JP2011172849A - 容器兼用注射器 - Google Patents

容器兼用注射器 Download PDF

Info

Publication number
JP2011172849A
JP2011172849A JP2010040921A JP2010040921A JP2011172849A JP 2011172849 A JP2011172849 A JP 2011172849A JP 2010040921 A JP2010040921 A JP 2010040921A JP 2010040921 A JP2010040921 A JP 2010040921A JP 2011172849 A JP2011172849 A JP 2011172849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
front stopper
chemical solution
container
tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010040921A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Kakiuchi
誠 垣内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arte Corp
Original Assignee
Arte Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arte Corp filed Critical Arte Corp
Priority to JP2010040921A priority Critical patent/JP2011172849A/ja
Publication of JP2011172849A publication Critical patent/JP2011172849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】薬液内の気泡を効果的に除去することができる容器兼用注射器を提供する。
【解決手段】フロントストッパー10の外周面11に、該フロントストッパー10の後端面10bに開口して先端側に向かって延びる単一の薬液導入溝12を形成し、筒先20における嵌着孔24の前方側に、フロントストッパー10のチャンバー移入部分(先端側部分)が移入して嵌り込むバイパスチャンバー25を設け、該バイパスチャンバー25の内壁面に、バイパスチャンバー25に移入したフロントストッパー10の薬液導入溝12が接続されるとともに導入孔23aに連絡するバイパス溝26を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、薬液を予め充填・保管しておき、使用時に包装から取り出して即座に使用することが可能な容器兼用注射器に関する。
容器兼用注射器は、予め薬液が充填されているため、医療機関において煩雑な操作をすることなく包装から取り出して即座に使用できる。このように容器兼用注射器は、利便性に優れ、医師や看護師等の医療業務に携わる者の作業軽減に大いに貢献するため、多くの病医院で採用されている。
従来、この容器兼用注射器としては、外筒と、該外筒内の前後端側にそれぞれ嵌入され、外筒内に充填された薬液を液密に封止するフロントストッパー及びエンドストッパーと、外筒の先端に外嵌され、フロントストッパーが入り込むバイパスチャンバー及びその先端の注射針を取り付けるためのルアー先が設けられた筒先と、外筒の後端に嵌着されたフィンガーグリップと、外筒の後端部から外筒内に挿入されてエンドストッパーに連結されたプランジャロッドとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような容器兼用注射器を使用するには、プランジャロッドによってエンドストッパーを押し込むことで、薬液とともにフロントストッパーを前方へ押し進める。そして、フロントストッパーが外筒から押し出されて筒先のバイパスチャンバー内に入り込むと、エンドストッパー間に密封されていた薬液における先端側の密封が解除される。これにより、当該薬液が外筒内からバイパスチャンバー内に流出し、該バイパスチャンバーの内壁面に設けられたバイパス溝に沿ってルアー先の内面に誘導されて注射針へと導入される。
特開2007−111156号公報
ところで、一般的に、薬液を注射器によって直接体内の必要な部位に薬液を注入する医療行為である注射においては、薬液中に混入した気泡が患者の体内に注入されるのを防止するため、注射の前段階としてプランジャロッドを押し込むことによるエアー抜きの作業が行われる。この作業によって、上記容器兼用注射器においては、外筒内の気泡がバイパス溝を通過して注射針の先端から薬液とともに注射器外部に放出される。
しかしながら、薬液の種類によっては非常に高価なものもあり、エアー抜きの作業により薬液が外部に放出されることは経済的な観点から好ましくない。また、患者に投与する量が厳密に定められている薬液の場合には、上記のようなエアー抜きにより患者に投与されることのない薬液が生じると、規定量を患者に投与することができなくなり、医療行為上も好ましくない。
それにも関わらず、従来の容器兼用注射器においては、薬液内に残留する気泡を可能な限り除去すべくエアー抜きの過程においてプランジャロッドを大きく押し込む必要があり、無駄になる薬液の量が多いものとなっていた。
この発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、薬液内の気泡を効果的に除去することができる容器兼用注射器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る容器兼用注射器は、軸線に沿って延びる外筒と、基端側の嵌着孔を介して前記外筒の先端外周に外嵌されるとともに、注射針に薬液を導入する導入孔が形成されたルアー先を有する筒先と、前記外筒内の先端側に液密に嵌入されるフロントストッパーとを備えた容器兼用注射器において、前記フロントストッパーの外周面に、該フロントストッパーの後端面に開口して先端側に向かって延びる単一の薬液導入溝が形成され、前記筒先における前記嵌着孔の前方側に、前記フロントストッパーの先端側部分が移入して嵌り込むバイパスチャンバーが設けられ、該バイパスチャンバーの内壁面に、前記バイパスチャンバーに移入した前記フロントストッパーの薬液導入溝が接続されるとともに前記導入孔に連絡するバイパス溝が設けられていることを特徴とする
このような特徴の容器兼用注射器においてエアー抜きを行なう際には、容器兼用注射器の先端側を上方に向け、かつ、薬液導入溝を上方に向けた状態で該容器兼用注射器を保持する。これにより、薬液内の気泡は、フロントストッパーにおける単一の薬液導入溝付近に集中する。そして、この状態でフロントストッパーを前進させて、薬液導入溝の先端部がバイパス溝に接続されると、この単一の薬液導入溝付近に集中されていた気泡が、該単一の薬液導入溝、バイパス溝及び導入孔を介してルアー先の先端から容器兼用注射器外部に放出される。
即ち、薬液導入溝の先端部がバイパス溝に接続された際、薬液の密封状態が解除されるとともに薬液内部の高まった圧力が瞬間的に開放され、これに伴って薬液導入溝付近に集中した気泡が勢い良くバイパス溝内に流入する。これによって、薬液の排出を最低限に抑えながら薬液内の気泡を効率良く除去することができる。
また、本発明に係る容器兼用注射器においては、前記フロントストッパーが前方側に移動して前記先端側部分が前記バイパスチャンバーに移入した際に、前記薬液導入溝が前記バイパス溝に接続され、前記フロントストッパーが前記バイパスチャンバーの前端面に当接した際に、前記フロントストッパーの後端側部分が前記外筒に嵌入した状態にあることが好ましい。
ここで、上記のようにエアー抜きの作業を施したとしても、薬液の表面張力の影響によりフロントストッパーの後端面に僅かながら気泡が残存してしまう場合がある。この点、本発明の容器兼用注射器では、フロントストッパーが前方へ移動すると薬液導入溝がバイパス溝に接続されて薬液の封止が解除される一方で、該フロントストッパーがバイパスチャンバーの最前端に当接する最前方まで移動した際であっても、その後端側部分は外筒に嵌入した状態にある。これにより、外筒内の薬液は必ず薬液導入溝を通過して前方側へ移動することになる。
よって、薬液が狭い溝状の単一の薬液導入溝を流通することでその流速が上昇し、この流速に促されるようにして薬液内の気泡が先端側へと送られていくことになるため、フロントストッパーの後端面に残存した気泡は、薬液の表面張力を振り切って薬液導入溝内に導入される。これによって、エアー抜きの作業で除去し切れなかった気泡を確実に排出することが可能となる。
また、本発明に係る容器兼用注射器においては、前記薬液導入溝の溝面の後端部が、前記フロントストッパーの後端面に滑らかに連続するR形状をなしていることが好ましい。
これによって、薬液導入溝内に気泡を円滑に導入することができるため、当該気泡をより効率良く除去することができる。また、気泡のみならず薬液も流入し易くなることから、当該薬液導入溝内への薬液の流入速度が増加するため、この薬液の流入に追従させるようにしてフロントストッパーの後端面に残存した気泡を薬液導入溝内に容易に導入することができる。これによって、エアー抜きの作業によって除去しきれずに残存した気泡を容易に排出することができる。
さらに、本発明に係る容器兼用注射器においては、前記薬液導入溝の溝面の先端部が、前記軸線を含む断面において前記フロントストッパーの外周面に対して90°の角度をなして接続する直線状をなしていることが好ましい。
これにより、薬液導入溝内において略軸線と平行に流通してきた薬液が、当該薬液導入溝の先端部付近にて外筒の径方向外側へと向きが強制的に変化させられるため、当該薬液が流通する際の抵抗が一時的に大きくなり、薬液内の圧力が上昇する。したがって、小さな力でもってフロントストッパーを前進させた場合であっても、当該高い圧力でもって薬液の流通速度を向上させることができるため、より円滑に薬液内の気泡を除去することが可能となる。
本発明の容器兼用注射器によれば、薬液内の気泡を一の薬液導入溝付近に集中させて当該一の薬液導入溝のみを外部に連通させることにより、薬液内の気泡を効果的に除去することが可能となる。
実施形態に係る容器兼用注射器の縦断面図である。 図1の部分拡大図である。 フロントストッパーの縦断面図である。 図3の要部拡大図である。 フロントストッパーを後端側から見た図である。 フロントストッパーの側面図である。 薬液導入溝がバイパス溝に接続された状態を示す縦断面図である。 フロントストッパーが最前端まで移動した状態を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る容器兼用注射器について、図面を参照して詳細に説明する。図1は実施形態に係る容器兼用注射器の縦断面図、図2は図1の部分拡大図である。
図1に示すように、容器兼用注射器30は、外筒1と、その先端側(図1における左側、以下同じ)に取り付けられた筒先20と、外筒1の後端側(図1における右側、以下同じ)の外周に嵌着された合成樹脂製のフィンガーグリップ4と、外筒1内に充填された薬液mを先端側から封止するフロントストッパー10及び後端側から封止するエンドストッパー5と、外筒1内に後端側から挿入されて先端部がエンドストッパー5に連結され、該エンドストッパー5を外筒1の軸線O方向に往復動させるプランジャロッド6とを備えている。
外筒1は、透明なガラスからなる軸線Oに沿って延びる円筒形状をなしており、その内部には薬液mが充填され、その先端側がフロントストッパー10によって封止されるとともに、後端側がエンドストッパー5によって封止されている。
外筒1の後端外周には、リング状突起1aが設けられている。このリング状突起1aは、フィンガーグリップ4の円筒孔部4aに形成されたリング状溝4bに嵌合可能とされ、これによってフィンガーグリップ4が外筒1に強固に取り付けられる。
なお、フィンガーグリップ4は、外筒1に別途取り付けられる構成の他、外筒1と一体に形成されたもの、即ち、外筒1とフィンガーグリップ4とがともに透明なガラスからなる一体物として構成されていてもよい。
エンドストッパー5は、外筒1の内径より僅かに大きな外径の軸線Oを中心とした略円柱形状をなし、薬液mに対して耐食性を備える医療用ゴムから形成されている。容器兼用注射器30の未使用時においては、このエンドストッパー5は、外筒1内の後端側に位置するように該外筒1内に液密に嵌入されている。
筒先20は、図1及び図2に示すように、適度な剛性を備えた透明な合成樹脂からなる外形多段円柱状をなしており、円筒形状をなす基端部21と、該基端部21の先端側に一段縮径するように結合された円筒部22と、該円筒部22のさらに先端側に円筒部22よりも小径に形成されたルアー先23とを備えている。
上記基端部21の内側には、筒先20の後端側に開口する嵌着孔24が形成されており、該嵌着孔24の前方側、即ち、円筒部22の内側には、有底穴状のバイパスチャンバー25が形成されている。なお、このバイパスチャンバー25の底部に当たる箇所が、後述するフロントストッパー10が当接する前端面25aとされ、この前端面25aは、詳しくは図2に示すように、前方側に向かうに従って漸次縮径する円錐面状に形成されている。
また、上記ルアー先23の内部には、軸線Oに沿って貫通された導入孔23aが形成されており、この導入孔23aは、一端側がルアー先23の先端に開口するとともに他端側がバイパスチャンバー25における前端面25a中央に開口している。この導入孔23aの一端側、即ち、先端側には、軸線Oに沿って先端側に延びる注射針8が連通状態にして取り付けられている。
なお、容器兼用注射器30の未使用時においては、注射針8を覆うカバー(図示省略)が筒先20の先端に取り付けられている。
上記嵌着孔24は、外筒1に筒先20を取り付けるために形成された孔であって、その内径は外筒1の外径と略同一に形成されている。この嵌着孔24を外筒1先端に外嵌させることによって、筒先20が外筒1の先端側に取り付けられるようになっている。
また、詳しくは図2に示すように、嵌着孔24の内周壁の前端部には軸線Oを中心としたリング状溝24aが形成されている。一方、外筒1先端外周にはリング状突起1bが形成されており、筒先20を外筒1先端側に取り付けた際に、このリング状突起1bがリング状溝24aに嵌り込むことによって、筒先20が外筒1に強固に固定一体化される。
上記バイパスチャンバー25は、その内径が嵌着孔24よりも一段小径とされた有底穴であって、その内周壁にはバイパス溝26が形成されている。このバイパス溝26は直線溝26aと環状溝26bとから構成されている。
直線溝26aは、バイパスチャンバー25の内壁面において軸線Oと平行に延びるように周方向に等間隔を空けて複数が形成されており、これら直線溝26aの先端側は、バイパスチャンバー25の内壁面から前端面25aに延びてルアー先23の内部に形成された導入孔23aにそれぞれ接続されている。
また、環状溝26bは、軸線Oを中心として周方向に延在する円環状の溝であって、バイパスチャンバー25の内壁面における該バイパスチャンバー25と嵌着孔24との境界付近に形成されている。この環状溝26bは、上記複数のバイパス溝26それぞれの後端に接続されており、これにより各バイパス溝26はバイパス溝26を介して接続されている。
フロントストッパー10は、詳しくは図2〜図6に示すように、外筒1よりも僅かに大きな外径の軸線Oを中心とした略円柱形状をなし、薬液mに対して耐食性を備える医療用ゴムから形成されている。容器兼用注射器30の未使用時においてフロントストッパー10は、外筒1の先端側に位置するように該外筒1の内側に嵌入されている。
また、図3及び図6に示すように、フロントストッパー10における先端側を臨む先端面10aは、先端側に向かうに従って漸次縮径する円錐面とされており、当該円錐面の傾斜率はバイパスチャンバー25における前端面25aの傾斜率と同一とされている。これによりフロントストッパー10の先端面10aとバイパスチャンバー25の前端面25aとは隙間無く当接可能とされている。また、フロントストッパー10の後端面10bは、軸線Oに直交する略平坦面とされており、該後端面10bには、突起10cが適宜設けられている。
さらに、フロントストッパー10は、詳しくは図3及び図6に示すように、その先端側の部分がバイパスチャンバー25内に移入可能とされたチャンバー移入部分(先端側部分)10Aとされており、後端側の部分は、チャンバー移入部分10Aがバイパスチャンバー25内に移入した際であっても外筒1内に嵌入状態とされた外筒嵌入部分(後端側部分)10Bとされている。
本実施形態においては、図3及び図6において軸線Oに直交する直線kよりも先端側(図3における左側)の部分がチャンバー移入部分10Aとされており、該直線kよりも後端側(図3における右側)の部分が外筒嵌入部分10Bとされている。なお、この直線kの軸線O方向の位置は適宜設定することが可能であり、即ち、フロントストッパー10における先端側のいかなる範囲をチャンバー移入部分10Aとしその後端側を外筒嵌入部分10Bとするかは適宜設定することができる。
また、フロントストッパー10の外周面11には、その後端面10bに開口するとともに該フロントストッパー10の先端側に向かって延びる単一の薬液導入溝12が形成されている。本実施形態における薬液導入溝12は、その先端部がフロントストッパー10の後端面10bから先端側に向かって直線kを越えた位置、即ち、外筒嵌入部分10Bからチャンバー移入部分10Aに僅かに入り込んだ位置まで延びている。
なお、図5に示すように、単一の薬液導入溝12の溝幅W、即ち、フロントストッパー10の後端面10bにおける薬液導入溝12の外周面11への開口幅Wは、0.5mm≦W≦2.0mmの範囲の寸法に設定されていることが好ましい。溝幅Wの寸法が0.5mmを下回る場合、薬液mが流通しにくくなるため好ましくなく、また、溝幅Wの寸法が2.0mmを超える場合、溝Wが広過ぎることから薬液mの流速が低下するため、後述する気泡除去効果を得にくくなるため好ましくない。
そして、この薬液導入溝12は、図4に示すように、その溝面13における後端部13aがフロントストッパー10の後端面10bに滑らかに連続するR形状をなしている。この薬液導入溝12の後端部13aにおけるR形状の大きさは、フロントストッパー10の半径をRとした場合に、0.1R≦R≦2.0Rの範囲の寸法に設定されていることが望ましい。半径Rの値が0.1Rを下回る場合、後述するようなR形状による薬液導入溝12内への薬液m導入効果を得にくくなるため好ましくない。また、半径Rの値が2.0Rを超える場合、フロントストッパー10の後端面10bに対する薬液導入溝12の開口が大きくなり過ぎるため、薬液mの流速の低下を招き好ましくない。
さらに、薬液導入溝12は、図4に示すように、その溝面13における先端部13bが軸線Oを含む断面においてフロントストッパー10の外周面11に対して90°の角度θをなして接続する直線状をなしている。これによって、後述するように薬液m内の圧力の上昇効果を得ることができる。なお、この薬液導入溝12の先端部13bに、フロントストッパー10の外周面11に滑らかに接続されるR形状が形成されていてもよい。この場合、R形状の大きさは容器兼用注射器の半径Rとした際に0.2R以下の寸法にされていることが好ましい。これにより圧力上昇効果を確実に得ながら、円滑に薬液mを流通させることができる。
以上のような構成の容器兼用注射器30を用いて患者に注射を行う際には、薬液m内に残留した気泡を除去するエアー抜きの作業を行う。このエアー抜きの際には、まず容器兼用注射器30の先端側を上方に向け、かつ、薬液導入溝12を上方に向けた状態で該容器兼用注射器30を保持する。これにより、薬液m内の気泡は、フロントストッパー10の後端面10bにおける薬液導入溝12付近に集中する。
そして、この状態でプランジャロッド6を押し込むと、該プランジャロッド6に連結されたエンドストッパー5が外筒1内を前方側に移動し、このエンドストッパー5による押圧力が薬液mを介してフロントストッパー10に伝達され、該フロントストッパー10が前進する。
そして、図7に示すように、フロントストッパー10の先端側部分10Aがバイパスチャンバー25に移入して薬液導入溝12の先端がバイパス溝26に接続されると、薬液mにおける外筒1先端側の密封が解除される。この際、プランジャロッド6の押し込みにより高まった外筒1内部の圧力が瞬間的に開放され、これに伴って薬液導入溝12付近に集中した気泡が勢い良くバイパス溝26内に流入し、バイパス溝26及び導入孔23aを介してルアー先23の先端から容器兼用注射器30外部に放出される。これにより、エアー抜きによって外部に放出される薬液mを最小限に抑えて、効果的に薬液m内の気泡を除去することが可能となる。
また、例えば、上記薬液導入溝12がフロントストッパー10の外周面11の周方向に間隔を空けて複数設けられている場合、一の薬液導入溝12に気泡を集中させてエアー抜きの作業を行うと同時に他の複数の薬液導入溝12から薬液mが放出されてしまうため、無駄になる薬液mが多くなってしまうという欠点がある。この点、本実施形態の容器兼用注射器30では、薬液導入溝12が一のみ設けられているため、上記欠点を解消して、無駄になる薬液mの量を最小限に抑えながら気泡を除去することができる。
そして、エアー抜きの作業を終えた後に、患者の患部に注射針8を刺してプランジャロッド6をさらに押し込んでフロントストッパーをさらに前進させると、図8に示すように、フロントストッパー10はそのチャンバー移入部分10Aが完全にバイパスチャンバー25内に移入して、フロントストッパー10の先端面10aとバイパスチャンバー25の前端面25aとが液密に当接する。これにより、薬液導入溝12とバイパス溝26とが完全に連通された状態となり、外筒1内の薬液mが、薬液導入溝12、バイパス溝26、導入孔23a、注射針8を通過して患者の体内に投与されることになる。
ここで、上記のようにエアー抜きの作業を施したとしても、薬液mの表面張力の影響により、フロントストッパー10の後端面10bに僅かながら気泡が残存してしまう場合がある。
これに対して、本実施形態においては、フロントストッパー10が前方へ移動すると薬液導入溝12がバイパス溝26に接続されて薬液mの封止が解除される一方で、該フロントストッパー10が最前方まで移動した際であっても、その後端側の外筒嵌入部分10Bは外筒1内に嵌入した状態にある。これにより、外筒1内の薬液mは必ず薬液導入溝12を通過して前方側へ移動することになる。そして、薬液mはこの狭い溝状の単一の薬液導入溝12を流通することでその流速が上昇するため、この流れに促されるようにして薬液m内の気泡が先端側へと送ることができる。これにより、フロントストッパー10の後端面に集中した外筒1内の気泡は、薬液mの表面張力の振り切って薬液導入溝12内に導入される。したがって、エアー抜きの作業で除去し切れなかった気泡を確実に排出することが可能となる。
また、本実施形態においては、上述したように薬液導入溝12の後端部がR形状をなしているため、エアー抜きの過程において薬液導入溝12付近に集中した気泡を当該薬液導入溝12内に円滑に導入することができる。これにより、より効率良く気泡を外部へと排出することが可能となる。また、気泡のみならず薬液mも薬液導入溝12内に流入し易くなることから、当該薬液導入溝12内への薬液mの流入速度が増加するため、この薬液mの流入に追従させるようにしてフロントストッパー10の後端面に残存した気泡を薬液導入溝12内に導入することができる。これによって、エアー抜きの作業によって除去し切れずに残存した気泡も容易に排出することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、薬液導入溝12の溝面13の先端部13aが、軸線Oを含む断面においてフロントストッパー10の外周面11に対して90°の角度θをなして接続する直線状をなしているため、薬液導入溝12内において軸線Oと略平行に流通してきた薬液mが、当該薬液導入溝12の先端部付近にて外筒1の径方向外側へと向きが強制的に変化させられる。これにより、薬液mが流通する際の抵抗が一時的に大きくなるため、薬液m内の圧力が上昇し、この高い圧力でもって薬液mの流通速度を向上させることができる。したがって、より円滑に薬液m内の気泡を除去することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態である容器兼用注射器30について説明したが、詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
1 外筒
1a リング状突起
1b リング状突起
4 フィンガーグリップ
5 エンドストッパー
6 プランジャロッド
8 注射針
10 フロントストッパー
10A チャンバー移入部分(先端側部分)
10B 外筒嵌入部分(後端側部分)
10a 先端面
10b 後端面
10c 突起
11 外周面
12 薬液導入溝
13 溝面
13a 後端部
13b 先端部
20 筒先
21 基端部
22 円筒部
23 ルアー先
23a 導入孔
24 嵌着孔
25 バイパスチャンバー
25a 前端面
26 バイパス溝
26a 直線溝
26b 環状溝
30 容器兼用注射器
m 薬液

Claims (4)

  1. 軸線に沿って延びる外筒と、基端側の嵌着孔を介して前記外筒の先端外周に外嵌されるとともに、注射針に薬液を導入する導入孔が形成されたルアー先を有する筒先と、前記外筒内の先端側に液密に嵌入されるフロントストッパーとを備えた容器兼用注射器において、
    前記フロントストッパーの外周面に、該フロントストッパーの後端面に開口して先端側に向かって延びる単一の薬液導入溝が形成され、
    前記筒先における前記嵌着孔の前方側に、前記フロントストッパーの先端側部分が移入して嵌り込むバイパスチャンバーが設けられ、
    該バイパスチャンバーの内壁面に、前記バイパスチャンバーに移入した前記フロントストッパーの薬液導入溝が接続されるとともに前記導入孔に連絡するバイパス溝が設けられていることを特徴とする容器兼用注射器。
  2. 前記フロントストッパーが前方側に移動して前記先端側部分が前記バイパスチャンバーに移入した際に、前記薬液導入溝が前記バイパス溝に接続され、
    前記フロントストッパーが前記バイパスチャンバーの前端面に当接した際に、前記フロントストッパーの後端側部分が前記外筒に嵌入した状態にあることを特徴とする請求項1に記載の容器兼用注射器。
  3. 前記薬液導入溝の溝面の後端部が、前記フロントストッパーの後端面に滑らかに連続するR形状をなしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器兼用注射器。
  4. 前記薬液導入溝の溝面の先端部が、前記軸線を含む断面において前記フロントストッパーの外周面に対して90°の角度をなして接続する直線状をなしていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の容器兼用注射器。
JP2010040921A 2010-02-25 2010-02-25 容器兼用注射器 Pending JP2011172849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010040921A JP2011172849A (ja) 2010-02-25 2010-02-25 容器兼用注射器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010040921A JP2011172849A (ja) 2010-02-25 2010-02-25 容器兼用注射器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011172849A true JP2011172849A (ja) 2011-09-08

Family

ID=44686293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010040921A Pending JP2011172849A (ja) 2010-02-25 2010-02-25 容器兼用注射器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011172849A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107670156A (zh) * 2017-11-08 2018-02-09 南通大学附属医院 一种无痛麻醉注射器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08141081A (ja) * 1994-11-18 1996-06-04 Arte:Kk 1室式容器兼用注射器
JP2004129723A (ja) * 2002-10-08 2004-04-30 Arute:Kk 容器兼用注射器

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08141081A (ja) * 1994-11-18 1996-06-04 Arte:Kk 1室式容器兼用注射器
JP2004129723A (ja) * 2002-10-08 2004-04-30 Arute:Kk 容器兼用注射器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107670156A (zh) * 2017-11-08 2018-02-09 南通大学附属医院 一种无痛麻醉注射器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4934226B1 (ja) 容器兼用注射器
JP4682850B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP2007185319A5 (ja)
US9925343B2 (en) Luer connection adapters for syringes
JP2014155617A (ja) 二室式容器兼用注射器
EP2436411A1 (en) Packaging of delivery device for aseptic filling and distribution
US9757526B2 (en) Drug administration instrument
KR102309016B1 (ko) 최소잔여형 바이알 어댑터
JP2011172849A (ja) 容器兼用注射器
JP2008099728A (ja) 容器兼用注射器
US10806671B2 (en) Syringe assembly
JP2010125162A (ja) 容器兼用注射器
JP2011098163A (ja) 容器兼用注射器
KR101712623B1 (ko) 안전 주사기
KR101712624B1 (ko) 안전 주사기
WO2017057476A1 (ja) 医療用樹脂製中空針、それを用いた医療用具セットおよび穿刺部付外筒
JP2008104776A (ja) 容器兼用注射器
JP2010162426A (ja) 鍔部強化シリンジと自動注入装置を備える薬液注入システム
CN106726563B (zh) 排气针
JP2010094440A (ja) 容器兼用注射器
JP2019188037A (ja) 二室式容器兼用注射器
WO2017170634A1 (ja) シール部材、シリンジ組立体及びプレフィルドシリンジ
US20170100544A1 (en) Fluid transfer mechanism for needle-free injection device
KR101671891B1 (ko) 일체형 주사 키트
JP2005211512A (ja) 液体注入具およびプレフィルドシリンジ製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120605