JP2011169280A - コモンレール式燃料噴射制御装置における圧力制御弁の駆動制御方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents
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【解決手段】電子制御ユニット4により演算算出された圧力制御弁12のPWM制御のための目標デューティが、所定の最低値以下となった場合に(S102)、圧力制御弁12の通電電流をゼロとすると共に(S104)、圧力制御弁12の通電電流ゼロの駆動状態が所定の規定時間を超えて継続される状態にある場合には(S108)、圧力制御弁12の通電電流を、故障診断処理に必要とされる所定の診断用電流として(S110)、故障診断処理を実行可能とするよう構成されてなるものである。
【選択図】図3
Description
例えば、上述のような電磁弁の故障診断方法としては、いわゆるPWM駆動される電磁弁において、通電により電磁弁に生ずる電圧が所定値を満たすか否かによって故障発生の有無を判定する方法等が様々提案、実用化されている(例えば、特許文献1等参照)。
このため、圧力制御弁自体は、通電電流零から駆動可能な構成のものであっても、レール圧制御における電磁式圧力制御弁の通電範囲は、故障診断に必要な最小電流、又は、その近傍に下限に設定せざるを得ず、通電電流零におけるレール圧制御が要求される場合に対処できず、電磁式圧力制御弁本来の動作特性を十分に生かしたレール圧制御ができないという問題がある。
なお、同様な問題は、コモンレール式燃料噴射制御装置の圧力制御弁だけではなく、通電電流を零、すなわち、PWM信号のデューティを零とした状態が所望される一方、電磁アクチュエータの故障診断のため、故障診断のタイミングにおいては、所定の小電流の通電状態が求められるような各種の電子機器、電子装置に用いられるPWM制御される電磁アクチュエータにおいても生ずるものである。
また、本発明の他の目的は、通電電流を零とした状態が所望される一方、電磁アクチュエータの故障診断のため、故障診断のタイミングにおいては、所定の小電流の通電状態が求められるような各種の電子機器、電子装置に用いられるPWM制御される電磁アクチュエータに適する駆動制御方法を提供するものである。
コモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプ装置と、前記コモンレールからの燃料の戻し通路に設けられた圧力制御弁と、前記高圧ポンプ装置及び前記圧力制御弁の駆動を制御する電子制御ユニットとを具備し、
前記電子制御ユニットは、前記圧力制御弁の通電をPWM制御によるフィードバック制御で行うと共に、エンジンの動作情報に基づいて算出された目標レール圧となるよう制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における前記圧力制御弁の駆動制御方法であって、
前記電子制御ユニットにより演算算出された前記圧力制御弁のPWM制御のための目標デューティが、所定の最低値以下となった場合に、前記圧力制御弁の通電電流を零とすると共に、前記圧力制御弁の通電電流零の駆動状態が所定の規定時間を超えて継続される状態にある場合には、前記圧力制御弁の通電電流を、故障診断処理に必要とされる所定の診断用電流として、故障診断処理を実行可能とするよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
コモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプ装置と、前記コモンレールからの燃料の戻し通路に設けられた圧力制御弁と、前記高圧ポンプ装置及び前記圧力制御弁の駆動を制御する電子制御ユニットとを具備し、
前記電子制御ユニットは、前記圧力制御弁の通電をPWM制御によるフィードバック制御で行うと共に、エンジンの動作情報に基づいて算出された目標レール圧となるよう制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、前記圧力制御弁のPWM制御のための目標デューティの算出を行い、当該算出された目標デューティが、所定の最低値以下となった場合に、前記圧力制御弁の通電電流を零とすると共に、前記圧力制御弁の通電電流零の駆動状態が所定の規定時間を超えて継続される状態にあると判定された場合に、前記圧力制御弁の通電電流を、故障診断処理に必要とされる所定の診断用電流として、故障診断処理を実行可能とするよう構成されてなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における圧力制御弁の駆動制御方法が適用される内燃機関噴射制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
この図1に示された内燃機関噴射制御装置は、具体的には、特に、コモンレール式燃料噴射制御装置が構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種の燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、フィードポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
また、フィードポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出する圧力センサ11の検出信号が入力される他、エンジン回転数やアクセル開度などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御に供するために入力されるようになっている。
圧力制御弁12は、バルブボディ21と、バルブニードル22と、電磁コイル23と、押圧スプリング24を主たる構成要素として構成されたもので、かかる構成自体は、従来から良く知られているものである。
バルブボディ21内には、バルブニードル22がその長手軸方向で摺動可能に収納されるニードルホール25が形成されると共に、バルブニードル22の後端側には、バルブニードル22の後端側に取着される円盤状のアマチュア26が配設されるアマチュア収納部27が連通するように形成され、さらに、アマチュア収納部27の中央部においては、アマチュア26を挟んでバルブニードル22と反対側となる位置に、押圧スプリング24が収納されるスプリング収納部28が凹設されたものとなっている。
さらに、バルブボディ21には、バルブニードル22の比較的先端側に近い部位でニードルホール25に連通する戻し燃料用連通路31が形成されており、この戻し燃料用連通路31のバルブボディ21の外面で開口する端部は、図示は省略するが戻し燃料通路に接続されるものとなっている。
かかる構成において、圧力制御弁12のバルブニードル22は、電磁コイル23の通電が無い状態において、アマチュア26を比較的緩やかに押圧するようにしてスプリング収納部28に収納された押圧スプリング24によって、テーパ状に形成された先端部が、シート部29に比較的緩やかに着座せしめられた状態となっている。
一方、電磁コイル23への通電が行われると、その通電量に応じた力で、バルブニードル22がシート部29側へ押しつけられ、圧力制御弁12は、閉弁状態となる。
最初に、本発明の実施の形態における圧力制御弁の駆動制御処理の電子制御ユニット4による実行に際して、次述するような自動車両であることが前提である。
すなわち、まず、圧力制御弁12自体の通電特性は、通電電流を零から連続的に可変可能となっており、電流の増加に伴いバルブニードル22のシート部29に対する押圧力が大となるものとなっている。すなわち、換言すれば、コモンレール1内の燃料圧がより大とならなければ、バルブニードル22の先端部がシート部29から離間できないようになっている。
したがって、例えば、以下に説明するような故障診断処理による圧力制御弁12の通電電流の制約がなければ、圧力制御弁12の通電電流に対するレール圧の制御特性は、例えば、図4に概略的に示された特性の如く、通電電流が零から通電電流の増加にしたがって、レール圧が連続的に増加するような特性とすることができる。
このため、従来装置にあっては、所定の診断用電流Iins、又は、その近傍の電流を圧力制御弁12の通電電流の最低値とし、これを超える範囲にレール圧制御の範囲を定めて、レール圧制御を行うものとなっていた。
しかしながら、車両のある動作状態にあっては、圧力制御弁12の通電電流を零とした際におけるレール圧が必要とされることもある。
本発明の実施の形態における圧力制御弁の駆動制御処理は、故障診断処理に影響を与えることなく、上述のように圧力制御弁12の通電電流を零とした際におけるレール圧制御を可能とするものである。
ここで、目標PCV駆動dutyは、電子制御ユニット4で実行されるレール圧制御処理によりレール圧制御が先に述べたPCV制御モードで行われている場合に、その圧力制御処理によってエンジン3の動作状態等に基づいて所定の演算式によって演算算出される圧力制御弁12に印加するPWM信号であるパルス電圧信号の目標デューティである。
目標PCV駆動dutyは、上述のように電子制御ユニット4によって実行される他の処理において演算算出されるものであるので、その演算算出された値を流用すれば良く、ステップS102において改めて演算算出する必要はないものである。
また、duty−off閾値は、予め定められているものであるので、その値を電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶させておき、それを読み込んで、ステップS102の実行の際に用いるようにすれば良い。
次いで、かかる圧力制御弁12の駆動状態が規定時間以上継続されているか否かが判定されることとなる(図3のステップS108参照)。
なお、ステップS108において行われる、圧力制御弁12の通電電流が零とされた状態が規定時間以上継続されているか否かの判定は、圧力制御弁12の通電電流零の状態が、故障診断処理に影響を与える程の時間継続されているか否かを判定するためのものである。
そのため、規定時間は、圧力制御弁12の故障診断が繰り返される周期を基準として設定するのが好適である。
そして、故障診断処理において、圧力制御弁12の断線故障が検出されたと判定された場合(YESの場合)には、故障診断処理における断線故障処理を実行し(図3のステップS114参照)、一連の処理が終了されることとなる。なお、故障診断処理における断線故障処理は、例えば、警報の発生等であり、その内容は特定のものに限定される必要はなく、任意に設定されるべきものである。
なお、上述の本発明の実施の形態においては、圧力制御弁12の通電電流に対するレール圧の制御特性は、図4に示されたように通電電流の増加と共にレール圧が増大するものであるとして説明したが、このような特性に限定される必要はなく、これとは逆に、通電電流の増加に伴いレール圧が低下するようないわゆる逆特性のものであっても良いものである。
すなわち、上述した本発明の実施の形態における圧力制御弁12の駆動制御方法は、種々の電子機器、装置において用いられるPWM制御される電磁アクチュエータであって、その駆動状態の一つとして、通電電流を零、すなわち、PWM信号のデューティを零とした状態が所望される一方、本発明の実施の形態において説明したと同様に、電磁アクチュエータの故障診断のため、故障診断のタイミングにおいては、所定の小電流の通電状態が求められるような電磁アクチュエータにも、基本的に同様に適用できるものである。なお、電磁アクチュエータとしては、本発明の実施の形態のような制御弁の他、リニアモータや電動機などであっても良い。
さらには、デューティを零とした状態が所望される一方、電磁アクチュエータの故障診断のため、故障診断のタイミングにおいては、所定の小電流の通電状態が求められるような各種の電子機器、電子装置に用いられるPWM制御される電磁アクチュエータにも適する。
2−1〜2−n…燃料噴射弁
3…ディーゼルエンジン
4…電子制御ユニット
11…圧力センサ
12…圧力制御弁
50…高圧ポンプ装置
Claims (7)
- 電子装置の動作制御を行う電子制御ユニットによりPWM制御される電磁アクチュエータの駆動制御方法であって、
前記電子制御ユニットにより前記電磁アクチュエータがデューティ零の駆動状態とされている場合において、前記電子制御ユニットによる故障診断が実行される際に、前記電磁アクチュエータの通電電流を一時的に、前記故障診断処理に必要とされる所定の診断用電流として、前記故障診断処理の実行可能とすることを特徴とする電磁アクチュエータの駆動制御方法。 - コモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプ装置と、前記コモンレールからの燃料の戻し通路に設けられた圧力制御弁と、前記高圧ポンプ装置及び前記圧力制御弁の駆動を制御する電子制御ユニットとを具備し、
前記電子制御ユニットは、前記圧力制御弁の通電をPWM制御によるフィードバック制御で行うと共に、エンジンの動作情報に基づいて算出された目標レール圧となるよう制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における前記圧力制御弁の駆動制御方法であって、
前記電子制御ユニットにより演算算出された前記圧力制御弁のPWM制御のための目標デューティが、所定の最低値以下となった場合に、前記圧力制御弁の通電電流を零とすると共に、前記圧力制御弁の通電電流零の駆動状態が所定の規定時間を超えて継続される状態にある場合には、前記圧力制御弁の通電電流を、故障診断処理に必要とされる所定の診断用電流として、故障診断処理を実行可能とすることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力制御弁の駆動制御方法。 - 所定の規定時間は、故障診断処理の繰り返し周期に等しいことを特徴とする請求項2記載のコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力制御弁の駆動制御方法。
- 故障診断処理の実行により圧力制御弁の故障が検出されなかった場合には、前記圧力制御弁の駆動制御を通常状態に復帰させることを特徴とする請求項3記載のコモンレール式燃料噴射制御装置における圧力制御弁の駆動制御方法。
- コモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプ装置と、前記コモンレールからの燃料の戻し通路に設けられた圧力制御弁と、前記高圧ポンプ装置及び前記圧力制御弁の駆動を制御する電子制御ユニットとを具備し、
前記電子制御ユニットは、前記圧力制御弁の通電をPWM制御によるフィードバック制御で行うと共に、エンジンの動作情報に基づいて算出された目標レール圧となるよう制御可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、前記圧力制御弁のPWM制御のための目標デューティの算出を行い、当該算出された目標デューティが、所定の最低値以下となった場合に、前記圧力制御弁の通電電流を零とすると共に、前記圧力制御弁の通電電流零の駆動状態が所定の規定時間を超えて継続される状態にあると判定された場合に、前記圧力制御弁の通電電流を、故障診断処理に必要とされる所定の診断用電流として、故障診断処理を実行可能とするよう構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 所定の規定時間は、故障診断処理の繰り返し周期に等しいことを特徴とする請求項5記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
- 電子制御ユニットは、故障診断処理の実行により圧力制御弁の故障が検出されなかった場合には、前記圧力制御弁の駆動制御を通常状態に復帰させるよう構成されてなることを特徴とする請求項6記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
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