JP2011163358A - 過流出防止弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス栓本体内に組み込まれる筒主体(10)内に弁シート部(20)を具備する金属製の弁座体(2)が嵌め込まれ、その上流側に円板状の弁体(12)が配設され、弁体(12)は弁付勢バネ(22)により開弁方向に付勢され、ガスの過流出時に、弁体(12)が弁シート部(20)に圧入することにより、ガス流路を遮断する構成の過流出防止弁に関し、弁体(12)の円滑な作動を確保すると共に、上流側からのガスと下流側から戻ってくる圧力波の影響により弁体(12)が初期位置と閉弁位置との間で往復運動を繰り返すチャタリング現象の発生を防止すること。
【解決手段】弁シート部(20)は上流側に向かって拡径するテーパ面からなり、前記テーパ面には樹脂被膜(5)が形成され、弁シート部(20)に嵌入する弁体(12)の外周面(50)は外方に凸の断面円弧状に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】弁シート部(20)は上流側に向かって拡径するテーパ面からなり、前記テーパ面には樹脂被膜(5)が形成され、弁シート部(20)に嵌入する弁体(12)の外周面(50)は外方に凸の断面円弧状に形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、過流出防止弁、特に、ガス栓等のガス流路内に組み込まれ、前記ガス流路に一定以上のガスが流れたとき前記ガス流路を自動的に遮断する過流出防止弁に関する。
図3は過流出防止弁(1)を内挿させたガス栓の断面図である。
ガス栓本体(3)内には上流端の配管接続口(30)から下流端のプラグ接続口(32)に繋がるL字状のガス流路(36)が貫通している。ガス流路(36)の屈曲部よりも上流側には、ガスゴム管の外れ等に起因するガス流の急増によって閉弁し、ガス流路(36)を遮断する過流出防止弁(1)が内挿されている。又、プラグ接続口(32)にはOリング(37)を介してプラグ筒(31)が螺合接続されている。
プラグ筒(31)内には、バネ(33)で閉弁方向に付勢されたスライド弁(34)が収容されてあり、スライド弁(34)の上流側端面には、上流側への移動により過流出防止弁(1)のリセット軸(11)の先端を押し込み可能なリセット体(35)が突設されている。
ガス栓本体(3)内には上流端の配管接続口(30)から下流端のプラグ接続口(32)に繋がるL字状のガス流路(36)が貫通している。ガス流路(36)の屈曲部よりも上流側には、ガスゴム管の外れ等に起因するガス流の急増によって閉弁し、ガス流路(36)を遮断する過流出防止弁(1)が内挿されている。又、プラグ接続口(32)にはOリング(37)を介してプラグ筒(31)が螺合接続されている。
プラグ筒(31)内には、バネ(33)で閉弁方向に付勢されたスライド弁(34)が収容されてあり、スライド弁(34)の上流側端面には、上流側への移動により過流出防止弁(1)のリセット軸(11)の先端を押し込み可能なリセット体(35)が突設されている。
図4に示すものは、過流出防止弁(1)の初期状態の断面図である。
ガス流路が貫通している樹脂製の筒主体(10)内に、金属製の環状弁座体(2)が内嵌されてあり、弁座体(2)の内周面には弁シート部(20)が設けられている。
さらに、筒主体(10)内には、弁座体(2)内に嵌入する円板状の弁体(12)が収容されてあり、弁体(12)の下流側には第1弁軸(13)が、上流側には第2弁軸(14)が突出している。第1弁軸(13)は、筒主体(10)内に一体的に且つ同心状に設けられているガイド筒(15)の貫通孔(23)に上流側から進退自在に嵌め込まれ、第2弁軸(14)は、筒主体(10)の上流端に設けられているガイド板(16)の中央孔(24)に進退自在に差し込まれている。ガイド筒(15)の下流側の大径孔部(27)には、リセット軸(11)の上流側軸部(17)がバネ(21)を介して進退自在に嵌め込まれている。
又、ガイド筒(15)と弁体(12)との間には、弁体(12)を弁シート部(20)から離反する方向に付勢する弁付勢バネ(22)が介在されている。
ガス流路が貫通している樹脂製の筒主体(10)内に、金属製の環状弁座体(2)が内嵌されてあり、弁座体(2)の内周面には弁シート部(20)が設けられている。
さらに、筒主体(10)内には、弁座体(2)内に嵌入する円板状の弁体(12)が収容されてあり、弁体(12)の下流側には第1弁軸(13)が、上流側には第2弁軸(14)が突出している。第1弁軸(13)は、筒主体(10)内に一体的に且つ同心状に設けられているガイド筒(15)の貫通孔(23)に上流側から進退自在に嵌め込まれ、第2弁軸(14)は、筒主体(10)の上流端に設けられているガイド板(16)の中央孔(24)に進退自在に差し込まれている。ガイド筒(15)の下流側の大径孔部(27)には、リセット軸(11)の上流側軸部(17)がバネ(21)を介して進退自在に嵌め込まれている。
又、ガイド筒(15)と弁体(12)との間には、弁体(12)を弁シート部(20)から離反する方向に付勢する弁付勢バネ(22)が介在されている。
上述したような過流出防止弁(1)を収納させたガス栓本体(3)のプラグ筒(31)に、図3に示したようなワンタッチカップリング方式のガスソケット(4)を接続すると、進退軸(39)がスライド弁(34)と共にプラグ筒(31)内の上流側に押し込まれ、これに伴ってリセット体(35)が上流側へ移動し、図5に示すように、リセット体(35)により、リセット軸(11)が押込まれた後、リセット体(35)はリセット軸(11)の押し込み位置を通過し、リセット軸(11)は初期位置に復帰する。
上記接続状態にて、例えば、ガスソケット(4)に接続されているゴム管(40)が外れて大気に開放する等、ガス栓本体(3)内にガスの過流出状態が生じた場合には、図6に示すように、弁体(12)が、弁付勢バネ(22)の付勢力に抗して弁座体(2)内に嵌入し、その外周面が弁シート部(20)内に圧接する。これにより、ガス栓本体(3)のガス流路(36)は遮断される。
上記接続状態にて、例えば、ガスソケット(4)に接続されているゴム管(40)が外れて大気に開放する等、ガス栓本体(3)内にガスの過流出状態が生じた場合には、図6に示すように、弁体(12)が、弁付勢バネ(22)の付勢力に抗して弁座体(2)内に嵌入し、その外周面が弁シート部(20)内に圧接する。これにより、ガス栓本体(3)のガス流路(36)は遮断される。
このとき、弁体(12)は急激に弁座体(2)内に嵌入するので、筒主体(10)の下流端側から圧力波が生じ、前記圧力波はゴム管(40)内をその開放端に向って伝搬する。
筒主体(10)の下流端からゴム管(40)の開放端までの距離が短いと、前記圧力波はゴム管(40)の開放端から大気へ抜けるため何ら問題ないが、筒主体(10)の下流端からゴム管(40)の開放端までの距離が特定の長さにおいて、前記圧力波がゴム管(40)の開放端から過流出防止弁(1)側へ戻される現象が生じる。圧力波が過流出防止弁(1)側へ戻されると、前記圧力波に押されて、閉弁状態にある弁体(12)が上流側へ戻され、閉弁状態を維持することができず、図4に示す初期位置に戻る。しかしながら、ガス栓本体(3)内は過流出状態のままであるから、弁体(12)は再び弁シート部(20)側へ移動する。このように、圧力波によって弁体(12)が初期位置と閉弁位置との往復運動を繰り返すチャタリング現象が生じる。
筒主体(10)の下流端からゴム管(40)の開放端までの距離が短いと、前記圧力波はゴム管(40)の開放端から大気へ抜けるため何ら問題ないが、筒主体(10)の下流端からゴム管(40)の開放端までの距離が特定の長さにおいて、前記圧力波がゴム管(40)の開放端から過流出防止弁(1)側へ戻される現象が生じる。圧力波が過流出防止弁(1)側へ戻されると、前記圧力波に押されて、閉弁状態にある弁体(12)が上流側へ戻され、閉弁状態を維持することができず、図4に示す初期位置に戻る。しかしながら、ガス栓本体(3)内は過流出状態のままであるから、弁体(12)は再び弁シート部(20)側へ移動する。このように、圧力波によって弁体(12)が初期位置と閉弁位置との往復運動を繰り返すチャタリング現象が生じる。
このようなチャタリング現象を解決するものとして、実開平8−1608に開示のものを考案した。
このものでは、図示しないが、第2弁体(14)に多数のつば部を同心状に設け、弁体(12)の作動時に、前記つば部をガイド板(16)の下面に衝突させることで、弁体(12)の移動速度を遅くして弁体(12)の急激な閉弁を抑えることによって、上記したような弁体(12)のチャタリング現象を防止しようとしている。
このものでは、図示しないが、第2弁体(14)に多数のつば部を同心状に設け、弁体(12)の作動時に、前記つば部をガイド板(16)の下面に衝突させることで、弁体(12)の移動速度を遅くして弁体(12)の急激な閉弁を抑えることによって、上記したような弁体(12)のチャタリング現象を防止しようとしている。
しかしながら、上記したようなつば部を設ける構成としたものでは、つば部の取り付け姿勢によって弁体(12)を作動させるガス流量に大きなバラツキが生じ、特に、つば部がガイド板(16)に引っ掛かった場合には、弁体(12)が所定の作動流量で作動しない不都合が生じることがある。
本発明は、『ガス栓内やガス配管内のガス流路に沿って組み込まれる筒主体と、前記筒主体内に気密状態に嵌め込まれる金属製の弁座体と、前記弁座体の内周面に形成される弁シート部と、前記弁シート部にその上流側から対向する円板状の弁体と、前記弁体を開弁方向に付勢する弁付勢バネとからなり、ガスの過流出時に、前記弁体が前記弁シート部に嵌入することにより前記ガス流路を遮断するように、前記弁シート部及び前記弁体の大きさ及び弁付勢バネの付勢力は所定の値に設定されている過流出防止弁』において、前記弁体の円滑な作動を確保した上で、上流側からのガスと下流側からの圧力波の影響により弁体が初期位置と閉弁位置との間で往復運動を繰り返すチャタリング現象の発生を防止できるようにすることをその課題とする。
上記課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、『前記弁シート部は上流側に向かって拡径するテーパ面からなり、前記テーパ面には樹脂被膜が形成され、前記弁シート部に圧接する前記弁体の外周面は外方に凸の断面円弧状に形成されている』ことである。
上記解決手段は次のように作用する。
弁座体は金属製であるが、弁シート部を構成しているテーパ面には樹脂被膜が形成されているため、前記弁シート部は、金属面が露出しているものに比べて弾性を有する。筒主体内にガスの過流出状態が生じると、円板状の弁体は、弁付勢バネの付勢力に抗して下流側へ押され、弁座体内に嵌入すると同時に、上流側に向かって拡径しているテーパ状の弁シート部に上流側から圧接する。このとき、弁シート部に形成されている樹脂被膜が、前記弁体の外方に凸の断面円弧状の外周面で押圧されることにより、前記樹脂被膜は、前記外周面の凸形状に応じて微小ながら凹む方向に弾性変形する。このように、樹脂被膜を弾性変形させながら弁体を弁シート部に圧接させることができるから、金属面からなる弁シート部に比べて、弁体の弁シート部に対する食いつき力が向上する。このため、前記テーパ面に形成された樹脂被膜と、外方に凸の断面円弧状に形成された弁体の外周面との接触面積が増加することとなり、弁体の弁シート部への保持力が増大する。
弁座体は金属製であるが、弁シート部を構成しているテーパ面には樹脂被膜が形成されているため、前記弁シート部は、金属面が露出しているものに比べて弾性を有する。筒主体内にガスの過流出状態が生じると、円板状の弁体は、弁付勢バネの付勢力に抗して下流側へ押され、弁座体内に嵌入すると同時に、上流側に向かって拡径しているテーパ状の弁シート部に上流側から圧接する。このとき、弁シート部に形成されている樹脂被膜が、前記弁体の外方に凸の断面円弧状の外周面で押圧されることにより、前記樹脂被膜は、前記外周面の凸形状に応じて微小ながら凹む方向に弾性変形する。このように、樹脂被膜を弾性変形させながら弁体を弁シート部に圧接させることができるから、金属面からなる弁シート部に比べて、弁体の弁シート部に対する食いつき力が向上する。このため、前記テーパ面に形成された樹脂被膜と、外方に凸の断面円弧状に形成された弁体の外周面との接触面積が増加することとなり、弁体の弁シート部への保持力が増大する。
ガス栓に接続されているガスゴム管の下流端が開放すると、弁体が急激に弁シート部に嵌入して閉弁状態となる。このとき生じる圧力波が弁体の下流側から前記ガスゴム管の開放端部に向って伝搬し、続いて、前記開放端部から筒主体に向かって戻って来て、前記弁体を上流側へ押し戻す方向の力として前記弁体に作用しても、弁シート部に対する弁体の食いつき力を向上させ、弁シート部の弁体保持力を増大させたから、弁体は弁座体内に圧入された閉弁状態を維持することができる。
さらに、樹脂被膜の弾性により、弁体の弁シート部への嵌入時の衝撃緩衝効果と、前記弁体の食いつきによる弁シート部の弁体保持力により、弁体の動きが圧力波の振動と同期せず、位相のズレが生じる。このため、仮に、閉弁状態にある弁体が圧力波に押されて弁シート部から一旦離反させられても、上記緩衝効果と位相のズレによって、急閉弁により生じる圧力波は減衰していく。そして、弁体は、数回往復運動した後、最終的には弁シート部のテーパ面に嵌入して閉弁状態を維持することとなる。
さらに、樹脂被膜の弾性により、弁体の弁シート部への嵌入時の衝撃緩衝効果と、前記弁体の食いつきによる弁シート部の弁体保持力により、弁体の動きが圧力波の振動と同期せず、位相のズレが生じる。このため、仮に、閉弁状態にある弁体が圧力波に押されて弁シート部から一旦離反させられても、上記緩衝効果と位相のズレによって、急閉弁により生じる圧力波は減衰していく。そして、弁体は、数回往復運動した後、最終的には弁シート部のテーパ面に嵌入して閉弁状態を維持することとなる。
請求項2に記載の過流出防止弁は、請求項1に係る発明のものにおいて、『前記樹脂被膜を前記弁座体の全体に形成した』もので、弁シート部を含む弁座体全体を樹脂被膜で覆うことにより、弁座体は樹脂被膜を介して筒主体内に嵌め込まれる態様となる。
請求項3に記載の過流出防止弁は、請求項1又は請求項2に係る発明のものにおいて、『前記樹脂被膜はポリパラキシリレン被膜である』としたものでは、ポリパラキシリレン樹脂の特性上、弁座体を構成している金属の表面素地とほぼ同等の表面粗さを保持しながら弾性を有する被膜表面を構成することができる。
本発明は、上記構成であるから、次の特有の効果を有する。
請求項1に係る発明によれば、弁シート部に対する弁体の食いつき力を向上させて、閉弁時における弁シート部の弁体保持力を増大させたから、閉弁時に弁体を上流側に押し戻す圧力波が生じても、弁体は弁座体内に圧入されて保持された閉弁状態を維持することができる。よって、弁体が初期位置と閉弁位置との往復運動を繰り返すチャタリング現象を防止することができる。又、弁体が樹脂被膜を弾性変形させながら弁シート部に圧入することにより、閉弁時における気密性が向上する。
金属面が露出する弁シート部では、弁体とのシール性を確保するために、弁シート部はできるだけ精密な円滑面に仕上げる必要があるが、弁シート部に樹脂被膜を形成することにより、前記樹脂被膜の弾性を利用して弁シート部に対する弁体の食いつき力を向上させることができるから、弁シート部を構成しているテーパ面の表面粗さは従来のものより荒くても十分なシール性を確保することができる。
弁座体に樹脂被膜を形成しているだけであるから、組み付けが煩雑化することもなく、弁体はガスの流量に応じてスムーズに作動させることができる。
請求項1に係る発明によれば、弁シート部に対する弁体の食いつき力を向上させて、閉弁時における弁シート部の弁体保持力を増大させたから、閉弁時に弁体を上流側に押し戻す圧力波が生じても、弁体は弁座体内に圧入されて保持された閉弁状態を維持することができる。よって、弁体が初期位置と閉弁位置との往復運動を繰り返すチャタリング現象を防止することができる。又、弁体が樹脂被膜を弾性変形させながら弁シート部に圧入することにより、閉弁時における気密性が向上する。
金属面が露出する弁シート部では、弁体とのシール性を確保するために、弁シート部はできるだけ精密な円滑面に仕上げる必要があるが、弁シート部に樹脂被膜を形成することにより、前記樹脂被膜の弾性を利用して弁シート部に対する弁体の食いつき力を向上させることができるから、弁シート部を構成しているテーパ面の表面粗さは従来のものより荒くても十分なシール性を確保することができる。
弁座体に樹脂被膜を形成しているだけであるから、組み付けが煩雑化することもなく、弁体はガスの流量に応じてスムーズに作動させることができる。
請求項2に係る発明によれば、弁シート部を含む弁座体の全体に樹脂被膜を形成することにより、弁座体は樹脂被膜を介して筒主体に嵌め込まれる態様となるから、弁座体と筒主体との気密性が向上する。又、弁座体全体を、錆の発生や腐食から保護することができる。
上述したような樹脂被膜としては、請求項3に係る発明のように、ポリパラキシリレン被膜が採用可能である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施の形態の過流出防止弁(1)は、図3に示したもののように、ガス栓本体(3)の配管接続口(30)に続く胴部内に収容されるものであり、図1及び図4に示すように、筒主体(10)に、これに装着される金属製の弁座体(2)と、弁座体(2)の弁シート部(20)に嵌入する弁体(12)が収容され、弁体(12)の下流側に突出させた第1弁軸(13)がガイド筒(15)の貫通孔(23)に進退自在に挿入され、弁体(12)の上流側に突出させた第2弁軸(14)は弁座体(2)の上流側のガイド板(16)の中央孔(24)に進退自在に挿入され、弁体(12)とガイド筒(15)との間にバネ(22)が介装されている構造においては、既述の従来例と同様である。
この実施の形態の過流出防止弁(1)は、図3に示したもののように、ガス栓本体(3)の配管接続口(30)に続く胴部内に収容されるものであり、図1及び図4に示すように、筒主体(10)に、これに装着される金属製の弁座体(2)と、弁座体(2)の弁シート部(20)に嵌入する弁体(12)が収容され、弁体(12)の下流側に突出させた第1弁軸(13)がガイド筒(15)の貫通孔(23)に進退自在に挿入され、弁体(12)の上流側に突出させた第2弁軸(14)は弁座体(2)の上流側のガイド板(16)の中央孔(24)に進退自在に挿入され、弁体(12)とガイド筒(15)との間にバネ(22)が介装されている構造においては、既述の従来例と同様である。
本発明の弁座体(2)は黄銅によって環状に成型されていると共に、その内周面を構成している弁シート部(20)は、図1に示すように、上流側に向って拡径するテーパ面で構成されてあり、さらに、弁座体(2)は、その全体が、ポリパラキシリレンの被膜(5)でコーティングされている。
尚、前記テーパ面の頂角は6度〜12度程度に設定されていると共に、ポリパラキシリレンの被膜(5)は、2〜10ミクロンの肉厚に設定されている。又、弁シート部(20)を構成しているテーパ面は、Rz6μm以下の表面粗さを有するように切削加工により構成されている。
尚、前記テーパ面の頂角は6度〜12度程度に設定されていると共に、ポリパラキシリレンの被膜(5)は、2〜10ミクロンの肉厚に設定されている。又、弁シート部(20)を構成しているテーパ面は、Rz6μm以下の表面粗さを有するように切削加工により構成されている。
ポリパラキシリレンはそれが塗布される金属素地とほぼ同じ表面粗さを構成するため、弁シート部(20)上のポリパラキシリレンの表面粗さは、上記したテーパ面の表面粗さとほぼ同じとなる。金属素地が露出したままの弁シート部(20)では、弁体(12)とのシール性を確保するために、弁シート部(20)を構成する面はできる限り精密な円滑面とすることが望ましいが、本願のものでは、ポリパラキシリレンの被膜(5)の弾性を利用することにより、弁体(12)を密に嵌入させることができる。よって、弁シート部(20)の表面粗さが、従来の金属面のものよりも粗くても、弁体(12)とのシール性能を確保することができる。
上記弁座体(2)内に圧入される弁体(12)は、円板状に構成されてあり、外方に凸で且つ下流側に向かって小径となる断面円弧状に形成されている外周面が弁シート部(20)に圧接することにより過流出防止弁(1)が閉弁する。
この閉弁状態では、図2に示すように、弁シート部(20)の表面に形成されているポリパラキシリレン被膜(5)が、弁体(12)の外周面(50)で押圧されることにより微小ながら弾性変形することにより、弁体(12)の外周面(50)の、弁座体(2)の弁シート部(20)への食いつき力を向上させている。これにより、金属素地が露出したままの弁シート部(20)に比べて、弁体(12)と弁シート部(20)(ポリパラキシリレン被膜(5))との接触面積が増加すると共に、弁体(12)はポリパラキシリレン被膜(5)に弾性的に保持されるため、弁シート部(20)に対する弁体(12)の圧接力は増大する。
この閉弁状態では、図2に示すように、弁シート部(20)の表面に形成されているポリパラキシリレン被膜(5)が、弁体(12)の外周面(50)で押圧されることにより微小ながら弾性変形することにより、弁体(12)の外周面(50)の、弁座体(2)の弁シート部(20)への食いつき力を向上させている。これにより、金属素地が露出したままの弁シート部(20)に比べて、弁体(12)と弁シート部(20)(ポリパラキシリレン被膜(5))との接触面積が増加すると共に、弁体(12)はポリパラキシリレン被膜(5)に弾性的に保持されるため、弁シート部(20)に対する弁体(12)の圧接力は増大する。
過流出防止弁(1)内の弁体(12)が急激に作動することにより、過流出防止弁(1)の下流端から圧力波が生じ、それが、ガスの開放部までの距離との関係で過流出防止弁(1)側へ戻って来ることにより、閉弁状態にある弁体(12)が開弁方向に押される力が生じても、弁座体(2)の弁シート部(20)による弁体(12)の保持力が大きいことから、弁体(12)は閉弁状態を保持することができ、安易に弁シート部(20)から離反することはない。よって、上述したような、弁体(12)が閉弁状態と開弁状態の間を往復するチャタリング現象を防止することができる。
又、弁体(12)の外周面(50)の、弁シート部(20)のポリパラキシリレン被膜(5)に対する衝撃緩衝効果と弁体保持力の強さにより、弁体(12)の動きと圧力波の振動との間に位相のズレが生じることから、万一、圧力波の影響で弁体(12)が弁シート部(20)から一旦離反しても、弁体(12)の閉弁動作による圧力波は徐々に減衰するから、数回の弱いチャタリング現象の後は確実に消失し、弁体(12)の閉弁状態を維持することができる。
又、弁体(12)の外周面(50)の、弁シート部(20)のポリパラキシリレン被膜(5)に対する衝撃緩衝効果と弁体保持力の強さにより、弁体(12)の動きと圧力波の振動との間に位相のズレが生じることから、万一、圧力波の影響で弁体(12)が弁シート部(20)から一旦離反しても、弁体(12)の閉弁動作による圧力波は徐々に減衰するから、数回の弱いチャタリング現象の後は確実に消失し、弁体(12)の閉弁状態を維持することができる。
又、弁座体(2)の全体にポリパラキシリレン被膜(5)をコーティングする構成としたから、弁座体(2)における錆の発生や腐食を防止することができ、ガス栓本体(3)のメンテナンスを長期に渡って不要とする上に、弁座体(2)を筒主体(10)の内周面に形成した収容溝(18)に気密状態に収容することができる。
さらに、弁体(12)の作動時において弁体(12)の引っ掛かりによる弁体(12)の閉弁の不作動や作動流量の大きなバラツキを防止することができ、弁体(12)のスムーズな作動が可能となる。
さらに、弁体(12)の作動時において弁体(12)の引っ掛かりによる弁体(12)の閉弁の不作動や作動流量の大きなバラツキを防止することができ、弁体(12)のスムーズな作動が可能となる。
この実施の形態では、ポリパラキシリレン被膜(5)は弁座体(2)の全体を覆う態様に形成したが、チャタリング現象の防止には、少なくとも、弁座体(2)の弁シート部(20)にポリパラキシリレン被膜(5)を形成しておけばよい。
又、ガス配管内にセットされる過流出防止弁(1)にも採用可能である。
又、ガス配管内にセットされる過流出防止弁(1)にも採用可能である。
(1) ・・・・・・・過流出防止弁
(10)・・・・・・・筒主体
(12)・・・・・・・弁体
(2) ・・・・・・・弁座体
(20)・・・・・・・弁シート部
(22)・・・・・・・弁付勢バネ
(3) ・・・・・・・ガス栓本体
(36)・・・・・・・ガス流路
(5) ・・・・・・・樹脂被膜(ポリパラキシリレン被膜)
(50)・・・・・・・外周面
(10)・・・・・・・筒主体
(12)・・・・・・・弁体
(2) ・・・・・・・弁座体
(20)・・・・・・・弁シート部
(22)・・・・・・・弁付勢バネ
(3) ・・・・・・・ガス栓本体
(36)・・・・・・・ガス流路
(5) ・・・・・・・樹脂被膜(ポリパラキシリレン被膜)
(50)・・・・・・・外周面
Claims (3)
- ガス栓内やガス配管内のガス流路に沿って組み込まれる筒主体と、前記筒主体内に気密状態に嵌め込まれる金属製の弁座体と、前記弁座体の内周面に形成される弁シート部と、前記弁シート部にその上流側から対向する円板状の弁体と、前記弁体を開弁方向に付勢する弁付勢バネとからなり、ガスの過流出時に、前記弁体が前記弁シート部に嵌入することにより前記筒主体内の前記ガス流路を遮断するように、前記弁シート部及び前記弁体の大きさ及び弁付勢バネの付勢力が所定の値に設定されている過流出防止弁において、
前記弁シート部は上流側に向かって拡径するテーパ面からなり、
前記テーパ面には樹脂被膜が形成され、
前記弁シート部に圧接する前記弁体の外周面は外方に凸の断面円弧状に形成されている過流出防止弁。 - 請求項1に記載の過流出防止弁において、前記樹脂被膜を前記弁座体の全体に形成した過流出防止弁。
- 請求項1又は請求項2に記載の過流出防止弁において、前記樹脂被膜はポリパラキシリレン被膜である過流出防止弁。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2010
- 2010-02-04 JP JP2010023144A patent/JP2011163358A/ja active Pending
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