JP2011164499A - 光学シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶表示装置が発光するR(赤)、G(緑)、B(青)の色純度を向上させることが可能となる光学シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、表面にレンズ群を有する光学シートであって、470nm〜510nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素および/または570nm〜605nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素を含有することを特徴とする光学シートである。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置用光学シートに関するものであり、さらに詳しくは、液晶表示装置の色純度を向上させることを目的とした光学シートに関するものある。
近年、パソコン用モニター、携帯端末、テレビジョンなどに用いられる表示装置として、液晶表示装置が、薄型、軽量、且つ消費電力が小さいことから広く使用されてきている。特にテレビジョンとしてブラウン管(CRT)との置き換えが急速に進んでいる。テレビジョンとしてこれらの液晶表示装置を使用する為には、ブラウン管に劣らない画像表示性能及び品質が必要とされ、特に、表示された画像の高画質化が求められているが、表示画像の色の再現性が必ずしも十分でないという問題点がある。
この問題を解決する為には、液晶表示装置が発光するR(赤)、G(緑)、B(青)の色純度をできるだけ高くすることが求められる。発光色の色純度を向上する為には、まず、RGBそれぞれの基準発光色の波長スペクトルをできるだけシャープにすることが有効である。
また、別の手段としては、上記基準発光色の波長以外の不要な光を可能な限り低減するということがある。この後者の手段として、特定波長領域の光を吸収する性質を有する機能性色素を含有させた樹脂フィルムを用いることや、バックライトユニットに配置される光拡散シートの光拡散層中に、前記性質を有する機能性色素を、アクリル樹脂ビーズ等の拡散剤と共に含有させる方法が提案されている(特許文献1―4参照)。
しかしながら、こういった従来の方法では、高価な機能性色素の使用量が多くなり、製品コストへの影響が大きいことが問題となっている。このためできるだけ少量の色素で、有効に基準発光色の波長以外の不要な光を吸収させ、色純度を向上させることが望まれている。
特開2001−228324号公報 特開2002−40233号公報 特開2009−251511号公報 特開2003−195278号公報
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、液晶表示装置が発光するR(赤)、G(緑)、B(青)の色純度を向上させることが可能となる光学シートを提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明によれば、(1)表面にレンズ群を有する光学シートであって、470nm〜510nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素および/または570nm〜605nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素を含有することを特徴とする光学シートであって、(2)該レンズ群を有する面を出光面とした場合の全光線透過率が70%以下であることを特徴とする(1)に記載の光学シートであって、(3)該レンズ群が該光学シート表面に直線畝状に形成された凸状のレンズ群である光学シートであって、該レンズ群の単位レンズの長さ方向に対する垂直断面形状における凸状部外周線が三角形であることを特徴とする(1)または(2)に記載の光学シートであって、(4)該レンズ群が該光学シート表面に形成された凸状の多角錐、半球、半楕円球から選ばれる独立レンズ群であることを特徴とする(1)または(2)に記載の光学シートが提供される。
本発明の光学シートを用いることにより、液晶表示装置が発光するR(赤)、G(緑)、B(青)の色純度を向上させることが可能となる。
本発明の光学シートを用いた液晶表示装置の例の説明図である。 シート構成を示す。
1 :白色LED
2 :反射シート
3 :導光板
4 :本発明の光学シート
5 :マイクロレンズシート
6 :拡散シート
7 :液晶セル
8 :偏光板
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は液晶表示装置が発光するR(赤)、G(緑)、B(青)の色純度を向上させることが可能となる光学シートに関する。
本発明の光学シート(本発明では「シート」と「フィルム」とは同義で用い、共に厚みが0.05〜3mmの樹脂成形体を指す(以下、統一して「シート」と記す)。
<光学シートの表面形状>
本発明の光学シートは、少なくとも片面に凸状のレンズ群が形成されていることを特徴とする。好ましくは該レンズ群が該光学シート表面に直線畝状に形成された凸状のレンズ群、または多角錐、半球、半楕円球から選ばれる独立レンズ群である。直線畝状に形成された凸状のレンズ群の場合、該レンズ群の単位レンズの長さ方向に対する垂直断面形状における凸状部外周線は、円、楕円、双曲線、放物線等の2次曲線の一部、三角形をはじめとする多角形、もしくはこれらの形状が組み合わされた形状であっても良い。この中でも好ましくは三角形であり、より好ましくは頂角88〜92度の三角形であり、さらに好ましくは頂角90度の直角三角形であり、最も好ましくは頂角90度の直角二等辺三角形である。独立レンズ群の場合、多角錐が好ましく、四角錐がより好ましい。
該単位レンズが上記のようなプリズム形状をとることにより、該光学シートがバックライトユニットに配置された場合に、バックライトの発光面、例えばエッジライト型バックライトの導光板出光面から供給される、前面パネル方向への光の多くが、該光学シート表面のレンズによって導光板方向へ返され、この返された光が導光板の下に配置された反射シートによってさらに反射され、該光学シートに再度入射するという、サイクルを繰り返すことになる。
これによって、本発明の光学シートに添加されている特定波長の光を選択的に吸収する色素層を光が何度も通過することになり、特定波長の光の吸収効率が向上することになるため、高価な色素の添加が少量であっても十分な効果が得られることになる。
本発明の光学シートではこれらの表面形状は出光面側に設定される。一方、本発明の光学シートの入光面側の表面形状構成は特に制限はなく、平面、エンボス面、マット面、レンズなどの光学要素を持つ面などの中から適宜選択可能であるが、傷付防止、音鳴り防止、光散乱効果発揮などの観点から、エンボス面、マット面が好ましく用いられる。
<光学シートの全光線透過率>
本発明の光学シートは、全光線透過率が70%以下であることを特徴とする。好ましくは50%以下であり、より好ましくは30%以下であり、最も好ましくは20%以下である。
全光線透過率が上記範囲であれば、該光学シートがバックライトユニットに配置された場合に、バックライトの発光面から供給される正面方向への光が、1パスで前面パネル側へ出光してしまい、該光学シートに添加されている特定波長の光を吸収する色素の効果が十分発揮されないという問題を回避できる。
<光学シートの色素>
本発明の光学シートは、470nm〜510nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素、および/または570nm〜605nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素を含有することを特徴とする。本発明の光学シートに、470nm〜510nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素を含有させることにより、青または緑の色純度を低下させる光を低減させることができ、570nm〜605nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素を含有させることにより、緑または赤の色純度を低下させる光を低減させることができる。
本発明の光学シートに用いる色素としては、470nm〜510nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素、および/または570nm〜605nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素であれば、公知の色素を用いることができ、具体的には、シアニン系、テトラアザポルフィリン系の化合物等が挙げられる。
本発明の光学シートを、後述する熱可塑性樹脂を用いて射出成型や押出成型で製造する場合は、耐熱性に優れたテトラアザポルフィリン系を用いることが好ましい。
上記色素は、本発明の光学シート全体に均一に添加してもよいが、例えば共押出成型法により、入光面側および/または出光面側および/または内部層として、上記色素層を設ける形でも良い。
本発明の光学シートに用いる色素の添加量は、光学シートに対して0.1〜50ppmが好ましく、0.5〜30ppmがさらにこの好ましく、1〜15ppmがより好ましい。添加する色素の量が上記範囲内であると、特定波長の光の吸収効果が高く、かつ色素由来の色による光学シートの着色もほとんど起こらない。
<光学シートの透明熱可塑性樹脂>
本発明に係る光学シートを構成する透明熱可塑性樹脂は、透明なものであり且つ光学シートの主な構成要素として適度な強度を有するものであれば特に制限されない。例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリ(p−メチルスチレン)などのスチレン系樹脂;MS樹脂(メチルメタクリレートとスチレンの共重合体);ノルボルネン系樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;これらのうち2種以上の混合樹脂などを用いることができる。好適にはポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂またはノルボルネン系樹脂を用いる。中でもポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性、加工性に優れており、且つそれらのバランスがよいので光学シート用の樹脂として特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融法で反応させて得られるものである。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられ、なかでもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、界面重縮合法(一般名称;ホスゲン法)によって得られたポリカーボネート樹脂を使用することが好ましい。尚、押出機やニーダー等によって樹脂を溶融処理していないポリカーボネート樹脂を用い、直接シート押出を行うことが、熱履歴によるシートの着色を低減できる点でより好ましい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して通常15,000〜40,000、好ましくは18,000〜35,000である。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(但しc=0.7、[η]は極限粘度)。
本発明の光学シートに好適に用いることのできるポリカーボネート樹脂には、成形時における分子量の低下や色相の悪化を防止するために、さらにリン含有熱安定剤を使用することができる。かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられる。
具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクダデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられ、なかでもトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトが好ましい。
これらの熱安定剤は、1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の使用量は、該共重合ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物100重量部に対して0.001〜0.15重量部が好ましい。
さらに本発明のポリカーボネート樹脂には、押出成型や射出成型時の離型性を改良する目的等で脂肪酸エステル化合物を配合することができる。
かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜20の一価または多価アルコールと炭素数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルや全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられ、なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる脂肪酸エステルの使用量は、該共重合ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
また、本発明の光学シートは、紫外線吸収剤・帯電防止剤を本発明の主旨を損なわない範囲で用いることができるが、特に、光源側に設定される面において、紫外線吸収剤を含む層または帯電防止剤を含む層、或いは紫外線吸収剤含有層と帯電防止剤含有層の両方が形成されていていることが好ましい。
紫外線吸収剤と帯電防止剤としては従来公知のものを使用することができる。例えば紫外線吸収剤としては、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;トリアジン系紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;環状イミノエステル型紫外線吸収剤;分子内にヒンダードフェノール構造とヒンダードアミン構造を有するハイブリッド系紫外線吸収剤;トリフェニルシアノアクリレート系紫外線吸収剤;シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤;マロン酸エステル系紫外線吸収剤;などの低分子紫外線吸収剤や、これら低分子紫外線吸収剤が高分子に懸垂するような形で結合している高分子紫外線吸収剤(例えば、日本触媒社製のハルスハイブリッド(登録商標)など)を用いることができる。ポリカーボネート樹脂に用いる場合はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好適である。
帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸や、それらのLi、Na、Ca、Mg、Zn塩などのオレフィン系硫酸エステルまたはその金属塩;高級アルコールのリン酸エステル類などのアニオン界面活性剤;第3級アミン、第4級アンモニウム塩、カチオン系アクリル酸エステル誘導体、カチオン系ビニルエーテル誘導体などのカチオン界面活性剤;アルキルアミン系ベタインの両性塩、カルボン酸アラニンまたはスルホン酸アラニンの両性塩、アルキルイミダゾリンの両性塩などの両性界面活性剤;脂肪酸多価アルコールエステル、アルキル(アミン)のポリオキシエチレン付加物などの非イオン界面活性剤;ポリエーテルエステルアミドやポリエステルアミドなどのポリアミドエラストマーなどを用いることができる。また、ポリビニルベンジル型カチオン樹脂やポリアクリル酸型カチオン樹脂などの導電性樹脂も帯電防止剤として用いることができる。
紫外線吸収剤および帯電防止剤の使用量は各機能に応じて適宜調整することができるが、通常、各層を構成する樹脂100質量部に対して1〜50質量部程度である。
これら異なる機能を有する層は、シートを構成する熱可塑性樹脂と同一の樹脂中に紫外線吸収剤や帯電防止剤を均一分散させたシートを、熱圧着や接着剤で光学シート上などに接着すればよい。或いは、紫外線吸収剤などを含むペーストを光学シート上に塗布した上で乾燥または冷却してもよい。また、シートを構成する熱可塑性樹脂と、紫外線吸収剤や帯電防止剤を配合した熱可塑性樹脂を共押出成形してもよい。
これら異なる機能を有する層の厚さは各機能などに合わせて適宜調整すればよいが、通常、1〜50μm程度にすることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂には、上記成分以外に目的及び効果を損なわない範囲で他の成分、例えば、ブルーイング剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニレンエーテル等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤等の添加剤を必要に応じてその発現量配合してもよい。
本発明の光学シートの厚みは、0.05〜3mm程度であれば特に制限はないが、特にフラットパネルディスプレイの光学シートとして用いる場合、パネル自体の軽量化や薄肉化が望まれており、シート厚は2mm以下とすることが好ましく、より好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは0.5mm以下である。一方、光学シートとして必要な剛性を確保するために、シート厚の下限としては、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましい。
<微粒子>
本発明の光学シートは、光拡散効果のある微粒子として、例えば、(メタ)アクリル系樹脂微粒子や、シリコーン系樹脂微粒子、シリカ、アルミナなどの無機酸化物などを添加することも可能であるが、これら微粒子の添加量は0.5%以下が好ましく、0.2%以下がより好ましく、0.1%以下がさらに好ましい。
微粒子の添加量が上記範囲であると、本発明の光学シート表面に存在するレンズ群の効果が失われることがなく、添加された機能性色素による特定波長の光の吸収効果を発揮する事ができる。
本発明の光学シートの大きさや形状は特に制限されず、例えば、液晶表示装置用の光源ユニットの大きさに合わせて使用すればよい。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は本例に限定されることはない。
<実験例1>
ポリカーボネート樹脂(「ユーピロンE2000FN」:三菱エンジニアリングプラスチック社製)100部と、リン系熱安定剤(「イルガフォス168」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1部と、570nm〜605nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有するテトラアザポルフィリン系色素(山田化学 TAP−18)0.001部を265℃で溶融させて、所定のレンズ形状を切削加工したレンズ転写ロールを用いた押出成型により、入光面に鏡面、出光面にピッチ50μm、高さ25μmである頂角90度の直角二等辺三角形の断面形状を有する直線畝状レンズ群を有する厚さ0.5mmのシートを得た。
<実験例2>
押出成型時に用いるレンズ転写ロールを変えた以外は、実験例1と同様にして、入光面に鏡面、出光面にピッチ96μm、高さ48μmである楕円(長径267μm、短径129μm)の一部の断面形状を有する直線畝状レンズ群を有する厚さ0.5mmのシートを得た。
<比較例1>
テトラアザポルフィリン系色素を用いない以外は実験例1と同様にして、入光面に鏡面、出光面にピッチ50μm、高さ25μmである頂角90度の直角二等辺三角形の断面形状を有する直線畝状レンズ群を有する厚さ0.5mmのシートを得た。
<比較例2>
押出成型時にレンズ転写ロールではなく、鏡面ロールのみを用いた以外は実験例1と同様にして、厚さ0.5mmの両面が鏡面となっているフラットなシートを得た。
<全光線透過率の測定方法>
濁度計(日本電色NDH2000)に、光学シートサンプル(80mm角)をレンズ面が出光面となるようにセットし、全光線透過率を測定する。
<色純度向上効果の評価>
図2に示すシート構成で、バックライトを点灯させ、正面方向からの出光を分光放射計(トプコンテクノハウス SR−3A)で測定し、650nmの透過光と596nmの透過光の強度比を求めた。この透過光強度比(650nm/596nm)の値が大きいほど、赤色光の純度が向上していることを示す。結果を表1に示す。
Figure 2011164499
本発明の光学シートにより、液晶表示装置が発光するR(赤)、G(緑)、B(青)の色純度を向上させることが可能となる。

Claims (4)

  1. 表面にレンズ群を有する光学シートであって、470nm〜510nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素および/または570nm〜605nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有する色素を含有することを特徴とする光学シート。
  2. 該レンズ群を有する面を出光面とした場合の全光線透過率が70%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
  3. 該レンズ群が該光学シート表面に直線畝状に形成された凸状のレンズ群である光学シートであって、該レンズ群の単位レンズの長さ方向に対する垂直断面形状における凸状部外周線が三角形であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学シート。
  4. 該レンズ群が該光学シート表面に形成された凸状の多角錐、半球、半楕円球から選ばれる独立レンズ群であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学シート。
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