JP2011167932A - レンチキュラーレンズを有する感熱転写受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光性を向上させた長期保存性に優れた高品位なレンチキュラーレンズを有する感熱転写受像シートを提供する。
【解決手段】透明支持体上にレンチキュラーレンズを有し、該透明支持体の背面に少なくとも1層の受容層を有する感熱転写受像シートであって、該受容層以外の構成層に紫外線吸収剤を含有することを特徴とする感熱転写受像シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、レンチキュラーレンズを有する感熱転写受像シートに関するものである。
レンチキュラーレンズを通して、ある特定な画像を見ると、見る角度によって二画像以上の画像を視認することができ、例えば立体画像や擬似的な動画を鑑賞することができる。この特定画像とは、二以上の画像をそれぞれ細長く短冊状に分割し、分割画像を再編成することで形成された画像である。
特定画像を銀塩写真で準備し、その上からレンチキュラーレンズシートを貼り付ける方法があるが、見栄えの良い高品位な立体画像を得るためには、特定画像とレンチキュラーレンズの凸レンズを所定の位置に精度よく張り合わせる必要があるため、この方法は張り合わせ時の位置合わせ等が手作業で煩雑かつ困難である。
特許文献1には、昇華型熱転写法により、レンチキュラーレンズへ画像形成する方法が開示されている。この方法は、レンチキュラーレンズシート背面上に塗布した受容層へ、熱転写によって画像形成される。その後、隠蔽性を高めるために、受容層上にさらに白色層または淡色層を塗布または張り合わせている。
特許文献2には、簡便かつ短時間にレンチキュラーレンズ背面に画像形成するために、基材フィルムの同一面上に、色材転写部と白色層転写部とを面順次に設けた一体型熱転写シートを用いる方法が開示されている。
一方で、熱転写昇華型受像シートでは、水分散物や水溶性樹脂を含有する受容層、断熱層を水系重層塗布する技術(特許文献3参照)が知られている。また、熱転写昇華型受像シートの分野では、耐傷性、耐光性を向上させるために、感熱転写受像シート最表面にオーバーコート層を用いる技術(特許文献4参照)が知られている。
特開平6−282019号公報 特開平11−142995号公報 特開2005−335155号公報 特開2000−108522号公報
しかしながら、昇華型熱転写法を利用したレンチキュラーレンズへの画像形成方法では、レンチキュラーレンズシートの背面側から熱転写で画像形成するために、レンチキュラーレンズシート表面にオーバーコート層を用いる技術は利用できなかった。
レンチキュラーレンズシートを利用した立体画像を鑑賞する際、レンチキュラーレンズによって光が集光され、特定の一部分の光退色が進み立体画像の品質が劣化するため、上記感熱転写受像シートの分野以上に、レンチキュラーレンズシートを利用した立体画像の耐光性向上は強く求められていた。特許文献1には、受容層に紫外線吸収剤を含有させることで記録画像の耐光性を向上させることが記載されているが、本発明者が鋭意検討した結果、受容層に紫外線吸収剤を含有させても十分な耐光性が得られなかった。
従って、本発明の課題は、耐光性を向上させた長期保存性に優れた高品位なレンチキュラーレンズを有する感熱転写受像シートを提供することである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、下記手段で本発明の上記課題が解決できることを見出した。
(1)透明支持体上にレンチキュラーレンズを有し、該透明支持体の背面に少なくとも1層の受容層を有する感熱転写受像シートであって、該受容層以外の構成層に紫外線吸収剤を含有することを特徴とする感熱転写受像シート。
(2)前記透明支持体と受容層の間に、少なくとも1層の下引き層を有し、該下引き層を構成する少なくとも1種の樹脂が、レンチキュラーレンズの少なくとも1種の樹脂と同一の樹脂であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写受像シート。
(3)前記受容層以外の構成層が、前記レンチキュラーレンズ、前記透明支持体または前記下引き層のいずれかであることを特徴とする(1)または(2)に記載の感熱転写受像シート。
(4)前記受容層に、ポリマーラテックスを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(5)前記受容層に、塩化ビニル成分を構成成分として含有するポリマーラテックスを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(6)前記レンチキュラーレンズおよび/または下引き層を構成する少なくとも1種の樹脂が、ポリメチルメタアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート−スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂またはグリコール変成ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(7)前記受容層が、ポリマーラテックスを含有し、かつゼラチンおよびポリビニルアルコールのいずれも含有しないことを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(8)前記受容層が、少なくとも2種の塩化ビニル成分を構成成分として含有するポリマーラテックスを含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(9)前記紫外線吸収剤を含有する構成層が、レンチキュラーレンズ、透明支持体または下引き層であって、かつ含有部分(レンチキュラーレンズ、透明支持体または下引き層)でのλ=330nm〜400nmの光学濃度最大値が、λ=400nm〜800nmの光学濃度の最大値よりも0.6以上大きいことを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(10)前記受容層が下記一般式(S1)で表されるポリエーテル変性シリコーンを含有することを特徴とする請求項1〜9に記載の感熱転写受像シート。
Figure 2011167932
(一般式(S1)において、Rはアルキル基を表し、Rは−X−(CO)a1−(CO)b1−Rを表し、Rは、水素原子、アシル基、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。Xはアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を表す。m1およびn1は各々独立に正の整数を表す。a1は正の整数を表し、b1は0または正の整数を表す。)
(11)前記受容層が下記一般式(A1)または(b1)で表されるアニオン性界面活性剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
Figure 2011167932
(一般式(A1)において、R4およびR5は各々独立に炭素原子数3〜20のアルキル基を表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。)
Figure 2011167932
(式中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子か置換または無置換のアルキル基を表す。AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。)
本発明により、耐光性を向上させた長期保存性に優れた高品位な受容層付きレンチキュラーレンズシートを提供できる。
押出ラミネート設備の全体工程図
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
以下に本発明の感熱転写受像シートについて説明する。
<感熱転写受像シート>
本発明の感熱転写受像シートは、透明支持体上にレンチキュラーレンズと少なくとも1層の受容層を有す。
[支持体]
本発明の支持体は透明支持体であり、該透明支持体は、できるだけ平滑なシート表面を有することが好ましい。また、溶融押出しされた樹脂シートの熱に耐える必要があり、比較的耐熱性の高いポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂等を挙げることができる。特に、平滑性が良好な点から、二軸延伸のポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
また、透明支持体上に下引き層やレンチキュラーレンズを形成するための樹脂をより強固に接着するために、透明支持体側に接着性樹脂を設ける、すなわち、接着樹脂層を設けるのが特に好ましい。この接着性樹脂は、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。接着性樹脂は、なかでも変性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、酸変性ポリオレフィン樹脂がさらに好ましい。酸変性樹脂としては、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂であれば何でもよい。不飽和カルボン酸の例としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸が挙げられ、その誘導体の例としては、例えば、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸等のエステルおよび無水物が挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂としては、直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル(VA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート(EA)共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体などのエチレン系重合体、プロピレン系重合体、スチレン系エラストマーが挙げられる。酸変性ポリオレフィン樹脂は、単独で、または2以上を組み合わせて使用することができる。また、本発明の目的に反しない範囲において、酸変性されていないポリオレフィン樹脂を配合してもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂の具体例としては、三井化学(株)製のアドマー(商品名)、日本ポリオレフィン(株)製のアドテックス(商品名)、クロンプトン社製のポリボンド(商品名)および住友化学(株)製のボンドファースト(商品名)が挙げられる。
この接着性樹脂は、透明支持体を形成するための透明熱可塑性樹脂の片面もしくは両面に接着性樹脂を配置して、共押出しして、接着樹脂層を形成してもよく、本発明においては特に好ましい。
なお、透明支持体とレンチキュラーレンズ樹脂層との間の接着樹脂層の平均厚みは、5〜40μmが好ましく、5〜30μmがより好ましく、6〜30μmが特に好ましい。
また、透明支持体と下引き層との間の接着樹脂層の平均厚みは、5〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましく、6〜10μmが特に好ましい。
[下引き層]
前記透明支持体のレンチキュラーレンズが設けられる側とは反対の透明支持体面に下引き層が設けられることが好ましい。本発明においては、下引き層を構成する樹脂の少なくとも1種は、レンチキュラーレンズを構成する少なくとも1種の樹脂と同一の樹脂であることが好ましい。なお、下引き層を構成する樹脂とレンチキュラーを構成する樹脂は、複数の樹脂を含む場合、その全てが同じ樹脂であることが好ましい。
下引き層を構成する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート−スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。溶融押出しやすさを考慮すると、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート−スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のような溶融粘度の低い樹脂を用いるのが好ましく、転写しやすさやシートの割れにくさ、パターンの耐久性などを考慮するとグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いるのがより好ましい。
(下引き層の形成)
透明支持体上への下引き層の形成は、図1のエンボスロール2を鏡面ロールに変更した工程により行われる。鏡面ロール2とニップロールの間に、走行する支持体8を挿入し、シートダイ1から、前記透明熱可塑性樹脂10を押出して、前記透明支持体8と前記鏡面ロール2の間に供給して積層し、鏡面ロール2に巻き付けながら冷却固化することにより、下引き層を連続的に形成させる方法が好ましく用いられる。
下引き層の形成と連続して、塗布・乾燥工程7を用いて下記受容層を塗設することも好ましく行われる。
[レンチキュラーレンズ]
レンチキュラーレンズを構成する樹脂は、前記下引き層を構成する樹脂が好ましく、好ましい範囲も下引き層の場合と同じである。
(レンチキュラーレンズの形成)
レンチキュラーレンズパターンの製造方法は、透明支持体上に下引き層を形成したシート8上に、または該下引き層形成後に後述の受容層を塗布したシート8上に、レンチキュラーレンズ形成樹脂層を設け、このレンチキュラーレンズ形成樹脂表面に、微細なパターンを形成する。レンチキュラーレンズ樹脂層を設ける前のシート8を、所望のパターン形状を付けたエンボスロール2と、ニップロール3の間に挿入し、シートダイ1から、前記レンチキュラーレンズ形成用透明熱可塑性樹脂および接着剤樹脂10を共押出しして、レンチキュラーレンズ樹脂層を設ける前のシート8と前記エンボスロール2の間に供給してニップロール3で押圧して積層し、エンボスロール2に巻き付けながら冷却固化することにより、走行するシート表面にパターン形状を連続的に転写させる方法で製造することができ好ましい。
本発明におけるレンチキュラーレンズ樹脂層のパターン形状は通常のものでよく、特に制限はないが、好ましい形状としては、レンズの高さ60〜80μm、レンズピッチ100〜318μm、半径100〜200μm、レンズのシート厚み200〜400μmである。
以下に、上記のレンチキュラーレンズシートの好ましい製造方法を詳細に説明する。
なおここで、レンチキュラーレンズシートとは、少なくとも下引き層、受容層、レンチキュラーレンズ樹脂層が形成されたシートをいい、これに加えて、接着樹脂層を有してもよい。なお、本発明においては、接着樹脂層を有することは好ましい態様である。パターンシートとはレンチキュラーレンズの凹凸パターンが形成されたシートをいう。
図1は、パターンシートの製造方法の全体工程図である。
図1に示すように、パターンシートの製造方法は、主として、1)原料の計量や混合を行う原料工程と、2)溶融した樹脂を連続してシート状(帯状)に押し出す押出工程と、3)ロール状に巻かれたレンチキュラーレンズ樹脂層を設ける前のシートを搬送する送り出し工程と、4)押し出した樹脂シートを、レンチキュラーレンズ樹脂層を設ける前のシートとエンボスロールの間に供給してゴムロールで押圧して積層しながら冷却固化してパターン形状を転写させる冷却転写工程と、5)積層固化した樹脂シートをエンボスロールから剥離する剥離工程と、6)得られたシートをロール状に巻き取る巻取工程とで構成される。このようにして、レンチキュラーレンズ樹脂がラミネートされ、この樹脂上にレンズの凹凸パターンが形成される。
なお、レンチキュラーレンズ樹脂層を設ける前のシートは、前述のように、最初に、透明支持体上に下引き層を塗設するが、この場合は図1において、上記のエンボスロール2を鏡面ロールに変更して使用する。上記の工程で、1)、2)および6)はパターンシートの製造方法と共通であり、上記の工程3)は、ロール状に巻かれた透明支持体を搬送する送り出し工程であり、上記の工程4)は、押し出した樹脂シートを、透明支持体と鏡面ロールの間に供給してゴムロールで押圧して積層しながら冷却固化させる冷却転写工程であり、上記工程5)は、積層固化した樹脂シートを鏡面ロールから剥離する剥離工程である。ここで、透明支持体上に下引き層を塗設する場合の工程3)〜5)は、鏡面ロールとエンボスロールの差、すなわち、樹脂上のパターンの差、および、塗設する前のシート(透明支持体か、または、レンチキュラーレンズ樹脂層を設ける前のシート)の差だけであって、後述するエンボスロールにおける工程3)〜5)の好ましい態様が適用できる。
次いで、上記のようにして得られたシート(透明支持体上に下引き層が形成されたシート)の下引き層上に、受容層を塗布し、乾燥することによって、上記のパターンシートの製造に使用される、レンチキュラーレンズ樹脂層を設ける前のシートを製造する。
原料工程では、原料サイロ(又は原料タンク)から真空乾燥機に送られた原料樹脂が所定含水分にまで乾燥される。
押出工程では、乾燥されて原料樹脂がホッパー6を介して押出機5に投入され、この押出機5により混練されながら溶融される。押出機5は単軸式押出機及び多軸式押出機の何れでもよく、押出機5の内部を真空にするベント機能を含むものでもよい。押出機5で溶融された原料樹脂は、供給管を介してダイ1(例えばTダイ)に送られる。このとき、複数の押出機を用いてフィードブロックで合流させて多層としてもよい。レンチキュラーレンズ樹脂層との接着性を向上させるため、接着性樹脂をレンチキュラーレンズ樹脂層と透明支持体の間に配置してもよい。ダイ1からシート状に押し出された樹脂シートは次に冷却転写工程に送られる。
ここで、レンチキュラーレンズ樹脂層を設ける前のシート8は送り出し工程から搬送され、エンボスロール2とニップロール3の間の冷却転写工程に挿入される。冷却転写工程では、ダイから押し出された樹脂シート10を、レンチキュラーレンズ樹脂層を設ける前のシート8とエンボスロール2の間に供給してニップロール3で押圧して積層しながら冷却固化してパターン形状を転写させる。固化したパターンシートを剥離ローラ4で剥離する。
エンボスロール2の表面には、例えば、パターンシートを成形するための反転形状が形成されている。材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として硬質クロムメッキ(HCrメッキ)、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用できる。
ニップローラ3は、エンボスローラ2に対向配置され、エンボスローラ2とで基材シート8と樹脂シートを挟圧するためのローラである。ニップローラ3の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたものが採用できる。
ニップローラ3には、図示しない加圧手段が設けられており、エンボスローラ2との間の基材シート8と樹脂シート10を所定の圧力で挟圧できるようになっている。この加圧手段は、いずれも、ニップローラ3とエンボスローラ2との接触点における法線方向に圧力を印加する構成のもので、モータ駆動手段、エアシリンダ、油圧シリンダ等の公知の各種手段が採用できる。
ニップローラ3には、挟圧力の反力による撓みが生じにくくなるような構成を採用することもできる。このような構成としては、ニップローラ3の背面側(エンボスローラの反対側)に図示しないバックアップローラを設ける構成、クラウン形状(中高形状とする)を採用する構成、ローラの軸方向中央部の剛性が大きくなるような強度分布を付けたローラの構成、及びこれらを組み合わせた構成等が採用できる。
また、剥離ローラ4は、エンボスローラ2に対向配置され、パターンシートを巻き掛けることによりレンチキュラーレンズの凹凸パターンが形成されたシートをエンボスローラ2より剥離するためのローラである。剥離ローラの材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として、表面にゴムライニングしたものが採用できる。
エンボスローラ2の温度は、挟圧した樹脂シートへの転写が完了する前に樹脂シートが冷却固化しないよう、挟圧部での樹脂シートの温度がガラス転移温度以上となっているように設定することが好ましい。一方、剥離ロールによる剥離工程でエンボスロールとレンチキュラーレンズの凹凸パターンが形成されたシートの接着が強すぎる場合、パターンシートが不規則に剥離して突起状に変形する為、エンボスロール温度は転写が可能な限りで低く設定することが好ましい。樹脂の材料にグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を採用した場合、エンボスロールの表面温度は30〜90℃、好ましくは40〜70℃とすることができる。なお、エンボスロールの温度を制御するために、エンボスロール内部を熱媒体(温水、油)で満たし循環させる等の公知の手段が採用できる。
溶融された樹脂のダイ1からの吐出温度は、挟圧した樹脂シートへの転写が完了する前に樹脂シートが冷却固化しないよう、挟圧部での樹脂シートの温度がガラス転移温度以上となっているように設定することが好ましい。一方、剥離ロール4による剥離工程でエンボスロール2とレンチキュラーレンズの凹凸パターンが形成されたシートの接着が強すぎる場合、パターンシートが不規則に剥離して突起状に変形する。また、樹脂の熱分解による面状悪化などの問題を生じることから、吐出温度は転写が可能な限りで低く設定することが好ましい。樹脂の材料にグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を採用した場合、ダイからの吐出温度は240〜290℃、好ましくは250〜280℃とすることができる。
[受容層]
本発明の感熱転写受像シートは前記下引き層上に少なくとも1層の受容層を有する。
受容層は、感熱転写シートから移行してくる染料を染着し、形成された画像を維持する役割を果たす樹脂を含有するものである。本発明においては、受容層は少なくともポリマーラテックスを含有することが好ましい。なお、受容層を2層以上(好ましくは2層)有することは本発明においても好ましい。また、下引き層と受容層との間に、例えば、白地調整、帯電防止、接着性、クッション性、平滑性などの各種機能を付与するために下塗層を設けることも好ましい態様の一つである。
(ポリマーラテックス)
本明細書中、ポリマーラテックスとは、水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したもののことを言う。分散状態としては、球状のポリマー重合粒子や、ポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよいが、特に球状のポリマー重合粒子が好ましい。
また、前記受容層は、感熱転写時に感熱転写シートから移行された染料を受容して記録画像を形成する受容ポリマーとしてのポリマーラテックス以外にも、例えば、膜の弾性率を調整するなどの目的で、他の機能を有するポリマーラテックスも併用して用いてもよい。
前記受容層に用いられるポリマーラテックスの分散粒子の平均粒径は1〜1000nmであることが好ましく、5〜500nmの範囲であることが特に好ましい。
本発明の前記受容層に用いられるポリマーラテックスに用いられる熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリ塩化ビニルもしくは塩化ビニル系共重合体(塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニルメタアクリル酸共重合体等の共重合体を含めたポリ塩化ビニル共重合体)、ポリウレタン系ポリマー、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトン、ゴム類(例えばSBR樹脂)、エチレン酢酸ビニル共重合体等の共重合体を含めたポリ酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン等が挙げられる。
これらポリマーラテックスとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000が好ましく、より好ましくは10000〜500000である。
このうち、ポリエステル系ポリマー、アクリレート系ポリマー、ポリ塩化ビニルもしくは塩化ビニル系共重合体が好ましく、ポリエステル系ポリマー、ポリ塩化ビニルもしくは塩化ビニル系共重合体がより好ましく、ポリ塩化ビニルもしくは塩化ビニル系共重合体、すなわち塩化ビニル成分を構成成分とする重合体、が更に好ましく、塩化ビニル系共重合体が最も好ましい。
本明細書中、前記塩化ビニル系共重合体とは、塩化ビニル成分を構成成分とする共重合体であり、重合体を得るためのモノマーとして塩化ビニルを少なくとも使用し、かつ他のモノマーと共重合させたものであり、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルとアクリレートの共重合体、塩化ビニルとメタクリレートの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルとアクリレートの共重合体、塩化ビニルとアクリレートとエチレンの共重合体等が好ましく挙げられる。このように2元共重合体でも3元以上の共重合体でもよく、モノマーが不規則に分布していても、ブロック共重合していてもよい。
これらの共重合体にはアクリル酸もしくはその塩、ビニルアルコール誘導体、マレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体などの補助的なモノマー成分を添加してもよい。
本発明に用いる塩化ビニル系共重合体において、塩化ビニルを主成分とすることが好ましい。塩化ビニルを主成分とするとは塩化ビニル成分が50モル%以上含有されていることであり、塩化ビニル成分が50モル%以上含有されていることが好ましく、またアクリル酸もしくはその塩、マレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体等の補助的なモノマー成分は10モル%以下であることが好ましい。
塩化ビニル系共重合ラテックスとしては、例えば、ビニブラン240、ビニブラン270、ビニブラン276、ビニブラン277、ビニブラン375、ビニブラン380、ビニブラン386、ビニブラン410、ビニブラン430、ビニブラン432、ビニブラン550、ビニブラン601、ビニブラン602、ビニブラン609、ビニブラン619、ビニブラン680、ビニブラン680S、ビニブラン681N、ビニブラン683、ビニブラン685R、ビニブラン690、ビニブラン860、ビニブラン863、ビニブラン685、ビニブラン867、ビニブラン900、ビニブラン938、ビニブラン950(以上いずれも日信化学工業(株)製、商品名)、SE1320、S−830(以上いずれも住友ケムテック(株)製、商品名)が挙げられ、これらは本発明において好ましいポリマーラテックスである。
塩化ビニル系共重合ラテックス以外のポリマーラテックスとしては、ポリエステル系ポリマーラテックスを挙げることができ、例えば、バイロナール MD1200、バイロナール MD1220、バイロナール MD1245、バイロナール MD1250、バイロナール MD1500、バイロナール MD1930、バイロナール MD1985(以上いずれも東洋紡(株)製、商品名)が挙げられる。
本発明において特に好ましい塩化ビニル系共重合体としては、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス(特に、塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体ラテックス)、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス(特に、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体ラテックス)が好ましく、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックスが最も好ましい。
また、本発明においては上記ラテックスを2種以上組み合わせて使用することも好ましく、これらがポリ塩化ビニルもしくは塩化ビニル系共重合体であることがより好ましく、少なくとも1種が、塩化ビニル系共重合体(特に塩化ビニル/アクリル酸エステル)である場合が好ましく、2種とも塩化ビニル系共重合体である場合がより好ましい。
なお、受容層を2層有する場合は、これらの受容層は、いずれも塩化ビニル、塩化ビニル系共重合体の各ラテックスを含有するのが好ましく、上層の受容層に含有する樹脂が下層の受容層(支持体側の受容層)に含有する樹脂よりもガラス転移温度(Tg)が高いほうが好ましい。
本発明において、前記受容層に用いられるポリマーラテックスは単独でも混合物として使用してもよい。また前記受容層に用いられるポリマーラテックスは、均一構造であってもコア/シェル型であってもよく、このときコアとシェルをそれぞれ形成する樹脂のガラス転移温度が異なってもよい。また、少なくとも2種のポリマーラテックスを使用することは加重されたガラス転移温度(Tg)を任意に調整でき好ましい。この場合、これらの2種のポリマーラテックスが、前述のようにポリ塩化ビニルもしくは塩化ビニル/アクリル共重合体であることが好ましい。
本発明において、前記受容層に使用するポリマーラテックスの加重平均したガラス転移温度(Tg)は、30℃以上である。30℃以上120℃以下が好ましく。40℃以上100℃以下が更に好ましい。
本発明の受容層で使用するポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は、−30℃〜100℃が好ましく、0℃〜90℃がより好ましく、20℃〜90℃がさらに好ましく、40℃〜90℃が特に好ましい。
なお、このガラス転移温度(Tg)は実測できない場合、下記式で計算することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用できる。
また、本発明に好ましく用いられるポリマーラテックスは、ポリマー濃度がラテックス液に対して10〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。受容層中の全ポリマーラテックスの添加量は、ポリマーラテックスの固形分が受容層中の全ポリマーの50〜98質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。
(水溶性ポリマー)
本発明においては、受容層に水溶性ポリマーを含有してもよく、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体等を用いることができる。これら水溶性ポリマーの使用量は、転写濃度低下の弊害をなくすために受容層の固形分全体の質量に対して0〜10質量%であることが好ましい。特に本発明において、本発明の効果を奏する上で、ゼラチンとポリビニルアルコールを含有しないことが最も好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明では得られた画像の耐光性を向上させるために、受容層以外の構成層に紫外線吸収剤を含有する。受容層以外の構成層は、受容層よりも透明支持体側の層が好ましく、例えば、レンチキュラーレンズや透明支持体、さらには透明支持体と受容層との間の層で、例えば下引き層や中間層が挙げられる。
本発明においては、レンチキュラーレンズ、透明支持体、下引き層が好ましく、透明支持体、下引き層がさらに好ましく、透明支持体が最も好ましい。なお、紫外線吸収剤は受容層以外の構成層の複数の層に含有させてもよく、受容層以外の構成層と受容層に含有させてもよい。
また、紫外線吸収剤を含ませる方法は特に限定されない。
紫外線吸収剤は有機化合物の紫外線吸収剤を用いても良いし、紫外線吸収能を有するユニットを含むポリマーとして含ませても良いし、媒体中に溶解もしくは分散して添加してもよい。なお、媒体に対して溶解性を有する場合には、有機化合物を直接添加することができる。一方、溶解性がない場合は、米国特許2,322,027号明細書に記載の方法などが適用できる。また、特公昭51−39853号公報、特開昭51−59943号公報に記載されている重合物による分散法も使用することができる。
例えば、透明支持体に対して紫外線吸収剤を含ませる方法としては、特に限定されないが、ポリエステル支持体を用いる場合、ポリエステルを重合する工程、透明支持体を製膜する前にポリエステルを溶融させる工程において、ポリエステルに練り込むこと等が挙げられる。中でも、溶融工程においてポリエステルに練り込めば、ポリエステルの重合度を低下させずに作業を行なうことができる。紫外線吸収剤の練り込みは、化合物を直接添加する方法や、マスターバッチ方法等により行なうことができる。
紫外線吸収剤としては、情報記録分野において広く知られている各種紫外線吸収剤骨格を有する化合物を使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾトリアジン型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン型紫外線吸収剤骨格を有する化合物、サリチル酸誘導体、シアノアクリレート系化合物、4H−3,1−ベンゾオキアジン−4−オン系化合物や、電子供与性基と電子吸引性基が置換した各種共役系化合物を挙げることができる。紫外線吸収能(吸光係数)・安定性の観点では、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾトリアジン型紫外線吸収剤や、4H−3,1−ベンゾオキアジン−4−オン系化合物が好ましく、本発明においては4H−3,1−ベンゾオキアジン−4−オン系化合物が特に好ましい。また、特開2004−361936号公報などに記載された紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤は、紫外域に吸収をもち、可視領域に吸収端がかからないことが好ましい。特に、紫外線吸収剤を含有する部分(例えば、レンチキュラーレンズ、透明支持体、下引き層)でのλ=330nm〜400nmの光学濃度の最大値が、λ=400nm〜800nmの光学濃度の平均値よりも0.6以上になることが好ましく、0.75以上であることが更に好ましく、1.0以上であることが最も好ましい。また、400nmの光学濃度はλ=400nm〜800nmの光学濃度の平均値よりも0.1以下であることが好ましい。なお、400nmを超える範囲での光学濃度が高いと画像が黄ばむため好ましくない。ここで、上記の光学濃度は、紫外線吸収剤を含有する部分のみの樹脂シートを分光光度計(例えば、日立製作所製のU−3310(商品名))で測定することができる。なお、リファレンスは空気リファレンスで、樹脂シートの膜厚は188mm、もしくは得られた光学濃度(Absorbance)をこの膜厚に補正した。また、光学濃度は、光学濃度変化要素に対する入射光強度をI、透過光強度をIとしたときに、A=−log(I/I)で算出される値Aである。
以下に、紫外線吸収剤について、さらに詳細に説明する。
紫外線吸収剤は、有機化合物であっても、無機化合物であってもよいが、本発明においては有機化合物であることが好ましい。
有機の紫外線吸収剤の場合、下記一般式(1)〜(9)で表されるものが好ましい。
Figure 2011167932
式中、R11、R12、R13、R14、R15は、各々独立に、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を表す。
Figure 2011167932
式中、R21、R22は各々独立に、同じであっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を表す。Tはアリール基、ヘテロ環、アリールオキシ基を表す。好ましくは、Tはアリール基である。
Figure 2011167932
式中、X31、Y31、Z31は、各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、もしくはヘテロ環基を表す。但し、X31、Y31、Z31のうち少なくとも一つは一般式(a)で表される基を表す。
Figure 2011167932
式中、R31、R32は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキル及びもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を表す。また、隣り合うR31、R32が連結して環を形成しても良い。
Figure 2011167932
式中、R41〜R44は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を表す。
Figure 2011167932
式中、Qはアリール基、もしくは5または6員のヘテロ環を表し、R51は水素原子、またはアルキル基であり、X51およびY51は各々シアノ基、−COOR52、−CONR5253、−COR52、−SOOR52、−SONR5253であり、R52、R53は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R52、R53のうち、どちらか一方は水素原子であることが好ましい。また、X51とY51は連結して5または6員環を形成してもよい。X51、Y51がカルボキシル基の時、それらは塩の形であっても良い。
Figure 2011167932
式中、R61、R62は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、または互いに連結して5または6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。また、R61、R62のいずれかが窒素原子の隣のメチン基と結合して、5または6員環を形成しても良い。X61、Y61は同じでも異なっていても良く、一般式(5)におけるX51、Y51と同義である。
Figure 2011167932
式中、R71〜R74は、各々独立に、同じであっても異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R71とR74は一緒になって二重結合を形成しても良く、R71とR74は一緒になって二重結合を形成するときは、R72とR73は連結してベンゼン環またはナフタレン環を形成しても良い。R75はアルキル基またはアリール基を表し、Z71は酸素原子、イオウ原子、メチレン基、エチレン基、>N−R76または>C(R77)(R78)を表し、R76はアルキル基、アリール基を表し、R77、R78は同じでも異なっていても良く、水素原子またはアルキル基を表す。X71、Y71は同じでも異なっていても良く、一般式(5)におけるX51、Y51と同義である。nは0または1を表す。
Figure 2011167932
式中、R81〜R86は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を表し、R87、R88は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R87とR88で連結して5または6員環を形成しても良い。
Figure 2011167932
式中、R91は、アリール基を表し、R92〜R95は、各々独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(1)〜(9)および一般式(a)において、各置換基は、例えば、アルキル部、アリール部またはヘテロ環部を有する基においては、下記の置換基で置換されていてもよい。また、一般式(1)〜(9)および一般式(a)の各基の説明および具体的な基としては、同じく下記に示す基のうち、対応する基の例示の基が挙げられる。
以下にこのような基を説明および例示する。
ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。〕、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、
ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、
カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリールもしくはヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表す。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニルが挙げられる。
上記一般式(1)〜(9)で表される紫外線吸収剤が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
上記一般式(1)〜(9)で表される紫外線吸収剤のうち、紫外線吸収剤自身の光堅牢性が高いという点から一般式(1)〜(4)、(9)で表されるものが好ましく、さらに吸収特性から(1)〜(3)、(9)で表されるものが好ましく、中でも一般式(1)、(3)、(9)がさらに好ましく、一般式(9)で表されるものが特に好ましい。一方、塩基性条件下で用いられる場合には、解離による着色が生じない点から一般式(4)〜(9)で表される化合物が好ましい。
以下に一般式(1)〜(9)で表される紫外線吸収剤の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ここでPhはフェニル基、MeはCH3である。
Figure 2011167932
Figure 2011167932
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Figure 2011167932
Figure 2011167932
Figure 2011167932
Figure 2011167932
一般式(1)〜(9)で表される化合物は、特公昭48−30492号、同55−36984号、同55−125875号、同36−10466号、同48−5496号、特開昭46−3335号、同58−214152号、同58−221844号、同47−10537号、同59−19945号、同63−53544号、同51−56620号、同53−128333号、同58−181040号、特開平6−211813号、同7−258228号、同8−239368号,同8−53427号、同10−115898号、同10−147577号、同10−182621号、特表平8−501291号、米国特許第3,754,919号、同4,220,711号、同2,719,086号、同3,698,707号、同3,707,375号、同5,298,380号、同5,500,332号、同5,585,228号、同5,814,438号、英国特許1,198,337号、ヨーロッパ特許第323408A号、同520938A号、同521823A号、同531258A号、同530135A号、同520938A号等の各公報または明細書に記載されているか又は記載の方法に準じて合成することができる。
また、代表的な紫外線吸収剤の構造と、その物性および作用機構については、Andreas Valet著,“Light Stabilizers for Paint”,Vincentz出版に記載が有る。
無機化合物の紫外線吸収剤としてはドイツ特許19511316号明細書で開示されている酸化チタン微粒子分散物や、酸化セリウムや酸化亜鉛等の金属酸化物微粒子分散物を用いることができる。
本発明においては、有機化合物の紫外線吸収剤が好ましい。
(ポリエーテル変性シリコーン)
本発明において、受容層にシリコーンを含有することが好ましく、ポリエーテル変性シリコーンを含有することが好ましい。ポリエーテル変性シリコーンとしては、下記一般式(S1)に表されるポリエーテル変性シリコーンを含有ことが特に好ましい。
Figure 2011167932
一般式(S1)において、Rはアルキル基を表し、Rは−X−(CO)a1−(CO)b1−Rを表し、Rは、水素原子、アシル基、1価のアルキル基、1価のシクロアルキル基または、1価のアリール基を表す。Xはアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を表す。m1およびn1は各々独立に正の整数を表す。a1は正の整数を表し、b1は0または正の整数を表す。
前記R1におけるアルキル基は、分岐したアルキル基であってもよい。前記R1のアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。なかでもメチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
前記R3における1個のアシル部を有するアシル基は、1個のアシル部を有するアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基が挙げられる。これらのアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、炭素数2〜10のアシル基がより好ましい。
前記R3における1価のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。これらのアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
前記R3における1価のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。シクロヘキシル基の炭素数は、5〜10が好ましい。
前記R3における1価のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。アリール基のアリール部としてはベンゼン環が好ましい。
前記R3は、1価のアルキル基が好ましく、メチル基、ブチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記Xの連結基は、アルキレン基またはアルキレンオキシ基が好ましく、例えば、前記アルキレン基としてはメチレン基、エチレン基およびプロピレン基が挙げられ、前記アルキレンオキシ基としては、−CH2CH2O−、−CH(CH3)CH2O−、−CH2CH(CH3)O−および−(CH23O−が挙げられ、これらが好ましい。Xの炭素数は1〜4が好ましく、2または3がより好ましい。
なお、Xにおいては、アルキレンオキシ基がさらに好ましく、プロピレンオキシ基(−(CH23O−)が特に好ましい。
前記a1は1以上の整数が好ましく、1〜200がより好ましく、1〜100がさらに好ましい。前記b1は0または1以上の整数が好ましく、0〜200がより好ましく、0〜100がさらに好ましい。また、本発明の課題である高濃度画像部の剥離線を防止する作用をより効果的に発揮するには、前記a1、b1の値のうち、a1が30以上であることがより好ましく、35以上であることがさらに好ましく、40以上であることが特に好ましい。ここで、好ましい上限は100以下である。また、a1、b1の両方が30以上であることがより好ましく、35以上であることがより好ましく、40以上であることが特に好ましい。ここでの好ましい上限は100以下である。
本発明の課題をより効果的に発揮するには、前記m1は10〜500が好ましく、30〜300がさらに好ましく、50〜200が最も好ましい。
前記n1は1〜50が好ましく、1〜20がより好ましい。
前記ポリエーテル変性シリコーンは、平均分子量が55000以下であることが好ましい。より好ましくは40000以下が好ましい。本発明における平均分子量は、質量平均分子量のことを表す。ここで質量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒にTHFを用いて、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量で定義する。
前記ポリエーテル変性シリコーンは、25℃で液体のものが好ましい。
また、前記ポリエーテル変性シリコーンは、粘度が500mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましく、1000mPa・s以上5000mPa・s以下がより好ましく、2000mPa・s以上5000mPa・s以下がさらに好ましい。粘度の測定方法は、大別して液中の回転体にかかる抵抗力を測定する方法とオリフィスや細管を通過させる時の圧力損失を測定する方法とがある。前者は回転型粘度計でB型粘度計に代表される。後者は毛管粘度計でオストワルド粘度計に代表される。本発明においては、B型粘度計で25℃の温度で測定した値で定義する。
前記一般式(S1)で表されるポリエーテル変性シリコーンのHLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)は、4.0〜8.0であることが好ましく、特に4.5〜6.5であることが好ましい。HLB値が低過ぎると面状故障が発生しやすい。HLB値が高すぎると剥離線発生の防止能が弱くなる。
本発明において、HLB値はグリフィン法に基づき、以下の式で定義された計算式で求める(西一郎、今井怡知朗、笠井正威 共編,「界面活性剤便覧」,産業図書株式会社(1960年))。
HLB = 20 × Mw/M
ここで、Mは分子量であり、Mwは親水性部分の式量(分子量)である。ちなみに、M=Mw + Mo であり、ここで、Moは新油性部分の式量(分子量)である。なお、親水性部分とは、エチレンオキシ基である。
本発明で好ましく用いられる前記ポリエーテル変性シリコーンオイルの具体例としては、信越化学株式会社製 KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017、X−22−4515、X−22−6191、東レ・ダウコーニング株式会社製 SH3749、SH3773M、SH8400、SF8427、SF8428、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2110、FZ−2118、FZ−2162、FZ−2203、FZ−2207、FZ−2208、FZ−77、L−7001、L−7002(いずれも商品名)等が挙げられる。
また、本発明で好ましく用いられるポリエーテル変性シリコーンオイルは、例えば、特開2002−179797号公報、特開2008−1896号公報、特開2008−1897号公報に記載の方法または、これに準じた方法で、容易に合成できる。
本発明においては、ポリエーテル変性シリコーンオイルは単独でも、2種類以上混合して使用することもできる。また、本発明においては、ポリエーテル変性シリコーンオイルに他の離型剤を併用してもよい。
ポリエーテル変性シリコーンオイルの添加量としては、受容層中の全ポリマーラテックスに対して1質量%〜20質量%(固形分%)が好ましく、1質量%〜10質量%(固形分%)がより好ましい。
本発明における受容層の塗布量は、0.5〜10.0g/m2であることが好ましく、1.0〜8.0g/m2であることがさらに好ましい。なお、本明細書において「塗布量」とは、特に断らない限り固形分換算の数値である。
<アニオン性界面活性剤>
本発明において、受容層に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。
アニオン性界面活性剤を2以上(好ましくは2種)使用することが好ましい。アニオン性界面活性剤としては、下記一般式(A1)、(A2)または(b1)で表されるアニオン性界面活性剤の少なくとも1種を含有することがより好ましく、下記一般式(A1)または(b1)で表されるアニオン性界面活性剤の少なくとも1種を含有することが更に好ましい。なお、下記一般式(A1)で表される化合物と下記一般式(b1)で表される化合物を併用することは、本発明の効果を効果的に奏するために好ましい。
Figure 2011167932
一般式(A1)において、R4およびR5は各々独立に炭素原子数3〜20のアルキル基を表し、好ましくは炭素原子数4〜10のアルキル基である。また、R4およびR5は各々独立に炭素原子数4〜10の分岐したアルキル基がより好ましく、R4およびR5ともに2−エチルヘキシル基であることが特に好ましい。
Mは水素原子またはカチオンを表す。Mで表されるカチオンとしては、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましい。これらのうち、より好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンであり、さらに好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンである。
次に一般式(A1)で表わされる化合物の例を挙げるが、本発明におけるアニオン系界面活性剤はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011167932
次に一般式(b1)で表わされる化合物について説明する。
Figure 2011167932
一般式(b1)において、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子か置換または無置換のアルキル基を表す。AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。
およびRで表されるフッ化アルキル基は好ましくは下記一般式(c)で表される基である。
一般式(c)
−L−Raf−W
一般式(c)において、Laは、置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価基を表す。前記の置換基としては、どのような基でもよいが、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(好ましくはCl)、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、リン酸エステル基が好ましい。
aは、炭素数が8以下であるのが好ましく、4以下がより好ましい。また、無置換アルキレン基であるのが好ましい。Rafは炭素数1〜5パーフルオロアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜4のパーフルオロアルキレン基、最も好ましくは炭素数4のパーフルオロアルキレン基である。ここでパーフルオロアルキレン基とはアルキレン基のすべての水素原子がフッ素原子で置き換えられたアルキレン基を言う。前記パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、また環状構造を有していてもよい。Wは水素原子、フッ素原子またはアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはフッ素原子である。
本発明に係わるフッ素化合物が、Rafの炭素数が異なる化合物の混合物であるときは、Rafの炭素数が4である化合物(C4体)の割合が多い方が好ましい。
該C4体の混合物中の割合は好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。一般に、C6以上のRafを有する化合物が多く含まれると、水に対する溶解性が悪くなるため、C6以上の成分は少ないほうが好ましい。また、C3以下の成分が含まれると、静的表面表力を下げる効果がC4体に比べて小さくなるため、C3以下の成分は少ないほうが好ましい。
フッ化アルキル基の具体例は、−C25基、−C37基、−C49基、−C511基、−CH2−C49基、−C48−H基、−C24−C49基、−C48−C49基、−C612−C49基、−C816−C49基、−C48−C25基、−C48−C37基、−C48−C511基、−C816−C25基、−C24−C48−H基、−C48−C48−H基、−C612−C48−H基、−C612−C24−H基、−C816−C24−H基、−C612−C48−CH3基、−C24−C37基、−C24−C511基、−C48−CF(CF32基、−CH2CF3基−C48−CH(C252基、−C48−CH(CF32基、−C48−C(CF33基が挙げられるが、本発明で採用しうるフッ化アルキル基はこれらに限定されるものではない。
およびRで表される置換または無置換のアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、また環状構造を有していてもよい。前記置換基としては、どんな置換基でもよいが、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(好ましくはCl)、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が好ましい。
AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mはカチオンを表す。ここで、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく例示される。これらのうち、より好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンであり、さらに好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンであり、前記一般式(C)の化合物の総炭素数や置換基、アルキル基の分岐の程度等により適切に選択することができる。R、R、RおよびRの炭素数の合計が16以上の場合、リチウムイオンであることが溶解性(特に水に対して)と帯電防止能または塗布均一性の両立の観点で優れている。
bは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。置換基はR3およびR4の説明で挙げたものが好ましい。Lbがアルキレン基である場合、炭素数は2以下であるのが好ましく、無置換であるのが好ましく、メチレン基であるのがより好ましい。Lbは、単結合であるのが最も好ましい。
上記一般式(b1)は、上記のそれぞれの好ましい態様を組み合わせることが、より好ましい。
一般式(b1)で表される化合物は、さらに下記一般式(b2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011167932
上記一般式(b2)中、RおよびRはそれぞれ独立に前記一般式(c)で表されるフッ化アルキル基を表す。RおよびRで表されるフッ化アルキル基の具体例は前述の基があげられ、好ましい構造も同様に前述の一般式(c)の説明で記載した好ましい構造と同じである。
上記一般式(b2)中、Xは−SO3Mを表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。ここで、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく例示される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンである。
フッ素化合物(b2)の具体例を以下に例示するが、本発明で用いることができるフッ素化合物(b2)は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限りアルキル基、パーフルオロアルキル基は直鎖の構造を有する基を意味する。
Figure 2011167932
Figure 2011167932
Figure 2011167932
前記一般式(b1)または(b2)で表されるフッ素化合物は、一般的なエステル化反応およびスルホン化反応を組み合わせて容易に合成することができる。
一般式(A2)
R’−(C=O)−O−(CHCHO)−(CH−SOM’
次に一般式(A2)で表わされる化合物について説明する。
一般式(A2)において、R’は炭素原子数6〜20の、アルキル基またはアルケニル基を表し、より好ましくは10〜20の、アルキル基またはアルケニル基であり、最も好ましくは14〜20の、アルキル基またはアルケニル基である。
また、R’は分岐した、アルキル基またはアルケニル基であってもよい。
M’は水素原子またはカチオンを表す。M’で表されるカチオンとしては、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましい。これらのうち、より好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンであり、さらに好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンである。
xは0または1を表し、0であることが特に好ましい。yは平均付加モル数を表し、0より大きく10以下であり、1〜6がより好ましく、2〜4が最も好ましい。また、zは0〜4の整数を表し、2〜4が特に好ましい。
次に一般式(A2)で表わされる化合物の例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2011167932
一般式(A1)で表されるアニオン性界面活性剤の塗布量は、該化合物を添加した層中、1.0mg/m以上2000mg/m以下であることが好ましく、2.0mg/m以上100mg/m以下であることがより好ましい。
一般式(b1)で表される含フッ素化合物の塗布量は、該化合物を添加した層中、0.5mg/m以上100mg/m以下であることが好ましく、1mg/m以上50mg/m以下であることがより好ましい。
一般式(A1)および(b1)で表されるアニオン性界面活性剤は、受容層塗布液に濡れ性を付与することで面状安定化に寄与するだけでなく、一般式(S1)で表されるポリエーテル変性シリコーンと併用することにより高濃度画像部の剥離線の発生を抑制するが、さらに光沢ムラを防止する効果もある。これにより、より高品質な立体画像形成が可能となる。
アニオン性界面活性剤を2以上(好ましくは2種)使用することが好ましい。アニオン性界面活性剤としては、下記一般式で表されるアニオン性界面活性剤の少なくとも1種を含有することがより好ましく一般式(A1)、(A2)または(b1)で表されるアニオン性界面活性剤は受容層以外に、断熱層、中間層などの任意の層に含有させてもよい。
また本発明では、受容層にその他のアニオン系、ノニオン系、カチオン系など種々の界面活性剤を併用しても良い。
(その他の添加剤)
本発明の受容層には、必要に応じて、上述した添加剤以外にも他の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、紫外線吸収剤(前述の紫外線吸収剤が好ましい)、防腐剤、造膜助剤、硬膜剤、マット剤(滑剤を含む)、酸化防止剤、その他の添加剤を含有させることができ、本発明においては特に紫外線吸収剤が含有させることが好ましい。
防腐剤:
本発明の感熱転写受像シートには、防腐剤を添加してもよい。本発明の感熱転写受像シートに含有される防腐剤としては、特に限定されないが、防腐防黴ハンドブック、技報堂出版(1986)、堀口博著、防菌防黴の化学、三共出版(1986)、防菌防黴剤事典、日本防菌防黴学会発行(1986)等に記載されているものを用いることができる。具体的には、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンゾトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピロジン,キノリン,グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、2−メルカプトピリジン−N−オキサイドまたはその塩等が挙げられる。これらの中でも、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オンが好ましい。
造膜助剤:
本発明の感熱転写受像シートには、高沸点溶剤を添加することが好ましい。高沸点溶剤は造膜助剤または可塑剤として機能し、ポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)に記載されている。高沸点溶剤(造膜助剤)の例として以下のものが挙げられる。
Z−1:ベンジルアルコール類
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート類
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール類
Z−4:ジエチレングリコール類
これらの高沸点溶剤を添加すると、画像のにじみが見られ、実用上好ましくない場合があるが、塗布膜中の上記溶剤類の含有量が固形分で1%以下であれば、性能上問題がない。
硬膜剤:
本発明の感熱転写受像シートにおいては、硬膜剤を使用してもよい。感熱転写受像シートの塗設層中に添加することができる。
本発明で用いることができる硬膜剤としては、特開平1−214845号公報17頁のH−1,4,6,8,14,米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表される化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表される化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。硬膜剤の例としては米国特許第4,678,739号明細書の第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、特開平4−218044号の公報または明細書等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N'−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報などに記載の化合物)が挙げられる。好ましくはビニルスルホン系硬膜剤やクロロトリアジン類が挙げられる。
マット剤:
本発明の感熱転写受像シートにおいて、ブロッキング防止、離型性付与、滑り性付与のためにマット剤を添加してもよい。マット剤は感熱転写受像シートの受容層が塗布される面、具体的には、受容層、白色層、熱転写性保護層等に添加することができる。
マット剤は、一般に水に不溶の有機化合物の微粒子、無機化合物の微粒子を挙げることができるが、本発明では、分散性の観点から、有機化合物を含有する微粒子が好ましい。有機化合物を含有していれば、有機化合物単独からなる有機化合物微粒子であってもよいし、有機化合物だけでなく無機化合物をも含有した有機/無機複合微粒子であってもよい。マット剤の例としては、例えば米国特許第1,939,213号、同2,701,245号、同2,322,037号、同3,262,782号、同3,539,344号、同3,767,448号等の各明細書に記載の有機マット剤を用いることができる。
[受容層の作製方法]
以下、本発明の受容層の作製方法について説明する。
本発明の受容層は、水系塗布であることが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
透明支持体の下引き層上に、2層以上の受容層、さらには他の機能性の層を塗布する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば、米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。これらの塗布方法では、複数の塗布液を塗布装置に同時に供給して異なる複数の層を形成することが可能である。
本発明の受容層の作製方法としては、スライド塗布あるいはカーテン塗布が好ましい。なお、複数の層を塗布する場合でもこれらの塗布は、同時重層塗布が可能でかつ高い生産性を実現できる。
ここで、同時重層塗布を行う場合、均質な塗膜形成および良好な塗布性の点で、塗布液の粘度および表面張力を調整する必要がある。塗布液の粘度は、通常の増粘剤や減粘剤を他の性能に影響を与えない範囲で使用することにより容易に調整できる。また、塗布液の表面張力は各種の界面活性剤により調整可能である。
これらの各層を塗布するための塗布液の温度は15℃〜60℃が好ましく、15℃〜45℃であることがさらに好ましい。特に塗布液にゼラチンを使用する場合の塗布液の温度は33℃〜45℃であることが好ましい。
本発明においては1層あたりの塗布液の塗布量は1g/m2〜500g/m2の範囲が好ましい。多層構成の層数は2以上で任意に選択できる。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。
乾燥ゾーンでは、乾燥速度が一定で、材料温度とほぼ湿球温度が等しい恒率乾燥期間と、乾燥速度が遅くなり、材料温度が上昇する減率乾燥期間を経て乾燥が進む。恒率乾燥期間では、外部から与えられた熱はすべて水分の蒸発に使われる。減率乾燥期間では、材料内部での水分拡散が律速になり、蒸発表面の後退等により乾燥速度が低下し、与えられた熱は材料温度上昇にも使われるようになる。
セットゾーンおよび乾燥ゾーンにおいては、各塗布膜の間および支持体と塗布膜の間で水分移動が起こり、また塗布膜の冷却と水分蒸発による固化が起こる。このため、製品の品質・性能には乾燥途中での膜面温度・乾燥時間等の履歴が大きく影響し、要求品質に応じた条件の設定が必要とされる。
セットゾーンの温度は、15℃以下であり、なおかつその冷却工程時間を5秒以上30秒未満とすることが好ましい。5秒未満では十分な塗布液粘度上昇が得られずその後の乾燥時に面状が悪化してしまう。また30秒以上の冷却工程を経るとその後の乾燥工程においての水分除去に時間がかかり、生産効率が低下する。
15℃以下での冷却工程後、15℃を越える環境下で乾燥を行うが、その際、本発明においては、冷却終了後から30秒以内に、重層塗布された塗布膜における水の蒸発量を、塗布直後に1m2あたりに塗りつけられた膜面に含まれる水分の60%以上とすることが好ましい。塗布直後に1m2あたりに塗りつけられた膜面に含まれる水分とは、塗布前に調液された塗工液中の含水量に等しい。蒸発水分量が少なすぎなければ、塗布面状の水分が多すぎず、面状が良好となる。一方、該蒸発量を60%以上とする際に乾燥温度を50℃より高くしすぎなければ、水分の蒸発が急激とならず、ひび割れなどを起こさず、面状が良好となるため、乾燥温度は50℃以下に抑えることが好ましい。
蒸発量の規定は、塗布後の感熱転写受像シートを110℃1時間の条件(雰囲気)で乾燥させたものの質量を100%蒸発したものと定義して、質量の差分を量ることで行うことができる。
また、受容層の耐傷性向上の観点から、最終的に乾燥温度を120℃環境下で行うことによって受容層を造膜することが好ましい。
乾燥された塗布済み品は、一定の含水率に調整され巻き取られるが、巻取り、塗布済み品の保存過程での含水率、温度によって硬膜進行が影響されるため、巻取りでの含水率について適切な調湿過程条件の設定が必要となる。
一般に、硬膜反応は高温・多湿条件ほど進行しやすい。しかし、含水率が高すぎると、塗布品同士が接着したり、性能上の問題が生じたりする場合がある。この為、巻取りの含水率(調湿条件)と貯蔵条件は品質に応じた設定が必要とされる。
代表的な乾燥装置としては、エアループ方式、つるまき方式等がある。エアループ方式は、ローラーで支持された塗布済み品に乾燥風噴流を吹き付ける方式であり、ダクトは縦に配置する方式と、横に配置する方式がある。乾燥機能と搬送機能は基本的に分離されていて、風量等の自由度が大きい。しかし、多くのローラーを使うため、寄り・シワ・スリップ等のベースの搬送不良が発生しやすい。つる巻き方式は、円筒状のダクトに塗布済み品をつる巻き状に巻きつけて乾燥風で浮上させて(エアフローティング)搬送・乾燥する方式で、基本的にローラー支持がいらない(特公昭43−20438号公報)。その他、上下互いにダクトを設置して搬送する乾燥方式がある。一般的に乾燥分布はつるまき式に比べ良いが、浮上能力が劣る。
<感熱転写シート>
本発明の感熱転写受像シートは、感熱転写シートにより、染料を転写して画像を形成後、白色層(白色転写層)が転写される。染料を転写するための感熱転写シートと白色層を転写するための感熱転写シートは、一体型のシートであっても別シートであっても構わない。また、白色層が転写された後、転写性保護層を転写してもよい。
一体型の感熱転写シートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の支持体上に、バインダー樹脂にイエロー、マゼンタ、シアン、の3色の染料をそれぞれ分散させた染料層(色材層)および白色層を面順次に設けたものであり、別シートの場合、染料転写用には、上記支持体上に、バインダー樹脂にイエロー、マゼンタ、シアン、の3色の染料をそれぞれ分散させてた染料層を面順次に設け、白色層転写用には、上記支持体上に白色層設けたものを使用する。
ここで、染料転写に際しては、染料層はブラックを加えた4色とした態様でもよい。
なお、保護層を転写する場合、一体型の感熱転写シートでは、上記の白色層の後に熱転写性保護層が設けられ、別シートの場合、白色層を設けた熱転写シートに面順次に熱転写性保護層を設けるか、さらに別のシートに熱転写性保護層を設けたシートを使用してもよい。
また、一体型の感熱転写シートでは、上記の白色層の前に熱転写性保護層を設けてもよく、別シートの場合、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の各染料層、熱転写性保護層を面順次に設けた感熱転写シートと白色層を設けた熱転写シートとを組み合わせてもよい。この場合は、保護層は、受容層上に形成され、この保護層上に白色層が転写されることになる。
ここで、いずれの感熱転写シートも、支持体の染料層、白色層または熱転写性保護層を有する側とは反対側に、耐熱滑性層を有するのが好ましい。
[支持体]
支持体は、従来公知の支持体が使用できる。例えば、ポリアミドフイルム、ポリイミドフイルム、ポリエステルフィルムが挙げられる。これらのうちポリエステルフイルムが好ましく、ポリエステルフイルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)が挙げられ、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
支持体の厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜変更することができるが、好ましくは1〜100μmである。より好ましくは2〜50μm程度のものであり,さらに好ましくは3〜10μm程度のものが用いられる。
[染料層(色材層)]
(バインダー樹脂)
染料層に用いられるバインダー樹脂の例としては、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂ニトロセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系樹脂や、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられる。これらを単独で用いる他、これらを混合、または共重合して用いることも可能である。
(染料)
染料は、熱により拡散し、感熱転写シートに組み込み可能かつ、加熱により感熱転写シートから感熱転写受像シートに転写するものであれば特に限定されず、感熱転写シート用の染料として従来から用いられてきている染料、あるいは公知の染料を用いることができる。
好ましい染料としては、たとえば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等が挙げられる。
具体例を挙げると、イエロー染料としては、ディスパースイエロー231、ディスパースイエロー201、ソルベントイエロー93等が、マゼンタ染料としては、ディスパースバイオレット26、ディスパースレッド60、ソルベントレッド19等が、さらに、シアン染料としては、ソルベントブルー63、ソルベントブルー36、ディスパースブルー354、ディスパースブルー35等が挙げられるがこれらに限定されない。また、上記の各色相の染料を任意に組み合わせることも可能である。
感熱転写シートは、染料層と支持体の間に染料バリア層を設けることができる。
支持体面に対しては、塗布液の濡れ性及び接着性の向上を目的として、易接着処理を行なってもよい。処理方法として、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術を例示することができる。
また、支持体上に塗布によって易接着層を形成することもできる。易接着層に用いられる樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を例示することができる。
支持体に用いられるフィルムを溶融押出し形成する時に、未延伸フィルムに塗工処理を施し、その後に延伸処理して行なうことも可能である。
また、上記の処理は、2種類以上を併用することもできる。
[白色層(白色転写層)]
感熱転写シートに用いられる白色層は、転写後の印画物に適度な白色隠蔽性と光拡散性を持たせるための白色顔料と、バインダー樹脂とから構成されている。白色層と支持体との間に剥離層を設けるのが好ましい。また、白色層の上層には接着層を有してもよい。ここで、白色層が接着層を介さないで疑似画像上に転写する場合には、従来公知の接着性を有するバインダー樹脂を使用したり、接着剤を含有させてもよい。白色顔料としては、典型的な白色顔料のほか、充填材を用いることができる。従って、ここでいう白色顔料には充填材が含まれる。
感熱転写シートに用いられる白色層は、転写後の印画物に適度な白色隠蔽性と光拡散性を持たせるための白色顔料と、バインダー樹脂とから構成されている。また、白色層が接着層を介さないで疑似画像上に転写する場合には、従来公知の接着性を有するバインダー樹脂を使用したり、接着剤を含有させてもよい。白色顔料としては、典型的な白色顔料のほか、充填材を用いることができる。したがって、ここでいう白色顔料には充填材が含まれる。
白色顔料は、硬い固体粒子であり、例えば、酸化チタンまたは酸化亜鉛等の白色顔料、シリカ、アルミナ、クレイ、タルク、炭酸カルシウムまたは硫酸バリウム等の無機充填剤、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂等の樹脂粒子(プラスチックピグメント)が用いられる。なお、酸化チタンには、ルチル型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンとがあるが、何れでもよい。
バインダー樹脂は、従来公知のものを用いることができるが、好ましくはアクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂またはこれらの一部架橋樹脂である。
白色層には、上記白色顔料とバインダー樹脂との他に、蛍光増白剤を添加することができる。蛍光増白剤は、スチルベンゼン系化合物またはピラゾリン系化合物等のような蛍光増白効果のある公知化合物を使用することができる。また、白色層に若干の着色剤を含有させてもよい。
白色層は、それが転写されたレンチキュラーレンズシート印画物をバックライトによる透過光で観賞する場合には、適度な光拡散性と光透過性を持たせる必要があり、一方、それが転写されたレンチキュラーレンズシート印画物を正面からの反射光で観賞する場合には適度な光拡散性と光反射性を持たせる必要がある。後者の場合、転写後の白色層の全光線透過率は60%以下であることが好ましく、特に連続画像となるような疑似画像を形成するような場合には50%以下が好ましい。
転写後の白色層の全光線透過率を60%以下にして、十分な白色隠蔽性を付与するために、白色層を構成するバインダー樹脂(A)と白色顔料(B)との比を、A/B=1/1〜1/10の範囲に設定することが好ましい。この量比の下限を1/1.5とし、または、その上限を1/6とするのが特に好ましい。A/Bの比は、白色層が転写される対象となるレンチキュラーレンズを有する支持体シートまたは受容層の材質によって適宜その範囲内で設定される。A/Bが1/1よりも大きくなると全光線透過率が60%を越えて白色隠蔽性が低下する場合がある。また、白色顔料を多くしてA/Bが1/10よりも小さくなると、塗膜性が落ちるので、擦過性が劣る場合があったり、樹脂分が少なくなることにより接着性が落ちる場合がある。
白色層の厚さは、0.5〜10μm程度とする。
全光線透過率の測定は、JIS K 7105で規定される。感熱転写シートの白色層転写部の全光線透過率を60%以下、好ましくは50%以下となるように、上記のA/B比と白色層の厚さを設定することによって、優れた印画物を形成することができる。
[剥離層]
感熱転写シートに用いられる剥離層は、白色層とともに白色層転写部を構成し、支持体フィルムと白色層との間に形成されている。剥離層は、感熱転写シートとレンチキュラーレンズシートとの融着を防止して、白色層がレンチキュラーレンズシートに設けられた受容層上に転写ムラなく、容易に転写されるために設けられる。
剥離層としては、例えば、剥離層と基材フィルムの界面で分離する離型性剥離層や、剥離層の層内で凝集破壊を起こして基材フィルムから分離する凝集性剥離層を形成することができる。
離型性剥離層は、バインダー樹脂に必要に応じて離型性材料を添加して構成することができる。使用可能なバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、あるいは熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエレタン系樹脂、アミノアルキッド樹脂等が挙げられ、これらの樹脂の一種または二種以上からなる組成物から離型性剥離層を構成することができる。
また、離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーンオイル、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂等の離型性を有する樹脂、タルク、シリカの微粒子、界面活性剤や金属セッケン等の滑剤等が使用できる。
離型性剥離層は、離型性を有する樹脂から構成することもできる。この場合、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂等が使用でき、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂分子中にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント等の離型性セグメントがグラフトしたグラフトポリマーを使用してもよく、上記の樹脂の一種または二種以上からなる組成物から構成することもできる。離型性剥離層には、上記の材料のほかに、スチルベンゼン系、ピラゾリン系等の蛍光像増白効果のある従来公知の蛍光増白剤を添加してもよい。
凝集破壊性剥離層は、白色層転写部が受容層上に転写される際に、剥離層の厚さ方向の中間付近でいわゆる凝集破壊を起こして、その一部が基材フィルムから剥がれずに残り、他の一部が印画物上に転写される。凝集破壊性剥離層が剥離してレンチキュラーレンズシート上に移行すると、印画物の最表面には凝集破壊面の凹凸形状が形成される。印画物の最表面に形成された凹凸は、例えば、バックライトによる透過光で観賞する場合には、照射された光を拡散し、反射させる。このことは、白色層の光拡散性を補充し、良好な光拡散性と光透過性を併有する見栄えのよい印画物を形成することができる。
凝集破壊性剥離層を形成するための材料は、バインダー樹脂と、必要に応じて添加される離型性材料とが使用される。バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルもしくはポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコールもしくはポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロースもしくは酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂等の一種または二種以上の樹脂を使用することができる。これらのバインダー樹脂は、熱転写時に支持体シートとの融着を防ぐため、Tgまたは軟化点が100℃以上の樹脂を含むことが好ましい。また、適切な離型性材料と組み合わせることにより、Tgまたは軟化点が100℃未満の樹脂でも用いることができる。
離型性材料としては、ワックス類、タルクもしくはシリカ等の無機微粒子または有機微粒子を使用できる。離型性材料は、バインダー樹脂量に対して0.1〜200質量%添加することが好ましく、更に好ましくは10〜100質量%である。
凝集破壊性剥離層に離型性材料を使用しない場合は、上記バインダー樹脂のうち、樹脂同志の相溶性が低い二種類以上を使用することによって、剥離層を形成するバインダー樹脂同士の界面で剥離させることができる。
剥離層に白色顔料を含有させることによって、印画物の白色隠蔽性を向上させることもできる。例えば、白色隠蔽性が不十分な場合、白色層だけでなく剥離層にも白色顔料を含有させて、白色層と剥離層とで全光線透過率を60%以下にして十分な白色隠蔽性を有する印画物を得ることができる。
また、白色層に接着性を付与したい場合や接着性を向上させたい場合には、白色層に接着性のバインダー樹脂を含有させることができるが、この場合、おのずと白色顔料の割合が低下し、白色隠蔽性が不足してくる場合がある。このような白色層の白色隠蔽性を補うため、剥離層に白色顔料を含有させて、十分な白色隠蔽性を有する印画物を得ることもできる。
剥離層に含有させる白色顔料としては、上述と同様に、酸化チタンまたは酸化亜鉛等を使用することができる。白色顔料の含有量は、白色層の白色隠蔽性との関係で設定されるため、一概にその範囲を規定することはできないが、剥離層中に白色顔料を添加する場合、剥離層を構成するバインダー樹脂量に対して、通常100〜500質量%、好ましくは上限を300質量%程度、下限を200質量%程度添加する。
以上のような離型性または凝集破壊性の剥離層には、上記の材料の他に、耐候性能を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光贈白剤(スチルベンゼン系、ピラゾリン系等)等を加えてもよい。
剥離層は、上述した染料層と同様な方法で形成することができ、その厚さは、塗布乾燥後で0.1〜5.0μmが好ましい。
なお、白色層および剥離層は、特許第3789033号公報に記載のものが好ましく使用される。
[接着層]
白色層の上層には接着層を有してもよい。接着層は、後述の熱転写性保護層の接着層が好ましく適用される。
[耐熱滑性層]
感熱転写シートは、染料層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に耐熱滑性層(裏面層)を設けることが好ましい。また、白色層転写シートや、保護層転写シートの場合にも、支持体のサーマルヘッド等に接する側に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
感熱転写シートの支持体の裏面とサーマルヘッド等の加熱デバイスとが直接接触した状態で加熱されると、熱融着が起こりやすい。また、両者の間の摩擦が大きく、感熱転写シートを印画時に滑らかに搬送することが難しい。
裏面層は、感熱転写シートがサーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るように設けられるものであって、熱融着を防止し、滑らかな走行を可能にする。近年、プリンターの高速化に伴いサーマルヘッドの熱エネルギーが増加しているため、必要性は大きくなっている。
耐熱滑性層は、バインダーに滑剤、離型剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを塗布することによって形成される。また、裏面層と支持体との間に中間層を設けてもよく、無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂からなる層が開示されている。
バインダーとしては、耐熱性の高い公知の樹脂を用いることができる。例として、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物を挙げることができる。
耐熱滑性層の耐熱性を高めるため、紫外線又は電子ビームを照射して樹脂を架橋する技術が知られている。また、架橋剤を用い、加熱により架橋させることも可能である。この際、触媒が添加されることもある。架橋剤としては、ポリイソシアネート等が知られており、このためには、水酸基系の官能基を有する樹脂が適している。特開昭62−259889号公報には、ポリビニルブチラールとイソシアネート化合物との反応生成物にリン酸エステルのアルカリ金属塩又はアルカリ土類塩及び炭酸カルシウム等の充填剤を添加することにより裏面層を形成することが開示されている。また、特開平6−99671号公報には、耐熱滑性層を形成する高分子化合物を、アミノ基を有するシリコーン化合物と1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を反応させることにより得ることが開示されている。
機能を十分に発揮させるために、裏面層には、滑剤、可塑剤、安定剤、充填剤、ヘッド付着物除去のためのフィラー等の添加剤が配合されていても良い。
滑剤としては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化黒鉛等のフッ化物、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、硫化鉄等の硫化物、酸化鉛、アルミナ、酸化モリブデン等の酸化物、グラファイト、雲母、窒化ホウ素、粘土類(滑石、酸性白度等)等の無機化合物からなる固体滑剤、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂、シリコーンオイル、ステアリン酸金属塩等の金属セッケン類、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を挙げることができる。
アルキルリン酸モノエステル、アルキルリン酸ジエステルの亜鉛塩などの燐酸エステル系界面活性剤も用いられるが、酸根を有しており、サーマルヘッドからの熱量が大になると燐酸エステルが分解し、更に裏面層のpHが低下してサーマルヘッドの腐食摩耗が激しくなるという問題点がある。これに対しては、中和した燐酸エステル系界面活性剤を用いる方法、水酸化マグネシウムなどの中和剤を用いる方法等が知られている。
その他の添加剤としては高級脂肪酸アルコール、オルガノポリシロキサン、有機カルボン酸およびその誘導体、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。
耐熱滑性層は、上に例示したようなバインダーに添加剤を加えた材料を溶剤中に溶解または分散させた塗工液を、グラビアコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、ワイヤーバーなどの従来から公知の方法で塗布することによって形成される。0.1〜10μm程度の膜厚が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5μm程度の膜厚である。
<画像形成方法>
本発明の感熱転写受像シートを用いて画像形成する方法としては、本発明の感熱転写受像シートの受容層と感熱転写シートの染料層(色材層)とが接するように重ね合わせて、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する。具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。
立体画像においてはレンチキュラーレンズの凹凸にあわせ、画像を正確な位置に印画する必要がある。この方法については特許第3609065号公報に記載の方法などを使用できる。
レンチキュラーレンズシートは反射型でも透過型としても鑑賞するのができる。レンチキュラーレンズシート背面に、前記白色層を用いるのが一般的であるが、反射型、透過型を使い分けるためには、前記白色層の白色隠蔽性を調節すれば良い。白色隠蔽性を調節方法としては、例えば、白色層そのものの透過率を調節しても良いし、同一の白色層を用いて白色層の印画回数を増減させても良い。
これによって、任意の反射率(透過率)を有するレンチキュラーレンズシートを作製でき、用途により使い分けることが可能となる。
実施例1
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、実施例中で、組成について部または%とある場合、特に断りのない限り質量基準である。
(ポリエーテル変性シリコーンの合成)
本発明に用いられる一般式(S1)で表されるポリエーテル変性シリコーンの合成は、伊藤邦雄著「シリコーンハンドブック」(日刊工業新聞社、1990年、p.163)等に記載されている公知の方法を用いることができる。
具体的には、撹拌装置と温度計付きガラスフラスコ内で、平均構造式(1):
Figure 2011167932
で表されるジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体 20質量部と平均構造式(2):CH=CHCHO(CO)20(CO)20CHで表される片末端アリルエーテル化ポリオキシアルキレン40質量部とを混合し、溶媒としてイソプロピルアルコール20質量部を加えた。更に塩化白金酸を加えて86℃で2時間撹拌した後、赤外吸収スペクトルでSi−Hを示すピークが消失していることを確認し、さらに30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮することにより、下記表1に示すポリエーテル変性シリコーンS1−1を得た。
ポリエーテル変性シリコーンS1−1の合成例のうち、片末端アリルエーテル化ポリオキシアルキレンの構造を平均構造式(3):CH=CHCHO(CO)35CHに変更した以外は同様にして下記表1に示すポリエーテル変性シリコーンS1−2を得た。
ポリエーテル変性シリコーンS1−1の合成例のうち、片末端アリルエーテル化ポリオキシアルキレンの構造を平均構造式(4):CH=CHCHO(CO)10CHに変更した以外は同様にして下記表1に示すポリエーテル変性シリコーンS1−3を得た。
ポリエーテル変性シリコーンS1−1の合成例のうち、片末端アリルエーテル化ポリオキシアルキレンの構造を平均構造式(5):CH=CHCHO(CO)50(CO)50CHに変更した以外は同様にして下記表1に示すポリエーテル変性シリコーンS1−4を得た。
ポリエーテル変性シリコーンS1−1の合成例のうち、片末端アリルエーテル化ポリオキシアルキレンの構造を平均構造式(6):CH=CHCHO(CO)40(CO)35CHに変更した以外は同様にして下記表1に示すポリエーテル変性シリコーンS1−5を得た。
Figure 2011167932
(受容層塗布液1):
塩化ビニル/アクリル系共重合体ラテックス 25.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製、固形分40%)
塩化ビニル/アクリル系共重合体ラテックス 15.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製、固形分55%)
ポリビニルピロリドン 0.5質量部
(K−90、商品名、ISP(株)製)
前記ポリエーテル変性シリコーンS1−4(100%) 1.5質量部
アニオン性界面活性剤A1−1 0.5質量部
アニオン性界面活性剤BFS−1 0.1質量部
水 50.0質量部
(試料101の作製)
以下の工程により試料101を作製した。
(1)支持体
三酸化アンチモンを触媒として重縮合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂と紫外線吸収剤9−1(Cytec Industries Inc. 社製、CYASORB UV−3638)をブレンドして紫外線吸収剤の含有量を12質量%としたマスターバッチペレットを使用し、このパレットと紫外線吸収剤が入っていないPET樹脂をブレンドしたものを、含水率50ppm以下に乾燥させた後、ヒーター温度が280〜300℃に設定された押し出し機内で溶融させた。次に、この溶融させたPET樹脂をダイ部より静電印加されたチルロール上に吐出させて、非結晶フィルムを得た。続けて、この日結晶フィルムを、フィルムの長手方向に対して3.3倍に延伸後、フィルムの幅方向に対して3.8倍に延伸することで2軸延伸を施した厚さ188μmのPET支持体101を作製した。なお、完成したPET支持体101のλ=330nm〜400nmの光学濃度最大値は、λ=400nm〜800nmの光学濃度の最大値よりも0.7大きかった。光学濃度の測定は、分光光度計(商品名:U−3310、日立製作所製)を用いて、スキャンスピード600で測定した。
(2)下引き層の形成
PET支持体101を用い、鏡面ロール(φ350mm、表面温度15℃)とニップロールの間に10m/分で走行するPET支持体101(厚み188μm)を挿入して、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂PETG(SK ケミカル社製)と接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)を、温度280℃に設定したTダイ(吐出巾350mm)より、実測樹脂温度260〜280℃として共押出して、PET支持体101と鏡面ロールの間に供給して下引き層(厚み220μm)を形成したシートを巻取り工程で巻き取った。
(3)受容層の形成
下引き層上に、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、後述の受容層塗布液1を、3.0g/mとなるように塗布し、受容層を塗設した。
(4)レンチキュラーレンズ形成
下引き層および受容層を設置した樹脂シートを送り出し工程より10m/分で巻き出して、レンチキュラーレンズ形状(半径150μm、レンズ高さ70μm、ピッチ254μm)を付けたエンボスロール(φ350mm、40℃)とニップロールの間に挿入して、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂PETG(SKケミカル社製)と接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)を、温度280℃に設定したTダイ(吐出巾330mm)より、実測樹脂温度260〜280℃として共押出して、樹脂シートとエンボスロールの間に供給して積層し、レンチキュラーシート(厚み340μm)を得ることができた。
(試料102の作製)
試料101において、紫外線吸収剤を含有したマスターバッチペレットと、紫外線吸収剤が添加されていないPET樹脂のブレンド比のみ変更し、それ以外は試料101と同様に作製した。完成したPET支持体のλ=330nm〜400nmの光学濃度最大値が、λ=400nm〜800nmの光学濃度の最大値よりも1.5大きくなった。
(試料103の作製)
試料101において、紫外線吸収剤を含有したマスターバッチペレットを用いず、紫外線吸収剤がはいっていないPET樹脂のみを用いた。完成したPET支持体のλ=330nm〜400nmの光学濃度最大値は、λ=400nm〜800nmの光学濃度の最大値よりも0.1大きかった。
Figure 2011167932
(感熱転写シートの作製)
支持体として片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に、乾燥後の固形分塗布量が1g/mとなるように耐熱滑性層塗工液を塗布した。乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着層塗布側に前記塗工液により、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層を面順次となるように塗布した感熱転写シートを作製した。各染料層の固形分塗布量は、0.8g/mとした。
耐熱滑性層塗工液
アクリル系ポリオール樹脂 26.0質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.43質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.27質量部
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製)
イソシアネート(50%溶液) 8.0質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 64質量部
イエロー染料層塗工液
下記イエロー染料 7.8質量部
ポリビニルアセタール樹脂 6.1質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 2.1質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84質量部
マゼンタ染料層塗工液
下記マゼンタ染料 7.8質量部
ポリビニルアセタール樹脂 8.0質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84質量部
シアン染料層塗工液
下記シアン染料 7.8質量部
ポリビニルアセタール樹脂 7.4質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.8質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84質量部
Figure 2011167932
特許第3789033号公報に記載の方法に準じて、染料層の作製に使用したものと同じポリエステルフィルムに、以下に示す組成の離型層、白色層塗工液を塗布し、転写性白色層積層体を形成した。乾膜時の塗布量は離型層0.6g/m、白色層2.0g/mとした。
剥離層塗工液
アクリル樹脂 16質量部
(LP−45M、商品名、総研化学(株)製)
ポリエチレンワックス(平均粒径:約1.1μm) 8質量部
トルエン 76質量部
白色層層塗工液
変成アクリル樹脂 20質量部
(アクリディックBZ−1160、商品名、大日本インキ(株)製)
酸化チタン(アナターゼ型) 40質量部
(TCA888、商品名、トーケムプロダクツ(株)製)
蛍光増白剤 0.3質量部
(Uvitex OB、商品名、チバ・ガイギー社製)
トルエン/イソプロピルアルコール(質量比1/1) 40質量部
(画像形成方法)
画像形成のためのプリンターには 特開2000−94729号公報など記載の方法により、ヒーター長42μmのサーマルヘッドを用い、最低濃度から最高濃度までの全域のグレーの階調が得られる設定で出力した。また立体画像用に100Lpiピッチのレンズに6視点画像をプリントした。
(耐光性試験)
上記画像試料に、370nmでの光透過率50%の紫外線カットフィルターおよび熱線カットフィルターを介してキセノン光(10万lxキセノン光照射器)を7、14日間照射した。黒画像のシアン初期濃度1.0での曝露後の残存率を算出し、評価した。
なお、上記サンプルの黒画像のシアン濃度測定はPhotographic Densitometer(X−Rite incorporated社製)で測定した。
残存率(%)=[照射後の光学濃度/照射前の光学濃度]×100(%)
◎:平均残存率が80%以上
○:平均残存率が70%以上80%未満
△:平均残存率が60%以上70%未満
×:平均残存率が60%未満
得られた結果を表3に示す。
Figure 2011167932
上記表3から明らかなように、本発明の画像サンプルは耐光性が良いことが分かった。
実施例2
試料101において、支持体のポリエチレンテレフタレート樹脂中に、紫外線吸収剤の9−1を、1−1、2−1、3−1、4−1、5−3、6−1、7−1、8−1、9−2に等モル置き換えた以外は同様にして、試料201〜209を作成し、実施例1と同様にして耐光性試験を行った結果、いずれも耐光性の改良効果が認められた。このうち、紫外線吸収剤9−2を用いたものの耐光性改良効果が最も優れ、紫外線吸収剤3−1が次いで優れ、紫外線吸収剤2−1が紫外線吸収剤3−1に次いで優れることがわかった。
実施例3
試料103において、下引き層に、紫外線吸収剤9−1を、試料101の透明支持体に加えた質量と同じ質量加えた以外は、試料103と全く同様にして、試料301を作成した。また試料103において、レンチキュラーレンズ樹脂に、紫外線吸収剤9−1を、試料101の透明支持体に加えた質量と同じ質量加えた以外は、試料103と全く同様にして、試料302を作成した。これらの試料を実施例1と同様にして耐光性の評価を行ったところ、実施例1の試料101とほぼ同様の結果を得た。
実施例4
実施例1の試料101の受容層塗布液1におけるポリエーテル変成シリコーンS1−4を等質量、S1−1、S1−2、S1−3、S1−5にそれぞれ置き換えた試料401〜404を作製し、実施例1と同様の評価を行った。この結果、効果の程度に差はあるもののいずれも、耐光性の改良効果が認められた。なお、試料101において、ポリエーテル変性シリコーンS1−4を使用しないことのみ異なる試料405を作製して同様の評価を行ったところ、一般式(S1)で表されるポリエーテル変性シリコーンを使用することにより、これらの効果をレベルアップしていることを確認した。
実施例5
試料101において下引き層およびレンチキュラーレンズに用いたグリコール変成ポリエチレンテレフタレート(PETG)樹脂を、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリカーボネート樹脂にそれぞれ変更することで試料501、502を作製した。
ここで、ポリカーボネート樹脂(ユーピロン200、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を使用した場合には、Tダイ設定温度を320〜330℃に設定し、実測樹脂温度を290〜330℃にした。またポリエチレン樹脂(スミカセンL405、住友化学(株)製)を使用した場合には、Tダイ設定温度を290℃に設定し、実測樹脂温度を270〜290℃にした。
実施例1と同様の評価を行った結果、耐光性の改良効果はいずれも認められたが、試料101が最も優れていることがわかった。
1 ダイ
2 エンボスロール
3 ニップローラ
4 剥離ローラ
5 押出機
6 樹脂ホッパ
7 塗布乾燥工程
8 基材シート(下引き層及び/または受容層有す)
9 基材シート8に押出ラミネート転写されたパターンシート
10 樹脂シート

Claims (11)

  1. 透明支持体上にレンチキュラーレンズを有し、該透明支持体の背面に少なくとも1層の受容層を有する感熱転写受像シートであって、該受容層以外の構成層に紫外線吸収剤を含有することを特徴とする感熱転写受像シート。
  2. 前記透明支持体と受容層の間に、少なくとも1層の下引き層を有し、該下引き層を構成する少なくとも1種の樹脂が、レンチキュラーレンズの少なくとも1種の樹脂と同一の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写受像シート。
  3. 前記受容層以外の構成層が、前記レンチキュラーレンズ、前記透明支持体または前記下引き層のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写受像シート。
  4. 前記受容層に、ポリマーラテックスを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
  5. 前記受容層に、塩化ビニル成分を構成成分として含有するポリマーラテックスを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
  6. 前記レンチキュラーレンズおよび/または下引き層を構成する少なくとも1種の樹脂が、ポリメチルメタアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート−スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂またはグリコール変成ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
  7. 前記受容層が、ポリマーラテックスを含有し、かつゼラチンおよびポリビニルアルコールのいずれも含有しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
  8. 前記受容層が、少なくとも2種の塩化ビニル成分を構成成分として含有するポリマーラテックスを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
  9. 前記紫外線吸収剤を含有する構成層が、レンチキュラーレンズ、透明支持体または下引き層であって、かつ含有部分(レンチキュラーレンズ、透明支持体または下引き層)でのλ=330nm〜400nmの光学濃度最大値が、λ=400nm〜800nmの光学濃度の最大値よりも0.6以上大きいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
  10. 前記受容層が下記一般式(S1)で表されるポリエーテル変性シリコーンを含有することを特徴とする請求項1〜9に記載の感熱転写受像シート。
    Figure 2011167932
    (一般式(S1)において、Rはアルキル基を表し、Rは−X−(CO)a1−(CO)b1−Rを表し、Rは、水素原子、アシル基、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。Xはアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を表す。m1およびn1は各々独立に正の整数を表す。a1は正の整数を表し、b1は0または正の整数を表す。)
  11. 前記受容層が下記一般式(A1)または(b1)で表されるアニオン性界面活性剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
    Figure 2011167932
    (一般式(A1)において、R4およびR5は各々独立に炭素原子数3〜20のアルキル基を表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。)
    Figure 2011167932
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子か置換または無置換のアルキル基を表す。AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012076328A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写受像シート
JP2015174446A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 誠研科技股▲ふん▼有限公司 透明媒体の熱昇華印刷方法及びその製品

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