JP2011160876A - 遊技機 - Google Patents

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敏男 小倉
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Abstract

【課題】特定の領域への遊技媒体の通過率が調整されたときに生じ得る遊技者の不満を解消することが可能な遊技機を提供することである。
【解決手段】大当り遊技状態の終了後に潜伏モードの演出が行なわれているときにおいて、ゲート32への遊技球の通過率が演算され、当該通過率が所定値よりも低くなったときに、確変状態に制御されているか否かを報知する遊技状態報知演出を行なう(S728〜S732)。
【選択図】図38

Description

本発明は、遊技媒体を遊技領域に発射して遊技を行なうことが可能であり、当該遊技領域に設けられた始動領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて各々が識別可能な複数の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に導出表示された表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
この種の遊技機として一般的に知られているものとしては、たとえば、パチンコ遊技機のように、遊技媒体(遊技球)を遊技領域に発射して遊技を行なうことが可能であり、当該遊技領域に設けられた始動領域(始動入賞口)に遊技媒体が入賞したことに基づいて各々が識別可能な複数の識別情報(図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に導出表示された表示結果が特定表示結果(大当り表示結果)となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御するものがあった。
このような遊技機としては、大当り遊技状態における大入賞口の開放動作のような大当り制御動作中に行なう所定期間の演出表示を途切れることなく確実に完結できるようにするために、大当り制御動作中が最短で終了するタイミングよりも先に演出表示が完結するように演出表示の実行期間を設定するものがあった(特許文献1)。
特開2000−288193号公報(段落番号0044〜0048)
前述のような遊技機が設置される遊技場においては、独自の判断に基づいて、遊技者が遊技において獲得する賞球数を少なくするために、釘調整等により、入賞領域への入賞率を低くする台調整を行なう等、特定の領域への遊技媒体の通過率を調整するケースがある。一例として、大当り遊技状態時に遊技球が入賞可能となる大入賞口への入賞率を、遊技機製造者側が意図する入賞率よりも低く調整するケースがある。大当り遊技状態は、一定時間が経過するか、または、規定数の入賞があるまで継続する制御が行なわれるため、このような入賞率の調整が行なわれると、大当り遊技状態が遊技機製造者側の意図よりも長期間継続することが多くなることにより、大当り遊技状態中に前述のような演出表示が早々に完結してしまい、遊技者が興趣を削がれる状態が生じやすくなるので、遊技者が遊技に対して不満を持つようになる。
このような特定の領域への遊技媒体の通過率の調整が行なわることに対する対策として、特許文献1では、大当り遊技状態が長期間継続したときに用いる演出を予め用意しておくことが考えられている。しかし、このような大当り遊技状態が長期間継続したときに別の演出を実行するような対策は、通常とは異なる演出が実行されることに基づいて、遊技者が、大当り遊技状態中の不利益状況に気付きやすく、遊技に対して不満を持つようになる。このように、従来においては、特定の領域への遊技媒体の通過率の調整が行なわれることに対する有効な対策がとられていなかった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特定の領域への遊技媒体の通過率が調整されたときに生じ得る遊技者の不満を解消することが可能な遊技機を提供することである。
課題を解決するための手段の具体例およびその効果
(1) 遊技媒体(遊技球)を遊技領域(遊技領域7)に発射して遊技を行なうことが可能であり、当該遊技領域に設けられた始動領域(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)に入賞したことに基づいて各々が識別可能な複数の識別情報(特別図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)を備え、該変動表示装置に導出表示された表示結果が特定表示結果(大当り表示結果)となったときに、遊技状態を通常遊技状態(通常遊技状態)よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技媒体が通過可能な通過領域(ゲート32)と、
該通過領域における前記遊技媒体の通過を検出する検出手段(ゲートスイッチ32a)と、
前記遊技媒体が入賞しにくいまたは入賞しない閉状態と前記遊技媒体が入賞可能な開状態とに変化可能であり、前記通過領域を遊技媒体が通過したことが前記検出手段により検出されたことに基づいて当該開状態となることが可能な(普通図柄が変動表示し停止図柄が当り図柄になると開状態となる)可変入賞装置(可変入賞球装置15)と、
前記特定遊技状態に制御するか否かを前記識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図19のS60,S71)と、
所定条件が成立したときに、前記事前決定手段により前記特定遊技状態に制御する決定がされる確率(大当り確率)が前記通常遊技状態よりも高い特別遊技状態(確変状態)に制御する特別遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図19のS74,図24のS161,S162)と、
前記所定条件が成立したことに基づいて、前記通常遊技状態に比べて前記可変入賞装置により前記遊技媒体が入賞しやすくなる入賞容易化制御(電チューサポート制御)を行なう可変入賞装置制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図26のS311,S314、図25)と、
前記所定条件が成立したことに基づいて、遊技状態が前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とのどちらに制御されているかが特定不能な遊技状態特定不能演出(図12の低率潜伏モードまたは高率潜伏モードに対応する背景画像を表示する演出)を行なう演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図27のS701〜S708、図37のS980〜S982)と、
前記検出手段による検出に基づいて、前記所定条件が成立した後における前記遊技媒体の前記通過領域への通過率を演算する通過率演算手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図38のS716,S717,S722,S723)とを備え、
前記演出制御手段は、前記遊技状態特定不能演出が行なわれているときにおいて、前記通過率演算手段により演算された通過率が所定値よりも低くなったときに、前記特別遊技状態に制御されているか否かを報知する遊技状態報知演出(図12(C1)の確変有報知モード背景画像または図12(C2)の確変無報知モード背景画像を表示する潜伏内容報知演出)を行なう(図38のS728〜S732)。
このような構成によれば、通過領域への遊技媒体の通過検出に基づいて可変入賞装置が開状態になることが可能であり、所定条件が成立したことに基づいて、可変入賞装置に対して入賞容易化制御が行なわれるとともに、通常遊技状態と特別遊技状態とのどちらに制御されているかが特定不能な遊技状態特定不能演出が行なわれる。そして、所定条件が成立した後に遊技状態特定不能演出が行なわれているときにおいて、通過領域への遊技媒体の通過率が演算され、当該通過率が所定値よりも低くなったときに、特別遊技状態に制御されているか否かを報知する遊技状態報知演出が行なわれる。このように通過率が低くなっていることの代償として、特別遊技状態に制御されているか否かを遊技状態報知演出に基づいて遊技者が知ることができるようになるので、通過領域への遊技媒体の通過率の低さにより遊技者の興趣が低下しないようにすることができる。これにより、特定の領域への遊技媒体の通過率が調整されたときに生じ得る遊技者の不満を解消することができる。
(2) 前記通過率演算手段は、一定時間内(たとえば、1分間)における前記通過領域での前記遊技媒体の通過数(たとえば、5個)に基づいて、前記通過率を演算する(図38のS716,S717)。
このような構成によれば、一定時間内における通過領域での遊技媒体の通過数に基づいて通過率が演算されるので、通過率を正確に判断することができる。
(3) 前記遊技媒体の発射を検出する発射検出手段(発射球スイッチ81)をさらに備え、
前記通過率演算手段は、前記発射検出手段による検出に基づく遊技媒体の発射数(たとえば、100発)と、該発射数に対する前記通過領域での前記遊技媒体の通過数(たとえば、5個)とに基づいて、前記通過率を演算する(図38のS722,S723)。
このような構成によれば、遊技媒体の発射数と、該発射数に対する通過領域での遊技媒体の通過数とに基づいて通過率が演算されるので、通過率を正確に判断することができる。さらに、遊技媒体の発射数を用いて通過率が演算されるので、一連の演算対象期間の中で遊技媒体が発射されない期間がある場合でも、通過率を正確に判断することができる。
(4) 遊技者の操作によって発射強度が調節可能であり、前記遊技媒体を前記遊技領域へ発射する発射手段(打球発射装置50)と、
前記発射手段の発射強度を検出する発射強度検出手段(操作ハンドル5の回動角度(回動量)を検出し、検出した回転角度の情報を信号レベルにより発射強度を示す発射強度検出信号に変換して出力する第2実施形態の発射強度センサ)と、
前記発射強度検出手段により検出された発射強度が、発射された前記遊技媒体が前記通過領域に到達し得る所定の強度(ゲート32に遊技球が到達し得る所定発射強度)であるか否かを判定する発射強度判定手段(第2実施形態で、第1実施形態の図38の潜伏報知処理において、S712により発射球が検出されたと判断されたときに、発射強度検出信号に基づいて、発射強度が所定発射強度以上を示しているか否かを判定する処理ステップ)とをさらに備え、
前記演出制御手段は、前記遊技状態特定不能演出が行なわれているときにおいて、前記発射強度判定手段により発射強度が前記所定の強度でないと判定されたときに、前記遊技状態報知演出の実行を禁止する(第2実施形態で、第1実施形態の図38の潜伏報知処理において、発射強度が所定発射強度以上を示していないと判定されたときに、S713をバイパスすることで発射球数が計数されないようにして潜伏内容報知演出を禁止する制御を行なう)。
このような構成によれば、遊技状態特定不能演出が行なわれているときにおいて、発射強度が通過領域に遊技媒体が到達し得る所定の強度でないと判定されたときに、遊技状態報知演出の実行が禁止される。これにより、特定の領域への遊技媒体の通過率が調整されていないにも関わらず、遊技状態報知演出が実行される条件を知る遊技者が意図的に遊技媒体の通過率を低くする発射操作をすることに基づいて遊技状態報知演出を実行させることにより、特別遊技状態に制御されているか否かの情報を遊技者に作為的に知られないようにすることができる。
(5) 前記演出制御手段は、前記遊技状態報知演出において前記特別遊技状態に制御されていることを報知するときに、前記通常遊技状態において出現しない演出態様(図10の(E)の確変有報知モード背景画像を表示する演出態様)で当該報知を行なう(図12の(C1))。
このような構成によれば、遊技状態報知演出において、特別遊技状態に制御されていることが、通常遊技状態において出現しない演出態様で報知されるので、当該報知の希少感を高めることができる。
(6) 前記演出制御手段は、前記遊技状態報知演出において前記特別遊技状態に制御されていないことを報知するときに、前記通常遊技状態において出現しない演出態様(図10の(F)の確変無報知モード背景画像を表示する演出態様)で当該報知を行なう(図12の(C2))。
このような構成によれば、遊技状態報知演出において、特別遊技状態に制御されていないことが、通常遊技状態において出現しない演出態様で報知されるので、当該報知の希少感を高めることができる。
(7) 前記遊技状態報知演出が行なわれているときに、当該遊技状態報知演出が行なわれていることを特定可能な信号(潜伏内容報知実行信号)を前記遊技機の外部に出力する外部信号出力手段(外部情報出力回路85、演出制御用マイクロコンピュータ100、図38のS733)をさらに含む。
このような構成によれば、遊技状態報知演出が行なわれていることを特定可能な信号が遊技機の外部に出力されるので、当該信号に基づいて遊技機の演出制御の実行状況に関する情報を遊技場側が容易に知ることができるので、当該情報に基づく釘調整等を行なうことが可能になる等、遊技機の調整に反映することができる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。 演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の回路構成例を示すブロック図である。 主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 遊技制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 演出制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。 演出表示装置における演出モードの表示例を示す表示画面図である。 演出制御用マイクロコンピュータが演出モードを決定するときに用いる演出モード決定テーブルを示す説明図である。 潜伏内容報知演出が行なわれるときの具体的な演出例を説明する演出表示装置の表示画面図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 遊技制御用マイクロコンピュータが実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 保留記憶に対応する乱数等を保存する領域の構成例を示す説明図である。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 表示結果指定コマンド送信処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。 普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 コマンド受信バッファの構成例を示す説明図である。 コマンド解析処理を示すフローチャートである。 コマンド解析処理を示すフローチャートである。 コマンド解析処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。 演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。 プロセステーブルの構成例を示す説明図である。 演出図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 大当り終了演出処理を示すフローチャートである。 潜伏報知処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体を遊技領域に発射して遊技を行なうことが可能であり、当該遊技領域に設けられた始動領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて各々が識別可能な複数の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に導出表示された表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
図1を参照して、パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には、遊技媒体としての遊技球を貯留するとともに当該遊技球を発射する打球発射装置50に遊技球を供給する打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、遊技者により操作可能であり遊技球を発射するときに回動操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
打球発射装置50は、揺動することに応じて遊技球を打撃(打球)する動作を行なうアーム状の打球槌を、発射モータにより回転駆動されるカムを用いて繰返し揺動させることで連続的に打撃動作させることにより、遊技球を連続的に弾発発射可能な発射装置である。
具体的に、打球槌には、バネが取付けられており、カムの回転動作によって打球槌が打撃位置から後退させられることによりバネが伸張する。打球操作ハンドル5の操作角度に応じて定まる位置で打球槌とカムとの接触が外れて、バネの弾性力により打球槌が揺動して打撃位置にセットされた遊技球を打球することにより、遊技球が弾発発射される。打球操作ハンドル5の操作角度に応じて、打球槌とカムとの接触が外れる位置が変化することに応じて、遊技球の打球時に打球槌に作用するバネの弾性力の大きさが変化することにより、遊技球の発射強度が変化する。遊技球の発射強度は、打球操作ハンドル5の回動操作角度(回動操作量)に応じて調整可能であり、打球操作ハンドル5の回動操作角度を大きくするにしたがって発射強度が大きくなる。したがって、遊技者は、打球操作ハンドル5の操作角度を調節することに応じて遊技球の発射強度を調整することにより、遊技領域7における後述するゲート32、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14(可変入賞球装置15)、および、特別可変入賞球装置20等の遊技者が遊技球を通過または入賞させたい領域を狙って遊技球を発射することが可能となる。打球発射装置50は、たとえば1分間に100発程度の遊技球を連続的に発射可能である。
また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7においては、複数の釘60が植設される態様で設けられており、打込まれた遊技球が、釘60および各種構造物に接触しながら流下する。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。よって、演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられている。当該演出図柄表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9の下方には、遊技球が進入して入賞可能な第1始動入賞口(第1始動口ともいう)13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13を有する入賞装置の下方には、遊技球が進入して入賞可能な第2始動入賞口14(第2始動口ともいう)を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15は、左右一対の可動片がソレノイド16によって開閉動作される電動開閉式の入賞装置(所謂電動チューリップと呼ばれ、普通電動役物とも呼ばれる)である。可変入賞球装置15において可動片が開状態になると、可変入賞球装置15は、開口部が形成されることにより遊技球が入賞可能な開状態となる。可変入賞球装置15が開状態となると、遊技球が開口部から第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、可動片が開いていることにより、可変入賞球装置15が遊技球を受入れられる領域が第1始動入賞口13よりも広くなること等により、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。
また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、可動片が閉じていることにより開口部が閉じることにより、遊技球が入賞不可能な状態となる。可変入賞球装置15が閉状態となると、遊技球が第2始動入賞口14に入賞不可能な遊技者にとって有利な状態になる。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘60を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘60の配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。この実施の形態では、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始される。そして、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示開始後、変動開始時から変動終了時までの時間として設定された変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。以下の説明においては、第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。
始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
また、この実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に関し、第1始動入賞口13への始動入賞と第2始動入賞口14への始動入賞とのうち、第2始動入賞口14への始動入賞を優先させ、変動表示の開始条件を成立させる制御が行なわれる。つまり、第2始動入賞の保留記憶データがあるときには、第1始動入賞の変動表示の開始条件よりも第2始動入賞の変動表示の開始条件が優先して成立させる制御が行なわれる。たとえば第2始動入賞口14への始動入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合(保留記憶データがある場合)でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の変動表示を続けて実行する制御が行なわれる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。第1保留記憶数の上限値は4つであり、第1特別図柄保留記憶表示器18aにおいては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。第2保留記憶数の上限値は4つであり、第2特別図柄保留記憶表示器18bにおいては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられるようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられる構成であってもよい。また、遊技領域7において、特別図柄の変動表示に関連しない入賞口(一般入賞口)を設け、当該入賞口について、所定のゲートにおける遊技球の通過検出に基づいて開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられる構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときのそれぞれにおいて生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になり、遊技球が進入して入賞可能となる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。図2においては、大当り種別ごとに、大当り遊技状態終了後の大当り確率、大当り遊技状態後のベース、および、大当りにおける開放回数(ラウンド数)が示されている。図2に示すように、ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当りが設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.1秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が極めて短い(たとえば、0.1秒間)大当りであり、かつ、大当り遊技状態終了後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当り種類(種別)である。また、2ラウンドの大当りは、ラウンド数が少なく開放時間が極めて短く設定されているため、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りである。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、15R通常大当りと、15R第1確変大当りと、15R第2確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、2R通常大当りと、2R確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。
15R通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれず、特別図柄の変動時間が短縮される(たとえば、後述する変動パターンとして、変動時間が短い変動パターンが選択される)遊技状態(時短状態)に移行する制御(時短制御)が行なわれ、当該時短状態が、特別図柄の変動表示が所定回数(たとえば、100回)実行されるまで、または、次回の大当りが発生するまでのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する大当りである。
15ラウンドの確変大当りとしては、15R第1確変大当りと、15R第2確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。15R第1確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御および時短状態に移行する制御が行なわれ、当該確変状態および時短状態が、次回の大当りが発生するまでの期間継続する大当りである。
15R第2確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれるが、時短状態に移行する制御が行なわれず、当該確変状態が、次回の大当りが発生するまでの期間継続する大当りである。
15R第2確変大当りとしては、時短状態に移行する制御が行なわれ、その時短状態(後述する電チューサポート制御状態を含む)が、特別図柄の変動表示が所定回数((たとえば、100回)実行されるまで、または、次回の大当りが発生するまでの期間継続する大当りであってもよい。また、15R第2確変大当りとしては、時短状態(後述する電チューサポート制御状態を含む)が、次回の大当りが発生するまでの期間継続する大当りであってもよい。15R第2確変大当りは、演出モードが、後述するように確変状態が確定されていることを特定する演出モードとなることが、15R第1確変大当りの場合と異なる確変大当りであればよい。
2R通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれず、時短状態に移行する制御が行なわれ、当該時短状態が、特別図柄の変動表示が所定回数(たとえば、100回)実行されるまで、または、次回の大当りが発生するまでのいずれか早い方の条件が成立するまで期間継続する大当りである。
2R確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御および時短状態に移行する制御が行なわれ、当該確変状態および時短状態が、次回の大当りが発生するまでの期間継続する大当りである。
2ラウンドの大当りのうち、2R確変大当りは、ラウンド数が少なく、大入賞口の開放時間が極めて短い態様で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」とも呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」という略称で呼ばれる場合もある。ただし、この実施の形態では、2R大当りの大当り遊技状態終了後において、2R大当りが2R確変大当りであるか、2R通常大当りであるかが特定不能となる制御を行なうため、「突然確変大当り」とは呼ばれない。
なお、この実施の形態の確変状態は、次回の大当りが発生するまで継続可能となる例を示したが、確変状態としては、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、100回)実行されるまで継続可能となるものでもよい。また、特別遊技状態としては、確変状態のみの遊技状態であってもよく、確変状態の他に時短状態が含まれた遊技状態であってもよい。また、この実施の形態の時短状態は、時短状態に移行するすべての大当りにおいて、次回の大当りが発生するまで継続可能となるものであってもよく、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、100回)実行されるまで継続可能となるものでもよい。また、この実施の形態の時短状態は、一部の種類の大当りについて実行されないものを示したが、これに限らず、すべての種類の大当りについて、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、100回)実行されるまで継続可能となるものでもよい。
なお、大当りとしては、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動領域で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
また、「大当り」の他に、所定の割合で小当りが発生する制御を行なうようにしてもよい。小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(たとえば、0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。2R確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行なわれると、2R確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図1を参照して、演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技領域7における演出表示装置9の左右両側には、遊技球が進入して通過可能な領域として、ゲート形状のゲート32が設けられている。左右のゲート32のそれぞれには、各ゲート32における遊技球の通過を検出するゲートスイッチ32aが設けられている。なお、ゲートスイッチ32aが設けられたゲート32は、遊技領域7における左側にのみ設けられてもよく、遊技領域7における右側にのみ設けられてもよく、遊技領域7における左右方向の中央部にのみ設けられてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、「○」および「×」のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に「○」のランプが点灯すれば当りとなり、変動表示の終了時に「×」のランプが点灯すればはずれとなる。
普通図柄表示器10における変動表示の終了時の停止図柄が当り図柄(「○」の図柄)となった場合には、可変入賞球装置15が所定回数および所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞不可能な状態)から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過して保留記憶された入賞球数(普図保留記憶数)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわち、前述したゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器412においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
前述した通常大当り、15R第1確変大当り、2R通常大当り、または、2R確変大当りによる大当り遊技状態に制御された後、前述の時短状態に制御されているときには、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートする制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。
本実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後に時短制御が行なわれる期間に対応する期間(同時期)において、電チューサポート制御が実行される。したがって、図2に示すように、15R大当りおよび2ラウンド大当りのうち、15R第2確変大当りを除く種別の大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、電チューサポート制御が実行されることにより高ベース状態に制御される。したがって、15R第1確変大当りと15R第2確変大当りとは、前述した時短制御が行なわれるか否かという制御内容と、電チューサポート制御が実行されるか否かという制御内容とで制御内容が異なる。
前述したゲート32、第1始動入賞口13、および、第2始動入賞口14を備えた可変入賞球装置15等の遊技球が進入可能となるゲートまたは入賞口の入口側には、図1に示すように、複数の釘60が設けられている。遊技場においては、作業者が、たとえば、ゲートまたは入賞口の入口側における複数の釘60の間隔等の状態を調整する釘調整を行なうことにより、これらゲートまたは入賞口への遊技球の進入しやすさを調整することができる。したがって、ゲートまたは入賞口の入口側の釘60の調整により、ゲートにおける遊技球の通過率を調整することが可能であり、入賞口における遊技球の入賞率を調整することが可能である。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて打球発射装置50から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レール501を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
打球レール501の経路における所定位置(たとえば、打球発射装置50における発射位置の近傍)には、打球発射装置50から発射された遊技球の通過を検出する発射球スイッチ81が設けられている。発射球スイッチ81は、発射された遊技球(発射球)を検出するごとに、発射球検出信号を演出制御用マイクロコンピュータへ出力する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータにおいては、入力された発射球検出信号に基づいて、発射球数を計数することが可能である。
遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。
主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドが送信され、その演出制御コマンドが中継基板77を介して、演出制御基板80に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、受信した演出制御コマンドの内容にしたがって、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。また、発射球スイッチ81から出力された発射球検出信号は、演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、発射球スイッチ81により発射球が検出されるごとに出力される発射検出信号は、演出制御基板80において、入力ドライバ106および入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。後述する潜伏内容報知実行信号は、演出制御基板80において、出力ドライバ108を介して演出制御用マイクロコンピュータ100から出力され、さらに、外部情報出力回路85を介して、パチンコ遊技機1の外部へ出力される。さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメインを示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定をするための初期設定処理を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能な状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の内部状態と、演出制御用マイクロコンピュータ100等の電気部品制御手段の制御状態とを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。
S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態において、表示用乱数とは、たとえば、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタ(ランダムカウンタ)のカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタ(ランダムカウンタ)のカウント値を更新する処理である。この実施の形態において、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。ここで、リーチとは、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,中,右の図柄表示エリア9L,9C,9Rで、左→中→右の図柄の順序で演出図柄が停止する場合には、左,中の図柄表示エリア9L,9Cで同じ図柄が停止し、右の図柄表示エリア9Rで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,中の図柄表示エリア9L,9Cで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合(2R大当りを除く)には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、変動パターンを決定するときにリーチ演出を実行するか否かを決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
図6は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる大当り種別判定用乱数および普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって、該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御基板37に搭載された払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動し、賞球を払出させる制御を行なう。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9にはずれ図柄が変動表示の結果として停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、15R通常大当り、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、2R通常大当り、および、2R確変大当りのいずれかの種別)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施の形態では、前述したように、大当りの種別として、15R通常大当り、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、2R通常大当り、および、2R確変大当りという複数の種別を含む。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これら種別のうちのいずれかに決定される。
この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。このように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、15R大当り(15R通常大当り、15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りのすべてを含む)である場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに変動パターンが種別分けされている。また、2R大当り(2R通常大当り、および、2R確変大当りの両方を含む)である場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊変動パターン種別が設けられている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに変動パターンが種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される時短状態であるときと、時短状態でないときとでは、はずれである場合に、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、合算保留記憶数が所定個数以上であるときと、所定個数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、合算保留記憶数が所定個数以上であるときには、合算保留記憶数が所定個数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される。
変動パターン種別の設定としては、たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンスに決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
図6に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとが含まれる。
通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(15R通常大当り、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、2R通常大当り、または、2R確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りに決定する確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の第1特別図柄大当り種別判定テーブルである。また、図8(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
第1特別図柄大当り種別判定テーブルおよび第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を、15R通常大当り、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、2R通常大当り、および、2R確変大当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
第1特別図柄大当り種別判定テーブルおよび第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれには、ランダム1の値と比較される数値であって、15R通常大当り、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、2R通常大当り、および、2R確変大当りのそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
第1特別図柄大当り種別判定テーブルおよび第2特別図柄大当り種別判定テーブにおいては、次のような関係でデータが設定されている。第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとを比較した場合、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15R大当り(15R通常大当り、15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りのすべてを含む)に決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、賞球を多く獲得しやすいという点で遊技者にとって有利となる変動表示を行なうことが可能である。その理由は、2R大当りは前述したように実質的に賞球が得られない当りであり、15R大当りは15ラウンドのそれぞれのラウンド中に大入賞口への入賞球により賞球を得ることができるからである。
また、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15R確変大当り(15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りの両方を含む)に決定される割合が高く、15R確変大当りのうちの15R第1確変大当りに決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、15R確変大当りとなる割合が高く、さらに、15R第1確変大当りとなる割合も高くなる。なお、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15R確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよく、15R確変大当りのうちの15R第1確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、2R大当り(2通常大当りおよび2R確変大当りの両方を含む)となるときに2R確変大当りに決定される割合が高い。これにより、第1特別図柄の変動表示の方が、第2特別図柄の変動表示よりも、2R大当りとなるときに2R確変大当りとなる割合が高くなる。なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、2R大当りとなるときに2R確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当りとなるときに確変大当り(15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、および、2R確変大当りのすべてを含む)に決定される割合が高い。これにより、第1特別図柄の変動表示の方が、第2特別図柄の変動表示よりも、大当りとなるときに確変大当りとなる割合が高くなる。なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当りとなるときに確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
なお、第1特別図柄用の第1特別図柄大当り種別判定テーブルにのみ2R大当り(2通常大当りおよび2R確変大当りの両方を含む)を振分けるようにし、第2特別図柄用の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには2R大当りの振分けを行なわないようにしてもよい。このようにすれば、第1特別図柄の変動表示においてのみ、2R大当りが発生することとなる。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当りとを決定する場合を説明している。しかし、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態のいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンドすべてを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
図9は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図9には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、および、演出モード決定用のSR2が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられるカウンタ(ランダムカウンタ)である。SR2は、演出表示装置9のような演出装置における演出モードを複数種類の演出モードの中から選択決定するために用いられるランダムカウンタである。
このようなSR1−1〜SR2等のカウンタのそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタであり、図9において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより抽出値が停止図柄決定用の乱数値として用いられる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9等における演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。演出モードとしては、通常モード、確変モード、低率潜伏モード、および、高率潜伏モードのうちいずれかの演出モードが選択される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の演出モードが設けられてもよい。
通常モードは、遊技状態が低確率状態かつ低ベース状態であるときに選択される演出モードである。確変モードは、確変状態が確定されていることを特定する演出モードであって、遊技状態が高確率状態かつ低ベース状態であるときに選択される演出モードである。
次に、潜伏モードについて説明する。潜伏モードは、確変状態と、非確変状態とのどちらに制御されているかが特定不能な演出を行なうモードであって、確変状態が潜伏している可能性がある演出状態に制御する演出モードである。
2R通常大当りと2R確変大当りとのいずれかとなったときには、特別可変入賞球装置20の開放パターンが同じ(2回開放)であり、かつ、大当り遊技状態後に電チューサポート制御が行なわれることが共通するので、大当り遊技状態中の制御パターンおよび大当り遊技状態終了後の可変入賞球装置15の制御状態だけでは、どちらの当りであるかを認識できない。また、15R通常大当りと15R第1確変大当りとのいずれかとなったときには、特別可変入賞球装置20の開放パターンが同じ(15回開放)であり、かつ、大当り遊技状態終了後に電チューサポート制御が行なわれることが共通するので、大当り遊技状態中の制御パターン、および、大当り遊技状態終了後の可変入賞球装置15の制御状態だけでは、遊技者がどちらの当りであるかを認識できない。したがって、これらの大当り遊技状態が終了した後、演出モードを、確変状態と、非確変状態(通常状態)とのいずれに制御されているかが特定不能とするような共通の演出を行なう潜伏モードに移行させれば、確変状態が潜伏している可能性がある演出状態となる。
ここで確変状態と非確変状態とが特定不能とは、少なくとも、演出表示装置9の演出モードの表示態様が確変状態と非確変状態とで共通であることにより演出表示装置9の表示態様では確変状態であるか否かの特定が不可能であればよく、演出表示装置9以外の表示装置(演出表示装置9よりも表示状態を確認しにくいような第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、状態表示LED等の表示装置)により確変状態であるか否かが特定可能である場合と、特定不可能である場合との両方を含む。
この実施の形態において、潜伏モードには、低率潜伏モードと高率潜伏モードとの複数種類の潜伏モードが含まれている。低率潜伏モードと高率潜伏モードとは、演出態様が異なる潜伏モードであり、遊技者がどちらのモードであるかを区別可能である。低率潜伏モードは、大当り遊技状態後の大当り確率が低確率状態であるときの方が高確率状態であるときよりも選択される割合が高い潜伏モードであり、確変状態が潜伏している確率が高い印象を与えるモードである。一方、高率潜伏モードは、大当り遊技状態後の大当り確率が高確率状態であるときの方が低確率状態であるときよりも選択される割合が高い潜伏モードであり、確変状態が潜伏している確率が低い印象を与えるモードである。
したがって、潜伏モードとなったときには、低率潜伏モードと高率潜伏モードとのどちらであるかを識別することにより、確変状態が潜伏している割合が高いか低いかを遊技者が認識することができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
また、潜伏モードとなったときにおいては、遊技に使用された遊技球がゲート32を通過する通過率が所定値よりも低くなったときに、確変状態に制御されているか否かを報知する遊技状態報知演出として、潜伏内容報知演出が行なわれる。潜伏内容報知演出としては、確変状態であるか否かに応じて、確変状態に制御されていることを示す「確変有報知モード」と、確変状態に制御されていないことを示す「確変無報知モード」とが選択されて実行される。
なお、潜伏内容報知演出としては、確変状態に制御されているときに「確変有報知モード」とする制御を行なうが、確変状態に制御されていないときに、何らの報知もしないようにしてもよい。また、確変状態に制御されていないときには、「確変無報知モード」とする否かを所定の割合で決定し、報知する決定がされたときのみ「確変無報知モード」とする制御を行なうようにしてもよい。
次に、前述した各種の演出モードの具体例を説明する。図10は、演出表示装置9における演出モードの表示例を示す表示画面図である。図10においては、演出図柄の表示が省略されている。
通常モードにおいては、図10(A)に示すように、都市を示す背景画像である通常モード背景画像が表示される。確変モードにおいては、図10(B)に示すように、海を示す背景画像である確変モード背景画像が表示される。低率潜伏モードにおいては、図10(C)に示すように、山を示す背景画像である低率潜伏モード背景画像が表示される。Bが表示される。高率潜伏モードにおいては、図10(D)に示すように、空を示す背景画像である高率潜伏モード背景画像が表示される。このように演出モードごとに背景画像が異なることにより、遊技者は、背景画像に基づいて、演出モードの種類を認識することができる。
なお、演出モードとしては、背景画像を異ならせることに加えて、たとえば、演出モードごとに異なるキャラクタを表示する等、その他の演出が異なるようにしてもよい。また、演出モードとしては、背景画像を共通とし、演出モードごとに異なるキャラクタを表示する等、背景画像以外の演出が異なるように制御することで、演出モードの種類を遊技者が認識できるようにしてもよい。
演出モードが低率潜伏モードまたは高率潜伏モードであるときにおける確変有報知モードにおいては、図10(E)に示すように、「確変あり」という文字を示す確変有報知モード背景画像が表示される。演出モードが低率潜伏モードまたは高率潜伏モードであるときにおける確変無報知モードにおいては、図10(F)に示すように、「確変なし」という文字を示す確変無報知モード背景画像が表示される。なお、確変有報知モードおよび確変無報知モードのそれぞれについては、図10(E),(F)のような確変の有無を示す文字を含む背景画像の代わりに、その他の演出モードのような風景を示す背景画像を用いてもよく、画像により確変有報知モードと確変無報知モードとのどちらであるかを識別可能な演出を行なえばよい。
図10(E)に示す確変有報知モード背景画像は、たとえば通常遊技状態のような潜伏内容報知演出時以外の状態において出現しない演出態様の背景画像である。これにより、潜伏内容報知演出において、確変状態に制御されていることが、通常遊技状態において出現しない演出態様で報知されるので、当該報知の希少感を高めることができる。
なお、潜伏モードにおいて、確変状態であるときに、遊技球がゲート32を通過する通過率が所定値よりも低くなったときには、潜伏内容報知演出を実行するか否かを所定の割合で選択可能となり、この選択結果に応じて、実行することが選択されたときに潜伏内容報知演出を実行し、実行しないことが選択されたときに潜伏内容報知演出を実行しないようにしてもよい。このような制御を行なうときには、高率潜伏モードに制御されているときの方が、低率潜伏モードに制御されているときよりも、潜伏内容報知演出を実行する選択をする割合が高くなるようにしてもよい。また、このような制御を行なうときには、潜伏モードにおいて、確変状態であるときの方が、確変状態でないときよりも、潜伏内容報知演出を実行する選択をする割合が高くなるようにしてもよい。
また、潜伏モードにおいて、確変状態であるときに、遊技球がゲート32を通過する通過率が所定値よりも低くなったときには、潜伏内容報知演出に代えて、確変モードに移行させるモード移行演出を行なうようにしてもよい。また、潜伏モードにおいて、確変状態であるときに、遊技球がゲート32を通過する通過率が所定値よりも低くなったときには、確変有報知モードへの移行演出と、確変モードへの移行演出とを所定の割合で選択可能となり、この選択結果に応じて、確変有報知モードまたは確変モードへ移行する演出を行なうようにしてもよい。このようにすれば、演出モードの移行のバリエーションを豊富にすることができ、演出の面白みを向上させることができる。また、確変有報知モードへの移行演出と確変モードへの移行演出とに加えて、何ら報知をしない状態も予め定められた割合で選択されるようにしてもよい。
また、潜伏モードにおいて、確変状態でないときに、遊技球がゲート32を通過する通過率が所定値よりも低くなったときには、潜伏内容報知演出に代えて、通常モードに移行させるモード移行演出を行なうようにしてもよい。また、潜伏モードにおいて、確変状態でないときに、遊技球がゲート32を通過する通過率が所定値よりも低くなったときには、確変無報知モードへの移行演出と、通常モードへの移行演出とを所定の割合で選択可能となり、この選択結果に応じて、確変無報知モードまたは通常モードへ移行する演出を行なうようにしてもよい。このようにすれば、演出モードの移行のバリエーションを豊富にすることができ、演出の面白みを向上させることができる。また、確変無報知モードへの移行演出と通常モードへの移行演出とに加えて、何ら報知をしない状態も予め定められた割合で選択されるようにしてもよい。
また、確変有報知モード背景画像は、通常遊技状態のような潜伏内容報知演出時以外の状態において出現する演出態様の背景画像であってもよい。同様に、確変無報知モード背景画像は、通常遊技状態のような潜伏内容報知演出時以外の状態において出現する演出態様の背景画像であってもよい。
また、確変有報知モード背景画像としては、演出図柄の変動表示が行なわれるときにおいて確変状態となる予告が実行される場合に表示される画像と同じ画像(または類似する画像)等、潜伏内容報知演出時以外の状態において遊技者にとって有利な状態となることを示唆するときに表示される演出と同じ画像(または類似する画像)を表示する演出を行なうようにしてもよい。
図10(F)に示す確変無報知モード背景画像は、たとえば通常遊技状態のような潜伏内容報知演出時以外の状態において出現しない演出態様の背景画像である。これにより、潜伏内容報知演出において、確変状態に制御されていないことが、通常遊技状態において出現しない演出態様で報知されるので、当該報知の希少感を高めることができる。
図11は、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出モードを決定するときに用いる演出モード決定テーブルを示す説明図である。演出モード決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されており、RAMに読出されて使用される。
図11においては、大当りの種別ごとに演出モード決定用のSR2の値と、選択される演出モードとの関係が示されている。
15R通常大当りに決定されたときには、SR2の値が、通常モード、低率潜伏モード、および、高率潜伏モードのそれぞれに振分けられており、確変モードに振分けられていない。これにより、15R通常大当りに決定されたときには、大当り遊技状態終了後に通常モードと低率潜伏モードと高率潜伏モードとのうちのいずれかの演出モードに移行する決定がされる。
15R第1確変大当りに決定されたときには、SR2の値が、低率潜伏モード、および、高率潜伏モードのそれぞれに振分けられており、通常モードおよび確変モードに振分けられていない。これにより、15R確変大当りに決定されたときには、大当り遊技状態終了後に通低率潜伏モードと高率潜伏モードとのうちのいずれかの演出モードに移行する決定がされる。
15R第2確変大当りに決定されたときには、SR2の値が、確変モードのみに振分けられており、その他の演出モードに振分けられていない。これにより、15R第2確変大当りに決定されたときには、大当り遊技状態終了後に確変モードに移行する決定のみがされる。
2R通常大当りに決定されたときには、SR2の値が、通常モード、低率潜伏モード、および、高率潜伏モードのそれぞれに振分けられており、確変モードに振分けられていない。これにより、2R通常大当りに決定されたときには、大当り遊技状態終了後に、通常モードと低率潜伏モードと高率潜伏モードとのうちのいずれかの演出モードに移行する決定がされる。
2R確変大当りに決定されたときには、SR2の値が、低率潜伏モード、および、高率潜伏モードのそれぞれに振分けられており、通常モードおよび確変モードに振分けられていない。これにより、2R確変大当りに決定されたときには、大当り遊技状態終了後に通低率潜伏モードと高率潜伏モードとのうちのいずれかの演出モードに移行する決定がされる。
低率潜伏モードまたは高率潜伏モードに移行する決定がされる15R通常大当りと15R第1確変大当りとを比較した場合、高率潜伏モードは、大当り遊技状態終了後の大当り確率が高確率状態となる15R第1確変大当りであるときの方が低確率状態となる15R通常大当りであるときよりも選択される割合が高くなるようにSR2の値が設定されている。一方、低率潜伏モードは、大当り遊技状態終了後の大当り確率が低確率状態となる15R通常大当りであるときの方が高確率状態となる15R第1確変大当りであるときよりも選択される割合が高くなるようにSR2の値が設定されている。
このような設定により、15R大当りの大当り遊技状態後において、演出モードが高率潜伏モードとなったときには、演出モードが低率潜伏モードとなったときと比べて、確変状態である割合が高い。これにより、演出モードが高率潜伏モードと低率潜伏モードとのどちらであるかを識別することに基づいて、潜伏モードにおいて、確変状態が潜伏している割合が高いか低いかを遊技者が予測することができるようになる。
また、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードに移行する決定がされる2R通常大当りと2R確変大当りとを比較した場合、高率潜伏モードは、大当り遊技状態後の大当り確率が高確率状態となる2R確変大当りであるときの方が低確率状態となる2R通常大当りであるときよりも選択される割合が高くなるようにSR2の値が設定されている。一方、低率潜伏モードは、大当り遊技状態後の大当り確率が低確率状態となる2R通常大当りであるときの方が高確率状態となる2R確変大当りであるときよりも選択される割合が高くなるようにSR2の値が設定されている。
このような設定により、2R大当りの大当り遊技状態後において、演出モードが高率潜伏モードとなったときには、演出モードが低率潜伏モードとなったときと比べて、確変状態である割合が高い。これにより、演出モードが高率潜伏モードと低率潜伏モードとのどちらであるかを識別することに基づいて、潜伏モードにおいて、確変状態が潜伏している割合が高いか低いかを遊技者が予測することができるようになる。
また、15R大当りと2R大当りとを比較した場合、2R通常大当りであるときの方が15R通常大当りであるときよりも、低率潜伏モードおよび高率潜伏モードを含む潜伏モードが選択される割合が高い。これにより、2R大当りであるときには、15R大当りであるときと比べて、演出モードが潜伏モードに移行する頻度が高くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、15R大当りと2R大当りとを比較した場合、15R通常大当りであるときの方が2R通常大当りであるときよりも、低率潜伏モードおよび高率潜伏モードを含む潜伏モードが選択される割合が低い。これにより、15R大当りであるときには、2R大当りであるときと比べて、確変状態とならないときに演出モードが潜伏モードに移行する割合が低くなるので、潜伏モードにおける遊技者の期待感を高めることができる。
なお、15R大当りと2R大当りとを比較した場合、15R通常大当りであるときと、2R通常大当りであるときとで、低率潜伏モードおよび高率潜伏モードを含む潜伏モードを選択する割合の高低は、図11に示す設定とは逆に設定してもよい。
次に、演出モードが低率潜伏モードまたは高率潜伏モードに移行されたときにおいて潜伏内容報知演出が行なわれるときの具体的な演出例を説明する。図12は、潜伏内容報知演出が行なわれるときの具体的な演出例を説明する演出表示装置9の表示画面図である。
図12に示すように、たとえば(A)のような通常モードで大当り遊技状態が発生すると、大当り遊技状態の終了後において、演出表示装置9で表示される演出モードが、大当りの種別に応じて、(B1)のような低率潜伏モードまたは(B2)のような高率潜伏モードに移行する。そして、このような潜伏モードにおいて、発射された遊技球がゲート32を通過する通過率が所定値よりも低くなったと演出制御用マイクロコンピュータ100により判定されると、確変状態であるときには、(C1)のような確変有報知モードに移行し、確変状態でないときには、(C2)のような確変無報知モードに移行する。これにより、遊技者は、確変状態であるか否かを認識することができる。
(C1)のような確変有報知モードに移行したときには、15R第1確変大当りまたは2R確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態であり、次回の大当りが発生するまで、確変有報知モードが継続される。(C2)のような確変無報知モードに移行したときには、15R通常大当りまたは2R通常大当りの大当り遊技状態終了後の非確変状態であり、演出図柄(特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで、または、次回の大当りが発生するまでのいずれか早い方の条件が成立するまで(C2)のような確変無報知モードが継続される。そして、確変無報知モードであるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示が100回実行されるまでに次回の大当りが発生しないときには、演出モードが(D)のような通常モードに移行する。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、15R通常大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、15R第1確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C04(H)は、15R第2確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C05(H)は、2R通常大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C06(H)は、2R確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(確定する停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、および、大当り開始3指定コマンドというような複数のコマンドが含まれる。大当り開始1指定コマンドは、15R通常大当りおよび15R第1確変大当りで共通のファンファーレ画面を表示する大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始2指定コマンドは、15R第2確変大当りのファンファーレ画面を表示する大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始3指定コマンドは、2R通常大当りおよび2R確変大当りで共通のファンファーレ画面を表示する大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、15R通常大当りまたは15R第1確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、15R第2確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、2R通常大当りまたは2R確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。コマンドA403(H)は、ゲート32について普通図柄の変動表示が行なわれることとなる遊技球の通過、すなわち、ゲート通過があったことを指定する演出制御コマンド(ゲート通過指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が通常状態(確変状態および時短状態以外の状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図15は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび特別可変入賞球装置20等を制御するための処理が実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過する(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)と、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大当り開始指定コマンドを送信し、大当り遊技状態が開始することを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り終了指定コマンドを送信し、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図16は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
図17は、保留記憶に対応する乱数等のデータを保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図17に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのそれぞれは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S215)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S216)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S218が実行された後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)をする(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S225)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S226)。
なお、S213〜S216の処理とS223〜S226の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
また、始動入賞に基づく判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100において、受信した入賞時判定結果指定コマンドに基づいて、保留記憶データの内容を、当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し、変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行なう所謂先読み予告をする制御を実行するようにしてもよい。
この実施形態のパチンコ遊技機1においては、前述したように、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。これにより、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり、第2保留記憶データが生じやすくなる電チューサポート制御中(この実施形態では特別図柄の時短状態中でもある)において、第2保留記憶数の上限値による制限により第2保留記憶として記憶できず無効となる始動入賞(始動条件)の発生を低減することができる。
図18および図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、図17の第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。
第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定し(S54)、S55に進む。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定し(S53)、S55に進む。
この実施の形態では、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。
この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S76の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも優先して実行される。
このように第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示を第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも優先して実行することにより、次のような効果を得ることができる。前述したように、大当り遊技状態の終了後においては、電チューサポート制御が行なわれる場合がある。電チューサポート制御が行なわれるときには、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、電チューサポート制御が行なわれる期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、電チューサポート制御が行なわれる状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。このように保存したカウンタ値は、始動入賞により増加した保留記憶数に基づいて行なう所定の演出の演出内容を選択するために用いられる。なお、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値については、始動入賞により増加した保留記憶数に基づいて行なう演出に用いる必要がないときは、RAM55に保存しないようにしてもよい。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214またはS224で抽出し第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう(S60)。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(低確率状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技状態を終了する処理においてセットされ、その後、大当りとすると決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれか大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(C)に示す第2特別図柄大当り種別判定テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(15R通常大当り、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、2R通常大当り、または、2R確変大当り)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214またはS224で抽出し第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、大当り種別の決定を行なう。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が15R通常大当りの場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が15R第1確変大当りの場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が15R第2確変大当りの場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。大当り種別が2R通常大当りの場合には、大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。大当り種別が2R確変大当りの場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「2R通常大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「2R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R通常大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R第1確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R第2確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、S74で記憶された大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り種別に応じて、予め定められた変動パターン種別判定テーブルを選択する(S92)。そして、S102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的に、時短フラグは、後述するように、15R通常大当り、15R第1確変大当り、2R通常大当り、または、2R確変大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、時短フラグは、特別図柄の変動表示が所定回数(たとえば、100回)を消化したときの停止図柄を停止表示するタイミング(15R通常大当り、または、2R通常大当りの大当り遊技状態の終了後の時短状態)、または、次回の大当りが決定されたときに停止図柄を停止表示するタイミング(15R通常大当り、15R第1確変大当り、2R通常大当り、または、2R確変大当りの終了後の時短状態)でリセットされる。
時短フラグがセットされていれば(S95のY)、CPU56は、S99に移行する。時短フラグがセットされていなければ(S95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S96)。合算保留記憶数が3未満であれば(S96のN)、CPU56は、ランダム2の抽出値に基づいて変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、ROM54に記憶されている通常状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択する(S97)。そして、S102に移行する。
合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数)が3以上である場合(S96のY)に、CPU56は、ランダム2の抽出値に基づいて変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、ROM54に記憶されている通常状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択する(S98)。そして、S102に移行する。通常状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルは、通常状態はずれ時第1判定テーブルと比べて、変動時間が短い通常変動パターン(非リーチ変動パターン)の選択割合が高く設定されている。これにより、通常状態において変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上である場合には、3未満である場合と比べて、平均的な変動時間を短縮することができる。このように、合算保留記憶数が多くなるにしたがって平均的な変動時間を短くすることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。このように平均的な変動時間を短縮することにより、変動短縮制御を実現することができる。
また、時短フラグがセットされている場合(S95のY)、CPU56は、合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数)が3以上であるか否かを確認する(S99)。合算保留記憶数が3未満であれば(S99のN)、CPU56は、ランダム2の抽出値に基づいて変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、ROM54に記憶されている時短状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択する(S100)。そして、S102に移行する。時短状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルは、通常状態はずれ時第1判定テーブルと比べて、変動時間が短い変動パターンの選択割合が高く設定されている。これにより、時短状態において変動パターン決定時の合算保留記憶数が3未満である場合には、通常状態で合算保留記憶数が3以上であるときと同様に、通常状態において合算保留記憶数が3未満である場合と比べて、平均的な変動時間を短縮することができる。このように、合算保留記憶数が多くなるにしたがって平均的な変動時間を短くすることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
合算保留記憶数が3以上である場合(S99のY)に、CPU56は、ランダム2の抽出値に基づいて変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、ROM54に記憶されている時短状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択する(S101)。そして、S102に移行する。時短状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルは、時短状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルと比べて、変動時間が短い通常変動パターンの選択割合が高く設定されている。これにより、時短状態において変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上である場合には、3未満である場合と比べて、平均的な変動時間を短縮することができる。このように、合算保留記憶数が多くなるにしたがって平均的な変動時間を短くすることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。このように平均的な変動時間を短縮することにより、変動短縮制御を実現することができる。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(たとえば、0であるか、0または1である場合)には、時短変動の変動表示を行なわないようにしてもよい。この場合、たとえば、CPU56は、S95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92、S97,S98,S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターン種別に対応して設けられた変動パターン判定テーブルを選択する(S103)。変動パターン判定テーブルは、ランダム3の抽出値に基づいて変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、ROM54に記憶されている。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S106)。
また、特別図柄の変動を開始させるための処理を行なう(S107)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、開始フラグを参照して特別図柄の変動表示を開始するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S95〜S101,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるにしたがってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、たとえば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行なうことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して予告演出を行なうように構成することが好ましい。
図21は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類またははずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行なう。具体的に、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。
大当りフラグがセットされていない場合、すなわち、はずれである場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(S120)。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が15R通常大当りであるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう(S111,S112)。15R通常大当りであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる(S111)。
大当りの種別が15R通常大当りでなく、15R第1確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行なう(S113,S114)。15R第1確変大当りであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる(S113)。15R通常大当りおよび15R第1確変大当りでなく、15R第2確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行なう(S115,S116)。15R第2確変大当りであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる(S115)。
大当りの種別が15R通常大当り、15R第1確変大当り、および、15R第2確変大当りでなく、2R通常大当りであるときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行なう(S117,S118)。2R通常大当りであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「04」であるか否かを確認することによって判定できる(S117)。15R通常大当り、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、15R第2確変大当り、および、2R通常大当りでないとき、すなわち、消去法的に2R確変大当りであるときには、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行なう(S119)。なお、2R確変大当りであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「05」であるか否かを確認することによって判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S121)。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、終了フラグを参照して特別図柄の変動表示を終了するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S140に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットする(S134)。具体的に、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、または、2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後には、確変フラグがセットされているので、その確変フラグをS134でリセットする。また、15R通常大当り、15R第1確変大当り、2R通常大当り、または、2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後には、時短フラグがセットされている場合があるので、セットされている場合には、その時短フラグをS134でリセットする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、大当りの種別が15R通常大当りまたは15R第1確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R第2確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R通常大当りまたは2R確変大当りである場合には大当り開始3指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が、いずれの種別であるかは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータに基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、15R通常大当り、15R第1確変大当り、または、15R第2確変大当りの場合には15回。2R通常大当りまたは2R確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S139)、処理を終了する。
次いで、S133で大当りフラグがセットされていないときに、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S140)。S140で確変フラグがセットされていない場合には、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。S141で時短フラグがセットされている場合、すなわち、確変フラグがセットされておらず、かつ、時短フラグがセットされている場合は、15R通常大当りまたは2R通常大当りの大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御されていないが、時短状態(電チューサポート制御を含む)に制御されている状態であり、この場合の時短状態は、変動表示100回の実行時に終了させる必要がある。したがって、その場合には、S142〜S145により時短状態が継続する特別図柄の変動表示回数を管理する。
一方、S140で確変フラグがセットされている場合、すなわち、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、または、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後には、時短状態を変動表示100回の実行時に終了させる制御を行なう必要がないので、後述するS146に進む。具体的に、15R第1確変大当りおよび2R確変大当りの場合は、次回の大当り発生時まで時短状態を継続させる必要があるからである。また、15R第2確変大当りの場合は、時短状態に制御する必要がないからである。
CPU56は、S141で時短フラグがセットされている場合、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。このような時短回数カウンタは、15R通常大当りまたは2R通常大当りが終了するときに、大当り終了処理(S307)において、所定値(100回)にセットされ、S142により変動表示が実行されるごとに、変動表示の終了時点で減算される。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になったか否か確認する(S143)。時短回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS146に進む。一方、時短回数カウンタの値が0になっているときには、時短フラグをリセットする(S144)。そして、時短フラグがリセットされたことにより、遊技状態が、確変状態ではなく、かつ、時短状態ではない状態となってことに応じて、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S145)、S146に進む。
S146では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S146)、処理を終了する。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認する(S150)。
大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S154に移行する。一方、大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S151)、終了する大当りの種別に応じた大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。具体的に、大当りの種別が15R通常大当りまたは15R第1確変大当りである場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R第2確変大当りである場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R通常大当りまたは2R確変大当りである場合には大当り終了3指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が、いずれの種別であるかは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータに基づいて判定される。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S153)、処理を終了する。
大当り終了表示タイマが設定されていない場合、154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、終了する大当りの種別が、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、または、2R確変大当りであるか否か確認する(S161)。これら種別の大当りは、確変大当りであるので、これら種別の大当りであるときには、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させ(S162)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して確変状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S163)。一方、これら種別の大当りでないときには、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御せず、時短状態(電チューサポート制御を含む)に制御する大当り(15R通常大当り、または、2R通常大当り)であるので、時短状態に制御するために、後述するS165に進む。
そして、これら種別の大当りのうち、終了する大当りの種別が、15R第1確変大当り、または、2R確変大当りであるか否か確認する(S164)。これら種別の大当りは、確変状態に制御することに加えて、時短状態(電チューサポート制御を含む)に制御する大当りであるので、時短状態に制御するために、S166に進む。これら種別の大当りでないとき、すなわち、15R第2確変大当りであるときは、時短状態に制御しないので、後述するS168に進む。
S165において、CPU56は、所定の時短回数として、100回を示す値を時短回数カウンタにセットし(S165)、S166に進む。S166では、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S166)。これにより、15R第2確変大当り以外の大当り種別であるときには、時短状態に制御される。15R第2確変大当り、または、2R確変大当りであるときには、S165で時短回数カウンタがセットされてS166により時短フラグがセットされることにより、大当り遊技状態の終了後、変動表示が100回実行されるまで次回の大当りが発生しないときには、時短回数カウンタにより管理される変動表示が100回となったときに、前述のS144により時短状態が終了させられる。また、15R第1確変大当り、または、2R確変大当りであるときには、S165で時短回数カウンタがセットされず、S166により時短フラグがセットされることにより、大当り遊技状態の終了後、変動表示回数に関係なく、次回の大当りが発生するまで、時短状態が継続させられる。
なお、時短回数は、時短回数を決定するための乱数値(時短回数決定用乱数値)を抽出し、抽出した乱数値に基づいて、たとえば20回または100回のような複数種類の時短回数のうちのいずれかに決定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して時短状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S167)、S168に進む。S168において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S168)、処理を終了する。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図25は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のランダム4(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、通常遊技状態(電チューサポート制御がされていない遊技状態)と、電チューサポート制御状態とに分けて示されている。
通常遊技状態のときにおいて、決定値が1〜20となったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、通常遊技状態のときにおいて、決定値が21〜201となったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が1〜180となったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が1秒間に設定されるとともに、開放時間が1.5秒間で3回開放することに設定される。一方、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が181〜201となったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が1秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、電チューサポート制御状態のときには、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。
図26は、図6のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S301)。S301では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S302)。
S302において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S302において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
以上のようなゲート通過時処理を実行した後には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対してゲート通過指定コマンドを送信する制御を行なう(S303)。S303でゲート通過指定コマンドを送信した後、および、S301でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS310〜S314の各処理を実行する。
S310の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S311の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、時短フラグがセットされているか否かに基づいて、電チューサポート制御状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図25に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、電チューサポート制御状態では、S311の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、S311の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。電チューサポート制御状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S312の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S313の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S313の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S312の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S314の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S313の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、図25に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図27は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、図9に示すようなSR1−1,SR1−2,SR1−3、および、SR2を含む各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。そして、演出モードが低率潜伏モードまたは高率潜伏モードであるときにおいて、所定の報知条件が成立したときに図12に示すような潜伏内容報知演出を行なう潜伏報知演出処理を行なう(S708)。その後、S702に移行する。
図28は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。
図29〜図31は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。
主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
図29を参照して、コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または、大当り開始3指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、受信したコマンドに対応して、大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または、大当り開始3指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
次に、図30を参照して、受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行ない(S634)、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。受信した演出制御コマンドが大当り終了3指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、大当り終了3指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S647A)、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)、すなわち回数のデータをRAMに形成されている開放中回数保存領域に格納する(S647B)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口の開放中であることを示す大入賞口開放中フラグをセットする(S647C)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S648A)、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放後指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)、すなわち回数のデータをRAMに形成されている開放中回数保存領域に格納する(S648B)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口の開放中であることを示す大入賞口開放中フラグをセットする(S648C)。
次に、図31を参照して、受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をRAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。また、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドの受信に応じて、第1保留減算カウンタを1加算更新する(S653)。この第1保留減算カウンタの値に基づき、後述するように第1保留記憶表示部18cでの第1保留記憶表示が減算表示される。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をRAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。また、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドの受信に応じて、第2保留減算カウンタを1加算更新する(S656)。この第2保留減算カウンタの値に基づき、後述するように第2保留記憶表示部18dでの第2保留記憶表示が減算表示される。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、通常状態指定コマンド受信フラグをセットする(S647A)。そして、確変状態フラグ、および、時短状態フラグのうち、セットされているフラグがあれば、当該フラグをリセットする(S658)。ここで、確変状態フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100側で確変状態であるか否かを管理するためのフラグであり、確変状態となったときに、後述するS662においてセットされる。また、時短状態フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100側で時短状態であるか否かを管理するためのフラグであり、時短状態となったときに、後述するS660においてセットされる。
通常状態指定コマンドが送信されるケースとしては、前述したように、15R通常大当りまたは2R通常大当り後における確変状態ではない時短状態で、変動表示が100回実行されたことに応じて時短状態が終了したときにS145において送信される第1の送信ケースと、大当り遊技状態の開始時に確変状態および時短状態が一旦終了したときにS136において送信される第2の送信ケースとがある。
第1の送信ケースの場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100において、確変状態フラグがセットされておらず、時短フラグがセットされている状態(15R第1確変大当り後、または、2R確変大当り後の状態で変動表示が100回実行された状態)でコマンドを受信するケースであり、S658では時短フラグをリセットする。
第2の送信ケースの場合は、次のように複数のケースがある。まず、演出制御用マイクロコンピュータ100において、確変状態フラグおよび時短状態フラグの両方がセットされている状態(15R第1確変大当り後、または、2R確変大当り後の状態)でコマンドを受信したケースでは、確変状態フラグおよび時短状態フラグの両方をリセットする。
次に、確変状態フラグがセットされており時短状態フラグがセットされていない状態(15R第2確変大当り後の状態)でコマンドを受信したケースでは、確変状態フラグをリセットする。
次に、確変状態フラグがセットされておらず、時短状態フラグがセットされている状態(15R第1確変大当り後、または、2R確変大当り後の状態で変動表示が100回実行される前の状態)でコマンドを受信したケースでは、時短状態フラグをリセットする。
次に、確変状態フラグおよび時短状態フラグの両方がセットされていない状態(電源投入後まだ1回も大当りが発生していない状態、または、15R第1確変大当り後または2R通常大当り後の状態で変動表示が100回実行されて時短状態が終了した後の状態)でコマンドを受信したケースでは、確変状態フラグおよび時短状態フラグともにリセットされた状態であるので、これらのリセット状態を維持する。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(S659)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(S660)。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(S662)。
S657〜S662の処理が行なわれることにより、通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、および、確変状態指定コマンドを受信することに基づき、確変状態フラグ、および、時短状態フラグを管理することにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が、通常状態、時短状態(電チューサポート制御状態を含む)、および、確変状態のいずれの状態にあるかを演出制御用マイクロコンピュータ100において、遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様に認識することができる。
また、受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンド受信フラグをセットする(S664)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、第1始動入賞が検出されたことを認識することができる。
また、受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S665)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞指定コマンド受信フラグをセットする(S666)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、第2始動入賞が演出されたことを認識することができる。
また、受信した演出制御コマンドがゲート通過指定コマンドであれば(S667)、演出制御用CPU101は、ゲート通過指定コマンド受信フラグをセットする(S668)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、ゲート32での遊技球の通過が検出されたことを認識することができる。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグ等のデータをセットする(S669)。そして、S611に移行する。
図32は、図27に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)をSR1−1〜SR1−3等に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図33は、図32に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。
図34は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。
図34に示す例では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、15R通常大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、または、15R第1確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が偶数図柄(確変大当りが潜伏している状態を想起させるような大当り停止図柄の組合せ)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、15R第2確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が奇数(確変大当りの確定を想起させるような大当り停止図柄の組合せ)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)には、上記以外の演出図柄の組合せ(左右不一致、左右のみ一致等のはずれ図柄の組合せ)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左,右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、2R通常大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンドである場合)、または、2R確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果6指定コマンドである場合)に、停止図柄として「1,3,5」の演出図柄の組合せ(確変大当りが潜伏している状態を想起させるようなチャンス目図柄の組合せ)を決定する。なお、2R通常大当りまたは2R確変大当り図柄の組合せは、「5,3,5」等のリーチ図柄となる図柄の組合せとしてもよい。
演出制御用CPU101は、たとえば、演出図柄変動開始処理において、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せまたは特殊図柄(チャンス目)の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が最終停止図柄の停止図柄として決定される。
大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。
15R第2確変大当りにすることに決定されているときには、奇数大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せを選択決定する。奇数大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。奇数図柄の大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、奇数大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、奇数図柄の大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、15R通常大当りまたは15R第1確変大当りにすることに決定されているときには、偶数大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄の組合せを選択決定する。偶数大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。偶数大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、偶数大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、偶数大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、2R通常大当りまたは2R確変大当りにすることに決定されているときには、特殊図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「1,3,5」というようなチャンス目の組合せを左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして選択決定する。
図35は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図35に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を行なうときに、S801〜S803において、変動パターンに応じて選択したプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図36は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。前述したように、演出図柄変動中処理においては、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件、または、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときに、この演出図柄変動停止処理が実行される。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。また、図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。
演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S880)。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間(変動表示時間)が終了したという条件が成立したときに演出制御プロセス処理に進んだ場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間で変動表示の終了タイミングについての認識がずれないようにするために、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときにS880の処理を実行するのが望ましい。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S891に移行する。
この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せを表示した場合には、S890で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S891に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄の組合せ、奇数の大当り図柄の組合せ、偶数の大当り図柄の組合せ、または、チャンス目の大当り図柄の組合せ)を停止表示させる制御を行なう(S881)。そして、停止図柄として、大当りとなるときの停止図柄(奇数の大当り図柄の組合せ、偶数の大当り図柄の組合せ、または、チャンス目の大当り図柄の組合せ)を表示したか否か(すなわち、大当りとなるか否か)を確認する(S882)。
S882で大当りとならないときには、演出制御用CPU101は、演出モードが通常モードであることを示す通常演出モードフラグがセットされているか否かを確認する(S883)。S883において通常演出モードフラグがセットされていないときは、確変モードであることを示す確変演出モードフラグ、低率潜伏モードであることを示す低率潜伏演出モードフラグ、または、高率潜伏モードであることを示す高率潜伏演出モードフラグがセットされているときである。
S883において通常演出モードフラグがセットされているときは、表示結果がはずれとなる変動表示の終了後に演出モードを変更する必要がないので、後述するS889に進む。一方、S883において通常演出モードフラグがセットされていないときは、通常状態指定コマンドを受信しているか否かを判断するために、通常状態指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S884)。通常状態指定コマンド受信フラグがセットされていないときには、現在の演出モードを通常演出モードに変更する必要がないので、後述するS889に進む。一方、通常状態指定コマンド受信フラグがセットされているときには、通常状態指定コマンド受信フラグをリセットし、現在セットされている演出モードフラグをリセットし(S886)、通常演出モードフラグをセットする(S887)。そして、演出表示装置9に表示されている画像のうちの背景画像を、図10(A)のような通常モードに対応した通常モード背景画像に変更する処理が行なわれる(S888)。その後、S889に進む。
具体的に、表示結果がはずれとなる変動表示の終了時において、通常状態指定コマンドが受信されているときは、15R通常大当りまたは2R通常大当りの大当り遊技状態の終了後に100回の変動表示が実行されたことに基づいて、時短状態が終了するときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53においてS145により通常状態指定コマンドが送信された状態である。この場合には、時短状態の終了に応じて、図12(D)のように演出モードを通常モードに変更する必要があるので、現在セットされている演出モードフラグをリセットして通常演出モードフラグをセットするのである。これにより、演出モードが、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードから、通常モードに変更され、演出表示装置9で表示される画像において、図12(D)のように、演出モードを示す背景画像が、低率潜伏モード背景画像または高率潜伏モード背景画像から、通常モード背景画像に変更される。
S889では、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S889)、処理を終了する。
前述したS882で大当りとなるときには、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(S890)。そして、潜伏内容報知フラグがセットされているか否かを確認する(S891)。潜伏内容報知フラグは、潜伏内容報知演出が行なわれる条件が成立したときに、後述するS731でセットされるフラグである。S891により潜伏内容報知フラグがセットされていないときは、後述するS894に進む。一方、S891により潜伏内容報知フラグがセットされているときは、大当りの発生に応じて潜伏内容報知演出を終了させるために、潜伏内容報知フラグをリセットし(S892)、潜伏内容報知演出の終了に応じて潜伏内容報知実行信号をローレベルにすることにより潜伏内容報知実行信号の出力を停止させ(S893)、S894に進む。潜伏内容報知実行信号は、潜伏内容報知演出が行なわれていることを特定可能な信号であり、後述するS733により、演出制御用マイクロコンピュータ100から出力され、外部情報出力回路85を介して、パチンコ遊技機1の外部へ出力される。
S894では、大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、および、大当り開始3指定コマンド受信フラグのうちのいずれかがセットされているか否かを確認する(S894)。S894でこのような受信フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。S894でこのような受信フラグがセットされている場合に、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(S895)。
次に、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S896)。S896の処理では、演出制御用CPU101は、そして、セットされている大当り開始指定コマンド受信フラグに基づいて、大当りの種別を確認し、当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始3指定コマンド受信フラグのうち、セットされているフラグをリセットする。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S897)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27a,27b等)の制御を実行する(S898)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S899)。
図37は、大当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出時間計測タイマの値を1減算する(S971)。演出時間計測タイマは、大当り遊技状態の終了時に行なわれるエンディング演出を管理する時間を計測するために、大当り終了演出処理前の段階でラウンド中処理においてセットされるタイマである。演出時間計測タイマは、たとえば、大当り終了指定コマンドによりより特定される大当りの種別に応じて定められた時間に設定される。そして、演出時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S972)。
演出時間計測タイマがタイムアウトしたときは(S972のY)、S980に進む。一方、演出時間計測タイマがタイムアウトしていないときは(S972のN)演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(S973)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)を制御する処理を実行する(S976)。たとえば、演出表示装置9においてエンディング演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってCGROMから画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
この場合、たとえば、大当りが終了することを表示したり、演出表示装置9の表示画面に所定のキャラクタを表示したりすることによって、大当りが終了することを報知する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S977)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S978)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S979)、処理を終了する。
次に、S972により演出時間計測タイマがタイムアウトしたと判断したときに進むS980では、S618により表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドを参照することに基づいて大当りの種別を確認するとともに、演出モード決定用のSR2を抽出し、図11に示した演出モード決定テーブルを用いて、SR2の抽出値から演出モードを選択決定する(S980)。これにより、大当り遊技状態の終了時において、大当りの種別に応じて、演出モードが、通常モード、確変モード、低率潜伏モード、および、高率潜伏モードのうちのいずれかに決定される。
そして、S980により決定された演出モードを示す演出モードフラグをセットする(S981)。これにより、大当り遊技状態の終了時において、通常演出モードフラグ、確変演出モードフラグ、低率潜伏演出モードフラグ、および、高率潜伏演出モードフラグのうちのいずれかがセットされる。
次に、S980で決定された演出モードに対応する背景画像を以後に表示する背景画像とするための処理を行なう(S982)。これにより、図10の(A)〜(D)のうちのいずれかの演出モードの背景画像が表示される。
S983では、以降の処理に必要な所定フラグ(各種演出モードフラグ、第1始動入賞指定コマンド受信フラグ、第2始動入賞指定コマンド受信フラグ、ゲート通過指定コマンド受信フラグ等)以外のフラグをリセットする(S983)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S984)、処理を終了する。
以上のような大当り終了演出処理においては、大当りの種別に応じて、演出モードが選択決定され、決定された演出モードに対応する背景画像を表示するための処理が行なわれる。このように背景画像を用いて演出モードを区別して表示することが可能となることにより、潜伏モードとなっているか否かを遊技者が容易に識別することが可能となる。さらに、潜伏モードのときには、低率潜伏モードと高率潜伏モードとのどちらであるかが区別することが可能となることにより、確変状態が潜伏している割合が高いか否かを遊技者が容易に識別することが可能となる。
図38は、潜伏報知処理(S708)を示すフローチャートである。潜伏報知処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、次のような処理を行なう。
まず、通過率計測タイマの値を1減算更新する(S711)。通過率計測タイマは、ゲート32における遊技球の通過率を計測するために用いられる計時手段であり、RAMに設けられている。通過率計測タイマは、後述するS720により所定時間(1分間)に相当するタイマ値が設定された後、潜伏報知処理が実行されるごとに、S711でタイマ値が1ずつ減算されていくことにより、所定時間を計測する。
次に、発射球スイッチ81から入力される発射球検出信号が所定時間(1球検出分の時間)オン状態となった入力されたか否かに基づいて、発射球が検出されたか否かを確認する(S712)。発射球が検出されたときには、発射球カウンタの値を1加算更新する(S713)。発射球カウンタは、打球発射装置50から発射された遊技球の個数を計数するための計数手段であり、RAMに設けられている。
次に、ゲート通過指定コマンドを受信したか否かに基づいて、ゲート32の通過球が検出されたか否かを確認する(S714)。通過球が検出されたときには、第1通過球カウンタおよび第1通過球カウンタのそれぞれの値を1加算更新する(S715)。第1通過球カウンタは、所定時間(1分間)におけるゲート32の通過球を計数するための計数手段であり、RAMに設けられている。第2通過球カウンタは、所定個数(5個)の遊技球が発射される間におけるゲート32の通過球を計数するための計数手段であり、RAMに設けられている。
次に、通過率計測タイマの計時から1分間が経過したことにより通過率計測タイマの値が0になったか否かを確認する(S716)。通過率計測タイマの値が0になっていないときには、後述するS722に進む。一方、通過率計測タイマの値が0になっているときには、第1通過球カウンタの値が5未満であるか否かを確認する(S717)。S717は、第1通過球カウンタの値が5未満であると判定したときに、通過率が1分間に5個未満であるという演算結果が得られるものであり、第1通過球カウンタの値が5以上であると判定したときに、通過率が1分間に5個以上であるという演算結果が得られるものであるので、通過率を求める演算処理機能も有する。なお、S716で1分間の経過が確認されたときに、第1通過球カウンタの値を、1分間の通過率を特定するデータとして別途記憶しておき、当該データを用いて、S717において通過率低下判定を行なうようにしてもよい。
打球発射装置50は、1分間に100発程度の遊技球を発射可能であるので、たとえば、100個の遊技球が遊技領域7に打込まれた場合において、ゲート32を通過する遊技球の個数が5個未満であるときは、ゲート32の通過率が5パーセント未満程度である。このような場合には、普通図柄が変動表示する頻度が設計時に想定した頻度よりも極めて小さく、第2始動入賞口14に入賞する頻度が設計時に想定した頻度よりも極めて小さくなっている状態であるので、遊技場における釘60の調整等により、遊技者に不利となるような通過率の調整が行なわれたおそれがある。
S717で第1通過球カウンタの値が5未満であるときは、ゲート32での1分間における通過球が5個未満というような遊技球の通過率が低下した第1低下状態であると判断できるので、単位時間中の通過率が低下した第1低下状態であることを示す第1低下状態フラグをセット状態にし(S718)、S720に進む。ここで、セット状態にするという意味は、フラグがリセット状態にあるときはセット状態に変更し、フラグがセット状態にあるときはそのセット状態を維持するという意味である。
一方、S717で第1通過球カウンタの値が5以上であるときは、第1低下状態とはなっていないので、第1低下状態フラグをリセット状態にし(S719)、S720に進む。ここで、リセット状態にするという意味は、フラグがセット状態にあるときはリセット状態に変更し、フラグがリセット状態にあるときはそのリセット状態を維持するという意味である。
なお、S716で、第1通過球カウンタの値が5となっているか否かを確認し、5となっているときに、S717において、通過率計測タイマの計時から1分間よりも長い時間が経過しているか否かを確認し、1分間よりも長い時間が経過しているときは、S718に進み第1低下率フラグをセット状態にし、1分間が経過していないときは、S719に進み第1低下率フラグをリセット状態にする処理を行なうようにしてもよい。このような処理によっても、この実施形態と同様に、通過率を求めることができる。
S720では、通過率計測タイマの値を所定時間(1分間)に相当するタイマ値にセットし(S720)、第1通過球カウンタを0にリセットして(S721)、S722に進む。これにより、次の1分間の時間計測を行なうことが可能となるともに、次の1分間の通過球を計数することが可能となるので、次回以降の潜伏報知処理が実行されることにより、次の1分間における通過率を検出することができるようになる。なお、パチンコ遊技機1の電源投入直後の最初の1分間における通過率は、起動時に、通過率計測タイマの初期値を所定時間(1分間)に設定し、第1通過球カウンタの初期値を0に設定する処理を実行することにより、求めることが可能となる。
このように第1低下状態となっているか否かを判定するための通過率を求める処理は、パチンコ遊技機1の電源投入後、1分間周期で繰返し実行されることとなり、第1低下状態となっているか否かを常に監視することができることとなる。このような第1低下状態となっているか否かを判定するための通過率を求める処理は、第1通過率判定処理と呼ぶ。第1通過率判定処理では、一定時間内におけるゲート32での遊技球の通過数に基づいて通過率が演算されるので、通過率を正確に判断することができる。
S722では、第2通過球カウンタの値が5となっているか否かを確認する(S722)。S722で第2通過球カウンタの値が5となっていないときには、後述するS728に進む。一方、S722で第2通過球カウンタの値が5となっているときには、発射球数カウンタの値が100よりも多いか否かを確認する(S723)。S723は、発射球数カウンタの値が100よりも多いと判定したときに、通過率が100発中に5個未満であるという演算結果が得られるものであり、発射球数カウンタの値が100以下であると判定したときに、通過率が100発中に5個以上であるという演算結果が得られるものであるので、通過率を求める演算処理機能も有する。なお、S723で100発の発射が確認されたときに、第2通過球カウンタの値を、100発発射分の通過率を特定するデータとして別途記憶しておき、当該データを用いて、通過率低下判定を行なうようにしてもよい。
ゲート32を通過する遊技球の個数が5個となるまでに100発よりも多い遊技球の発射球数を要したということは、100個の遊技球が遊技領域7に打込まれた場合において、ゲート32を通過する遊技球の個数が5個未満であるときであり、ゲート32の通過率が5パーセント未満程度である。このような場合には、前述したように、普通図柄が変動表示する頻度が設計時に想定した頻度よりも極めて小さく、第2始動入賞口14に入賞する頻度が設計時に想定した頻度よりも極めて小さくなっている状態であるので、遊技場における釘60の調整等により、遊技者に不利となるような通過率の調整が行なわれたおそれがある。
S723で発射球数カウンタの値が100よりも多いときは、ゲート32での通過球が5個となるまでに100発よりも多い発射球数を要するというような遊技球の通過率が低下した第2低下状態であると判断できるので、単位発射球数中の通過率が低下した第2低下状態であることを示す第2低下状態フラグをセット状態にし(S724)、S726に進む。ここで、セット状態にするという意味は、S718の場合と同様である。
一方、S723で発射球数カウンタの値が100以下であるときは、第2低下状態とはなっていないので、第2低下状態フラグをリセット状態にし(S725)、S726に進む。ここで、リセット状態にするという意味は、S719の場合と同様である。
S726では、第2通過球カウンタの値を0にリセットし(S726)、発射球数カウンタの値を0にリセットし(S727)、S728に進む。これにより、次の5個通過までの発射球数を計数することが可能となるので、次回以降の潜伏報知処理が実行されることにより、次の5個通過までの発射球数に基づく通過率を検出することができるようになる。なお、パチンコ遊技機1の電源投入直後の最初の5個通過までの通過率は、起動時に、第2通過球カウンタおよび発射球数カウンタのそれぞれの初期値を0に設定することにより、求めることが可能となる。
このように第2低下状態となっているか否かを判定するための通過率を求める処理は、パチンコ遊技機1の電源投入後、5個通過の周期で繰返し実行されることとなり、第2低下状態となっているか否かを常に監視することができることとなる。このような第2低下状態となっているか否かを判定するための通過率を求める処理は、第2通過率判定処理と呼ぶ。第2通過率判定処理では、遊技球の発射球数と、該発射球数に対するゲート32での遊技球の通過数とに基づいて通過率が演算されるので、通過率を正確に判断することができる。さらに、遊技球の発射球数を用いて通過率が演算されるので、一連の演算対象期間の中で遊技球が発射されない期間がある場合でも、通過率を正確に判断することができる。
S728では、低率潜伏演出モードフラグまたは高率潜伏演出モードフラグが、セットされているか否かを確認する(S728)。S728で確認したフラグがセットされていないときは、処理を終了する。一方、S728で確認したフラグがセットされているときは、潜伏内容報知フラグがすでにセットされているか否かを確認する(S729)。S729で潜伏内容報知フラグがまだセットされていないときは、第1低下状態フラグおよび第2低下状態フラグの両方がセットされているか否かを確認する(S730)。
S730では、第1低下状態フラグおよび第2低下状態フラグの両方がセットされていることを潜伏内容報知演出の実行条件として、これらフラグがセットされているか否かが確認されるのである。このように、第1低下状態フラグおよび第2低下状態フラグの両方がセットされていることを潜伏内容報知演出の実行条件としたことにより、継続的に遊技球が発射されているときの通過率の低下を正確に判定することができるともに、非継続的に遊技球が発射されているときの通過率の低下を正確に判定することができるので、ゲート32の通常率の低下をより正確に判定することができる。
S730で少なくとも一方のフラグがセットされていないときには、処理を終了する。一方、S730で両方のフラグがセットされているときには、ゲート32の通常率の低下により潜伏内容報知演出の実行条件が成立したと判断して、演出内容報知フラグをセット(S731)し、S732に進む。一方、S729で潜伏内容報知フラグがすでにセットされているときには、潜伏内容報知フラグを再度セットする必要がないので、そのままS732に進む。
S732では、確変状態フラグがセットされているか否かを確認することに基づいて、図12の(C1)に示すような確変有報知モード背景画像、または、図12の(C2)に示すような確変無報知モード背景画像のような潜伏内容(確変状態が潜伏しているか否かという内容)に対応した背景画像を表示するための処理を行なうことにより、潜伏内容報知演出を実行する。具体的に、S732では、確変状態フラグがセットされているときに、確変有報知モード背景画像を選択し、確変状態フラグがセットされていないときに、確変無報知モード背景画像を選択して、背景画像を表示する処理を行なう。
次に、潜伏内容報知演出の開始に応じて潜伏内容報知実行信号の信号レベルをハイレベルとすることにより、潜伏内容報知実行信号を、外部情報出力回路85を介してパチンコ遊技機1の外部へ出力させるための処理を行ない(S733)、処理を終了する。
以上のような潜伏報知処理が行なわれることにより、演出モードが低率潜伏モードまたは高率潜伏モードとなっているときにおいて、ゲート32への遊技球の通過率が予め定められた通過率よりも低下したか否かを判定し、通過率が低下したときに、潜伏内容報知演出が実行される。これにより、ゲート32の通過率が低くなっていることの代償として、確変状態に制御されているか否かを潜伏内容報知演出に基づいて遊技者が知ることができるようになるので、ゲート32の通過率の低さにより遊技者の興趣が低下しないようにすることができる。これにより、特定の領域への遊技球の通過率が調整されたときに生じ得る遊技者の不満を解消することができる。
また、このような通過率の低下を判定することに基づいて潜伏内容報知演出をする制御を行なう場合には、遊技場側で通過率の低下を判定する設定値(閾値)を勝手に変更設定することが不可能であるので、遊技場側の都合で潜伏内容報知演出をする制御を制限することができなくなる。これにより、遊技場と遊技者との間で利益の偏りがなくなるようにすることができる。
また、潜伏内容報知演出が行なわれていることを特定可能な潜伏内容報知実行信号がパチンコ遊技機1の外部に出力されるので、当該信号に基づいてパチンコ遊技機1の演出制御の実行状況に関する情報を遊技場側が容易に知ることができるので、当該情報に基づく釘60の調整等を行なうことが可能になる等、パチンコ遊技機1の調整に反映することができる。
なお、発射球数と通過球数とに基づいて通過率を判定する第2通過率判定処理としては、前述した処理内容に代えて、所定の発射球数(たとえば100発)が検出されたときに、通過球数が予め定められた通過球数(たとえば5個)未満であるか否かを判定し、予め定められた通過球数未満であるときに、第2低下状態と判定して第2低下フラグをセットする処理を行なうようにしてもよい。
また、潜伏報知処理においては、第1低下状態フラグと第2低下状態フラグとのどちらか一方がセットされていることを潜伏内容報知演出の実行条件としてもよい。また、潜伏報知処理においては、第2通過率判定処理を行なわずに第1通過率判定処理のみを行なって、第1低下状態フラグがセットされていることを潜伏内容報知演出の実行条件としてもよい。また、潜伏報知処理においては、第1通過率判定処理を行なわずに第2通過率判定処理のみを行なって、第2低下状態フラグがセットされていることを潜伏内容報知演出の実行条件としてもよい。
また、前述した第1通過率判定処理による第1低下状態の判定、および、第2通過率判定処理による第2低下状態の判定のそれぞれについては、潜伏モードのように電チューサポート制御が行なわれているときであるかを問わず常に行なうようにしてもよく、または、潜伏モードのように電チューサポート制御が行なわれているときにのみ行ない、電チューサポート制御が行なわれていないときには行なわないようにしてもよい。
また、前述した第1低下状態の判定、および、第2低下状態の判定のそれぞれを電チューサポート制御状態であるかを問わず常に行なう場合には、電チューサポート制御状態でこれら判定をするときに、電チューサポート制御が行なわれていない過去の状態で判定された第1低下状態または第2低下状態を記憶しておき、その判定結果も、潜伏内容報知演出を実行するか否かの判断に用いるようにしてもよい。また、電チューサポート制御が行なわれていない状態も含めた過去の状態で判定された第1低下状態または第2低下状態を記憶せず、電チューサポート制御状態となってから得られた新たな判定結果のみに基づいて、潜伏内容報知演出を実行するか否かを判断するようにしてもよい。
また、前述した遊技球の通過率の判定対象領域としては、特別図柄の変動表示に関連する始動入賞口(第2始動入賞口14)を備えた可変入賞球装置15を開動作させることが可能となる通過領域としてのゲート32である例を示した。しかし、これに限らず、遊技球の通過率の判定対象領域としては、特別図柄の変動表示に関連しない入賞口(一般入賞口)を備えた可変入賞球装置であって、電チューサポート制御が行なわれる可変入賞球装置を開動作させることが可能となるゲートまたは入賞口のような通過領域であってもよい。
また、潜伏内容報知演出が実行されているときに、潜伏内容報知実行信号をパチンコ遊技機1の外部へ出力させる制御を行なう例を示したが、これに限らず、潜伏内容報知実行信号の代わりに、第1通過率判定処理と、第2通過率判定処理とのいずれか一方または両方に基づいて得られるゲート通過率の判定結果をパチンコ遊技機1の外部へ出力させる制御を行なうようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、電チューサポート制御状態と、電チューサポート制御状態以外の状態(通常状態)とで、遊技球を遊技領域7の左右に打分ける構成のパチンコ遊技機において、打球発射装置50の発射強度に応じて、ゲート通過率の判定の実行を制限する例を説明する。
具体的に、第2実施形態によるパチンコ遊技機の構造は、次のようなものである。図1のような遊技領域7において、左側にゲート32が設けられず第1始動入賞口13が設けられ、右側に1つのゲート32と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15とが設けられる。
なお、第1始動入賞口13は、遊技領域7において、遊技球を誘導するために遊技領域7に植設される釘60が、遊技領域の左側を流下する遊技球の方が遊技領域7の右側を流下する遊技球よりも第1始動入賞口13に導かれやすいように設定されている構造であれば、図1のような左右の中央位置に設けられてもよい。
このような第2実施形態によるパチンコ遊技機では、通常状態(電チューサポート制御状態以外の状態)では、第1始動入賞口13への始動入賞を狙う方が始動入賞が生じやすいため、基本的に、遊技者が遊技領域7の左側を遊技球が流下するように遊技領域7の左側を狙って遊技球を発射する(以下、このような打ち方を左打ちという)。一方、電チューサポート制御状態では、第2始動入賞口14への始動入賞(ゲート32の通過および第2始動入賞口14への入賞を含む)を狙う方が始動入賞が生じやすいため、基本的に、遊技者が遊技領域7の右側を遊技球が流下するように遊技領域7の右側を狙って遊技球を発射する(以下、このような打ち方を右打ちという)。
このように遊技状態に応じて遊技球を左右に打ち分ける場合には、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードに制御されているときに一般的に行なわれる右打ちとは逆に左打ちが行なわれると、遊技場側によりゲート32に対して遊技者に不利となるような通過率の調整が行なわれていないときでも、通過率の低下が判定されて、潜伏内容報知演出が実行されるおそれがある。したがって、遊技者が、このような潜伏内容報知演出の実行条件を知るときには、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードに制御されているときに、潜伏内容を知るために故意に左打ちをして、故意に潜伏内容報知演出を実行させてしまうおそれがある。
そこで、遊技状態に応じて遊技球を左右に打ち分ける構成の場合には、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードに制御されているときに、打球発射装置50の発射強度を検出して、遊技球が遊技領域7の右側に到達し得る所定発射強度以上でないときに、潜伏内容報知演出の実行を禁止する制御を行なう。
具体的には、打球発射装置50における打球操作ハンドル5の回動角度(回動量)を検出し、検出した回転角度の情報を信号レベルにより発射強度を示す発射強度検出信号に変換して出力する発射強度センサを設け、当該発射強度センサからの発射強度検出信号を演出制御用マイクロコンピュータ100に入力する構成とする。このような発射強度センサは、たとえば、回転角度を検出し当該検出角度に応じて定められたレベルのアナログ信号を出力するロータリーエンコーダおよび信号変換出力器により構成される。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、発射強度センサからの発射強度検出信号に基づいて、次のような制御を行なう。潜伏報知処理において、S712により発射球が検出されたと判断されたときに、低率潜伏演出モードフラグまたは高率潜伏演出モードフラグがセットされているか否かに基づいて潜伏モードであるか否かを確認することにより、右打ちが必要な状態であるか否かを判断する処理を行なう。
そして、低率潜伏演出モードフラグまたは高率潜伏演出モードフラグがセットされているときには、入力されている発射強度検出信号に基づいて、発射強度が前述の所定発射強度以上を示しているか否かを確認する処理を行なう。所定発射強度以上であると判断したときは、第1実施形態と同様に、S713以降の処理を実行する。一方、所定発射強度以上でないと判断したときは、右打ちが必要な状態であるにもかかわらず右打ちをしていない状態であるので、S713をバイパスすることで発射球カウンタの加算更新を行なわない。これにより、第2通過率判定処理については、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードにおいて、発射強度が所定発射強度以上でないときに、発射球数が計数されないので、潜伏内容を知るために故意に左打ちがされても、その行為に基づく潜伏内容報知演出の実行が禁止されることとなる。
また、所定発射強度以上でないと判断したときは、S713をバイパスしたときに、通過率計測タイマの値を所定時間(1分間)に相当するタイマ値にセットするとともに、第1通過球カウンタを0にリセットして処理を終了する。これにより、第1通過率判定処理については、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードにおいて、発射強度が所定発射強度以上でないときに、その時点で判定のための処理が最初からやり直しとなるので、潜伏内容を知るために故意に左打ちがされても、その行為に基づく潜伏内容報知演出の実行が禁止されることとなる。
なお、検出された発射強度が所定発射強度以上でないときには、所定発射強度以上でない発射が継続したときに、その継続期間を計測し、予め定められた時間以上(たとえば、10秒、20秒、または30秒間)継続して所定発射強度以上でない発射が継続したかどうかを判断し、予め定められた時間以上継続したときに、通過率計測タイマの値を所定時間(1分間)に相当するタイマ値にセットするとともに、第1通過球カウンタを0にリセットして処理を終了し、さらに、第2通過球カウンタの値を0にリセットし、発射球数カウンタの値を0にリセットすればよい。このようにすれば、発射強度が所定発射強度以上でないときに、第1通過率判定処理および第2通過率判定処理が最初からやり直しとなるので、潜伏内容を知るために故意に左打ちがされても、その行為に基づく潜伏内容報知演出の実行が禁止されることとなる。
以上のような第2実施形態によれば、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードでの演出が行なわれているときにおいて打球発射装置50の発射強度がゲート32に遊技球が到達し得る所定の発射強度以上でないと判定されたときに、潜伏内容報知演出の実行が禁止される。これにより、ゲート32への遊技球の通過率が調整されていないにも関わらず、潜伏内容報知演出が実行される条件を知る遊技者が意図的に遊技球の通過率を低くする発射操作をすることに基づいて潜伏内容報知演出を実行させることにより、確変状態に制御されているか否かの情報を遊技者に作為的に知られないようにすることができる。
なお、第2実施形態においては、発射強度が所定発射強度以上でないことを、打球操作ハンドル5の回動角度(回動量)を検出することに基づいて発射強度を検出することにより判断した。しかし、これに限らず、発射強度が所定発射強度以上でないことは、遊技者が故意にゲート32を通過させないように遊技球を発射させていることが判定(検出)できればよい。たとえば、低率潜伏演出モードフラグまたは高率潜伏演出モードフラグがセットされているときに、第2実施形態において遊技領域7の左側に設けられた第1始動入賞口13のような、遊技領域7の左側に設けられ遊技球の進入を検出可能な所定のゲートまたは入賞領域(普通図柄の変動表示に関与しないゲートまたは入賞領域)への遊技球の進入(通過または入賞)が検出されたか否かを判定し、遊技球の進入が検出されたときに、発射強度が所定発射強度以上でない(左打ちがされている)と判定するようにしてもよい。また、そのような左打ち検出用のゲート(たとえば、第1実施形態に示された左側のゲートであって、通過検出信号が普通図柄の変動表示に関与しないもの)を遊技領域7の左側に設けてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、第1実施形態および第2実施形態に示したような潜伏モードでの演出を含む演出モードに関する制御が行なわれるパチンコ遊技機1において、ランダムカウンタを用いた抽選を行なうことにより、演出モードとして、潜伏モードと通常モードとの間で演出モードが移行する例を説明する。
第3実施形態の場合は、通常モードとして、第1通常モード(昇格あり)と、第2通常モード(昇格なし)との複数種類のモードが設けられている。第1通常モード(昇格あり)は、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードへモード移行すること(以下、昇格という)が可能な演出モードである。第2通常モード(昇格なし)は、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードへの昇格が不可能な演出モードである。
また、第3実施形態の場合は、低率潜伏モードと高率潜伏モードとのどちらの潜伏モードからも、第1通常モード(昇格あり)または第2通常モード(昇格なし)へモード移行する(以下、転落という)ことが可能である。
第3実施形態の場合は、図11に示すような演出モード決定テーブルにおいて、演出モードとして、通常モード(第1通常モード、第2通常モード)に演出モード決定値が割振られておらず、大当り遊技状態の終了時に、演出モードが第1通常モードまたは第2通常モードに決定されることがない。なお、第1実施形態と同様に、大当り遊技状態の終了時に選択される演出モードとして、第1通常モードおよび第2通常モードのそれぞれが含まれてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、演出モードが、低率潜伏モードおよび高率潜伏モードのそれぞれに制御されているときには、演出表示装置9で変動表示が開始するごと(第1特別図柄表示器8aまたは第1特別図柄表示器8bで第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始するごと)に転落抽選が行なわれ、これに当選するといずれかの通常モードに演出モードを移行する転落制御が行なわれる。転落抽選は、転落抽選用のランダムカウンタの数値範囲内の値のいずれかが転落抽選落決定値として定められており、たとえば、変動表示が実行されるごとに、図32の演出図柄変動開始処理(S801)において、転落抽選用のランダムカウンタが抽出され、その抽出値が転落決定値と一致したときに、通常モードに転落させることが決定される。
転落抽選においては、潜伏モードのうち、確変状態であるときに選択される割合が低い低率潜伏モードのときの方が、確変状態であるときに選択される割合が高い高率潜伏モードのときよりも、通常モードに転落する決定がされる割合が高くなるように転落決定値が設定された転落決定テーブル(ROMに記憶されている)を用いて行なわれる。これにより、低率潜伏モードのときの方が高率潜伏モードのときよりも、通常モードに転落する決定がされる割合が高い。
転落抽選において通常モードに転落する決定がされたときに移行する通常モードの種類は、確変潜伏モードに制御されてから演出表示装置9で実行された変動表示(演出図柄)の変動表示の回数に応じて決まる。たとえば、確変潜伏モードに制御されてから実行された変動表示の回数が70回以下であるときには、第1通常モード(昇格あり)に移行する決定がなされ、70回を超えるときには、第2通常モード(昇格なし)に移行する決定がなされる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、演出モードが、第1通常モード(昇格あり)に制御されているときには、演出表示装置9で変動表示が開始するごと(第1特別図柄表示器8aまたは第1特別図柄表示器8bで第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始するごと)に昇格抽選が行なわれ、これに当選するといずれかの潜伏モードに演出モードを移行する昇格制御が行なわれる。昇格抽選は、昇格抽選用のランダムカウンタの数値範囲内の値のいずれかが昇格抽選落決定値として定められており、たとえば、変動表示が実行されるごとに、図32の演出図柄変動開始処理(S801)において、昇格抽選用のランダムカウンタが抽出され、その抽出値が昇格決定値と一致したときに、潜伏モードに昇格させることが決定される。昇格決定値には、昇格したときの移行先のモード(低率潜伏モードまたは高率潜伏モード)が対応付けられており、潜伏モードに昇格させることが決定されたときに、移行先の潜伏モードも決定される。
昇格抽選によって高率潜伏モードと低率潜伏モードとのどちらに移行するかを決定する割合は、遊技状態と、通常モードに転落する前に制御されていた確変潜伏モードの種類とに応じて異なる。昇格抽選においては、確変状態であるときの方が、確変状態でないときよりも、潜伏モードに昇格する決定がされる割合が高くなるように昇格決定値が設定された昇格決定テーブル(ROMに記憶されている)を用いて行なわれる。これにより、確変状態のときの方が確変状態ではないときよりも、潜伏モードに昇格する決定がされる割合が高い。さらに、昇格決定テーブルにおいては、移行先の潜伏モードの種類は、第1通常モード(昇格あり)に転落する前に制御されていた潜伏モードと同じ種類の潜伏モード、または、第1通常モード(昇格あり)に転落する前に制御されていた潜伏モードよりも確変状態であることの期待度が高い潜伏モードとのいずれに設定されている。
したがって、たとえば、第1通常モード(昇格あり)に転落する前が低率潜伏モードであったときは、低率潜伏モードと高率潜伏モードとのいずれにも移行し得るが、第1通常モード(昇格あり)に転落する前が高率潜伏モードであったときは、高率潜伏モードのみに移行する。
このような転落制御および昇格制御が行なわれるときには、前述した実施の形態と同様に、演出モードに応じて、移行元の演出モードの背景画像から、移行先の演出モードの背景画像へと、背景画像を変化させる制御が、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
このような第3実施形態では、次のような技術思想の構成要件を含んでいる。モード制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)が、遊技状態特定不能演出モード(低率潜伏モード、高率潜伏モード)を含む複数種類のモードのうちの何れかに制御する手段であって、少なくとも特別移行条件が成立したことに基づいて前記遊技状態特定不能演出モードに制御する。
前記モード制御手段は、転落制御手段と、昇格制御手段とを備えている。前記転落制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、前記遊技状態特定不能演出モードに制御されているときにおいて予め定められた転落条件が成立したとき(転落抽選に当選したこと)に、通常モード(第1通常モード、第2通常モード)にモードを制御する。
前記昇格制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、前記転落制御手段により前記通常モードに制御された後に前記特別移行条件とは異なる予め定められた昇格条件(昇格抽選に当選したこと)が成立したときに、前記遊技状態特定不能演出モードにモードを制御する。
前記特別モードは、前記特別遊技状態に制御されていることの期待度が互いに異なる複数種類の特別モード(低率潜伏モード、高率潜伏モード)を含む。前記遊技状態特定不能演出モードは、前記複数種類の遊技状態特定不能演出モードのうちで前記転落制御手段により前記通常モードに制御される直前に制御されていた遊技状態特定不能演出モード、または該直前に制御されていた遊技状態特定不能演出モードよりも前記特別遊技状態に制御されていることの期待度が高い遊技状態特定不能演出モードに制御する(転落前が高率潜伏モードであれば高率潜伏モードのみに制御可能、転落前が低率潜伏モードであれば低率潜伏モードまたは高率潜伏モードに制御可能)。
このような構成によれば、つぎのような効果を得ることができる。遊技状態特定不能演出モードでは、特別遊技状態に制御されているか否かを特定することはできないものの、特別遊技状態に制御されていることの期待度が通常モードよりも高いので、遊技者は、遊技状態特定不能演出モードに制御されているということで、一定の期待感を得ることはできるが、この遊技状態特定不能演出モードにしても、予め定められた転落条件が成立すると、通常モードに転落してしまう。もっとも、遊技状態特定不能演出モードから通常モードに転落しても、予め定められた昇格条件が成立すると、遊技状態特定不能演出モードに再び昇格制御されることがある。これにより、遊技状態特定不能演出モードから通常モードに転落した後にも、再び遊技状態特定不能演出モードに制御されることの期待感を遊技者に与えて、遊技の興趣を向上させることができる。
しかも、遊技状態特定不能演出モードから通常モードに一旦転落した後に、そこから再び遊技状態特定不能演出モードに昇格制御させられるときには、通常モードに制御される直前に制御されていた遊技状態特定不能演出モード、または、該直前に制御されていた遊技状態特定不能演出モードよりも特別遊技状態に制御されていることの期待度が高い遊技状態特定不能演出モードに制御されることとなっている。これにより、遊技状態特定不能演出モードと遊技状態特定不能演出モードとの間で一旦通常モードに転落させられていたということが、遊技者の期待感を削いでしまうことがない。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、第1実施形態および第2実施形態に示したような潜伏モードでの演出を含む演出モードに関する制御が行なわれるパチンコ遊技機1において、第3実施形態のような潜伏モードと通常モードとの間で演出モードが移行する例において、パチンコ遊技機の起動時に演出モードをどのようなモードに制御するかについて説明する。
パチンコ遊技機1を起動したときには、主基板31から演出制御基板80に起動コマンドが送られるが、演出制御基板80に設けられた演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM(直前に電源オフした時の状態がバックアップされているバックアップRAM)に記憶されている演出モードを示すデータは、遊技状態に関わらず、また、電源オフ時の演出モードに関わらず、第2通常モード(昇格なし)のデータに書き換えられる。起動時において新たな設定値が設定されたときには、主基板31から演出制御基板80に設定値を示すコマンドが送られるが、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶されたデータはすべて初期化され(初期化されたときに演出モードを示すデータは第2通常モード(昇格なし)となる)、当該コマンドが示す設定値がRAMに格納される。
このような第4実施形態では、次のような技術思想の構成要件を含んでいる。前記モード制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、前記遊技機の電源が投入されたときに、直前に電源がしゃ断されたときに制御されていたモードに関わらず、かつ遊技状態が前記特定遊技状態であるか前記特別遊技状態であるかに関わらず、前記第2通常モードにモードを制御する起動時制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、電源を投入したときには演出モードを第2通常モード(昇格なし)にセットする機能)をさらに備える。
このような構成によれば、遊技機の電源が投入されたときには、直前に電源が遮断されたときに制御されていたモードに関わらず、かつ、遊技状態が特定遊技状態であるか特別遊技状態であるかに関わらず、必ず第2通常モードに制御されることとなっている。このため、新たに電源を投入した直後(最も多くは、遊技場の開店時)の状態(特に設定値が変更されたか、特別遊技状態に制御されているか)が遊技者に分かりにくくなり、射倖性を抑制することができる。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態においては、第1実施形態および第2実施形態に示したような潜伏モードでの演出を含む演出モードに関する制御が行なわれるパチンコ遊技機1において、第3実施形態および第4実施形態のような潜伏モードと通常モードとの間で演出モードが移行する例において、通常モードとなるときにおいて、予告演出の振分けを通常モードの種類に応じて異ならせる例を説明する。
パチンコ遊技機においては、リーチ予告等の予告演出を行なう場合がある。リーチ予告は、当該変動表示が実行されるときに、スーパーリーチに発展するか否かを予告する演出である。リーチ予告は、たとえば、演出図柄が変動表示開始されてからスーパーリーチにおける演出表示が最も早く出現し得ることとなるタイミングとなるまでの期間で、変動表示中の演出図柄の前面側に所定のキャラクタを表示することによって行われる。リーチ予告には、複数の種類の態様があるが、それぞれに1種類以上の態様が属する種別が定められており、リーチ予告の種別を先に決定した後、該決定した種別に属する態様のうちから実行すべきリーチ予告の態様を決定するものとしている。
リーチ予告の種別は、変動パターンを示すコマンドを受信すると、演出モードの決定、転落抽選の決定、および、昇格抽選の決定に続けて、このコマンドに基づいて演出制御用マイクロコンピュータ100により決定される。リーチ予告の種別には、ステップアップ演出のステップ1、ステップアップ演出のステップ2、ステップアップ演出のステップ3、演出A、演出Bといったものがあるが、いずれのリーチ予告も行わないことをリーチ予告の種別として決定することもある。
ステップアップ演出は、第1段階から第3段階までのうちの何れかの段階まで演出が段階的に変化する演出であり、第1段階だけを実行して終了するもの(ステップ1)と、第1段階と第2段階を順に実行して終了するもの(ステップ2)と、第1段階から第3段階までを順次実行して終了するもの(ステップ3)とがある。ステップアップ演出のステップ1とステップ2とステップ3は、別の種別に属するが、第1段階までの演出の態様は全く同じである。ステップ2とステップ3における第2段階までの演出の態様も全く同じである。後述するように、ステップ3は、スーパーリーチに発展する場合にしか選択されないので、スーパーリーチの発展を告知する演出と言うこともできる。
このようなリーチ予告は、本来的には、当該変動表示中にスーパーリーチに発展するか否かを予告する演出であり、いずれのリーチ予告も実行されない(つまり、リーチ予告なしの種別が決定される)確率と、いずれかのリーチ予告が実行される(リーチ予告なし以外の種別が決定される)確率とは、当該変動表示においてスーパーリーチに発展するか否かによって異なっている。もっとも、いずれかのリーチ予告が実行される場合において、その種別の選択割合が、演出モードが第1通常モード(昇格なし)に制御されているか、第2通常モード(昇格あり)を含む他のモードに制御されているかに応じて異なるように、リーチ予告種別決定用のテーブルにおいてデータが設定されている。
リーチ予告種別決定用のテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。リーチ予告種別決定用のテーブルでは、今回の変動表示の変動パターンが非リーチはずれ、または、ノーマルリーチハズレであるか、ノーマルリーチ大当たりであるか、または、スーパーリーチであるかに応じて異なる割合で、リーチ予告の種別が決定されるようにデータが設定されている。また、リーチ予告種別決定用のテーブルでは、演出モードが第2通常モード(昇格なし)モードか、第1通常モード(昇格あり)を含む第2通常モード以外のモードであるかに応じて異なる割合でリーチ予告の種別が決定されるようにデータが設定されている。
このような第5実施形態では、次のような技術思想の構成要件を含んでいる。前記演出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果に基づいて前記特定表示結果が導出される可能性があることを報知する予告演出(リーチ予告)を、複数種類の予告演出態様(ステップアップ演出(ステップ1、ステップ2、ステップ3)、演出A、演出B)のうちから選択された予告演出態様で実行する予告演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)を備える。
前記予告演出実行手段は、前記通常モードに制御されているときに、前記第1通常モード(昇格あり)に制御されているか前記第2通常モード(昇格なし)に制御されているかに応じて異なる選択割合で、前記複数種類の予告演出態様のうちから実行すべき予告演出の予告演出態様を選択する(第2通常モード(昇格なし)と他の演出モードで、リーチ予告種別の振分けが異なる)。
このような構成によれば、何れの第1通常モードと第2通常モードとのどちらに制御されているかに応じて異なる選択割合で、予告演出の予告演出態様が選択される。これにより、通常モードに転落してしまっても、そのときに実行される予告演出に遊技者を注目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 演出モードが低率潜伏モードまたは高率潜伏モードとなっているときにおいて、図38のS716,S717,S722,S723に示すように、ゲート32への遊技球の通過率が予め定められた通過率よりも低下したか否かを判定し、通過率が低下したときに、図38のS728〜S732に示すように、潜伏内容報知演出が実行される。これにより、ゲート32の通過率が低くなっていることの代償として、確変状態に制御されているか否かを潜伏内容報知演出に基づいて遊技者が知ることができるようになるので、ゲート32の通過率の低さにより遊技者の興趣が低下しないようにすることができる。これにより、特定の領域への遊技球の通過率が調整されたときに生じ得る遊技者の不満を解消することができる。
(2) 図38のS716,S717に示すように、第1通過率判定処理では、一定時間内におけるゲート32での遊技球の通過数に基づいて通過率が演算されるので、通過率を正確に判断することができる。
(3) 図38のS722,S723に示すように、第2通過率判定処理では、遊技球の発射球数と、該発射球数に対するゲート32での遊技球の通過数とに基づいて通過率が演算されるので、通過率を正確に判断することができる。さらに、遊技球の発射球数を用いて通過率が演算されるので、一連の演算対象期間の中で遊技球が発射されない期間がある場合でも、通過率を正確に判断することができる。
(4) 第2実施形態に示したように、低率潜伏モードまたは高率潜伏モードでの演出が行なわれているときにおいて、発射強度がゲート32に遊技球が到達し得る所定の発射強度でないと判定されたときに、潜伏内容報知演出の実行が禁止される。これにより、ゲート32への遊技球の通過率が調整されていないにも関わらず、潜伏内容報知演出が実行される条件を知る遊技者が意図的に遊技球の通過率を低くする発射操作をすることに基づいて潜伏内容報知演出を実行させることにより、確変状態に制御されているか否かの情報を遊技者に作為的に知られないようにすることができる。
(5) 図10(E)に示すように、確変有報知モード背景画像は、通常遊技状態において出現しない演出態様の背景画像であるため、潜伏内容報知演出において、確変状態に制御されていることが、通常遊技状態において出現しない演出態様で報知されるので、当該報知の希少感を高めることができる。
(6) 図10(F)に示すように、確変無報知モード背景画像は、通常遊技状態において出現しない演出態様の背景画像であるため、潜伏内容報知演出において、確変状態に制御されていないことが、通常遊技状態において出現しない演出態様で報知されるので、当該報知の希少感を高めることができる。
(7) 図38のS733に示すように、潜伏内容報知演出が行なわれていることを特定可能な潜伏内容報知実行信号がパチンコ遊技機1の外部に出力されるので、当該信号に基づいてパチンコ遊技機1の演出制御の実行状況に関する情報を遊技場側が容易に知ることができるので、当該情報に基づく釘調整等を行なうことが可能になる等、遊技機の調整に反映することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(4) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で、前述したように演出制御用マイクロコンピュータ100で行なわれる演出モード選択決定のための処理と同様の処理を実行することにより、低率潜伏モードおよび高率潜伏モード含む演出モードを選択決定し、決定した演出モードを示す演出制御コマンドを送信し、そのコマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出モードを実行するようにしてもよい。
(6) 前述のように遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で演出モードを選択決定する処理に加えて、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で、前述したように演出制御用マイクロコンピュータ100で行なわれる潜伏内容報知演出を実行するための処理と同様の処理を実行することにより、潜伏内容報知演出を実行するか否かを決定し、潜伏内容報知演出の実行の開始を指示する演出制御コマンドおよび潜伏内容報知演出の実行の終了を指示する演出制御コマンドを送信し、そのコマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が潜伏内容報知演出を実行するようにしてもよい。
(7) 前述のように遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で演出モードを選択決定する処理を行なう場合において、潜伏内容報知演出を実行するための処理は、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で実行するようにしてもよい。
(8) 前述した各種演出モードは、演出表示装置9での演出モードの表示のみにより、実現するようにしてもよい。また、前述した各種演出モードおよび潜伏内容報知演出は、演出表示装置9での演出モードの表示に加えて、スピーカ27L,27Rから出力される音声を各種出力することに基づいて、実現するようにしてもよい。また、前述した各種演出モードおよび潜伏内容報知演出は、演出表示装置9での演出モードの表示に加えて、装飾LED25等の発光手段の発光態様を各種設けることに基づいて、実現するようにしてもよい。また、前述した各種演出モードおよび潜伏内容報知演出は、演出表示装置9での演出モードの表示に加えて、スピーカ27L,27Rから出力される音声を各種出力すること、および、装飾LED25等の発光手段の発光態様を各種設けることの組合せに基づいて、実現するようにしてもよい。
(9) 前述した各種演出モードは、演出表示装置9での演出モードの表示によらず、スピーカ27L,27Rから出力される音声を各種出力することのみに基づいて、実現するようにしてもよい。また、前述した各種演出モードおよび潜伏内容報知演出は、演出表示装置9での演出モードの表示によらず、装飾LED25等の発光手段の発光態様を各種設けることに基づいて、実現するようにしてもよい。また、前述した各種演出モードおよび潜伏内容報知演出は、演出表示装置9での演出モードの表示によらず、スピーカ27L,27Rから出力される音声を各種出力すること、および、装飾LED25等の発光手段の発光態様を各種設けることの組合せに基づいて、実現するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、第2通過率判定処理について、発射球数と、ゲート32の通過球とに基づいて通過率を演算する例を示した。しかし、これに限らず、第2通過率判定処理については、前述した発射球数の情報の代わりに、打球発射装置50から発射された遊技球のうち、遊技領域7内に到達せずにファール球通路を通って余剰球受皿4に誘導されるファール球をファール球スイッチにより検出し、検出されたファール球を減算した打込球数の情報を用いて、通過率を演算するようにしてもよい。
(11) 前述した実施形態では、特別遊技状態としての確変状態として、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、遊技中に大当り遊技状態の判定結果とは関係なく確変状態とするか否かの判定を行なう条件が成立して当該判定が行なわれ、その結果、確変状態とすることが決定されたとき等のように、確変状態に制御するための所定条件が成立したときに、大当り遊技状態を経由せずに確変状態に制御するとともに、電チューサポート制御が行なわれるようにしてもよい。このように、大当り遊技状態を経由せずに確変状態に制御されるときには、演出モードを前述のような潜伏モードに移行する制御を行ない、潜伏モードにおいて前述のような潜伏内容報知演出を行なう等、前述した実施形態に示した各種の制御を行なうようにすればよい。
(12) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
7 遊技領域、13 第1始動入賞口、14 第2始動入賞口、8a 第1特別図柄表示器、8b 第2特別図柄表示器、1 パチンコ遊技機、32 ゲート、32a ゲートスイッチ、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、56 CPU、100 演出制御用マイクロコンピュータ、101 演出制御用CPU。

Claims (7)

  1. 遊技媒体を遊技領域に発射して遊技を行なうことが可能であり、当該遊技領域に設けられた始動領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて各々が識別可能な複数の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に導出表示された表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
    前記遊技媒体が通過可能な通過領域と、
    該通過領域における前記遊技媒体の通過を検出する検出手段と、
    前記遊技媒体が入賞しにくいまたは入賞しない閉状態と前記遊技媒体が入賞可能な開状態とに変化可能であり、前記通過領域を遊技媒体が通過したことが前記検出手段により検出されたことに基づいて当該開状態となることが可能な可変入賞装置と、
    前記特定遊技状態に制御するか否かを前記識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段と、
    所定条件が成立したときに、前記事前決定手段により前記特定遊技状態に制御する決定がされる確率が前記通常遊技状態よりも高い特別遊技状態に制御する特別遊技制御手段と、
    前記所定条件が成立したことに基づいて、前記通常遊技状態に比べて前記可変入賞装置により前記遊技媒体が入賞しやすくなる入賞容易化制御を行なう可変入賞装置制御手段と、
    前記所定条件が成立したことに基づいて、遊技状態が前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とのどちらに制御されているかが特定不能な遊技状態特定不能演出を行なう演出制御手段と、
    前記検出手段による検出に基づいて、前記所定条件が成立した後における前記遊技媒体の前記通過領域への通過率を演算する通過率演算手段とを備え、
    前記演出制御手段は、前記遊技状態特定不能演出が行なわれているときにおいて、前記通過率演算手段により演算された通過率が所定値よりも低くなったときに、前記特別遊技状態に制御されているか否かを報知する遊技状態報知演出を行なうことを特徴とする、遊技機。
  2. 前記通過率演算手段は、一定時間内における前記通過領域での前記遊技媒体の通過数に基づいて、前記通過率を演算することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記遊技媒体の発射を検出する発射検出手段をさらに備え、
    前記通過率演算手段は、前記発射検出手段による検出に基づく遊技媒体の発射数と、該発射数に対する前記通過領域での前記遊技媒体の通過数とに基づいて、前記通過率を演算することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
  4. 遊技者の操作によって発射強度が調節可能であり、前記遊技媒体を前記遊技領域へ発射する発射手段と、
    前記発射手段の発射強度を検出する発射強度検出手段と、
    前記発射強度検出手段により検出された発射強度が、発射された前記遊技媒体が前記通過領域に到達し得る所定の強度であるか否かを判定する発射強度判定手段とをさらに備え、
    前記演出制御手段は、前記遊技状態特定不能演出が行なわれているときにおいて、前記発射強度判定手段により発射強度が前記所定の強度でないと判定されたときに、前記遊技状態報知演出の実行を禁止することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 前記演出制御手段は、前記遊技状態報知演出において前記特別遊技状態に制御されていることを報知するときに、前記通常遊技状態において出現しない演出態様で当該報知を行なうことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
  6. 前記演出制御手段は、前記遊技状態報知演出において前記特別遊技状態に制御されていないことを報知するときに、前記通常遊技状態において出現しない演出態様で当該報知を行なうことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
  7. 前記遊技状態報知演出が行なわれているときに、当該遊技状態報知演出が行なわれていることを特定可能な信号を前記遊技機の外部に出力する外部信号出力手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の遊技機。
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JP2016214928A (ja) * 2016-08-25 2016-12-22 株式会社三洋物産 遊技機
JP2020103664A (ja) * 2018-12-28 2020-07-09 株式会社三洋物産 遊技機

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