JP2011170102A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】面状発熱体により定着部材を均一に加熱する定着装置及び画像形成装置を提供し、また種々のサイズの記録媒体に対応して定着部材を適切に加熱する定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着スリーブ21と、加圧ローラ31と、定着スリーブ21を介して加圧ローラ31と当接してニップ部を形成する当接部材26と、定着スリーブ21の内周面と当接可能に配置され、定着スリーブ21を加熱する面状発熱体22と、定着スリーブ21の内周側に定着スリーブ21との間に面状発熱体22を挟むように配置され面状発熱体22を支持する発熱体支持部材33aを定着スリーブ21の内周面に対して押し付ける方向または離れる方向に移動させて、面状発熱体22を定着スリーブ21に当接または離間させる発熱体移動機構部33と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、面状発熱体を用いた定着装置及び該定着装置を備える電子写真方式、静電記録方式等を利用したFAX、プリンタ、複写機またはそれらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置として、電子写真方式を利用した画像形成装置が種々考案されており公知技術となっている。その画像形成プロセスは、像担持体である感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像して可視像化し、現像された画像を転写装置により記録紙(用紙、記録媒体ともいう)に転写して画像を担持させ、圧力や熱等を用いる定着装置によって記録紙上のトナー画像を定着する過程により成立している。
この定着装置では、対向するローラもしくはベルトもしくはそれらの組み合わせにより構成された定着部材及び加圧部材が当接してニップ部を形成するように配置されており、該ニップ部に記録紙を挟みこみ、熱および圧力を加え前記トナー像を記録紙上に定着することを行っている。
前記定着装置の一例を挙げると、複数のローラ部材に張架された定着ベルトを定着部材として用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような定着ベルトを用いた装置は、定着部材としての定着ベルト(無端状ベルト)、定着ベルトを張架・支持する複数のローラ部材、複数のローラ部材のうち1つのローラ部材に内設されたヒータ、加圧ローラ(加圧部材)、等で構成されている。ヒータは、ローラ部材を介して定着ベルトを加熱する。そして、定着ベルトと加圧ローラとの間に形成されたニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される(ベルト定着方式)。
また、上述した画像形成装置に用いられる定着装置において、回転体である定着部材の内面に摺接する固定部材を有している定着装置がある。
例えば、特許文献2では、発熱体としてのセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム(定着フィルム)を挟ませて定着ニップ部を形成させ、前記定着ニップ部のフィルムと加圧ローラとの間に画像定着すべき未定着トナー画像を形成担持させた被記録材を導入して、フィルムと一緒に挟持搬送させることで、ニップ部においてセラミックヒータの熱がフィルムを介して被記録材に与えられ、また、定着ニップ部の加圧力にて未定着トナー画像を被記録材面に熱圧定着させるフィルム加熱方式の定着装置が開示されている。このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミックヒータ及びフィルムとして低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができるとともに、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態にすればよく、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
また、特許文献3,4では、表面が弾性変形する回転可能な加熱定着ロールと、前記加熱定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルト(加圧ベルト)と、前記エンドレスベルトの内側に非回転状態で配置されて、前記エンドレスベルトを前記加熱定着ロールに圧接させ、前記エンドレスベルトと前記加熱定着ロールとの間に記録紙が通過させられるベルトニップを設けると共に、前記加熱定着ロールの表面を弾性変形させる加圧パッドとを具備してなる加圧ベルト方式の画像定着装置が提案されている。この定着方式によれば、下の加圧部材をベルトにし、用紙とロールの接触面積を広げることで熱伝導効率を大幅に向上させ、エネルギー消費を抑制すると同時に小型化を実現することが可能となっている。
しかしながら、上述した特許文献1記載の定着装置は、定着ローラを用いた装置に比べて装置の高速化に適しているものの、ウォームアップ時間(プリント可能な温度に達するまでに要する時間である。)やファーストプリント時間(プリント要求を受けた後にプリント準備を経てプリント動作をおこない排紙が完了するまでの時間である。)の短縮化に限界があった。
これに対して、特許文献2記載の定着装置は、低熱容量化によりウォームアップ時間やファーストプリント時間の短縮化が可能になるとともに、装置の小型化も可能になる。しか、特許文献2記載の定着装置では、耐久性の問題と、ベルト温度安定性の問題があった。すなわち、熱源であるセラミックヒータとベルト内面の摺動による耐磨耗性が不十分であり、長時間運転すると連続摩擦を繰り返す面が荒れて摩擦抵抗が増大し、ベルトの走行が不安定になる、もしくは定着装置の駆動トルクが増大する等の現象が生じ、その結果、画像を形成する転写紙のスリップが生じ画像のずれが生じる、または駆動ギヤに係る応力が増大し、ギヤの破損を引き起こすという不具合が発生した(課題1)。
また、フィルム加熱方式の定着装置では、ベルトをニップ部で局所的に加熱しているため回転するベルトがニップ入り口に戻ってくる際に、ベルト温度は最も冷えた状態になり、(特に高速回転を行うと)定着不良が出やすいという問題があった(課題2)。
一方、特許文献3では、圧力パッドの表層に低摩擦シート(シート状摺動材)としてPTFEを含浸させたガラス繊維シート(PTFE含浸ガラスクロス)を用い、ベルト内面と固定部材の摺動性の問題を改善する手段が開示されている。しかし、このような加圧ベルト方式の定着装置(特許文献3,4)では、定着ローラの熱容量が大きく、昇温が遅いため、ウォームアップにかかる時間が長いという問題があった。(課題3)。
以上のような課題1〜3に対して、特許文献5,6では、無端状の定着ベルトの内周側に配置される略パイプ状の対向部材(金属熱伝導体)と、前記対向部材の内周側に配置され該対向部材を加熱するセラミックヒータ等の抵抗発熱体とを設けることにより、定着ベルト全体を温めることを可能にし、ウォームアップ時間やファーストプリント時間を短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することのできる定着装置が提案されている。しかしながら、可撓性のある定着ベルトが回転走行中に金属熱伝導体から大きく離間する箇所が発生することがあり、その箇所では熱伝達が行われないことから、金属伝導体が過昇温の状態となってヤケが発生し定着ベルトの回転トルクが上昇する問題があった。また、対向部材(金属熱伝導体)を介して抵抗発熱体の熱を定着ベルトに伝える方式であるため、ウォームアップ時間やファーストプリント時間の短縮という点で不十分であった。
これに対して、特許文献7では、無端状の定着ベルトと、該定着ベルトに圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧ローラと、前記定着ベルトの内周面側に固設されて当該定着ベルトを加熱する抵抗発熱体と、を備え、前記抵抗発熱体は、前記定着ベルトの内周面に対して圧接しないように微小ギャップで配設され、輻射熱で定着ベルト全体を加熱する定着装置が提案されている。これにより、ウォームアップ時間やファーストプリント時間をより短くし、装置を高速化した場合であっても定着不良や定着部材及び抵抗発熱体の磨耗・破損等の不具合が生じないようにすることができるものとしている。
しかしながら、特許文献7記載の定着装置では、加熱効率の低下を抑制するために定着ベルトと抵抗発熱体とを近接した状態に配置していることから、可撓性のある定着ベルトが回転走行する際には部分的に抵抗発熱体と接触することがあり、その接触部分の伝熱によって定着ベルトが不均一に加熱されて温度ムラが発生することがあった。
また、特許文献7記載の定着装置においては、加圧ローラの回転、振動に起因する応力が抵抗発熱体に繰り返し作用して、前記抵抗発熱体の屈曲が繰り返し行われるようになるが、該抵抗発熱体が金属材料からなるものであるため、繰り返しの屈曲による疲労破壊により断線して定着ベルトの適切な加熱が行われないことがあった。
ところで、定着装置では、種々の記録媒体が通紙されることが前提となっており、例えば、定着部材の加熱手段の軸方向の発熱幅よりも小さな記録媒体が通紙されることもある。この場合、そのままでは定着部材の非通紙領域は記録媒体に熱を奪われないことから熱量過多(過昇温)となり、該定着部材の劣化が進んで寿命が短くなる問題があった。
そこで、特許文献8では、それぞれがシートの幅方向において互いに異なる発熱分布を有している熱源(ハロゲンヒータ、面状発熱体、電磁誘導加熱手段(IH)など)を加熱手段として配置し、記録媒体の通紙幅に適した熱源にのみ給電することで定着部材の端部温度上昇を防止する発明が開示されている。しかしながら、配置した熱源の数でしか発熱幅を変化させることが出来ないため、記録媒体のサイズ対応力としては不十分であった。
また、特許文献7では、複数の抵抗発熱体を定着ベルトの軸方向に並べて配置し、それぞれの抵抗発熱体について独立して発熱の制御を行うことにより、定着ベルトにおける軸方向の発熱分布を可変としているが、この発明も同様に種々のサイズの記録媒体に柔軟に対応することは困難であった。また、抵抗発熱体が金属箔からなるものであることから定着ベルトにおける温度分布を調整する自由度が狭かった。すなわち、隣接する抵抗発熱体同士を重ね合わせることが困難であり、お互いを一定の間隔で離して配置するようになることから、その境界部分の加熱が不足し、定着ベルトの軸方向の温度分布が不均一なものとなり好ましいものではなかった。また、隣接する抵抗発熱体同士を重ね合わせることができたとしても、抵抗発熱体を定着ベルトの内周面に対して圧接しないように微小ギャップで配設している関係上、重ね合わせた部分が局部的に厚くなって定着ベルトとの当たりが不均一となることから、定着ベルトの均一加熱に不都合であった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、面状発熱体により定着部材を均一に加熱する定着装置及び画像形成装置を提供し、また種々のサイズの記録媒体に対応して定着部材を適切に加熱する定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 回転する無端状ベルトの定着部材(定着スリーブ21)と、前記定着部材の外周面と当接する加圧部材(加圧ローラ31)と、前記定着部材の内周側に配置され、該定着部材を介して前記加圧部材と当接してニップ部を形成する当接部材(当接部材26)と、前記定着部材の内周面と当接可能に配置され、前記定着部材を加熱する面状発熱体(面状発熱体22)と、前記定着部材の内周側に該定着部材との間に前記面状発熱体を挟むように配置され該面状発熱体を支持する発熱体支持部材(発熱体支持部材33a)を前記定着部材の内周面に対して押し付ける方向または離れる方向に移動させて、前記面状発熱体を前記定着部材に当接または離間させる発熱体移動機構部(発熱体移動機構部33)と、を備えることを特徴とする定着装置(定着装置20、図4,図5,図7〜図10)。
〔2〕 前記面状発熱体は、定着処理のときに、前記発熱体移動機構部により前記定着部材の内周面に押し付けられた状態で当接することを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置。
〔3〕 前記発熱体支持部材の前記面状発熱体を支持する面は、前記定着部材の軸方向において該定着部材の厚み方向に高低差のある曲面または斜面を有し、前記発熱体移動機構部は、前記発熱体支持部材の移動量を調整して前記定着部材の軸方向における該定着部材と面状発熱体との当接状態を調整することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置(図7,図8)。
〔4〕 前記発熱体移動機構部は、通紙する記録媒体の幅に対応して、前記発熱体支持部材の移動量を調整することを特徴とする前記〔3〕に記載の定着装置。
〔5〕 前記定着部材の軸方向所定位置の温度を検出する温度検出手段(温度センサ33s1,33s2)を備え、前記発熱体移動機構部は、前記温度検出手段の温度検出結果に基づいて、前記発熱体支持部材の移動量を調整することを特徴とする前記〔3〕または〔4〕に記載の定着装置(図7)。
〔6〕 前記面状発熱体は、絶縁性を有する基層(基層22a)上に、耐熱性樹脂中に導電性粒子が分散されてなる抵抗発熱層(抵抗発熱層22b)と、該抵抗発熱層に電力を供給する電極層(電極層22c)と、が形成され、前記定着部材の軸方向、周方向に対応して所定の幅及び長さをもち可撓性を示す発熱シート(発熱シート22s)を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の定着装置(図3)。
〔7〕 前記定着部材の内周側であって少なくとも前記ニップ部下流側で、該定着部材の回転状態を支持する回転支持部材(回転支持部材27)を備えることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の定着装置(図9,図10)。
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置(画像形成装置1、図11)。
本発明の定着装置によれば、発熱体移動機構部の当接動作制御により面状発熱体の軸方向全幅において定着部材に当接する圧力がある値以上になり、面状発熱体から定着部材への伝熱の効率が軸方向のどの位置に置いても一定となるため、定着部材は軸方向に均一に加熱されるようになり、定着部材の軸方向で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。また、発熱体移動機構部の離間動作制御により、定着処理の準備動作のときに、面状発熱体を定着部材から離間させておくことにより、定着部材において面状発熱体からの予熱を排除するとともに面状発熱体の熱容量を切り離すことができるので、ダウンリロード時間を短縮することが可能となる。
また、本発明の定着装置によれば、発熱体移動機構部により面状発熱体の軸方向の任意の領域において定着部材に当接する圧力がある値以上になり、面状発熱体から定着部材への伝熱の効率がその幅領域において一定となるため、定着部材において通紙する記録媒体の最小サイズから最大サイズまでの任意の幅に対応しかつ適合した領域を均一に加熱することができるとともに、通紙する記録媒体の幅よりも外側となる領域の過昇温を防止することができる。
本発明の画像形成装置によれば、本発明の定着装置を備えているので、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、軸方向で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。また、記録媒体のサイズが変わっても適切な画像形成が可能である。
本発明に係る定着装置の前提となる参考例の構成を示す断面図である。 定着スリーブにおける軸方向、周方向を示す概略図である。 本発明で用いる発熱シートの構成を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の第1の実施形態における構成を示す断面図である。 発熱体移動機構部の軸方向における構成例(1)を示す断面概略図である。 発熱シートの構成例を示す図である。 本発明に係る定着装置の第2の実施形態として、発熱体移動機構部の軸方向における構成例(2)を示す断面概略図である。 発熱体支持部材の軸方向における断面形状を示す断面概略図である。 本発明に係る定着装置の第3の実施形態における構成を示す断面図である。 本発明の定着装置で用いる回転支持部材の構成を示す斜視図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
まず、本発明に係る定着装置の前提となる参考例について説明する。
図1は、本発明に係る定着装置の前提となる参考例の構成を示す断面図である。
図1に示すように、定着装置50は、回転する無端状ベルトからなる定着部材(定着スリーブ21(定着回転体ともいう))と、前記定着部材の外周面と当接する加圧部材(加圧ローラ31(加圧回転体ともいう))と、前記定着部材の内周側に配置され、該定着部材を介して前記加圧部材と当接してニップ部を形成する当接部材(当接部材26)と、前記定着部材の内周側に該定着部材と当接または近接して配置され、前記定着部材を直接または間接的に加熱する面状発熱体(面状発熱体22)と、前記定着部材の内周側に該定着部材との間に前記面状発熱体を挟むように配置され、該面状発熱体を所定位置で支持する発熱体支持部材(発熱体支持部材23)と、を備える。なお、図1では、面状発熱体22が定着スリーブ21の内周面と当接し、直接加熱する構成となっている。
ここで、定着スリーブ21は、軸方向が通紙される記録媒体Pの幅に対応する長さを有し、可撓性を有するパイプ形状の無端状ベルトであり、例えば厚さが30〜50μmの金属材料からなる基材上に少なくとも離型層を形成したものであって、外径が30mmになっている。なお以降、図2(a)に示すように、定着スリーブ21のパイプ長手方向を軸方向と、図2(b)に示すように、定着スリーブ21のパイプ円周方向を周方向と称する。
定着スリーブ21の基材を形成する材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれらの合金等の伝熱性のよい金属材料を用いることができる。
定着スリーブ21の離型層は、PFA等のフッ素化合物をチューブ状に被覆したものであって、その厚さは50μmになっている。離型層は、記録媒体P上のトナー像(トナー)Tが直接的に接する定着スリーブ21表面のトナー離型性を高めるためのものである。
加圧ローラ31は、アルミニウム、銅等の金属材料からなる芯金上に、シリコーンゴム(ソリッドゴム)等の耐熱性弾性層、離型層が順次形成されたものであって、外径が30mmになっている。弾性層は、肉厚が2mmとなるように形成されている。離型層は、PFAチューブを被覆したものであって、厚さが50μmになるように形成されている。また、芯金内には必要に応じてハロゲンヒータなどの発熱体を内蔵してもよい。また、加圧ローラ31は、加圧手段(不図示)により定着スリーブ21を介して当接部材26に圧接され、その圧接部が定着スリーブ21側が凹んだニップ部を形成している。そして、このニップ部に、記録媒体Pが搬送されることになる。
また、加圧ローラ31は、定着スリーブ21に圧接した状態で不図示の駆動機構により回転駆動され(図1において時計回り方向に回転)、この加圧ローラ31の回転に伴って定着スリーブ21が回転することになる(図1において反時計回り方向に回転)。
当接部材26は、定着スリーブ21の軸方向に長さを有し、少なくとも定着スリーブ21を介して加圧ローラ31と圧接する部分がフッ素系ゴムなどの耐熱性を有する弾性体からなるものであり、コア保持部材28により定着スリーブ21の内周側の所定位置に保持された状態で固定されている。また、当接部分26の定着スリーブ21の内周面と接する部分はテフロン(登録商標)シートなどの摺動性及び耐磨耗性の優れた材料からなるものとするとよい。
コア保持部材28は、金属などの板材が板金加工されてなり、定着スリーブ21の軸方向の長さに対応する長さを有し断面がH型形状の剛性部材であり、定着スリーブ21の内周側の略中心部分に配置されるものである。
またコア保持部材28は、定着スリーブ21の内周側に配置される種々の部材を所定位置に保持するものであり、例えばコア保持部材28のH型の一方(加圧ローラ31に対向する側)のくぼんだ部分に当接部材26を収納保持し、当接部材26が加圧ローラ31により加圧されても大きく変形しないようにニップ部とは反対面側から支持している。また、コア保持部材28は、当接部材26を該コア保持部材28から加圧ローラ31側に少し突出するように保持しており、ニップ部でコア保持部材28が定着スリーブ21に接触しないように配置されている。
また、コア保持部材28のH型の他方(加圧ローラ31側とは反対側)のくぼんだ部分に、定着スリーブ21の軸方向の長さに対応する長さを有し断面がT字型形状の端子台ステイ24及び端子台ステイ24上に延設され外部からの電力を供給する給電線25を収納保持している。さらに、コア保持部材28のH型の外面に発熱体支持部材23を保持している。図1では、定着スリーブ21の下方半周分(ニップ部の入側半周分)の領域で発熱体支持部材23を保持している。その際、組み立て性を勘案して発熱体支持部材23とコア保持部材28を接着してもよい。あるいは発熱体支持部材23側からコア保持部材28側への伝熱を防止するために、両者を非接着としてもよい。
発熱体支持部材23は、面状発熱体22を定着スリーブ21の内周面と当接させて配置するために該面状発熱体22を支持するものである。そのため、発熱体支持部材23は、断面形状を円形とした定着スリーブ21の内周面に沿った所定の弧の長さの外周面を有している。
また、発熱体支持部材23は、面状発熱体22の発熱に耐えるだけの耐熱性と、回転走行する定着スリーブ21が面状発熱体22に接触した際に変形することなく面状発熱体22を支持するだけの強度と、面状発熱体22の熱をコア保持部材28側に伝えずに、定着スリーブ21側に伝えるようにする断熱性と、を有することが好ましく、例えばポリイミド樹脂の発泡成形体であることが好ましい。また、このポリイミド樹脂の発泡体の内部に補助的にソリッドの樹脂部材を設けて剛性を向上させるようにしてもよい。
面状発熱体22は、図3に示すように、絶縁性を有する基層22a上に、耐熱性樹脂中に導電性粒子が分散されてなる抵抗発熱層22bと、該抵抗発熱層22bに電力を供給する電極層22cと、が形成され、定着スリーブ21の軸方向、周方向に対応して所定の幅及び長さをもち可撓性を示す発熱シート22sを有する。また、基層22a上には、抵抗発熱層22bと隣接する別の給電系統の電極層22cとの間や発熱シート22sの縁部分と外部との間を絶縁する絶縁層22dが設けられている。なお、面状発熱体22は、発熱シート22sの端部で電極層22cに接続され、給電線25から供給される電力を該電極層22cに供給する電極端子22e(不図示、後述)を備える。
また、発熱シート22sの厚さは0.1〜1mm程度であり、少なくとも発熱体支持部材23の外周面に沿って巻きつけることができる程度の可撓性を有している。
ここで、基層22aは、PETまたはポリイミド樹脂などのある程度の耐熱性を有する樹脂からなる薄膜の弾性体フィルムであり、このうちポリイミド樹脂からなるフィルム部材であることが好ましい。これにより、耐熱性と、絶縁性と、ある程度の柔軟性(可撓性)を備える。
抵抗発熱層22bは、ポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂中にカーボン粒子や金属粒子などの導電性粒子が均一に分散してなる導電性を有する薄膜であり、通電されると内部抵抗によりジュール熱として発熱する構成となっている。このような抵抗発熱層22bは、ポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂の前駆体中にカーボン粒子や金属粒子などの導電性粒子を分散させた塗料を基層22a上に塗布して成膜するとよい。
また、抵抗発熱層22bは、基層22a上にまずカーボン粒子や金属粒子からなる薄膜の導電層が形成され、ついでその導電層上にポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂からなる絶縁性薄膜を積層して一体化したものであってもよい。
なお、抵抗発熱層22bに使用するカーボン粒子は、通常のカーボンブラック粉末でもよいが、カーボンナノファイバ、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイルの少なくともいずれかからなるカーボンナノ粒子であってもよい。
また、金属粒子は、Ag、Al、Niなどからなる粒子であり、その形状は粒状であってもよいし、フィラメント状であってもよい。
絶縁層22dは、ポリイミド樹脂などの基層22aと同じ耐熱性樹脂からなる絶縁材料を塗布により形成するとよい。
電極層22cは、導電性インクやAgなどの導電性ペーストなどを塗布して形成したものでもよいし、金属箔や金属網などを接着して形成したものであってもよい。
面状発熱体22を構成する発熱シート22sは、厚みの薄いシートであることから熱容量が小さく、急速な加熱が可能であり、その発熱量は抵抗発熱層22bの体積抵抗率によって任意に設定できる。すなわち、抵抗発熱層22bを構成する導電性粒子の構成材料、形状、大きさ、分散量などにより発熱量を調整することが可能であり、例えば単位面積当りの発熱量35W/cmで、総電力1200W程度の出力が得られる面状発熱体22の実現が可能である。この場合、発熱シート22sは、例えば幅(軸方向)20cm、長さ(周方向)2cm程度のサイズとなる。
また、面状発熱体としてステンレスなどの金属フィラメントからなるものを用いた場合、フィラメントの存在により面状発熱体の表面には凹凸が生じていることから、本発明のように定着スリーブ21の内周面と摺動させると、表面が容易に磨耗してしまうが、本発明で使用する発熱シート22sは前述のように表面に凹凸がなく平坦であることから、定着スリーブ21の内周面との摺動に対して優れた耐久性を示す。またさらに、発熱シート22sの抵抗発熱層22b表面にフッ素系樹脂をコーティングすると、定着スリーブ21の内周面との接触に対する耐久性がさらに向上するので好ましい。
なお、発熱シート22sの定着スリーブ21内周面における配置領域としては、図1では、定着スリーブ21の内周面のニップ部とは反対側の位置からニップ部手前までにかけて配置された構成が示されているが、これに限定されるものではない。
以上の構成により、定着装置50は、省エネを図りつつウォームアップ時間やファーストプリント時間を短くすることができる。また、面状発熱体22における発熱シート22sは樹脂ベースのシートであるため、加圧ローラ31の回転、振動に起因する応力が発熱シート22sに繰り返し作用して、発熱シート22sの屈曲が繰り返し行われても疲労破壊することがなく、長時間の運転が可能である。
しかしながら、定着装置50では、定着スリーブ21の軸方向において温度ムラが生じ、安定した定着処理を行うことが困難なことがあった。発明者らは、その温度ムラの原因を調査したところ、定着スリーブ21の軸方向において面状発熱体22(発熱シート22s)が均一に接触していない場合があり、軸方向での伝熱の効率にばらつきがあることにより温度ムラが発生していることを把握した。
本発明は、この知見を基に成されたものである。
以下、本発明に係る定着装置の実施形態について説明する。
図4は、本発明に係る定着装置の第1の実施形態における構成を示す断面図である。ここでは、定着スリーブ21の軸方向端部における断面構成を示している。
定着装置20は、回転する無端状ベルトの定着部材(定着スリーブ21)と、前記定着部材の外周面と当接する加圧部材(加圧ローラ31)と、前記定着部材の内周側に配置され、該定着部材を介して前記加圧部材と当接してニップ部を形成する当接部材(当接部材26)と、前記定着部材の内周面と当接可能に配置され、前記定着部材を加熱する面状発熱体(面状発熱体22)と、前記定着部材の内周側に該定着部材との間に前記面状発熱体を挟むように配置され該面状発熱体を支持する発熱体支持部材(発熱体支持部材33a)を前記定着部材の内周面に対して押し付ける方向または離れる方向に移動させて、前記面状発熱体を前記定着部材に当接または離間させる発熱体移動機構部(発熱体移動機構部33)と、を備える。
ここで、定着スリーブ21、端子台ステイ24、給電線25、当接部材26、コア保持部材28、加圧ローラ31は、図1に示した定着装置50を構成するものと同じである。また、定着装置20では、発熱体支持部材23の代わりに発熱体支持部材33aを有している。また、断熱支持部材29は省略してもよいし、備えていてもよい。
面状発熱体22は、発熱シート22sと電極端子22eとからなる原則として1枚のシートである。図4では、面状発熱体22のうち、発熱シート22sは定着スリーブ21の内周面に当接可能に発熱体支持部材33aに支持されており、発熱シート22sから延設される電極端子22eは定着スリーブ21に当接しない状態で断熱部材23aで支持されて給電線25に接続されている。
発熱シート22sは、図3に示した基本的構成からなり、少なくとも定着スリーブ21の軸方向の最大通紙領域に対応する幅と周方向に所定の長さを有するシートである。また、基層22aの主面上全面あるいはある1つの領域に抵抗発熱層22bが形成されたものであり、電極端子22eから抵抗発熱層22bに通電されると、発熱シート22s全面で均一に発熱するようになっている。
また、発熱シート22sの厚さは0.1〜1mm程度であり、発熱体支持部材33aの表面形状に沿って取り付けることができる程度の可撓性を有している。
発熱体移動機構部33は、発熱シート22sを支持する発熱体支持部材33aと、発熱体支持部材33aと一体となった突起部33a1と、突起部33a1を押圧する板バネ部材33bと、突起部33a1を支持する駆動カム33cと、駆動カム33cを回転駆動する駆動系(不図示)と、からなる。
また、図5に示すように、発熱体支持部材33aの軸方向両端部それぞれに、突起部33a1、板バネ部材33b、駆動カム33cが設けられている。
発熱体支持部材33aは、面状発熱体22における発熱シート22sを定着スリーブ21の内周面と当接させて配置するために該発熱シート22sを支持するものである。
また、発熱体支持部材33aは、発熱シート22sの発熱に耐えるだけの耐熱性と、回転走行する定着スリーブ21が発熱シート22sに接触した際に変形することなく発熱シート22sを支持するだけの強度と、発熱シート22sの熱をコア保持部材28側に伝えずに、定着スリーブ21側に伝えるようにする断熱性と、を有することが好ましく、例えば耐熱性樹脂(ポリイミド樹脂、耐熱PET樹脂、液晶ポリマー(LCP)など)からなる成形体であることが好ましく、ポリイミド樹脂の発泡成形体であることが好適である。また、このポリイミド樹脂の発泡体の内部に補助的にソリッドの樹脂部材を設けて剛性を向上させるようにしてもよい。
また、発熱体支持部材33aは、その周方向が断面形状を円形とした定着スリーブ21の内周面に沿った所定の弧の長さの外周面を有し(図4)、軸方向が真直ぐな(図5)かまぼこ形の成形体となっている。
突起部33a1は、発熱体支持部材33aと一体に設けられ、発熱体支持部材33aの軸方向両端それぞれから突起するように延設された剛性を有する板状部材である。発熱体支持部材33aの軸方向両端面それぞれに突起部33a1を取り付けてもよいが、図5に示すように、一枚の板材を発熱体支持部材33aの定着スリーブ21とは反対面にかまぼこ板のように取り付けて、該板材の発熱体支持部材33aの軸方向両端部それぞれから突出する部分を突起部33a1とするとよい。
板バネ部材33bは、コア保持部材28に取り付けられた状態で突起部33a1の定着スリーブ21とは反対側の面(図4,図5では上面)に当接し、コア保持部材28を基準として自身の弾性力で突起部33a1を定着スリーブ21側(図4,図5では下方向)に押圧する弾性部材である。
駆動カム33cは、突起部33a1の板バネ部材33bの押圧面とは反対面(図4,図5では下面)に当接して支持する卵型の円板カムである。駆動カム33cは、その回転角により、突起部33a1を支持する高さ(定着スリーブ21断面における回転軸中心方向の位置)を変化させることができる。なお、図4に示す状態では、突起部33a1は駆動カム33cにより最も定着スリーブ21から離れた位置(高さ位置A)となっている。
このような構成の発熱体移動機構部33における発熱体支持部材33a及び発熱シート22sを移動させる動作は次のように行われる。
(当接動作11)
まず外部(駆動系)からの駆動力により駆動カム33cを図4の状態から図中右回転で所定の回転角だけ回転させて、駆動カム33cの突起部33a1を支持する高さを定着スリーブ21側に下る位置(高さ位置B)とする。このとき、突起部33a1には板バネ部材33bにより定着スリーブ21側に押圧する力が作用しているため、突起部33a1は定着スリーブ21側に近づく方向に移動し、これに伴って発熱体支持部材33aも定着スリーブ21側に移動し、その外周面で支持されている発熱シート22sが定着スリーブ21の内周面に当接する。このときの発熱シート22sが定着スリーブ21に当接する圧力はほぼゼロに等しく単に接触している状態であり、発熱シート22sの熱は定着スリーブ21にある程度伝えられるものの軸方向では不均一になりやすく好ましくない。
(当接動作12)
ついで、駆動カム33cをさらに回転させて駆動カム33cの突起部33a1を支持する高さを定着スリーブ21側にさらに下る位置(高さ位置C)とすると、板バネ部材33bの押圧力が作用して発熱体支持部材33aを定着スリーブ21の内周面に押し付ける方向に移動させ、その結果、発熱シート22sを所定の圧力で定着スリーブ21の内周面に当接(定着スリーブ21の内周面が発熱シート22sと摺動するため摺接ともいう)させるようになる(図5)。これにより、発熱シート22sの軸方向全幅において定着スリーブ21に当接する圧力がある値以上になり、その結果、発熱シート22sから定着スリーブ21への伝熱の効率が軸方向のどの位置に置いても一定となるため、定着スリーブ21は軸方向に均一に加熱されるようになる。したがって、定着スリーブ21の軸方向で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。
(離間動作)
突起部33a1を支持する高さが高さ位置Cにあるとき、外部(駆動系)からの駆動力により駆動カム33cを図中左回転で所定の回転角だけ回転させることにより、駆動カム33cの突起部33a1を板バネ部材33bの押圧力に抗して持ち上げて、突起部33a1支持する高さを定着スリーブ21側から離れる位置(高さ位置A)とする。これに伴って、発熱体支持部材33aは定着スリーブ21の内周面から離れる方向に移動し、その結果、発熱シート22sが定着スリーブ21の内周面から離間する(図4)。
この離間動作により、定着装置20では、定着処理の準備動作のときに、発熱シート22sを定着スリーブ21の内周面から離間させておくことにより、定着スリーブ21において発熱シート22sからの予熱を排除するとともに発熱シート22sの熱容量を切り離すことができるので、ダウンリロード時間を短縮することが可能となる。なお、このときにも発熱シート22sは給電されて発熱していることから発熱シート22sの異常昇温を防ぐために、発熱シート22sの軸方向に沿って複数の箇所で発熱シート22sの温度を検出する温度センサを配置してモニターしておくことが好ましい。
このように構成された定着装置20は、次のように動作する。
まず、画像形成装置が出力信号を受けると(例えばユーザの操作パネルの操作あるいはパソコンからの通信などにより画像形成装置に印刷要求があると)、定着装置20において、加圧ローラ31が定着スリーブ21を介して当接部材26に押圧され、ニップ部を形成する。
ついで、不図示の駆動装置によって、加圧ローラ31が図4の時計回り方向に回転駆動されると、定着スリーブ21も連れ回りして時計方向に回転する。このとき、面状発熱体22の発熱シート22sは発熱体移動機構部33により定着スリーブ21の内周面に対して、軸方向全幅で所定の圧力以上で当接し摺動する状態となる。
そして、それと同期して外部電源または内部の蓄電装置から給電線25を通じて面状発熱体22に電力が供給され、発熱シート22sが発熱し、定着スリーブ21は該発熱シート22sと当接している領域で効率的に熱が伝達され、急速に加熱される。なお、駆動装置の動作と面状発熱体22による加熱は同時刻に同時に開始する必要はなく、適宜時間差を設けて開始しても良い。
このとき、ニップ部上流側であって、定着スリーブ21に対して接触又は非接触に配置された温度検知手段(不図示)で検知される温度により、ニップ部が所定の温度となるように、面状発熱体22による加熱制御が行われており、定着に必要な温度まで昇温された後、保持され、記録媒体Pの通紙が開始される。
このように、本発明の定着装置では、定着スリーブ21及び面状発熱体22の熱容量が小さいため、省エネを図りつつウォームアップ時間やファーストプリント時間を短くすることができる。また、面状発熱体22における発熱シート22sは樹脂ベースのシートであるため、加圧ローラ31の回転、振動に起因する応力が発熱シート22sに繰り返し作用して、発熱シート22sの屈曲が繰り返し行われても疲労破壊することがなく、長時間の運転が可能である。またさらに、定着スリーブ21は、軸方向で均一に加熱されるので、軸方向で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。
また、画像形成装置への出力信号がない場合、通常は消費電力を抑えるために加圧ローラ31及び定着スリーブ21は非回転で、面状発熱体22は通電を停止されているが、すぐに再出力を開始したい(復帰させたい)場合は、加圧ローラ31及び定着スリーブ21が非回転の状態でも面状発熱体22に通電しておくことが可能である。この場合は、面状発熱体22に定着スリーブ21全体を保温させておく程度の通電を行う。
なお、発熱体支持部材33aと発熱シート22sを接着剤等で固定しない非接着の場合には、発熱シート22sにおいてニップ部とは反対側に位置する電極端子22eが端子台ステイ24にネジ締結によって固定されるとともに、その固定された側から発熱シート22sをニップ部側に引っ張るように定着スリーブ21が回転することにより発熱シート22sは発熱体支持部材33aと定着スリーブ21の内周面との間に挟まれた状態で安定して定着スリーブ21と接触するようになり、効率的に定着スリーブ21の加熱が可能となる。
しかしながら、このような発熱体支持部材33aに対して発熱シート22sが非接着で浮いている状態では、ジャム処理などのときに定着スリーブ21を逆回転させた場合に発熱シート22sが持ち上がるように動いて、位置がずれてしまうことがある。また、発熱シート22sが動くことに伴って、電極端子22eも捩れたり変形したりして破損する可能性もある。そのため、発熱シート22sの位置ずれを防ぐために、該発熱シート22sを発熱体支持部材33aに接着して固定することが好ましい。
なお、このとき発熱シート22sのシート全面を接着すると発熱シート22sの発熱がシート全面において発熱体支持部材33aに移動しやすくなるため好ましくなく、定着スリーブ21の軸方向に対応する両端部のうち、記録媒体Pが通過しない領域すなわち非通紙領域(面)のみを発熱体支持部材33aに接着することが好適である。これにより、発熱シート22sの位置ずれ防止とともに、発熱シート22sの通紙領域(ここでは使用される記録媒体Pのうち最大サイズのものが通過する領域(最大通紙領域)である)は発熱体支持部材33aに接着されず浮いた状態にあることから発熱シート22sの通紙領域から発熱体支持部材33aへの熱移動が抑えられ、発熱シート22sの通紙領域で発生した熱を効率的に定着スリーブ21の加熱に利用することが可能となる。
また、この発熱シート22sの接着は、塗布型の液体接着剤を用いてもよいが、耐熱性のあるアクリル系材料あるいはシリコーン系材料からなる両面に接着性または粘着性のあるテープ状の接着部材(両面テープ)を用いて行うとよい。これにより、面状発熱体22(発熱シート22s)の発熱体支持部材33aへの貼り付けが容易になるだけではなく、面状発熱体22に異常が発生したときに両面テープを剥すだけで面状発熱体22の交換ができる構成となり、メンテナンス性に優れたものとなる。
なおこのとき、単に発熱シート22sと発熱体支持部材33aの間に両面テープを挟むようにすると、発熱シート22sの表面は定着スリーブ21の軸方向において両面テープで接着した部分がその両面テープの厚み分だけ盛り上がり、通紙領域において面状発熱体22(発熱シート22s)が定着スリーブ21に均一に接触しなくなり、加熱効率が低下するとともに軸方向の温度分布も不均一になってしまう。
そこで、面状発熱体22において両面テープを貼り付ける部分の発熱シート22sの厚みを両面テープの厚み分だけ薄くすることが好ましい。すなわち、両面テープはある程度の厚み(例えば0.1mm)があるので、発熱シート22sにおける例えば基層22aの発熱体支持部材33a側の面の軸方向の両端部分に両面テープの厚み分に相当する深さで周方向に延びるくぼみを設けて、そのくぼみに両面テープを接着し、ついでその発熱シート22sを両面テープを介して発熱体支持部材33aの所定位置に接着するようにする。これにより、発熱シート22sを発熱体支持部材33aに接着したときに、発熱シート22sの定着スリーブ21側の表面は定着スリーブ21の軸方向において平坦となり、通紙領域において面状発熱体22(発熱シート22s)が定着スリーブ21に均一に接触するので、良好な加熱効率で定着スリーブ21の軸方向の温度分布の均一化も図ることができる。
あるいは、発熱体支持部材33aの発熱シート22sの非通紙領域に対応する位置に両面テープの厚み分だけくぼませることが好ましい。すなわち、発熱体支持部材33aの軸方向の両端部分であって発熱シート22sの非通紙領域に対応する位置に両面テープの厚み分に相当する深さで周方向に延びるくぼみを設けて、そのくぼみに両面テープを接着し、ついでその状態の発熱体支持部材に発熱シート22sを両面テープを介して接着するようにする。これによっても、発熱シート22sの定着スリーブ21側の表面は定着スリーブ21の軸方向において平坦となり、通紙領域において面状発熱体22(発熱シート22s)が定着スリーブ21に均一に接触するので、良好な加熱効率で定着スリーブ21の軸方向の温度分布の均一化も図ることができる。
ところで、前述した図1に示す定着装置50では、通紙する記録媒体の各種サイズに対応するために、発熱シート22sが、基層22aの主面上で軸方向に区画された複数の領域それぞれに、抵抗発熱層22bが独立して発熱可能に形成されてなる必要があった。
図6(a)は、面状発熱体22の構成例を示す上面図である。ここでは、面状発熱体22を発熱体支持部材23に貼り付ける前の状態で平坦面上に展開し上から見た状態を示している。また、図中横方向は、定着スリーブ21の軸方向に対応する幅方向であり、縦方向は定着スリーブ21の周方向に対応する長さ方向となっている。
図6(a)において、発熱シート22sは、その主面上について概略として幅方向(軸方向)で3分割され、さらに長さ方向(周方向)で2分割された6つの分割領域が形成されている。ここで、6つの分割領域を、長さ方向(周方向)が行成分、幅方向(軸方向)が列成分からなる行列マトリクスとして見たとき(図6(b))、(1,2)成分の分割領域(定着スリーブ21の軸方向中央部に対応する領域)に所定幅と長さをもつ抵抗発熱層22b1が形成され、(2,1)成分及び(2,3)成分の分割領域(定着スリーブ21の軸方向両端部に対応する領域それぞれ)に所定幅と長さをもつ抵抗発熱層22b2が形成されている。
また、(1,1)成分及び(1,3)成分の分割領域には、抵抗発熱層22b1に接続された電極層22cが形成されており、さらにそれぞれの電極層22cには発熱シート22sの一辺(図中下方の一辺)から延設された電極端子22e1が設けられ、第1の発熱回路が形成されている。
また、(2,2)成分の分割領域には、2つの抵抗発熱層22b2間を接続する電極層22cが形成され、さらに、2つの抵抗発熱層22b2それぞれには発熱シート22sの長さ方向(周方向)であって前記一辺(図中下方の一辺)側に延びる電極層22cが接続され、またさらにこれらの電極層22cそれぞれには発熱シート22sの該一辺から延設された電極端子22e2が設けられ、第2の発熱回路が形成されている。
また、前記第1の発熱回路と第2の発熱回路の間には両者のショートを防ぐ絶縁層22dが設けられている。
図6(a)の構成の面状発熱体22において、電極端子22e1から通電すると、抵抗発熱層22b1の内部抵抗によりジュール熱として発熱し、電極層22cでは低抵抗のために発熱しないことから、発熱シート22sの(1,2)成分の分割領域のみが発熱することになり、定着スリーブ21の軸方向中央部を加熱することができる。
また、電極端子22e2から通電すると、抵抗発熱層22b2の内部抵抗によりジュール熱として発熱し、電極層22cでは低抵抗のために発熱しないことから、発熱シート22sの(2,1)成分及び(2,3)成分の分割領域のみが発熱することになり、定着スリーブ21の軸方向両端部を加熱することができる。
したがって、定着装置50に小サイズ(狭い幅)の記録媒体Pが通紙される際には、電極端子22e1にのみ通電して、定着スリーブ21の軸方向中央部のみを加熱し、広い幅の記録媒体Pが通紙される際には、電極端子22e1及び22e2に通電して、定着スリーブ21の軸方向全幅を加熱することにより、エネルギー消費を抑えつつ記録媒体Pの幅に応じて適切な定着が可能となる。また、記録媒体Pのサイズに応じて面状発熱体22の発熱量を制御できるので、小サイズ紙を連続して通紙しても非通紙部の温度が過度に上昇することなく、部材保護のための機器停止や生産性の低下を招くことがないようにすることができる。
しかしながら、図6(a)の構成を採用しても、対応できる記録媒体Pのサイズは2種類であり、通紙される種々のサイズの記録媒体に柔軟に対応することは困難であった。
本発明は、この問題を解決するものである。
以下、本発明に係る定着装置の第2の実施形態の構成について説明する。なお、本実施形態の定着装置の基本的構成(断面構成)は図4に示したものと同じであるため、第1の実施形態と異なる部分(発熱体支持部材33aの軸方向の形状)及び発熱体移動機構部33の動作について説明する。
図7は、発熱体移動機構部の軸方向における構成例(2)を示す断面概略図である。
図7に示すように、発熱体移動機構部33のうち、発熱体支持部材33aの発熱シート22sを支持する面は、定着スリーブ21の軸方向において定着スリーブ21の厚み方向に高低差のある曲面を有する。詳しくは、発熱体支持部材33aは、定着スリーブ21に面する周方向において断面形状を円形とした定着スリーブ21の内周面に沿った所定の弧の長さの外周面(図4)であって、軸方向において中央部が定着スリーブ21の内周面側に凸となった緩やかな曲面のタイコ形状の外周面(図7)となったかまぼこ形の成形体となっている。
また、定着スリーブ21の軸方向所定位置の温度を検出する温度検出手段として、定着スリーブ21の軸方向中央部の表面温度を検出する温度センサ32s1と、軸方向端部の表面温度を検出する温度センサ32s2と、を備える。
なお、本実施形態における発熱体支持部材33aの機能及び材料構成は、第1の実施形態のものと同じである。また、発熱体移動機構部33を構成する突起部33a1、板バネ部材33b、駆動カム33cは、第1の実施形態のものと同じである。
このような構成の発熱体移動機構部33は、発熱体支持部材33a及び発熱シート22sの移動量を調整して定着スリーブ21の軸方向における定着スリーブ21と発熱シート22sとの当接状態を調整することが可能である。詳しくは、以下の動作制御により定着スリーブ21と発熱シート22sとの当接状態を変化させる。なお、本実施形態においても第1の実施形態と同じ離間動作が可能である。
(当接動作21)
まず外部(駆動系)からの駆動力により駆動カム33cを図4の状態から図中右回転で所定の回転角だけ回転させて、駆動カム33cの突起部33a1を支持する高さを定着スリーブ21側に下る位置(高さ位置B)とする。このとき、突起部33a1には板バネ部材33bにより定着スリーブ21側に押圧する力が作用しているため、突起部33a1は定着スリーブ21側に近づく方向に移動し、これに伴って発熱体支持部材33aも定着スリーブ21側に移動し、その外周面で支持されている発熱シート22sの軸方向中央部が定着スリーブ21の内周面に当接する(図7(a))。このときの発熱シート22sの軸方向中央部が定着スリーブ21に当接する圧力はほぼゼロに等しく単に接触している状態である。また、発熱シート22sの軸方向両端部は定着スリーブ21の内周面から離間している。このような当接状態は、定着スリーブ21の発熱シート22sが当接している領域では伝熱の効率が不均一で温度ムラが生じやすく、また発熱シート22sにおいて定着スリーブ21から離間している領域では異常昇温となる可能性があるため、好ましくない。
(当接動作22a)
ついで、駆動カム33cをさらに回転させて駆動カム33cの突起部33a1を支持する高さを高さ位置Bよりも定着スリーブ21側にさらに下る位置(高さ位置C1)とすると、板バネ部材33bの押圧力が作用して発熱体支持部材33aを定着スリーブ21の内周面に押し付ける方向に移動させ、その結果、発熱シート22sの軸方向中央部の所定幅の領域を所定の圧力以上で定着スリーブ21の内周面に当接させるようになる。これにより、発熱シート22sの軸方向中央部の所定領域において定着スリーブ21に当接する圧力がある値以上になり、その結果、発熱シート22sから定着スリーブ21への伝熱の効率が軸方向中央部の所定領域において一定となるため、定着スリーブ21の軸方向中央部の所定領域は軸方向に均一に加熱されるようになる。したがって、定着スリーブ21の軸方向中央部の所定領域で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。また、定着スリーブ21の軸方向において前記所定領域よりも外側となる領域では、発熱シート22sが当接する圧力がある値未満となり、該発熱シート22sからの伝熱の効率が低くなるため、その領域の加熱が抑えられて過昇温を防止することが可能となる。
なお、ここでいう所定領域は、例えば最小通紙領域とするとよい。最小通紙領域とは、定着装置20(後述する画像形成装置1)において通紙される記録媒体Pの最小サイズのものの幅に対応する領域であり、例えばA6タテのサイズ(幅105mm)の記録媒体に対応するものである。
また、当接動作22aにおいて、発熱シート22sの軸方向端部が定着スリーブ21から完全に離間した状態になると、その領域の発熱シート22sは定着スリーブ21から熱が奪われなくなるためにそのままでは過昇温となり不具合が発生する可能性がある。そこで、発熱シート22sの両端部それぞれを定着スリーブ21の内周面に対してその部分での伝熱により定着スリーブ21が過昇温とならない程度の低い圧力で当接させるとよい。これにより、発熱シート22sで発生した熱のうち一部の熱量が定着スリーブ21に奪われるようになるので、定着スリーブ21、発熱シート22sともに過昇温となることを防止することができる。
あるいは、図6に示す、軸方向に複数の抵抗発熱層22bを独立して発熱可能に形成した発熱シート22sを用いて、当接動作22aにおいて、発熱シート22sの軸方向端部が定着スリーブ21から完全に離間した状態になったときに、端部側の抵抗発熱層22b2への通電を停止して発熱しないようにしてもよい。
またこれらのとき、発熱体移動機構部33は、温度センサ33s1,33s2の温度検出結果に基づいて、発熱体支持部材33aの移動量を調整することが好ましい(図7(a))。すなわち、定着スリーブ21の軸方向端部の温度(温度センサ33s2の検出温度)の軸方向中央部の温度(温度センサ33s1の検出温度)に対する温度差に基づいて、発熱体支持部材33aの移動量を調整することを行うことが好適である。例えば、温度センサ33s2の検出温度が温度センサ33s1の検出温度に対して一定値以上高くなった時には、発熱体移動機構部33は、発熱体支持部材33aを定着スリーブ21から離れる方向に所定距離だけ移動させる動作制御を行う。これにより、軸方向端部において発熱シート22sと定着スリーブ21の内周面との当接する圧力がより小さくなるため、その部分の伝熱効率を抑えて定着スリーブ21の過昇温を確実に防止することができる。
(当接動作22b)
当接動作22aに続き、駆動カム33cをさらに回転させて駆動カム33cの突起部33a1を支持する高さを高さ位置C1よりも定着スリーブ21側にさらに下る位置(高さ位置C2)とすると、板バネ部材33bの押圧力が作用して発熱体支持部材33aを定着スリーブ21の内周面に押し付ける方向に移動させ、その結果、発熱シート22sの軸方向全幅を所定の圧力以上で定着スリーブ21の内周面に当接させるようになる(図7(b))。これにより、発熱シート22sの軸方向全幅において定着スリーブ21に当接する圧力がある値以上になり、その結果、発熱シート22sから定着スリーブ21への伝熱の効率が軸方向のどの位置に置いても一定となるため、定着スリーブ21は軸方向に均一に加熱されるようになる。したがって、定着スリーブ21の軸方向全幅、すなわち最大通紙領域で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。
ここでいう最大通紙領域は、例えばA4ヨコ(A3タテ)サイズの記録媒体に対応するものであり、幅300〜350mmの領域である。
以上のように発熱シート22sと定着スリーブ21の当接状態を調整する目的は、発熱シート22sと定着スリーブ21の内周面との軸方向における当接圧力分布を調整し、通紙する記録媒体Pの幅に対応して定着スリーブ21において前記記録媒体Pの定着に必要な領域を発熱シート22sによる加熱により定着温度まで昇温するとともに、軸方向端部側の該記録媒体Pが通過しない領域を発熱シート22sによる加熱が極力行われないようにして過昇温を防止するものである。
そのため、発熱体移動機構部33は、駆動カム33cの駆動により、通紙する記録媒体Pの幅に対応して発熱体支持部材33aの移動量(移動距離)を調整し、発熱体支持部材33aを高さ位置C1と高さ位置C2の間の任意の位置で保持することが好ましい。
例えば、当初発熱体支持部材33aが高さ位置C2にあって発熱シート22sの軸方向全幅が定着スリーブ21の内周面に所定の圧力以上で当接し、通紙される記録媒体Pの最大サイズ(最大通紙領域)に対応する状態にあるときに、つぎの定着処理で最大サイズ(例えば、A4ヨコ)と最小サイズ(例えば、A6タテ)の中間サイズ(例えば、B5タテ)の記録媒体Pが通紙される場合、発熱体移動機構部33は、発熱体支持部材33aを高さ位置C2から高さ位置C1の方向に所定距離だけ移動させて、前記中間サイズの記録媒体Pの通紙に対応可能に発熱シート22sと定着スリーブ21の当接状態を調整する制御動作を行うものである。
すなわち、まず発熱体支持部材33aが高さ位置C2にあるとき、発熱シート22sはその軸方向全幅で定着スリーブ21の内周面と所定の圧力p以上で当接しており、定着スリーブ21の内周面は軸方向全幅で発熱シート22sから一定の伝熱効率kで加熱されるようになっている。
このとき、発熱シート22sが定着スリーブ21内周面に当接する圧力は、発熱体支持部材33aの定着スリーブ21側の軸方向曲面形状に対応しており、軸方向中央部が最も圧力が高く、そこから軸方向端部に向かうにつれて徐々に圧力が減少して端部において最も圧力が低くなり、例えば当接圧力pとなっている。この関係は、発熱体支持部材33aの高さ位置に関わらず一定である。
そのため、高さ位置C2にある発熱体支持部材33aを高さ位置C1方向に徐々に移動させると、発熱体支持部材33aが定着スリーブ21の内周面に対して離れる方向に移動するが、これに伴って発熱シート22sの軸方向端部側から前記伝熱効率kを確保するための当接圧力pを割り込み始め、その当接圧力pを割り込む領域は中央部側に徐々に広がっていくことになる。そして当接圧力pを割り込むとその領域の定着スリーブ21は十分加熱されず良好な定着性が確保できなくなることから、良好な定着性を確保できる定着スリーブ21の軸方向の幅は徐々に狭くなっていき、通紙する記録媒体Pのサイズ(中間サイズ)に対応する幅になったときに発熱体支持部材33aの移動を停止する。このとき、定着スリーブ21において良好な定着性を確保できる幅が通紙する記録媒体Pのサイズに対応する幅になるときの発熱体支持部材33aの移動量(あるいは移動位置)を予め求めておき、それに従い発熱体支持部材33aを移動させるとよい。
以上の動作制御により、発熱体移動機構部33は、発熱体支持部材33aの定着スリーブ21断面における回転軸中心方向への移動量を調整することにより、発熱シート22sの軸方向における定着スリーブ21内周面と所定の圧力以上となる当接幅を所望の幅とすることができ、定着スリーブ21において通紙する記録媒体Pの最小サイズから最大サイズまでの任意の幅に対応しかつ適合した領域を均一に加熱することができるとともに、通紙する記録媒体Pの幅よりも外側となる領域の過昇温を防止することができる。
なお、発熱体支持部材33aの形状は、図7に示したものに限定されるものではない。
図8に、本発明で用いる発熱体支持部材33aの好適な形状を示す。なお、ここで示す発熱体支持部材33aは、いずれも発熱シート22sを支持する面が定着スリーブ21の軸方向において定着スリーブ21の厚み方向に高低差のある曲面を有しており、定着スリーブ21に面する周方向において断面形状を円形とした定着スリーブ21の内周面に沿った所定の弧の長さの外周面(図4)を有している。
まず図8(a)に示すように、発熱体支持部材33aは、軸方向において中央部の最小通紙領域に対応する幅領域が定着スリーブ21の内周面と平行になっており、その中央部部分から端部側に向かうにつれて定着スリーブ21の内周面から離れるような緩やかな曲面を有するタイコ形状の外周面を有する成形体となっている。
また図8(b)に示すように、発熱体支持部材33aは、軸方向において中央部の最小通紙領域に対応する幅領域が定着スリーブ21の内周面と平行になっており、その中央部部分から端部側に向かうにつれて定着スリーブ21の内周面から離れるような緩やかな斜面を有するタイコ形状の外周面を有する成形体となっている。
図8(a),(b)に示す発熱体支持部材33aによれば、前述した当接動作22aによって、発熱シート22sの軸方向中央部の最小通紙領域に対応する幅領域において定着スリーブ21に当接する圧力がある値以上になり、その結果、発熱シート22sから定着スリーブ21への伝熱の効率がその幅領域において一定となるため、定着スリーブ21の軸方向中央部の最小通紙領域に対応する領域が軸方向に均一に加熱されるようになる。したがって、最小サイズの記録媒体Pについて良好な定着性及び均一な画像光沢が得られるとともに、定着スリーブ21の最小通紙領域に対応する領域よりも外側となる領域では過昇温を防止することが可能となる。また、前述した当接動作22bによって、発熱シート22sの軸方向全幅を所定の圧力以上で定着スリーブ21の内周面に当接させるようになり、定着スリーブ21の軸方向全幅、すなわち最大通紙領域で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。また、発熱体移動機構部33による動作制御によって、定着スリーブ21において通紙する記録媒体Pの最小サイズから最大サイズまでの任意の幅に対応しかつ適合した領域を均一に加熱することができるとともに、通紙する記録媒体Pの幅よりも外側となる領域の過昇温を防止することができる。
また、図8(c)に示すように、発熱体支持部材33aは、軸方向の一方の端部(図中、右側端部)において定着スリーブ21の内周面側に凸となった緩やかな曲面のタイコ形状の外周面を有する成形体となっている。
また、図8(d)に示すように、発熱体支持部材33aは、軸方向の一方の端部(図中、右側端部)において最小通紙領域に対応する幅領域が定着スリーブ21の内周面と平行になっており、その端部部分から他方の端部側に向かうにつれて定着スリーブ21の内周面から離れるような緩やかな曲面を有するタイコ形状の外周面を有する成形体となっている。
図8(c),(d)に示す発熱体支持部材33aによれば、前述した当接動作22aによって、発熱シート22sの軸方向の一方の端部(図中右側の端部)を基準として所定領域(図8(d)では最小通紙領域)に対応する幅領域において定着スリーブ21に当接する圧力がある値以上になり、その結果、発熱シート22sから定着スリーブ21への伝熱の効率がその幅領域において一定となるため、定着スリーブ21の軸方向の一方の端部を基準とした所定領域(図8(d)では最小通紙領域)に対応する領域が軸方向に均一に加熱されるようになる。したがって、最小サイズの記録媒体Pについて良好な定着性及び均一な画像光沢が得られるとともに、定着スリーブ21の最小通紙領域に対応する領域よりも外側となる領域では過昇温を防止することが可能となる。また、前述した当接動作22bによって、発熱シート22sの軸方向全幅を所定の圧力以上で定着スリーブ21の内周面に当接させるようになり、定着スリーブ21の軸方向全幅、すなわち最大通紙領域で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。また、発熱体移動機構部33による動作制御によって、定着スリーブ21において通紙する記録媒体Pの最小サイズから最大サイズまでの任意の幅に対応しかつ適合した領域を均一に加熱することができるとともに、通紙する記録媒体Pの幅よりも外側となる領域の過昇温を防止することができる。
ところで、図4に示す定着装置20では、回転時はニップ部で加圧ローラ31に引っ張られることから、ニップ部の上流側の定着スリーブ21は張力が付与された張り側となり、定着スリーブ21の内周面は発熱体支持部材33aに圧接した状態で発熱シート22sと摺動する。一方で、ニップ部の下流側では定着スリーブ21に張力は作用しておらず弛んだ状態となっており、この状態のまま装置の高速化を図ろうとすると、ニップ部の下流側の定着スリーブ21の弛む程度がひどくなり、定着スリーブ21の回転走行安定性に支障が出てくることになる。また、定着スリーブ21が撓んだ状態で発熱体支持部材33aに進入してくると、発熱シート22sとの当接状態も不安定になりかねない。
そこで、図9に示すように、定着装置20において、定着スリーブ21の内周側であって少なくとも前記ニップ部下流側で、該定着スリーブ21の回転状態を支持する回転支持部材27を備えることが好ましい。
図9は、本発明に係る定着装置の第3の実施形態における構成を示す断面図である。
ここで、本実施形態の定着装置20は、第1の実施形態とは回転支持部材27及び断熱支持部材29を備える点で異なる。それ以外の構成は第1の実施形態と同じであるため、その部分の説明は省略する。
回転支持部材27は、例えば厚さ0.1〜1mmの鉄、ステンレス等の薄肉金属からなるパイプ形状のものであり、その外径が定着スリーブ21の内径よりも直径で0.5〜1mm程度小さいものとなっている。また、回転支持部材27のパイプ円周上において、少なくともニップ部とは反対側の位置からニップ部入り口近傍にかけては定着スリーブ21の内周面が回転支持部材27の外周面に当接している。また、回転支持部材27の外周面においてニップ部側が軸方向に切断されて開口しており、その端部がコア支持部材28側に折り込まれて、ニップ部に接触しないようになっている。
また、回転支持部材27は、図10に示すように、ニップ部の上流側の一定領域の外周面が除去されて開口部27aが設けられている。これにより、定着スリーブ21の内部機構部を構成した場合に、開口部27aから発熱シート22sの全面が露出するとともに、発熱体移動機構部33による発熱体支持部材33aの移動によって発熱シート22sの表面が回転支持部材27の外周面と同じ面(面イチ)となる、あるいは若干回転支持部材27の外周面から突出して配置されるようになり、発熱シート22sが定着スリーブ21の内周面に当接するようになる。
したがって、面状発熱体22(発熱シート22s)は、発熱体支持部材33aに支持されて、定着スリーブ21の内周面と接触して配置され、定着スリーブ21を効率的に加熱することが可能である。
なお、パイプ形状の回転支持部材27のそのパイプ周面が軸方向に切断されてできた端部は、コア保持部材28にニップ部の周方向前後で拘持されることにより、回転支持部材27は保持されている。また、回転支持部材27の軸方向両端は定着装置20のフレームを構成する側板で保持されている。
断熱支持部材29は、ニップ部出側で、回転支持部材27を介して定着スリーブ21の熱に耐えるだけの耐熱性と、定着スリーブ21と接触する回転支持部材27からの熱流出(損失)を防ぐ断熱性と、回転走行する定着スリーブ21が回転支持部材27に接触した際に変形することがないように回転支持部材27を支持するだけの強度と、を有するものであり、発熱体支持部材33aと同じポリイミド樹脂の発泡成形体であることが好ましい。
以上の構成のように、回転支持部材27により定着スリーブ21の回転走行安定性が確保できるだけでなく、定着スリーブ21を剛性の高い金属製の回転支持部材27で支持できるので組立上のハンドリングが容易である。
つぎに、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図11は、本発明に係る画像形成装置の構成を示す全体構成図である。
図11に示すように、画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(不図示である。)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、不図示の駆動モータによって図11中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図11中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図11中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着スリーブ21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
以上説明したように、本発明の画像形成装置において、前述した定着装置20を備えているので、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、軸方向で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。また、記録媒体Pのサイズが変わっても適切な画像形成を行いつつ、定着部材の通紙していない領域の過昇温を防止することができる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1 画像形成装置
3 露光部
4Y、4M、4C、4K 作像部
5Y、5M、5C、5K 感光体ドラム
12 給紙部
20,50 定着装置
21 定着スリーブ
22 面状発熱体
22a 基層
22b,22b1,22b2 抵抗発熱層
22c 電極層
22d 絶縁層
22e,22e1,22e2 電極端子
22s 発熱シート
23,33a 発熱体支持部材
23a 断熱部材
24 端子台ステイ
25 給電線
26 当接部材
27 回転支持部材
27a 開口部
28 コア保持部材
29 断熱支持部材
31 加圧ローラ
33 発熱体移動機構部
33a1 突起部
33b 板バネ部材
33c 駆動カム
75 帯電部
76 現像部
77 クリーニング部
78 中間転写ベルト
79Y、79M、79C、79K 第1転写バイアスローラ
80 中間転写クリーニング部
82 2次転写バックアップローラ
83 クリーニングバックアップローラ
84 テンションローラ
89 2次転写ローラ
85 中間転写ユニット
97 給紙ローラ
98 レジストローラ対
99 排紙ローラ対
100 スタック部
101 ボトル収容部
102Y、102M、102C、102K トナーボトル
L レーザ光
P 記録媒体
T トナー
特開平11−2982号公報 特開平4−44075号公報 特開8−262903号公報 特開10−213984号公報 特開2007−334205号公報 特開2008−158482号公報 特開2008−216928号公報 特開2008−310051号公報

Claims (8)

  1. 回転する無端状ベルトの定着部材と、
    前記定着部材の外周面と当接する加圧部材と、
    前記定着部材の内周側に配置され、該定着部材を介して前記加圧部材と当接してニップ部を形成する当接部材と、
    前記定着部材の内周面と当接可能に配置され、前記定着部材を加熱する面状発熱体と、
    前記定着部材の内周側に該定着部材との間に前記面状発熱体を挟むように配置され該面状発熱体を支持する発熱体支持部材を前記定着部材の内周面に対して押し付ける方向または離れる方向に移動させて、前記面状発熱体を前記定着部材に当接または離間させる発熱体移動機構部と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記面状発熱体は、定着処理のときに、前記発熱体移動機構部により前記定着部材の内周面に押し付けられた状態で当接することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記発熱体支持部材の前記面状発熱体を支持する面は、前記定着部材の軸方向において該定着部材の厚み方向に高低差のある曲面または斜面を有し、
    前記発熱体移動機構部は、前記発熱体支持部材の移動量を調整して前記定着部材の軸方向における該定着部材と面状発熱体との当接状態を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記発熱体移動機構部は、通紙する記録媒体の幅に対応して、前記発熱体支持部材の移動量を調整することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記定着部材の軸方向所定位置の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記発熱体移動機構部は、前記温度検出手段の温度検出結果に基づいて、前記発熱体支持部材の移動量を調整することを特徴とする請求項3または4に記載の定着装置。
  6. 前記面状発熱体は、絶縁性を有する基層上に、耐熱性樹脂中に導電性粒子が分散されてなる抵抗発熱層と、該抵抗発熱層に電力を供給する電極層と、が形成され、前記定着部材の軸方向、周方向に対応して所定の幅及び長さをもち可撓性を示す発熱シートを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記定着部材の内周側であって少なくとも前記ニップ部下流側で、該定着部材の回転状態を支持する回転支持部材を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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