JP2011163595A - 太陽熱受熱器 - Google Patents
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Abstract
【課題】受熱管の表裏面温度差を低減することで、受熱管の強度寿命を向上させることができる。
【解決手段】受熱器10は、ケーシング11の開口部11bから入射する太陽光による熱をシールドする機能をもつ放射率の小さい放射シールド板40を受熱管20のケーシング中心軸線側に設けている。この放射シールド板40は、所定の厚みを有する円筒形状をなし、複数が周方向に配列された受熱管20の表面側(ケーシング11の中心軸線側)に所定間隔をあけて、上部収容室側から吊り支持された状態でケーシング11に対して略同軸に設けた構成とした。
【選択図】図8
【解決手段】受熱器10は、ケーシング11の開口部11bから入射する太陽光による熱をシールドする機能をもつ放射率の小さい放射シールド板40を受熱管20のケーシング中心軸線側に設けている。この放射シールド板40は、所定の厚みを有する円筒形状をなし、複数が周方向に配列された受熱管20の表面側(ケーシング11の中心軸線側)に所定間隔をあけて、上部収容室側から吊り支持された状態でケーシング11に対して略同軸に設けた構成とした。
【選択図】図8
Description
本発明は、太陽熱発電装置のタービンを駆動する流体媒体を昇温するための太陽熱受熱器に関する。
近年、地球温暖化の防止、化石燃料の使用抑制の観点から、二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質の排出が少ない自然エネルギー、資源を再利用するリサイクルエネルギーなどのクリーンエネルギーを利用した発電が注目されている。クリーンエネルギーは、全世界で必要とされる電力エネルギーを上回る量がある。しかしながら、クリーンエネルギーのエネルギー分布は広範囲にわたり、有効エネルギー(外部に取り出して利用可能なエネルギー)が低い。これに起因して、クリーンエネルギーを利用した発電は、電力への変換効率が低く発電コストが高くなるため、十分に普及していない。そこで、発電方式としては、ガスタービン、蒸気タービン及びカスタービンコンバインドサイクル(GTCC)などの発電技術を利用した太陽熱エネルギーによる発電が期待されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、太陽熱エネルギーの利用においては、通常、鏡を用いた集光装置と受熱器の組合せにより集光・集熱を行う。集光装置と受熱器の組合せ方式として、一般的にトラフ集光方式とタワー集光方式という2種類の方式がある。
トラフ集光方式とは、半円筒型のミラー(トラフ)によって太陽光線を反射させ、円筒の中心を通るパイプに集光・集熱し、パイプ内を通る熱媒体の温度を上昇させるものである。しかしながら、トラフ集光方式では、ミラーが太陽光線を追尾するよう向きを変えるものの一軸制御であるため、熱媒体の高い温度上昇を期待することはできない。
トラフ集光方式とは、半円筒型のミラー(トラフ)によって太陽光線を反射させ、円筒の中心を通るパイプに集光・集熱し、パイプ内を通る熱媒体の温度を上昇させるものである。しかしながら、トラフ集光方式では、ミラーが太陽光線を追尾するよう向きを変えるものの一軸制御であるため、熱媒体の高い温度上昇を期待することはできない。
これに対して、タワー集光方式とは、地上から立設されたタワー部(支持部)上に集光受熱器を配置するとともに、タワー部の周囲を取り囲むようにヘリオスタット(太陽光集光システム)と呼ばれる集光用の反射光制御鏡を複数配置し、これらヘリオスタットで反射される太陽光線を集光受熱器に導くことで集光・集熱するものである。近年では、発電サイクルの更なる高効率化を図るという観点から、集光受熱器で熱交換される熱媒体について、より高温化が可能なタワー集光方式の発電装置(タワー集光装置)の開発が盛んに行われている。
しかしながら、従来の受熱器においては、以下のような問題があった。
すなわち、従来のタワー集光装置における熱交換器では、円筒状の断熱容器の内面に配列させた複数の受熱管に流体を流し、それら受熱管の表面に太陽光を照射し入熱することにより流体温度を上昇させているが、この場合、直接太陽光が入射する受熱管の表側の面と壁側に面する裏側の面との温度差が大きくなる。とくに、軸対象にミラーを配列した場合、集光したときにミラーの面積効果で受熱管の入口付近の熱負荷が大きくなり、高温となる。また、昼夜のサイクルや、雲の影響によっても太陽光の照射量の変動によっても、受熱管の表側と裏側とでは温度差が生じている。このように高温で且つ温度差の大きな入口付近では、とくに受熱管に熱疲労が発生し易い欠点があり、受熱管の耐久性が要求されており、その点で改良の余地があった。
すなわち、従来のタワー集光装置における熱交換器では、円筒状の断熱容器の内面に配列させた複数の受熱管に流体を流し、それら受熱管の表面に太陽光を照射し入熱することにより流体温度を上昇させているが、この場合、直接太陽光が入射する受熱管の表側の面と壁側に面する裏側の面との温度差が大きくなる。とくに、軸対象にミラーを配列した場合、集光したときにミラーの面積効果で受熱管の入口付近の熱負荷が大きくなり、高温となる。また、昼夜のサイクルや、雲の影響によっても太陽光の照射量の変動によっても、受熱管の表側と裏側とでは温度差が生じている。このように高温で且つ温度差の大きな入口付近では、とくに受熱管に熱疲労が発生し易い欠点があり、受熱管の耐久性が要求されており、その点で改良の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、受熱管の表裏面温度差を低減することで、受熱管の強度寿命を向上させることができる太陽熱受熱器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る太陽熱受熱器では、太陽光が入射する開口部を有するケーシングと、ケーシング内にケーシング周方向に配列するとともに内部に熱媒体が流通する複数の受熱管とを備える太陽熱受熱器であって、開口部から入射する太陽光による熱をシールドする機能を受熱管に設けたことを特徴としている。
本発明では、熱流束が大きい部分の受熱管表面を開口部から入射する太陽光による熱に対してシールドすることで、太陽熱入射の大きい部分の受熱管表面の熱流束が低減され、受熱管の表面(ケーシングの中心軸線側の面)と裏面(ケーシングの内面側の面)との温度差を低減することが可能となり、受熱管の強度寿命を延ばすことができる。
また、本発明に係る太陽熱受熱器では、シールド機能を有するシールド部材は、放射率の小さい部材であることが好ましい。
また、本発明に係る太陽熱受熱器では、シールド部材は、受熱管のケーシング中心軸線側に設けられていることが好ましい。
本発明では、開口部から入った太陽熱が受熱管よりケーシング中心軸線側に位置するシールド部材に一端入射し、さらにそのシールド部材から再放射して受熱器内部で拡散することから、太陽熱入射分布の均一化を図ることができる。
本発明では、開口部から入った太陽熱が受熱管よりケーシング中心軸線側に位置するシールド部材に一端入射し、さらにそのシールド部材から再放射して受熱器内部で拡散することから、太陽熱入射分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る太陽熱受熱器では、受熱管の表面は、放射率を小さくするように研磨加工されていることが好ましい。
本発明では、熱流束が大きい部分の受熱管表面を研磨することで放射率を小さくすることができ、太陽熱入射の大きい部分の受熱管表面の熱流束が低減され、受熱管の表裏面の温度差を小さくすることが可能なるので、受熱管の強度寿命を延ばすことができる。
本発明では、熱流束が大きい部分の受熱管表面を研磨することで放射率を小さくすることができ、太陽熱入射の大きい部分の受熱管表面の熱流束が低減され、受熱管の表裏面の温度差を小さくすることが可能なるので、受熱管の強度寿命を延ばすことができる。
また、本発明に係る太陽熱受熱器では、受熱管の表面には、放射率の小さい金属部材が加工されていることが好ましい。
本発明では、受熱管の表面に放射率の小さい金属部材を加工することで、放射率を小さくすることができ、太陽熱入射の大きい部分の受熱管表面の熱流束が低減され、受熱管の表裏面の温度差を小さくすることが可能なるので、受熱管の強度寿命を延ばすことができる。
本発明では、受熱管の表面に放射率の小さい金属部材を加工することで、放射率を小さくすることができ、太陽熱入射の大きい部分の受熱管表面の熱流束が低減され、受熱管の表裏面の温度差を小さくすることが可能なるので、受熱管の強度寿命を延ばすことができる。
また、本発明に係る太陽熱受熱器では、ケーシングの内壁面には、太陽熱を吸収する断熱材が設けられてなり、受熱管は、開口部側で熱流束の高い部分が断熱材に埋め込まれていてもよい。
この場合、断熱材内に埋め込まれている受熱管の高温部に太陽熱が入射しないので、高温部の受熱管表面の熱流束が低減され、受熱管の表裏面の温度差を小さくすることが可能なるので、受熱管の強度寿命を延ばすことができる。
この場合、断熱材内に埋め込まれている受熱管の高温部に太陽熱が入射しないので、高温部の受熱管表面の熱流束が低減され、受熱管の表裏面の温度差を小さくすることが可能なるので、受熱管の強度寿命を延ばすことができる。
本発明の太陽熱受熱器によれば、熱流束が大きい部分の受熱管表面を開口部から入射する太陽光による熱に対して放射率の小さい部材等を用いてシールドすることで、太陽熱入射の大きい部分の受熱管表面の熱流束が低減され、受熱管の表裏面温度差を低減することができ、受熱管の強度寿命を向上させることができる。したがって、受熱管出口のガス温度の変動が抑えられ、出側の集合ガス温度の安定が図れるので、タービンの運転を安定させることができる。
以下、本発明の実施の形態による太陽熱受熱器について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
(第1の実施の形態)
図1に示すタワー型太陽光集光受熱器は、受熱器を高いタワーの上に置き、周囲の地上にヘリオスタットと呼ばれる集光用の反射光制御鏡を多数台置き、タワー上部の受熱器に集光させるものである。
図1に示すように、グランドG上にはヘリオスタットフィールド101が設けられている。このヘリオスタットフィールド101上には、太陽光線を反射するための複数のヘリオスタット102が配置されている。また、ヘリスタットフィールド101の中央部には、ヘリオスタット101で導かれた太陽光線を受けるタワー型太陽光集光受熱器100が設けられている。図2に示すように、ヘリオスタット102はタワー型太陽光集光受熱器100の360度全周に配置されている。
図1に示すタワー型太陽光集光受熱器は、受熱器を高いタワーの上に置き、周囲の地上にヘリオスタットと呼ばれる集光用の反射光制御鏡を多数台置き、タワー上部の受熱器に集光させるものである。
図1に示すように、グランドG上にはヘリオスタットフィールド101が設けられている。このヘリオスタットフィールド101上には、太陽光線を反射するための複数のヘリオスタット102が配置されている。また、ヘリスタットフィールド101の中央部には、ヘリオスタット101で導かれた太陽光線を受けるタワー型太陽光集光受熱器100が設けられている。図2に示すように、ヘリオスタット102はタワー型太陽光集光受熱器100の360度全周に配置されている。
タワー型太陽光集光受熱器100は、グランドGに立設されたタワー110と、タワー110上部の収容室120内に設置された受熱器10(太陽熱受熱器)とから構成されている。
タワー110には、複数の補強部材111が設けられている。補強部材111は、タワー110の長手方向に交差して間隔(隣り合う補強部材間の距離)Pを空けて設けられている。間隔Pは、ヘリオスタット102から受熱器10に太陽からの光を入光させる光路となる範囲でタワー110上部(受熱器10の設置された側)に近づくにつれて大きくなっている。これにより、ヘリオスタット102により反射された光が補強部材111に遮られることなくタワー110上部の受熱器10に集光される。なお、補強部材111の配置構造としては、剛性確保の面から例えばトラス構造とするのがよい。
タワー110上部の収容室120は、平面視円形状になっている。
収容室120は、上部収容室121及び下部収容室122の2つの収容室を有する構造となっている。下部収容室122の下面側には、太陽光線を取り込むための開口部122cが設けられている。開口部122cは太陽光線のスポット径に応じて円形状となっている。
収容室120は、上部収容室121及び下部収容室122の2つの収容室を有する構造となっている。下部収容室122の下面側には、太陽光線を取り込むための開口部122cが設けられている。開口部122cは太陽光線のスポット径に応じて円形状となっている。
図3(a)、(b)に示すように、受熱器10は、円筒形状のケーシング11と、受熱管20とから構成され、下部収容室122内に設けられている。具体的には、受熱器10は下部収容室122の上壁122aに吊り具12を介して固定され、下部収容室122内において上壁122aから吊り下げられる構造となっている。つまり、受熱器10は下部収容室122の内壁と接触しないように、下部収容室122の内壁と離間して配置されている。吊り具12は上壁122aの周方向に複数設けられており、可撓性を有する構造となっている。また、吊り具12はケーシング11を貫通している。これにより、受熱器10内部で熱交換が行われ高温(例えば900℃以上)となった場合、ケーシング11の熱膨張による変形を許容できるようになっている。また、ケーシング11の下面側には、太陽光線を取り込むための開口部11bが設けられている。開口部11bは、前述の開口部122cと同様に、太陽光線のスポット径に応じて円形状となっている。
一方、上部収容室121内には、受熱器10によって加熱された流体(熱媒体)を作動流体として作動するガスタービン30及びガスタービン30の作動エネルギーを電力として取り出す発電機33が配置されている。ガスタービン30は、熱媒体となる流体(例えば大気)を吸入して圧縮し圧縮流体を生成する圧縮機31と、該圧縮機31で圧縮されるとともに受熱器10によって加熱された流体を作動流体として作動するタービン32とを有している。そして、タービン32の回転により生じる運動エネルギーが発電機33によって電気エネルギーに変換され、電力として取り出される。
なお、上部収容室121内には必要に応じて、受熱器10が受けた熱を検知する温度センサー、ガスタービン30を始動させる補助駆動装置、作動流体が受熱器10で加熱される前に作動流体とタービン32の排気との熱交換を行う再生熱交換器、作動流体を補助燃焼してタービン32に流入させる補助燃焼器、発電機33の振動を打ち消す消振器などの装置が配置されていてもよい。このように、タワー110上部に装置を集約して配置することで、設備設置面積を縮小することができる。
また、上部収容室121の側面には、圧縮機31に供給される流体(大気)を取り込むための開口部121bが設けられている。なお、開口部121bは必要に応じてタービン32からの排気を外部に放出するために用いられる。
図3〜図5に示すように、受熱管20は、下部ヘッダー管21と、上部ヘッダー管22と、受熱管本体23と、を有して構成されている。下部ヘッダー管21は、環形状となっておりケーシング11下部に配置されている。具体的には、下部ヘッダー管21はケーシング11の外側に露出され、下部収容室122内の下壁122b近傍に配置されている。
受熱管本体23は、上部ヘッダー管22と下部ヘッダー管21との間に複数設けられており、一端が上部ヘッダー管22に接続され、他端が下部ヘッダー管21に接続されている。これら受熱管本体23は、下部ヘッダー管21から流出した作動流体を上部ヘッダー管21に流出するものである。また、受熱管本体23は、上部ヘッダー管22(下部ヘッダー管21)の周方向に所定の間隔(隙間)を空けて設けられている(図6、図7参照)。受熱管本体23の他端はケーシング11の外側に露出している。受熱管本体23はケーシング11の長手方向に沿った直線形状となっており、自重による曲げ応力がかからないようになっている。
また、受熱管本体23内を流れる作動流体の流動方向が一方向になるようになっている。
また、受熱管本体23内を流れる作動流体の流動方向が一方向になるようになっている。
下部ヘッダー管21は、環形状あるいは多角形屈折管となっておりケーシング11下部に配置されている。具体的には、下部ヘッダー管21はケーシング11の外側に露出され、下部収容室122内の下壁122b近傍に配置されている。以上の構成により、受熱管20は、上部ヘッダー管22が下部収容室122内の上壁122aに吊り具12を介して固定され、全体として上壁122aから吊り下げられる構造となっている。
また、下部ヘッダー管21にはL字状の入口配管13が設けられている。この入口配管13と圧縮機31との間には接続配管14が設けられている。接続配管14は、ケーシング11の外側に露出され、下部収容室122の内壁に沿って配置されている。圧縮機31により生成された圧縮流体は、接続配管14及び入口配管13を経由して下部ヘッダー管21に供給されるようになっている。下部ヘッダー管21に供給された圧縮流体は、複数の受熱管本体23及び上部ヘッダー管22を経由する間、開口部11bから入射した太陽光線の熱エネルギーにより加熱される。
図4、図6、および図7に示すように、ケーシング11の内壁面には、太陽熱を吸収する断熱材15が設けられている。断熱材15で吸収した熱により断熱材15内面は温度上昇し、受熱管本体23の背面(太陽光線が直接入射しない側の面)に熱放射し受熱管20の周方向全体が加熱される。また、断熱材15は、受熱管本体23から発せられる輻射熱を受熱管本体23の背面に戻し、受熱管本体23を安定して加熱させている。また、断熱材15は、受熱管本体23及び上部ヘッダー管22から外部に向かう発熱量を低減させている。
一方、上部ヘッダー管22には複数の接続配管24を介して出口配管25が接続されている。複数の接続配管24は、一端が上部ヘッダー管22に接続され、他端が出口配管25に接続され、平面視X字状になっている。出口配管25は上部収容室121内において屈曲して断面視L字状になっており、出口配管25の複数の接続配管24に接続された側と反対の側の端部はタービン32に接続されている。受熱管本体23及び上部ヘッダー管22を通って加熱された圧縮流体は、複数の接続配管24を経由してさらに出口配管25を経由した後、高温高圧の作動流体となりタービン32に供給される。
図8に示すように、受熱器10には、ケーシング11の開口部11bから入射する太陽光による熱をシールドする機能をもつ放射シールド板40が受熱管本体23(受熱管20)に設けられている。なお、受熱管本体23は、本発明の受熱管に相当し、符号20を付して以下説明する。
図6乃至図8に示すように、放射シールド板40は、所定の厚みを有する円筒形状をなし、複数が周方向に配列された受熱管20の表面側(ケーシング11の中心軸線側)に所定間隔をあけて、上部収容室121側から吊り支持された状態でケーシング11に対して略同軸に設けられている。放射シールド板40の部材として、セラミック、金属(カンタル、ニクロム)、セラミックファイバー等の放射率が小さく、且つ耐熱性の高い材料が用いられる。
放射シールド板40の設置範囲は、熱流束のピークの範囲であって、太陽熱入射の大きい受熱管20の下側部分(高温部K)に重なる範囲である。例えば、受熱管20の熱量分布にしたがって受熱管20の温度が920℃を超える範囲に配置される。
そして、受熱管20と放射シールド板40との間の間隔は、任意に設定することが可能である。
そして、受熱管20と放射シールド板40との間の間隔は、任意に設定することが可能である。
このように放射率εの低い(反射率の高い)放射シールド板40を設けることで、開口部11bから入った太陽熱が受熱管20よりケーシング中心軸線側に位置する放射シールド板40に一端入射し、さらにその放射シールド板40から再放射して受熱器10内部で拡散することから、太陽熱入射分布の均一化を図ることができる。すなわち、放射シールド板40による受熱器効率の低下は発生しない。
上述した本第1の実施の形態による太陽熱受熱器では、熱流束が大きい部分の受熱管表面を開口部11bから入射する太陽光による熱に対してシールドすることで、太陽熱入射の大きい部分の受熱管表面の熱流束が低減され、受熱管20の表面20a(ケーシング11の中心軸線側の面)と裏面20b(ケーシング11の内面側の面)との温度差を低減することが可能となり、受熱管20の強度寿命を向上させることができる。
したがって、受熱管出口のガス温度の変動が抑えられ、出側の集合ガス温度の安定が図れるので、タービンの運転を安定させることができる。
したがって、受熱管出口のガス温度の変動が抑えられ、出側の集合ガス温度の安定が図れるので、タービンの運転を安定させることができる。
次に、上述した第1の実施の形態による太陽熱受熱器の効果を裏付けるために行った試験例について以下説明する。
本実施例では、放射シールド板を受熱管に設けたときの受熱管の高温部の状態を確認した。
図9は、放射シールド板の効果の一例を示す模式図であって、図9(a)は受熱管の長さXに対する受熱管に入熱される熱流束q(W/m2)を示し、図9(b)は受熱管の長さXに対する受熱管の表裏面温度T(℃)を示し、図9(c)は放射シールド板40の位置関係を示している。なお、図中の符号Xsは、放射シールド板40の長さ寸法を示している。
図9は、放射シールド板の効果の一例を示す模式図であって、図9(a)は受熱管の長さXに対する受熱管に入熱される熱流束q(W/m2)を示し、図9(b)は受熱管の長さXに対する受熱管の表裏面温度T(℃)を示し、図9(c)は放射シールド板40の位置関係を示している。なお、図中の符号Xsは、放射シールド板40の長さ寸法を示している。
図9(a)において、実線Q1は放射シールド板40を設けていないグラフを示し、点線Q2は放射シールド板40を設けているグラフを示している。図9(b)において、実線T11、T12は放射シールド板40を設けていない場合で、それぞれ受熱管20の表裏面の温度を示し、点線T21、T22は放射シールド板40を設けた場合で、それぞれ受熱管20の表裏面の温度を示している。
図9より、放射シールド板40を配置することで、その範囲(符号Xsの範囲)、すなわち太陽熱入射の大きい部分(図8に示す高温部K)の受熱管20において、グラフQ2の熱流束qが小さくなるとともに、グラフT11、T12の表裏面温度Tも小さくなっていることが確認できる。また、図9(b)において、放射シールド板40の有無による表裏面温度差を比較すると、放射シールド板40有りの最大温度差ΔTs(T21−T22)は、放射シールド板40無しの最大温度差ΔT(T11−T12)よりも小さくなっている。
そして、熱流束qおよび表裏面温度Tともに、符号Xsの範囲より上方の位置で放射シールド板40を設ける方が大きくなっている。これにより、放射シールド板40に一端入射した太陽熱がさらに放射シールド板40から再放射し、受熱器内(ケーシング内)で拡散され、太陽熱入射分布が受熱管20の長さ方向Xにわたって均一化されていることも確認することができる。
次に、本発明の太陽熱受熱器による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
図10に示すように、第2の実施の形態による受熱器10Aは、受熱管20の金属の表面を放射率εが小さくなるように鏡状に研磨加工させた研磨部41を形成した構成となっている。
本第2の実施の形態の受熱器10Aによれば、熱流束が大きい部分の受熱管表面を研磨することで放射率εを小さく(反射率を大きく)することができ、上述した第1の実施の形態と同様に、太陽熱入射の大きい部分(高温部K)の受熱管20表面の熱流束が低減され、受熱管20の表裏面の温度差を小さくすることが可能なるので、受熱管20の強度寿命を延ばすことができる。
図10に示すように、第2の実施の形態による受熱器10Aは、受熱管20の金属の表面を放射率εが小さくなるように鏡状に研磨加工させた研磨部41を形成した構成となっている。
本第2の実施の形態の受熱器10Aによれば、熱流束が大きい部分の受熱管表面を研磨することで放射率εを小さく(反射率を大きく)することができ、上述した第1の実施の形態と同様に、太陽熱入射の大きい部分(高温部K)の受熱管20表面の熱流束が低減され、受熱管20の表裏面の温度差を小さくすることが可能なるので、受熱管20の強度寿命を延ばすことができる。
(第3の実施の形態)
図11に示すように、第3の実施の形態による受熱器10Bは、開口部側で熱流束の高い部分、すなわち太陽熱入射の大きい部分(高温部K)の受熱管20を断熱材15に埋め込まれた構造となっている。そして、断熱材15の部材として、熱容量が小さく、繊維状のセラミックファーバーを用いることにより、受熱管20を容易に埋め込むことができる。この場合、一旦、断熱材15で太陽熱を受け止めてから、ケーシング11(図8参照)の上側に向けて反射させて発散させることができる。
図11に示すように、第3の実施の形態による受熱器10Bは、開口部側で熱流束の高い部分、すなわち太陽熱入射の大きい部分(高温部K)の受熱管20を断熱材15に埋め込まれた構造となっている。そして、断熱材15の部材として、熱容量が小さく、繊維状のセラミックファーバーを用いることにより、受熱管20を容易に埋め込むことができる。この場合、一旦、断熱材15で太陽熱を受け止めてから、ケーシング11(図8参照)の上側に向けて反射させて発散させることができる。
本第3の実施の形態の受熱器10Bによれば、断熱材15内に埋め込まれている受熱管20の高温部Kの表面に太陽熱が直接入射しないので、上述した実施の形態と同様に、高温部Kの受熱管20表面の熱流束が低減され、受熱管20の表裏面の温度差を小さくすることが可能なるので、受熱管20の強度寿命を延ばすことができる。
以上、本発明による太陽熱受熱器の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本第1の実施の形態では1枚の円筒状の放射シールド板40を受熱管20のケーシング中心軸線側に設ける構成としているが、このような形態に限定されることはなく、例えば複数枚の放射シールド板を重ね合わせて積層させた構成であっても良い。
また、放射シールド板40の厚さ寸法、長さ寸法などの構成は、受熱管20の本数、寸法やケーシング11の寸法などの条件に応じて適宜設定することができる。
例えば、本第1の実施の形態では1枚の円筒状の放射シールド板40を受熱管20のケーシング中心軸線側に設ける構成としているが、このような形態に限定されることはなく、例えば複数枚の放射シールド板を重ね合わせて積層させた構成であっても良い。
また、放射シールド板40の厚さ寸法、長さ寸法などの構成は、受熱管20の本数、寸法やケーシング11の寸法などの条件に応じて適宜設定することができる。
さらに、第2の実施の形態においては、受熱管20を研磨して研磨部41を設ける構成としているが、このような加工に限定されることはない。すなわち、研磨部41に代えて、例えば低放射率の金属部材を受熱管20の高温部Kの表面に巻き付ける加工、貼り付ける加工、或いは溶接、めっき、溶射による加工などにより金属部材を被覆し、放射率εを小さくすることもできる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
10、10A、10B 受熱器(太陽熱受熱器)
11 ケーシング
11b 開口部
15 断熱材
20 受熱管
20a 表面
20b 裏面
23 受熱管本体
40 放射シールド板
41 研磨部
K 高温部
11 ケーシング
11b 開口部
15 断熱材
20 受熱管
20a 表面
20b 裏面
23 受熱管本体
40 放射シールド板
41 研磨部
K 高温部
Claims (6)
- 太陽光が入射する開口部を有するケーシングと、該ケーシング内にケーシング周方向に配列するとともに内部に熱媒体が流通する複数の受熱管とを備える太陽熱受熱器であって、
前記開口部から入射する太陽光による熱をシールドする機能を前記受熱管に設けたことを特徴とする太陽熱受熱器。 - シールド機能を有するシールド部材は、放射率の小さい部材であることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱受熱器。
- 前記シールド部材は、前記受熱管のケーシング中心軸線側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の太陽熱受熱器。
- 前記受熱管の表面は、放射率を小さくするように研磨加工されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱受熱器。
- 前記受熱管の表面には、放射率の小さい金属部材が加工されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱受熱器。
- 前記ケーシングの内壁面には、太陽熱を吸収する断熱材が設けられてなり、
前記受熱管は、前記開口部側で熱流束の高い部分が前記断熱材に埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱受熱器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010024397A JP2011163595A (ja) | 2010-02-05 | 2010-02-05 | 太陽熱受熱器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010024397A JP2011163595A (ja) | 2010-02-05 | 2010-02-05 | 太陽熱受熱器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011163595A true JP2011163595A (ja) | 2011-08-25 |
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ID=44594501
Family Applications (1)
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JP2010024397A Withdrawn JP2011163595A (ja) | 2010-02-05 | 2010-02-05 | 太陽熱受熱器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011163595A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111981710A (zh) * | 2020-05-26 | 2020-11-24 | 浙江大学 | 具有储热能力的塔式太阳能吸热器 |
-
2010
- 2010-02-05 JP JP2010024397A patent/JP2011163595A/ja not_active Withdrawn
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