JP2011161674A - 脆性材料基板のブレイク方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
脆性材料基板にスクライブラインを形成する工程と、スクライブラインに沿ってブレイクするブレイク工程とからなる脆性材料基板のブレイク方法であって、ブレイク工程の際に、テーブル上に載置された脆性材料基板に対し、スクライブライン近傍でスクライブラインから片側に離隔した位置に沿ってブレイクローラを転動させて圧接することにより荷重を印加するようにして、低荷重で折り曲げるようにして分断する。
【選択図】 図7
Description
ブレイクバーで分断を行う場合は、大きな荷重で1本のスクライブラインSを一挙に分断するため、基板に加わる負荷が大きくなり、分断面が破壊されやすく端面強度を強くすることが困難になりやすい。
なお、第一工程のスクライブには、一般にカッターホイールを転動することによってスクライブラインを形成するメカニカルスクライブ、あるいは、レーザ照射による加熱とその後の冷却による応力差を利用してスクライブラインを形成するレーザスクライブ等が行われる。
ここで、スクライブラインを形成する工程は、カッターホイールを圧接させるメカニカルスクライブであってもよいし、レーザ照射による熱応力を利用するレーザスクライブであってもよい。
このようして得られる分断面は、予想に反しこれまで左右均等に荷重を掛けて分断した分断面よりも優れた端面強度にすることができた。
これは、ひとつはブレイクローラが転動する際に基板の分断面に加わる振動の影響が小さくなること、さらには、ブレイクローラの端とスクライブラインとが水平方向に離隔するので同じ荷重を掛けた場合でも従来のようにスクライブライン直上から荷重を印加する場合よりも基板の撓み量が増大されるので、低荷重でも従来方法と同等の撓み変形が生じさせることができるためと考えられる。
ブレイクローラの圧接面の端からスクライブラインまでの距離を上記範囲にすることにより、従来よりも低荷重で分断でき、端面強度を強くすることができる。
これにより、ブレイク荷重を印加させたときに、基板の撓み量を増大させることができ、弾性体層のないテーブルを用いた場合よりさらに低荷重にしても分断が可能になり、分断面に与える負荷が小さくできるので端面強度をさらに強くすることができる。
ブレイクローラの転動を端材領域側で行うことで、ブレイクローラの転動で生じる圧接力によって発生する製品の不具合の発生を減らすことができる。
図1は、本発明にかかるブレイク方法を実施する際に用いるブレイク装置10の全体構成を示す図である。ベース11上には、基板Gを載置するテーブル12が設けられている。テーブル12は、Y方向に移動するY軸駆動機構13と、テーブル12の下方に取り付けられテーブル12を回転するテーブル回転機構14とを備えている。テーブル12の上面にはゴム12aが敷いてあり、基板Gに上から荷重が印加されたときに基板が撓みやすいようにしてある。
Y軸駆動機構13は、テーブル回転機構14を介してテーブル12を支持するYステージ15と、Yステージ15をY方向に駆動させるリニアモータ16と、Y方向の運動を案内するリニアガイド17からなる。
テーブル回転機構14は、Yステージ15上に取り付けてあり、モータ(不図示)により水平面内でテーブル12が回転できるようにしてある。
Xステージ21には、リニアガイド25によって案内されるベースプレート31が設けてあり、ベースプレート31上にはローラ32をZ方向に移動させるためのZ軸駆動機構33が設けてある。
Z軸駆動機構33は、Zステージ34と、Zステージ34をZ方向に駆動させるボールねじ機構35と、Zステージ34のZ方向の運動を案内するリニアガイド36とからなる。
振動アクチュエータ38は超磁歪素子が内蔵されており、必要に応じて振動を与えるためのものであり、オプションとして取り付けられている。振動アクチュエータ38を作動させることにより、ブレイク荷重が振動することでより強いブレイクを行うことができるようになる。
ホルダ42の下端は二股に分かれ、ローラ32の回転軸を支持することにより、ローラ32が回転自在に支持される。
続いて、ブレイク装置10を用いたブレイク方法の一実施形態について図面を用いて説明する。一般に、基板をXY方向にブレイクする場合に、(1)最初にX方向とY方向とにスクライブラインを形成するクロススクライブを行い、その後に、X方向、Y方向にブレイクを行う加工手順と、(2)X方向にスクライブラインを形成し、続いて、X方向のブレイクを行い、基板を短冊状に分断した後、Y方向のスクライブを行い、最後にY方向のブレイクを行う加工手順のいずれかが採用される。ここでは、説明の便宜上、後者である(2)の加工手順におけるX方向のスクライブ工程およびブレイク工程について説明するが、その後のY方向の分断についても同様の手順で分断が行われる。また、(1)のクロスクスライブを行う場合についてもブレイク工程については同様の手順が採用される。
ガラス基板Mは、基板G1と基板G2とが貼り合わされた構造を有しており、各パネル領域P1〜P6には端子Tとなる領域が含まれている。
スクライブラインS1〜S6は、例えばカッターホイールを各パネルの端辺に沿って移動させることで形成することができる。続いて、基板G1と同様に基板G2についてもスクライブラインS7〜S12を形成する。このときスクライブラインS1とスクライブラインS7、スクライブラインS3とスクライブラインS9、スクライブラインS5とスクライブラインS11とは端子Tを露出させるため、端子Tの幅だけ位置がずれるように形成される。なお、スクライブラインS2とスクライブラインS8、スクライブラインS4とスクライブラインS10、スクライブラインS6とスクライブラインS12とは対向するように形成される。
スクライブラインS1〜S6が形成された基板G1に対し、順次ローラ32を圧接させる。まず、スクライブラインS1に対するブレイクを行う場合に、ローラ32を圧接させる位置は、スクライブラインS1を挟んでパネルP1側(図1におけるS1の右側)とは反対側の端材領域側(図1におけるS1の左側)とし、スクライブラインS1の近傍でスクライブラインS1から1mmの距離だけ離隔された位置B1に、ローラ32の端がくるようにする。なお、スクライブラインS1との距離は0.5mm〜2mm程度であればよい。そして、スクライブラインS1に平行にローラ32を圧接転動させる。これによりスクライブラインS1には折り曲げて分断しようとする力が加わるようにする。そして、スクライブラインS1とローラ32の端とは、距離が1mm程度(0.5mm〜2mm)離れているので、従来のようにスクライブラインS1上を圧接していたときよりも大きな曲げモーメントが加わるようになっている。それゆえ、小さな荷重で分断が可能になり、端面強度も向上するようになる。
以下、同様に、スクライブラインS3〜S6についてもそれぞれ端材領域側でスクライブラインS3〜S6から1mm程度離隔された位置B3〜B6にローラ32の端がくるようにして圧接する。
これにより、基板G1はスクライブラインS1〜S6に沿って従来よりも低荷重で分断することができるようになる。
また、ローラ32の振動がスクライブラインから離隔した位置に加わり、パネル側から離れた位置になるので、振動の影響が抑えられる結果、端面強度が強くなる。
12 テーブル
13 Y軸駆動機構
14 テーブル回転機構
21 Xステージ
22 X軸駆動機構
32 ローラ
33 Z軸駆動機構
37 荷重印加シリンダ
38 振動アクチュエータ
40 ローラヘッド
43 シャフト
44 ガイド
S スクライブライン
G 基板
Claims (4)
- 脆性材料基板にスクライブラインを形成する工程と、前記スクライブラインに沿ってブレイクするブレイク工程とからなる脆性材料基板のブレイク方法であって、
ブレイク工程の際に、テーブル上に載置された脆性材料基板に対し、前記スクライブライン近傍でスクライブラインから片側に離隔した位置に沿ってブレイクローラを転動させて圧接することにより荷重を印加することを特徴とする脆性材料基板のブレイク方法。 - ブレイクローラの圧接面とスクライブラインとの距離が0.5mm以上2mm以下である請求項1に記載の脆性材料基板のブレイク方法。
- 前記ブレイク工程の際に、弾性体層が含まれるテーブルを用いることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の脆性材料基板のブレイク方法。
- 前記脆性材料がスクライブラインの片側に製品領域が形成され、スクライブラインの他方の片側に端材領域が形成されている場合に、ブレイクローラは端材領域側で転動されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の脆性材料基板のブレイク方法。
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