JP2011163289A - 流体圧縮機の制御方法及び流体圧縮機 - Google Patents

流体圧縮機の制御方法及び流体圧縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】圧縮機本体の吸入側圧力の変化によって圧縮機本体を駆動するインバータ駆動型のモータに動力オーバーが生じることを防止する。
【解決手段】圧縮機本体10の吐出側圧力Pdと該吐出側圧力Pdを前記目標圧力Pfに一致させるモータ15の回転速度を実現する目標周波数F pidとの関係を予め規定し,検出した吐出側圧力Pdに基づき目標周波数F pidを算出する。また,圧縮機本体10の吸入側圧力Psと該吸入側圧力Psにおいてモータ15を定格出力以下の出力で運転する回転速度を実現する上限周波数F maxとの関係を予め規定しておき,検出した吸入側圧力Psに基づき上限周波数F maxを算出し,前記目標周波数F pidと比較し,いずれか低い周波数でモータ15を駆動する。
【選択図】図1

Description

本発明は流体圧縮機の制御方法及び前記制御方法を実現可能な構成を備えた流体圧縮機に関し,例えば都市ガスを圧縮する流体圧縮機のように,供給圧力が変化する被圧縮流体を圧縮するに適した流体圧縮機の制御方法及び流体圧縮機に関する。
空気,燃料ガス,その他の各種流体,主として気体を圧縮し,所定の圧力に圧縮された圧縮流体を得る流体圧縮機は各種の用途で使用されており,一例として都市ガスを燃料とするガスエンジンやガスタービンに対して前記都市ガスを供給する際に,都市ガスを一定の圧力に昇圧する際に使用されている。
このような流体圧縮機1の一例として,図6に示す流体圧縮機1は,シリンダ内に2本のスクリュロータを噛み合い回転可能に配置すると共に,該シリンダ内に潤滑油を供給して,スクリュロータ間及びスクリュロータとシリンダ間の密封や冷却,潤滑を可能とした油冷式のスクリュ圧縮機本体10を備えた流体圧縮機1であり,この流体圧縮機1は,前述の油冷式のスクリュ圧縮機本体10と,該圧縮機本体10を駆動するモータ15等の駆動源,前記圧縮機本体10より潤滑油と共に吐出された圧縮流体を導入すると共に,圧縮流体と潤滑油とを分離するレシーバタンク12を備えると共に,前記圧縮機本体10の吸入口10aを開放又は閉塞する吸入制御弁33を備えた構造となっている。
そして,前記流体圧縮機1の消費側に接続された前述のガスエンジンやガスタービン等の消費機器16による圧縮流体の消費量に応じて,前記吸気制御弁33を制御して圧縮機本体10に導入される被圧縮流体の吸入量を調整する吸入制御と,前記圧縮機本体を駆動する駆動源の回転速度を制御して圧縮機本体の運転速度を制御する速度制御とを行う容量制御が行われており,消費側に一定圧力の圧縮流体を効率的に供給することができるように構成されている。
なお,このような速度制御の方法として,圧縮機本体10の吐出側圧力Pd(図6の例では供給通路63内の圧力)を圧力検出手段50’によって検出し,検出された吐出側圧力Pdを,インバータ31のPID演算部に入力して,予め設定された目標圧力Pfと一致させるように圧縮機本体10を駆動するモータ15に入力する電源周波数を前記インバータ31で所定の出力周波数に変化させることで,モータ15の回転速度,従って圧縮機本体10の運転速度を変化させる燃料ガス圧縮機の容量制御装置が提案されている(特許文献1参照)。
また,消費機器であるガスタービンが緊急停止等した際の急激な燃料消費量の減少に伴う圧縮機本体の吐出側圧力の異常上昇を回避するために,圧縮機本体の吐出流路と吸込流路とを連通するバイパス流路を設けると共に,このバイパス流路を開閉する開閉弁を設け,吐出流路内の圧力が所定範囲よりも大きくなった場合には前記開閉弁の開度を大きくし,所定範囲よりも小さくなった場合には前記開閉弁の開度を小さくすることにより,吐出流路内の圧力が一定となるようにしたガスタービン用燃料圧縮機も提案されている(特許文献2の図1参照)。
特開2005−344655号公報 特開平6−50178号公報
前述したように,ガスエンジンやガスタービンの燃料として都市ガスを使用する場合,ガスの供給事業者によって供給された都市ガスを加圧してガスエンジンやガスタービンに導入することが行われる。
この都市ガスは,埋設管等を介して搬送することができるよう,都市ガスの供給事業者によって所定の圧力(供給圧力)に加圧された状態で消費者である各家庭や商業施設,工場等に供給されている。
しかし,各消費者が受け取る都市ガスの供給圧力,例えばガス機器の入口におけるガス圧力は常に一定ではなく,所定の圧力範囲内において変化するものとなっている。
従って,このような都市ガスのように所定の供給圧力に加圧された状態で供給される流体を圧縮対象とする流体圧縮機では,圧縮機本体の吸入側圧力が,このような供給圧力の変化に伴って変化する。
ここで,圧縮機本体の回転速度(インバータの出力周波数)及び圧縮機本体の吐出側圧力を一定とした運転状態(以下,この状態を「回転速度一定運転」という。)を想定し,この回転速度一定運転にある圧縮機本体の吸入側圧力を変化させた場合を考えると,圧縮機本体の吸入側圧力と吐出側圧力との差が大きくなればなる程,圧縮機本体は高い圧縮比で圧縮を行う必要がある。
そのため,前述したように回転速度を一定とした回転速度一定運転では,吸入側の被圧縮流体の圧力が低くなればなる程,圧縮機本体から吐出される圧縮流体を基準状態(被圧縮流体が気体の場合,圧力0.1013MPa,温度0℃,相対湿度0%の状態)に換算した吐出量(以下、単に吐出量という。)が減少することとなり,これとは逆に,吸入側における被圧縮気体の圧力が高くなればなる程,圧縮機本体による圧縮流体の吐出量は増加する。
なお,流体圧縮機からガスエンジンやガスタービン等の消費機器へ供給される圧縮流体の最大供給量は,ガスエンジンやガスタービン等の消費機器が最大の消費量で圧縮流体の消費を継続した場合であっても,一定圧力の圧縮流体を必要量供給できるように決定する必要があり,また,このような最大供給量の圧縮流体を供給することができるように,全負荷運転時における圧縮機本体の回転速度(全負荷回転速度)が決定される必要がある。
以上の点を踏まえ,被圧縮気体の圧力,即ち圧縮機本体の吸入側圧力が変化した場合であっても,消費側に一定圧力の圧縮流体を必要量供給することができるようにするためには,圧縮機本体の吐出量が最も少なくなる吸入側圧力Ps,即ち,圧縮機本体の吸入側圧力Psの変化域において想定される最低の圧力(許容最低値Ps min)にある場合を基準とし,この許容最低値Ps minの場合において前述の最大供給量を発生することができる回転速度を全負荷回転速度として設定し,更に,圧縮機本体を駆動するモータの出力容量を,吸入側圧力Psが許容最低値Ps minのときに圧縮機本体を全負荷回転速度で運転したときの圧縮機機本体の動力に対し,所定の余裕を持たせた設定とする必要がある。
しかし,前述した回転速度一定運転にある圧縮機本体において,圧縮機本体の吸入側圧力を変化させて圧縮機本体の動力変化を観察すると,吸入側圧力の変化と,圧縮機本体の動力との間には,図5に示すような相関関係が存在することが確認された。
そして,図5から判るように,圧縮機本体の吸入側圧力が比較的低い範囲(例えば0.1MPaG以下の範囲)では,吸入側圧力が上昇すると圧縮機本体の動力が上昇する傾向にあり,特に,圧縮機本体の吐出側圧力の設定が高圧となるに伴い,このような関係が顕著に表れる。
そのため,吸入側圧力Psが前述した許容最低値Ps minにある場合において前述した全負荷回転速度や,モータの出力容量を決定すると,圧縮機本体の動力に対してモータの出力容量に十分な余裕を設けなければ,吸入側圧力が上昇した場合に動力オーバーとなってモータ及び圧縮機本体が非常停止してしまうおそれがある。
この点に対し,先に従来技術として紹介した特許文献1,2に記載の容量制御では,いずれも圧縮機本体の吐出側の圧力変化に従って吸入制御や速度制御を行うものであり,圧縮機本体の吸入側圧力の変化に伴う動力オーバーに対し何等の対処がなされていない。
一方,このような動力オーバーに備えて大出力のモータを使用すればコスト高となり流体圧縮機が高価となるだけでなく,消費電力が増えてランニングコストも嵩む。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたもので,圧縮機本体の吸入側圧力の変化によってもモータに動力オーバーが生じることを防止できる流体圧縮機の制御方法及び前記制御方法を実現可能な流体圧縮機を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の流体圧縮機1の運転制御方法は,例えば都市ガスのように加圧された状態で供給される被圧縮流体を圧縮対象とし,前記被圧縮流体を吸い込んで圧縮する圧縮機本体10と,前記圧縮機本体10を駆動するモータ15を備え,前記圧縮機本体10の吐出側圧力Pdを検出して該圧縮機本体10の吐出側圧力Pdが予め設定された目標圧力Pfと一致するよう前記モータ15に入力する電源周波数をインバータ31により変化させて前記圧縮機本体10の回転速度を制御する速度制御を行う流体圧縮機1の運転制御方法において,
前記圧縮機本体10の吐出側圧力Pdと該吐出側圧力Pdを前記目標圧力Pfに一致させる前記モータ15の回転速度を実現する目標周波数F pidとの関係を,例えば関係式により表した第1の対応関係として規定すると共に,
前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psと該吸入側圧力Psにおいて前記モータ15を定格出力以下の出力で運転する回転速度である上限回転速度を実現する上限周波数F maxとの関係を第2の対応関係として予め規定しておき,
検出された前記圧縮機本体10の吐出側圧力Pdに前記第1の対応関係を適用して求めた前記目標周波数F pidと,検出された前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psに前記第2の対応関係を適用して求めた前記上限周波数F maxとを比較して,いずれか低い周波数により前記モータ15を駆動することを特徴とする(請求項1)。
上記制御方法において,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化範囲(Ps min〜Ps max)内において設定された所定の切換基準圧力Ps refと,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps ref以下であるときに適用される低圧用上限周波数F1 maxと,前記吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps refを越えたときに適用される高圧用上限周波数F2 maxをそれぞれ前記モータ15の定格出力以下の範囲で規定して前記第2の対応関係とし,
前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psを検出し,前記検出された吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps ref以下の時,前記低圧用上限周波数F1 maxを前記上限周波数F maxとし,検出された吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps refを越えた時,前記高圧用上限周波数F2 maxを前記上限周波数F maxとすることができる(請求項2)。
また,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化と,該吸入側圧力Psの変化に対して前記圧縮機本体10を前記モータ15の定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転する周波数である上限周波数F maxの変化との関係を前記第2の対応関係とすると共に,
前記第2の対応関係に基づいて,検出した前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化に基づき前記上限周波数F maxを可変とするものとしても良い(請求項3)。
更に,前述したように圧縮機本体10の吸入側圧力Psが所定の切換基準圧力Ps ref以下である場合に低圧用上限周波数F1 maxを,所定の切換基準圧力Ps refを越える場合に高圧用上限周波数F2 maxを適用する構成(請求項2)において,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化と,該吸入側圧力Psの変化に対して前記圧縮機本体10を前記モータの定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転する周波数である上限周波数F maxの変化との対応関係を求めておき,この対応関係に基づいて,測定された前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化に基づき前記高圧用上限周波数F2 maxを可変とするものとしても良い(請求項4)。
なお,前記吸入側圧力Psの上昇に伴い前記上限周波数F maxが低くなるよう前記第2の対応関係を設定するものとしても良い(請求項5)。
また,前記制御方法を実施する本発明の流体圧縮機1は,加圧された状態で供給される被圧縮流体を圧縮対象とし,前記被圧縮流体を吸い込んで圧縮する圧縮機本体10と,前記圧縮機本体10を駆動するモータ15と,前記モータ15に入力する電源周波数を可変とするインバータ31,及び,前記圧縮機本体10の吐出側圧力Pdを検出する吐出側圧力検出手段50を備え,前記吐出側圧力検出手段50が検出した前記吐出側圧力Pdを,予め設定された目標圧力Pfと一致するよう前記モータ15に入力する電源周波数をインバータ31により変化させて前記圧縮機本体10の回転速度を制御する制御装置40を備えた流体圧縮機1において,
前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psを検出する吸入側圧力検出手段52を設けると共に,
前記制御装置40に,
前記圧縮機本体10の吐出側圧力Pdと,該吐出側圧力Pdを前記目標圧力Pfに一致させる圧縮機本体10の回転速度を実現する目標周波数F pidとの関係を例えば関係式によって規定した第1の対応関係に基づいて,前記吐出側圧力検出手段50が検出した圧力Pdより前記目標周波数F pidを算出するPID演算部431と,
前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psと該吸入側圧力Psにおいて前記モータ15を定格出力以下の出力で運転する回転速度である上限回転速度を実現する上限周波数F maxとの関係を規定した第2の対応関係に基づいて,前記吸入側圧力検出手段52が検出した圧力Psより前記上限周波数F maxを算出する上限周波数演算部412を設け,
前記PID演算部431が算出した前記目標周波数F pidと前記上限周波数演算部412が算出した上限周波数F maxとを比較して,いずれか低い周波数を前記モータ15に出力するよう前記インバータ31を制御する周波数制限部432とを設けたことを特徴とする(請求項6)。
上記流体圧縮機1の構成において,
前記上限周波数演算部412が,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化範囲(Ps min〜Ps max)内において設定された所定の圧力である切換基準圧力Ps refと,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps ref以下であるときに適用される低圧用上限周波数F1 maxと,前記吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps refを越えたときに適用される高圧用上限周波数F2 maxを前記第2の対応関係とし,
前記吸入側圧力検出手段52が検出した吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps ref以下の時,前記低圧用上限周波数F1 maxを前記上限周波数F maxとして算出すると共に,前記吸入側圧力検出手段52が検出した吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps refを越えた時,前記高圧用上限周波数F2 maxを前記上限周波数F maxとして算出するように構成することができる(請求項7)。
また,前記構成に代え,前記上限周波数演算部412が,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化と,該吸入側圧力Psの変化に対して前記圧縮機本体10を前記モータ15の定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転する周波数である上限周波数F maxの変化との関係を前記第2の対応関係とし,
前記第2の対応関係に基づいて前記吸入側圧力検出手段52が検出した吸入側圧力Psに対応する前記上限周波数F maxを算出するように構成しても良い(請求項8)。
なお,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが所定の切換基準圧力Ps ref以下である場合に低圧用上限周波数F1 maxを,所定の切換基準圧力Ps refを越える場合に高圧用上限周波数F2 maxを適用する構成(請求項7)とした場合において,
前記第2の対応関係に前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化と,該吸入側圧力Psの変化に対して前記圧縮機本体10を前記モータ15の定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転する周波数である上限周波数F maxの変化との対応関係を含めておき,
前記上限周波数演算部412が,前記対応関係に基づいて前記高圧用上限周波数F2 maxを算出するものとしても良い(請求項9)。
更に,上記いずれかの流体圧縮機1の構成において,前記上限周波数演算部412が,前記吸入側圧力Psの上昇に伴い前記上限周波数F maxが低くなるよう規定された前記第2の対応関係に基づいて前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの上昇に伴い低い値の上限周波数F maxを算出するようにすることもできる(請求項10)。
以上説明した構成により,本発明の流体圧縮機1の制御によれば,モータ15を定格出力以下の出力で運転する上限周波数F maxを圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化に対応して算出し,目標周波数F pidと前記上限周波数F maxとを比較して,いずれか低い方の周波数でモータ15を駆動することから,圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化により圧縮機本体10の動力が上昇しても,モータ15に過大な負荷がかかることを防止でき,これにより動力オーバーによって流体圧縮機1が非常停止することを好適に防止することができた。
このように上限周波数F maxを可変とする方法として,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化範囲(Ps min〜Ps max)内における所定の圧力を切換基準圧力Ps refとして設定し,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが,前記切換基準圧力Ps ref以下であるときに適用される低圧用上限周波数F1 maxと,前記吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps refを越えたときに適用される高圧用上限周波数F2 maxを設定して前記第2の対応関係とし,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psを検出し,前記検出された吸入側圧力Psが前記切換基準圧力Ps ref以下の時,前記低圧用上限周波数F1 maxを前記上限周波数F maxとし,検出された吸入側圧力Psが切換基準圧力Ps refを越えた時,前記高圧用上限周波数F2 maxを前記上限周波数F maxとするように構成した場合には,前記上限周波数F maxの変更を比較的単純な方法によって行うことができた。
また,前記第2の対応関係として,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化と,該吸入側圧力Psの変化に対して前記圧縮機本体10を前記モータ15の定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転する周波数である上限周波数F maxの変化との関係を予め求めておく場合,圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化に対して上限周波数F maxを徐々に変化させることができた。
その結果,吸入側圧力Psの変化範囲(Ps min〜Ps max)の全域において,圧縮機本体10の動力に対してモータ15の出力を適性な余裕とすることができると共に,上限周波数F maxを可及的に高い周波数とすることができ,圧縮機本体10の吐出量を増加させることができた。
本発明の流体圧縮機の概略説明図。 本発明における吸入側圧力の変化と上限周波数の切換との関係を示すグラフ。 本発明における吸入側圧力の変化と上限周波数の変化の関係を示すグラフ。 本発明における別の吸入側圧力の変化と上限周波数の変化との関係を示すグラフ。 吸入側圧力−圧縮機本体動力の相関図。 従来の流体圧縮機の構成例を示す説明図(特許文献1の図4に対応)。
以下に,添付図面を参照しながら本発明の制御方法が実現される流体圧縮機について説明する。
1.流体圧縮機(燃料ガス圧縮機)の全体構成
図1において,1は流体圧縮機(本実施形態にあっては「燃料ガス圧縮機」)であり,図示の実施形態においてこの燃料ガス圧縮機1は,油冷式のスクリュ圧縮機である圧縮機本体10と,前記圧縮機本体10より潤滑油と共に吐出された燃料ガスを導入するレシーバタンク12,該レシーバタンク12内に導入された燃料ガスから潤滑油を分離して除去し,該油分の除去された燃料ガスを消費側に供給するセパレータ14を備える点,及び圧縮機本体10を駆動するモータ15を備える点においては従来技術における流体圧縮機と同様の構成である。
なお,本実施形態にあっては,前述のように圧縮機本体10として油冷式のスクリュ圧縮機本体を使用する例を説明するが,この油冷式のスクリュ圧縮機本体に代え,前述のオイルフリーのスクリュ圧縮機本体を使用しても良い。このようなオイルフリーのスクリュ圧縮機本体10を使用する場合には,前述のレシーバタンク12やセパレータ14は必ずしも必要ではない。
前述の圧縮機本体10の吐出口10bは,吐出通路61を介して前記レシーバタンク12に連通されていると共に,該レシーバタンク12と圧縮機本体10の給油口10c間には,給油通路62が連通され,レシーバタンク12内に回収された潤滑油が,該レシーバタンク12内の圧力により圧縮機本体10の給油口10cに供給されて,シリンダ内のスクリュロータの潤滑,密封,冷却を行うように構成されており,前記圧縮機本体10,吐出通路61,レシーバタンク12,給油通路62で,潤滑油の循環系が形成されている。
なお,給油通路62には図示しないオイルクーラが設けられ,圧縮機本体10に導入される潤滑油を冷却する。
レシーバタンク12に設けられた前述のセパレータ14には,該セパレータ14により油分の除去された燃料ガスを燃料消費機器16(本実施形態にあってはガスタービン)に供給するための供給通路63が連通されており,セパレータ14により潤滑油の除去された,加圧された燃料ガスが燃料消費機器16に供給されている。
2.容量制御装置
以上のように構成された流体圧縮機1には,圧縮機本体10の吐出側圧力Pdを予め設定された目標圧力Pfと一致するように圧縮機本体10を駆動するモータ15の回転速度を制御する速度制御手段と,圧縮機本体10の吐出側圧力Pdを,前記目標圧力Pfよりも高い予め設定された基準圧力と比較し,該比較結果に基づいて圧縮機本体10の吸入口10aを開閉制御して圧縮機本体10に対する被圧縮流体の吸入量を制御する吸入制御手段が設けられており,この速度制御手段と吸入制御手段によって,流体圧縮機1の容量制御を行う容量制御装置が実現されている。
2−1.吸入制御手段
この容量制御装置を構成する手段のうち,前述の吸入制御手段は,前述したように圧縮機本体10に対する被圧縮流体の吸入量を制御するもので,本実施形態にあっては,吸入制御弁33と,この吸入制御弁33に対して供給通路63内の圧縮流体を導入する制御配管35,前記制御配管35を開閉する電磁弁34,及び該電磁弁34を開閉する制御信号を出力する制御装置40によって構成されている。
そして,吐出側圧力検出手段50によって検出された圧縮機本体10の吐出側圧力Pdと,制御装置40の図示せざる記憶手段に記憶された前述の基準圧力とを比較し,前記制御装置40において実現される吸入制御部42が前記比較結果に対応した制御信号を出力して電磁弁34を開閉することで,吸入制御弁33の作動圧室に対する圧縮流体の導入を制御している。
従って,この電磁弁34の開閉により吸入制御弁33が開閉制御され,圧縮機本体10に対する被圧縮流体の導入量を制御することができるように構成されている。
なお,図1に示す例では,吐出側圧力検出手段50による圧縮機本体10の吐出側圧力Pdの検出を,供給通路63内の圧力を検出することにより行っているが,この吐出側圧力Pdの検出は,圧縮機本体10の吐出口10bから消費機器16に至るいずれの位置において行っても良い。
本実施形態にあっては,前記吸入制御弁33として圧縮流体の導入により閉弁する常時開放型のものを使用し,該吸入制御弁33の閉弁受圧室に前記制御配管35を連通し,電磁弁34により制御配管35を開いて供給通路63内の圧縮流体を導入すると圧縮機本体の吸入口10aが閉じ又は絞られ,電磁弁34により制御配管35を閉じると,圧縮機本体10の吸入口10aが開くように構成している。
この電磁弁34は,制御信号がONのときに閉弁する常時開放型のものを使用し,制御装置40の吸入制御部42からの制御信号により,前記制御配管35を開閉するもので,圧縮機本体10の吐出側圧力(本実施形態にあっては供給通路63内の圧力)が,予め設定された基準圧力以下のとき,前記電磁弁を閉じ圧縮機本体10の吸入口10aを開くと共に,この基準圧力を超えたとき,前記電磁弁34を開き,圧縮機本体10の吸入口10aを閉じ,又は絞ることで,圧縮機本体10に対する吸入制御を行う。
2−2.速度制御手段
前述の吸入制御手段と共に,流体圧縮機1の容量制御装置を構成する速度制御手段は,前記吐出側圧力検出手段50,吸入側圧力検出手段52,モータ15に入力する電源電圧及び周波数を可変するインバータ31,及び,前記吐出側圧力検出手段50及び吸入側圧力検出手段52によって検出された圧力に従って,前記インバータ31を制御する制御装置40を備えている。
本実施形態にあっては,この制御装置40の一部,及び吐出側圧力検出手段50を,前述の吸入制御手段と共用した構成としており,従って,制御装置40の一部及び吐出側圧力検出手段50は,前述した吸入制御手段の構成要素であると共に,ここで説明する速度制御手段の構成要素でもある。
もっとも,これらの構成要素は,吸入制御手段と速度制御手段とでそれぞれ別個に設けるものとしても良い。
この制御装置40は,電子制御装置によって実現されるもので,図示の実施形態にあっては,前述の吸入制御部42と共通の電子制御装置において実現される速度制御部41と,インバータ31のスイッチング素子等を制御するために設けられた例えばマイクロプロセッサ等において実現されるインバータ制御部43を備えている。
なお,図示の実施形態にあっては,前述の速度制御部41と,インバータ制御部43とを,異なる電子制御装置によって実現するものとしているが,これらは単一の電子制御装置によって実現するものであっても良い。
このうちの,速度制御部41を実現する電子制御装置には,速度制御の際の基準となる目標圧力Pfが記憶乃至は設定されていると共に,吸入側圧力検出手段52によって検出された圧縮機本体10の吸入側圧力(ガス流通路64内の圧力)と,検出された圧縮機本体10の吸入側圧力Psにおいてモータ15を定格出力以下の出力で駆動することとなる上限周波数F maxとが,第2の対応関係として関連付けて記憶乃至は設定されている。
そして,速度制御部41において実現される圧力信号出力部411によって,前述の目標圧力Pfと前記吐出側圧力検出手段50が検出した圧縮機本体10の吐出側圧力Pdを所定の圧力信号に変換して後述のインバータ制御部43に対して出力されると共に,速度制御部41において実現される上限周波数演算部412によって,前記第2の対応関係に従い,検出された圧縮機本体10の吸入側圧力Psに基づいて上限周波数F maxが算出され,算出された上限周波数F maxが後述のインバータ制御部43に対して出力されるように構成されている。
本実施形態では前述の第2の対応関係として,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが所定の切換基準圧力Ps ref以下であるときに適用される低圧用上限周波数F1 maxと,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが切換基準圧力Ps refを越えた特に適用される高圧用上限周波数F2 maxを求めておき,前述の上限周波数演算部412は,圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化に従い,インバータ制御部43に出力する上限周波数F maxを低圧用上限周波数F1 max又は高圧用上限周波数F2 maxに切り換えることができるように構成している。
ここで,本実施形態にあっては前述の高圧用上限周波数F2 maxは,前述の低圧用上限周波数F1 maxに対して低く設定されており(図2参照),従って,低圧用上限周波数F1 maxに対して高圧用上限周波数F2 maxによって実現される回転速度は低速となっている。
前述のインバータ制御部43は,本実施形態にあっては前述したようにインバータ31を構成するスイッチング素子等を駆動制御するためのマイクロプロセッサ等の電子制御装置により実現されるもので,このインバータ制御部43には,吐出側圧力Pdを目標圧力Pfと一致させる周波数(目標周波数F pid)の変化との関係を表す,第1の対応関係を予め規定し,前記速度制御部41に設けた圧力信号出力部411より受信する吐出側圧力Pdと目標圧力Pfの圧力信号に基づいて,検出された吐出側圧力Pdを目標圧力Pfと一致させる周波数(目標周波数F pid)を演算するPID演算部431が実現されている。
前記PID演算部431に予め規定された前記第1の対応関係は,例えば吐出側圧力Pdから目標圧力Pfを減算(Pd−Pf)して圧力差Δpを求め,この圧力差Δpを0にするようPID演算して周波数の変化量Δfを求め、この変化量Δfに応じて目標周波数F pidを増減する関係式である。
また,前述のインバータ制御部43には,PID演算部431の演算結果と前記速度制御部41の上限周波数演算部412より受信した演算結果である上限周波数F max(F1 max又はF2 max)とを比較して,いずれか低い周波数がモータ15に対して出力されるように,インバータ31に設けられたスイッチング素子の動作等を制御する周波数制限部432が実現されており,これによりモータ15に入力される電源周波数が,前述の上限周波数F max(F1 max又はF2 max)超えないように制御されている。
前述したように,インバータ制御部43のPID演算部431で吐出側圧力Pdと目標圧力Pfとの圧力差Δp(Δp=Pd−Pf)を求める本実施形態にあっては,圧力差Δpが負の場合に目標周波数F pidを増加させ,正の場合に目標周波数F pidを減少させ,差が大きいときに目標周波数F pidの変化量を大きくし,差が小さいときに変化量を小さくする。
なお,上記制御装置40には,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが上昇して所定の圧力を超えたとき,流体圧縮機1を非常停止する図示せざる保護装置等を設けるものとしても良い。
3.作用等
以上のように構成された流体圧縮機1において,流体圧縮機1を起動すると,制御装置40の速度制御部41において実現される圧力信号出力部411は,吐出側圧力検出手段50が検出した圧縮機本体10の吐出側圧力Pdと予め設定された目標圧力Pfとを所定の圧力信号に変換し、この圧力信号をインバータ制御部43へ出力する。
また,速度制御部41において実現される上限周波数演算部412は,吸入側圧力検出手段52が検出した圧縮機本体10の吸入側圧力Psに基づいて,上限周波数Fmax(F1 max又はF2 max)を演算し,インバータ制御部43へ出力する。
圧力信号出力部411からの圧力信号を受信したインバータ制御部43は,この圧力信号をPID演算部431に入力し,吐出側圧力Pdと目標圧力Pfの圧力信号に基づいて,圧縮機本体10の吐出側圧力Pdを目標圧力Pfに一致させる(乃至は近付ける)ためにモータ15に入力すべき目標周波数Fpidを演算する。
また,インバータ制御部43の周波数制限部432は,前述のPID演算部431が求めた目標周波数F pidと,速度制御部41の上限周波数演算部412が演算により求めた上限周波数F max(F1 max又はF2 max)を比較し,何れか小さい(低い)周波数がモータ15へ出力されるよう,インバータ31を制御する。
ここで,流体圧縮機の起動直後は圧縮機本体10の吐出側圧力と目標圧力間の圧力差Δpが大きいことから,PID演算部431による演算で求められる目標周波数F pidは比較的高い値となり,上限周波数演算部412によって求められた上限周波数Fmax(F1 max又はF2 max)よりも高くなる。このことからインバータ31がモータ15に出力する周波数は,上限周波数F maxとなる。
一方,圧縮機本体10の吐出側圧力Pdが,目標圧力Pfと一致した状態になると,圧縮機本体10の吐出側圧力Pdと目標圧力Pfとの圧力差Δpが0となり,インバータ31は出力する周波数を維持し,また,吐出側圧力Pdが目標圧力Pfを超え,圧力差が正(+)のΔpになるとPID演算部431はインバータ31が出力する周波数を下降させ,吐出側圧力Pdが目標圧力Pfを下回り,圧力差が負(−)のΔpになるとPID演算部431はインバータ31から出力する周波数を上昇する。
ここで,回転速度一定運転において圧縮機本体の吐出側圧力Pdが目標圧力Pfと一致した状態(Δp=0)にあるとき,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが許容最低値Ps minの例えば0.06MPaGから上昇傾向にあると,この回転速度一定運転において吸入側圧力Psと吐出側圧力Pd間の圧力差が小さくなるために圧縮率が低下し,この圧縮率の低下分,圧縮機本体10の吐出量が増加して吐出側圧力Pdが上昇しようとする。
しかし,圧縮機本体10の吐出側圧力Pdが上昇すると,インバータ制御部43のPID演算部431が吐出側圧力Pdと目標圧力Pfとを一致させるように回転速度を低下させる目標周波数F pidを演算し,また,これとは逆に吸入側圧力Psが許容最高値Ps maxである例えば0.15MPaGから低下する傾向にあると,回転速度一定運転における吸入側圧力Psと吐出側圧力Pd間の圧力差が大きくなるためにより大きな圧縮率が必要となり,この圧縮率の上昇分,吐出量が減少し圧力が低下しようとするが,同様にインバータ制御部43のPID演算部431がこの吸入側圧力Psの低下に対して目標周波数F pidを上昇するように演算する結果,圧縮機本体10の吐出側圧力Pdが目標圧力と一致した状態が維持される。
そして,インバータ制御部43の周波数制限部432は,吸入側圧力検出手段52によって検出された圧縮機本体10の吸入側圧力Psに基づいて上限周波数演算部412が演算により求めた上限周波数F max(F1 max又はF2 max)と,PID演算部431が演算により求めた目標周波数F pidとを比較していずれかの低い周波数がモータ15へ出力されるよう,インバータ31を制御する。
この,上限周波数演算部412は,第2の対応関係に従って圧縮機本体10の吸入側圧力Psが所定の切換基準圧力Ps ref以下であるときには,低圧用上限周波数F1 maxを,吸入側圧力Psが切換基準圧力Ps refを越えるときには,前記低圧用上限周波数F1 maxに対して低い周波数に設定された高圧用上限周波数F2 maxをそれぞれ上限周波数F maxとして演算する。
このように,本発明の制御方法によれば,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが変化しても,吐出側圧力Pdを一定に保つことができると共に,吸入側圧力Psが上昇して圧縮機本体10の動力が上昇するような場合であっても,上限周波数演算部412により周波数の上限値を演算し,周波数制限部で周波数の上昇,従って回転速度の上昇を制限することで,圧縮機本体10の動力がモータ15の出力を越えて非常停止することが防止されている。
4.変更例
以上,図2を参照して説明した実施形態にあっては,速度制御部41の上限周波数演算部412が,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが切換基準圧力Ps refを越えて上昇した場合,上限周波数F maxを低圧用上限周波数F1 maxから高圧用上限周波数F2 maxに切り換えて,上限周波数F max,従って上限回転速度を低く変更する処理を行うものとして説明した。
これに対し,本実施形態にあっては,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが,許容最低値Ps minから許容最大値Ps maxに上昇するに従い,周波数の上限値F maxを徐々に低下させることにより,圧縮機本体10の動力がモータ15の定格出力を越えることがないように制御している(図3参照)。
このような制御を可能とするために,本実施形態にあっては,図2を参照して説明した実施形態の構成に代え,第2の対応関係として前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化と,該吸入側圧力Psの変化に対して前記圧縮機本体10を前記モータ15の定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転することとなる回転速度を実現することとなる上限周波数F maxの変化との関係を規定しておき,速度制御部41の上限周波数演算部412が,吸入側圧力検出手段52が検出した吸入側圧力Psに従って,上限周波数F maxをリニアに変化させることができるようにした。
このように構成したことにより,図2を参照して説明した実施形態にあっては,吸入側圧力Psの上昇に伴い圧縮機本体の動力が上昇する関係にある場合において,切換基準圧力Ps refを超えて更に上昇して許容最大値Ps maxとなった場合であっても適性余裕が確保できるようにするためには,吸入側圧力Psが切換基準圧力Ps refを越えたとき,上限周波数F maxを低圧用上限周波数F1 maxから高圧用上限周波数F2 maxに適性余裕以上の余裕が生じるように急激に低下させる必要があり,上限周波数F maxを低下した直後では圧縮機本体10の動力に対してモータ15の出力が過大な状態となっている。
しかし,本実施形態の構成では,吸入側圧力Psが,許容最低値Ps minと許容最大値Ps max間のいずれの圧力である場合にも,圧縮機本体10の動力に対し,モータ15の出力がいずれも適性な余裕となっており,過大となっている部分が存在しない。
そのため,本実施形態の構成では,図2を参照して説明した実施形態と同様,圧縮機本体の動力がモータの出力範囲を超えて非常停止することを防止できるだけでなく,図2を参照して説明した実施形態に比較して,吸入側圧力Psの変化域の全体に亘り上限周波数Fmaxを高く設定することができ,これにより圧縮機本体10による圧縮流体の吐出量を増加させることができた。
なお,図4は,前記圧縮機本体10の吸入側圧力Psの変化と,該吸入側圧力Psの変化に対して前記圧縮機本体10を前記モータ15の定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転することとなる回転速度を実現する上限周波数F maxの変化との関係に基づいて,上限周波数F maxを徐々に低下させる点では,図3を参照して説明した実施形態と同様であるが,図2を参照して説明した実施形態において,圧縮機本体10の吸入側圧力Psが所定の切換基準圧力Ps refを越えた際に適用される高圧用上限周波数F2 maxの算出を,前記対応関係に基づいて行うようにしたものであり,このように構成した場合においても圧縮機本体の動力がモータの出力範囲を超えて非常停止することを防止できる。
なお,以上の例ではいずれも本発明の制御方法を燃料ガス圧縮機に適用する場合を例に挙げて説明したが,本発明は,所定圧力の圧縮流体を吸入して昇圧する昇圧機にも適用可能である。
1 流体圧縮機(燃料圧縮機)
10 圧縮機本体
10a 吸入口
10b 吐出口
10c 給油口
12 レシーバタンク
14 セパレータ
15 モータ
16 消費機器(ガスタービン)
31 インバータ
33 吸入制御弁
34 電磁弁
35 制御配管
40 制御装置
41 速度制御部
411 圧力信号出力部
412 上限周波数演算部
42 吸入制御部
43 インバータ制御部
431 PID演算部
432 周波数制限部
50 吐出側圧力検出手段(圧力センサ)
50’ 圧力検出手段(圧力センサ)
52 吸入側圧力検出手段(圧力センサ)
61 吐出通路
62 給油通路
63 供給通路
64 ガス流通路
Pd 吐出側圧力
Pf 目標圧力
Ps 吸入側圧力
Ps min 許容最低値(吸入側圧力Psの)
Ps max 許容最大値(吸入側圧力Psの)
Ps ref 切換基準圧力
F pid 目標周波数
F max 上限周波数
F1 max 低圧用上限周波数
F2 max 高圧用上限周波数

Claims (10)

  1. 加圧された状態で供給される被圧縮流体を圧縮対象とし,前記被圧縮流体を吸い込んで圧縮する圧縮機本体と,前記圧縮機本体を駆動するモータを備え,前記圧縮機本体の吐出側圧力を検出して該圧縮機本体の吐出側圧力が予め設定された目標圧力と一致するよう前記モータに入力する電源周波数をインバータにより変化させて前記圧縮機本体の回転速度を制御する速度制御を行う流体圧縮機の運転制御方法において,
    前記圧縮機本体の吐出側圧力と該吐出側圧力を前記目標圧力に一致させる前記モータの回転速度を実現する目標周波数との関係を第1の対応関係として規定すると共に,
    前記圧縮機本体の吸入側圧力と該吸入側圧力において前記モータを定格出力以下の出力で運転する回転速度である上限回転速度を実現する上限周波数との関係を第2の対応関係として予め規定しておき,
    検出された前記圧縮機本体の吐出側圧力に前記第1の対応関係を適用して求めた前記目標周波数と,検出された前記圧縮機本体の吸入側圧力に前記第2の対応関係を適用して求めた前記上限周波数とを比較して,いずれか低い周波数により前記モータを駆動することを特徴とする流体圧縮機の運転制御方法。
  2. 前記圧縮機本体の吸入側圧力の変化範囲内において設定された所定の切換基準圧力と,前記圧縮機本体の吸入側圧力が前記切換基準圧力以下であるときに適用される低圧用上限周波数と,前記吸入側圧力が前記切換基準圧力を越えたときに適用される高圧用上限周波数をそれぞれ前記モータの定格出力以下の範囲で規定して前記第2の対応関係とし,
    前記圧縮機本体の吸入側圧力を検出し,前記検出された吸入側圧力が前記切換基準圧力以下の時,前記低圧用上限周波数を前記上限周波数とし,検出された吸入側圧力が前記切換基準圧力を越えた時,前記高圧用上限周波数を前記上限周波数とすることを特徴とする請求項1記載の流体圧縮機の運転制御方法。
  3. 前記圧縮機本体の吸入側圧力の変化と,該吸入側圧力の変化に対して前記圧縮機本体を前記モータの定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転する周波数である上限周波数の変化との関係を前記第2の対応関係とすると共に,
    前記第2の対応関係に基づいて,検出した前記圧縮機本体の吸入側圧力の変化に基づき前記上限周波数を可変としたことを特徴とする請求項1記載の流体圧縮機の運転制御方法。
  4. 前記圧縮機本体の吸入側圧力の変化と,該吸入側圧力の変化に対して前記圧縮機本体を前記モータの定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転する周波数である上限周波数の変化との対応関係を求めておき,この対応関係に基づいて,測定された前記圧縮機本体の吸入側圧力の変化に基づき前記高圧用上限周波数を可変としたことを特徴とする請求項2記載の流体圧縮機の運転制御方法。
  5. 前記吸入側圧力の上昇に伴い前記上限周波数が低くなるよう前記第2の対応関係を設定したことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の流体圧縮機の運転制御方法。
  6. 加圧された状態で供給される被圧縮流体を圧縮対象とし,前記被圧縮流体を吸い込んで圧縮する圧縮機本体と,前記圧縮機本体を駆動するモータと,前記モータに入力する電源周波数を可変とするインバータ,及び,前記圧縮機本体の吐出側圧力を検出する吐出側圧力検出手段を備え,前記吐出側圧力検出手段が検出した前記吐出側圧力を,予め設定された目標圧力と一致するよう前記モータに入力する電源周波数をインバータにより変化させて前記圧縮機本体の回転速度を制御する制御装置を備えた流体圧縮機において,
    前記圧縮機本体の吸入側圧力を検出する吸入側圧力検出手段を設けると共に,
    前記制御装置に,
    前記圧縮機本体の吐出側圧力と,該吐出側圧力を前記目標圧力に一致させる圧縮機本体の回転速度を実現する目標周波数との関係を規定した第1の対応関係に基づいて,前記吐出側圧力検出手段が検出した圧力より前記目標周波数を算出するPID演算部と,
    前記圧縮機本体の吸入側圧力と該吸入側圧力において前記モータを定格出力以下の出力で運転する回転速度である上限回転速度を実現する上限周波数との関係を規定した第2の対応関係に基づいて,前記吸入側圧力検出手段が検出した圧力より前記上限周波数を算出する上限周波数演算部を設け,
    前記PID演算部が算出した前記目標周波数と前記上限周波数演算部が算出した上限周波数とを比較して,いずれか低い周波数を前記モータに出力するよう前記インバータを制御する周波数制限部とを設けたことを特徴とする流体圧縮機。
  7. 前記上限周波数演算部が,
    前記圧縮機本体の吸入側圧力の変化範囲内において設定された所定の圧力である切換基準圧力と,圧縮機本体の吸入側圧力が前記切換基準圧力以下であるときに適用される低圧用上限周波数と,前記吸入側圧力が前記切換基準圧力を越えたときに適用される高圧用上限周波数を前記第2の対応関係とし,
    前記吸入側圧力検出手段が検出した吸入側圧力が前記切換基準圧力以下の時,前記低圧用上限周波数を前記上限周波数として算出すると共に,前記吸入側圧力検出手段が検出した吸入側圧力が前記切換基準圧力を越えた時,前記高圧用上限周波数を前記上限周波数として算出することを特徴とする請求項6記載の流体圧縮機。
  8. 前記上限周波数演算部が,
    前記圧縮機本体の吸入側圧力の変化と,該吸入側圧力の変化に対して前記圧縮機本体を前記モータの定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転する周波数である上限周波数の変化との関係を前記第2の対応関係とし,
    前記第2の対応関係に基づいて前記吸入側圧力検出手段が検出した吸入側圧力に対応する前記上限周波数を算出することを特徴とする請求項6記載の流体圧縮機。
  9. 前記第2の対応関係に前記圧縮機本体の吸入側圧力の変化と,該吸入側圧力の変化に対して前記圧縮機本体を前記モータの定格出力に対して所定の余裕分低い動力で運転する周波数である上限周波数の変化との対応関係を予め含めておき,
    前記上限周波数演算部が,前記対応関係に基づいて前記高圧用上限周波数を算出することを特徴とする請求項6記載の流体圧縮機。
  10. 前記上限周波数演算部が,前記吸入側圧力の上昇に伴い前記上限周波数が低くなるよう規定された前記第2の対応関係に基づいて前記圧縮機本体の吸入側圧力の上昇に伴い低い値の上限周波数を算出することを特徴とする請求項6〜9いずれか1項記載の流体圧縮機。
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