JP2011166963A - 磁気カップリング制御装置 - Google Patents

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    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/14Electronic commutators
    • H02P6/16Circuit arrangements for detecting position

Abstract

【課題】内側回転体の負荷状態や駆動状態に応じて制御態様を容易に調整可能とし、簡易コンパクトな構成でより好適な制御態様を実現する。
【解決手段】磁気カップリング制御装置10は、内周部に回転可能なロータ部12を有する外側機能体10MTと、ロータ部の内周側に間隔を有して配置される内側回転体14と、外側機能体と内側回転体の間に配置される管壁を備えた管材Pと、ロータ部の内周部において軸線周りに配列された複数の外側磁極12c及び内側回転体の外周部において複数の外側磁極に対して回転方向に整合して回転方向に磁気カップリング可能に配列された複数の内側磁極14bを有する磁気カップリング構造と、外側磁極と内側磁極の位相差を検出する位相差検出手段15、16、120と、位相差に応じて外側機能体を制御する外側機能体制御手段103、106、107とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は磁気カップリング制御装置に係り、特に、管材の内部に配置された内側回転体を非接触で制御する場合に好適な装置構成及び制御技術に関する。
従来から非接触で回転運動を伝達するための磁気カップリングを用いた駆動系が知られている。この磁気カップリングを用いた駆動系では、例えば、複数の磁極を回転方向に配列させた一対の磁気ディスクを対向する位置に配置することで、一方の磁気ディスクの回転と同期した態様で他方の磁気ディスクを回転駆動可能な構造が知られている。
一方、各種の配管内に配置した物体を駆動するために、磁気力を用いて配管の外部から当該物体を駆動する機構も知られている。配管としては、例えば水道管や下水管などのほかに、熱交換器の媒質通路を構成する管材なども挙げられる。上記物体としては、例えば配管の内面の加工処理具、清掃具などがある。
また、管材の外側にステータを配置し、管材の内側の物体にロータを固定することによりマグネットモータを構成して当該物体を回転駆動するように構成したものも提案されている。
しかしながら、上記従来の磁気カップリングを用いた駆動機構においては、外部より与えられる駆動トルクの変動や管材の内部の物体に加わる負荷トルクの変動により磁気カップリングに脱調が生ずる虞があり、これによって物体を安定的に駆動することができず、物体の動作態様を最適化することが難しいという問題点がある。
また、上記従来のマグネットモータを用いる駆動機構においては、管材が金属などの導電材である場合には、ステータにより形成される変動磁界によって管材に渦電流が発生するため、当該渦電流による損失によりロータに与えることのできる回転トルクが減少する。この場合、上記の渦電流損は回転速度が大きくなるほど大きくなる。したがって、この渦電流損による駆動効率の低下を補うためには、マグネットモータの体積を大きくする必要があるので、加工装置のコンパクト化が難しくなるという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、内周側に配置された内側回転体を外周側から磁気カップリングにより制御するようにした磁気カップリング制御装置において、内側回転体の負荷状態や駆動状態に応じて制御態様を容易に調整可能とし、簡易コンパクトな構成でより好適な制御態様を実現することのできる装置構成及び制御技術を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の磁気カップリング制御装置は、内周部に回転可能なロータ部及び該ロータ部を制御可能なステータ部を有する外側機能体と、前記ロータ部の内周側に間隔を有して配置される内側回転体と、前記外側機能体と前記内側回転体の間に配置される管壁を備えた管材と、前記ロータ部の内周部において軸線周りに配列された複数の外側磁極、及び、前記内側回転体の外周部において前記複数の外側磁極に対して回転方向に整合し前記管壁を介して該回転方向に磁気カップリング可能に配列された複数の内側磁極を有する磁気カップリング構造と、前記外側磁極と前記内側磁極の回転方向の位相差を検出する位相差検出手段と、前記位相差に応じて前記外側機能体を制御する外側機能体制御手段と、を具備することを特徴とする。
この発明によれば、磁気カップリング構造の駆動側(外側)と被動側(内側)の位相差を位相差検出手段により検出することにより、検出された位相差により内側回転体が受ける回転負荷や回転駆動力の変動を容易に知ることができるとともに、この位相差に応じて内側回転体を制御することができる。また、外側機能体は磁気カップリング構造で管材を介して内側回転体と非接触で結合したロータ部と、このロータ部を制御可能なステータ部を有するので、外側機能体を管材の外側に簡易かつコンパクトに配置できる。特に、位相差検出手段によって検出された上記位相差に応じて制御手段が外側機能体を制御することにより、内側回転体に対する駆動や制動或いは負荷等の機能状態を調整することで、回転数精度を向上させたり、磁気カップリング構造の脱調を防止したりするなど、内側回転体に対する制御性を高めることができることから、内側回転体をより安定的かつ精密に制御することが可能になる。ここで、上記外側機能体制御手段は、例えば、位相差検出手段によって検出された上記位相差によって磁気カップリング構造の脱調を検知し、当該脱調が生じた場合に、外側機能体の駆動を停止したり、ロータ部の回転数を低下させたり、駆動トルクを低減したりする手段、或いは、外側機能体の制動を解除したり、ロータ部の回転数を増加させたり、制動(負荷)トルクを低減したりする手段であってもよく、また、上記位相差に応じて常時外側機能体の駆動や制動或いは負荷等の機能状態を制御する手段であってもよい。
本発明の一の態様においては、前記外側機能体制御手段は、前記位相差が脱調限界を越えたときに、或いは、脱調限界以下に設定された既定値を越えたときに、前記外側機能体に対する制御態様を変更する手段である。これによれば、磁気カップリング構造に脱調が生じたこと、或いは、脱調が生ずる虞のあることを検知して外側機能体に対する制御態様を変更することにより、脱調による対処を的確に行うことができ、或いは、脱調を未然に防止することができる。
本発明の他の態様においては、前記外側機能体制御手段は、前記位相差に応じて前記外側機能体による前記ロータ部の回転トルク(駆動トルクや制動トルク或いは負荷トルク)を制御するトルク制御手段である。これによれば、上記位相差に応じてトルク制御手段が外側機能体の回転トルクを制御することにより、磁気カップリング構造の外周側と内周側の間に加わる回転トルクを直接かつ迅速に制御することができるため、回転数制御などの他の手段に比べて、磁気カップリング構造の脱調を防止するなど、カップリング状態を維持する際の制御性を高めることができる。
この場合にはさらに、前記トルク制御手段は、前記位相差が脱調限界未満に設定された既定値を越えないように前記回転トルクを制限するトルク制限手段であることが好ましい。これによれば、上記位相差が既定値を越えないように上記回転トルクを制限することによって、簡易な制御構成でありながら、内側回転体の負荷変動や回転駆動力の変動が生じた場合等においても磁気カップリング構造の脱調を確実に防止できる。
本発明の他の態様においては、前記外側機能体は、前記ステータ部が前記ロータ部を回転駆動する駆動磁界を形成する電動機である。これによれば、ロータ部の回転状態や駆動トルクを確実かつ正確に制御することができる。また、インナロータ型のモータ構造とすることでコンパクトに構成できるという利点もある。また、前記外側機能体は、前記ステータ部が前記ロータ部の回転により発生する回転磁界を受けて電力を生ずる発電機であってもよい。これによれば、ロータ部の回転状態や制動トルク或いは負荷トルクを確実かつ正確に制御することができる。
本発明のさらに他の態様においては、前記位相差検出手段は、前記管材の外周側において前記内側回転体に対して非接触で前記内側回転体の回転位相を検出する内側検出器を含む。このように位相差検出手段が管材の外周側において内側回転体とは非接触で位相差を検出可能に構成されることで、管材が長く配線が困難であったり管材内に流体が存在したりしても漏洩の心配がないなど、管材に妨げられずに支障なく位相差を検出できるから、配線構造や封止構造が不要となり、さらに簡易でコンパクトな構成とすることができる。
本発明の別の態様においては、それぞれ軸線方向に配置された複数段の前記複数の外側磁極及び前記複数の内側磁極を有し、該複数段の前記複数の外側磁極及び前記複数の内側磁極は軸線方向に整合してそれぞれの段において該軸線方向に磁気カップリング可能に構成される。これによれば、内側回転体を軸線方向に保持する保持トルクを上記複数段の段数分増大させることができるので、内側回転体を軸線方向に確実かつ正確に位置決めすることができる。
本発明においては、前記位相差検出手段は、前記内側回転体における前記外側磁極と半径方向に重ならない部位に設けられた検出用磁極群と、該検出用磁極群との前記管材を通した磁気的相互作用により前記内側回転体の回転位置を検出する磁気センサとを含むことが好ましい。
本発明によれば、内側回転体の負荷状態や駆動状態に応じて制御態様を調整することができ、簡易かつコンパクトな構成でより好適な制御態様を実現できるという優れた効果を奏し得る。
本発明に係る磁気カップリング制御装置の実施形態の概略縦断面図。 同実施形態の磁気カップリング構造を示す縦断面図(a)、内側回転体の磁極構造を示す正面図(b)、及び、ロータ部の磁極構造を示す縦断面図(c)。 同実施形態のより具体的な構成例を示す縦断面図。 図3の一部を拡大して示す拡大部分断面図。 同実施形態の制御系の全体構成の一例を示す概略構成ブロック図。 位相差検出手段に係る検出器の検出信号及びこれから導出される各種信号の態様を示すタイミングチャート。 位相検出回路の脱調検知信号を出力する構成例を示す概略回路図。 位相検出回路の位相信号を出力する構成例を示す概略回路図。
次に、添付図面を参照して本発明に係る磁気カップリング制御装置の実施形態について詳細に説明する。図1は実施形態の基本構成を示す概略縦断面図、図2は実施形態の各部を示す部分図(a)〜(c)である。
本実施形態において、磁気カップリング制御装置10は、外周に配置されたステータ部11と、このステータ部11の内側に対向配置されたロータ部12とを有する外側機能体10MTを備えている。外側機能体10MTは図示例ではDCブラシレスモータを構成している。ステータ部11は、軸線10x及びその周囲において開口(貫通)した形状のフレーム11aと、このフレーム11aの内部に固定されるとともに、軸線10x周りに複数配列されたステータ磁極11b及びコイル11cを備えている。
また、ロータ部12は、フレーム11aに対して軸受13を介して軸線10xを中心に回転自在に軸支された円筒状の磁性筒体(ヨーク)12aと、この磁性筒体12aの外周面上に軸線10x周りに複数配列された複数のロータ磁極12bとを有している。本実施形態においてロータ磁極12bは図2に示すように軸線10x周りに交互にN極とS極が配置される態様で配列されている。図示例では軸線10x周りに交互に異なる極性となる態様で四つのロータ磁極12bが配列されているが、もちろんこれに限定されるものではない。これらのロータ磁極12bはステータ磁極11bと僅かな間隔を隔てて対向配置される。フレーム11aにはロータ検出器15が設置され、当該ロータ検出器15はロータ部12のロータ磁極12bを検出して、ロータ部12の回転位置を検出可能に構成されている。
本実施形態では、ロータ検出器15とロータ磁極12bは外側機能体10MTの駆動用の回転位置検出手段として用いられるだけでなく、磁気カップリング構造10MCの外側磁極12cの回転位置を検出する手段をも構成している。なお、このように図示例ではロータ検出器15が外側検出器を兼ねているが、後述するように別途外側検出器を設けてもよい。また、ロータ検出器15は後述する外側磁極12cを検出してもよく、別途設けた検出用磁極群を検出するようにしても構わない。いずれにしても、ロータ検出器15で構成される外側検出器と後述する内側検出器16の出力により外側磁極12cと内側磁極14bとの位相差を検出することができるように構成されていればよい。
なお、上記外側機能体10MTにおいては、ステータ部11は電磁構造を有し、ロータ部12は永久磁石で構成された電動機で構成されているが、本発明の外側機能体は特に当該構成の電動機に限定されるものではなく、結果としてロータ部12の回転状態を制御することのできる構造であれば、他の構成を有する電動機、或いは、電動機以外の構成、例えば発電機であっても構わない。
ロータ部12の内周面には、軸線10x周りに複数配列された外側磁極12cが設けられる。複数の外側磁極12cは、図示例では軸線10x周りに交互にN極とS極が配置される態様で配列されている。図示例では、強磁性体よりなる磁性筒体12aの内外両面にそれぞれ永久磁石からなる同数のロータ磁極12bと外側磁極12cが対応した角度位置に配置され、内外に重ねて配置されるロータ磁極12bと外側磁極12cの極性が相互に逆極性となるように構成されている。ただし、ロータ部12の内外のロータ磁極12bと外側磁極12cは必ずしも対応している必要はなく、内外の磁極が無関係に配列されるように構成しても構わない。
上記のように軸線10x周りに複数配列された外側磁極12cは、軸線10x方向に複数段設けられている。このとき、軸線10x方向に隣接する段の外側磁極12c同士が相互に逆極性を備えるように構成される。図示例では軸線方向に4段の構成を有するが、もちろん、段数は特に限定されない。複数段の構造が設けられることで、後述するように内側回転体14の軸線方向の保持力が増大する。
ロータ部12の内周面には、上記外側磁極12cを覆う非磁性体からなる保護部材12dが取り付けられている。この保護部材12dは好ましくは合成樹脂等で一体に構成される。保護部材12dは、ロータ部12の上記複数の外側磁極12cが配列された領域(以下、単に「駆動領域」という。)に配置された筒状部12d−1を有し、当該筒状部12d−1が複数の外側磁極12cを被覆している。また、保護部材12dの上記駆動領域から外れた位置(端部)には上記筒状部12d−1より厚肉に構成された端枠部12d−2が設けられ、当該端枠部12d−2が上記磁性筒材12aの端部に固定される。この保護部材12は、ロータ部12の内部に挿通される管材Pの外面が直接に外側磁極12cに接触することを防止するための保護材である。
上記ロータ部12のさらに内側には間隔を有して内側回転体14が配置される。内側回転体14は全体として軸状に構成されている。内側回転体14は、ロッド軸14aの外周面上に軸線10x周りに複数配列された内側磁極14bを備えている。これらの内側磁極14bは、軸線10x周りに見て、外側に対向する逆極性の外側磁極12cと対応する周期で(同じ角度範囲で同じ数だけ)配置されている。
上記外側磁極12cと内側磁極14bについては、基本的に相互に対応する逆極性の磁極同士が半径方向に対向配置されるように構成される。具体的には、図2に示すように、外側磁極12cと内側磁極14bは、それぞれ軸線10xの周りにN極とS極を相手方に向けた少なくとも一対の磁石(好ましくは永久磁石)が隣接するように配置され、これらの一対の磁石の組同士がラジアル方向にギャップを介して対向するように構成される。このことで、駆動側(外側)構造と被動側(内側)構造との間に磁気力が発生し、両者間に回転力を非接触で伝達できる磁気カップリングが構成される。
本実施形態では、駆動側と被動側にはそれぞれ上記一対の磁石の組が軸線周りに複数組配置される。各磁極12c、14bはそれぞれ軸線10x周りに等角度範囲かつ等角度間隔で配置され、磁極12cと磁極14bの角度範囲と角度間隔も相互に同じに設定される。ただし、複数の磁極12cと複数の磁極14bとが全体として半径方向に対応した構成を有して結果として磁気カップリングとしての機能が果たされるのであれば、各磁極の角度範囲と角度間隔は同じでなくてもよい。
上記のように軸線10x周りに複数配列された内側磁極14bは、上記外側磁極12cに対応して、軸線10x方向に複数段(図示例では4段)設けられている。このとき、軸線10x方向に隣接する段の内側磁極14b同士が相互に逆極性を備えるように構成される。また、各段においてはそれぞれに上述のように外側磁極12cと、これに対向する対応する内側磁極14bとが相互に逆極性となるように構成される。
内側回転体14の上記内側磁極14bが配列される領域(以下、単に「被動領域」という。)の軸線10x方向両側には、上記ロッド軸14aに対して回転自在に装着された内側磁極14bよりも大径とされたガイドローラ14cが装着されている。これらのガイドローラ14cは、ロータ部12の内側に挿通され、内側回転体14を内包する管材Pの内径に適合する外径を有し、当該管材P内で内側回転体14がスムーズに回転するように構成される。
内側回転体14の被動領域の外側においては、上記内側磁極14bとは別に、上記外側磁極12cと半径方向に重ならない位置において軸線10x周りに複数の検出用磁極群14dが固定されている。これらの検出用磁極群14dは回転方向に複数の異なる極性の磁極を配列させてなり、内側回転体14の回転位置を検出する内側検出器16によって検出される対象となっている。すなわち、内側検出器16及び検出用磁極群14dは被動側の回転位置検出手段を構成している。複数の検出用磁極群14dの角度位置、角度範囲及び数は内側磁極14bの角度位置、角度範囲及び数に対応していることが望ましいが、特に限定されるものではなく、また、検出用磁極群14dではなく、例えば内側磁極14bそのものを内側検出器16が検出する構成であってもよい。いずれにしても、ロータ検出器15で構成される外側検出器と内側検出器16の出力によって外側磁極12cと内側磁極14bの位相差を検出することができる構成であればよい。
なお、ロータ検出器15と内側検出器16はいずれもロータ部12と内側回転体14の角度位置をそれぞれ相対的に検知できるものであればよく、上述のように磁気的な検出機能を有するものに限らず、光学式センサなどの他の原理や構成で検知するものであっても構わない。ただし、内側検出器16は、管材Pの内側に配置された内側回転体14を検出するものであるため、管材Pを介在させても検出可能な検出器、すなわち、管材Pの外周側において非接触で内側回転体14の回転位相を検出可能なものであることが好ましい。したがって、管材Pが非磁性金属である場合には、磁気センサを用いることが最も好ましい。
本実施形態では、外側機能体10MTの複数のコイル11cにそれぞれ後述するモータ駆動回路より適宜の電力を供給することにより、ステータ部11によって駆動磁界が発生し、ロータ部12が回転駆動される。ロータ部12が回転すると、その外側磁極12cと内側回転体14の内側磁極14bとの磁気カップリング構造により、内側回転体14がロータ部12と同期して回転する。また、ロータ部12の内部に非磁性体(強磁性体でない材料)よりなる管材Pを挿通し、この管材Pの内部に内側回転体14を配置すると、内側回転体14を管材Pの内部で回転駆動することができる。このとき、非磁性体の管材Pが金属等の導電体で構成される場合でも、外側磁極12cと内側磁極14bとの間に形成される磁界は、ロータ部12及び内側回転体14の回転とともにほとんど変化せずに回転するだけであるので、基本的に渦電流による損失はほとんど発生しない。
本実施形態では、ロータ部12において軸線10x方向に複数段の外側磁極12cが設けられ、これに対応して内側回転体14にも軸線10x方向に複数段の内側磁極14bが設けられていることにより、軸線10x方向に高い保持力が発生する。外側磁極12cと内側磁極14bを一段ずつ設けた場合に比べてほぼ段数倍(図示例では4段なので4倍)の保持力が得られる。このようにすると、管材Pの内部に配置された内側回転体14に多少の外力が加わっても軸線10x方向の位置を維持することができる。
なお、本実施形態においては、外側機能体10MTをDCブラシレスモータとして構成しているため、ロータ部12の回転位置を検出するためのセンサが必要となる。一般的には図示しないホールセンサ(ホールIC等)といった各種の回転位置センサを別途設けてステータ部11を制御するが、本実施形態では、当該回転位置センサとしてロータ部12の回転姿勢を検出するための上記ロータ検出器15を設けている。ただし、モータ形式の相違(例えば整流子付きDCモータ)によりロータ検出器15を省くことができる。なお、上述のように本実施形態ではロータ検出器15を外側検出器としても用いているが、前述のようにロータ検出器と外側検出器を別々に設けてもよいので、以下においては、このように構成した設計例について説明するとともに、その後になされる本実施形態の制御系の説明においては、外側機能体10MTの制御用のセンサ(ロータ検出器)と、上記外側検出器とを説明の都合上別々に設置したものとして記述する。
図3及び図4は、上記実施形態の磁気カップリング制御装置10をより具体的に構成した場合の設計例を示す縦断面図及び拡大部分断面図である。この設計例では、基本構成は上記図1及び図2に示すものと同様に構成されるが、細部においてより具体的な構成が与えられている。なお、この設計例では複数の箇所において上記図1及び図2に示す実施形態とは異なる構造を有するが、これらの複数の相違点は上記実施形態と本設計例との間で適宜に置換して構成することが可能である。
基台1には、軸線方向10xに間隔を有して立設された側板2、3が取付固定される。側板2及び3にはそれぞれステータ部11の軸線方向両端部が固定される。このステータ部11には、上記と同様にフレーム11a、ステータ磁極11b及びコイル11cが設けられる。また、ロータ部12には、上記と同様の磁性筒体12aと、ロータ磁極12bと、外側磁極12cとが設けられる。ただし、磁性筒体12aは、ロータ磁極12bが取付固定された外側のロータヨーク12a−1と、外側磁極12cが取付固定された内側の駆動側ヨーク12a−2とが回転方向に係合した状態に構成されている。ロータヨーク12a−1と駆動側ヨーク12a−2は、軸線方向両側に固定される端板12e、12fによって相互に固定されている。なお、磁性筒体12aは3以上のヨーク部を相互に固定することによって構成されていてもよい。
上記端板12e、12fの内側には上記と同様の保護部材12dが取付固定される。ただし、図示例の保護部材12dは端板12eと12fの双方に対してそれぞれ軸線方向の両側において固定されている。一方の端板12fには外側磁極12cと対応する磁極構成を有する検出用磁極群12gが取り付けられる。検出用磁極群12gは端板12fの軸線方向前後に突出した先端部に固定される。一方、フレーム11aに取り付けられたセンサ板17には、内側回転体14の端部に取り付けられた検出用磁極群14dを検出する内側検出器16と、上記検出用磁極群12gを検出する外側検出器18とが取り付けられている。なお、上記のように構成すると検出構造が簡易に構成できるが、多少構造的に複雑化しても構わなければ、外側検出器18が外側磁極12cを直接検出するように構成してもよい。
本実施形態では、ロータ磁極12bの回転位置を検出するロータ検出器15とは別に、検出用磁極群12gを検出することで外側磁極12cの回転位置を検出する外側検出器18が設けられるため、ロータ磁極12bと外側磁極12cとの位相関係について何らの制約を受けることがなくなり、ロータ磁極12bの軸線10x周りの構成(磁極配列の周期及び数)と、外側磁極12cの軸線10x周りの構成(磁極配列の周期及び数)とを相互に無関係に設定することが可能になる。図示例の場合、外側機能体10MTは、例えば8極9スロットの構成で、ロータ磁極12bを8極としている。一方、外側磁極12c及び後述する内側磁極14bは4極としている。
また、本実施形態では、内側回転体14の端部にさらに軸線方向の位置を検出するための検出用磁極群14eが設けられる。この検出用磁極群14eは、軸線10xの方向に異なる極性の磁極を配列させたものである。図示例ではN極とS極の一対の磁極が軸線方向に隣接配置されている。上記センサ板17には検出用磁極群14eを検出する軸線位置検出器19も取り付けられている。この場合、軸線位置検出器19は外側磁極12cに対して軸線10x方向に固定されているので、検出用磁極群14dと軸線位置検出器19は駆動側(外側)と被動側(内側)の相対的な軸線位置の検出手段を構成する。なお、センサ板17の外側に取り付けられているのは端部カバー20である。なお、この軸線位置検出器19もまた、上記内側検出器16と同様に、管材Pの外周側において非接触で内側回転体14の軸線方向の位置を検出可能とされている。また、軸線位置検出器19は、内側回転体14において外側磁極12cと半径方向に重ならない位置に設けられた検出用磁極群14eを検出する。
次に、本実施形態の制御系100の構成について図5乃至図7を参照して説明する。図5は制御系100の全体構成を示す概略構成ブロック図である。本実施形態では、交流電源(商用電源)101に接続された整流回路102により直流電圧がモータ駆動回路103に供給される。モータ駆動回路103は外側機能体10MTを駆動する。この外側機能体10MTのロータ部12とともに磁気カップリング構造10MCの駆動側構造10D(外側磁極12c)が回転するので、この駆動側構造10Dにより磁気カップリングによって被動側構造10E(内側磁極14b)が回転力を受けることで、内側回転体14が回転駆動される。
なお、本実施形態の磁気カップリング制御装置10では、外側機能体10MTが内側回転体14を回転駆動する態様に限らず、内側回転体14の回転を外側機能体10MTが制動する態様でも同様に使用することができる。この場合には、以下の説明における駆動トルクの概念に制動トルクを含めることで、同様に理解することが可能である。
上記モータ駆動回路103への電力供給経路には電流検出部104が設けられ、電流検出部104によって検出されたモータ駆動回路103の負荷電流値が既定の電流値を越えたか否かが過電流検出部105において判定され、その結果が主制御部106に送出される。過電流が検出されると、主制御部106はモータ駆動回路103に制御信号を送出して駆動を停止したり、後述する回転数制御回路107により駆動回転数を低下させたりすることができる。また、外部機器Aに停止出力信号STを送出するようにしてもよい。
回転数制御回路107は、外部入力部108a、操作入力部108b及び内部設定部(デフォルト値保持部)108cから与えられた、回転数に対応する入力値を選択して入力する設定選択部108の設定出力に応じて適宜の回転数となるようにモータ駆動回路103を制御する。この設定選択部108は主制御部106から送出される選択信号SLに応じて上記のいずれか一つの入力値が用いられるように動作する。また、運転・停止操作部110、非常停止操作部111、正逆転指示部112の操作や指示に対応する設定信号が主制御部106に入力され、主制御部106はこれらの操作や指示に応じて運転開始動作、運転停止動作、非常停止動作、外側機能体10MTの駆動態様の回転切り替え動作を実行する。さらに、主制御部106は、外部の制御装置からの外部停止信号を受ける外部停止入力部113を有し、この外部停止信号が入力されることで外側機能体10MTの駆動動作を停止するように構成されている。また、主制御部106は、外部の制御装置からの外部制御信号を受ける外部制御入力部114を有し、この外部制御信号に応じて外側機能体10MTの駆動態様を制御する。
なお、外部制御信号が入力されない場合には、主制御部106はデフォルトの制御態様で自動的に動作するように構成される。主制御部106は、所定の動作プログラムに従って動作するマイクロコンピュータユニット、制御コントローラなどで構成できる。また、本実施形態では、主制御部106による外側機能体10MTの制御は回転数制御回路107を介して行われる。ただし、主制御部106から直接モータ駆動回路103を制御するようにしてもよい。
外側機能体10MTにはホール素子等よりなる上述のロータ検出器15が設けられ、このロータ検出器15によりロータ磁極の位相を検出することができるようになっている。ロータ検出器15の出力は上記回転数制御回路107に送られてモータ駆動回路103を介して該出力と整合する周波数でステータ部11が駆動される。また、ロータ検出器15の出力は、回転数検出回路115により、回転数に対応する表示信号DO、アナログ電圧AVに変換される。また、回転数検出回路115は回転数に対応する回転数補償信号RCも出力する。この回転数補償信号RCはトルク指定部116に入力される。トルク指定部116においては、操作入力と回転数補償信号RCに応じてトルク指定信号TIをトルク制御回路117に出力する。トルク指定部116では、トルク指定信号TIをその操作入力値に応じて生成するが、回転数補償信号RCによる寄与を操作入力値に対して適宜の重み付けで加味できるように構成されている。すなわち、外側機能体10MTの回転数が上昇するに従って増大する機械的負荷等に対応して駆動トルクを増加させることができるようになっている。なお、トルク指定部116において回転数補償信号RCによる寄与の有無を選択することができるように構成されることが好ましい。
トルク制御回路117では、電流検出部104により検出された負荷電流値をトルク換算回路109で変換して生成した電流トルク信号TCと上記トルク指定信号TIとに基づいてトルク制御信号TSを回転数制御回路107に出力する。トルク制御信号TSは回転数制御回路107から出力される回転数制御信号RSがモータ駆動回路103に出力されることで外側機能体10MTの駆動トルクを間接的に制御する。具体的には、上記駆動トルクが所定値を越えないように回転数制御信号RSを調整する役割を果たす。たとえば、外側機能体10MTの起動時において駆動トルクが過大となることを防止する。このトルク制御回路117は、後述する位相差に基づいてトルク制御信号TSを生成する場合には、検出器16、18や後述する位相検出回路120により構成される位相差検出手段により検出された位相差に応じて外側機能体10MTを制御する本発明の外側機能体制御手段(トルク制御手段、トルク制限手段)を構成する。
本実施形態においては、制御系100により、磁気カップリング10MCの駆動側構造10Dと被動側構造10Eの間の位相差を検出する位相差検出手段と、当該位相差検出手段によって検出された位相差に応じて外側機能体10MTを制御する外側機能体制御手段とを備えている。この位相差検出手段は、上記駆動側検出器18(ロータ検出器15で兼用する場合を含む)を有する駆動側の回転位置検出手段と、上記内側検出器16を有する被動側の回転位置検出手段を備え、これらの回転位置検出手段により駆動側と被動側の回転方向の位相差を位相検出回路120において求めるようになっている。
なお、図示例の場合には、上記軸線位置検出器19を有する軸線位置検出手段をも有し、この軸線位置検出手段により、駆動側と被動側の軸線10x方向の位置ずれの有無若しくは位置ずれ量が検出される。この軸線方向位置検出手段では、軸線位置検出器19の出力が主制御部106に送出され、主制御部106により、制御態様が切り替えられる構成となっている。なお、軸線位置検出器19の出力により内側回転体14に軸線方向の位置ずれ(軸ずれ)が生ずると、内側磁極14bと外側磁極12cの間の磁気カップリングによる回転方向の保持力が低下し、内側回転体14の回転抵抗が増大するので、制御系100における外側機能体制御手段による位相差に基づく制御に対する内側回転体14の応答特性が変化すると考えられるため、当該応答特性の変化による影響を低減するためにトルク制御における上記位相差の所定値(脱調限界に対応するもの、特に脱調限界未満の所定値)を軸ずれ量に応じて補正してもよい。
位相検出回路120は、駆動側構造10Dと被動側構造10Eの回転位置の位相差を算出して位相信号PSを出力する。また、位相検出回路120は、上記磁気カップリング構造10MCが脱調を生じたか否かを判定して脱調検知信号LSを主制御部106に出力する。位相検出回路120において、磁気カップリング構造10MCの脱調は上記位相差が既定値を越えたか否かによって判断される。上記脱調検知信号LSは主制御部106のリセット信号RHによって解除される。
磁気カップリング構造10MTにおいて、駆動側と被動側の位相差、すなわち、上記磁極の軸線10x周りの形成周期(相互に隣接するN極とS極の一対の磁極が配置される角度領域)を基準とする位相差は、相互に逆極性の外側磁極12cと内側磁極14bとが対応位置にあるとき(駆動側と被動側の間に生ずる保持トルク=0のとき)を位相差0とした場合、本実施形態のように各磁極が等角度範囲及び等角度間隔で配列されているときには位相差が1/4(90度)のときに最大の保持トルクが生じ、位相差が2/4(180度)を越えると脱調となる。したがって、上記既定値は本実施形態の場合には位相差2/4(180度)とされるが、上記位相差の値は磁気カップリング構造の磁極範囲と磁極間隔が等角度でない場合にはそれに応じて変化するので、一般的には磁気カップリング構造に応じて脱調が生ずる位相差(脱調限界)に設定される。
また、上記のように脱調が生じたことを検知するのではなく、脱調が生ずる前に脱調検知信号LSにより脱調が生ずる危険があることを知らせるようにして、脱調を生じさせないように制御してもよい。例えば、上記既定値を位相差2/4未満の値に設定し、特に、最大の保持トルクを生ずる位相差1/4以下の値に設定することが好ましい。一般的には、上記既定値は脱調が生ずる位相差(脱調限界)未満の値とし、特に最大の保持トルクが得られる位相差以下の値とすることが望ましい。
上記脱調検知信号LSにより磁気カップリング構造10MCが脱調したこと、或いは、脱調が生ずる虞のあることが検知されると、主制御部106では、設定選択部108に対する選択信号SLを切り替えることなどにより、回転数制御回路107を制御して、外側機能体10MTの回転数を低下させたり、外側機能体10MTの駆動を停止したり、駆動トルクを低減させたりする。この制御態様は、主制御部106による通常の駆動制御態様ではなく、磁気カップリング構造10MCの脱調に起因する異常状態に起因する駆動停止制御、若しくは、当該異常状態を解消するための状態復帰制御、或いは、脱調状態を未然に回避しつつ通常の制御態様に戻すための脱調回避制御である。また、このような外側機能体10MTに対する制御とともに、外部機器Aに停止出力信号STを送出するようにしてもよい。
いずれにしても、上記の駆動停止制御、状態復帰制御、脱調回避制御が完了すると、主制御部106はリセット信号RHを位相検出回路120に送出し、これによって脱調検知信号LSはリセットされるので、再び通常の検出状態に戻る。
位相検出回路120の出力する位相信号PSは、信号切替回路121を介して上記電流トルク信号TCと選択的にトルク制御回路117に入力される。もちろん、電流トルク信号TCと並行して(電流トルク信号TCとは別に)位相信号PSがトルク制御回路117に入力されるように構成することも可能である。トルク制御回路117は、位相信号PSに基づいて、磁気カップリング構造10MCの磁気カップリング状態を維持するように、すなわち、脱調が生じないように、外側機能体10MTの駆動トルクを制御する。この制御態様の一例としては、例えば、磁気カップリング構造10MCの位相差が既定値を越えない範囲に維持されるようにトルク制御信号TSを調整することが挙げられる。
図6は位相差検出手段に関わる各種信号の例のタイミングチャート、図7及び図8は位相検出回路120の構成例を示す概略回路図である。外側検出器18から出力される駆動側信号S18と、内側検出器16から出力される被動側信号S16が入力される解除信号回路120aのクリア信号C16とが入力される第1の順序論理回路(例えば、R端子付きDフリップフロップ)120bの出力として位相差信号PDが得られる。ここで、図示例では、解除信号回路120aは排他的論理和回路、コンデンサ、抵抗等により構成され、上記被動側信号S16とともに正逆転信号DS(L;低電位又はH;高電位)を入力してクリア信号C16を生成する。ここで、正逆転信号DSは被動側信号S16に基づくクリア信号C16の極性を反転させる。図示例では、第1の順序論理回路120bのQ出力である位相差信号PDは、第1の順序論理回路120bのT端子に入力される駆動側信号S18の立ち上がり時に対応して立ち上がり(LからHになり)、第1の順序論理回路120bのR端子に入力されるクリア信号C16の元になる被動側信号S16の立ち上がり時に対応して元に戻る(HからLになる)。
図7に示すように、位相差信号PDは上記駆動側信号S18とともに第2の順序論理回路(例えば、S端子及びR端子付きDフリップフロップ)120cに入力される。図示例では、位相差信号PDはD端子に、駆動側信号S18はT端子に入力される。これによって、駆動側信号S18の立ち上がり時に位相差信号PDがHであればQ出力はHとなり、それ以外ではLのままとなる。当該第2の順序論理回路120cのQ出力は脱調検知信号LSである。第2の順序論理回路120cでは反転Q出力(Qバー)とS端子が接続されているため、一度脱調検知信号LSがHになるとこのH状態が維持される。脱調検知信号LSは主制御部106に送られる。脱調検知信号LSのH状態は、主制御部106から入力されるリセット信号RHによりリセットされる。
脱調検知信号LSは、位相差信号PDを入力とする第2の順序論理回路120cにより、位相差信号PDのデューティー比が駆動側信号S18の周期を基準として2/4を越えた場合に、反転するH信号として出力される。なお、上記回路例では、駆動側信号S18の前後の立ち上がりタイミングの間に被動側信号S16の立ち上がりタイミングが存在しない場合に脱調と判断するようにしているが、これに限らず、結果として磁気カップリング構造に脱調が生じた場合に脱調検知信号LSが反転するように構成すればよい。また、前述のように、脱調限界未満の任意の位相差の値を上記既定値として設定することができるように構成すればなおさら好適である。
図8に示すように、上記位相差信号PDは積分回路120dにより積分されて位相信号PSとなる。上記位相差は位相差信号PDのデューティー比に比例するので、位相差信号PDを積分した上記位相信号PSは当該位相差を示すアナログ値となる。ここで、上記積分回路120dの出力をオフセット調整回路120eの出力に基づいてオフセットすることで、位相信号PSにより正確な位相差が得られるようにしている。なお、オフセット調整回路120eでは、磁気カップリング構造10MCの正転時と逆転時においてそれぞれのオフセット値Voffを設定できるように構成されている。これらの正転時と逆転時のオフセット値は上記正逆転信号DSによって対応するものが選択される。
位相信号PSが上記トルク制御回路117に供給されると、トルク制御回路117は駆動側構造10Dと被動側構造10Eの位相差が既定値以下になるようにトルク制御信号TSにより回転数制御回路107を制御する。これによって、例えば、回転数上昇時等において外側機能体10MTの駆動トルクが過大(磁性カップリング構造10MCの最大の保持トルク以上)となって脱調を招いたり、或いは、内側回転体14に加わる負荷が増大して脱調を生じたりするといったことが防止される。なお、トルク制御回路117に供給される信号は上記位相信号PSに限らず、上記位相差信号PDなどであってもよく、結果としてトルク制御が可能な態様の信号であればよい。
尚、本発明の磁気カップリング制御装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記外側機能体10MTはDCブラシレスモータで構成されているが、本発明はこれに限らず、磁気カップリング構造10MCの駆動側構造10Dと被動側構造10Eの位相差を制御できる構成であれば、他の種類の電動機を用いることができる。
また、本発明の磁気カップリング制御装置は、上述の駆動装置に限らず、管材P中の内側回転体を回転制御する各種の用途に適用することができる。たとえば、前述のように内側回転体の制動装置として用いてもよく、この場合には、上記の被動側が駆動側となり、駆動側が制動側となる。このようなエネルギーの内側から外側への流れを生ずる態様では、内側回転体にフィンを取り付けるなどして管材P内を流れる流体によって内側回転体が回転駆動されるようにしたタービン装置や発電機などに適用することもできる。
本実施形態を発電機として用いる場合には、上述の制御系100において、交流電源101及び整流回路102の代わりに一般負荷(電力安定回路、変圧回路、充電回路など)を接続し、モータ駆動回路103の代わりに可変負荷回路(逆起電力に起因するロータ部の回転負荷を電気的に変更可能とした回路)を設け、回転数制御回路107の代わりに可変負荷回路の与える電気的負荷を制御する負荷制御信号を出力する負荷制御回路を設け、トルク制御回路117を外側機能体によるロータ部の負荷トルク(制動トルク)を間接的に制御するものとすることができる。例えば、当該負荷トルクが所定値(磁気カップリングの脱調限界未満の値)を越えないように負荷制御信号を調整するために上記位相差に応じて負荷トルクを制御することで、磁気カップリングの脱調を防止することができる。或いはまた、内側回転体の回転駆動力が弱いとき(例えば、起動時)において負荷を軽減して内側回転体14の回転を維持したり起動を容易にしたりすることもできる。いずれにしても、上記の可変負荷回路、負荷制御回路及びトルク制御回路によって、発電機能を備えた外側機能体を制御する外側機能体制御手段が構成される。
10…磁気カップリング制御装置、10MT…外側機能体、11…ステータ部、12…ロータ部、12b…ロータ磁極、12c…外側磁極、13…軸受、14…内側回転体、14a…ロッド軸、14b…内側磁極、14c…ガイドローラ、14d…検出用磁極群、15…ロータ検出器、16…内側検出器、18…外側検出器、100…制御系、103…モータ駆動回路、106…主制御部、107…回転数制御回路、117…トルク制御回路、120…位相検出回路

Claims (7)

  1. 内周部に回転可能なロータ部及び該ロータ部を制御可能なステータ部を有する外側機能体と、
    前記ロータ部の内周側に間隔を有して配置される内側回転体と、
    前記外側機能体と前記内側回転体の間に配置される管壁を備えた管材と、
    前記ロータ部の内周部において軸線周りに配列された複数の外側磁極、及び、前記内側回転体の外周部において前記複数の外側磁極に対して回転方向に整合し前記管壁を介して該回転方向に磁気カップリング可能に配列された複数の内側磁極を有する磁気カップリング構造と、
    前記外側磁極と前記内側磁極の回転方向の位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記位相差に応じて前記外側機能体を制御する外側機能体制御手段と、
    を具備することを特徴とする磁気カップリング制御装置。
  2. 前記外側機能体制御手段は、前記位相差が脱調限界を越えたときに、或いは、脱調限界以下に設定された既定値を越えたときに、前記外側機能体に対する制御態様を変更する手段であることを特徴とする請求項1に記載の磁気カップリング制御装置。
  3. 前記外側機能体制御手段は、前記位相差に応じて前記外側機能体による前記ロータ部の回転トルクを制御するトルク制御手段であることを特徴とする請求項1に記載の磁気カップリング制御装置。
  4. 前記トルク制御手段は、前記位相差が脱調限界未満に設定された既定値を越えないように前記回転トルクを制限するトルク制限手段であることを特徴とする請求項3に記載の磁気カップリング制御装置。
  5. 前記外側機能体は、前記ステータ部が前記ロータ部を回転駆動する駆動磁界を形成する電動機であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気カップリング制御装置。
  6. 前記位相差検出手段は、前記管材の外周側において前記内側回転体に対して非接触で前記内側回転体の回転位相を検出する内側検出器を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁気カップリング制御装置。
  7. それぞれ軸線方向に配置された複数段の前記複数の外側磁極及び前記複数の内側磁極を有し、該複数段の前記複数の外側磁極及び前記複数の内側磁極は軸線方向に整合してそれぞれの段において該軸線方向に磁気カップリング可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気カップリング制御装置。
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