JP2011161417A - 中空糸膜モジュール、水処理装置及び水処理方法 - Google Patents

中空糸膜モジュール、水処理装置及び水処理方法 Download PDF

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明宏 田路
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Abstract

【課題】 中空糸膜を比較的高密度で配置できる中空糸膜モジュール等を提供することを課題としている。
【解決手段】 複数本の中空糸膜と、中空糸膜内部の中空領域と連通した上部通水室及び下部通水室と、中空糸膜の下端部側で気泡を発生させるように形成された散気孔と、中空糸膜の下方に形成され散気孔へ気体を供給する通気室とを備え、中空糸膜の外側から内側へ透過される透過水を上下両方から上部通水室及び下部通水室を介して集水するように複数が並列するように配置されて用いられる中空糸膜モジュールであって、上部通水室を覆い隣接するもの同士互いに連結する上部連結部材と、下部通水室及び通気室を覆い隣接するもの同士互いに連結する下部連結部材とをさらに備え、上部連結部材及び下部連結部材同士がそれぞれ互いに連結した状態で、上部通水室同士、下部通水室同士及び通気室同士が、それぞれ互いに連通するように形成されている中空糸膜モジュール等を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、膜分離に用いられる中空糸膜モジュール、水処理装置及び水処理方法に関し、具体的には、例えば、河川水、湖沼水、地下水、海水などの浄化処理、又は下水、工業用水などの膜分離処理に用いられる中空糸膜モジュール、該中空糸膜モジュールを備えた水処理装置、及び該中空糸膜モジュールを用いる水処理方法に関する。
従来、この種の中空糸膜モジュールとしては、様々なものが知られており、例えば、上下方向に延在する複数本の中空糸膜と、該中空糸膜の上方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した上部通水室と、前記中空糸膜の下方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した下部通水室と、前記中空糸膜の下端部側で気泡を発生させるように形成された散気孔と、前記中空糸膜の下方に形成され前記散気孔へ気体を供給する通気室とを備え、被処理水に浸漬させて該被処理水の膜分離を実施させるべく中空糸膜の外側から内側へ透過される透過水を上下両方から前記上部通水室及び前記下部通水室を介して集水するように形成されているものが知られている(特許文献1)。
斯かる中空糸膜モジュールには、中空糸膜の上下両方から取り出した透過水を集水するための透過水取出しラインが取り付けられている。また、散気孔から気泡を発生させて中空糸膜の外側表面に付着した付着物を除去すべく、散気孔に連通する通気室へ気体を供給するための気体供給ラインが取り付けられている。
特開2003−326140号公報
しかしながら、斯かる中空糸膜モジュールには、透過水取出しラインや気体供給ラインが取り付けられていることから、斯かる中空糸膜モジュールを複数備えた水処理装置では、各モジュールに取り付けられたこれらラインが装置における比較的大きい領域を占めることになる。従って、斯かる水処理装置においては、中空糸膜を必ずしも十分に高密度で配置できないという問題がある。
本発明は、上記問題点等に鑑み、中空糸膜を比較的高密度で配置できる中空糸膜モジュールを提供することを課題とする。また、中空糸膜を比較的高密度で配置できる水処理装置を提供することを課題とする。また、中空糸膜を比較的高密度で配置して膜分離できる水処理方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る中空糸膜モジュールは、上下方向に延在する複数本の中空糸膜と、該中空糸膜の上方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した上部通水室と、前記中空糸膜の下方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した下部通水室と、前記中空糸膜の下端部側で気泡を発生させるように形成された散気孔と、前記中空糸膜の下方に形成され前記散気孔へ気体を供給する通気室とを備え、被処理水に浸漬させて該被処理水の膜分離を実施させるべく中空糸膜の外側から内側へ透過される透過水を上下両方から前記上部通水室及び前記下部通水室を介して集水するように形成され、複数が並列するように配置されて用いられる中空糸膜モジュールであって、
前記上部通水室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する上部連結部材と、前記下部通水室及び前記通気室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する下部連結部材とをさらに備え、前記上部連結部材及び前記下部連結部材同士がそれぞれ互いに連結した状態では、前記上部通水室同士、前記下部通水室同士及び前記通気室同士が、それぞれ互いに連通するように形成されていることを特徴とする。
上記構成からなる中空糸膜モジュールによれば、中空糸膜を備えた中空糸膜モジュールの複数を上部連結部材及び下部連結部材でそれぞれ互いに連結させることができる。従って、複数の中空糸膜モジュールを比較的高密度で配置することができる。
しかも、中空糸膜モジュールが連結した状態で、前記上部通水室、前記下部通水室及び前記通気室が、それぞれ互いに連通する。従って、モジュールに備えられた前記上部通水室及び前記下部通水室を介し複数のモジュールから透過水を集水でき、且つ、モジュールに備えられた前記通気室を介し複数のモジュールの前記散気孔へ気体を供給できる。よって、透過水を集水するための手段又は気体を供給するための手段を別途設ける必要性が抑えられ、該手段を設けない分、モジュールをさらに設置することができる。
このように、前記中空糸膜モジュールは、中空糸膜を比較的高密度で配置しつつ膜分離を実施することができる。
本発明に係る水処理装置は、上下方向に延在する複数本の中空糸膜と、該中空糸膜の上方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した上部通水室と、前記中空糸膜の下方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した下部通水室と、前記中空糸膜の下端部側で気泡を発生させるように形成された散気孔と、前記中空糸膜の下方に形成され前記散気孔へ気体を供給する通気室とを有する中空糸膜モジュールが備えられ、該中空糸膜モジュールを被処理水に浸漬させて被処理水の膜分離を実施させるべく中空糸膜の外側から内側へ透過される透過水を中空糸膜モジュールの上下両方から前記上部通水室及び前記下部通水室を介して集水するように構成され、複数の中空糸膜モジュールが並列するように配置されている水処理装置であって、前記中空糸膜モジュールは、前記上部通水室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する上部連結部材と、前記下部通水室及び前記通気室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する下部連結部材とをさらに備え、前記上部連結部材及び前記下部連結部材同士がそれぞれ互いに連結した状態では、前記上部通水室同士、前記下部通水室同士及び前記通気室同士が、それぞれ互いに連通するように形成されていることを特徴とする。
本発明に係る水処理方法は、上下方向に延在する複数本の中空糸膜と、該中空糸膜の上方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した上部通水室と、前記中空糸膜の下方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した下部通水室と、前記中空糸膜の下端部側で気泡を発生させるように形成された散気孔と、前記中空糸膜の下方に形成され前記散気孔へ気体を供給する通気室とを備えた中空糸膜モジュールの複数を並列するように配置して被処理水に浸漬させ、中空糸膜の外側から内側へ透過される透過水を中空糸膜モジュールの上下両方から前記上部通水室及び前記下部通水室を介して集水し、被処理水の膜分離を実施する水処理方法であって、前記上部通水室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する上部連結部材と、前記下部通水室及び前記通気室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する下部連結部材とをさらに備えた前記中空糸膜モジュールを、前記上部連結部材及び前記下部連結部材同士でそれぞれ互いに連結し、前記上部通水室同士、前記下部通水室同士及び前記通気室同士をそれぞれ互いに連通させた状態で膜分離を実施することを特徴とする。
上述の通り、本発明の中空糸膜モジュールは、中空糸膜を比較的高密度に配置できるという効果を奏する。
第一実施形態の中空糸膜モジュールの縦断面図。 第一実施形態の中空糸膜モジュールの縦断面図における一部を拡大した図。 第一実施形態の中空糸膜モジュールの横断面図。 第二実施形態の中空糸膜モジュールの横断面図。 第三実施形態の中空糸膜モジュールの縦断面図。 第三実施形態の中空糸膜モジュールの横断面図。 水処理装置の実施形態の概要を表した概要図。 水処理装置の実施形態の平面概要図。 水処理装置の参考形態の斜視図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第一実施形態>
まず、本発明に係る中空糸膜モジュールの第一実施形態について説明する。図1は、第一実施形態の中空糸膜モジュール1を使用時と同じ起立状態にさせたものの縦断面図である。図2は、図1における破線で囲まれた部分の拡大図である。図3は、図1のA−A線における中空糸膜モジュール1の断面(横断面)を示す断面図である。
第一実施形態の中空糸膜モジュール1は、図1に示すように、上下方向に延在する複数本の中空糸膜2と、該中空糸膜2の上下端部を開口状態でそれぞれ固定する上部固定部材5及び下部固定部材6と、前記上部固定部材5の上方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した上部通水室7と、前記下部固定部材6の下方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した下部通水室8と、前記中空糸膜2の下端部側で気泡11を発生させるように形成された散気孔10と、前記下部固定部材6の下方に形成され前記散気孔10へ気体を供給する通気室13とを備えている。
また、前記中空糸膜モジュール1は、複数が並列するように配置されて用いられ、被処理水に浸漬させて該被処理水の膜分離を実施させるべく中空糸膜2の外側から内側へ透過される透過水を上下両方から前記上部通水室7及び前記下部通水室8を介して集水するように形成されている。
また、前記中空糸膜モジュール1は、前記上部固定部材5及び前記上部通水室7を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する上部連結部材3と、前記下部固定部材6、前記下部通水室8及び前記通気室13を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する下部連結部材4とをさらに備えている。そして、上部連結部材3同士及び下部連結部材4同士がそれぞれ互いに連結した状態では、前記上部通水室7同士、前記下部通水室8同士及び前記通気室13同士が、それぞれ互いに連通するように形成されている。
前記上部連結部材3は、上面視略正方形の上面部と、その外周から下方に向けて延びる側壁部とにより、下方に向けて開口した中空立方体状に形成されている。
前記上部連結部材3の上面部及び側壁部に囲まれた空間には、前記上部固定部材5及び前記上部通水室7が配されている。即ち、前記上部連結部材3は、前記上部固定部材5及び前記上部通水室7を上方及び側方から覆うように配されている。
前記下部連結部材4は、下面視略正方形の下面部と、その外周から上方に向けて延びる側壁部とにより、上方に向けて開口した中空立方体状に形成されている。
前記下部連結部材4の下面部及び側壁部に囲まれた空間には、前記下部固定部材6、前記下部通水室8、及び前記通気室13が配されている。即ち、前記下部連結部材4は、前記下部固定部材6、前記下部通水室8、及び前記通気室13を下方及び側方から覆うように配されている。
前記上部連結部材3及び前記下部連結部材4の間には、複数本の中空糸膜2が、上端部側が前記上部固定部材5で固定され下端部側が前記下部固定部材6で固定されて、上下方向に配されている。
前記上部連結部材3の内側には、上面視円形で下方に向けて開口した円筒状の上部キャップ部18が配されている。該上部キャップ部18は、前記上部連結部材3の内側で上部連結部材3に固定されている。
前記上部キャップ部18の内側には、略円柱状に形成された前記上部固定部材5の上端面の上方に空間が存在するように、前記上部固定部材5が配されて固定されている。また、前記上部固定部材5の外周面は、前記上部キャップ部18の内面と密着状態で接合されている。従って、前記上部キャップ部18の内面と前記上部固定部材5の上端面とに囲まれた空間は、水密性を有している。このことにより、前記中空糸膜モジュール1は、膜分離を行う被処理水に浸漬させた際に、該空間に被処理水が侵入することが防止されている。
前記上部固定部材5は、中空糸膜2の上端部と固化した接着剤とによって略円柱状に形成されている。また、まとまって一束となるように束ねられた中空糸膜2が、上端部の端縁を面一となるように固定されて、形成されている。即ち、前記上部固定部材5は、図2に示すように、中空糸膜2の上端部が上下方向に貫通し、中空糸膜2が上面において開口する状態で形成されている。
前記中空糸膜2が前記上部固定部材5の上面において開口していることから、中空糸膜内部の中空領域と、前記上部キャップ部18の内面及び前記上部固定部材5の上端面に囲まれた空間とは連通している。そして、該空間は上述したように水密性を有しており、前記上部通水室7として機能する。
前記上部通水室7には、図3に示すように、中空糸膜2を透過した透過水を前記中空糸膜モジュール1から排出して集水するための少なくとも2つの通水口9が形成されている。
該通水口9は、前記上部連結部材3の側壁部及び前記上部キャップ部18の側壁部を水平方向に貫通するように形成されている。また、上部連結部材3同士が互いに連結した状態では、被処理水が上部通水室7に侵入すること及び上部通水室7にある透過水が外部へ漏れ出すことが防止されるように、水密性を有するように形成されている。
前記上部連結部材3の側壁部に形成された通水口9同士が互いに対向するように、複数の前記中空糸膜モジュール1を上方側から見て直線状に水平方向に並べて連結することにより、上部通水室7を連通させることができる。
前記下部キャップ部19は、前記上部キャップ部18と同様に形成されて、該上部キャップ部18とは上下方向の向きが逆になって前記下部連結部材4の内側に配されている。詳しくは、下面視円形で上方に向けて開口した円筒状に形成され、前記下部連結部材4の内側に配されて前記下部連結部材4に固定されている。
また、前記下部キャップ部19の内側には、略円柱状に形成された前記下部固定部材6の下端面の下方に空間が存在するように、前記下部固定部材6が配されて固定されている。また、前記下部固定部材6の外周面は、前記下部キャップ部19の内面と密着状態で接合されている。従って、前記下部キャップ部19の内面と前記上部固定部材5の上端面とに囲まれた空間は、水密性を有しており、該空間に被処理水が侵入することが防止されている。
前記下部固定部材6は、上下方向の向きが逆に形成されている点で、上部固定部材5と相違するが、中空糸膜2の下端部と固化した接着剤とによって略円柱状に形成されている点、まとまって一束となるように束ねられた中空糸膜2が、下端部の端縁を面一となるように固定されて形成されている点、中空糸膜2の下端部が上下方向に貫通し、中空糸膜2が下面において開口する状態で形成されている点で、上部固定部材5と同様に形成されている。
前記下部通水室8は、金属や合成樹脂などによって中空の略円柱状に形成されている。また、図1に示すように、前記下部キャップ部19の内面及び前記下部固定部材6の下面に囲まれた空間内、即ち下部固定部材6の下方に配されている。
該下部通水室8には、図3に示すように、中空糸膜2を透過した透過水を前記中空糸膜モジュール1から排出して集水するための少なくとも2つの通水口9が形成されている。該通水口9は、前記下部連結部材4の側壁部及び前記下部キャップ部19の側壁部を水平方向に貫通するように形成されている。また、隣接する下部連結部材4同士が互いに連結した状態では、被処理水が下部通水室8に侵入すること及び下部通水室8にある透過水が外部へ漏れ出すことが防止されるように水密性を有するように形成されている。
前記通気室13は、上面視円形の中空円柱状に形成された通気室本体14と、該通気室本体14の側面から外方に向けて延在し通気室本体14の内部空間と連通した中空領域を有する通気室連絡管15とを有し、金属や合成樹脂などによって形成されている、また、図1に示すように、前記下部キャップ部19の内面及び前記下部固定部材6の下端面に囲まれた空間内において前記下部通水室8の下方に配されている。
前記通気室13の通気室連絡管15は、上方側から見たときに円形である通気室本体14のその直径方向に沿って2つ配されている。また、前記通気室13の通気室連絡管15には、図3に示すように、供給される気体を取り込むため又は通気室13に供給された気体を隣接するモジュールの通気室13へ送るための通気口16が形成されている。
該通気口16は、前記下部連結部材4の側壁部及び前記下部キャップ部19の側壁部を水平方向に貫通するように形成されている。また、隣接する下部連結部材4同士が互いに連結した状態では、気体が被処理水へと漏れ出さないように且つ被処理水が通気室13へ入らないように密閉性を有するように形成されている。
前記下部通水室8の通水口9と前記通気室13の通気口16とは、図3に示すように、中空糸膜モジュール1を上方側から見たときに重なる位置に配されている。そして、前記下部連結部材4の側壁部に形成された通水口9同士、通気口16同士がそれぞれ互いに対向するように、複数の前記中空糸膜モジュール1を上方側から見て直線状に水平方向に並べて連結することにより、下部通水室8同士、通気室13同士をそれぞれ互いに連通させることができる。
なお、中空糸膜モジュール1が連結され後述するように連結体になっていると、連結体の端部に位置する中空糸膜モジュールにおいては、上下の通水室の通水口9及び通気室の通気口16が、開口された状態になり得る。この場合、通水口9及び通気口16を適当な手段によって塞ぐことにより、通水室の水密性、通気室の密閉性を維持することができる。
前記通気室13には、図1に示すように、前記散気孔10へ気体を送るための散気管12が設けられており、該散気管12の内部空間を介して前記通気室13の内部空間が前記散気孔10と連通している。そして、前記通気室13は、供給された気体を散気管12を介して散気孔10へ供給するものとして機能する。
前記散気管12は、前記下部集水室8及び前記下部固定部材6を上下方向に貫通し散気孔10に達するように形成されている。
前記散気孔10は、通常上面視環状に形成されており、前記通気室13から散気管12を介して供給される気体を気泡11として散気するように形成されている。該散気孔10は、通常、前記下部固定部材6の上端面付近に形成されている。
前記散気孔10の個数は、中空糸膜2全体に気泡11がいきわたるように適宜設定でき、図3に示すように複数であることが好ましい。該散気孔10が複数個形成されている場合には、各散気孔10の位置を適宜設定することができ、各散気孔10は、例えば図3に示すように、上方側からみたときに正方形の頂点に位置するように配置され得る。
前記散気孔10の大きさとしては、特に限定されるものではなく、例えば、直径3〜25mmが挙げられる。なお、該散気孔10を小さくすることにより、散気孔10を通過する気体の流速を高くでき、中空糸膜2の外側表面により勢いよく気泡11を接触させることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明に係る中空糸膜モジュールの第二実施形態について説明する。図4は、第二実施形態の中空糸膜モジュール1の水平方向断面(横断面)を示す断面図である。
第一実施形態の中空糸膜モジュールは、上方側から見たときに、図3に示すように、それぞれの散気孔10が正方形の頂点に位置するように4箇所に形成されていることに対して、第二実施形態の中空糸膜モジュール1は、図4に示すように、複数の散気孔10が“X”を描くように配置されている点で相違する。
また、第一実施形態の中空糸膜モジュールは、下部通水室8の通水口9と通気室13の気体供給口とが上方側から見たときに重なる位置に形成されていることに対して、第二実施形態の中空糸膜モジュール1は、図4に示すように、上方側から見たときに通水口9の貫通方向と気体供給口の貫通方向とが直角に交わっている点で相違する。
斯かる構成の中空糸膜モジュール1を用いることにより、複数のモジュールを例えば正方格子を描くように縦横に連結して配置することができる。
<第三実施形態>
さらに、本発明に係る中空糸膜モジュールの第三実施形態について説明する。図5は、第三実施形態の中空糸膜モジュール1を使用時と同じ起立状態にさせたものの縦断面図である。図6は、図5のB−B線における中空糸膜モジュール1の水平方向断面(横断面)を示す断面図である。
第三実施形態の中空糸膜モジュール1は、図5に示すように、上下方向に延在し両端部が前記上部固定部材5及び前記下部固定部材6でそれぞれ固定された管状の支持部材17を2つ備えている点で上記第一実施形態の中空糸膜モジュールと相違する。
該支持部材17は、図6に示すように、上方側から中空糸膜モジュール1を見たときに中空糸膜2が配されている円形領域の外側寄りの位置に一対となって備えられている。また、該支持部材17は、上部固定部材5の上端面において、及び、下部固定部材6の下端面において、開口した状態で固定されている。そして、支持部材内部の中空領域を介して上部通水室7と下部通水室8とが連通している。
前記支持部材17によって、上部通水室7、上部固定部材5、及び上部連結部材3が、下部連結部材4や下部固定部材6によって支持されることから、上部固定部材5等を支えるための支持手段を別途設ける必要性が低くなる。
また、前記支持部材17によって、上部通水室7と下部通水室8とが連通することから、透過水の集水がより円滑に行われ得る。
なお、前記中空糸膜モジュール1には、前記散気孔10に供給される気体が所定圧力を超えたときに該散気孔10を開口状態にする弁が設けられ得る。具体的には、例えば、前記散気孔10にチャッキ弁を設けることにより、気泡を間欠的に発生させることができ、また、気泡の中空糸膜への衝突力に強弱をつけることができる。
続いて、本発明の水処理装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。図7は、前記中空糸膜モジュール1を備えた本実施形態の水処理装置30を示す概要図である。図8は、本実施形態の水処理装置30の変形例を上方側から見たときの様子を示す平面概要図である。
本実施形態の水処理装置30には、図7に示すように、被処理水20を供給する被処理水供給ライン25と、供給された被処理水20を貯留する被処理水槽24とが備えられている。
また、前記水処理装置30には、図7に示すように、前記被処理水槽24内の被処理水20中に起立状態で浸漬された複数の前記第一実施形態の中空糸膜モジュール1が隣接するように配置されて備えられている。具体的には、該複数の前記中空糸膜モジュール1は、上方側から見て直線状に水平方向に並ぶように(並列するように)配置されて連結され連結体となって設置されている。中空糸膜モジュール1の連結体は、被処理水槽24内で起立状態を維持するために、各中空糸膜モジュール1の上部連結部材3及び下部連結部材4が保持手段(図示せず)によって固定されている。
また、前記水処理装置30には、図7に示すように、被処理水20を中空糸膜でろ過して透過水を得るべく前記中空糸膜内部を吸引するための吸引ポンプPと、連結された中空糸膜モジュール1の通水室のうちの一部(直線状に並んで接続されたもののうち端縁側の1つ)及び前記吸引ポンプPに接続された透過水取出しライン21と、前記散気孔から気泡を発生させるべく空気などの気体を供給するためのブロアBと、連結された中空糸膜モジュール1の通気室13のうちの一部及び前記ブロアBに接続された気体供給ライン22と、被処理水槽24内の沈殿物を排出するために被処理水槽24の底部に接続された沈殿物排出ライン23とが備えられている。
前記透過水取出しライン21は、一方が吸引ポンプPに接続され、他方が中空糸膜モジュール1における上下の通水室7,8の通水口9に接続され、通水室7,8にある透過水を集水するように構成されている。該透過水取出しライン21の他方は、全ての中空糸膜モジュールの通水口9に接続されている必要はなく、例えば図7に示すように連結された複数の中空糸膜モジュール1のうちの、最も端に位置する中空糸膜モジュール1の通水口9に接続されていればよい。このように構成されていることにより、モジュールの連結体における上下連結部材の内側で連通している複数のモジュールの通水室7,8を介して透過水を集水することができる。なお、この場合、連結体のもう一方側(透過水取出しライン21が接続されていない側)にある通水口9は、適当な手段によって水密性を有するように封止されている。
前記気体供給ライン22は、一方がブロアBに接続され、他方が中空糸膜モジュール1における通気室13の通気口16に接続され、通気室13に気体を供給するように構成されている。該気体供給ライン22の他方は、全ての中空糸膜モジュールの通気口16に接続されている必要はなく、例えば図7に示すように連結された複数の中空糸膜モジュール1のうちの、最も端に位置する中空糸膜モジュール1の通気口16に接続されていればよい。このように構成されていることにより、モジュールの連結体における上下連結部材の内側で連通している複数の通気室13を介して複数のモジュールの散気孔に同時に空気を供給することができる。なお、この場合、連結体のもう一方側(気体供給ライン22が接続されていない側)にある通気口16は、適当な手段によって密閉性を有するように封止されている。
前記吸引ポンプP及び前記ブロアBとしては、従来公知の一般的なものを採用することができる。
また、前記水処理装置30においては、上述した複数の第一実施形態の中空糸膜モジュール1が直線状に水平方向に並ぶように配置され連結された連結体を、図8に示すように、該連結体の並び方向と直交する方向に複数配列させてなるものであってもよい。
斯かる水処理装置30は、中空糸膜モジュール1がより高密度で配置され、その結果、中空糸膜2がより高密度で配置されていることから、被処理水20の膜分離をより効率的に行うことができる。
なお、前記水処理装置30は、前記散気孔10に供給する気体の圧力が変化し前記気泡11の大きさ又は噴出強さが変化できるように構成され得る。具体的には、前記水処理装置30においては、例えば、前記ブロアBとして、供給する気体の圧力をインバータ制御により制御しつつ変化させ得るように構成されたブロアを採用することができる。また、運転及び停止を繰り返すように設定された前記ブロアBを採用することができる。また、前記気体供給ライン22として、ライン中に設置した弁の開閉により気体供給を間欠的に行えるように構成されたものを採用することができる。前記水処理装置30が前記気泡11の大きさ又は噴出強さを変化させ得るように構成されていることにより、中空糸膜2の外側表面に付着した付着物が気泡11によってより取り除かれやすくなり得る。
ここで、水処理装置の参考形態について説明する。図9は、本参考形態の水処理装置における複数の中空糸膜ユニットと、中空糸膜に散気するように形成された複数の散気ユニットとが、直線状に水平方向に並ぶように交互に連結された様子を斜め上方から見た斜視図である。
本参考形態の水処理装置は、通気室13を有するが散気孔10及び散気管12を有さない点以外は、上記第一実施形態の中空糸膜モジュール1と同様に形成された中空糸膜ユニット31を備えている。また、中空糸膜を有さず支持部材17を1つ備えている点以外は、上記第三実施形態の中空糸膜モジュール1と同様に形成された散気ユニット32を備えている。なお、散気ユニット32は、支持部材17を複数備えていてもよい。
本参考形態の水処理装置は、図9に示すように、互いに隣接する中空糸膜ユニット31及び散気ユニット32によって形成された連続体を備えており、該水処理装置では、上述した実施形態の水処理装置と同様に、中空糸膜によって被処理水20を膜分離し、中空糸膜を透過した透過水を集水できる。
本参考形態の水処理装置は、装置を構成する前記中空糸膜ユニット31に散気孔10が形成されておらず、また、前記散気ユニット32に中空糸膜が固定されていないことから、前記中空糸膜ユニット及び前記散気ユニットがそれぞれ比較的単純な構造で形成されている。斯かる2種類のユニットが直線状に水平方向に並ぶように交互に連結させてなる水処理装置は、上述した実施形態の水処理装置と同様に、中空糸膜を比較的高密度に配置できる。また、散気ユニット32に備えられた支持部材17によって、散気ユニット32だけでなく中空糸膜ユニット31をも支持して直立状態に維持させることができる。
該水処理装置は、散気ユニット32の散気孔10から発生する気泡11をできるだけ中空糸膜に衝突させるために、図9に示すように、気泡拡散防止板33を備えていることが好ましい。
なお、中空糸膜ユニット31は、下部キャップ部19の内面及び下部固定部材6の下面に囲まれた空間において、該空間を水平方向に貫通するように通気室が備えられ、該空間における該通気室以外の部分が下部通水室になっている形態であってもよい。一方、該中空糸膜ユニット31に隣接する散気ユニット32は、中空糸膜ユニット31が斯かる形態である場合、隣接する中空糸膜ユニット31で膜分離された透過水を通過させるための通水室を備えており、該通水室が、隣接する中空糸膜ユニット31の通水室と連通するように構成された形態になり得る。そして、散気ユニット32の管状の通水室を取り囲む空間は、隣接する中空糸膜ユニット31の通気室と連通するように形成され散気孔に気体を供給できる通気室になるように構成されている。
これに対して、中空糸膜ユニット31は、隣接する散気ユニット32を貫通該散気ユニット32と隣合う別の中空糸膜ユニット31に透過水を送るように形成された透過水供給管を備えた形態であってもよい。一方、散気ユニット32は、中空糸膜ユニット31が斯かる形態である場合、隣接する中空糸膜ユニット31を貫通もしくはその外部を通って該中空糸膜ユニット31と隣合う別の散気ユニット32に気体を送るように形成された気体供給管を備えた形態になり得る。
斯かる形態の中空糸膜ユニット31は、下部キャップ部19の内面及び下部固定部材6の下面に囲まれた空間の大部分が下部通水室になっており、該下部通水室が、隣接する散気ユニット32の気体供給管を通すスペースを有するように形成されている。また、斯かる形態の散気ユニット32は、前記気体供給管を介して別の散気ユニット32の通気室と連通するように形成され散気孔に気体を供給できる通気室を備え、該通気室が、隣接する中空糸膜ユニット31の透過水供給管を通すスペースを有するように形成されている。
次に、本発明の水処理方法の実施形態について説明する。本実施形態の水処理方法で用いる装置類の概要図は、図7に示す通りである。
本実施形態の水処理方法では、前記被処理水供給ライン25から被処理水20を被処理水槽24に供給し、被処理水20に浸漬され連結された複数の中空糸膜モジュール1を用いて、被処理水20を中空糸膜により膜分離(膜ろ過)して透過水を得る。
また、被処理水槽24内の沈殿物を沈殿物排出ライン23から排出する。
前記水処理方法では、前記吸引ポンプPによって中空糸膜内部を吸引することにより、中空糸膜で被処理水20を膜分離(膜ろ過)して、透過水を透過水取出しライン21を通して集水する。
具体的には、前記水処理方法では、前記吸引ポンプPによって前記中空糸膜内部を吸引することにより、被処理水20を中空糸膜でろ過し、ろ過された透過水を中空糸膜モジュール1の上下位置に備えられた上部通水室又は下部通水室に導く。そして、吸引ポンプPの吸引力によって、上部又は下部の通水室にある透過水を、隣接する中空糸膜モジュール1の上部又は下部の通水室にそれぞれ導き、最終的には前記透過水取出しライン21を経て透過水を連続的に集水する。
また、前記水処理方法では、前記ブロアBから空気などの気体を前記散気孔に供給することによって、散気孔から気泡を発生させ、該気泡によって前記中空糸膜の外側表面に付着した懸濁物等由来の付着物を除去する。なお、気体の供給は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよい。
具体的には、前記水処理方法では、複数の中空糸膜モジュール1の通気室13のうちの一部に前記ブロアBから前記気体供給ライン22を通じて空気を供給する。これにより、隣接する中空糸膜モジュール1の通気室にも空気を供給することができる。即ち、複数の中空糸膜モジュール1の通気室に同時に空気を供給することができる。そして、通気室から供給された空気によって散気孔から気泡を発生させ、該気泡によって中空糸膜の外側表面に付着した懸濁物等由来の付着物を除去する。
上記実施形態の中空糸膜モジュール、水処理装置および水処理方法は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の中空糸膜モジュール、水処理装置および水処理方法に限定されるものではない。
また、一般の中空糸膜モジュール、水処理装置および水処理方法において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
1:中空糸膜モジュール、 2:中空糸膜、 3:上部連結部材、 4:下部連結部材、 5:上部固定部材、 6:下部固定部材、 7:上部通水室、 8:下部通水室、 9:通水口、 10:散気孔、 11:気泡、 12:散気管、 13:通気室、 14:通気室本体、 15:通気室連絡管、 16:通気口、 17:支持部材、 18:上部キャップ部、19:下部キャップ部、 20:被処理水、 21:透過水取出しライン、 22:気体供給ライン、 23:沈殿物排出ライン、24:被処理水槽、25:被処理水供給ライン、30:水処理装置、 P:吸引ポンプ、 B:ブロア

Claims (3)

  1. 上下方向に延在する複数本の中空糸膜と、該中空糸膜の上方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した上部通水室と、前記中空糸膜の下方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した下部通水室と、前記中空糸膜の下端部側で気泡を発生させるように形成された散気孔と、前記中空糸膜の下方に形成され前記散気孔へ気体を供給する通気室とを備え、被処理水に浸漬させて該被処理水の膜分離を実施させるべく中空糸膜の外側から内側へ透過される透過水を上下両方から前記上部通水室及び前記下部通水室を介して集水するように形成され、複数が並列するように配置されて用いられる中空糸膜モジュールであって、
    前記上部通水室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する上部連結部材と、前記下部通水室及び前記通気室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する下部連結部材とをさらに備え、前記上部連結部材及び前記下部連結部材同士がそれぞれ互いに連結した状態では、前記上部通水室同士、前記下部通水室同士及び前記通気室同士が、それぞれ互いに連通するように形成されていることを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 上下方向に延在する複数本の中空糸膜と、該中空糸膜の上方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した上部通水室と、前記中空糸膜の下方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した下部通水室と、前記中空糸膜の下端部側で気泡を発生させるように形成された散気孔と、前記中空糸膜の下方に形成され前記散気孔へ気体を供給する通気室とを有する中空糸膜モジュールが備えられ、該中空糸膜モジュールを被処理水に浸漬させて被処理水の膜分離を実施させるべく中空糸膜の外側から内側へ透過される透過水を中空糸膜モジュールの上下両方から前記上部通水室及び前記下部通水室を介して集水するように構成され、複数の中空糸膜モジュールが並列するように配置されている水処理装置であって、
    前記中空糸膜モジュールは、前記上部通水室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する上部連結部材と、前記下部通水室及び前記通気室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する下部連結部材とをさらに備え、前記上部連結部材及び前記下部連結部材同士がそれぞれ互いに連結した状態では、前記上部通水室同士、前記下部通水室同士及び前記通気室同士が、それぞれ互いに連通するように形成されていることを特徴とする水処理装置。
  3. 上下方向に延在する複数本の中空糸膜と、該中空糸膜の上方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した上部通水室と、前記中空糸膜の下方に形成され前記中空糸膜内部の中空領域と連通した下部通水室と、前記中空糸膜の下端部側で気泡を発生させるように形成された散気孔と、前記中空糸膜の下方に形成され前記散気孔へ気体を供給する通気室とを備えた中空糸膜モジュールの複数を並列するように配置して被処理水に浸漬させ、中空糸膜の外側から内側へ透過される透過水を中空糸膜モジュールの上下両方から前記上部通水室及び前記下部通水室を介して集水し、被処理水の膜分離を実施する水処理方法であって、
    前記上部通水室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する上部連結部材と、前記下部通水室及び前記通気室を覆い且つ隣接するもの同士互いに連結する下部連結部材とをさらに備えた前記中空糸膜モジュールを、前記上部連結部材及び前記下部連結部材同士でそれぞれ互いに連結し、前記上部通水室同士、前記下部通水室同士及び前記通気室同士をそれぞれ互いに連通させた状態で膜分離を実施することを特徴とする水処理方法。
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