本発明は、始動領域を遊技媒体が通過した後、可変表示の開始を許容する開始条件が成立したことにもとづいて各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を開始し、導出表示された表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに特定遊技状態となるパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
本発明による遊技機は、始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技媒体(例えば、遊技球)が通過した後、可変表示の開始を許容する開始条件が成立したこと(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの可変表示も実行されておらず、かつ大当り遊技状態でもないこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示を開始し、導出表示された表示結果があらかじめ定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)となったときに特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)となる遊技機において、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段からのコマンドにもとづいて演出の実行を制御する演出制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、を備え、遊技制御手段は、始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、少なくとも、特定遊技状態とするか否かを決定するための特定遊技状態決定用数値データ(例えば、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1))と、識別情報の可変表示に対応した演出の演出態様を決定するための演出態様決定用数値データ(例えば、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン判定用乱数(ランダム3))とを抽出する数値データ抽出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS215A,S215Bを実行する部分)と、始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず開始条件が成立していない識別情報の可変表示について、所定の上限数(例えば、第1保留記憶数と第2保留記憶数との上限数4の合計である8)を限度に、数値データ抽出手段により抽出された特定遊技状態決定用数値データおよび演出態様決定用数値データを保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファ。第2保留記憶バッファ。)と、開始条件が成立したことにもとづいて、保留記憶手段に記憶された特定遊技状態決定用数値データを用いて、特定遊技状態とするか否かを識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される以前に決定する開始時特定遊技状態決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS61,S62,S73を実行する部分)と、開始条件が成立したことにもとづいて、保留記憶手段に記憶された演出態様決定用数値データを用いて、識別情報の可変表示に対応した演出の演出態様(例えば、変動パターン種別、変動パターン)をいずれの態様とするかと、識別情報の可変表示の可変表示時間(例えば、変動時間)とを、識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される以前に決定する開始時演出態様決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS81〜S102を実行する部分)と、開始時特定遊技状態決定手段の決定結果を特定可能な開始時特定遊技状態決定結果コマンド(例えば、表示結果指定コマンド)と、開始時演出態様決定手段の決定結果を特定可能な開始時演出態様決定結果コマンド(例えば、変動パターンコマンド)とを送信する開始時コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS112,S114,S116,S117,S119,S120,S107を実行する部分)と、始動領域を遊技媒体が通過したときに、数値データ抽出手段により抽出された特定遊技状態決定用数値データを用いて、特定遊技状態となるか否かを判定する始動時特定遊技状態判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS220〜S223,S229を実行する部分)と、始動領域を遊技媒体が通過したときに、数値データ抽出手段により抽出された演出態様決定用数値データを用いて、識別情報の可変表示に対応した演出の演出態様がいずれの態様となるかを判定する始動時演出態様判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS232を実行する部分)と、始動時特定遊技状態判定手段の判定結果を特定可能な始動時特定遊技状態判定結果コマンド(例えば、図柄指定コマンド)と、始動時演出態様判定手段の判定結果を特定可能な始動時演出態様判定結果コマンド(例えば、変動カテゴリコマンド)とを送信する始動時コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS217A,S217Bを実行する部分)と、を含み、演出制御手段は、開始時コマンド送信手段により送信された開始時特定遊技状態決定結果コマンドと開始時演出態様決定結果コマンドとにもとづいて、識別情報の可変表示に対応した演出(例えば、演出図柄の変動表示)を実行させる制御を行う演出実行制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS800〜S803を実行する部分)と、始動時コマンド送信手段により送信された始動時特定遊技状態判定結果コマンドと始動時演出態様判定結果コマンドとにもとづいて、始動時特定遊技状態判定手段および始動時演出態様判定手段による判定の対象となった識別情報の可変表示が実行される以前に事前予告演出(例えば、先読み予告(大当り中予告演出、連続予告演出))を実行する事前予告演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS8108を実行する部分。ステップS3909で大当り中予告演出の演出態様に応じたラウンド中演出用のプロセスデータを選択してステップS2904を実行する部分。)と、を含み、事前予告演出実行手段は、特定遊技状態に制御されているときに、少なくとも特定遊技状態となる判定結果が特定された始動時特定遊技状態判定結果コマンドにもとづいて、所定数分の保留記憶のうちの特定遊技状態となる保留記憶に対して、事前予告演出として特定遊技状態中予告演出を実行する特定遊技状態中予告演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS6503で図柄指定コマンドにもとづく抽選許可判定を実行して、ステップS3909で大当り中予告演出の演出態様に応じたラウンド中演出用のプロセスデータを選択してステップS2904を実行する部分)と、特定遊技状態に制御されていないときに、少なくとも始動時演出態様判定結果コマンドにもとづいて、始動時演出態様判定手段による判定の対象となった識別情報の可変表示が実行される以前に開始される識別情報の可変表示に対応した演出において、事前予告演出として演出中予告演出を実行する演出中予告演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS6012,S6019で変動カテゴリコマンドにもとづく連続予告態様の決定を実行して、ステップS8108を実行する部分)と、を含み、開始時演出態様決定手段は、特定遊技状態が終わった後の所定数分(例えば、4つ)の保留記憶のうちの特定遊技状態となる保留記憶に対する識別情報の可変表示(例えば、大当り遊技終了後1〜4変動目の大当り変動の変動表示)の可変表示時間として、当該識別情報の可変表示が実行されるときの遊技状態と共通の遊技状態(例えば、高確率状態)において、特定遊技状態が終わった後の所定数分の保留記憶以外の保留記憶が特定遊技状態となるときに決定される可変表示時間よりも短い可変表示時間に決定する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS86でYと判定しステップS87で高確率用の大当り用変動パターン種別判定テーブルを選択してステップS100〜S102を実行して変動パターンを決定する場合と比較して、ステップS84でYと判定してステップS85で大当り用変動パターン種別判定テーブル132Gを選択してステップS100〜S102を実行した場合には、変動時間が7.5秒と短いノーマルPD1−1の変動パターンを決定する)ことを特徴とする。そのような構成により、始動領域を遊技媒体が通過したときに、特定遊技状態であるか否かにかかわらず、特定遊技状態判定結果コマンドと演出態様判定結果コマンドとをともに送信するようにして、始動時の判定の対象となった識別情報の可変表示が実行される以前に予告演出を実行することができる。従って、特定遊技状態であるか否かに応じて異なる判定結果コマンドを送信する制御を行う必要をなくすことができ、始動時の判定の対象となった識別情報の可変表示が実行される以前に予告演出を実行するための処理負担やプログラム容量の増加を防止することができる。また、特定遊技状態に制御されているときに特定遊技状態中予告演出を実行した場合に、所定数分の保留記憶のうちの特定遊技状態となる保留記憶に対する識別情報の可変表示の可変表示時間として、当該識別情報の可変表示が実行されるときの遊技状態と共通の遊技状態において、所定数分の保留記憶以外の保留記憶が特定遊技状態となるときに決定される可変表示時間よりも短い可変表示時間に決定されるので、特定遊技状態中予告演出を実行した後に特定遊技状態となる保留記憶に対する識別情報の可変表示における無駄な演出時間を削減することができる。
本発明による遊技機の他の態様は、始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技媒体(例えば、遊技球)が通過した後、可変表示の開始を許容する開始条件が成立したこと(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの可変表示も実行されておらず、かつ大当り遊技状態でもないこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示を開始し、導出表示された表示結果があらかじめ定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)となったときに特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)となる遊技機において、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段からのコマンドにもとづいて演出の実行を制御する演出制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、を備え、遊技制御手段は、始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、少なくとも、特定遊技状態とするか否かを決定するための特定遊技状態決定用数値データ(例えば、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1))と、識別情報の可変表示に対応した演出の演出態様を決定するための演出態様決定用数値データ(例えば、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン判定用乱数(ランダム3))とを抽出する数値データ抽出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS215A,S215Bを実行する部分)と、始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず開始条件が成立していない識別情報の可変表示について、所定の上限数(例えば、第1保留記憶数と第2保留記憶数との上限数4の合計である8)を限度に、数値データ抽出手段により抽出された特定遊技状態決定用数値データおよび演出態様決定用数値データを保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファ。第2保留記憶バッファ。)と、開始条件が成立したことにもとづいて、保留記憶手段に記憶された特定遊技状態決定用数値データを用いて、特定遊技状態とするか否かを識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される以前に決定する開始時特定遊技状態決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS61,S62,S73を実行する部分)と、開始条件が成立したことにもとづいて、保留記憶手段に記憶された演出態様決定用数値データを用いて、識別情報の可変表示に対応した演出の演出態様(例えば、変動パターン種別、変動パターン)をいずれの態様とするかと、識別情報の可変表示の可変表示時間(例えば、変動時間)とを、識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される以前に決定する開始時演出態様決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS81〜S102を実行する部分)と、開始時特定遊技状態決定手段の決定結果を特定可能な開始時特定遊技状態決定結果コマンド(例えば、表示結果指定コマンド)と、開始時演出態様決定手段の決定結果を特定可能な開始時演出態様決定結果コマンド(例えば、変動パターンコマンド)とを送信する開始時コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS112,S114,S116,S117,S119,S120,S107を実行する部分)と、始動領域を遊技媒体が通過したときに、数値データ抽出手段により抽出された特定遊技状態決定用数値データを用いて、特定遊技状態となるか否かを判定する始動時特定遊技状態判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS220〜S223,S229を実行する部分)と、始動領域を遊技媒体が通過したときに、数値データ抽出手段により抽出された演出態様決定用数値データを用いて、識別情報の可変表示に対応した演出の演出態様がいずれの態様となるかを判定する始動時演出態様判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS232を実行する部分)と、始動時特定遊技状態判定手段の判定結果を特定可能な始動時特定遊技状態判定結果コマンド(例えば、図柄指定コマンド)と、始動時演出態様判定手段の判定結果を特定可能な始動時演出態様判定結果コマンド(例えば、変動カテゴリコマンド)とを送信する始動時コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS217A,S217Bを実行する部分)と、を含み、演出制御手段は、開始時コマンド送信手段により送信された開始時特定遊技状態決定結果コマンドと開始時演出態様決定結果コマンドとにもとづいて、識別情報の可変表示に対応した演出(例えば、演出図柄の変動表示)を実行させる制御を行う演出実行制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS800〜S803を実行する部分)と、始動時コマンド送信手段により送信された始動時特定遊技状態判定結果コマンドと始動時演出態様判定結果コマンドとにもとづいて、始動時特定遊技状態判定手段および始動時演出態様判定手段による判定の対象となった識別情報の可変表示が実行される以前に事前予告演出(例えば、先読み予告(大当り中予告演出、連続予告演出))を実行する事前予告演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS8108を実行する部分。ステップS3909で大当り中予告演出の演出態様に応じたラウンド中演出用のプロセスデータを選択してステップS2904を実行する部分。)と、を含み、事前予告演出実行手段は、特定遊技状態に制御されているときに、少なくとも特定遊技状態となる判定結果が特定された始動時特定遊技状態判定結果コマンドにもとづいて、所定数分の保留記憶のうちの特定遊技状態となる保留記憶に対して、事前予告演出として特定遊技状態中予告演出を実行する特定遊技状態中予告演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS6503で図柄指定コマンドにもとづく抽選許可判定を実行して、ステップS3909で大当り中予告演出の演出態様に応じたラウンド中演出用のプロセスデータを選択してステップS2904を実行する部分)と、特定遊技状態に制御されていないときに、少なくとも始動時演出態様判定結果コマンドにもとづいて、始動時演出態様判定手段による判定の対象となった識別情報の可変表示が実行される以前に開始される識別情報の可変表示に対応した演出において、事前予告演出として演出中予告演出を実行する演出中予告演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS6012,S6019で変動カテゴリコマンドにもとづく連続予告態様の決定を実行して、ステップS8108を実行する部分)と、を含み、開始時演出態様決定手段は、特定遊技状態が終わった後の所定数分(例えば、4つ)の保留記憶のうちの特定遊技状態となる保留記憶に対する識別情報の可変表示(例えば、大当り遊技終了後1〜4変動目の大当り変動の変動表示)の可変表示時間として、当該識別情報の可変表示が実行されるときの遊技状態と異なる遊技状態(例えば、低確率状態)において、特定遊技状態が終わった後の所定数分の保留記憶以外の保留記憶が特定遊技状態となるときに決定される可変表示時間よりも短い可変表示時間に決定する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS86でNと判定しステップS88で低確率用の大当り用変動パターン種別判定テーブルを選択してステップS100〜S102を実行して変動パターンを決定する場合と比較して、ステップS84でYと判定してステップS85で大当り用変動パターン種別判定テーブル132Gを選択してステップS100〜S102を実行した場合には、変動時間が7.5秒と短いノーマルPD1−1の変動パターンを決定する)ことを特徴とする。そのような構成により、始動領域を遊技媒体が通過したときに、特定遊技状態であるか否かにかかわらず、特定遊技状態判定結果コマンドと演出態様判定結果コマンドとをともに送信するようにして、始動時の判定の対象となった識別情報の可変表示が実行される以前に予告演出を実行することができる。従って、特定遊技状態であるか否かに応じて異なる判定結果コマンドを送信する制御を行う必要をなくすことができ、始動時の判定の対象となった識別情報の可変表示が実行される以前に予告演出を実行するための処理負担やプログラム容量の増加を防止することができる。また、特定遊技状態に制御されているときに特定遊技状態中予告演出を実行した場合に、所定数分の保留記憶のうちの特定遊技状態となる保留記憶に対する識別情報の可変表示の可変表示時間として、当該識別情報の可変表示が実行されるときの遊技状態と異なる遊技状態において、所定数分の保留記憶以外の保留記憶が特定遊技状態となるときに決定される可変表示時間よりも短い可変表示時間に決定されるので、特定遊技状態中予告演出を実行した後に特定遊技状態となる保留記憶に対する識別情報の可変表示における無駄な演出時間を削減することができる。