JP2011163237A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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隆史 渡辺
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Abstract

【課題】容量制御時における圧力損失を低減し、より効率よく容量制御を行うことができ、また高い耐久性、信頼性を得ることのできるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】固定スクロール30と旋回スクロール20との間に形成される圧縮空間から流体を排出したり、圧縮空間に流体を注入するためのポート60を、固定スクロール30の端板31の厚さが変わる段差壁面61Wに形成した。
【選択図】図5

Description

本発明は、空気調和機等に用いられるスクロール圧縮機に関する。
空気調和機等に用いられるスクロール圧縮機は、固定スクロールと旋回スクロールとを備える。固定スクロール、旋回スクロールは、それぞれ円板状の端板の一面側に、渦巻状のラップ壁が一体に形成されたものである。このような固定スクロールと旋回スクロールを、ラップ壁を噛み合わせた状態で対向させ、固定スクロールに対して旋回スクロールを公転旋回運動させる。そして、双方のラップ壁の間に形成される圧縮空間を外周側から内周側に移動させつつその容積を減少させることで、圧縮空間内の流体の圧縮を行う。
このようなスクロール圧縮機においては、圧縮空間内の流体の圧縮の過程に、流体の一部を逃がすことで、特に低能力時(低回転時)における圧力損失を低減する、容量制御を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。容量制御型のスクロール圧縮機においては、固定スクロールに容量制御ポートを設け、低能力時には、この容量制御ポートを開く制御を行うことで、圧縮空間内の流体の一部を逃がしている。
また、容量制御ポート以外にも、液冷媒を圧縮するにラップ壁が破損するのを防ぐためのリリーフポート、過大圧縮を防ぐためのマルチポート、液冷媒を封入して吐出温度を抑える液インジェクションポート、ガス冷媒を封入して暖房能力を増加させるガスインジェクションポート等、他の目的のポートを設けることもある。
これらのポートは、固定スクロールの端板、つまり固定スクロールの端板とラップ壁とによって形成される渦巻き状の溝の底面に開口して形成されている。
特開2000−18182号公報
しかしながら、従来のスクロール圧縮機においては、以下に示すような問題が存在する。
まず、固定スクロールに対する旋回スクロールの旋回により、固定スクロールに形成されたポートは、常にその一部が旋回スクロールのラップ壁によって塞がれることになる。したがって、ポートの開口面積に対し、実際に流体の排出に寄与する有効面積が小さく、圧力損失低減の効率向上が妨げられるという問題がある。
また、固定スクロール、旋回スクロールのラップ壁の先端部には、ラップ壁に対向する旋回スクロールまたは固定スクロールの端板との間のシール性を確保するとともに、摩擦を低減するために、セラミック等からなるチップシールが設けられている。このチップシールは、前述の固定スクロールに対する旋回スクロールの旋回時において、ポートの周縁部に近接しながら動く。固定スクロール、旋回スクロールの製造時における加工誤差、あるいはチップシールの旋回スクロールに対する組み付け誤差、温度上昇に伴う各部の膨張等により、チップシールとポートのクリアランスが想定以上に小さくなり、これらが互いに干渉してしまう可能性もある。チップシールがポートの周縁部に干渉すると、チップシールが破損したり、傷ついたりして、スクロール圧縮機の耐久性、信頼性に悪影響を与えることもある。
また、ポートが容量制御用である場合、以下に示すような問題もある。
固定スクロールのラップ壁と旋回スクロールのラップ壁とによって囲まれた圧縮空間内の流体は、固定スクロールに対する旋回スクロールの旋回によって圧縮されるが、固定スクロールのラップ壁と旋回スクロールのラップ壁とによって囲まれて圧縮空間が締め切られるタイミングと、圧縮空間の一部が容量制御ポートに臨む位置に到達して、容量制御ポートから圧縮空間内の流体の一部が流れ出るタイミングとが一致するとは限らない。圧縮空間が閉塞され、さらに固定スクロールに対する旋回スクロールの旋回により、圧縮空間内の流体が圧縮し始めても、容量制御ポートから圧縮空間内の流体が流れ出ないと、圧縮空間内の流体の圧力が高まり、旋回スクロールの旋回に高いエネルギーを要し、すなわち圧力損失が大きくなる。
したがって、特に、圧縮し始めるタイミングにおいて、圧縮空間内の流体を容量制御ポートから速やかに排出して容量制御を円滑に行う点において、改善の余地が存在するということになる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、高い耐久性、信頼性を得ることのできるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。また、他の目的は、容量制御時における圧力損失を低減し、より効率よく容量制御を行うと言うものである。
かかる目的のもと、本発明のスクロール圧縮機は、外殻を形成するハウジング内に回転自在に支持された主軸と、主軸の中心に対してオフセットした位置に回転自在に連結され、円板状の旋回側端板に渦巻き状の旋回スクロール側ラップ壁が形成された旋回スクロールと、ハウジングに固定され、円板状の固定側端板に旋回スクロール側ラップ壁に対向する渦巻き状の固定スクロール側ラップ壁が形成されて、旋回スクロールと対向することで、旋回側端板、旋回スクロール側ラップ壁、固定側端板、固定スクロール側ラップ壁に囲まれて流体を圧縮する圧縮空間を形成する固定スクロールと、を備える。そして、固定側端板において、固定スクロール側ラップ壁によって区画されて形成される渦巻き状の溝底面が、第一の溝底面と、第一の溝底面よりも旋回スクロール側に位置する第二の溝底面とを備える。さらに、第一の溝底面と第二の溝底面との間で、第一の溝底面および第二の溝底面に直交する段差壁面に、圧縮空間の内外を連通するポートが一以上形成されていることを特徴とする。
このポートを通して、圧縮空間内の流体を圧縮空間の外部に排出することができる。より具体的には、ポートを通して圧縮空間内の流体を外部に排出することで、圧縮空間の容量を調整することができる。また、圧縮空間内の流体圧力が規定レベル以上となったときに、ポートを通して圧縮空間内の流体を外部に排出することもできる。
また、旋回側ラップ壁の段差部が、段差壁面に対向している状態においては、旋回スクロールのラップ壁の渦巻き方向内周側の圧縮空間と、ラップ壁の渦巻き方向外周側の圧縮空間とが、ポートを介して連通することになる。すると、圧縮空間が締め切られて圧縮空間内の流体が圧縮し始めると、ラップ壁を挟んで対向する圧縮空間に冷媒が流れる。
また、ポートを通して、圧縮空間の外部から液状態またはガス状態の流体を圧縮空間内に注入することもできる。
このようなポートは、段差壁面に複数設けることもできる。この場合、同じ用途のポートを複数設けても良いし、互いに異なる用途のポートを複数設けても良い。
また、一つのポートを、複数の用途で切り替えて用いることもできる。その場合、一つのポートに、切り替えバルブを介して複数の流体流路を接続し、切り替えバルブを切り替えることでポートに連通させる流体流路を選択する。
ここで、第一の溝底面と第二の溝底面は、いかなる配置で形成しても良いが、第一の溝底面は固定側端板において外周側に設けられるとともに、第二の溝底面は第一の溝底面に対して固定側端板の内周側に設けられることで、旋回スクロールと固定スクロールとの間に形成される圧縮空間が、外周側から内周側に向けてその断面積が漸次縮小する場合に特に有効である。
本発明によれば、ポートが、固定側端板の厚さが変わる段差壁面に形成されている。これにより、ポートの一部がラップ壁によって塞がれることもなく、ポートから圧縮空間内の流体を効率よく排出したり、ポートから圧縮空間内に流体を注入することができる。また、段差壁面のポートには旋回側ラップ壁の先端部に設けられるチップシールが対向することがないため、チップシールの耐久性を高め、圧縮機としての信頼性を高めることが可能となる。
また、旋回側ラップ壁の段差部が、段差壁面に対向している状態においては、旋回スクロールのラップ壁の渦巻き方向内周側の圧縮空間と、ラップ壁の渦巻き方向外周側の圧縮空間とが、ポートを介して連通することになる。すると、圧縮空間が締め切られて圧縮空間内の流体が圧縮し始めると、ラップ壁を挟んで対向する圧縮空間に冷媒が流れる。これにより、ポートを容量制御用とする場合、圧縮機の容量制御時における圧力損失を低減することができ、より効率よく容量制御を行うことができる。
また、効率よく容量制御を行えるため、ポート設置数を減少させることができる。一つのポートを複数の用途で兼用することでも、ポート設置数を減少させることができる。このようにして、圧縮機の機構を簡略化することができるので、圧縮機を製作する際の加工作業時間の短縮、部品点数の削減を図り、製造コストを低減することができる。
本実施の形態におけるスクロール圧縮機の全体構成を示す図である。 固定スクロールと旋回スクロールのかみ合い状態を示す図であって、主軸に沿った面における断面図である。 固定スクロールを示す図であって、(a)は主軸に直交する面における平面図、(b)は主軸に沿った面における断面図である。 固定スクロールの端板に形成された段部を示す断面図である。 固定スクロールの端板に形成された段部を示す斜視図である。 固定スクロールと旋回スクロールのかみ合い状態の変移を示す図である。 図6に続く状態を示す図である。 ポートの位置をオフセットさせた場合の例を示す斜視図である。 二つの用途でポートを兼用する場合の構成例を示す図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるスクロール圧縮機の構成を説明するための図である。本実施形態においては、圧縮機10を、空気調和用の冷凍サイクルシステムに用いる場合を例に挙げる。
この図1に示すように、圧縮機10は、縦型のスクロール型で、ハウジング11内に、主軸12と、主軸12とともに回転する旋回スクロール20と、ハウジング11に固定された固定スクロール30と、を備える。
このような圧縮機10においては、ハウジング11の一端側に形成された冷媒導入ポートP1からハウジング11内に冷媒(流体)が導入され、旋回スクロール20と固定スクロール30との間に形成された圧縮空間において冷媒が圧縮される。そして、圧縮された冷媒は、ハウジング11の他端側に形成された冷媒吐出ポートP2から吐出される。
旋回スクロール20は、円板状の端板(旋回側端板)21に、渦巻き状で所定の高さを有したラップ壁(旋回スクロール側ラップ壁)22が一体に形成されている。
一方、固定スクロール30は、旋回スクロール20に対向する端板(固定側端板)31には、旋回スクロール20のラップ壁22に対向して噛み合う渦巻き状のラップ壁(固定スクロール側ラップ壁)32が形成されている。
このようにして、旋回スクロール20と固定スクロール30は、ラップ壁22とラップ壁32を互いに組み合わせている。これにより、旋回スクロール20と固定スクロール30との間に、圧縮空間50を形成している。
これにより、旋回スクロール20、固定スクロール30の外周側から圧縮空間50に導入された冷媒は、固定スクロール30に対する旋回スクロール20の公転により、外周側から内周側に順次送られて圧縮される。圧縮空間50で圧縮された冷媒は、固定スクロール30に形成された吐出孔37、吐出孔37に設けられたリード弁38、固定スクロール30を覆うように設けられた上部カバー39に設けられたリード弁40を介し、ハウジング11の他端側に形成された冷媒吐出ポートP2から吐出される。
主軸12は、その両端部が、ハウジング11に軸受13、14を介して回転自在に支持されている。主軸12は、ハウジング11内面に固定された固定子15と、主軸12の外周面に固定され、固定子15と対向する回転子16とからなるモータ17によって回転駆動される。なお、主軸12は、一端をハウジング11を貫通して外部に突出させ、エンジンや外部に設けられたモータ等の図示しない駆動源が主軸12の一端に連結されることで回転駆動される構成とすることもできる。
主軸12の他端部には、主軸12の中心軸から予め定められた寸法だけ偏心した位置に、ボス18が突出形成されている。旋回スクロール20の主軸12側には、ボス18を収容する凹部23が形成されている。ボス18が、凹部23にドライブブッシュ(軸受)24を介して挿入されることで、このボス18に、旋回スクロール20が回転自在に保持されている。これにより、旋回スクロール20は、主軸12の中心に対し、予め定められた寸法だけ偏心して設けられ、主軸12がその軸線周りに回転すると、旋回スクロール20は、主軸12の中心に対して偏心した寸法を半径とした回転(公転)を行う。なお、旋回スクロール20が公転しつつも自転はしないよう、旋回スクロール20と主軸12との間には、オルダムリング(図示無し)が介在している。
また、主軸12には、ハウジング11の底部のオイル溜りから吸い上げた潤滑油を主軸12の上端部から主軸12と凹部23との間のドライブブッシュ24に供給するための潤滑油流路12aが形成されている。
さて、ここで、旋回スクロール20と固定スクロール30との間に形成される圧縮空間50の断面積が、外周側から内周側に向けて漸次縮小する度合いを高めるため、旋回スクロール20の端板21の両面側において、旋回スクロール20と固定スクロール30のラップ高さが外周側から内周側に向けて漸次縮小するようにする。
これには、図2に示すように、旋回スクロール20の端板21は、外周部21Aに対し内周部21Bが、固定スクロール30に対応する側の端板21の表面が固定スクロール30側に位置するように形成されている。一方、固定スクロール30の端板31は、外周部の第一の溝底面31Aに対し内周部の第二の溝底面31Bが、旋回スクロール20側に位置するように形成されている。これに伴い、旋回スクロール20のラップ壁22、固定スクロール30のラップ壁32の高さは、外周側から内周側に漸次縮小されるように形成されている。このようにして、旋回スクロール20と固定スクロール30のラップ高さは、固定スクロール30の外周側から内周側に向けて段階的に(階段状に)低くなっている。
ここで、旋回スクロール20のラップ壁22、固定スクロール30のラップ壁32において、固定スクロール30の端板31、旋回スクロール20の端板21と対向する先端部には、シール性を高めるため、セラミック系材料等からなるチップシール28、38が設けられている。
さて、図3、図4、図5に示すように、このような圧縮機10において、固定スクロール30の端板31には、ポート60が形成されている。このポート60は、端板31とラップ壁32とによって区画されて形成される螺旋状の溝100において、端板31の厚さが変わる外周部の第一の溝底面31Aと内周部の第二の溝底面31Bとの段差壁面61Wに形成されている。この段差壁面61Wは、溝100の歯底面100a(第一の溝底面31Aと第二の溝底面31B)に直交して立ち上がるように形成されている。段差壁面61Wは、歯底面100aに直交する方向から見たときに、溝100の幅に対応した直径を有した半円状をなしている。
図4に示すように、旋回スクロール20は、ラップ壁22の高さが、この段差壁面61Wに対応した部分において、高壁部22Hから低壁部22Lへと高さが切り替わる段差部62とされている。
このような旋回スクロール20は、ポート60が段差壁面61Wに形成されているため、その旋回中においてラップ壁22に設けられたチップシール28がポート60に対向することがない。
ところで、本実施形態において、ポート60は、段差壁面61Wにおいて、その半円形の頂部、つまり溝100の幅方向中央部に形成されている。このポート60は、端板31を貫通して外部に連通している。
このようなポート60には、図示しない開閉バルブ等が接続されており、ポート60の開閉が、圧縮機10の図示しないコントローラによって制御される。
このようなポート60は、例えば、容量制御用のポートとして用いることができる。容量制御用のポート60の場合、ポート60を通して圧縮空間内の冷媒を圧縮空間外に逃がして容量調整を行う。このようにポート60を容量制御ポートとして用いる場合、ポート60は低圧室側に連通させる。
図6(a)に示す状態から、旋回スクロール20が旋回すると、図6(b)に示す状態において、旋回スクロール20のラップ壁22と固定スクロール30のラップ壁32とが噛み合うことで、旋回スクロール20のラップ壁22の渦巻き方向内周側において固定スクロール30の外周面との間に形成される外側圧縮空間50Oと、ラップ壁22の渦巻き方向外周側において固定スクロール30の内周面との間に形成される内側圧縮空間50Iが、それぞれ締め切られる。そして、図6(b)に示す状態から、旋回スクロール20が旋回すると外側圧縮空間50O、内側圧縮空間50Iの圧縮過程が開始される。このとき、図7(a)に示すように、ポート60から、外側圧縮空間50O、内側圧縮空間50Iの冷媒が排出され、容量調整が行われる。このとき、図6(b)に示す、ラップ壁22の段差部62が段差壁面61Wの内周側61aにおいて固定スクロール30のラップ壁32に接触した状態以降、旋回スクロール20が旋回することで、図7(a)に示すように、旋回スクロール20を挟んでその両側に位置する外側圧縮空間50Oと内側圧縮空間50Iとが連通する。これにより、内側圧縮空間50I内の冷媒が、外側圧縮空間50Oに逃げるので、圧縮過程の初期段階から容量調整が効率よく行われる。
さらに旋回スクロール20を旋回させると、図7(b)に示す状態のように、ラップ壁22の段差部62が段差壁面61Wの外周側61bにおいて固定スクロール30のラップ壁32に当たり、外側圧縮空間50Oと内側圧縮空間50Iとの連通が解除される。
このように容量制御用とされたポート60の場合、図8に示すように、必要とする容量制御率に応じてポート60の位置を、段差壁面61Wにおいて、溝100の歯底面100aに沿った方向に、溝100の中心部からオフセットさせるとよい。ポート60の位置をオフセットさせると、旋回スクロール20を挟んでその両側に位置する外側圧縮空間50Oと内側圧縮空間50Iの連通時間を調節することができる。例えば、圧縮機10の全負荷(フルロード)に対し、ポート60を通して冷媒をバイパスさせることによる能力の減少量が少なくて良い場合は、ポート60は、段差壁面61Wにおいて溝100の幅方向中心部よりも圧縮機10の外周側(以下、単に外周側と称する。)61bに配置するのが好ましい。これは、図7(b)に示した位置辺りでポート連通が終了するからである。また、ポート60による能力減少量を大きく確保したい場合には、ポート60は、段差壁面61Wにおいて溝100の幅方向中心部よりも圧縮機10の内周側(以下、単に内周側と称する。)61aに配置するのが好ましい。これは、図6(b)に示す位置辺りまでポート連通が終了しないからである。
また、圧縮工程における圧力損失を減少するという観点からは、ポート60は、なるべく広い開口面積を確保するのが好ましい。
また、ポート60を、液冷媒を圧縮するときのラップ壁22、32の破損を防ぐためのリリーフポートとすることもできる。始動時等、何らかの原因で圧縮空間50内に液冷媒がある状態で圧縮機10を作動させて圧縮空間50内を圧縮すると、液冷媒は密度が高いために、ラップ壁22、32が破損する可能性がある。そこで、ポート60から圧縮空間50内の雰囲気を外部に逃がすことができる。このような用途のポート60は、圧縮過程においてポート60が常に圧縮空間50内の外部に連通するよう配置するのが好ましい。そこで、ポート60を段差壁面61Wに複数設けても良い。これにより、圧縮工程のいずれのタイミングにおいても、いずれかのポート60を常に外部に連通させることができる。ただし、ポート60は、リリーフポートとしての機能を満たす位置としつつも、圧力損失を抑えるために、なるべく外周側に設置するのが好ましい。
このようにポート60をリリーフポートとして用いる場合、ポート60は、具体的には、低圧室側に連通させる。
ポート60は、圧縮空間50内を過大に圧縮するのを防ぐため、必要とする設計圧力比に応じ、その位置を調節して設定するのが好ましい。
ポート60を、圧縮されて冷媒吐出ポートP2から吐出される冷媒の温度(吐出温度)が高くなりすぎるのを抑えるため、必要に応じて圧縮空間50内に液冷媒を注入する液インジェクションポートとすることもできる。この場合、圧縮空間50の外部からポート60を通して圧縮工程中の圧縮空間50に液冷媒を注入することになる。液冷媒を注入していくうちに、圧縮工程が進行して圧縮空間50内の圧力が高まり、注入した液冷媒がポート60から逆流する可能性がある。そこで、この用途におけるポート60は、段差壁面61Wにおいてなるべく外周側に配置し、できるだけ早いタイミングでポート60が閉じられるようにするのが好ましい。
このようにポート60を液インジェクションポートとして用いる場合、ポート60は、インジェクション管(図示無し)を介して圧縮機10の外部の膨張弁後の液ラインに連通させる。
ポート60は、圧縮機10を備えた冷凍サイクルシステムにおいて暖房能力を増大させる場合、圧縮空間50内に外部からガス状態の冷媒を注入するガスインジェクションポートとすることもできる。この場合も、圧縮空間50の外部からポート60を通して圧縮工程中の圧縮空間50にガス冷媒を注入することになる。ガス冷媒を注入していくうちに、圧縮工程が進行して圧縮空間50内の圧力が高まり、注入したガス冷媒がポート60から逆流する可能性がある。そこで、この用途におけるポート60は、段差壁面61Wにおいてなるべく外周側に配置し、できるだけ早いタイミングでポート60が閉じられるようにするのが好ましい。
このようにポート60をガスインジェクションポートとして用いる場合、ポート60は、インジェクション管(図示無し)を介して圧縮機10の外部の膨張弁前の液ラインに連通させる。
このように、ポート60は、様々な用途に用いることができる。ここで、一つの段差壁面61Wに、複数のポート60を設けることができる。さらに、これら複数のポート60を、上記したような複数の用途に割り当てることもできる。
また、一つのポート60を、上記したような複数の用途で兼用して用いることもできる。例えば、図9に示すように、ポート60を、インジェクションポートと、容量制御用ポートあるいはリリーフポートとして兼用する場合、ポート60に連通する連通孔65に、三方弁(切り替えバルブ)66を設け、この三方弁66に、液冷媒またはガス冷媒を外部から供給するインジェクション管(流体流路)67と、圧縮空間50内の冷媒を排出する排出路(流体流路)68とを接続する。そして、三方弁66を、圧縮機10を備えた冷凍サイクルシステムのコントローラにおいて、運転モードや、その他の設定条件に応じて切り替え、ポート60をインジェクションポートとして用いたり、容量制御用ポートとして用いたりすることができる。例えば、運転初めの液圧縮が発生する可能性のある状態や、負荷が小さく必要能力が小さいときには、容量制御用ポートとしてポート60を用い、暖房運転時に大きな能力が必要な状態において、インジェクションポートとしてポート60を用い、ガス状態の冷媒を注入する。
このように、一つのポート60を兼用できる用途の組み合わせとしては、他に、マルチポートとインジェクションポート、マルチポートとリリーフポート等がある。もちろん、これ以外の組み合わせとしても良い。
上述したような構成によれば、ポート60が、端板31の厚さが変わる段差壁面61Wに形成されている。これにより、ポート60の一部がラップ壁22によって塞がれることもなく、ポート60から圧縮空間50内の流体を効率よく排出できる。また、ポート60にはチップシール28が対向することがないため、チップシール28の耐久性を高め、圧縮機10としての信頼性を高めることが可能となる。
また、ラップ壁22の段差部62が、ポート60において段差壁面61Wに対向している状態においては、旋回スクロール20のラップ壁22の渦巻き方向内周側において固定スクロール30の外周面との間に形成される外側圧縮空間50Oと、ラップ壁22の渦巻き方向外周側において固定スクロール30の内周面との間に形成される内側圧縮空間50Iとが、ポート60を介して連通することになる。これにより、圧縮機10の容量制御時における圧力損失を低減することができ、より効率よく容量制御を行うことができる。
また、効率よく容量制御を行えるため、ポート設置数を減少させることができる。また、一つのポート60を複数の用途で兼用することでも、ポート設置数を減少させることができる。このようにして、圧縮機10の機構を簡略化することができるので、圧縮機10を製作する際の加工作業時間の短縮、部品点数の削減を図り、製造コストを低減することができる。
なお、上記実施の形態において、圧縮機全体の構成等については、上記に挙げた構成に限定する意図はなく、適宜他の構成を採用することが可能である。
また、本発明は、冷凍サイクルシステムに組み込まれて冷媒を圧縮機で圧縮する構成に限らない。例えば、冷媒以外の流体を圧縮機で圧縮する場合をも本発明は適用可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10…圧縮機、11…ハウジング、12…主軸、20…旋回スクロール、21…端板(旋回側端板)、21A…外周部、21B…内周部、22…ラップ壁(旋回スクロール側ラップ壁)、30…固定スクロール、31…端板(固定側端板)、31A…第一の溝底面、31B…第二の溝底面、32…ラップ壁(固定スクロール側ラップ壁)、50…圧縮空間、50I…内側圧縮空間、50O…外側圧縮空間、60…ポート、61W…段差壁面、62…段差部、66…三方弁(切り替えバルブ)、67…インジェクション管(流体流路)、68…排出路(流体流路)、100…溝、100a…歯底面

Claims (7)

  1. 外殻を形成するハウジング内に回転自在に支持された主軸と、
    前記主軸の中心に対してオフセットした位置に回転自在に連結され、円板状の旋回側端板に渦巻き状の旋回スクロール側ラップ壁が形成された旋回スクロールと、
    前記ハウジングに固定され、円板状の固定側端板に前記旋回スクロール側ラップ壁に対向する渦巻き状の固定スクロール側ラップ壁が形成されて、前記旋回スクロールと対向することで、前記旋回側端板、前記旋回スクロール側ラップ壁、前記固定側端板、前記固定スクロール側ラップ壁に囲まれて流体を圧縮する圧縮空間を形成する固定スクロールと、を備え、
    前記固定側端板において、前記固定スクロール側ラップ壁によって区画されて形成される渦巻き状の溝底面が、第一の溝底面と、前記第一の溝底面よりも前記旋回スクロール側に位置する第二の溝底面とを備え、
    前記第一の溝底面と前記第二の溝底面との間で、前記第一の溝底面および前記第二の溝底面に直交する段差壁面に、前記圧縮空間の内外を連通するポートが一以上形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記ポートを通して、前記圧縮空間内の流体を前記圧縮空間の外部に排出することを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記ポートを通して前記圧縮空間内の流体を外部に排出することで、前記圧縮空間の容量を調整することを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記圧縮空間内の流体圧力が規定レベル以上となったときに、前記ポートを通して前記圧縮空間内の流体を外部に排出することを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記ポートを通して、前記圧縮空間の外部から液状態またはガス状態の流体を前記圧縮空間内に注入することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 一つの前記ポートに、切り替えバルブを介して複数の流体流路が接続され、前記切り替えバルブを切り替えることで前記ポートに連通させる前記流体流路を選択することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記第一の溝底面は前記固定側端板において外周側に設けられるとともに、前記第二の溝底面は前記第一の溝底面に対して前記固定側端板の内周側に設けられることで、前記旋回スクロールと前記固定スクロールとの間に形成される前記圧縮空間は、外周側から内周側に向けてその断面積が漸次縮小することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024079951A1 (ja) * 2022-10-12 2024-04-18 株式会社豊田自動織機 スクロール型圧縮機

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