作動位置への移動を許容すると共に、作動位置から待機位置に移動する可動体120,139a,139bの収容を許容するものである。
前記延出部117cには、図19に示す如く、前記第1の上部発光装置107における第1発光基板112の裏面に設けたコネクタ受部112dに対応する位置に通孔117dが設けられ、第1の上部発光装置107を延出部117cに取り付けた際に、該コネクタ受部112dが通孔117dに臨むよう構成される。そして、コネクタ受部112dに一端が接続する配線(図示せず)が、前記突出面部117bの上側(可動体用空間118とは反対側)を引き回された後に第2の上部発光装置108の第2発光基板116に接続される。なお、突出面部117dの上面には配線保持部117eが設けられ、第1発光基板112と第2発光基板116とを接続する配線を該配線保持部117eに保持するよう構成される。また、前記裏ユニット19の上画壁部56aの前部側には、前記第1発光基板112のコネクタ受部112dと配線との接続部分を上方に露出するよう後側に向けて後退する切欠凹部19cが設けられ、第1の上部発光装置107を延出部117cに取り付けた状態で配線の接続作業を行ない得るようになっている。
(裏ユニットの対向面部に配設される発光基板について)
前記裏ユニット19の下対向面部55bには、図23,図24または図26に示す如く、左右方向に延在する前記下部発光基板111が配設されている。下部発光基板111は、前記装飾部材28におけるステージ部29の上方に臨む前記後壁部44の裏側に臨んで、前方に向けて光を照射する複数のLED(発光体)111aを備えている。そして、下部発光基板111のLED111aを発光することで、後壁部44を裏側から照明するよう構成される。なお、下対向面部55bには、下部発光基板111を前側から覆う装飾カバー119が配設される。この装飾カバー119は、光透過性の合成樹脂材から形成されると共に、前面にはパチンコ機10のモチーフとなる意匠が施されており、下部発光基板111におけるLED111aからの光の透過を許容すると共に、前記透明な後壁部44を透して装飾カバー119の前面の意匠が前側から視認可能となっている。
前記裏ユニット19の右対向面部55dには、図23または図24に示す如く、上下方向に延在する前記側部発光基板109が配設されている。側部発光基板109は、右可動演出装置106の裏側に臨んで、前方に向けて光を照射する複数のLED(発光体)109aを備えている。そして、側部発光基板109のLED109aを発光することで、右可動演出装置106を裏側から照明するよう構成される。また、裏ユニット19の下対向面部55bと右対向面部55dとが交わる右下隅部には、隅部発光基板110が配設される。隅部発光基板110は、前記装飾部材28の隅部光透過部33における前記表示器90と対向する部位より上方の裏側に臨んで、前方に向けて光を照射する複数のLED(発光体)110aを備えている。そして、隅部発光基板110のLED110aを発光することで、隅部光透過部33を裏側から照明するよう構成される。
なお、前記第2の上部発光装置108の第2発光基板116と側部発光基板109とが配線を介して接続すると共に、該側部発光基板109と隅部発光基板110とが配線を介して接続される。そして、隅部発光基板110から導出する配線が、前記裏中継基板61を介して統括制御装置59に接続され、該統括制御装置59により各発光基板112,116,109,110のLED112a,116a,109a,110aが発光制御されるようになっている。
(左可動演出装置について)
前記裏ユニット19における左対向面部55cに配設される前記左可動演出装置105は、図41または図42に示すように、所定の演出動作を行なう大型の左可動体120と、この左可動体120を往復移動する第1の駆動部121とから基本的に構成される。左可動体120は、後述するラック128の取付部位となる可動基部122(基部)と、この可動基部122における往復移動方向と交差する横方向に向けて可動基部122から延出するよう形成された腕部123とを備えている。なお、左可動体120は、可動基部122と腕部123とが直交または略直交する関係で、かつ可動基部122の上端に腕部123が接続するよう形成されて、全体として正面視で上下反転した略L字形状を呈している。そして、左可動体120は、可動基部122が前記左対向面部55cの前側に配設されて前記装飾部材28の窓口28aの左横側に位置し、該可動基部122から腕部123が前記窓口28aの中央側に向けて延出している(図33参照)。なお、腕部123における窓口28aの左右方向中央に位置する右端部には、上下幅が大きく設定された意匠部123aが設けられ、該意匠部123aに後述する副可動体139a,139bが配設されている。また、左可動体120の可動基部122は、裏ユニット19を板部材18の裏側に取り付けた状態で、該板部材18に配設した装飾部材28の窓口28a(第1の貫通口21a)より左側に位置して、該可動基部122は板部材18で前側が覆われて遊技盤17の前側から視認されない部分となるのに対し、左可動体120の腕部123は、前記したように窓口28aに臨んで遊技盤17の前側から視認可能な露出部となっている。
前記左可動体120の本体は、後述する転がり軸受129を介して左対向面部55cに対して往復移動可能な可動体ベース124と、この可動体ベース124の前面に配設され、可動体ベース124の前側を覆う可動体カバー125とから構成され、可動体ベース124と可動体カバー125とで画成される内部空間に、後述する可動体発光基板154や内部中継基板158、副可動体139a,139bを動作させる第2の駆動部140や連繋機構141等が収容される。可動体ベース124は、図43に示す如く、上下反転した略L字形状に形成されたベース板の周縁から前側に壁部を延出した前方に開口する箱状に形成されたものであって、上下方向に長手が延在するベース基部124aと、このベース基部124aの右側上端部から延出して、左右方向に延在するベース腕部124bと、ベース腕部124bの右端部に設けられて前記意匠部123aを構成すると共に可動体発光基板154の設置部分となるベース取付部124cとから構成される。また、ベース腕部124bおよびベース取付部124cのベース板には、後述する連繋機構141と発光用配線156の引き回し経路とを上下に区画すると共に補強を兼ねる第1区画壁(区画壁)126が複数設けられている(図46参照)。
これに対し、可動体カバー125は、図43に示す如く、上下反転した略L字形状に形成された板状に形成されたものであって、上下方向に長手が延在するカバー基部125aと、このカバー基部125aの右側上端部から延出して、左右方向に延在するカバー腕部125bとから構成される。なお、カバー腕部125bにおける前記ベース取付部124cに対応する部分の上下寸法は小さく設定されて、該カバー腕部125bの下側においてベース取付部124cは前側に開口するよう構成される。但し、カバー腕部125bには、該カバー腕部125bの下側において開口するベース取付部124cの前側開口を覆う装飾覆い体127が着脱自在に配設される。実施例では、装飾覆い体127と前記ベース取付部124cとから意匠部123aが構成されている。またカバー基部125aにおける窓口28a側の縁部には、後述する内部中継基板158に実装したLED158bと対応する位置にレンズ部125cが設けられている。
前記ベース基部124aの裏面には、上下方向に延在するラック128が、歯部128aを窓口28aとは反対側である左側に向けた姿勢で配設される。またラック128の裏面には、転がり軸受129が配設され、該転がり軸受129は、前記左対向面部55cにおいて上下方向に所定長さで延在するよう配設されたレール部材130に移動自在に支持されている(図39参照)。すなわち、左可動体120は、転がり軸受129がレール部材130に支持された状態で、前記腕部123が前記窓口28aに臨む領域において、裏ユニット19の上対向面部55aの前側に位置して前記窓口28aの内部上方縁部に位置した図2に示す待機位置(第1位置)と、この待機位置から下方変位して窓口28aの中央部近傍に臨む図33に示す作動位置(第2位置)との間を往復移動し得るようになっている。左可動体120の移動支持構造として転がり軸受129を用いることで、ラック128に可動基部122を取り付けて片持ち支持された左可動体120は、前記レール部材130に沿って上下方向に直線的にスムーズに往復移動し得るよう構成される。また転がり軸受129は、可動基部122において腕部123が連設される部分において該可動基部122の長手方向(往復移動方向)に所定長さで延在するように配設され、該転がり軸部129で腕部123の荷重を支持して左可動体120を安定して移動し得るよう構成されている。なお、転がり軸受129としては、レール部材130に当接して転動する転動体として金属球を用いた所謂ボール軸受構造が採用される。また実施例では、レール部材130に転がり軸受129を介して支持される可動基部122が、該可動基部122から横方向に延出して窓口28aに臨むことで遊技者から視認可能な可動体としての腕部123に対する支持部となっている。
ここで、前記板部材18の裏側に裏ユニット19を取り付けた状態で、該裏ユニット19の左対向面部55cと板部材18との間には、前記左可動体120における可動基部122の往復移動を許容する空間部131が上下方向に延在するように画成される。この空間部131は、図40に示す如く、左可動体120が待機位置に臨む状態で、可動基部122の下方に、該左可動体120が作動位置まで移動する長さより長い空間が確保されて、可動基部122の下端から引き出された後述の中継用配線160が可動基部122と裏ユニット19とで挟まれることがないよう設定される。
また左可動体120の待機位置では、前記上対向面部55aに配設した前記第2の上部発光装置108の前側に前記腕部123および意匠部123aが重なるように位置すると共に、該意匠部123aの一部が、第2の上部発光装置108と前記第1の上部発光装置107との間に画成される前記可動体用空間118に収容されるように臨んで(図32,図34参照)、第2の上部発光装置108、左可動体120の意匠部123aおよび第1の上部発光装置107が前後の関係で重なるようになっている。そして、左可動体120の作動位置では、腕部123および意匠部123aが上対向面部55a、すなわち第2の上部発光装置108の前側から下方に退避することで、図33に示す如く、該第2の上部発光装置108が窓口28aから露出し、第2の上部発光装置108におけるLED116aの発光によって前方を直接照明し得るよう構成される。
前記可動体ベース124、可動体カバー125および装飾覆い体127の夫々は、光透過性の合成樹脂材から形成されており、前記第2の上部発光装置108の前側に腕部123や意匠部123aが重なった状態において、第2の上部発光装置108におけるLED116aの光によって腕部123および意匠部123aが明輝し得るよう構成される。但し、可動体カバー125および装飾覆い体127には所要の光拡散加工が施されて、内部に収容した各種の部品の形状等が明確には視認し得ないようにしてある。
前記左対向面部55cの上部側には、図40に示す如く、前記レール部材130の配設位置より左側に、前記第1の駆動部121を備える駆動ユニット132が着脱自在に配設される。駆動ユニット132は、前ケース133aと後ケース133bとを前後に合わせて構成した駆動用カバー部材(カバー部材)133に、第1の駆動モータ(第1の駆動手段)134および該モータ134の回転を伝達する複数のギヤ135,136,137からなる第1の駆動部121を配設して構成されて(図48参照)、該駆動用カバー部材133を単位として左対向面部55cに対して着脱自在に取り付け可能に構成される。前ケース133aの前面には、図42に示す如く、第1の駆動モータ134が後向き姿勢で配設されて、その出力軸を駆動用カバー部材133の内部に突出させている。図48に示す如く、駆動用カバー部材133の内部に臨む出力軸に第1駆動ギヤ135が配設されると共に、該駆動用カバー部材133の内部には該第1駆動ギヤ135と噛合する中間ギヤ136および該中間ギヤ136に噛合する作動ギヤ(ギヤ)137が夫々回転自在に配設され、第1の駆動モータ134の正転および逆転駆動によって作動ギヤ137が正転および逆転するよう構成される。
前記駆動用カバー部材133における前記ラック128を指向する右側部には、前記作動ギヤ137の配設位置に対応してギヤ用開口部133cが開設されて、該ギヤ用開口部133cを介して作動ギヤ137の一部が外方に突出するよう構成される(図48参照)。そして、駆動ユニット132を左対向面部55cに取り付けた状態で、ギヤ用開口部133cから外方に突出する歯部が、前記ラック128の歯部128aに噛合し、該作動ギヤ137とラック128との噛合作用下に、作動ギヤ137の回転に伴って前記左可動体120がラック128(レール部材130)の延在方向(上下方向)に往復移動するようになっている。前記駆動ユニット132においては、駆動用カバー部材133の外部(前側)に配設した第1の駆動モータ134と、該駆動用カバー部材133の内部に配設した複数のギヤ135,136,137との噛合部(連繋部)とが区画されて、第1の駆動モータ134から導出する後述の第1駆動用配線163が、ギヤ135,136,137の噛合部に接触することなく左対向面部55cの前側を引き回し得るよう構成されている。また前記作動ギヤ137とラック128との噛合位置は、左可動体120から外部に引き出される後述の中継用配線160の左可動体120からの引き出し端側とは、該左可動体120の往復移動方向の反対端側に偏倚するよう位置決めされている。
(副可動演出装置について)
前記左可動演出装置105には、左可動体120とは独立して動作可能(変位可能)な可動体としての副可動体139a,139bを備える副可動演出装置138が配設されている。この副可動演出装置138は、前記左可動体120の意匠部123a前側に配設されて往復移動可能な左右一対の副可動体139a,139bと、この副可動体139a,139bを往復移動させるための駆動源となる第2の駆動部140と、該第2の駆動部140と副可動体139a,139bとを連繋して第2の駆動部140の駆動を伝達する連繋機構141とから基本的に構成される。
前記副可動体139a,139bは、前記意匠部123aにおける前記装飾覆い体127の前側において左右方向に移動自在に配設されて、両副可動体139a,139bが相互に近接した待機位置と、両副可動体139a,139bが相互に離間した作動位置との間を往復移動するよう構成される。両副可動体139a,139bは、パチンコ機10のモチーフに関連する、例えば錠を模した形状に形成されて、図18に示すように一対の副可動体139a,139bが近接して施錠状態を表わし、図33に示すように離間して解錠状態を表わすようになっている。また両副可動体139a,139bは、非光透過性に構成されて、待機位置では前記装飾覆い体127の前側全体を覆うことで、意匠部123aに内蔵される後述する可動体発光基板154のLED154aを発光した光で明輝した装飾覆い体127が前側から視認し得ないように構成される。
前記可動体ベース124におけるベース基部124aとベース腕部124bとの接続部分には、仕切部材142を介して第2の駆動部140が配設される。仕切部材142は、図46に示す如く、可動体ベース124のベース基部124aおよびベース腕部124bの所定領域に亘って収容可能な形状に形成されて、該仕切部材142におけるベース基部側に臨む位置に第2の駆動部140が配設される。この第2の駆動部140は、仕切部材142の裏面に前向きに配設された駆動源としての第2の駆動モータ(第2の駆動手段,電気部品)143および該モータ143における仕切部材142の前側に突出する出力軸に配設された第2駆動ギヤ144から構成されて、仕切部材142を可動体ベース124に前側から取り付けることで、ベース基部内において仕切部材142を挟んで第2駆動ギヤ144と第2の駆動モータ143とが前後の関係で仕切られた状態で臨むようになっている。
前記第2の駆動部140は、左可動体120において前記レール部材130に転がり軸受129を介して支持される部位(可動基部122)に配置されて、該第2の駆動部140の荷重が可動基部122と腕部123との連設部に加わらないようにしてある。また、前記仕切部材142の前面には、図46に示す如く、前記ベース基部124aおよびベース腕部124bの内部において、前記第2駆動ギヤ144の配設位置を挟んで空間を上下に区画すると共に補強を兼る第2区画壁(区画壁)142aが設けられて、該第2区画壁142aの下側に後述する発光用配線156の引き回し経路を確保するよう構成される。なお、第2区画壁142aのベース腕部124b内に臨む右端は、該ベース腕部124bのベース板に設けた前記第1区画壁126の左端に整合するよう構成されて、両区画壁126,142aによってベース腕部124b内の空間が上下に区画されるようになっている。
(連繋機構について)
前記副可動演出装置138の連繋機構141は、相互に連結されて前記ベース腕部124bに沿って延在する複数の横長形状の連杆(連繋部材)145,146,147と、複数のギヤ144,151等とを組合わせて構成されて、前記ベース腕部124b内にコンパクトに纏めて配設されている。図46に示す如く、前記仕切部材142における第2駆動ギヤ144の配設位置より上側(第2区画壁142aより上側)に、該駆動ギヤ144に噛合する歯部145aが下面に左右方向に所定長さで形成された第1連杆145が、左右方向に移動自在に配設される。この第1連杆145には、左右方向に所定長さで延在する一対の長孔145b,145bが、左右方向に離間して穿設されており、仕切部材142の前面に突設した一対の案内ピン142b,142bに対応する長孔145b,145bを摺動自在に挿通することで、該第1連杆145は歯部145aと第2駆動ギヤ144との噛合状態を維持しつつ左右方向に安定して往復移動するよう構成される。
前記第1連杆145の右端部下面に右連結ピン145cが設けられ、該右連結ピン145cが、前記第1および第2区画壁126,142aの上側において左右方向に移動自在に支持された第2連杆146の左端部に形成した左連結孔146a(図43参照)に回動自在に挿通係合されて、第1連杆145の往復移動に伴って第2連杆146も往復移動するよう構成される。また、前記ベース腕部124bにおけるベース取付部124cに、第3連杆147が左右方向に往復移動自在に配設されており、第3連杆147の左端部に形成した左連結ピン147aが、前記第2連杆146の右端部に形成した右連結孔146b(図43参照)に回動自在に挿通係合されて、第2連杆146の往復移動に伴って第3連杆147も往復移動するよう構成される。なお、第3連杆147には、図46に示す如く、左右方向に所定長さで延在する一対の長孔147b,147bが、左右方向に離間して穿設されており、ベース取付部124cにおけるベース板の前面に突設した一対の案内ピン124d,124dに対応する長孔147b,147bを摺動自在に挿通することで、該第3連杆147は上下方向の移動が規制された状態で左右方向に安定して往復移動し得るようになっている。
前記ベース腕部124bにおけるベース取付部124cには、図46に示す如く、左右一対の作動部材148,149が左右方向に直線的に往復移動自在に配設されている。左作動部材148の前面には、図43に示す如く、左右方向に離間して一対の左ボス部148a,148aが突設され、両左ボス部148a,148aが、前記装飾覆い体127の対応位置において左右方向に延在するよう形成された左貫通長孔127aに挿通された状態で、前記左側に位置する左副可動体139aに連結されている。同様に、右作動部材149の前面には、左右方向に離間して一対の右ボス部149a,149aが突設され、両右ボス部149a,149aが、前記装飾覆い体127の対応位置において左右方向に延在するよう形成された右貫通長孔127bに挿通された状態で、前記右側に位置する右副可動体139bに連結されている。すなわち、左右の副可動体139a,139bは、装飾覆い体127を挟んで後側に位置する対応する左右の作動部材148,149と一体で左右方向に往復移動するよう構成される。そして、左作動部材148に前記第3連杆147が連結固定されて、該第3連杆147の往復移動に伴って左作動部材148および左副可動体139aが往復移動するよう構成されている。
前記ベース取付部124cのベース板に、図48に示す如く、右作動部材149の後側で前記第3連杆147の下側に臨む位置にピニオン150が回転自在に配設されると共に、第3連杆147の左端部下面には、該ピニオン150に噛合する歯部147cが左右方向に所定長さで形成されている。また、ベース板におけるピニオン150の配設位置の下側に、該ピニオン150に噛合する歯部151aを上面に設けたラック部材151が左右方向に移動自在に配設されると共に、該ラック部材151が前記右作動部材149に連結されている。すなわち、左作動部材148に連結する第3連杆147の歯部147cと、右作動部材149に連結するラック部材151の歯部151aとが、ピニオン150に上下位置で噛合する関係となっていることで、第3連杆147の左右方向への往復移動に伴って、左右の作動部材148,149に連結する左右の副可動体139a,139bが同期して相互に近接移動したり離間移動するよう構成される。なお、ピニオン150の前端には歯部より径方向外方に延出する円形のフランジ150aが一体に形成され、該フランジ150aによって上下に位置する第3連杆147およびラック部材151の前面を摺動自在に支持することで、該第3連杆147およびラック部材151の前方への変位を規制し、ピニオン150との噛合状態を維持し得るようになっている。実施例では、右副可動体139bは、ピニオン150およびラック部材151を介して前記連繋機構141に連繋されており、該ピニオン150とラック部材151とで第2の連繋機構が構成される。
前記左可動体120における腕部123の上面に金属片152が設けられ、該金属片152が前記第2の上部発光装置108の突出面部117bに配設した保持手段としての磁石153(図40参照)に磁力吸着されることで、該左可動体120を待機位置で停止保持する補助を行なうよう構成される。
(可動体発光基板について)
前記ベース取付部124cには、前記第2連杆146や第3連杆147等の連繋機構141の配設位置より下側に、可動体発光基板(電気部品)154が配設されている。この可動体発光基板154は、前側を向く実装面に複数のLED(発光体)154aが実装されて、該LED154aの発光によって前記装飾覆い体127を裏側から照明するよう構成される。また可動体発光基板154には、図43または図47に示す如く、副可動体用原位置センサ155が配設され、該原位置センサ155で前記第3連杆147に設けた検出片147dを検出することで、該第3連杆147が連結される左副可動体139a(連繋機構141に直接連繋されて直接作動される側の副可動体)の位置を検出可能に構成されている。
(左可動体の内部における電気部品の配線処理について)
前記可動体発光基板154の前面には、図46に示す如く、前記ベース腕部124bおよび仕切部材142に設けた区画壁126,142aの下側に画成される引き回し空間に臨む位置にコネクタ受部154bが設けられ、該コネクタ受部154bに一端が接続された発光用配線(部品用の配線)156は、該引き回し空間内を引き回された後にベース基部124a(可動基部122)内に引き込まれるよう構成されて、前記連繋機構141と発光用配線156とが接触することによる問題の発生を防止するようにしている。なお、前記仕切部材142の前面には、第2区画壁142aの下側に配線フック142cが設けられ、該配線フック142cに発光用配線156が係止される。
前記第2の駆動モータ143に一端が接続する第2駆動用配線(部品用の配線)157は、前記ベース基部124aにおけるベース板と前記仕切部材142の下端側との間の隙間を介して該ベース基部124aに配設した内部中継基板158の前側に引き出されるよう構成される。すなわち、第2駆動用配線157は、仕切部材142に設けられた前記第2区画壁142aより下側から仕切部材142の前側に引き出されて、前記第2区画壁142aより上前側に配置される第2駆動ギヤ144や連繋機構141等と干渉しないようになっている。
(内部中継基板について)
前記左可動体120における可動基部122の内部には、前記可動体発光基板154および第2の駆動モータ143に一端が接続する配線156,157の他端が接続する内部中継基板(中継基板)158が配設される。この内部中継基板158は、図46に示す如く、可動基部122を構成するベース基部124a内における第2の駆動部140が配設される位置より下側において、ベース板から前側に離間した状態で配設される。内部中継基板158の前面には、左可動体120に配設された電気部品(可動体発光基板154,第2の駆動モータ143)の数に対応する前コネクタ受部158aが配設され、各前コネクタ受部158aに対応する可動体発光基板154や第2の駆動モータ143から導出する配線156,157が接続される。また内部中継基板158の前面には、前記装飾部材28の窓口28a側の縁部に沿って、上下に離間して複数のLED(発光体)158bが実装されており、各LED158bの光が、前記カバー基部125aの対応するレンズ部125cに照射されるよう構成される。なお、左可動体120における可動基部122は、前記装飾部材28における左側部光透過部32の後側において右側部が窓口28aに臨むよう構成されて、前記内部中継基板158のLED158bの光によって、窓口28a内を側方から照明し得るようになっている。すなわち、内部中継基板158は、窓口28a内を照明する発光基板としても機能している。
前記内部中継基板158の裏面には、前記前コネクタ受部158aに接続された全ての配線156,157が、該基板158に設けた回路によって集約して電気的に接続する内部中継用コネクタ受部(中継用コネクタ受部)159が設けられる。この内部中継用コネクタ受部159の接続口159aは、可動基部122における往復移動方向の一方端である下端部(作動位置に向く端部)に向けて開口し、該内部中継用コネクタ受部159の接続口159aに一端が接続する中継用配線(部品用の配線)160は、可動基部122の移動方向に沿って下側に向けて引き回される(図46参照)。また、可動基部122における下端には上下方向(往復移動方向)に貫通する挿通口122aが形成され、該挿通口122aを介して前記中継用配線160が外部(空間部131)に引き出されている。すなわち、左可動体120の内部に配設した可動体発光基板154や第2の駆動モータ143に電気的に接続する中継用配線160が該左可動体120から外部に引き出される側は、当該左可動体120を往復移動するための前記第1の駆動部121(駆動ユニット132)の配設位置に対して左可動体120の往復移動方向の反対側であり、第1の駆動部121の作動ギヤ137と前記ラック128との噛合位置に中継用配線160が臨むことがないよう構成される。なお、可動基部122の挿通口122aは、後述する外部中継基板161より前側に臨むよう設定される(図39参照)。
(外部中継基板について)
前記左対向面部55cには、図40に示す如く、前記空間部131の側方であって可動基部122の移動領域から左側方(窓口28aとは反対側)に外れた位置に、外部中継基板(基板,中継基板)161が配設される。この外部中継基板161の前面には、接続口162aを下方に向けて開口する外部中継用コネクタ受部(コネクタ受部)162が配設され、前記可動基部122の下端から引き出された前記中継用配線160の他端が、該外部中継用コネクタ受部162の下側から接続される。外部中継用コネクタ受部162は、左可動体120が待機位置に臨む状態では可動基部122の下端より下方に位置すると共に、左可動体120が作動位置に臨む状態では可動基部122の下端より上方に位置するよう設定される。また、待機位置の可動基部122の下端から引き出されて外部中継用コネクタ受部162に接続される中継用配線160は、図40に示すように、略J字状の屈曲状態で前記空間部131に臨むように構成される。そして、左可動体120が待機位置から作動位置に移動するにつれて中継用配線160は空間部内を移動しつつ、逆略J字状に屈曲する状態に変化することで、該中継用配線160に無理な力が作用しないよう構成される。
前記外部中継基板161の前面には、前記外部中継用コネクタ受部162より上側に、前記第1の駆動モータ134から導出する第1駆動用配線(駆動用の配線)163が接続される駆動用コネクタ受部(コネクタ受部)161aが設けられている。第1駆動用配線163は、前記駆動用カバー部材133の前側に配設されている第1の駆動モータ134における左側(ラック128から離間する側)に一端が接続し、図38に示す如く、駆動用カバー部材133の前側から外部中継基板161の前側に引き回されて、他端が前記駆動用コネクタ受部161aに接続される。なお、外部中継基板161は、前面が前記ラック128より前側であって、前記駆動ユニット132の前ケース133aの前面と同一レベルに臨むと共に、上端が駆動ユニット132の駆動用カバー部材133の下端と略隙間なく位置するように位置決めされて、駆動用カバー部材133の前側から外部中継基板161の前側に引き回される第1駆動用配線163が駆動用カバー部材133の前面より後方に変位しないよう構成される。また、駆動用カバー部材133の前面には、下端部近傍に配線フック133dが配設されて、該配線フック133dに第1駆動用配線163が係止される。この配線フック133dは、図42または図44に示すように、駆動用カバー部材133の前面から前側に延出して左側が開放する鈎形に形成されたものであって、当該配線フック133dの左側から係止された第1駆動用配線163が前記可動基部122の移動領域側へ変位するのを抑制し得るようになっている。
前記外部中継基板161の前面には、前記外部中継用コネクタ受部162より左側(可動基部122の移動領域から離間する側)に、該外部中継用コネクタ受部162および駆動用コネクタ受部161aに接続された全ての配線160,163が、該外部中継基板161に設けた回路によって集約して電気的に接続する集約コネクタ受部(中継用コネクタ受部)161bが設けられる。そして、この集約コネクタ受部161bに一端が接続される集約中継用配線(中継用の配線)164は、外部中継基板161の前側を後述する配線ガイド166を挟んで前記可動基部122の移動領域とは反対側を引き回され、前記裏ユニット19の裏側に引き出された後に前記裏中継基板61に他端が接続される。なお、集約中継用配線164は、前記入賞口用発光装置85の後側を引き回された後に裏ユニット19の裏側に引き出されるようになっている(図40参照)。
前記外部中継基板161の裏面には、図39に示す如く、左可動体用原位置センサ165が配設され、該原位置センサ165で前記ラック128に設けた検出片128bを検出することで、左可動体120の位置を検出可能に構成されている。なお、実施例では、左可動体120が待機位置に到来した際に、検出片128bが左可動体用原位置センサ165で検出されるよう設定される。
(配線ガイドについて)
前記外部中継基板161の前側には、図40に示す如く、左可動体120の移動に伴って移動する中継用配線160が前側および外側方(左側方)に変位するのを規制する配線ガイド166が配設されている。この配線ガイド166は、逆略J字状に形成されて外部中継基板161と平行に延在する前壁部(規制部材)166aと、該前壁部166aにおける左および下側の端縁から後側に延在する外壁部166bとから構成されて、上端が前記外部中継用コネクタ受部162の下側に臨む位置で前壁部166aと外部中継基板161の前面との間に所要の空間を画成するように配設される(図38参照)。また配線ガイド166は、外部中継基板161の前側に取り付けた状態で、上方および右側方(空間部側)に開放して、前記可動基部122から引き出されている中継用配線160を外部中継基板161との間に収容可能に構成される。更に、配線ガイド166の前壁部166aは、図40に示す如く、前記左可動体120の待機位置において、前記可動基部122の下端から引き出されている中継用配線160の下端部の前側に臨むよう位置決めされて、該中継用配線160が前側に変位するのを規制し得るようになっている。そして、左可動体120が作動位置に臨む状態では、中継用配線160は、配線ガイド166の外壁部166bに略沿った状態となって、前側および左側(空間部131から離間する側)への変位を規制するよう構成される。
なお、前記配線ガイド166は、外壁部166bが前記集約コネクタ受部161bの配設位置より右側(可動基部122の移動領域側)に位置するよう配設され、該集約コネクタ受部161bに接続して外部中継基板161の前側を引き回される前記集約中継用配線164と前記中継用配線160とが干渉するのを該配線ガイド166によって防止するようになっている。
(センサ設置部について)
前記駆動ユニット132の駆動用カバー部材133および外部中継基板161の前側には、図37,図38,図39または図40に示す如く、前記球通過ゲート36や装飾部材28におけるステージ部材29へのパチンコ球Wの球導入口30aに対する磁石による不正行為を検出する左側部磁気センサ167を配設するためのセンサ設置部168が配設されている。なお、左側部磁気センサ167は、前記左右の下磁気センサ73,75と同様に、略長方形状のケーシングの内部に、その長手方向に沿う方向に延在する一対のリード片の一部を接離可能に対向配置して構成されたリードスイッチであって、センサ設置部168に対してリード片の延在方向(ケーシングの長手方向)が上下方向となる縦向きで、かつ前記板部材18の裏面と平行となる姿勢で配設される。
前記センサ設置部168は、正面視において上下方向に長手が延在する略矩形状で、前側に開口する略トレー状に形成されたものであって、図39または図44に示す如く、前記左対向面部(後壁)55cおよび駆動用カバー部材133の前面から前側に突出するよう設けられた複数の取付けボス(突出部)169の前端にネジ止めされて、該センサ設置部168の裏面と駆動用カバー部材133および外部中継基板161の前面との間に、前記第1駆動用配線163の引き回しを許容する空間を存して配設される。すなわち、センサ設置部168は、第1駆動用配線163が前方へ変位するのを規制する規制部材としても機能するよう構成される。
前記センサ設置部168の前面にはセンサ保持部168aが形成され、該センサ保持部168aに前記左側部磁気センサ167が前述した縦向き姿勢で保持されるようになっている。センサ保持部168aに保持された左側部磁気センサ167は、前記球通過ゲート36の下方でかつ装飾部材28の球導入口30aの側方に位置して、その磁気検出可能範囲が球通過ゲート36および球導入口30aに及ぶ位置に臨むように、当該センサ設置部168の位置が設定してある。すなわち、実施例では、左側部磁気センサ167の磁気検出可能範囲は、遊技領域18aにおける装飾部材28の左側に位置する横部分を左右方向に横断する領域をカバーするようセンサ設置部168の位置が設定される。また、左側部磁気センサ167は前記統括制御装置59に接続され、該左側部磁気センサ167が磁気を検出した際には、統括制御装置59の制御下にランプやスピーカ等を用いた異常報知が行なわれるよう構成される。なお、左側部磁気センサ167から導出する配線(図示せず)は、前記裏ユニット19における左画壁部56cに設けた前記切欠部19bから裏側に引き出されて裏中継基板61を介して統括制御装置59に接続される。
前記センサ設置部168の右端部は、図44または図45に示す如く、前記左可動体120における可動基部122の左端部の前側を覆うように位置しており、該センサ設置部168における可動基部122の前側に非接触で重なる重なり部168bと前記左対向面部55cとの間を可動基部122が上下方向に往復移動するようになっている。センサ設置部168における重なり部168bの裏面は、その長手方向の全長に亘って左側から右側に向かうにつれて可動基部122から前側に退避するように傾斜している。また、センサ設置部168の重なり部168bと重なる可動基部122の左端前部には、後方に凹む凹部122bが長手方向(往復移動方向)に沿って形成され、センサ設置部168と可動基部122とが接触することなくできる限り可動基部122を前記板部材18の裏面に近接配置し得るよう構成される。
(右可動演出装置について)
前記裏ユニット19に配設された前記右可動演出装置106は、図18、図19〜図54に示すように、該裏ユニット19に取り付けられた右可動演出装置106の本体としての設置部材170と、該設置部材170に配設されて第1位置(図2、図49等参照)および第2位置(図51、図52参照)の間を往復移動可能な可動部材180と、当該設置部材170に配設されて駆動機構194を介して可動部材180に接続し、当該可動部材180を駆動する駆動手段としての駆動モータ178とから構成されている。ここで、前記駆動モータ178は、前記統括制御装置59に対して電気的に接続されており、該統括制御装置59からの制御信号に基づいて前記駆動モータ178が駆動制御されるよう構成され、図柄表示装置13の表示部に表示される図柄変動演出に関連付けた可動演出を前記可動部材180で行ない得るようになっている。
前記設置部材170は、図18、図24、図52に示すように、前記裏ユニット19の対向面部55における開口部19aの右側部(対向面部における右対向面部55d、右上隅部および右下隅部の夫々)を略全面的に覆う形状に形成される。すなわち、前記対向面部55に配設された前記側部発光基板109および隅部発光基板110の前側を、前記右可動演出装置106の設置部材170が被覆している。ここで、前記設置部材170は、光透過性の合成樹脂材により形成されており、前記側部発光基板109および隅部発光基板110に配設された各LED109a,110aの光が設置部材170を透過して前方へ照射されるようになっている。すなわち、前記右可動演出装置106の設置部材170は、前記側部発光基板109および隅部発光基板110のカバー部材としての機能を備えている。
図53に示すように、前記設置部材170には、前記板部材18に配設した装飾部材28(より具体的には隅部光透過部33)と前後に重なる下部位置に、前方へ開口する支持孔171が形成されており、該支持孔171に対して前記可動部材180を枢支する第1の回転連結軸(回転軸)172が取り付けられている。また、前記設置部材170における前記支持孔171との対応位置には、該支持孔171より大径となる大径凹部171aが前方に開口するよう形成されており、前記可動部材180(後述の揺動可動体181)に形成された円筒状突部183が回転可能に挿入されるようになっている。そして、前記設置部材170における前記遊技盤17の板部材18と前後に重なる上部位置には、前後に貫通する軸挿通孔173が形成されており、駆動軸178a(図54参照)を設置部材170の前面側から挿通した状態で前記駆動モータ178が配設されている。そして、前記軸挿通孔173に挿通した駆動軸178aに駆動ギア179が取り付けられており、前記設置部材170の裏面側に枢支された従動ギア205が駆動ギア179に噛合するよう構成されている。
すなわち、前記設置部材170において前記板部材18と前後に重なる上部位置が、前記駆動モータ178を設置する駆動機構設置部とされ、該駆動機構設置部の下方が前記可動部材180を設置する可動部材設置部とされている。なお、前記設置部材170における駆動機構設置部の前面側には、右可動体用原位置センサ174が実装されたセンサ取付基板175が配設されており、該設置部材170に形成されたセンサ挿通孔107aを介して右可動体用原位置センサ174が駆動機構設置部の裏面側に臨むようになっている。
なお、図49〜図54における符号176は、前記設置部材170(可動部材設置部)の前面に取り付けられる装飾体176であって、装飾体176で設置部材170(可動部材設置部)の前面を部分的に覆うよう構成されている。そして、前記右可動演出装置106を裏ユニット19に配設した状態では、前記板部材18に配設した装飾部材28の窓口28aを介して、前記設置部材170の装飾体176が遊技盤17の前面に露出するよう構成されている(図2参照)。
(可動部材について)
前記可動部材180は、図49〜図54に示すように、前記設置部材170(可動部材設置部)に対して揺動可能に支持される揺動可動体181(第1の可動体)と、該揺動可動体181に対して揺動可動に支持される装飾可動体185とから構成されている。そして、前記揺動可動体181に対して駆動モータ178が駆動機構194を介して接続されており、該駆動モータ178の駆動に伴って揺動可動体181が揺動する(設置部材170に対して姿勢変化する)と共に、装飾可動体185の自重により揺動可動体181に対する該装飾可動体185の姿勢が相対的に変化するようになっている。
(揺動可動体について)
前記揺動可動体181は、棒形状に形成された長尺な部材であって、前後に貫通する軸孔182a,182bが両端部に形成されている。そして、揺動可動体181の一方の軸孔182a(図53、図54における下端部側の軸孔)に挿通した前記第1の回転連結軸172を前記設置部材170の支持孔171に固定することで、揺動可動体181が設置部材170に対して揺動可能に支持されている。ここで、前記揺動可動体181の下端部には、左方向へ突出する突出部181aが形成されており、前記第1の回転連結軸172を挿通する軸孔182aを突出部181aに形成してある。また、前記揺動可動体181の他方の軸孔182b(図53、図54における上端部側の軸孔)には、前記装飾可動体185に設けられた支持軸190(後述)を介して装飾可動体185が揺動可動体181に揺動可能に支持されている。なお、以下の説明では、前記設置部材170に対して支持される軸孔を下側軸孔182aと指称し、前記装飾可動体185を支持する軸孔を上側軸孔182bと指称するものとする。
図53、図54に示すように、前記揺動可動体181の突出部181aには、後方に突出する円筒状突部183が形成されて、該円筒状突部183を前記下側軸孔182aが貫通して後方に開口しており、該下側軸孔182aに挿通された前記第1の回転連結軸172が円筒状突部183に挿通したもとで前記支持孔171に固定されている。この円筒状突部183は、前記設置部材170に形成された大径凹部171aに挿入され、可動部材180の荷重を支持し得るようになっている。また、前記揺動可動体181には、図53、図54、図56に示すように、前記上側軸孔182bの下方位置に、前方に突出する位置規制突部184(突部)が形成されており、前記装飾可動体185に形成された位置規制凹部191(後述)に対して位置規制突部184が遊嵌されるようになっている。
前記揺動可動体181には、上下の軸孔182a,182bの間(すなわち第1の回転連結軸172から偏倚した位置)に、後方に開口する軸孔182c(以下中間軸孔という)が形成されており(図54参照)、該中間軸孔182cに対して前記駆動機構194を構成する作動杆200(後述)が第2の回転連結軸202を介して回転可能に支持されている。すなわち、前記駆動モータ178の駆動により作動杆200が変位することで、前記揺動可動体181が第1の回転連結軸172を中心として揺動される。ここで、前記揺動可動体181は、後述のように、前記第1の回転連結軸172を中心に略直立するよう上方に延在した第1位置(図49等参照)と、該第1位置に対して左方向(裏ユニット19の開口部19a側)に傾倒した第2位置(図50等参照)との間を揺動し得るよう前記駆動機構194(作動杆200)に支持される。また、前記中間軸孔182cは、前記揺動可動体181の中間位置よりも第1の回転連結軸172から離間するよう偏倚して設けられ、前記作動杆200を介して揺動可動体181を揺動する際に駆動モータ178に掛る負荷を軽減するようになっている。
なお、以下の説明では、前記第1位置から第2位置に向けての前記揺動可動体181の揺動方向(図49、図50等に示す状態で第1の回転連結軸172を中心とした左回転方向)を傾倒方向と指称し、第2位置から第1位置に向けての揺動可動体181の揺動方向(図49、図50等に示す状態で第1の回転連結軸172を中心とした右回転方向)を起立方向と指称するものとする。
図55に示すように、前記揺動可動体181が第1位置にある状態では、前記第1の回転連結軸172を通る鉛直線L1に対して左側に僅かに傾倒した姿勢で揺動可動体181が保持されており、前記第1の回転連結軸172を通る鉛直線L1よりも左側(すなわち鉛直線L1よりも揺動可動体181の傾倒方向の前側)に前記装飾可動体185を支持する上側軸孔182bが位置するようになっている。すなわち、前記第1位置に保持した状態では、前記可動部材180の全体の重心が前記第1の回転連結軸172を通る鉛直線L1よりも傾倒方向の前側に位置して、常には可動部材180が自重により傾倒方向に揺動するよう付勢される。
(装飾可動体について)
前記装飾可動体185は、図53、図54、図56に示すように、前記揺動可動体181に支持される基部186に対して、各種の飾り部材187が取り付けられると共に、複数の小型可動体188が揺動可能に取り付けられている。なお、前記各小型可動体188は鈴を模した形態に形成されて、装飾可動体185の全体が鈴を集合した大型の鈴状装飾部材とされている。前記基部186の上端部には、後方に開口するよう形成された軸孔189に対して支持軸(第2の回転軸)190が取り付けられており、前記揺動可動体181の上側軸孔182bに対して該支持軸190を前側から挿通することで、該揺動可動体181に対して装飾可動体185が揺動可能に支持されている。ここで、前記揺動可動体181が第1位置にある状態では、前記装飾可動体185の略全体が前記設置部材170(可動部材設置部)の前面側に位置し、前記装飾部材28に形成された窓口28aの右側部に露出し、揺動可動体181が第2位置にある状態では、装飾可動体185の全体が裏ユニット19の開口部19aに臨んで前記図柄表示装置13の表示部の前側に位置するようになっている(図52参照)。すなわち、前記右可動演出装置106は、揺動可動体181が第1および第2位置の何れにある状態でも装飾部材28の窓口28aを介して前記装飾可動体185を遊技盤17の前側から視認し得るよう構成されている。
また、図54、図56に示すように、前記基部186における前記軸孔189の下方位置には、前記揺動可動体181に形成された前記位置規制突部184と対応する位置に、後方へ開口する位置規制凹部191(凹部)が形成されている。そして、装飾可動体185を揺動可動体181に取り付けた状態で、位置規制突部184が位置規制凹部191に遊嵌されるようになっている。ここで、前記位置規制凹部191は、前記支持軸190を中心とした装飾可動体185の揺動方向に所定長さ延在するよう形成されており、該位置規制凹部191の内部で位置規制突部184が相対的に移動可能に構成される。従って、前記装飾可動体185は、前記位置規制突部184が位置規制凹部191の内部で移動可能な範囲で、前記揺動可動体181の揺動に伴って自重により揺動可動体181に対して揺動し得るよう構成されて、該位置規制凹部191における装飾可動体185の揺動方向の縁部に位置規制突部184が係合(当接)することで、揺動可動体181に対する装飾可動体185の揺動が規制されるようになっている。すなわち前記位置規制突部184および位置規制凹部191の夫々が、相互の係合により揺動可動体181に対する装飾可動体185の揺動範囲を規制する係合手段として機能する。
ここで、前記揺動可動体181が第1位置にある状態では、前記位置規制突部184が位置規制凹部191における裏ユニット19の開口部19a側の縁部(図58では右側縁部)に係合(当接)するよう構成されて、該揺動可動体181の起立方向(図58では支持軸190を中心とした装飾可動体185の右回転方向)への装飾可動体185の揺動を規制するようになっている。すなわち、前記揺動可動体181を起立方向へ揺動して第1位置で停止した際に、装飾可動体185が慣性により揺動して前記装飾部材28や裏ユニット19の右画壁部56dに接触するのを防止している。同様に、前記揺動可動体181が第2位置にある状態では、前記位置規制突部184が位置規制凹部191における裏ユニット19の右画壁部56d側の縁部(図59では左側縁部)に係合(当接)するよう構成され、該揺動可動体181の傾倒方向(図59では支持軸190を中心とした装飾可動体185の左回転方向)への装飾可動体185の揺動を規制している。これにより、前記揺動可動体181を傾倒方向に揺動して第2位置で停止した際に、装飾可動体185が慣性により揺動して前記左可動演出装置105に接触するのを防止している。このように、実施例に係る装飾可動体185は、前記揺動可動体181に対して自由回転可能に支持したもとで、前記位置規制突部184と位置規制凹部191との係合関係により装飾可動体185が揺動可動体181に対して一定範囲で姿勢変位し得るよう構成されている。
(駆動機構について)
次に、前記可動部材180と駆動モータ178とを接続する駆動機構194について説明する。前記駆動機構194は、図53、図54、図57に示すように、前記設置部材170(駆動機構設置部)の裏面側に支軸195aを介して回転可能に配設された円板状のカム板(回転板)195と、該カム板195(具体的には後述の連繋軸197)に対して回転可能に支持されると共に前記可動部材180(揺動可動体181)に対して回転可能に支持された作動杆200とから構成されている。前記カム板195は、外周面にギア部196が形成されると共に、前記軸挿通孔173の下方位置に軸支されており、カム板195のギア部196に前記従動ギア205が噛合するようになっている。すなわち、前記カム板195は、前記従動ギア205を介して駆動モータ178に接続されて、該駆動モータ178の駆動により支軸195aを中心に正逆回転されるようになっている。なお、従動ギア205を介してカム板195を駆動モータ178に接続するようにしたが、カム板195のギア部196に駆動モータ178の駆動ギア179を噛合する構成としてもよい。
また、前記カム板195には、図53、図54、図57に示すように、該カム板195の回転中心点から偏心した位置(具体的にはカム板195の外周縁部)に、前方に突出する連繋軸(第3の回転軸)197が形成されている。前記カム板195の連繋軸197は、前記設置部材170(駆動機構設置部)に形成された前後に貫通する円弧状の案内孔177(以下円弧状案内孔という)に後方から挿通されて、該設置部材170(駆動機構設置部)の前面側に突出するよう構成されており、当該設置部材170(駆動機構設置部)の前面に突出する連繋軸197に対して前記作動杆200が回転可能に枢支されている。
図53,図54に示すように、前記作動杆200は、棒形状に形成されると共に、該作動杆200の両端部に前後に貫通する軸孔201a,201bが形成されている。そして、前記カム板195の連繋軸197が前記作動杆200の一方の軸孔201aに挿通されて、該作動杆200がカム板195に対して回転可能に支持されると共に、作動杆200の他方の軸孔201bに挿通された第2の回転連結軸202を前記揺動可動体181の中間軸孔182cに固定することで、該揺動可動体181に対して作動杆200が回転可能に支持されている。
すなわち、前記カム板195の回転により前記連繋軸197が下方移動して作動杆200が引き下げられることで、揺動可動体181が第1の回転連結軸172を中心に第2位置に向けて揺動し(図58参照)、反対に連繋軸197が上方移動して前記作動杆200が引き上げられることで、前記揺動可動体181が第1の回転連結軸172を中心に第1位置に向けて揺動する(図59参照)。なお、図58中の矢印は、揺動可動体181を第1位置から第2位置に移動する際のカム板195の回転方向を示し、図59中の矢印は、揺動可動体181を第2位置から第1位置に移動する際のカム板195の回転方向を示す。また、前記カム板195には、外周縁部に前方へ突出する原位置検出片198が設けられており(図50、図53、図57参照)、前記揺動可動体181が第1位置にある状態で前記設置部材170に設けられた右可動体用原位置センサ174が位置検出片198を検出するよう構成される。
(揺動可動体と連繋軸との関係について)
前記揺動可動体181の揺動位置と前記カム板195の連繋軸197との関係につき具体的に説明する。前記円弧状案内孔177は、図49〜図53に示すように、前記カム板195の回転中心の上方位置から右側方を通って回転中心の下方位置に至る円弧形状に形成されている。すなわち、前記第1位置にある状態では前記連繋軸197が円弧状案内孔177の上端部側に位置(カム板195の回転中心(支軸195a)よりも第2の回転連結軸202から離間位置)し、揺動可動体181を第2位置へ向けて揺動するに際しては、前記連繋軸197を円弧状案内孔177に沿って移動させるよう前記カム板195が回転(図49では右回転方向。また図58では左回転方向となる)される。同様に、前記第2位置にある状態では前記連繋軸197が円弧状案内孔177の下端部側に位置(カム板195の回転中心(支軸195a)よりも第2の回転連結軸202に近接位置)し、揺動可動体181を第1位置へ向けて揺動するに際しては、前記連繋軸197を円弧状案内孔177に沿って移動させるよう前記カム板195が回転(図50では左回転方向。また図59では右回転方向となる)されるようになっている。
ここで、図58に示すように、前記揺動可動体181が第1位置にある(連繋軸197が円弧状案内孔177の上端部側に位置する)状態では、該揺動可動体181に対する作動杆200の枢支点(第2の回転連結軸202)と、前記カム板195の回転中心点(支軸195a)とを通る直線L2に対して、揺動可動体181を第2位置から第1位置(起立方向)へ揺動する際の前記カム板195の回転方向(図58では右回転方向)に前記連繋軸197が偏って位置するよう構成されると共に、この状態で連繋軸197が円弧状案内孔177の端部に当接するようになっている(図49、図58参照)。換言すると、第1位置にある状態での連繋軸197は、第1位置から第2位置に揺動可動体181が揺動する際の回転方向(図58における右回転方向)の後方側の端部が前記設置部材170(機構設置部)に当接している。すなわち、実施例に係る右可動演出装置106では、前記第1位置にある状態において前記駆動モータ178を駆動することなく揺動可動体181を第1位置から第2位置に向けて揺動させる力が作用した場合に、前記作動杆200を介して連繋軸197が円弧状案内孔177の端部に押しつけられる方向に前記カム板195を回転する力が働くよう構成されて、円弧状案内孔177の端部と連繋軸197との当接によりカム板195の回転を規制している。
また、図59に示すように、前記揺動可動体181が第2位置にある(連繋軸197が円弧状案内孔177の下端部側に位置する)状態では、該揺動可動体181に対する作動杆200の枢支点(第2の回転連結軸202)と、前記カム板195の回転中心点(支軸195a)とを通る直線L2に対して、揺動可動体181を第2位置から第1位置(起立方向)へ揺動する際の前記カム板195の回転方向前側(図59では左回転方向)に前記連繋軸197が偏って位置するよう構成されると共に、この状態で連繋軸197が円弧状案内孔177の端部に当接するようになっている(図50、図59参照)。換言すると、第2位置にある状態での連繋軸197は、第1位置から第2位置に揺動可動体181が揺動する際の回転方向(図59では右回転方向)の前方側の端部が前記設置部材170(機構設置部)に当接している。すなわち、実施例に係る右可動演出装置106では、前記第2位置にある状態において前記駆動モータ178を駆動することなく揺動可動体181を第2位置から第1位置に向けて揺動させる力が作用した場合に、前記作動杆200を介して連繋軸197が円弧状案内孔177に沿って移動するよう前記カム板195を回転する力が働くよう構成されて、カム板195の回転を許容している。
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。
前記遊技領域18aに打ち出されたパチンコ球Wは、前記装飾部材28の遊技領域18aを、複数の遊技釘に当たることによって不規則な流路を流下する。そして、遊技領域18aを流下するパチンコ球Wが装飾部材28の前記球導入口30aから球導入部30に通入すると、該パチンコ球Wは前記ステージ部29に通出され、該ステージ部29の転動面29aを左右に転動した後に遊技領域18aに排出され、このパチンコ球Wは始動入賞装置24の上側の始動入賞口24aや左右の普通入賞口27b,34に入賞可能となる。
(装飾部材の球通路の作用について)
前記ステージ部29の転動面29aを左右に転動するパチンコ球Wは、転動する勢いによっては、該転動面29aにおける凸形状部分の頂部に対応する上方位置で開口する前記球入口45aを介してステージ部29の裏側の導入路45に通入する場合がある。導入路45に通入したパチンコ球Wは、図15,図16等に示す如く、ステージ部29の下方において前後方向に延在する球通路46に通入し、前記始動入賞装置24の上側で開口する前記球出口46aから遊技領域18aに排出される。球通路46には、図14に示すように、3条のリブ47,48,49が、中央下端に位置するように第1リブ47が設けられると共に、該第1リブ47を挟む左右位置に位置するように第2リブ48,49が設けられ、かつ左右の第2リブ48,49の離間間隔R1がパチンコ球Wの直径Rより大きく設定されている。従って、前記導入路45から球通路46に通入したパチンコ球Wは、図17(a)または(b)に示す如く、第1リブ47と左第2リブ48または第1リブ47と右第2リブ49の2点で支持された状態で球出口46aに向けて案内される。
すなわち、球通路46内を流下するパチンコWは、第1リブ47と左第2リブ48とで支持されて流下する状態、または第1リブ47と右第2リブ49とで支持されて流下する状態がランダムに生ずる。従って、3条のリブ47,48,49に対して球通路46に流入したパチンコ球Wが接触する部位が分散され、各リブ47,48,49の摩耗を軽減することができ、該パチンコ球Wの安定した誘導が長期に亘って達成される。また、図17(a)に示す如く、パチンコ球Wが第1リブ47と左第2リブ48とで支持されて球通路46を左側に偏って流下する状態と、図17(b)に示す如く、パチンコ球Wが第1リブ47と右第2リブ49とで支持されて球通路46を右側に偏って流下する状態とでは、第1リブ47に対するパチンコ球Wの接触部位も変化する。すなわち、球通路46を流下するパチンコ球Wが常に接触する第1リブ47においても、その接触部位は左右に変化して常に同じ位置が接触するものではないから、当該第1リブ47での偏摩耗を抑制でき、パチンコ球Wの安定した誘導を長期に亘って維持し得る。
また、下端部が第1リブ47で支持されるパチンコ球Wに対する左右の第2リブ48,49のパチンコ球Wに対する接触部は、図17(a),(b)に示すように、当該パチンコ球Wにおける中心を通る水平線Xと交差する外周近傍になっている。すなわち、第1リブ47と左第2リブ48または第1リブ47と右第2リブ49とでパチンコ球Wを支持する位置は周方向に大きく(パチンコ球Wの円周の略1/4)離間しているから、該パチンコ球Wを安定して誘導することができる。
ここで、前記球出口46aは、図2に示す如く、前記始動入賞装置24の上側の始動入賞口24aの鉛直上方に位置して、該球出口46aから排出されるパチンコ球Wは上側の始動入賞口24aに入賞し易くなっており、遊技者はステージ部29の転動面29aから球入口45aを介して導入路45に通入したパチンコ球Wは、高確率で始動入賞口24aに入賞するものと期待している。しかるに、球通路を流下するパチンコ球の案内が不安定となる従来のパチンコ機においては、球通路から排出されるパチンコ球が始動入賞口の直上へ誘導されず、始動入賞口へのパチンコ球の入賞確率が低くなるおそれがあり、高確率での入賞を期待する遊技者の遊技に対する興味を低下させてしまう。これに対し、実施例のパチンコ機10では、前記球通路46を流下するパチンコ球Wの安定した案内を長期に亘って維持し得るから、球通路46からはパチンコ球Wを始動入賞口24aの直上に向けて安定して誘導して排出することができ、パチンコ球Wが高確率で入賞することへの遊技者の期待に応えることができるから、遊技者の遊技に対する興味を長期に亘って維持し得る。
また、前記球通路46を画成する上壁における前記第1リブ47と対向する位置に規制リブ50を突設しているから、前記導入路45から球通路46に通入するパチンコ球Wが上方に大きく跳ねるのを規制することができる。すなわち、球通路46内でパチンコ球Wが暴れて、前記リブ47,48,49によるパチンコ球Wの案内が不安定となるのを防止しる。しかも、規制リブ50における後端下角部は弧状に形成されているから、導入路45の中間リブ51で該導入路45から球通路46へ案内されるパチンコ球Wの球通路46への通入が阻害されることもなく、リブ47,48,49によるパチンコ球Wの安定した誘導を図り得る。
なお、前記ステージ部29の転動面29aを左右に転動するパチンコ球Wは、前記後壁部44によって前記図柄表示装置13の表示部側へ移動するのは規制されているから、該表示部がパチンコ球Wによって傷付くのを防止し得る。また後壁部44は、透明で後方に位置する前記下部発光基板111におけるLED111aの発光により照明される装飾カバー119を透して見ることができるから、パチンコ球Wの移動規制のための後壁部44によって装飾効果が低下することはない。
(表示器の作用について)
前記装飾部材28の横部分の遊技領域18aを流下するパチンコ球Wが前記球通過ゲート36を通過すると、前記球検出センサ35によるパチンコ球Wの検出信号が主制御装置に入力され、該主制御装置において実行される普通図柄の抽選結果が、前記表示器90の普通表示部93に表示される。そして、主制御装置における普通図柄の抽選結果が「開閉動作あり」の場合には、前記始動入賞装置24に設けた開閉羽根25,25が所定時間および所定回数だけ開放制御され、前記下側の始動入賞口24bへのパチンコ球Wの入賞確率が高くなる。これに対し、主制御装置における普通図柄の抽選結果が「開閉動作なし」の場合には、該開閉羽根25,25の開放制御は行なわれない。
また、前記始動入賞装置24の上下の始動入賞口24a,24bにパチンコ球Wが入賞したことを図示しない球検出センサが検出すると、その検出信号が主制御装置に入力され、該主制御装置において実行される特別図柄の抽選結果が、前記表示器90の特別表示部91に表示される。そして、主制御装置における特別図柄の抽選結果が「当り」となった場合は、前記特別入賞装置26の開閉扉26bが閉状態から開状態に作動することで特別入賞口26aを開放し、多数の賞球の獲得が可能となる。なお、始動入賞装置24の始動入賞口24a,24bへのパチンコ球Wの入賞を契機とした前記特別表示部91での図柄変動の開始から、該図柄変動の結果としての当りと外れの確定までの間において、前記図柄表示装置13では、特別表示部91で行われる図柄変動ゲームに係わる図柄変動演出が行なわれて、遊技者に期待感や優越感等が与えられる。また、遊技盤17に配設される各種の可動演出装置105,106,138や発光装置39,85,107,108や発光基板109,110,111,154,158の各LED40a,86a,112a,116a,154a,109a,110a,111a,158bが、前記統括制御装置59によって図柄変動ゲームに応じた演出で制御されて、遊技の興趣が高められる。
前記表示器90は、図29または図30に示す如く、前記裏ユニット19に設けた表示設置部100に配設され、該表示器90の表示基板96から導出する表示器用配線97は、裏ユニット19の収容壁部71aに形成した配線挿通口71cを介してユニット裏側に引き出されている。すなわち、前記板部材18の裏側に裏ユニット19を取り付ける際に、前記表示器90から導出する表示器用配線97が板部材18との間で挟み込まれるのを注意することなく取り付け作業を行なうことができ、作業性を良好とし得る。また、表示基板96から導出する表示器用配線97を裏ユニット19の裏側に引き出す配線挿通口71cは、該表示器90の後方に臨む部位に形成されているから、表示器用配線97を裏ユニット19の裏側に簡単に引き出すことができる。そして、裏ユニット19の裏側に引き出された表示器用配線97は、前記下部構造体53の基板設置部60に取り付けた裏中継基板61に接続される。
また前記表示器90には、前述したように特別表示部91、ラウンド回数表示部92、普通表示部93、特別保留表示部94および普通保留表示部95等の複数の表示部が一枚の表示基板96に纏めて設置され、これら各表示部91,92,93,94,95に接続する配線も纏められている。従って、各表示部91,92,93,94,95に接続する配線を纏めた表示器用配線97の取り扱いが容易で、配線処理を簡略化することができる。
実施例では、正面視で右側に位置する表示器90の表示器用配線97は、正面視で左側に設けられた左基板設置部60に取り付けた裏中継基板61に接続される。この場合に、裏ユニット19の裏側を右側から左側に引き回される表示器用配線97は、図21に示す如く、前記図柄表示装置13の下側を支持する位置決め突部57、下対向面部55bおよび突部66で画成される空間67に収容された状態で引き回され、該表示器用配線97が上方や後方へ変位するのは位置決め突部57や突部66で規制される。従って、裏ユニット19の裏側に図柄表示装置13を取り付ける際に、表示器用配線97を図柄表示装置13との間で挟み込むのを防止することができる。
前記表示設置部100は、図28または図30に示す如く、裏ユニット19の前面から突出した状態で該ユニット19に配設される。また、該表示設置部100に取り付けられた表示器90において、遊技者が最も注目する特別遊技の抽選結果を表示する前記特別表示部91は、表示設置部100に形成した第1の孔部102に裏側から収容されて、該特別表示部91は、その前面が表示設置部100の最前面に臨むよう構成されている。そして、前記板部材18の裏側に裏ユニット19を取り付けた際には、図28に示す如く、板部材18に配設した前記装飾部材28の右下隅部に設けた隅部光透過部33の裏側に表示設置部100の前面が近接して臨む。また表示設置部100の第1の孔部102は、隅部光透過部33の対応する透明部33aの裏側に位置しており、遊技盤17の前側から透明部33aを介して前記表示器90の特別表示部91を明確に視認することができる。
また、前記表示器90の特別表示部91以外の各表示部92,93,94,95が後側に臨む表示設置部100の各第2の孔部103は、隅部光透過部33の対応する透明部33bの裏側に夫々臨んでおり、各表示部92,93,94,95を遊技盤17の前側から視認することができる。なお、各第2の孔部103の後端部に、対応する各表示部92,93,94,95のLED92a,92b,92c,93a,93b,95a,95b,98a,98b,99a,99bを個々に収容しているから(図28参照)、各LED92a,92b,92c,93a,93b,95a,95b,98a,98b,99a,99bの点灯時には他のLEDの光と明確に区別することができる。更に、前記板部材18の裏側に裏ユニット19を取り付けた状態で、隅部光透過部33における第1透明部33aの周囲裏面に表示設置部100の前面が当接すると共に、隅部光透過部33における第2透明部33bの周囲裏面に表示設置部100の各第2の孔部103が形成される突出部104の前面が当接するようになっているから、該隅部光透過部33によっても裏側に臨む各表示部91,92,93,94,95からの光を明確に区分することができ、何れの遊技状態であるのかを遊技者が誤認するのを防止し得る。
(窓側部用発光装置の作用について)
前記装飾部材28の左側部光透過部32に配設された窓側部用発光装置39のLED40aを発光することで、該左側部光透過部32の内側壁部32bに向けて光が照射され、装飾部材28の窓口28aの左側部が照明される。窓側部用発光装置39の配配位置は、前記始動入賞装置24の羽根部材25,25を開放させるための普通図柄の抽選を行なう契機となる前記球通過ゲート36の配設位置、および始動入賞装置24の始動入賞口24a,24bへの入賞確率が高くなる球通路46への通入の可能性のあるステージ部29へパチンコ球Wを通入する球導入口30aの形成位置に近接している。すなわち、遊技者が注目する球通過ゲート36や球導入口30aの近傍を窓側部用発光装置39で発光演出することができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記球通過ゲート36が設けられる装飾部材28のゲート飾り部材37におけるセンサ保持部37aは、前記板部材18における第1の貫通口21aに連通する貫通孔22に収容されている。そして、球通過ゲート36に配設した前記球検出センサ35の後端に一端が接続するセンサ用配線38は、図9または図10に示す如く、前記板部材18の裏面に形成されて貫通孔22と連通する前記溝部23に収容された状態で、前記裏ユニット19の左画壁部56cを挟んで内側から外側に引き回されることで裏ユニット19の外側に引き出され、前記裏中継基板61に接続される。
前記貫通孔22は、板部材18に形成されて前記装飾部材28の本体部分が嵌め込まれる前記第1の貫通口21aに連通しており、該貫通孔22の内側方に臨む前記左側部光透過部32に配設されている窓側部用発光装置39の窓用発光基板40から導出する部品用配線43は、図9または図10に示す如く、前記貫通孔22および溝部23を介して裏ユニット19の左画壁部56cを挟んで内側から外側に引き回されることで裏ユニット19の外側に引き出され、前記裏中継基板61に接続される。すなわち、前記球通過ゲート36に設けた球検出センサ35のセンサ用配線38を裏ユニット19の裏側に引き出すための溝部23を利用して、窓口28aの内側部を照明する窓側部用発光装置39の部品用配線43を裏ユニット19の裏側に引き出すよう構成したから、板部材18や裏ユニット19に部品用配線43のための専用の挿通口等を形成する必要はなく、板部材18や裏ユニット19の構成を簡略化し得ると共に製造コストを低廉に抑えることができる。
前記左側部光透過部32における窓側部用発光装置39を収容する収容部32dを画成する外側壁部32aには、前記第1の貫通口21aと貫通孔22との連通部に臨んで前記部品用配線43を挿通する側開口42が設けられているから、該側開口42に挿通した部品用配線43を板部材18の裏面より後方に突出させることなく前記溝部23まで引き回すことができる。すなわち、板部材18の第1の貫通口21aより内側に位置する窓側部用発光装置39に接続する部品用配線43を、裏ユニット19の内側において板部材18の裏側に突出させることなく引き回すことができ、該部品用配線43が裏ユニット19の内側に配設される各種部品と干渉するのを防止し得る。また、部品用配線43が挿通された側開口42の後部開口側は、窓側部用発光装置39における窓用発光基板40を保持する取付部材41に設けた閉塞片41dにより閉塞されているから、部品用配線43が側開口42から後方に抜けて板部材18の後方に突出するのを確実に防ぐことができる。
前記窓側部用発光装置39の窓用発光基板40に対して部品用配線43の一端を接続するコネクタ受部40cは、図9に示す如く、前記第1の貫通口21aと貫通孔22との連通部の側方に臨んでいるから、該コネクタ受部40cに一端を接続した部品用配線43を貫通孔22および溝部23に向けて引き回し易く、かつ引き回し距離を短かくすることができる。また、前記裏ユニット19における前記溝部23と交差して位置する左画壁部56cには、図4または図10に示す如く、板部材18の溝部23と対応する位置に前記切欠部19bが上下方向に所定長さで形成されているから、溝部23から裏ユニット19の外側に引き出されるセンサ用配線38や部品用配線43が左画壁部56cの前端縁に接触するのを抑えて、該配線38,43が傷付くのを抑制し得る。
(カバー体の作用について)
前記遊技領域18aに打ち出され、前記ステージ部29に通入することなく該遊技領域18aを流下するパチンコ球Wまたはステージ部29の転動面29aあるいは球通路46の球出口46aから遊技領域18aに排出されたパチンコ球Wは、複数の遊技釘に当たることによって不規則な流路を流下し、前記入賞口用飾り部材27に設けた左普通入賞口27bに入賞することがある。最上部に位置する左普通入賞口27bに入賞したパチンコ球Wは、前記樋部27dを介して左排出用球通路76における第1縦通路78に通入し、傾斜通路81を介して第3縦通路80に案内されて、該第3縦通路80の下流端に形成した球排出口80aを介して機外(球回収部)に排出される。また、中間に位置する左普通入賞口27bに入賞したパチンコ球Wは、前記樋部27dを介して左排出用球通路76における第2縦通路79に通入し、傾斜通路81を介して第3縦通路80に案内されて、前記球排出口80aを介して機外(球回収部)に排出される。更に、最下部に位置する左普通入賞口27bに入賞したパチンコ球Wは、前記樋部27dを介して左排出用球通路76における第3縦通路80に通入し、前記球排出口80aを介して機外(球回収部)に排出される。
前述したように入賞口用飾り部材27に設けた3つの左普通入賞口27bに入賞したパチンコ球Wは、裏ユニット19に設けた左排出用球通路76の第3縦通路80に集合され、該第3縦通路80の下流端部に配設した左普通入賞センサ83で該パチンコ球Wが検出されることで、所定数の賞球が払い出される。また、入賞口用飾り部材27に設けられた光透過部材27cは、裏ユニット19に配設された前記入賞口用発光装置85のLED86aを発光することで裏側から照明され、遊技者が注目する左普通入賞口27bの周囲で発光演出することで遊技の興趣を高めることができる。
ここで、前記入賞口用飾り部材27の光透過部材27cを裏側から照明する入賞口用発光装置85は、図26に示す如く、入賞口用飾り部材27の樋部27dが収容されるように前記板部材18に形成した第3の貫通口21cに収容された状態で、前記左排出用球通路76の前側に位置している。この場合において、板部材18にルーター加工により形成された前記第3の貫通口21cの内周縁と、該第3の貫通口21cに収容される入賞口用発光装置85の外周縁との間には隙間を生じ、該隙間の部分において左排出用球通路76が第3の貫通口21c側に開口していると、該左排出用球通路76を流下するパチンコ球Wの流れが隙間によって乱れるおそれがある。
しかしながら、実施例のパチンコ機10では、前記左排出用球通路76において、前記各縦通路78,79,80と樋部27d,27d,27dとの連通部を除く部位の前面開口をカバー部材89で覆っているから、第3の貫通口21cの内周縁と入賞口用発光装置85の外周縁との間に生ずる隙間において左排出用球通路76の前面開口は開口していない。すなわち、左排出用球通路76に通入したパチンコ球Wの前側は、カバー部材89で案内されるから、隙間に起因して左排出用球通路76内をパチンコ球Wがスムーズに流れなくなるのを防止でき、球詰まりの発生を抑制し得る。また、隙間を極力小さくするために第3の貫通口21cや入賞口用発光装置85におけるケース体87の加工精度を上げる必要はなく、製造コストが上昇するのを抑制し得る。
前記カバー部材89は、本体板89aの外周縁部に形成した複数の係合部89bの夫々を、左排出用球通路76を画成する通路用壁部82に形成した対応する被係合部82aに係合することで、該本体板89aが左排出用球通路76の前面開口を覆う位置にずれなく確実に位置決めされ、該カバー部材89の位置ずれにより前記隙間部分で前面開口が開口してしまうのを確実に防ぐことができる。また、左排出用球通路76に対して位置決めされたカバー部材89は、前記裏ユニット19に取り付けられる入賞口用発光装置85と通路用壁部82とで挟持されて左排出用球通路76から脱落しないよう構成してあるから、カバー部材89を固定するための専用の部材を必要とせず、構成が簡単になる。
なお、前記入賞口用発光装置85における左排出用球通路76の前面開口に重なる部分の裏側は、前記カバー部材89が存在しているから、左排出用球通路76を流下するパチンコ球Wが前記入賞用発光基板86に接触するのは防止される。すなわち、入賞口用発光装置85においては、入賞用発光基板86を配設するケース体87として後方に開放する構成のものを用いることができ、該入賞用発光基板86の裏面を保護するためのカバー等を必要とせず、入賞口用発光装置85を構成する部品点数を低減し得ると共に構成を簡略化し得る。
(磁気センサの作用について)
ここで、前記表示器90による図柄変動ゲームを開始させる契機となる始動入賞装置24の始動入賞口24a,24bは、不正行為を意図している不正遊技者が磁石を用いた不正行為で狙われ易い部位である。この不正行為としては、前記前枠14のガラス板に近づけた磁石でパチンコ球Wを吸着して、上側の始動入賞口24aや開放状態となった下側の始動入賞口24bに直にパチンコ球Wを入賞させる行為や、遊技領域18aに植設されている遊技釘により形成される所定の通路に磁石でパチンコ球Wを集めてわざと詰まらせることで、前記始動入賞口24a,24bへ向けてパチンコ球Wを高確率で流下させるようにする行為が挙げられる。しかるに、前記始動入賞口24a,24bに直にパチンコ球Wを入賞させる不正行為や、前記パチンコ球Wをわざと詰まらせる不正行為がなされた場合は、始動入賞口24a,24bへの入賞確率が異常に上昇するため、遊技店では不正行為を容易に知ることができる。このため、不正遊技者は、始動入賞口24a,24bを直接狙うことなく、前記羽根部材25,25を開放させる契機となる球通過ゲート36へのパチンコ球Wの通過確率を高めたり、ステージ部29にパチンコ球Wがより多く取り込まれるように、球通過ゲート36や球導入口30aに対して前述した不正行為を行なう場合がある。
この場合に、前記板部材18の裏側における前記遊技領域18aの横部分の後方に、図37に示す如く、前記左側部磁気センサ167が配設され、しかも該磁気センサ167は、磁気検出可能範囲が、球通過ゲート36および球導入口30aに及ぶ位置に臨むように配置されている。従って、球通過ゲート36や球導入口30aの前側に臨むガラス板に磁石が近づけられたときには、該磁石の磁力を左側部磁気センサ167で検出して不正行為が行なわれていることを発見することができる。そして、左側部磁気センサ167が磁気を検出した場合は、前記統括制御装置59の制御下に異常報知が行なわれ、不正行為を防ぐことができる。
前記球通過ゲート36および球導入口30aが臨む遊技領域18aの横部分は上下方向に長い部分であり、前記左側部磁気センサ167を、前述したようにリード片の延在方向が前記板部材18の裏面と平行で、かつリード片の延在方向が上下方向に沿う縦向き姿勢で配置することで(図37参照)、1つの左側部磁気センサ167による磁気を検出し得る範囲は上下方向に長い横部分に対応し、複数の磁気センサを用いることなく球通過ゲート36および球導入口30aに及ぶ広範囲での磁石による不正行為を検出することが可能となり、コストを低廉に抑えることができる。また、図38に示す如く、前記板部材18の裏面に対向して左側部磁気センサ167を裏ユニット19に配設することで、左側部磁気センサ167と板部材18の前面との離間距離は短かくなるから、検出感度の低い磁気センサを使用することが可能となり、コストを低減することができる。しかも、左側部磁気センサ167のセンサ設置部168を裏ユニット19に設け、かつ左側部磁気センサ167の姿勢を長手方向(リード片の延在方向)が上下方向に沿うようにしているから、板部材18の後方に左側部磁気センサ167が大きく突出することはなく、左側部磁気センサ167が他の部材の取り付けの障害となることはない。
前記板部材18の裏側における前記始動入賞装置24の左右両側に、図18に示す如く、前記下磁気センサ73,75が配設され、しかも該磁気センサ73,75は、磁気検出可能範囲が、始動入賞装置24の上下の始動入賞口24a,24bおよび該始動入賞口24a,24bの左右側方の遊技領域18aにおけるパチンコ球Wをわざと詰まらせる対象となる領域に及ぶ位置に臨むように配置されている。従って、上下の始動入賞口24a,24bの前側に臨むガラス板および前記領域に臨むガラス板に磁石が近づけられたときには、該磁石の磁力を下磁気センサ73,75で検出して不正行為が行なわれていることを発見することができる。そして、下磁気センサ73,75が磁気を検出した場合は、前記統括制御装置59の制御下に異常報知が行なわれ、不正行為を防ぐことができる。すなわち、実施例のパチンコ機10は、前記球通過ゲート36や球導入口30aを介して始動入賞口24a,24bを関接的に狙う不正行為のみならず、該始動入賞口24a,24bを直接的に狙う不正行為をも検出することができる。
ここで、不正遊技者は、磁石を用いて前記左右の普通入賞口27b,34に直にパチンコ球Wを入賞させることで、賞球を不正に稼ぐ行為を行なう場合がある。しかしながら、前記左右の下磁気センサ73,75の磁気検出可能範囲は、左右の普通入賞口27b,34にも及ぶように設定されているから、該普通入賞口27b,34に直にパチンコ球Wを不正入賞させるためにガラス板に近づけた磁石の磁気も、該下磁気センサ73,75で検出することができる。すなわち、下磁気センサ73,75では、始動入賞装置24へのパチンコ球Wの誘導確率を不正に上げるための行為および普通入賞口27b,34へ直にパチンコ球Wを不正入賞させる行為の何れをも検出することができる。また、下磁気センサ73,75の磁気検出可能範囲は、特別入賞装置26の特別入賞口26aにも及ぶように設定されているから、「大当り」の発生時において特別入賞口26aが開放された際に、パチンコ球Wを磁石を用いて不正入賞させる行為も検出することができる。
(左可動演出装置の作用について)
前記遊技盤17に配設される前記左可動演出装置105では、前記第1の駆動モータ134を正逆駆動することで、前記作動ギヤ137が正逆回転し、該作動ギヤ137に噛合するラック128との噛合作用下に、左可動演出装置105の左可動体120は、裏ユニット19の左対向面部55cに配設したレール部材130に転がり軸受129で支持された状態で、図2や図18に示す待機位置と図33に示す作動位置との間をレール部材130に沿って上下動する。左可動体120は、レール部材130に転がり軸受129を介して支持される可動基部122に対して横方向に腕部123が延出する上下反転したL字形状に形成されており、該腕部123の荷重が可動基部122のみで支持される片持ち支持形態となっているが、該左可動体120の移動支持構造として可動基部122の長手方向(往復移動方向)に所定長さを有する転がり軸受129を用いることで、左可動体120を、前記レール部材130に沿って上下方向に直線的にスムーズかつ安定して往復移動することができる。
また、前記左可動体120に配設された前記副可動演出装置138においては、前記第2の駆動モータ143を正逆駆動することで、前記連繋機構141を介して腕部123に配設された左右一対の副可動体139a,139bが、図18に示す相互に近接した待機位置と、図33に示す相互に離間した作動位置との間を左右に往復移動する。実施例のパチンコ機10では、前記装飾部材28の窓口28aに臨む左可動体120の腕部123を上下動させる動作と、該腕部123において一対の副可動体139a,139bを左右に移動させる動作とを遊技者に視認させることができ、複数の動作を組合わせることによる演出効果を向上し得る。
前記副可動体139a,139bを動作させる第2の駆動モータ143を含む第2の駆動部140は、図46に示す如く、左可動体120におけるレール部材130に直に支持される可動基部122に配置されており、該第2の駆動部140の荷重をレール部材130で直に支持することができる。すなわち、前記レール部材130に対して片持ち支持されている左可動体120において、可動基部122に第2の駆動部140を設けることで、可動基部122と腕部123との連結部に加わる負荷を小さくすることができ、左可動体120の円滑な動作を確保し得る。
(副可動演出装置の作用について)
前記副可動演出装置138では、第2の駆動モータ143の正逆駆動によって第2駆動ギヤ144が正逆回転し、該ギヤ144に歯部145aを介して噛合する前記第1連杆145が、長孔145b,145bに挿通された案内ピン142b,142bに案内されて左右方向に往復移動する。そして、第1連杆145に右連結ピン145cと左連結孔146aとの係合によって連結される第2連杆146および該第2連杆146に右連結孔146bと左連結ピン147aとの係合によって連結される第3連杆147が、第1連杆145の左右方向の往復移動に伴って左右方向に往復移動する。第3連杆147には、前記左副可動体139aが連結されているから、該左副可動体139aも第1連杆145の移動に伴って左右方向に往復移動する。また、第3連杆147の歯部147cが上側で噛合する前記ピニオン150に対し、前記右副可動体139bに連結した前記ラック部材151の歯部151aが下側で噛合している(図48参照)。従って、第3連杆147の移動方向とは逆方向に右副可動体139bが移動することになり、よって左右の副可動体139a,139bは相互に近接移動したり離間移動する。
前記第2の駆動部140の動力を副可動体139a,139bに伝達するための連繋機構141を、3本の連杆145,146,147で構成したから、該連繋機構141の構成は簡単でかつ小さなスペースに配設することができる。すなわち、左可動体120において連繋機構141が配設される前記腕部123をコンパクト化して軽量化を図ることができ、連繋機構141に起因する可動基部122と腕部123との連結部に加わる負荷を低減し得る。また、腕部123に複数の副可動体139a,139bを配設することで演出効果を向上し得るもとで、1つの連繋機構141によって一対の副可動体139a,139bを動作するよう構成したから、1つの駆動モータの動力を別々の連繋機構によって各副可動体に伝達する場合に比べ、構成を簡略化して軽量化を図ることができ、連繋機構141に起因する可動基部122と腕部123との連結部に加わる負荷をより低減することが可能となる。
前記第1連杆145に第2連杆146を介して連結される第3連杆147に設けられた検出片147dは、前記可動体発光基板154に設けられた副可動体用原位置センサ155で検出するよう構成されている。すなわち、副可動演出装置138においては、連繋機構141にピニオン150およびラック部材151を介して連繋されて作動される右副可動体139bではなく、連繋機構141により直接作動される左副可動体139aの位置を検出するよう構成したので、該両副可動体139a,139bの位置を精度よく検出し得る。
なお、前記左可動体120は、前記待機位置において腕部123に設けた金属片152が、前記第2の上部発光装置108に設けた磁石153で磁力吸着されることで、該左可動体120は待機位置に保持されるので、副可動体139a,139bが動作した際にも左可動体120が移動するのは防止され、意図しない動作が行なわれるのを防ぐことができる。また、左可動体120を常に待機位置に保持するように前記第1の駆動モータ134を駆動制御する必要はなく、該駆動モータ134の負担が増えたり制御系が複雑となるのを防止し得る。
(センサ設置部の作用について)
前記駆動ユニット132の駆動用カバー部材133および外部中継基板161の前側に配設される前記センサ設置部168は、図38,図39または図44に示す如く、裏ユニット19の左対向面部55cおよび駆動用カバー部材133に突設した複数の取付けボス169を介して、センサ設置部168の裏面と駆動用カバー部材133および外部中継基板161の前面との間に所要の空間を存して配設されている。またセンサ設置部168の右端部は、図44または図45に示す如く、前記左可動体120における可動基部122の左端部の前側を覆うように位置しており、該可動基部122が前方に大きく変位するのをセンサ設置部168で規制し得る。すなわち、裏ユニット19に左側部磁気センサ167を配設するためのセンサ設置部168を、可動基部122が前方に変位するのを規制する手段として兼用することで、可動基部122の前方変位を規制する手段を別途設ける必要はなく、左側部磁気センサ167および可動基部122の設置部位に設ける部品点数を低減して構成を簡略化することができ、コストを低減し得る。
また、前述したように左側部磁気センサ167は、その長手方向が上下方向に沿う姿勢で配設され、該左側部磁気センサ167を保持するセンサ設置部168も長手方向が上下方向に沿って延在している。すなわち、センサ設置部168における可動基部122との重なり部168bは、長手方向が可動基部122の往復移動方向に沿って延在しているから、当該重なり部168bによって可動基部122の前方への変位を長い領域に亘って規制することができる。
前記センサ設置部168における可動基部122との重なり部168bの裏面は、その長手方向の全長に亘って左側から右側に向かうにつれて可動基部122から前側に退避するように傾斜しているから、重なり部168bの裏面が可動基部122の前面と平行な場合に比して、該可動基部122を遊技盤17(板部材18)の前面に近づけて配置することができる。すなわち、動作により演出を行なう左可動体120を可能な限り前側に配置することができ、左可動体120の動作による迫力のある演出効果が期待できる。また実施例では、センサ設置部168の重なり部168bと重なる可動基部122の左端前部に、後方に凹む凹部122bを長手方向に沿って形成しているから、可動基部122をセンサ設置部168に接触することなく更に前側に配置することができ、左可動体120のより迫力のある演出効果が期待できる。
前記センサ設置部168は、複数の取付けボス169の前端に取り付けることで、前記左対向面部55cとの間に前記可動基部122の移動空間を確保したもとで、該センサ設置部168に配設される左側部磁気センサ167を前記板部材18の裏面に近接することができる。すなわち、左側部磁気センサ167の検出感度を低くしても、その磁気検出可能範囲として、検出対象となる前記球通過ゲート36や球導入口30aに対する磁石による不正を十分に検出可能な範囲を確保することができ、コストを低減し得る。
(左可動演出装置の配線処理の作用について)
前記左可動体120における腕部123の右端部の意匠部123aに配設される可動体発光基板154から導出する発光用配線156は、図46に示す如く、前記ベース腕部124bに設けた第1区画壁126および第2の駆動部140を左可動体120に配設するための前記仕切部材142に設けた第2区画壁142aにより前記連繋機構141が配設される空間とは仕切られた空間を可動基部122側に引き回された後、該可動基部122に配設された前記内部中継基板158に接続される。また、前記副可動演出装置138の第2の駆動部140を構成する第2の駆動モータ143からは、前記仕切部材142の後側から第2駆動用配線157が導出し、該配線157は、仕切部材142における第2区画壁142aで連繋機構141が配設される空間とは仕切られた下側から前記内部中継基板158の前側に引き出されて該基板158に接続される。すなわち、左可動体120に配設された電気部品としての可動体発光基板154および第2の駆動モータ143から導出する発光用配線156および第2駆動用配線157は、何れも区画壁126,142aで連繋機構141が配設される空間とは仕切られた空間を引き回されるから、該配線156,157が連繋機構141に引掛かったり干渉するのを防止し得る。これにより、配線156,157が損傷したり、連繋機構141の動作が阻害されるのを防ぐことができ、前記副可動体139a,139bのを円滑な動作を確保し得る。
前記内部中継基板158の裏面に設けられた前記内部中継用コネクタ受部159に差込み接続されて前記配線156,157に電気的に接続する中継用配線160は、前記可動基部122に設けられた挿通口122aを介して外部に引き出された後、前記裏ユニット19の左対向面部55cに配設した前記外部中継基板161に接続される。実施例では、左可動体120に配設した可動体発光基板154および第2の駆動モータ143から導出して内部を引き回される配線156,157を、該左可動体120の内部に配設した内部中継基板158に一旦接続し、これら全ての配線156,157に電気的に接続する中継用配線160のみを左可動体120から外部に引き出している。すなわち、個々の配線156,157を左可動体120から外部に引き出して処理する必要はないから、往復移動する左可動体120から引き出されている配線の処理は簡単になる。また、左可動体120から引き出されている配線が、左可動体120やラック128等に接触するのを保護するための構成について、中継用配線160のみを対象として設ければよく、複数の配線を保護するための構成を個々に設ける必要はなく、構成を簡略化してコストを低廉に抑えることができる。
ここで、実施例の左可動体120は、ラック128を用いて上下方向に往復移動する構成であり、該左可動体120の移動範囲を大きくして動作による演出効果を向上する場合は、前記ラック128の寸法を長くする必要がある。そして、ラック128を長くした場合は、該ラック128を安定して配設するために前記可動基部122の寸法も長くすることで(実施例ではラック128と可動基部122とは略同一長さに設定されている)、前記内部中継基板158を配設するスペースを確保することができる。すなわち、左可動体120の動作を大きくするために生じた可動基部122のスペースを利用して内部中継基板158を配設することができ、スペースの有効利用が図られる。また実施例では、内部中継基板158にLED158bを実装して発光基板としても利用しており、可動基部122の内部空間をより有効に利用しているといえる。
前記内部中継基板158に配設されて前記中継用配線160が接続される内部中継用コネクタ受部159の接続口159aは、可動基部122の挿通口122aに向いて開口しているから(図46参照)、該中継用配線160を挿通口122aまで引き回す際に該配線160を屈曲させる必要はなく、中継用配線160に負荷が加わるのを防止し得る。また挿通口122aは、可動基部122の往復移動方向に沿う方向に開口し、かつ引き出された中継用配線160は前記空間部131内を往復移動方向に沿って引き回されているので(図40参照)、左可動体120の移動時に中継用配線160も空間部131内を往復移動方向に沿って移動することで移動時に加わる負荷を軽減し得る。更に、可動基部122から引き出された中継用配線160が引き出される空間部131は、該可動基部122の往復移動を許容するために設けられたものであるから、中継用配線160を引き回すための専用の空間を確保する必要はなく、構成を簡略化し得る。
前記可動基部122から前記中継用配線160が外部に引き出される側は、図40に示す如く、左可動体120の待機位置において、作動位置に向く下側であるのに対し、当該左可動体120を動作させる前記第1の駆動部121が配設される駆動ユニット132は可動基部122の下端とは反対の上端側に偏倚して配設されている。すなわち、中継用配線160が左可動体120から外部に引き出される側は第1の駆動部121の配設位置に対して左可動体120の往復移動方向の反対側であり、第1の駆動部121の作動ギヤ137と前記ラック128との噛合部に中継用配線160が臨むことがなく、該配線160が作動ギヤ137とラック128との噛合部に接触したり噛み込まれることはなく、左可動体120の円滑な動作を確保し得ると共に中継用配線160が損傷するのを防ぐことができる。また、前記第1の駆動部121において第1の駆動モータ134で回転駆動される第1駆動ギヤ135および中間ギヤ136は駆動用カバー部材133に収容され、前記ラック128と噛合する作動ギヤ137は、一部のみが駆動用カバー部材133から突出しているのみであるから、これらギヤ群に前記中継用配線160が接触するのも防止される。
前記外部中継基板161は、図39に示す如く、前面が前記ラック128より前側に位置するよう設けられている。また、前記可動基部122における該外部中継基板161より前側に位置する前記挿通口122aから引き出された前記中継用配線160は、外部中継基板161の前面に配設した外部中継用コネクタ受部162に接続されている。すなわち、外部中継基板161を利用して中継用配線160の引き回し空間とラック128とを仕切ることができるので、中継用配線160がラック128と接触したり引っ掛かるのを防止することができ、左可動体120の円滑な動作を確保し得ると共に中継用配線160が損傷するのを防ぐことができる。また、中継用配線160の引き回し空間とラック128とを仕切る部材として外部中継基板161を用いることで、専用の仕切り部材等を必要とせず、構成を簡略化してコストの低減を図り得る。
前記外部中継基板161の前側を引き回されている前記中継用配線160は、図38または図40に示す如く、前記配線ガイド166と外部中継基板161との間に収容されて、左可動体120が往復移動する際に該中継用配線160が前側および左側方に変位するのは規制される。すなわち、中継用配線160が前側へ変位して板部材18や該板部材18に配設される各種部品等に接触することで、左可動体120の円滑な移動を阻害するのを防止し得る。また、外部中継基板161に接続される前記集約中継用配線164の引き回し空間と中継用配線160の引き回し空間が配線ガイド166により仕切られているから、中継用配線160が集約中継用配線164と干渉して左可動体120の円滑な移動を阻害するのは防止される。
前記第1の駆動部121を構成する前記第1の駆動モータ134に一端が接続する第1駆動用配線163は、図38に示す如く、駆動用カバー部材133の前側から外部中継基板161の前側に引き回されて、該外部中継基板161の前面に設けられる駆動用コネクタ受部161aに接続されている。駆動用カバー部材133の前面および外部中継基板161の前面は、何れも前記ラック128より前側に位置しているから、引き回し途中の第1駆動用配線163がラック128側に変位することはなく、第1駆動用配線163が作動ギヤ137とラック128との噛合部またはラック128と接触したり引っ掛かるのを防止することができ、左可動体120の円滑な動作を確保すると共に第1駆動用配線163が損傷するのを防ぐことができる。
なお、前記第1駆動用配線163と第1の駆動モータ134との接続位置は、図40に示すように、該第1の駆動モータ134を挟んでラック128の配設側とは反対側になっているから、第1駆動用配線163の第1の駆動モータ134からの引き回し初期において該第1駆動用配線163がラック128の配設側(可動基部122の移動領域側)に変位するのは抑制される。また、第1駆動用配線163は、引き回し途中において前記駆動用カバー部材133に配設した前記配線フック133dに係止されており、該配線フック133dによっても第1駆動用配線163がラック128の配設側(可動基部122の移動領域側)に変位するのは抑制される。すなわち、第1の駆動モータ134と外部中継基板161との間を引き回される第1駆動用配線163は、ラック128の配設側であって可動基部122の移動領域側へ変位するのは抑制されているから、該第1駆動用配線163がラック128や左可動体120に接触したり引っ掛かるのを防止して、左可動体120の円滑な動作を確保すると共に第1駆動用配線163が損傷するのをより確実に防ぐことができる。
前記外部中継基板161の前側に離間して、前記左側部磁気センサ167を裏ユニット19に配設するためのセンサ設置部168が配設されており、前記第1駆動用配線163は、図38に示す如く、該センサ設置部168と外部中継基板161との間の空間を引き回されている。従って、第1駆動用配線163が前方に大きく変位するのをセンサ設置部168で規制することができ、前記板部材18の裏側に裏ユニット19を取り付けるに際し、裏ユニット19に配設される他の部材と板部材18との間に第1駆動用配線163が挟み込まれるのを防止し得る。
前記外部中継基板161における外部中継用コネクタ受部162の配設位置より左側に設けた集約コネクタ受部161bに接続する集約中継用配線164は、図40に示す如く、前記配線ガイド166を挟んで前記可動基部122の移動領域とは反対側を引き回された後に、前記裏ユニット19の裏側に引き出されて前記裏中継基板61に接続される。すなわち、集約中継用配線164は、左可動体120の移動領域から離間する位置を引き回すようにしているから、該配線164が左可動体120に接触したり引っ掛かるのを防止することができ、左可動体120の円滑な動作が阻害されたり集約中継用配線164が損傷するのを防ぐことができる。また集約中継用配線164は、前記入賞口用発光装置85の裏側を引き回された後に裏ユニット19の裏側に引き出されるよう構成してあるから、該集約中継用配線164が入賞口用発光装置85より前側に臨むことはなく、前記板部材18の裏側に裏ユニット19を取り付けるに際し、入賞口用発光装置85と板部材18との間に集約中継用配線164が挟み込まれるのを防止し得る。
(上部発光装置の作用について)
前記装飾部材28の上部光透過部31に対応して裏ユニット19に配設される前記第1の上部発光装置107は、図32に示す如く、前記待機位置に臨む左可動体120における腕部123および意匠部123aより前方に位置して、該左可動体120が作動位置に向けて移動しても腕部123および意匠部123aと干渉しない関係になっている。すなわち、左可動体120が待機位置と作動位置との間を往復移動する範囲において、該左可動体120と第1の上部発光装置107とは干渉することはなく、該左可動体120の配設位置に左右されることなく装飾部材28の上部位置を第1の上部発光装置107で照明することができる。言い替えれば、発光装置107を左可動体120の移動領域より前側に位置させることで、装飾部材28を照明する発光装置の配設位置の自由度が高くなり、装飾部材28の必要箇所を効果的に照明して遊技の興趣を向上し得る。また実施例では、装飾部材28を照明する発光装置107および動作により演出を行なう左可動体120を、何れも裏ユニット19に配設するものであるから、前記図柄表示装置13の大型化(装飾部材28の窓口28aの大型化)にも対応し得るものである。更に、左可動体120が待機位置に臨む状態で、腕部123および意匠部123aの一部が第1の上部発光装置107と前後の関係で重なることで、該左可動体120の移動範囲を広くすることができる。
前記第1の上部発光装置107は、裏ユニット19の前端より前方に位置し、該裏ユニット19を前記板部材18の裏側に取り付けた際には、図34に示す如く、前記装飾部材28に設けた上部光透過部31の収容部114,115に後側から収容される。そして、第1の上部発光装置107のLED112aを発光することで、第1の収容部114の前部に設けたレンズ体114a、および第2の収容部115の前部に設けたスリット115aを介して装飾部材28の前方が照明される。このように、第1の上部発光装置107を上部光透過部31の収容部114,115に収容することで、当該上部光透過部31を、装飾部材28の他の部位と区分して照明することができ、上部光透過部31での発光を際だたせて演出効果を向上し得る。また、第1の上部発光装置107が裏ユニット19の前端より前方に位置しているから、該上部発光装置107はレンズ体114aやスリット115aに近接し、該レンズ体114aを介して前方に照射される光や、スリット115aを介して前方に照射される光の度合を強くすることができ、上部光透過部31での発光をより際だたせ得る。
前記待機位置において左可動体120の腕部123および意匠部123aの後方には、図32に示す如く、前記第2の上部発光装置108が位置しており、該第2の上部発光装置108は、待機位置の左可動体120によって略隠れた状態となっている。そして、左可動体120が図33に示すように作動位置に移動すると、第2の上部発光装置108は前側に露出し、左可動体120の存在しなくなった前方を、該上部発光装置108によって照明することができる。
ここで、待機位置の左可動体120の後方に隠れている第2の上部発光装置108を発光した際には、その光が全て左可動体120で遮られるものではなく、該左可動体120(腕部123および意匠部123a)の周囲から前方に漏れる。すなわち、待機位置の左可動体120を挟んで前後に位置する両上部発光装置107,108を発光させた際には、左可動体120の前方に位置する第1の上部発光装置107からの強い光と、左可動体120の後方に隠れている第2の上部発光装置108の左可動体120の周方から漏れる弱い光とでのコントラストによって、光による演出効果の向上を期待し得る。
前述したように第1の上部発光装置107の第1発光基板112は、前記第2の上部発光装置108の第2発光基板116に接続され、更に前記側部発光基板109、隅部発光基板110および裏中継基板61に中継されて前記統括制御装置59に接続されている。すなわち、第1の上部発光装置107と統括制御装置59との間を複数の基板で中継することで、配線の長さを短かくでき、配線処理に係る構成の簡略化を図り得る。また、第1発光基板112と第2発光基板116とを接続する配線は、前記第1の上部発光装置107と第2の上部発光装置108との間に画成される可動体用空間118の上側を画成する突出面部117bの上側を引き回されるようになっているから、該配線が左可動体120に干渉することはなく、該左可動体120の動作を阻害することはない。
前記左可動体120の意匠部123aには、前方に位置する装飾覆い体127を照明可能な可動体発光基板154が配設されている。装飾覆い体127は、相互に近接した待機位置に臨む前記副可動体139a,139bで前方が覆われており、該副可動体139a,139bが相互に離間した作動位置に移動した際に、該装飾覆い体127の一部が前側に露出する。従って、副可動体139a,139bが作動位置に移動した際に、前記可動体発光基板154のLED154aを発光することで、両副可動体139a,139bの間に露出する装飾覆い体127が照明され、発光による演出効果の向上が期待し得る。
なお、前記第1の上部発光装置107の取付け部となる前記延出部117cは、第2の上部発光装置108を構成するカバー体117に設けられているから、第1の上部発光装置107を取り付けるための部分を前記裏ユニット19に別途設ける必要はない。すなわち、大型の裏ユニット19の構造が複雑になって製造コストが嵩むのを抑制し得ると共に、設計変更にも容易に対応し得る。
(裏ユニットの基板設置部の作用について)
前記裏ユニット19の下部構造体53に設けた中基板設置部60に対し、裏中継基板61を取り付けるには、裏中継基板61の回路面を中基板設置部60の当接支持部62に向けた姿勢で、該当接支持部62の下端縁に設けた複数の前記係合部63に裏中継基板61の下端縁を係合する。そして、該裏中継基板61の上端側を当接支持部62に向けて近接することで、該当接支持部62の上端縁に設けた前記弾性フック64に裏中継基板61が当接する。該裏中継基板61を更に移動することで、弾性フック64が弾性変形しつつ裏中継基板61の移動を許容し、該裏中継基板61の回路面が当接支持部62の端部に当接した状態で、弾性フック64が弾性復帰して該弾性フック64の爪部64aが裏中継基板61の上端縁側の実装面に当接することで、図22に示すように当該裏中継基板61は中基板設置部60に取り付けられる。
前記中基板設置部60に取り付けられた裏中継基板61に設けたコネクタ受部61aに一端が接続するケーブルYの他端を、中基板設置部60より上方に配設されている前記統括制御装置59に接続することで、当該中基板設置部60に接続された前記可動演出装置105,106,138や発光装置39,85,107,108や発光基板109,110,111,154,158等の各種電気部品と統括制御装置59とが電気的に接続される。前記ケーブルYを統括制御装置59に接続するに際し、該ケーブルYを上側に向けて引っ張ると、裏中継基板61も上側に引っ張られ、前記弾性フック64が弾性変形して爪部64aが裏中継基板61から外れるおそれがある。
しかしながら、実施例のパチンコ機10では、図21または図26に示すように、前記中基板設置部60の当接支持部62における上側の支持壁62aに、裏中継基板61の上端縁側の周端に当接可能な突部66を設けているから、前述したようにケーブルYによって裏中継基板61が上側に引っ張られた際には、該裏中継基板61の上端周縁が突部66に当接して移動が規制される。すなわち、弾性フック64の係合状態を解除する方向へ該弾性フック64を弾性変形する裏中継基板61の動きは突部66で規制され、中基板設置部60から裏中継基板61が脱落するのを防止し得る。また突部66は、弾性フック64を挟む左右両側に夫々設けられているから、前記ケーブルYを左右方向の斜め上側に向けて引っ張った際にも、裏中継基板61の移動を確実に規制して、中基板設置部60から裏中継基板61が脱落するのを確実に防ぐことができる。
ここで、基板設置部に対して複数の弾性フックを左右に離間して設けることで、ケーブルが引っ張られた際に中継基板を介して弾性フックに加わる力が分散して各弾性フックの変形量が小さくなり、基板設置部から中継基板が脱落し難くなるものの、この場合は中継基板を着脱する際に複数の弾性フックを弾性変形させる等の操作が必要となって作業性が低下する。これに対して実施例では、突部66によって裏中継基板61の移動を規制して確実に裏中継基板61の中基板設置部60からの脱落を防止し得るから、複数の弾性フック64を設ける必要はなく、弾性フック64の増加による着脱時の作業性の低下は発生しない。
前記突部66における当接支持部62の端部からの突出寸法は、図22に示す如く、当接支持部62に回路面が当接した裏中継基板61の実装面より後方に突出する高さに設定されているから、前記ケーブルYを後方斜め上側に向けて引っ張ることで、裏中継基板61の上端部側の回路面が当接支持部62から浮き上がったとしても、突部66によって裏中継基板61の移動を確実に規制して、中基板設置部60から裏中継基板61が脱落するのを確実に防止し得る。なお、中基板設置部60から裏中継基板61を取り外す際において、前記弾性フック64を裏中継基板61の上端縁から離間するよう上側に向けて弾性変形した状態で、当該裏中継基板61の中基板設置部60から離間する後方への移動は突部66によって規制されず、該裏中継基板61の取り外しに支障を来たすことはない。
前記突部66は、図21に示す如く、前記図柄表示装置13の下端縁を位置決めする下側の位置決め突部57と当接支持部62および下対向面部55bとの間に画成された空間67を引き回される表示器用配線97が後方に移動するのを規制する規制手段としても機能している。すなわち、裏ユニット19の裏側において、中基板設置部60から裏中継基板61が脱落するのを防止する手段と、裏ユニット19の裏側を引き回される表示器用配線97を移動規制する手段とを別々に設ける必要はなく、裏ユニット19の構成を簡略化してコストの低減に寄与し得る。
(右可動演出装置の作用について)
次に、前記裏ユニット19に配設された前記右可動演出装置106に関する作用に関して説明する。前記統括制御装置59からの制御信号に基づいて前記右可動演出装置106の駆動モータ178が駆動されると、前記従動ギア205を介して前記カム板195が支軸195aを中心に回転される。前記可動部材180(揺動可動体181)が第1位置にある状態では、前記カム板195の回転に伴って該カム板195に設けた連繋軸197に枢支された作動杆200が下方に引き下げられて、前記揺動可動体181が前記第1の回転連結軸172を中心に第1位置から第2位置に向けて揺動される。また、前記揺動可動体181が第2位置にある状態では、前記カム板195の回転に伴って該カム板195に設けた連繋軸197に枢支された作動杆200が上方に引き上げられて、前記揺動可動体181が前記第1の回転連結軸172を中心に第1位置から第2位置に向けて揺動される。このように、前記図柄表示装置13や発光装置39,85,107,108および発光基板109,110,111,154,158の各LED等を制御する統括制御装置59の制御信号に基づいて前記右可動演出装置106の駆動モータ178を駆動するようにしたことで、図柄表示装置13で行なわれる図柄表示演出や各LEDの発光による発光演出に関連付けた演出を右可動演出装置106の可動部材180で行なうことができ、相乗的な演出効果を実現し得る。また実施例では、棒形状に形成された揺動可動体181の一方端部が設置部材170に枢支され、該揺動可動体181の他方端部に装飾可動体185が枢支されているから、当該揺動可動体181の揺動時における装飾可動体185の移動範囲も大きくでき、可動部材180の動作によるインパクトが高められて、遊技に対する興趣の向上を図っている。
ここで、前記揺動可動体181は、前記第1の回転連結軸172から偏倚した位置に前記作動杆200を連結して揺動可動体181を吊り下げるよう構成したから、可動部材180の全体に掛かる荷重の一部が作動杆200で支持される。すなわち、前記可動部材180(揺動可動体181および装飾可動体185)の荷重は、前記第1の回転連結軸172と作動杆200とに分散して受け止められる。従って、前記可動部材180を揺動可能に支持する第1の回転連結軸172に掛かる負荷が軽減されるから、該第1の回転連結軸172の構成を簡略にして装置の大型化やコストの増大を防止できる。特に、前記揺動可動体181が左方向(裏ユニット19の開口部19a側)に傾倒した第2位置に揺動可動体181が揺動される場合のように、該揺動可動体181の傾斜角度が大きくなっても、作動杆200が揺動可動体181を吊り下げるよう支持しているから、第1の回転連結軸172に掛かる負荷を効果的に軽減し得る。
実施例の右可動演出装置106は、第1位置に揺動可動体181を保持した状態で、該揺動可動体181および装飾可動体185を含めた可動部材180の全体の重心が第1の回転連結軸172を通る鉛直線L1よりも、当該揺動可動体181の第1位置から第2位置への傾倒方向の前側に位置するよう構成してある。このため、第1位置に揺動可動体181を保持した状態では、可動部材180(揺動可動体181および装飾可動体185)の自重により第1位置から第2位置に向けて揺動する力が作用し、第1位置から第2位置に揺動する際に要する駆動モータ178の駆動力を軽減でき、右可動演出装置106の駆動モータ178としてより小型のものを採用可能となる。また、前記揺動可動体181は、長手方向の中間位置よりも先端側(装飾可動体185を支持する端部側)に第2の回転連結軸202を介して前記作動杆200が連結されている。このように、前記作動杆200を、前記揺動可動体181を設置部材170に枢支する第1の回転連結軸172から離間した先端側に偏倚して連結し、駆動モータ178の駆動時に作動杆200を引き上げて揺動可動体181を揺動することで、揺動可動体181における第1の回転連結軸172を駆動モータで直接駆動する構成に較べて、駆動モータ178に掛かる負荷を大幅に軽減できる。従って、第2位置に傾倒した揺動可動体181を第1位置に引き上げる際に要する駆動モータ178の駆動力を軽減でき、駆動モータ178の小型化を図り得る。
また、実施例に係る右可動演出装置106は、第1位置に揺動可動体181を保持した状態において、第1位置から第2位置に揺動可動体181が揺動する際の連繋軸197の回転方向(図58では右方向)の後方側の端部が前記設置部材170(円弧状案内孔177の端部)に当接している。しかも、この当接状態では、揺動可動体181に対する作動杆200の枢支点(第2の回転連結軸202)と、カム板195の回転中心点(支軸195a)とを通る直線L2に対して、揺動可動体181を起立方向へ揺動する際のカム板195の回転方向(図58では右回転方向)に連繋軸197が偏って位置しているから、該揺動可動体181を直接操作して揺動する力が作用したとしても、連繋軸197が設置部材170(円弧状案内孔177の端部)に押しつけられる方向にカム板195が回転され、当該揺動可動体181が第2位置へ向けて揺動することはない。従って、前述のように第1位置に揺動可動体181がある状態で、可動部材180の自重により第2位置に向けて揺動する力が作用するよう構成しても、該可動体を確実に第1位置に保持することができる。しかも、揺動可動体181を第1位置に保持するために駆動モータ178を駆動する必要がないから、該駆動モータ178に掛かる負荷や制御負荷の軽減に繋がる。また、パチンコ機10の搬送時等に揺動可動体181が第2位置に移動することも確実に防止できる。
一方で、第2位置に揺動可動体181を保持した状態では、第1位置から第2位置に揺動可動体181が揺動する際の連繋軸197の回転方向(図58における右回転方向)の後方側の端部が前記設置部材170(円弧状案内孔177の端部)に当接している。しかも、この当接状態において、揺動可動体181に対する作動杆200の枢支点(第2の回転連結軸202)と、カム板195の回転中心点(支軸195a)とを通る直線L2に対して、揺動可動体181を起立方向へ揺動する際のカム板195の回転方向(図59では左回転方向)に連繋軸197が偏って位置しているから、揺動可動体181を第2位置に保持した状態では、該揺動可動体181を直接操作して揺動する力が作用した場合には、連繋軸197が円弧状案内孔177に沿って移動するようカム板195が回転されるから、当該揺動可動体181を揺動することができる。すなわち、何らかの不具合により駆動モータ178によって揺動可動体181を第2位置から揺動不能な状態となったとしても、手動で揺動可動体181を第1位置に戻すことができる。
また、前記右可動演出装置106の可動部材180は、前記揺動可動体181に形成した位置規制突部184が前記装飾可動体185に形成された位置規制凹部191に遊嵌されている。そして、前記揺動可動体181が第1位置にある状態では、当該揺動可動体181の起立方向への装飾可動体185の回転、すなわち装飾可動体185が裏ユニット19の右画壁部56d側に揺動するのを規制するよう前記位置規制突部184が位置規制凹部191の縁部に当接し、反対に揺動可動体181が第2位置にある状態では、当該揺動可動体181の起立方向への装飾可動体185の回転、すなわち装飾可動体185が裏ユニット19の右画壁部56d側に揺動するのを規制するよう位置規制突部184が位置規制凹部191の縁部に当接するから、揺動可動体181の揺動時に、装飾可動体185が周辺の他部材(装飾部材28、裏ユニット19の右画壁部56dや左可動演出装置105等)に接触することはなく、該装飾可動体185や周辺の他部材の損傷等を効果的に防止できる。
しかも、揺動可動体181が第1位置および第2位置にある状態では、該揺動可動体181が移動可能な方向、すなわち揺動可動体181の動作が予定されている方向にのみ装飾可動体185が揺動可能とされる。従って、揺動可動体181が第1位置または第2位置にある状態で搬送等されて装飾可動体185が揺動しても、揺動可動体181の動作に伴って移動する範囲で装飾可動体185が動作するだけで、装飾可動体185が周辺の他部材に接触等することはない。
特に、棒形状に形成した揺動可動体181の一方端部(下端部)を設置部材170に枢支すると共に、該揺動可動体181の他方端部(上端部)に装飾可動体185を枢支することで、揺動可動体181の揺動時に装飾可動体185を大きく移動させ動作による演出効果の向上を図り得る一方、装飾可動体185に作用する慣性力が増して、装飾可動体185が大きく揺動されることに繋がる。このような場合であっても、前述のように位置規制突部184と位置規制凹部191との係合により装飾可動体185の揺動範囲を確実に規制し得るから、装飾可動体185が周辺の他部材に接触することはなく、装飾可動体185や周辺部材の損傷等を効果的に防止できる。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 遊技盤を構成する板部材は、木製に限らず、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材からなる透明板であってもよい。なお、透明板を用いる場合は、裏側に配設される各種部品(例えば左可動体における可動基部)が前側から視認されないように、必要に応じて隠したい部品の前側に不透明な装飾部品等を配設すればよい。
(2) 窓側部用発光装置の窓用発光基板に設けられるコネクタ受部に関しては、部品用配線が差込み接続される接続口を、貫通孔および溝部を向く方向に開口するよう設定する構成を採用し得る。この構成によれば、コネクタ受部に一端を接続した部品用配線を貫通孔および溝部に向けてより引き回し易く、かつ部品用配線を無理に屈曲する必要もなく、配線への負担を軽減し得る。
(3) 実施例では、球検出センサが配設されるゲート用飾り部材を装飾部材に一体形成した場合で説明したが、ゲート用飾り部材を別体として板部材に配設するようにしてもよい。
(4) 実施例では、ゲート用飾り部材の近傍に配設する電気部品として発光装置の発光基板を挙げたが、該電気部品としては可動体を動作することで演出を行なう可動演出装置のモータやソレノイド等の駆動手段であってもよく、該駆動手段から導出する部品用配線を、球検出センサから導出するセンサ用配線を引き回すための溝部を利用して引き回す構成であればよい。
(5) 実施例では、板部材の裏側に裏ユニットを取り付けた際に、表示器の表示部(特別表示部)が板部材の前面と略同一レベルに臨む場合で説明したが、該表示部が板部材の前面より前側に臨む構成を採用することができる。すなわち、表示器の表示部を、板部材の前面より前側に臨ませることで、遊技盤の前側からの該表示部の視認性がより向上する。
(6) 実施例では、表示器を構成する1枚の表示基板に複数の表示部を設けた場合で説明したが、該表示器は、少なくとも始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機とした図柄変動の結果を表示する表示部(特別表示部)を備えるものであればよい。
(7) 実施例では、表示器を裏ユニットに取り付けるための表示器設置部を、該裏ユニットとは別体で形成してネジ止め固定する構成で説明したが、表示器設置部は裏ユニットに一体形成されたものであってもよい。
(8) 実施例では、板部材の第1の貫通口に配設される装飾部材の一部に設けた隅部光透過部の裏側に臨むよう、表示器を第1の貫通口に臨ませた場合で説明したが、装飾部材が配設される貫通口とは別に設けた貫通口(開口部)を介して表示器の表示部が前側から視認し得るよう構成してもよい。
(9) 実施例では、正面右側に位置する表示器から裏ユニットの裏側に引き出した表示器用配線を、該裏ユニットにおける左側の基板設置部に取り付けた裏中継基板に接続するよう構成したが、右側の基板設置部、すなわち表示器の略真後に位置する基板設置部に取り付けた裏中継基板に接続するようにしてもよい。この場合は、裏ユニットの裏側において表示器用配線を引き回す長さを短かくすることができ、該配線を係止するためのフック等を省略することができ、裏ユニットの構成を簡略化し得る。
(10) 実施例では、左排出用球通路における入賞口用発光装置が前側に重なる部位の前面開口もカバー部材で覆うよう構成したが、該入賞口用発光装置が前側に重ならない部位の前面開口のみを覆い得るよう形成したカバー部材を採用し得る。なお、この構成では、入賞口用発光装置として、入賞用発光基板の裏面を保護するカバーでケース体の裏面開口を塞ぐ構成が推奨される。
(11) 実施例では、入賞口用飾り部材の後方に配設される演出装置として、LEDにより発光演出する発光装置(入賞口用発光装置)の場合で説明したが、遊技状態を表示部で表示する表示器や、可動体を動作することで演出を行なう可動演出装置を採用することができる。但し、可動演出装置の場合は、左排出用球通路を流れるパチンコ球と可動体とが接触しないように、該可動体の後方をカバーで覆ったり、またはカバー部材で可動演出装置と左排出用球通路との重なる部位の全体を覆う構成を採用する必要がある。
(12) 実施例では、カバー部材を通路用壁部と入賞口用発光装置とで挟持するよう構成したが、通路用壁部に対してフックやネジ等の固定手段を介して着脱自在に固定する構成を採用し得る。
(13) 実施例では、ステージ部から始動入賞装置の上側にパチンコ球を排出する球通路に3条のリブを設ける場合で説明したが、3条のリブを設ける球通路としてはこれに限定されるものではなく、遊技に供されているパチンコ球を所定箇所に誘導する球通路として採用することができる。
(14) 実施例では、統括制御装置にケーブルを介して接続する裏中継基板を取り付ける基板設置部に、該中継基板の移動を規制する突部を設けた場合で説明したが、該ケーブルが接続する対象となる電気部品は統括制御装置に限定されるものでなく、その他の制御装置、あるいは遊技盤に配設される各種の演出装置等であってもよい。
(15) 実施例では、裏ユニットの下側に設けた基板設置部に突部を設けたが、基板設置部が設けられる位置は上側、左側または右側等であってもよく、当該基板設置部において、該基板設置部に取り付けられる中継基板に一端が接続されるケーブルの他端を接続する電気部品に近接する端部側に突部が設けられるものであればよい。また、基板設置部において、電気部品に近接する端部側と交差する端部(実施例では左右の端部)の何れか一方または両方にも中継基板の移動を規制する突部を設ける構成を採用し得る。
(16) 実施例では、装飾部材の上部を照明するように、可動体の前方に位置する発光装置を裏ユニットに配設した場合で説明したが、該発光装置の配設位置はこれに限定されるものではなく、装飾部材の下部、左右の側部等、任意の位置を照明する位置に発光装置を配設することができる。すなわち、待機位置と作動位置との間を往復移動する可動体が待機位置に臨む状態において、該可動体の作動位置への移動側とは反対側に臨む延出部に発光装置が配設されて可動体の前方に臨む構成であればよい。
(17) 実施例では、第1の上部発光装置(可動体の前方に位置する発光装置)を裏ユニットに取り付けるための延出部を、該裏ユニットに取り付けられる第2の上部発光装置を構成するカバー体に設けた場合で説明したが、該延出部を裏ユニットの設置部に一体成形する構成を採用し得る。
(18) 実施例では、左可動体に一対の副可動体を配設したが、副可動体の配設数は1つ、あるいは3つ以上であってもよい。そして、3つ以上の副可動体を配設する場合においても、1つの第2の駆動部に接続する連繋機構に各副可動体を夫々連繋して、各副可動体を相互に同期して動作するよう構成すれば、複数の駆動部を用いることなく複数の副可動体を動作させることができる。
(19) 実施例では、上下方向に往復移動する左可動体に対し、副可動体を左右方向に往復移動するよう構成したが、該副可動体を左可動体の往復移動方向と同じ方向あるいは斜めに交差する方向に往復移動させたり、軸を支点として揺動する構成等、各種の構成を採用し得る。
(20) 実施例では、連繋機構を複数の連杆を相互に接続して構成したが、1本の連杆を用いて副可動体を動作させる構成を採用でき、これにより構成がより簡単になって軽量化に寄与し得る。
(21) 実施例では、上下反転したL字状の左可動体において、可動基部から横方向に延びる腕部に副可動体を配設した場合で説明したが、副可動体が配設される左可動体の形状はこれに限定されるものでなく、直線または曲線形状で一方向に長手が延在する形状の左可動体における延在方向の一端部を、遊技盤に対して移動自在に配設された支持部に取り付けるよう構成したものであってもよい。すなわち、左可動体が片持ち支持されて、該支持部側とは反対の自由端部側に副可動体が配設されるのに対し、支持部側に第2の駆動部が配設される構成のものであればよく、左可動体の形状は限定されない。
(22) 実施例では、左側部磁気センサのセンサ設置部に関し、該設置部における左可動体の可動基部との重なり部を傾斜させたが、該可動基部から退避するよう切欠いた形状であってもよい。
(23) 実施例では、球通過ゲートや球導入口に対する磁石による不正を検出する磁気センサのセンサ設置部で、左可動体における可動基部の前方への変位を規制するよう構成したが、始動入賞装置や特別入賞装置に対する磁石による不正を検出する下磁気センサを裏ユニットに取り付けるためのセンサ設置部を利用して可動体の前方への変位を規制するようにしてもよい。すなわち、可動体の配設位置に応じて、対応する位置に取り付けられる磁気センサのセンサ設置部を用いればよい。
(24) 実施例では、複数の電気部品を備えた可動体として、遊技盤の左側部に配設した左可動体を挙げたが、可動体の配設位置はこれに限られるものではなく、上部や下部あるい右側部等、任意の位置であってもよい。また当該可動体の移動方向に関しても、上下方向に限らず左右方向あるいは斜め方向であってもよい。
(25) 実施例では、可動体に配設される複数の電気部品として、発光基板と駆動モータを挙げたが、複数の発光基板、あるいは複数の駆動モータ等の駆動源であってもよく、また実施例のように電気部品の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
(26) 実施例では、可動体(左可動体)に変位可能に配設される可動部材(副可動体)を動作させる駆動源としてモータを用いたが、ソレノイドやその他の駆動手段を用いることができる。
(27) 実施例では、複数の電気部品を備える可動体を動作させる機構としてラックとギヤとを用いたが、当該機構としてはベルトとプーリとを組合わせた機構等、その他公知の機構を採用し得る。
(28) 実施例では、可動体(左可動体)から導出する配線および該可動体を動作させる駆動モータ(第1の駆動モータ)から導出する配線とを、裏ユニットの前側に配設される中継基板(外部中継基板)に配設した後に、別の配線(中継用の配線)を介して裏ユニットの裏側に配設される基板(裏中継基板)に接続するよう構成したが、可動体および駆動モータから導出する配線を裏ユニットの裏側の基板に直接接続する構成を採用し得る。
(29) 実施例の外部中継基板(中継基板)に関し、ラックの前方で、該ラックの移動領域と重なるように配置する構成を採用することができ、これにより外部中継基板の前側を引き回される各種配線がラックの配設側に変位するのを確実に防止して配線の保護および可動体の円滑な移動の確保を図ることができる。また、外部中継基板の長手方向をラックの延在方向(可動体の往復移動方向)に沿わせて配設することで、ラックの移動領域を広い範囲で覆うことができる。
(30) 実施例では、第1の可動体に対する第2の可動体の回転範囲を規制する係合手段として、第1の可動体に突部(位置規制突部を形成すると共に、第2の可動体に凹部(位置規制凹部)を形成するようにしたが、第1の可動体に凹部(位置規制凹部)を形成し、第2の可動体に突部(位置規制突部)を形成してもよい。また、係合手段としては、実施例に示す突部(位置規制突部)および凹部(位置規制凹部)に限られるものではなく、第1の可動体が第1位置にある状態で相互に係合する第1の係合部を第1および第2の可動体の夫々に形成して、当該第1の可動体の第2位置から第1位置への移動方向への第2の可動体の回転を規制すると共に、当該第1の可動体が第2位置にある状態で相互に係合する第2の係合部を第1および第2の可動体の夫々に形成して、当該第1の可動体の第1位置から第2位置への移動方向への第2の可動体の回転を規制する構成を採用し得る。
(31) 第1および第2の可動体の形状は、実施例のものに限られるものではなく、遊技機の装飾や演出等に合わせて適宜に変更することが可能な事項である。また、実施例では、第1の可動体の一方端部を本体としての設置部材に枢支し、他方端部に第2の可動体を枢支するようにしたが、設置部材に対する枢支位置および第2の可動体の枢支位置を異ならせれば、第1の可動体の任意位置に設置部材および第2の可動体を枢支することができる。
(32) 実施例では、本体に対する第1の可動体の回転軸(第1の回転連結軸)と、当該第1の可動体に対する第2の可動体の回転軸(支持軸)との間に、作動部材(作動杆)を枢支するよう構成したが、これに限られるものではなく、本体に対する回転軸(第1の回転連結軸)から偏倚した位置に作動部材を枢支するよう構成すれば、該回転軸(第1の回転連結軸)に掛かる荷重の一部を作動部材で支持して負荷を分散することができる。従って、前記本体に対する回転軸(第1の回転連結軸)に対して、第2の可動体の回転軸(支持軸)とは反対側に位置するよう作動部材を枢支してもよく、また第2の可動体の回転軸(支持軸)よりも本体に対する回転軸(第1の回転連結軸)から離間するよう作動部材を枢支してもよい。
(33) 実施例では、前記第1位置に第1の可動体が保持された状態において、可動部材全体の重心が前記本体に対する第1の可動体の回転軸(第1の回転連結軸)を通る鉛直線よりも、当該第1の可動体の傾倒方向前側に位置するよう構成したが、これに限られるものではない。例えば、鉛直線上に重心位置があるようにすれば、第1位置での可動部材の安定性が一層向上し、また該鉛直線よりも第1の可動体の傾倒方向後側に位置するようにすれば、不用意に第1の可動体が第2位置へ向けて揺動するのを確実に防止できる。
(34) 実施例では、可動部材(第1の可動体および第2の可動体)用の駆動手段や駆動機構を、前記本体に対する第1の可動体の回転軸(第1の回転連結軸)の上方に位置させて、該第1の可動体を作動部材により吊り上げるよう構成したが、これに限られるものでなく、駆動手段や駆動機構を本体に対する第1の可動体の回転軸(第1の回転連結軸)の側方や下方に位置するよう構成しても、該回転軸(第1の回転連結軸)に掛かる負荷を効果的に分散して、実施例と同様の作用効果を得ることができる。
(35) 実施例では、第1位置にある第1の可動体に対して直接揺動する力が作用した場合に、連繋軸が設置部材の端部に当接して回転を規制することで、第1の可動体を第1位置に確実に保持し得るようにしたが、このような機械的構成によらず駆動手段を駆動制御により第1の可動体を第1位置で保持することもできる。
(36) 実施例では、第2位置にある状態で第1可動体に対して直接揺動する力を加えることで、当該第1の可動体を第1位置に移動させ得るようにしたが、第1位置に第1の可動体がある場合と同様に、該第2位置に第1の可動体がある状態で直接揺動する力が作用した際に、第1の可動体の移動を規制するよう構成してもよい。具体的には、実施例の構成において、前記揺動可動体が第2位置にある状態で、該揺動可動体181に対する作動杆200の枢支点(第2の回転連結軸202)と、前記カム板195の回転中心点(支軸195a)とを通る直線L2に対して、揺動可動体181を第2位置から第1位置へ揺動する際の前記カム板195の回転方向後側(すなわち第1位置から第2位置に揺動する際の回転方向前側)に前記連繋軸197を偏って位置させればよい。
(37) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
106 右可動演出装置(可動演出装置)
170 設置部材(本体)
172 第1の回転連結軸(本体に対する回転軸)
177 円弧状案内孔(規制部)
178 駆動モータ(駆動手段)
181 揺動可動体(可動体、第1の可動体)
185 装飾可動体(第2の可動体)
190 支持軸(第2の回転軸)
195 カム板(回転板)
197 連繋軸(第3の回転軸)
200 作動杆(作動部材)

Claims (4)

  1. 駆動手段の駆動により可動体を動作させて演出を行なう可動演出装置を備えた遊技機において、
    前記可動体は、本体に対して回転軸を中心に揺動可能に枢支されると共に、該回転軸から偏倚した位置に、前記駆動手段に接続された作動部材が枢支されて、駆動手段の駆動に伴って作動部材が可動体を揺動するよう構成された
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動体は、棒形状に形成されて一方端部が前記本体に対して前記回転軸を中心に揺動可能に枢支されると共に、該可動体の他方端部に第2の可動体が枢支されて、該本体に対する可動体の回転軸と、当該可動体に対して第2の可動体を支持する第2の回転軸との間に前記作動部材が枢支された請求項1記載の遊技機。
  3. 前記可動体は、前記回転軸から上方に延在する第1位置と、該第1位置から傾斜した第2位置との間を揺動可能に構成されて、
    前記第1位置に可動体を保持した状態では、該可動体および第2の可動体を含めた可動部材の全体の重心が回転軸を通る鉛直線よりも、当該可動体の第1位置から第2位置への回転方向前側に位置するよう構成された請求項2記載の遊技機。
  4. 前記駆動手段により回転される回転板の偏心位置に前記作動部材を枢支するよう構成されて、該駆動手段の駆動により回転板を回転することで、前記可動体を揺動するよう作動部材が動作されると共に、
    前記回転板に対して前記作動部材を支持する第3の回転軸は、前記第1位置において回転板の回転中心よりも前記可動体に対する作動部材の枢支点から離間して位置すると共に、該第1位置において可動体に対する作動部材の枢支点と前記回転板の回転中心とを通る直線Lに対して回転板の回転方向に偏って位置するよう構成され、
    前記第1位置にある前記作動部材の第3の回転軸に対して、第1位置から第2位置に移動する際の第3の回転軸の移動方向後方側の端部に当接して回転板の回転を規制する規制部を設けるよう構成された請求項3記載の遊技機。
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