JP2011032902A - 太陽光集光受熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮空気が流通するとともに、複数のヘリオスタット2により集光された太陽光線を受光して圧縮空気へ伝達する集光受熱器10と、集光受熱器10を支持するタワー部3とを備え、タワー部3には、ヘリオスタット2と集光受熱器10との間の光路上において、ヘリオスタット2により集光された太陽光線を集光受熱器10に向けて通過させるための開口部22が形成され、開口部22は、南北方向に沿って太陽光線を集光受熱器10に入光可能に開口していることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
トラフ集光方式とは、半円筒型のミラー(トラフ)によって太陽光線を反射させ、円筒の中心を通るパイプに集光・集熱し、パイプ内を通る熱媒体の温度を上昇させるものである。しかしながら、トラフ集光方式では、ミラーが太陽光線を追尾するよう向きを変えるものの一軸制御であるため、熱媒体の高い温度上昇を期待することはできない。
ここで、集光受熱器とヘリオスタットの配置位置との関係による、コサイン効率(集光効率)の違いについて説明する。図22は、集光受熱器からの距離に対するコサイン効率の分布を示す図である。なお、図22では、北緯20度以下の亜熱帯地域において、春分の南中時に測定した場合におけるコサイン効率の分布を示している。コサイン効率とは、ヘリオスタットに入射する太陽光線の光量に対して、ヘリオスタットで反射して集光受熱器内に入射する光量の割合を示している。すなわち、ヘリオスタットに入射する入射角が大きくなるにつれ、集光受熱器内に入射する光量が減少してコサイン効率は低下傾向になる。また、図22に示す集光受熱器の周囲には、集光受熱器を取り囲むようにヘリオスタットが配置されている。
一方、集光受熱器の南側や、集光受熱器から離れた領域に向かうにつれ(範囲F2,F3)、ヘリオスタットに入射する太陽光線の入射角が大きくなり、コサイン効率が除々に低下する傾向にあることがわかる。
その一方で、タワー部には、タワー部上に設置される集光受熱器やその他の設備の荷重、地震荷重や風圧等が作用するため、これらの荷重に耐えうるようにタワー部の強度を確保する必要がある。
なお、支持部には、太陽光線が通過する光路上に開口部が形成されていればよいので、支持部における開口部以外の部位の強度を高めることで、支持部の強度は確保することができる。その結果、集光効率の向上を図るために、単に支持部の断面寸法等を縮小するだけの構成と異なり、支持部の強度を確保した上で、受熱器における集光効率を向上させることができる。
よって、太陽光線によって受熱器の温度を安定して上昇させることができるので、受熱器で得た熱エネルギーを熱媒体に効率的に伝達することができる。したがって、熱効率の高い太陽光集光受熱装置を提供することができる。
そして、このような構成の太陽光集光受熱装置では、外側範囲から受熱器に向かって支持部を立設させることで、受熱器の直下にも反射鏡を配置することができる。ここで、受熱器の直下は、反射鏡に入射する太陽光線の入射角が小さく、高コサイン効率が得られる高効率範囲である。そのため、受熱器の直下に反射鏡を配置することで、受熱器の集光効率を向上させることができる。
また、配置範囲の中心に対して南北方向における太陽光線の入射方向上流側に偏心して受熱器を配置することで、太陽光線の入射角が比較的小さい入射方向下流側の反射鏡で反射された太陽光線を効率的に集光することができる。そのため、受熱器に入射する太陽光線の集光効率の向上を図ることができる。
そして、このような構成の太陽光集光受熱装置では、支持部が枠組構造を有しているので、支持部の強度を高めることができる。
なお、支持部には、太陽光線が通過する光路上に開口部が形成されていればよいので、支持部における開口部以外の部位の強度を高めることで、支持部の強度は確保することができる。その結果、集光効率の向上を図るために、単に支持部の断面寸法等を縮小するだけの構成と異なり、支持部の強度を確保した上で、受熱器における集光効率を向上させることができる。
よって、太陽光線によって受熱器の温度を安定して上昇させることができるので、受熱器で得た熱エネルギーを熱媒体に効率的に伝達することができる。したがって、熱効率の高い太陽光集光受熱装置を提供することができる。
(集光受熱システム)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は集光受熱システムの側面図、図2は平面図を示している。なお、地球上で発電装置の立地に適する場所は、太陽からの直達日射が強く良好な回帰線に近い亜熱帯の乾燥地域である。そこで、まず第1実施形態の発電装置では、北半球の亜熱帯における低緯度地域(例えば、20度以下)に配置される集光受熱システムについて説明する。
図1,図2に示すように、集光受熱システム100は、グランドG上に設けられた略環状のヘリオスタットフィールド1と、太陽熱発電装置(以下、発電装置という)5とを備えている。ヘリオスタットフィールド1上には、太陽光線を反射するための複数のヘリオスタット2が並んで配置されている。具体的に、ヘリオスタット2は、ヘリオスタットフィールド1の真北方向から周方向両側に亘ってそれぞれ所定角度範囲(例えば、135度ずつ)で配列されるとともに、真南方向から周方向両側に亘って所定角度範囲で配列されている(図2参照)。なお、ヘリオスタット2の配置範囲のうち、後述する集光受熱器10に対して北側の範囲を第1の配置範囲R1、集光受熱器10に対して南側の範囲を第2の配置範囲R2とする。
発電装置5は、グランドGに立設されたタワー部(支持部)3と、タワー部3に支持されたガスタービンユニット11及びハウジング12と、ハウジング12内に収納された集光受熱器(受熱器)10とを備えている。
まずガスタービンユニット11は、タワー部3における後述する支柱21の上端部に固定されており、圧縮機及びタービンからなるガスタービンと、発電機(何れも不図示)とを主に備えている。
ガスタービンは、発電機に連結された回転可能なロータを備え、このロータに対して同軸上に配置されるように圧縮機及びタービンが取り付けられている。
タービンは、集光受熱器10で加熱された圧縮空気の熱エネルギーをロータの回転エネルギーに変換して駆動力を発生させるものである。そして、この駆動力がロータに連結された発電機に出力されることで、発電が行われるようになっている。そして、タービン内を流通した圧縮空気は、排出ガスとなってタービンから排気される。
図3は集光受熱器の一部を破断して示す斜視図である。
図3に示すように、集光受熱器10は、ケーシングとなる受熱器本体23と、圧縮機から送り込まれる圧縮空気が流通する受熱部24とを備えている。
受熱器本体23は、軸方向がハウジング12の軸方向に一致した状態で配置された有底筒状のものであり、上部は天板部25により閉塞される一方、下部にはグランドGに向けて開口する開口部26が形成されている。そして、受熱器本体23は、天板部25とハウジング12の上面とが、図示しないフック部材等により連結されることによりハウジング12内で支持されている。
低温側ヘッダ32は、受熱器本体23のテーパ部27を囲むように配置された環状の部材であり、その外周面には圧縮機と受熱部24との間を接続する複数の受熱器供給路34が設けられている。受熱器供給路34は、低温側ヘッダ32の周方向に沿って等間隔に配置されており、受熱器供給路34から低温側ヘッダ32内に供給された圧縮空気が低温側ヘッダ32の全域に行き渡るようになっている。なお、低温側ヘッダ32が受熱器本体23の外部に配置されているので、低温側ヘッダ32の材料として耐熱性の高い材料を用いる必要がない。そのため、装置コストの低減を図ることができる。
ここで、タワー部3は、グランドGから上方に向けて立設された一本の支柱21を備えている。支柱21は、例えば角柱形状のものであり、その各側面がそれぞれ東西南北に向いた状態に配置されている。そして、支柱21の北側の側面には、ハウジング12が固定されている。なお、上述したように、グランドGと集光受熱器10とを結ぶ直線上において、間に支柱21が介在する範囲には、ヘリオスタット2が配列されていない。これは、グランドGと集光受熱器10とを結ぶ直線上は、ヘリオスタット2で反射された太陽光線が集光受熱器10に至るまでの光路となるものであり、この光路上に支柱21が配置されていると、太陽光線が支柱21で遮られ、集光受熱器10内に太陽光線を取り込むことが難しいためである。そのため、本実施形態においては、支柱21によって太陽光線が遮られる遮光範囲S(発電装置5の南側から周方向両側の所定角度範囲(南西及び南東))には、ヘリオスタット2が配置されていない。すなわち、遮光範囲Sを避けるようにヘリオスタット2を配置することで、ヘリオスタット2を無駄に設置する必要がなくなるため、設備コストの低減を図ることができる。
次に、上述した発電装置の動作方法について説明する。
まず、図1,図2に示すように、ガスタービンユニット11の発電機が作動し、減速機を介してロータが回転し始めると、圧縮機内に空気が流入する。圧縮機に流入した空気は圧縮機内で圧縮された後、圧縮空気となって受熱器供給路34に流出し、受熱器供給路34から受熱部24の低温側ヘッダ32内に供給される。
この時、第2の配置範囲R2に配置されたヘリオスタット2で反射された太陽光線は、支柱21の開口部22を通過した後に受熱器本体23の開口部26に入射する。そして、受熱器本体23に入射した太陽光線は、受熱管31で受光され、受熱管31を加熱する。
そして、受熱管31の下流端まで到達した圧縮空気は、高温の圧縮空気となって高温側ヘッダ33内に流入する。すなわち、各受熱管31で加熱された圧縮空気は、高温側ヘッダ33内で集合された後、流出管35を通ってタービン供給路36内に流入する。
タービン供給路36内に流入した圧縮空気は、タービン供給路36内を流通した後、タービン内に流入してタービンを駆動させる。これにより、タービン供給路36から供給される圧縮空気の熱エネルギーがロータの回転エネルギーに変換され、タービンに駆動力を発生させる。そして、この駆動力がロータに連結された発電機に出力され、発電が行われるようになっている。なお、タービン内を流通した圧縮空気は排出ガスとなり、タービンから排気される。
この構成によれば、太陽光線の光路上にタワー部3が配置されている場合であっても、ヘリオスタット2で反射される太陽光線がタワー部3により遮られることを抑制し、集光受熱器10において太陽光線を効率的に集光することができる。
なお、支柱21には太陽光線が通過する光路上のみに開口部22が形成されているので、開口部22以外の部位の強度を高めることで、タワー部3の強度を確保することができる。その結果、集光効率の向上を図るために、単に支柱の断面寸法(径)や本数等を縮小するだけの構成と異なり、タワー部3の強度を確保した上で、集光受熱器10における集光効率を向上させることができる。
よって、太陽光線によって集光受熱器10の温度を安定して上昇させることができるので、集光受熱器10で得た熱エネルギーを圧縮空気に効率的に伝達することができる。したがって、熱効率の高い発電装置5を提供することができる。
そこで、本実施形態では、ハウジング12に対して南側にタワー部3を設置することで、コサイン効率の高い北側のヘリオスタット2から反射される太陽光線は、タワー部3に遮られることなく集光受熱器10内で集光されることになる。その結果、太陽光線を効率的に集光受熱器10内に供給することができる。
また、ガスタービンユニット11と集光受熱器10とが、ともにタワー部3に設置されているため、メンテナンス性を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は第2実施形態における太陽光集光受熱器システムの側面図、図5は平面図である。上述した第1実施形態では、集光受熱器10及びガスタービンユニット11が1本の支柱21により支持される場合について説明したが、本実施形態では、2本の支柱によって集光受熱器10及びガスタービンユニット11を支持する点で上述した第1実施形態と相違している。なお、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
また、支柱43上面の長手方向が東西方向に一致するように配置されているため、長手方向を南北方向に一致するように配置した場合に比べて、支柱43により太陽光線が遮られる遮光範囲Sを縮小することができる。しかも、支柱43間の開口部の開口方向が南北方向に沿って延在しているので、コサイン効率の高いヘリオスタット2の配置範囲(第1の配置範囲R1)で反射された太陽光線を、支柱43によって遮ることなく集光受熱器10に集光させることができる。これにより、集光受熱器10の集光効率を向上させ、発電効率の向上を図ることができる。なお、第1実施形態のように各支柱43を貫通する開口部を形成するような構成も可能である。これにより、遮光範囲Sをより縮小して、集光効率の向上を図ることが可能である。
次に、第2実施形態の変形例について説明する。図6は、第2実施形態の変形例を示す集光受熱システムの側面図である。
図6に示すように、タワー部42の支柱43を補強部材44によって補強しても構わない。補強部材44は、グランドGから立設された側面視三角形状のものであり、支柱43の下部を取り囲むように支持している。
この構成によれば、補強部材44によって支柱43を補強することができるため、支柱43の断面寸法(例えば、南北方向の長さ)を可能な限り縮小して、支柱43による遮光範囲Sを縮小することができる。なお、太陽光線の光路上には介在しないことを条件に、補強部材44の大きさ、形状等は適宜設計変更が可能である。
支柱43の平面視形状は、長方形状に限らず、例えば図7に示すような楔形(平面視略台形状)に形成するようにしても構わない。具体的に、各支柱43は、ハウジング12に接近するにつれ短手方向(南北方向)の幅が狭くなるように形成されている。そして、各支柱43の短辺側の側面間を架け渡すようにハウジング12が固定されている。
この構成によれば、支柱43を平面視長方形状に形成する場合に比べて、遮光範囲Sを縮小することができるため、集光効率の更なる向上を図ることができる。なお、支柱43の平面形状は、高さ方向全域に亘って楔形にする必要はなく、太陽光線の光路上に介在する箇所のみを楔形に形成しても構わない。これにより、タワー部42の強度を確保した上で、遮光範囲Sの縮小を図ることができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図8は、第3実施形態における集光受熱システムの斜視図である。上述した第1実施形態では、タワー部3をヘリオスタットフィールド1の中央部に配置し、このタワー部3を取り囲むようにヘリオスタット2を配置する構成について説明したが、第3実施形態ではタワー部の支柱がヘリオスタットフィールドにおける外周領域から延在している点で上述した実施形態と相違している。
各支柱53のうち、一の支柱53aは高効率範囲F1の北側の外周縁からブラケット54に向かって延在し、他の支柱53b,53cは、高効率範囲F1の南東側及び南西側の外周縁からブラケット54に向かって延在している。各支柱53は、直方体形状のものであり、平面視における長手方向がヘリオスタットフィールド1の径方向に一致するように配置されている。また、支柱53よりも径方向外側の領域は、遮光範囲Sとなっており、ヘリオスタット2は配置されていない。この場合、ヘリオスタット2で反射される太陽光線は、各支柱53間を通って集光受熱器10の開口部26(図3参照)に入射される。すなわち、各支柱53間がヘリオスタット2と集光受熱器10との間の光路上に配置され、太陽光線を集光受熱器10に入光可能な開口部を構成している。
そのため、集光受熱器10に入射する太陽光線の入射量を増加させ、太陽光集光受熱システム101の集光効率を向上させることができる。なお、ヘリオスタットフィールド1の外側から集光受熱器10に向かって支柱53を延在させる構成にしても構わない。
次に、第3実施形態の変形例について説明する。
上述した第3実施形態では、支柱53aが高効率範囲F1における北側の外周縁から立設している構成について説明したが、これに限らず、例えば図9に示すように、高効率範囲F1の南側の外周縁から集光受熱器10に向かって支柱53aを延在させても構わない。この場合、南側から照射される太陽光線は支柱53aによって遮られ易くなるが、集光受熱器10よりも北側のヘリオスタットフィールド1上の全域にヘリオスタット2を配置することができるので、集光受熱器10よりも北側に照射された太陽光線を効率的に集光受熱器10に向けて反射させることができる。
例えば、図10に示す集光受熱システム102のタワー部57は、2本の支柱58を備えている。各支柱58は、それぞれ高効率範囲F1の南東及び南西側の外周縁から集光受熱器10に向かって延在している。また、支柱58の平面視形状は、長手方向がヘリオスタットフィールド1の径方向に一致するように形成されている。そして、支柱58よりも径方向外側の領域は遮光範囲Sとなっており、ヘリオスタット2は配置されていない。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図12は第4実施形態の発電装置を示す斜視図であり、図13は図12のA−A線に沿う断面図である。
図12,図13に示すように、本実施形態の集光受熱システム104は、発電装置67のタワー部68の周囲を取り囲むように環状のヘリオスタットフィールド1が設けられている。タワー部68は、ヘリオスタットフィールド1の中央部から立設されたベース部69と、ベース部69の上部から延出した3本の支柱71と、各支柱71の上端部で各支柱71間に連結された筒状のブラケット72とを備え、このブラケット72の内側で集光受熱器10が支持されている。
また、支柱71の平面視形状は、長手方向がヘリオスタットフィールド1における径方向に一致するように形成されている。そして、ヘリオスタット2で反射された太陽光線は、各支柱71間を通って集光受熱器10に集光される。すなわち、各支柱71間は太陽光線を集光受熱器10に入光可能な開口部を構成している。なお、ベース部69の周囲及び支柱71よりも径方向外側の領域は遮光範囲Sとなっており、ヘリオスタット2は配置されていない。すなわち、ヘリオスタットフィールド1には、周方向に沿ってヘリオスタット2の配置範囲R1〜R3と遮光範囲Sとが交互に配置されている。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図14は、集光受熱システムの側面図であり、図15は斜視図である。本実施形態では、タワー部がトラス構造(枠組構造)をなしている点で上述した実施形態と相違している。
図14,図15に示すように、本実施形態の集光受熱システム110は、発電装置76のタワー部77の周囲を取り囲むように、環状のヘリオスタットフィールド1が設けられている。タワー部77の上部には、角筒状のハウジング12が設置されており、このハウジング12内に上述した集光受熱器10及びガスタービンユニット11が収納されている。
また、タワー部77は、各支柱78間を架け渡すように連結された梁部79を備えている。これら梁部79は、支柱78の高さ方向下側において各支柱78間を連結しており、ヘリオスタット2で反射されて集光受熱器10に入射する太陽光線の光路上には配置されないようになっている。すなわち、支柱78の上部において、梁部79が配置されていない領域が、本発明の開口部80を構成している。
なお、上述した第5実施形態では、支柱78を4本設置する場合について説明したが、これに限らず、図16に示すように、支柱78を例えば3本設置する構成であっても構わない。これにより、支柱78を4本設置した場合に比べて、遮光範囲Sを縮小することができるので、集光効率の向上を図ることができる。また、ハウジング12の形状は角筒状でも円筒状でも構わない。ただし、ハウジング12を円筒形状に形成することで、ハウジング12に作用する風圧を低減することができる。
さらに、図18に示すように、支柱78の平面視形状を楔形に形成する構成にしても構わない。この場合、支柱78を平面視長方形状に形成する場合に比べて、遮光範囲Sを縮小することができるため、集光効率の更なる向上を図ることができる。なお、これらの支柱78の形状は、少なくともタワー部77における開口部80の形成領域にのみ形成されていればよい。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図19は、太陽光集光受熱システムの斜視図である。
図19に示すように、本実施形態の集光受熱システム111は、発電装置82のタワー部83の周囲を取り囲むように、環状のヘリオスタットフィールド1が設けられている。タワー部83の上部には、円筒形状のハウジング12が設置されており、このハウジング12内に上述した集光受熱器10及びガスタービンユニット11が収納されている。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図20は太陽光集光受熱システムの側面図であり、図21は図20のB−B線に沿う断面図である。本実施形態の集光受熱システムは、上述したタワー部に補強柱を設けた点で上述した第6実施形態と相違している。
図20,図21に示すように、本実施形態の集光受熱システム112は、発電装置91のタワー部92を取り囲むように、環状のヘリオスタットフィールド1が設けられている。タワー部92の上部には、円筒形状のハウジング12が設置されており、このハウジング12内に上述した集光受熱器10及びガスタービンユニット11が収納されている。
ここで、タワー部92の上部において、各支柱84の径方向外側には、各支柱84と周方向において同位置に配置され、支柱84とハウジング12とを連結する3本の補強柱94が設けられている。この補強柱94は、高さ方向に沿って延在しており、下端部が縮小部85の上部に連結される一方、上端部がハウジング12の下面に連結されている。
例えば、上述した実施形態では、集光受熱システムを北半球の亜熱帯地域に設置した場合について説明したが、これに限らず南半球の亜熱帯地域に設置することも可能である。南半球に設置した場合には、北半球に設置した場合に対して太陽光線の照射方向が逆方向になるので、高効率範囲F1が北半球とは異なる(南側よりの楕円形状になる)。そのため、条件の変化に対応して支柱等の配置位置を設定することが好ましい。
3,42,52,57,62,68,77,83,92 タワー部(支持部)
5,41,67,76,82,91 発電装置(太陽光集光受熱装置)
10 集光受熱器(受熱器)
22,80,88 開口部
Claims (3)
- 熱媒体が流通するとともに、複数の反射鏡により集光された太陽光線を受光して前記熱媒体へ伝達する受熱器と、
前記受熱器を支持する支持部とを備え、
前記支持部には、前記反射鏡と前記受熱器との間の光路上において、前記複数の反射鏡により集光された太陽光線を前記受熱器に向けて通過させるための開口部が形成され、
前記開口部の少なくとも一つは、南北方向に沿って太陽光線を前記受熱器に入光可能に開口していることを特徴とする太陽光集光受熱装置。 - 前記受熱器は、前記複数の反射鏡が並んで配置された配置範囲上方に配置され、
前記支持部は、前記配置範囲における前記受熱器直下を含む範囲よりも外側に位置する外側範囲から前記受熱器に向かって立設され、前記配置範囲の中心から南北方向における太陽光線の入射方向上流側に偏心した位置で前記受熱器を支持していることを特徴とする請求項1記載の太陽光集光受熱装置。 - 前記支持部は、高さ方向中間の一部において枠組構造を有しており、該枠組構造を構成する部材間で前記開口部を形成していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の太陽光集光受熱装置。
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