JP2011163368A - 伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】運転時にプーリに巻き掛かる際の衝撃に起因して発生する振動や騒音を低減することができる乾式の伝動ベルトを提供すること。
【解決手段】プーリPに巻き掛かる際にそのプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに当接するベルト幅方向における左右両端のフランク面4,5が形成されてベルト巻き掛け溝Pvから受ける圧力に対抗する多数のブロック1と、それら多数のブロック1を環状に配列した状態で保持するバンド2,3とを備えた伝動ベルトBにおいて、ブロック1に、プーリPに巻き掛かる際にフランク面4,5よりも先にベルト巻き掛け溝Pvに当接してブロック1がプーリPに衝突する際の衝撃を緩和する緩衝部8,9を設けた。
【選択図】図1

Description

この発明は、複数のプーリに巻き掛けられてそれら複数のプーリ間で動力伝達を行う伝動ベルトに関し、特に潤滑油を使用しない乾式の伝動ベルトに関するものである。
ベルト伝動装置は、複数のプーリの間に伝動ベルト(Vベルト)を巻き掛けて、それら複数のプーリの間で動力を伝達させる動力伝達装置である。そのようなベルト伝動装置のうち、例えばプーリのベルト巻き掛かり径を変化させることにより変速比を連続的にすなわち無段階に変化させるベルト式無段変速機に用いられる伝動ベルトは、一般に、エレメントもしくはブロックなどと称される多数の金属製の板片をスチールバンド等により環状に結束して構成した金属製ベルトと、例えばゴムや樹脂などの弾性材料を主体に構成した非金属製ベルトとに大別される。
前者の金属製ベルトを用いる場合は、通常、プーリは鋼や鋳鉄あるいはアルミ合金などの金属を材料として形成されることから、金属製ベルトと金属製プーリとの間の金属同士の摩擦面における摩耗や焼き付き等を防止するために潤滑油が使用される。したがって、この場合の金属製ベルトは、潤滑油の中で用いられるいわゆる湿式の伝動ベルトである。一方、後者の非金属製ベルト、例えばゴム製のベルトを用いる場合は、上記の金属製ベルトのような金属同士の摩耗や焼き付き等を考慮しなくともよいので、潤滑油による潤滑や冷却は行われない。したがって、この場合のゴム製ベルトは、潤滑油を使用しないいわゆる乾式の伝動ベルトである。
上記のような伝動ベルトを用いたベルト伝動装置の運転時には、伝動ベルトとプーリとの間の接触面で発生する摩擦熱や、ベルトが屈伸を繰り返すことによりベルト内部で発生する摩擦熱などにより、伝動ベルトやプーリの温度が上昇する。したがって、それらの発熱部分の過熱を防ぐために冷却を行う必要がある。潤滑油を使用する湿式の伝動ベルトの場合は、潤滑油によりベルトとプーリとの間の潤滑を行うとともに、その潤滑油によって発熱部分の冷却も同時に行うことができる。
一方、潤滑油を使用しない乾式の伝動ベルトの場合は、ベルトやプーリの発熱部分の熱を効率良く放熱させる必要があるので、通常、伝動ベルトやプーリを収容するケーシングには、通気もしくは送風のための開口部が設けられている。そのため、伝動ベルトが走行する際に生じる音や振動がケーシングの開口部から外部に洩れ易く、潤滑油を充填するためにケーシングが密閉構造となる上記の湿式の伝動ベルトの場合と比較して、運転時の静粛性の面では不利になっている。
そのような乾式の伝動ベルトを用いた場合の騒音低減を目的とした構成の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたベルト式伝動装置は、駆動プーリと従動プーリとの間に、複数のブロックを弾性ベルトにより連結して構成したベルト構造体(伝動ベルト)を巻き掛けて、駆動プーリと従動プーリとの間で動力伝達を行うベルト伝動装置であって、各プーリとブロックとの間の動的摩擦係数が、それぞれ、およそ0.17〜0.25、好ましくは0.20〜0.25となるように構成されている。
なお、特許文献2には、プーリの軸芯方向の振動を抑制するため、プーリの側面に、弾性的に圧接する状態でプーリ軸に取り付けられてプーリの振動に伴い軸芯方向に弾性変形することによりプーリの振動エネルギーを吸収する圧接体が設けられたベルト伝動装置が記載されている。
特開平11−336861号公報 特開平10ー38044号公報
上記の特許文献1には、モデルによる解析から、駆動プーリおよび従動プーリとブロックとの間の動的摩擦係数が0.17〜0.25の範囲で垂直抗力の変動が小さく、特に0.20〜0.25の範囲では垂直抗力の変動が非常に小さくなるといった解析結果を得たことが記載されている。垂直抗力の変動が大きいと、各プーリとブロックとの間で作用する力の変動が大きくなるので、プーリに対してブロックが振動し、その結果ベルト伝動装置の運転時の騒音が大きくなり、反対に、垂直抗力の変動が小さいほど、ベルト伝動装置の運転時の騒音も小さくなると考えられる。したがって、上記の特許文献1に記載されているベルト伝動装置によれば、駆動プーリおよび従動プーリとブロックとの間の動的摩擦係数が0.17〜0.25の範囲になるように構成されることから、駆動プーリおよび従動プーリと伝動ベルトのブロックとが接触している間にそれら各プーリがブロックに与える力の変動が小さくなり、その結果、運転時の騒音を低減することができる、とされている。
しかしながら、ベルト伝動装置の運転時の騒音は、上記のような各プーリとブロックとの間で作用する力が変動しブロックが振動することに起因するもの以外に、伝動ベルトがプーリに巻き掛かる際に伝動ベルトのブロックがプーリに衝突することによっても発生する。そのため、上記の特許文献1に記載されている構成では、上記のような各プーリとブロックとの間の力の変動に起因する振動や騒音に対しては低減効果があるものの、伝動ベルトがプーリに巻き掛かりブロックがプーリに衝突する際の衝撃に起因して発生する振動や騒音に対しては低減効果が期待できなかった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、運転時にプーリに巻き掛かる際の衝撃に起因して発生する振動や騒音を低減することができる乾式の伝動ベルトを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、プーリに巻き掛かる際に該プーリのベルト巻き掛け溝に当接するベルト幅方向における左右両端のフランク面が形成されて該ベルト巻き掛け溝から受ける圧力に対抗する多数のブロックと、前記多数のブロックを環状に配列した状態で保持するバンドとを備えた伝動ベルトにおいて、前記ブロックに、前記プーリに巻き掛かる際に前記フランク面よりも先に前記ベルト巻き掛け溝に当接して該ブロックが前記プーリに衝突する際の衝撃を緩和する緩衝部が形成されていることを特徴とする伝動ベルトである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記緩衝部が、前記左右のフランク面のそれぞれのベルト径方向における外周側端部および/または内周側端部に形成されていることを特徴とする伝動ベルトである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記緩衝部が、前記ブロックの本体部分よりも剛性が低い弾性材料により形成されていることを特徴とする伝動ベルトである。
そして、請求項4の発明は、請求項1または2の発明において、前記緩衝部が、前記ブロックの本体部分から一体に突出しかつ該本体部分よりも前記圧力に対する剛性が低くなる形状に形成されていることを特徴とする伝動ベルトである。
請求項1の発明によれば、ブロックに緩衝部が設けられることによって、伝動ベルトがプーリに巻き掛かる際、すなわち、走行する伝動ベルトがプーリのベルト巻き掛け溝に嵌り込みプーリにブロックが衝突する際の衝撃が緩和される。そのため、伝動ベルトがプーリに巻き掛かりブロックがプーリに衝突する際の衝撃に起因して発生する振動や騒音を低減することができる。
また、請求項2の発明によれば、伝動ベルトを構成するブロックの左右のフランク面のそれぞれの外周側端部および/または内周側端部に緩衝部が設けられる。言い換えると、左右のフランク面の外周側端部と左右のフランク面の内周側端部との少なくともいずれかに緩衝部が設けられる。そのため、ブロックがプーリに衝突する際の衝撃を緩和することができ、その衝撃に起因して発生する振動や騒音を確実に低減することができる。
また、請求項3の発明によれば、ブロックに設けられる緩衝部が、例えばゴムや樹脂、あるいはブロックの本体部分よりもヤング率が低い金属などの弾性材料によって形成される。そのため、ブロックがプーリに衝突する際の衝撃を弾性部材である緩衝部に吸収させて緩和することができ、その衝撃に起因して発生する振動や騒音を確実に低減することができる。
そして、請求項4の発明によれば、ブロックに設けられる緩衝部が、ブロックの本体部分と一体となって、その本体部分から突出もしくは延出させられて本体部分よりも剛性が低くなり変形が可能な形状に形成される。したがって、ブロックがプーリに衝突する際には、フランク面よりも先にプーリに当接する緩衝部がベルト巻き掛け溝からの圧力を受けて変形させられた後に、フランク面がプーリのベルト巻き掛け溝に接触することになる。そのため、ブロックがプーリに衝突する際の衝撃を剛性が低い緩衝部に吸収させて緩和することができ、その衝撃に起因して発生する振動や騒音を確実に低減することができる。また、この場合の緩衝部は、ブロックの本体部分と一体成形することができるので、ブロックを容易にあるいは低コストで製造することができる。
この発明に係る伝動ベルトの構成例を示す模式図であって、ブロックの構成を示す正面図およびバンドの構成を示す断面図である。 この発明に係る伝動ベルトの構成例を示す模式図であって、特にブロックの構成を示す側面図である。 図1,図2に示すこの発明に係る伝動ベルトがプーリに巻き掛かった状態を説明するための模式図である。 この発明に係る伝動ベルトの構成例を示す模式図であって、ブロックの他の構成を示す正面図である。
つぎに、この発明を図面を参照して具体的に説明する。この発明の伝動ベルトは、例えばベルト式無段変速機などのベルト伝動装置に使用されるものであり、プーリの外周部に形成された断面V字状のベルト巻き掛け溝の内部に挟み込まれ、その結果、プーリとの間で生じる摩擦力でトルクを伝達するように構成されている。その一例を図1,図2に模式的に示してある。先ず、図1,図2において、伝動ベルトBは、ベルト式無段変速機を構成しているプーリ(駆動プーリおよび従動プーリ)Pに巻き掛けられている。これらの各プーリPは、テーパ面をそれぞれ備えた固定シーブと可動シーブとを対向させて配置することにより、これらのシーブの間に断面V字状のベルト巻き掛け溝(V形溝)Pvが形成され、その可動シーブを、例えば油圧アクチュエータやサーボモータ(図示せず)などによって、固定シーブに対してプーリPの回転軸線方向に前後動させることにより、ベルト巻き掛け溝Pvの幅を変化させるように構成されている。
伝動ベルトBは、プーリPに巻き掛かる際にプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに当接するとともに、ベルト巻き掛け溝Pvの溝表面から受ける圧力に対抗する多数のブロック1と、それら多数のブロック1を環状に結束して保持するための2本のバンド2,3とから構成されている。
ブロック1は、例えば鋼やアルミ合金などの金属製の板片状の部材に樹脂等をコーティングすることにより形成されている。あるいは、高強度の合成樹脂等を材料として一体成形することもできる。そして、ブロック1のベルト幅方向(図1での左右方向)における左右両端のブロック側面4,5が、テーパー状の傾斜した面として形成されていて、プーリPのベルト巻き掛け溝Pvに当接するようになっている。
上記のように、ブロック1は、金属もしくは樹脂等を材料にして、プーリPから受ける圧力に対抗し得る所定の剛性を有した部材により形成されている。したがって、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かる際には、ブロック1の左右のブロック側面4,5がプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに当接し、ブロック1がベルト巻き掛け溝Pvの溝表面から受ける圧力に対抗するようになっている。すなわち、これら左右のブロック側面4,5が、ブロック1のベルト幅方向における左右両端に形成されて、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かる際にベルト巻き掛け溝Pvからの圧力を受けるブロック1の左右のフランク面4,5である。
なお、ブロック1の母材が金属製の場合は、その表面に上記のように樹脂コーティング等が施されている。そのため、プーリPが例えば鋼や鋳物などの金属製であっても、プーリPに伝動ベルトBが巻き掛かかる際に金属同士の接触が回避される。したがって、プーリPと伝動ベルトBとの当接部分における摩耗や焼き付き等を防止もしくは抑制することが可能な構成になっている。
ブロック1の高さ方向(図1での上下方向)における中央部分の左右両側には、それぞれ、左右のブロック側面4,5すなわちフランク面4,5で開口する左右の開口溝6,7が形成されている。そして、それら左右の開口溝6,7に、バンド2,3がそれぞれ収容されるようになっている。したがって、ブロック1の開口溝6,7に、バンド2,3がベルト幅方向にそれぞれ挿入されることにより、多数のブロック1が姿勢を揃えて環状に配列した状態で保持されて、伝動ベルトBが構成されている。
各ブロック1は環状に配列されるので、各ブロック1が平行にならずに伝動ベルトBの曲率中心を中心としていわゆる扇状(放射状)に開いた状態に配列される箇所が必ず生じる。そこで、各ブロック1が扇状に開いた状態で配列されることを可能にするために、各ブロック1は、図1,図2での下側の部分(環状に配列した状態での中心側の部分)が薄肉に形成されている。すなわち、ブロック1の前・後面(図2での左右の面)のいずれか一方、この具体例では前面1fの、ブロック1の高さ方向における中央付近から下側の部分が削り落とされた状態で薄肉化されている。
なお、図示していないが、ブロック1とバンド2,3との間の嵌合部分に、例えばほぞとほぞ溝などのような位置決め構造を設けて、ベルト周方向(図2での左右方向)におけるブロック1とバンド2,3との相対移動を規制するように構成してもよい。そのような位置決め構造を設けることにより、多数のブロック1をベルト周方向で等間隔に配置して伝動ベルトBを構成することができ、伝動ベルトBの走行もしくは進行を安定させることができる。
バンド2,3は、環状の帯状体であって、例えばゴムや樹脂などを材料とする弾性部材により、所定の柔軟性もしくは可撓性を有する環状部材によって形成されている。なお、バンド2,3は、伝動ベルトBに要求される強度を達成するために必要な強度と、プーリPに滑らかに巻き掛かるために必要な柔軟性あるいは可撓性とを有する弾性材料により環状部材として構成されたものであればよく、したがって上記のようなゴムや樹脂以外の材料で構成されてもよい。例えば、繊維や金属ワイヤなどを芯材として、それをゴムや樹脂などと合成した複合材料により構成されたものであってもよい。
バンド2,3のベルト幅方向での外側、すなわちプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに対向する側のバンド側面2a,3aは、それぞれ、ブロック1の左右のフランク4,5と同様にテーパー状の傾斜した面として形成されていて、プーリPのベルト巻き掛け溝Pvに当接するようになっている。図1では、便宜上、プーリPに対して伝動ベルトBが巻き掛かる直前の状態、すなわちプーリPのベルト巻き掛け溝Pvと、ブロック1のフランク面4,5およびバンド2,3のバンド側面2a,3aとが当接する直前の状態を示している。
なお、この図1に示す状態では、バンド2,3のバンド側面2a,3aが、それぞれ、ブロック1のフランク面4,5よりも左右の外側に突出している。これは、プーリPのベルト巻き掛け溝Pvから受ける圧力に対向するために剛体として形成されているブロック1に対して、ゴムなどの弾性部材により構成されているバンド2,3の剛性が低いので、プーリPに対して伝動ベルトBが巻き掛かかる際に、ブロック1のフランク面4,5とプーリPのベルト巻き掛け溝Pvとが当接する際の衝撃を緩和させるとともに、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かった後に、ベルト巻き掛け溝Pvから受ける圧力によりバンド2,3が圧縮され、ブロック1のフランク面4,5とバンド2,3のバンド側面2a,3aとが実質的に面一となってプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに接触するように構成するためである。
したがって、この伝動ベルトBは、プーリPに巻き掛かる際には、プーリPのベルト巻き掛け溝Pvから受ける圧力に対してはブロック1が対抗するとともに、バンド2,3のバンド側面2a,3aがベルト巻き掛け溝Pvに圧着させられて、それらバンド側面2a,3aとベルト巻き掛け溝Pvとの間で大きな摩擦力が発生させられる。そのため、例えば挟圧力のような伝動ベルトBがプーリPから受ける高い圧力に対抗することが可能になり、なおかつ大きな摩擦力によってプーリPと伝動ベルトBとの間の動力伝達を確実に行うことができる。その結果、大きな伝達トルク容量を確保するとともに、動力伝達効率に優れた伝動ベルトBを構成することができる。
上記のように多数のブロック1とバンド2,3とから構成される伝動ベルトBは、プーリPに巻き掛けられた状態でプーリPの回転に伴って走行する場合、2つのプーリPの間で直線状態になっている伝動ベルトBがプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに嵌り込む部分では、伝動ベルトBにおける多数のブロック1のフランク面4,5がプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに順次衝突することになる。したがって、伝動ベルトBが走行する場合には、ブロック1のフランク面4,5とプーリPのベルト巻き掛け溝Pvとが衝突する際の衝撃によって振動や騒音が発生する。
そこで、この発明における伝動ベルトBでは、運転時の振動や騒音を低減するために、ブロック1に、ブロック1のフランク面4,5とプーリPのベルト巻き掛け溝Pvとが衝突する際の衝撃を緩和する緩衝部8,9が形成されている。具体的には、フランク面4,5のベルト径方向(図1,図2での上下方向)における外周側端部4o,5oに、緩衝部8が形成されている。同様に、ブロック1のベルト径方向における内周側端部4i,5iに、緩衝部9が形成されている。
この図1に示す伝動ベルトBにおける緩衝部8,9は、いずれも、例えばゴムや樹脂あるいは低ヤング率の金属などの、ブロック1の本体部分1aよりも剛性が低い弾性材料により形成されていて、例えば接着や溶接あるいはボルト締結などの各種接合方法によって、ブロック1の外周側端部4o,5oおよび内周側端部4i,5iに、それぞれ固定されている。そして、それら緩衝部8,9は、ベルト巻き掛け溝Pvと当接する側面8a,9aが、それぞれ、フランク面4,5よりも外側すなわちベルト巻き掛け溝Pvに接近する側に位置するように形成されている。
そのため、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かりブロック1のフランク面4,5がプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに衝突する際には、上記の緩衝部8,9が、フランク面4,5よりも先にベルト巻き掛け溝Pvに当接することになる。言い換えると、緩衝部8,9は、フランク面4,5がベルト巻き掛け溝Pvに衝突する際に、そのフランク面4,5とベルト巻き掛け溝Pvとの衝突よりも早くベルト巻き掛け溝Pvに当接する構成となっている。
そして、緩衝部8,9がそれぞれフランク面4,5に先立ってベルト巻き掛け溝Pvに当接すると、上記のように弾性部材である緩衝部8,9が、ベルト巻き掛け溝Pvから受ける圧力によってそれぞれベルト幅方向における中央側へ撓むように弾性変形させられ、その後、フランク面4,5とベルト巻き掛け溝Pvとが当接する。すなわち、図3に示すように、伝動ベルトBがプーリPに完全に巻き掛かった部分では、緩衝部8,9がそれぞれ弾性変形させられた状態で、それら緩衝部8,9の側面8a,9aおよびフランク面4,5とベルト巻き掛け溝Pvとが、面一となって当接する構成となっている。
したがって、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かる際に、ブロック1がプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに衝突する場合には、先ず緩衝部8,9がベルト巻き掛け溝Pvに当接し、それら緩衝部8,9が弾性変形した後に、フランク面4,5とベルト巻き掛け溝Pvとが当接して、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かる一連の動作が完了する。すなわち、ブロック1がプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに衝突する際の衝突エネルギが、緩衝部8,9を弾性変形させるためのエネルギとして消費された後に、フランク面4,5とベルト巻き掛け溝Pvとが当接することになる。言い換えると、ブロック1がプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに衝突する場合には、その衝突の際の衝撃が、最初に緩衝部8,9が弾性変形させられることにより吸収されて、その後、フランク面4,5とベルト巻き掛け溝Pvとが当接する。そのため、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かる場合には、ブロック1がプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに衝突する際の衝撃が低減させられ、その結果、この伝動ベルトBが走行する際の振動や騒音を低下させることができる。
図4に、この発明の伝動ベルトBにおけるブロック1の他の構成例を示す。上述の図1ないし図3に示したブロック1が、そのブロック1の本体部分1aにゴムや樹脂などの弾性部材により形成した緩衝部8,9を取り付けて固定した構成であるのに対して、この図4に示すブロック1は、この発明における緩衝部がブロック1の本体部分1aと一体に形成された構成となっている。
すなわち、図4において、ブロック1のフランク面4,5のベルト径方向における外周側端部4o,5oに、緩衝部10が形成されている。同様に、ブロック1のベルト径方向における内周側端部4i,5iに、緩衝部11が形成されている。これら緩衝部10,11は、いずれも、ブロック1の本体部分1aから一体に突出させられ、かつその本体部分1aよりもベルト巻き掛け溝Pvから受ける力に対する剛性が低くなるような形状に形成されている。
具体的には、緩衝部10は、ブロック1の本体部分1aの外周側端部4o,5oからそれぞれベルト径方向での外周側に突出する突起として、本体部分1aと一体に形成されている。同様に、緩衝部11は、ブロック1の本体部分1aの内周側端部4i,5iからそれぞれベルト径方向での内周側に突出する突起として、本体部分1aと一体に形成されている。そして、それら緩衝部10,11は、前述の緩衝部8,9における側面8a,9aと同様に、ベルト巻き掛け溝Pvと当接する側面10a,11aが、それぞれ、フランク面4,5よりも外側すなわちベルト巻き掛け溝Pvに接近する側に位置するように形成されている。
上記のように緩衝部10,11は、ブロック1の本体部分1aから突起状に突出させられた形状となっているので、ブロック1とプーリ1のベルト巻き掛け溝Pvとが当接してベルト巻き掛け溝Pvから側面10a,11aに荷重が作用する場合に、それら緩衝部10,11と本体部分1aとの付け根部分を固定端とするいわゆる片持ちばりとして機能する構成となっている。すなわち、緩衝部10,11は、ブロック1の本体部分1aよりも、ベルト巻き掛け溝Pvから受ける力に対する剛性が低くなる形状に形成されている。
そのため、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かりブロック1のフランク面4,5がプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに衝突する際には、上記の緩衝部10,11が、フランク面4,5よりも先にベルト巻き掛け溝Pvに当接し、それら緩衝部10,11が、ベルト巻き掛け溝Pvから受ける圧力によってそれぞれベルト幅方向における中央側へ撓むように弾性変形させられる。そしてその後、フランク面4,5とベルト巻き掛け溝Pvとが当接する。すなわち、伝動ベルトBがプーリPに完全に巻き掛かった部分では、緩衝部10,11がそれぞれ弾性変形させられた状態で、それら緩衝部10,11の側面10a,11aおよびフランク面4,5とベルト巻き掛け溝Pvとが、面一となって当接する構成となっている。
したがって、この図4に示す構成の伝動ベルトBにおいても、前述の図1ないし図3に示した構成の場合と同様に、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かる場合に、ブロック1がプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに衝突する際の衝撃が低減させられ、その結果、この伝動ベルトBが走行する際の振動や騒音を低下させることができる。さらに、この図4に示す構成の伝動ベルトBでは、上記のように、緩衝部10,11がブロック1の本体部分1aと一体となっているので、ブロック1を一体成形することができる。すなわち、ブロック1の本体部分1aと緩衝部10,11とを同時に、もしくは少ない工程で成形することができる。そのため、ブロック1を容易にあるいは低コストで製造することができる。
なお、上記の各構成例では、ブロック1に形成される緩衝部8,9あるいは緩衝部10,11が、いずれも、フランク面4,5の外周側端部4o,5oと内周側端部4i,5iとの両方にそれぞれ形成された構成を示しているが、この発明における緩衝部8,9あるいは緩衝部10,11は、フランク面4,5の外周側端部4o,5oのみに形成されたものであってもよく、もしくは、フランク面4,5の内周側端部4i,5iのみに形成されたものであってもよい。すなわち、この発明における伝動ベルトBは、緩衝部8,9あるいは緩衝部10,11が、フランク面4,5の外周側端部4o,5oと内周側端部4i,5iとの少なくともいずれかに形成された構成であればよい。
以上のように、この発明における伝動ベルトBによれば、バンド2,3と共に伝動ベルトBを構成するブロック1に、緩衝部8,9もしくは緩衝部10,11が形成されることによって、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かる場合に、走行する伝動ベルトBがプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに嵌り込みプーリPにブロック1が衝突する際の衝撃が緩和される。そのため、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かりブロック1がプーリPに衝突する際の衝撃に起因して発生する振動や騒音を低減することができる。
また、上記のように、ブロック1に緩衝部8,9もしくは緩衝部10,11を形成することによって伝動ベルトBの運転時の振動や騒音を低減することができるので、前述したようなブロック1のフランク面4,5とプーリPのベルト巻き掛け溝Pvとが当接する際の衝撃を緩和させるためのバンド2,3のフランク面4,5からの突出量を減少させること、もしくはその突出を廃止することができる。そのため、ベルト巻き掛け溝Pvからバンド2,3に作用する負荷を低減させることができ、その結果、バンド2,3の耐久性を向上させること、ひいては伝動ベルトBの耐久性を向上させることができる。
なお、この図1に示す状態では、バンド2,3のバンド側面2a,3aが、それぞれ、ブロック1のフランク面4,5よりも左右の外側に突出している。これは、プーリPのベルト巻き掛け溝Pvから受ける圧力に対向するために剛体として形成されているブロック1に対して、ゴムなどの弾性部材により構成されているバンド2,3の剛性が低いので、プーリPに対して伝動ベルトBが巻き掛かかる際に、ブロック1のフランク面4,5とプーリPのベルト巻き掛け溝Pvとが当接する際の衝撃を緩和させるとともに、伝動ベルトBがプーリPに巻き掛かった後に、ベルト巻き掛け溝Pvから受ける圧力によりバンド2,3が圧縮され、ブロック1のフランク面4,5とバンド2,3のバンド側面2a,3aとが実質的に面一となってプーリPのベルト巻き掛け溝Pvに接触するように構成するためである。
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。例えば上述した具体例では、この発明に係る伝動ベルトがベルト式無段変速機に適用された構成を例に挙げて説明しているが、この発明に係る伝動ベルトは、ベルト式無段変速機に限らず、ベルトとプーリとによって構成される他の巻き掛け伝動装置(ベルト伝動装置)における動力伝達用の伝動ベルトとして適用することができる。
1…ブロック、 1a…本体部分、 2,3…バンド、 4,5…フランク面、 4i,5i…内周側端面、 4o,5o…外周側端面、 8,9,10,11…緩衝部、 8a,9a,10a,11a…側面、 B…伝動ベルト、 P…プーリ、 Pv…ベルト巻き掛け溝。

Claims (4)

  1. プーリに巻き掛かる際に該プーリのベルト巻き掛け溝に当接するベルト幅方向における左右両端のフランク面が形成されて該ベルト巻き掛け溝から受ける圧力に対抗する多数のブロックと、前記多数のブロックを環状に配列した状態で保持するバンドとを備えた伝動ベルトにおいて、
    前記ブロックに、前記プーリに巻き掛かる際に前記フランク面よりも先に前記ベルト巻き掛け溝に当接して該ブロックが前記プーリに衝突する際の衝撃を緩和する緩衝部が形成されていることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 前記緩衝部は、前記左右のフランク面のそれぞれのベルト径方向における外周側端部および/または内周側端部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト。
  3. 前記緩衝部は、前記ブロックの本体部分よりも剛性が低い弾性材料により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の伝動ベルト。
  4. 前記緩衝部は、前記ブロックの本体部分から一体に突出しかつ該本体部分よりも前記圧力に対する剛性が低くなる形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の伝動ベルト。
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