JP2011165704A - ヒートシンクおよび発光素子ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱特性の高いヒートシンクを提供する。
【解決手段】ベース10と、筒状体が並列に複数連結された構造のフィン11と、フィン11の下端とベース10上面との間に空隙をあけてフィン11を支持する支持部とを備える。これにより、フィン11の下端とベース10上面との間の空隙13から外部の空気が流入するため、熱源からの熱が伝導しているベース10の上面を空気が流れて冷却する。熱を受け取った空気は、上昇しフィンの筒状体を通りぬけ、支持部12を介してフィン11に伝導した熱をさらに冷却する。このように、対流を生じさせ、放熱効率を向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ベース10と、筒状体が並列に複数連結された構造のフィン11と、フィン11の下端とベース10上面との間に空隙をあけてフィン11を支持する支持部とを備える。これにより、フィン11の下端とベース10上面との間の空隙13から外部の空気が流入するため、熱源からの熱が伝導しているベース10の上面を空気が流れて冷却する。熱を受け取った空気は、上昇しフィンの筒状体を通りぬけ、支持部12を介してフィン11に伝導した熱をさらに冷却する。このように、対流を生じさせ、放熱効率を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヒートシンクに関し、特に、放熱特性の高いものに関する。
半導体素子や半導体発光素子の放熱のために、ヒートシンクに半導体素子や半導体発光素子を接着した半導体パッケージが知られている。一般的なヒートシンクとしては、板状のベースの上面に垂直に、複数の長方形のプレート状フィンを並べて配置した構造が知られている。自然空冷の条件においては、ヒートシンクの放熱特性は、フィンの対流熱伝達率、輻射(放射)熱伝達率、熱伝導率に依存することが知られている。このため、サイズに制限のあるヒートシンクでは、最適なフィン間隔、フィン枚数が存在する。
また、近年ヒートシンクの軽量化や放熱性能向上を目的としてフィン部がハニカム形状のヒートシンクが開発されている。例えば、特許文献1には、板状のベースの上に、セル軸方向を水平に向けてハニカム構造体を搭載したヒートシンクが開示されている。特許文献2には、ベースの上に、軸方向を垂直に向けてハニカム構造体を搭載したヒートシンクが開示されている。
特許文献1に記載のヒートシンクは、セル軸方向をベース面に水平に向けているため、ベースに搭載した熱源からの熱による自然対流の流れ(鉛直方向)が、ハニカム構造内で空気の流れる方向(水平方向)と直交し、自然対流が阻害される。このため、自然対流による熱伝達を効率よく利用することができない。
また、特許文献1に記載のヒートシンクは、ベース上に所定の間隔で板状の複数の隔壁を搭載しているため、ヒートシンク全体の重量が重くなる。
一方、特許文献2に記載のヒートシンクは、ハニカム構造をベース面に垂直に搭載する構造であるため、ベースとハニカム構造体とが接触するのは、薄板で構成されたハニカム構造の端面(開口周辺)のみであり、接触面積が小さい。このため、ベースからハニカム構造体との熱伝導が小さく、ベースからハニカム構造へと効率よく熱伝導することができない。
本発明の目的は、放熱特性の高いヒートシンクを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、以下のようなヒートシンクが提供される。すなわち、ベースと、筒状体が並列に複数連結された構造のフィンと、フィンの下端とベース上面との間に空隙をあけてフィンを支持する支持部とを備えるヒートシンクである。これにより、周囲からの冷えた空気が空隙に流れ込み、ベースを冷却し、フィンの筒状体を通りぬけながらフィンを冷却する対流が生じるため、放熱効率が向上する。
支持部の構成としては、例えば、複数の筒状体の1以上を軸方向に長くしたものを用いることができる。
フィンは、筒状体の軸方向をベースの主平面に垂直に向けて配置されていることが好ましい。煙突効果を効率よく生じさせるためである。
ベース上面およびフィンの表面のうちの少なくとも一方の表面には、その基材よりも放射率の高い材料で構成された放射層を備えることが可能である。
フィンは、例えばハニカム構造とすることができる。
また、本発明の第2の態様によれば、第1の態様のヒートシンクと、ヒートシンクのベースの裏面に搭載された熱源である発光素子とを有する発光素子ユニットを提供することが可能である。
本発明では、フィンの下端とベース上面との間に空隙をあけてフィンを支持することにより、周囲からの冷えた空気が空隙に流れ込み、ベースを冷却し、フィンの筒状体を通りぬけながらフィンを冷却する対流が生じため、放熱効率が向上する。
本発明の一実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本実施形態の発光素子ユニットの全体構成について図1(a)〜(c)を用いて説明する。図1(a),(b)、(c)は、それぞれ発光素子ユニットの斜視図、A-A矢視図および側面図である。
まず、本実施形態の発光素子ユニットの全体構成について図1(a)〜(c)を用いて説明する。図1(a),(b)、(c)は、それぞれ発光素子ユニットの斜視図、A-A矢視図および側面図である。
本実施形態の発光素子ユニットは、ヒートシンク1と、熱源である発光素子2とを備えている。ヒートシンク1は、ベース10と、ハニカム構造のフィン11とを備えている。ハニカム構造のフィン11は、六角形の筒状体を複数並列に連結した構造であり、熱伝導性の高い薄板によって形成されている。フィン11を構成する熱伝導性の高い薄板としては、例えば、銅やアルミを用いることが望ましい。
フィン11は、フィン11をベース10上に支持するフィン支持部12を備えている。フィン支持部12は、フィン11を構成する複数の六角形の筒状体のうちの特定の1以上の筒状体を、他の筒状体の軸方向の長さよりも所定の長さだけ長くしたものであり、端面がベース10上面に固定されることにより、フィン11全体をベース10上に支持している。本実施形態では、図1(c)の側面図から明らかなように、4つのフィン支持部12により、フィン11を支持している。
フィン支持部12の端面とベース10との接合には、熱伝達効率を向上させるために、例えば、熱伝導性の高い接着剤やブレージングや溶接等を用いる。
フィン支持部12がフィン11の他の筒状体よりも長く構成されていることにより、フィン支持部12の部分を除いたフィン11の下端とベース10との間には、予め定めた間隔の隙間13が設けられている。隙間13の間隔、すなわちフィン支持部12の長さにより、放熱効率が変化するため、シミュレーションや実験により予め定めた最適な間隔に設定することが望ましい。
熱源である発光素子2は、ベース10の中央裏面にTIM(熱界面材料)等に接して搭載されている。
図1(a)〜(c)の発光素子ユニットのヒートシンクの作用について説明する。
熱源である発光素子2の熱は、ベース10に熱伝導する。ベース10の一部は、熱その上に固定されているフィン支持部12に伝導する。フィン支持部12に伝導した熱は、周囲の筒状体へと熱伝導し、フィン11全体へ広がっていく。フィン11は、ハニカム構造であり、開口(筒状体)の軸方向は、ベース10の主平面に対して直交しているため、ハニカム構造のフィン11の開口(筒状体)の内部で生じる煙突効果により自然対流が促進され、フィン11に伝導した熱を効率よく放熱することができる。
また、フィン11とベース10との間には隙間13が設けられているため、図2のように周囲環境の冷えた空気が隙間13に流れ込み、熱源(発光素子2)の熱が伝導しているベース10の上面を冷却する。これにより、流れ込んだ空気は、ベース10から受けた熱で加熱され、自然対流により上昇して、ハニカム構造のフィン11の開口(筒状体)の内部を通り抜け、フィン11をさらに冷却する。
このように、本実施形態の発光素子ユニットのヒートシンク1は、ハニカム構造のフィン11の煙突効果(対流)、および、フィン11とベース10との隙間13に周囲の冷えた空気が流れ込み、ベース10を冷却し、ハニカム構造のフィン11を通りぬける対流効果、により効率よく放熱することができる。
したがって、発光素子2の熱を効率よく放熱することができるため、発光素子2の温度を所定温度以下に維持することができ、発光効率の低下を防止して、輝度の大きな照明装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、フィン支持部12を4つ備えるフィン11を例に説明したが、フィン支持部12の数は4つに限定されるものではなく増減することが可能である。
また、本実施形態のハニカム構造のフィンを用いるヒートシンクは、一般的な平板状のフィンを並べた構造のヒートシンクと比較して、その構造上、板厚が薄くできる。このため、フィン11を軽量化することができるというメリットもある。
なお、フィンは開口が六角形のハニカム構造に限らず、筒状体が並列に連結されたものであればよく、放熱効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、フィン支持部12の部分を除き、フィン11の下端をベース10の上面と平行にし、一定の間隔の隙間13を設けているが、本発明はこの形状に限定されるものではなく、フィン11の中央部の隙間13の間隔を小さく、フィン11の周辺部の隙間13の間隔を大きくすることも可能である。このような構造にすることにより、周囲から支柱12に向かって流れ込む空気が受ける抵抗が小さくなり、空気の流量を増加させることができ、対流による放熱効果を向上させることができる。
また、隙間13の間隔が小さい中央部ほど流速が大きくなるため、熱源である発光素子2が配置され温度の高いベース10の中央部を効率よく冷却する効果も得られる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の発光素子ユニットを図3を用いて説明する。
第2の実施形態の発光素子ユニットを図3を用いて説明する。
図3は第2の実施形態の発光素子ユニットの斜視図である。本実施形態では、ヒートシンクのベース10の上面、および、フィン11の表面の少なくとも一方に、ベース10およびフィン11の基材よりも放射率を高めた層(放射層)20を備えている。他の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
放射層20としては、フィン11やベース10の基材材料を酸化や窒化等させた層や、セラミック材料や樹脂材料層を用いることができる。例えば、フィン11やベース10の基材材料としてアルミを用い、アルマイト処理により酸化アルミ膜を形成することが可能である。また、例えば、セラミック材料層や樹脂材料層の場合には、フィン11やベース10の表面に塗布や気相成長等させることで形成する方法や、予めシート状に形成したものをフィン11やベース10に貼り付ける方法を用いることができる。
放射層20の具体例としては、酸化アルミ膜の他、高効率輻射塗料や遠赤外線放射塗料、放熱用コーティングなどの塗料系の材料で形成した層や、硫酸アルマイトやクロメートなどの表面処理によって形成した層や、さらには、セラミックシートなどのシートを採用することができる。
このように、ベース10およびフィン11の表面に放射層20を設けることにより、ベース10およびフィン11から空気への放熱量が増大するため、煙突効果、および、周囲から隙間13に流れ込み、フィン11を通りぬける対流による放熱効率をさらに高めることができる。
本発明の発光素子ユニットは、一般照明装置(LED照明、LEDデイタイムランニングランプ(DRL)、LED街路灯)や、車両用照明灯具(ヘッドランプ、フォグランプ)等に用いることができる。また、ヒートシンクは、発光素子に限らずICやLSI等の電子部品用放熱部品として使用することができる。
1…ヒートシンク、2…発光素子(熱源)、10…ベース、11…フィン、12…フィン支持部、13…隙間、20…放射層。
Claims (6)
- ベースと、筒状体が並列に複数連結された構造のフィンと、該フィンの下端と前記ベース上面との間に空隙をあけて前記フィンを支持する支持部とを備えることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1に記載のヒートシンクにおいて、前記支持部は、複数の前記筒状体の1以上を軸方向に長くしたものであることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1または2に記載のヒートシンクにおいて、前記フィンは、前記筒状体の軸方向を前記ベースの主平面に垂直に向けて配置されていることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のヒートシンクにおいて、前記ベース上面および前記フィンの表面のうちの少なくとも一方の表面には、その基材よりも放射率の高い材料で構成された放射層が備えられていることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のヒートシンクにおいて、前記フィンはハニカム構造であることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のヒートシンクと、該ヒートシンクの前記ベースの裏面に搭載された熱源である発光素子とを有する発光素子ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010023278A JP2011165704A (ja) | 2010-02-04 | 2010-02-04 | ヒートシンクおよび発光素子ユニット |
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- 2010-02-04 JP JP2010023278A patent/JP2011165704A/ja not_active Withdrawn
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