JP2011165703A - ヒートシンクおよび発光素子ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱特性の高いヒートシンクを提供する。
【解決手段】ベース10と、筒状体が並列に複数連結された構造のフィン11と、底面がベース10に固定された1以上の支柱12とを有する。支柱11は、フィン11の筒状体の内部空間に挿入されている。これにより、熱源からベースに伝導した熱を支柱を介してフィンに伝導し、筒状体の煙突効果により効率よく放熱することができる。フィン11は、筒状体12の軸方向をベースの主平面に垂直に向けて配置されている場合、自然対流による煙突効果を効果的に生じさせることができる。フィン11の下端とベース10上面との間には、空隙13が設けられている場合、外部からの空気が流入するためさらに放熱効率が高まる。
【選択図】図1
【解決手段】ベース10と、筒状体が並列に複数連結された構造のフィン11と、底面がベース10に固定された1以上の支柱12とを有する。支柱11は、フィン11の筒状体の内部空間に挿入されている。これにより、熱源からベースに伝導した熱を支柱を介してフィンに伝導し、筒状体の煙突効果により効率よく放熱することができる。フィン11は、筒状体12の軸方向をベースの主平面に垂直に向けて配置されている場合、自然対流による煙突効果を効果的に生じさせることができる。フィン11の下端とベース10上面との間には、空隙13が設けられている場合、外部からの空気が流入するためさらに放熱効率が高まる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヒートシンクに関し、特に、放熱特性の高いものに関する。
半導体素子や半導体発光素子の放熱のために、ヒートシンクに半導体素子や半導体発光素子を接着した半導体パッケージが知られている。一般的なヒートシンクとしては、板状のベースの上面に垂直に、複数の長方形のプレート状フィンを並べて配置した構造が知られている。自然空冷の条件においては、ヒートシンクの放熱特性は、フィンの対流熱伝達率、輻射(放射)熱伝達率、熱伝導率に依存することが知られている。このため、サイズに制限のあるヒートシンクでは、最適なフィン間隔、フィン枚数が存在する。
また、近年ヒートシンクの軽量化や放熱性能向上を目的としてフィン部がハニカム形状のヒートシンクが開発されている。例えば、特許文献1には、板状のベースの上に、セル軸方向を水平に向けてハニカム構造体を搭載したヒートシンクが開示されている。特許文献2には、ベースの上に、軸方向を垂直に向けてハニカム構造体を搭載したヒートシンクが開示されている。
特許文献1に記載のヒートシンクは、セル軸方向をベース面に水平に向けているため、ベースに搭載した熱源からの熱による自然対流の流れ(鉛直方向)が、ハニカム構造内で空気の流れる方向(水平方向)と直交し、自然対流が阻害される。このため、自然対流による熱伝達を効率よく利用することができない。
また、特許文献1に記載のヒートシンクは、ベース上に所定の間隔で板状の複数の隔壁を搭載しているため、ヒートシンク全体の重量が重くなる。
一方、特許文献2に記載のヒートシンクは、ハニカム構造をベース面に垂直に搭載する構造であるため、ベースとハニカム構造体とが接触するのは、薄板で構成されたハニカム構造の端面(開口周辺)のみであり、接触面積が小さい。このため、ベースからハニカム構造体との熱伝導が小さく、ベースからハニカム構造へと効率よく熱伝導することができない。
本発明の目的は、放熱特性の高いヒートシンクを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、以下のようなヒートシンクが提供される。すなわち、ベースと、筒状体が並列に複数連結された構造のフィンと、底面がベースに固定された1以上の支柱とを有し、支柱は、フィンの筒状体の内部空間に挿入されている。これにより、熱源からベースに伝導した熱を支柱を介してフィンに伝導し、筒状体の煙突効果により効率よく放熱することができる。
フィンは、筒状体の軸方向をベースの主平面に垂直に向けて配置されていることが好ましい。自然対流による煙突効果を効果的に生じさせることができるからである。
フィンの下端とベース上面との間には、空隙が設けることが可能である。フィンの周囲の大気がフィンとベースとの間に流れ込み、ベースの熱を奪ってフィンの筒状体の内部を通りぬけるため、放熱効果をさらに高めることができるからである。
支柱の断面外形は、筒状体の内部空間の断面形状と同形状であることが好ましい。これにより、支柱の外側面とフィンの筒状体の内壁面を密着させることができるため、支柱からフィンへの熱伝達率が増大する。
フィンの構造は、例えばハニカム構造とすることができる。
支柱のうちの少なくとも1本は、ベースの裏面に搭載される熱源に対してベースを挟んで重なる位置に配置されていることが望ましい。これにより、熱源の熱を効率よく支柱に伝導できる。
また、支柱は複数である場合、少なくともその2以上は、ベースの裏面に搭載される熱源に対して等距離であって、熱源を中心に対称な位置に配置されていることが望ましい。これにより熱源の熱を支柱に均等に伝導できる。
フィンの下端は、フィンの外周に近づくほどベースとの距離が離れる形状にすることも可能である。
また、本発明の第2の態様では、第1の態様のヒートシンクと、ベースの裏面に搭載された熱源である発光素子とを有する発光素子ユニットが提供される。
本発明では、筒状体の筒状体に支柱を挿入したことにより、熱源からの熱を支柱を介してフィンに伝導することができるとともに、フィンに伝導した熱をフィンの筒状体内の煙突効果により放熱することができるため、放熱効果に優れたヒートシンクを提供することができる。
本発明の一実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本実施形態の発光素子ユニットの全体構成について図1(a),(b)を用いて説明する。図1(a),(b)は、それぞれ発光素子ユニットの上面図および断面図である。
まず、本実施形態の発光素子ユニットの全体構成について図1(a),(b)を用いて説明する。図1(a),(b)は、それぞれ発光素子ユニットの上面図および断面図である。
本実施形態の発光素子ユニットは、ヒートシンク1と、熱源である発光素子2とを備えている。ヒートシンク1は、ベース10と、ハニカム構造のフィン11と、支柱12とを備えている。ハニカム構造のフィン11は、六角形の筒状体を複数連結した構造であり、熱伝導性の高い薄板によって形成されている。熱伝導性の高い薄板としては、例えば、銅やアルミを用いることが望ましい。
ハニカム構造のフィン11の6角形の開口(筒状体の開口)の配列は、熱源である発光素子2の配置に応じて決定することが好ましい。本実施形態では、発光素子2が一つであるので、その上部に配置されるフィン11は、ハニカム構造の一つの開口を中心として、他の開口が対称に位置するように配置されていることが好ましい。図1(a)の例では、一つの開口を中心として6つの開口を対象に配置した合計7個の開口をもつハニカム構造としている。
また、中心対称な構造のフィン11は、中心の開口が、熱源である発光素子2と最も多く重なるように配置することが望ましい。
また、発光素子2と最も多く重なる開口には支柱12を挿入されている。支柱12は、その断面形状がハニカム構造のフィン11の一つの六角形の開口と同形状である。これにより、支柱12とフィン11の開口内壁とが密着するため、熱伝達率が向上する。支柱12とフィン11の内壁とが熱伝導性の高い接着剤やブレージングや溶接等により接合されている場合さらに好ましい。
例えば、図2(a)のように、発光素子2の外径が六角形の開口径よりも小さい場合には、ハニカム構造のフィン11の中央の開口と発光素子2とが完全に重なるようにフィン11を配置し、中央の開口に支柱12を挿入する。また、図2(b)のように発光素子2の外径が六角形の開口径よりも大きい場合には、ハニカム構造のフィン11の中央の開口と最も多く重なるようにフィン11を配置することが望ましい。なお、発光素子2と最も重なりが大きい開口を中心とした複数の開口に支柱12を挿入することも可能である。
また図1(b)のように、支柱12は、フィン11の開口の軸方向(高さ方向)の全体に挿入されている場合、支柱12とフィン11との接触面積が大きく、支柱12からフィン11への熱伝達効率が向上するため好ましい。
支柱12の底面は、ベース10の上面に固定されている。支柱12の底面とベース10との上面との熱伝導を高めるために、両者の接合には例えば、熱伝導性の高い接着剤やブレージングや溶接等を用いることができる。
フィン11の下端と、ベース10との間には、予め定めた距離の隙間13が設けられている。隙間13の間隔により、放熱効率が変化するため、シミュレーションや実験により予め定めた最適な間隔に設定することが望ましい。
図1(a),(b)の発光素子ユニットのヒートシンクの作用について説明する。
熱源である発光素子2の熱は、ベース10に熱伝導する。ベース10が受熱した一部の熱は、その上に固定されている支柱12に伝導する。支柱12に伝導した熱は、支柱12とフィン11との接触面から熱伝導によりフィン11の中央の開口への側面へ伝導し、周囲のフィン11へと広がっていく。フィン11は、ハニカム構造であり、開口(筒状体)の軸方向は、ベース10の主平面に対して直交しているため、ハニカム構造のフィン11の開口(筒状体)の内部で生じる煙突効果により自然対流が促進され、フィン11に伝導した熱を効率よく放熱することができる。
また、フィン11とベース10との間には隙間13が設けられているため、隙間13を通って最も冷却したい熱源(発光素子2)に近い部分まで、周囲環境の冷えた空気が流れ込み、ベース10を冷却する。ベース10から熱を受け取った空気は自然対流により上昇して、ハニカム構造のフィン11の開口(筒状体)の内部を通り抜け、フィン11をさらに冷却する。
このように、本実施形態の発光素子ユニットのヒートシンク1は、支柱12による熱源からフィン11への熱伝導効果、ハニカム構造のフィン11の煙突効果(対流)、フィン11とベース10との隙間13に周囲の冷えた空気が流れ込み、ハニカム構造のフィン11を通りぬける対流効果、により効率よく放熱することができる。
したがって、発光素子2の熱を効率よく放熱することができるため、発光素子2の温度を所定温度以下に維持することができ、発光効率の低下を防止して、輝度の大きな照明装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、7個の開口(筒状体)を持つハニカム構造のフィン11を例に説明したが、ハニカム構造の開口の数は7個に限定されるものではなく増加させることが可能である。
また、本実施形態のハニカム構造のフィンを用いるヒートシンクは、一般的な平板状のフィンを並べた構造のヒートシンクと比較して、その構造上、板厚が薄くできる。このため、フィン11を軽量化することができるというメリットもある。
なお、フィンは開口が六角形のハニカム構造に限らず、筒状体が並列に連結されたものであればよく、放熱効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の発光素子ユニットを図3を用いて説明する。
第2の実施形態の発光素子ユニットを図3を用いて説明する。
図3は第2の実施形態の発光素子ユニットの断面図である。上面図は、図1(a)と同じである。本実施形態では、ヒートシンクのベース10とフィン11との間に隙間を設けない構造とした。他の構造は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態のヒートシンクは、第1の実施形態のヒートシンク1の隙間13を設けていないためフィン11とベース10との隙間13に周囲の空気が流れ込む効果は得られないが、支柱12による熱源からフィン11への熱伝導効果、ハニカム構造のフィン11の煙突効果(対流)は第1の実施形態と同様に生じるため、従来のハニカム構造のヒートシンクよりも高い放熱効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の発光素子ユニットを図4を用いて説明する。
第3の実施形態の発光素子ユニットを図4を用いて説明する。
第3の実施形態の発光素子ユニットは、図4および図5にその断面図を示したように、フィン11の高さを支柱12に近い部分ほど大きく、周辺に近づくほど小さくした構造である。図4は、フィン11の下面が下向きに凸の円錐状になるようにフィン11の高さを変化させたヒートシンクであり、図5は、フィン11の下端が下向きに凸の曲面になるようにフィン11の高さを変化させたヒートシンクである。
このような構造にしたことにより、周辺部ほどフィン11とベース10の隙間が大きくなるため、周囲から支柱12に向かって流れ込む空気が受ける抵抗が小さくなり、空気の流量を増加させることができる。よって、対流による放熱効果を向上させることができる。
なお、フィン11の高さが周辺部ほど小さいため、フィン11の熱容量は周辺部ほど小さくなるが、支柱12から熱伝導によりフィン11に伝導する熱量は、フィン11で広がりながら、かつ、放熱されながら周辺部に伝導していくため、フィン11の周辺部の熱容量が小さくても足りる。なお、フィン11の形状は、発光素子2の発熱量を考慮して決定することが望ましい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の発光素子ユニットを図6を用いて説明する。
第4の実施形態の発光素子ユニットを図6を用いて説明する。
第4の実施形態の発光素子ユニットは、フィン11のハニカム構造の開口(筒状体)の数が、第1の実施形態よりも多く、かつ、支柱の数を増加させている。発光素子2の数は1つである。
フィン11のハニカム構造の開口の配列は、第1の実施形態と同様に、発光素子2と最も重なりの大きい一つの開口を中心として、他の開口が対称に位置するように配置されていることが好ましい。発光素子2と重なる中心の開口には、支柱12が挿入されている。また、発光素子2と重なる中心の開口から等しい距離に位置する複数の開口には、支柱22が挿入されている。支柱22が挿入された複数の開口は、中心の開口を中心に対称な位置関係にあることが好ましい。支柱22の底面は、支柱12と同様に、ベース10の上面に固定されている。
ベース10とフィン11との間には、第1の実施形態と同様に隙間が設けられている。他の構造は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態では、発光素子2の上部の支柱12のみならず、発光素子2から等しい距離に位置する複数の開口にも支柱22を挿入しているため、熱源である発光素子2からベース10に広がった熱を、複数の支柱22により均等に伝導してフィン11に伝えることができる。よって、フィン11に熱伝導する熱の量を増大させることができるとともに、フィン11の温度分布を小さくできる。フィン11に伝導した熱は、フィン11に広がり、開口(筒状体)の内部で生じる煙突効果により効率よく放熱される。
また、フィン11とベース10との間には隙間13が設けられているため、隙間13を通って最も冷却したい熱源(発光素子2)に近い部分まで、周囲環境の冷えた空気が流れ込み、ベース10から熱を奪って冷却する。このとき、複数の支柱22は、支柱12を中心に対称に配置されているため、複数の支柱22の間を通って空気が流れ込むことができ、複数の支柱22は、空気の流れ込みを妨げない。ベース10から熱を受け取った空気は自然対流により上昇して、ハニカム構造のフィン11の開口(筒状体)の内部を通り抜け、フィン11から熱を奪い冷却する。
このように、本実施形態の発光素子ユニットのヒートシンク1は、支柱12および支柱22による熱源からフィン11への熱伝導効果、ハニカム構造のフィン11の煙突効果(対流)、フィン11とベース10との隙間13に周囲の冷えた空気が流れ込み、ハニカム構造のフィン11を通りぬける対流効果により、放熱効率を高めることができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態の発光素子ユニットを図7〜図9に示す。第5の実施形態では、熱源(発光素子2)を複数備えた発光素子ユニットを説明する。
第5の実施形態の発光素子ユニットを図7〜図9に示す。第5の実施形態では、熱源(発光素子2)を複数備えた発光素子ユニットを説明する。
図7の例は、複数(3つ)の発光素子2が一列に並べて配置されて構成であり、フィン11は、発光素子2と最も重なりの大きい3つの開口が並ぶ列を中心として、他の開口が線対称に配置されている。発光素子2と重なる中心の開口には、支柱12が挿入されている。
図8の例は、複数(6つ)の発光素子2が円形に並べて配置された構成であり、フィン11は、発光素子2と最も重なりの大きい6つの開口が並ぶ円の中心を中心として、他の開口が点対称に配置されている。発光素子2と重なる中心の開口には、支柱12が挿入されている。また、発光素子2と重なる開口が並ぶ円形から等しい距離に位置する複数の開口には、支柱22が挿入されている。支柱22が挿入された複数の開口は、円の中心に対して点対称な位置関係にある。
図9の例は、複数(4つ)の発光素子2が四角形の4つの頂点に位置するように配置された構成であり、フィン11は、発光素子2と最も重なりの大きい4つの開口から等しい距離にある、中心の開口に対して対称に開口を並べた構造である。中心の開口には支柱22が挿入されている。また、発光素子2と重なる開口には、支柱は挿入されていない。
図7〜図9の構成の発光素子ユニットの他の構造は、第1の実施形態と同様である。
このように図7〜図9の発光素子ユニットは、フィン11の開口を、熱源である発光素子2の並びが線状であれば線対称に、または中心対称であれば点対称に配列し、支柱を熱源から等距離に配置したことにより、支柱12,22によりベース10の熱を均一にフィン11に伝導することができ、ベース10の温度分布を小さくすることができる。また、フィン11には支柱12,22から均一に熱が伝導し、放熱することができる。これらの作用により、放熱効率を向上させることができる。
本発明の発光素子ユニットは、一般照明装置(LED照明、LEDデイタイムランニングランプ(DRL)、LED街路灯)や、車両用照明灯具(ヘッドランプ、フォグランプ)に用いることができる。また、ヒートシンクは、発光素子に限らずICやLSI等の電子部品用放熱部品として使用することができる。
実施例として、図10の構造のヒートシンクの放熱特性をシミュレーションにより求めた。
図10のヒートシンクは、ベース10が120mm角、厚さ5mmであり、フィン11は、肉厚0.5mmのアルミ板で構成され、一つの六角形の開口の径は10mm、全体の大きさは120mm角である。フィン11の上端および下端は、ベース10に平行であり、上端はベース10の上面から35mmの高さに位置し、フィン11の下端は、ベース10の上面からの所定距離の隙間を形成する高さに位置にするように、フィン11全体の厚さを調整した。
熱源としては、10mm角のセラミックヒーターを用い、ベース10の裏面側の中央に熱界面材料(TIM)、具体的には、厚さ0.1mmのシリコングリス層により搭載した。
フィン11には、熱源と重なりあう、隣接する3つの開口内に支柱12がそれぞれ挿入されている。支柱12の底面は、ベース10に固定されている。
なお、フィン11、支柱12およびベース10は、アルミ(A5052:熱伝導率140W/mK、放射率0.95)製である。
セラミックヒーターの発熱量は、10Wとし、周囲の大気温度は100℃とした。
また、ベース10の上面からフィン11の下面までの距離(隙間)は、0(隙間なし)、2.5mm、7.5mm、20mmの4種類とした。
これらの条件で、シミュレーションにより熱源温度を求めた。シミュレーション方法としては、公知の方法を用いた。
求めた熱源温度と隙間との関係を表1に示す。また、表1の結果を図11のグラフに示す。
また、比較例1として、図10のヒートシンクの構成で、支柱12を取り除き、かつ、ベース10の上面からフィン11の下面までの距離(隙間)を0(隙間なし)としたもの、比較例2として、図10の構成で、フィン11を備えず、3本の支柱12のみを配置したものとを用意した。さらに、比較例3として、外形サイズを図10のヒートシンクと同じにして、矩形のフィンを最適な間隔で配置したヒートシンクを用意した。これらについても、同様に熱源温度を求めた。その結果を表1および図11に合わせて示す。
表1および図11から明らかなように、隙間ゼロの本発明の実施例と、比較例1の支柱12を取り外したヒートシンクについて熱源温度を比較すると、本実施例は、支柱12を挿入したことにより、熱源温度を1.6℃低下させることができることが分かる。
また、比較例2の支柱のみの場合の熱源温度132℃と比較して、本実施形態の支柱あり隙間なしのヒートシンクの熱源温度は127.9℃であり、支柱12に加えてフィン11を備えることにより、約4.1℃の温度低減効果が得られている。
また、実施例において、隙間を0(隙間なし)から、2.5mm、7.5mm、20mmと増加させていくにつれ、熱源温度は変化し、隙間7.5mmで極小値(最適値)をとっている。また、図11のグラフより、隙間が0より大きく25mm程度以下の範囲のヒートシンクの熱源温度は、隙間0のヒートシンクよりも熱源温度よりも低く、放熱能力に優れている。このことは、隙間のあるヒートシンクは、フィン11自体の高さ(厚さ)が、隙間なしのヒートシンクのフィン11よりも小さい(薄い)にも関わらず、放熱能力が向上していることを示しており、周囲からの冷えた空気がフィン11とベースとの間に流れ込み、フィン11の開口を通過することにより、冷却能力が向上したことを示している。
最適隙間である隙間7.5mmのヒートシンクの熱源温度は124℃であり、隙間なし支柱ありのヒートシンクの熱源温度127.9℃より、3.9℃低かった。よって、ベース10とフィン11との隙間を適切な距離に設定することにより、ヒートシンクの放熱能力を大幅に増大できることが確認できた。
また、比較例1の隙間なし支柱なしのハニカム構造のフィンをヒートシンクの熱源温度129.5℃と比較して、本実施例の支柱12あり隙間が最適値7.5mmのヒートシンクの熱源温度124.0℃は、5.5℃も低減されており、従来のハニカム構造のフィンと比較しても高い冷却能力が達成できることが確認できた。さらに、この最適隙間7.5mmのヒートシンクの冷却能力は、図11のグラフから明らかなように、比較例3の最適値に設計した矩形フィンのヒートシンクの冷却能力よりも高かった。
また、本実施例のハニカム構造のフィン11を用いたヒートシンクは、表1に示すように、比較例3の矩形フィンのヒートシンクと比較すると、重量が軽減されていた。これは、ハニカム構造のフィン11は、肉厚低減が可能なことによる。すなわち、矩形のヒートシンクのフィンは、製造上少なくとも1mm程度のフィンの厚さが必要であるのに対し、ハニカム構造のフィンは、それよりも薄く、本実施例では0.5mm程度の肉厚にすることが可能である。このため、フィンを軽量化することができ、ヒートシンク全体の総重量を軽減することができた。具体的には、本実施例の隙間の最適値7.5mmのヒートシンクの重量は、271.9gであり、比較例3の矩形フィンのヒートシンクの316.2gに対し、約24%低減されていた。
1…ヒートシンク、2…発光素子(熱源)、10…ベース、11…フィン、12,22…支柱、13…隙間。
Claims (9)
- ベースと、筒状体が並列に複数連結された構造のフィンと、底面が前記ベースに固定された1以上の支柱とを有し、
前記支柱は、前記フィンの筒状体の内部空間に挿入されていることを特徴とするヒートシンク。 - 請求項1に記載のヒートシンクにおいて、前記フィンは、前記筒状体の軸方向を前記ベースの主平面に垂直に向けて配置されていることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1または2に記載のヒートシンクにおいて、前記フィンの下端と前記ベース上面との間には、空隙が設けられていることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のヒートシンクにおいて、前記支柱の断面外形は、前記筒状体の内部空間の断面形状と同形状であることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のヒートシンクにおいて、前記フィンはハニカム構造であることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のヒートシンクにおいて、前記支柱のうちの少なくとも1本は、前記ベースの裏面に搭載される熱源に対して前記ベースを挟んで重なる位置に配置されていることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のヒートシンクにおいて、前記支柱は複数であり、少なくともその2以上は、前記ベースの裏面に搭載される熱源に対して等距離であって、前記熱源を中心に対称な位置に配置されていることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項3に記載のヒートシンクにおいて、前記フィンの下端は、前記フィンの外周に近づくほど前記ベースとの距離が離れる形状であることを特徴とするヒートシンク。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のヒートシンクと、該ヒートシンクの前記ベースの裏面に搭載された熱源である発光素子とを有する発光素子ユニット。
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