JP2011159564A - ワイヤーハーネスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好にノイズ対策を施すことができるワイヤーハーネスおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】シールド部30は、第1および第2保護材31、37と、第1および第2シールド材32、36と、を備える。シールド部30は、複数の電線10の一部を、保護しつつ電磁的に遮蔽する。第1および第2保護材31、37は、複数の電線10の長手方向に延伸する部材であり、不織布により形成されている。この不織布は、主として、PET(ポリエチレンテレフタレート)により線状に形成された基本繊維と、基本繊維の周囲に鞘状のバインダ材が配置されたバインダ繊維と、を有している。第1および第2シールド材32、36は、複数の電線10の長手方向に延伸する部材であり、銅やアルミ等により形成された金属箔テープが用いられる。そして、シールド部30が、加熱および加圧されることによって、シールド部30は所望の形状とされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤーハーネスおよびその製造方法に関するものであり、特に、ワイヤーハーネスの遮蔽に関する。
従来、低電圧系回路の複数の電線と、高電圧系回路の複数の電線と、の間の沿面距離を確保することによって、リーク電流やアーク電流の発生を防止できるワイヤーハーネスが知られている(例えば、特許文献1)。
また、熱可塑性材料により構成された2枚の被覆体の間にフラット回路体を挟み込むとともに、2枚の被覆体を加熱および圧縮することによって、プロテクタを形成する技術も、従来より知られている(例えば、特許文献2)。
さらに、近年、ハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)および電気自動車(EV:Electric Vehicle)のように電気モーターを有する自動車が商品化されており、この電気モータは、ノイズ発生源となることが知られている。そして、場合によっては、電気モータで発生したノイズに起因して、車載用の電子機器が誤動作するという問題が生ずる。
そのため、電気モータを有する自動車では、ノイズ対策のために、例えば、編組状とされた細い導線または金属箔等で被覆付き導線の周囲を覆ったシールド線が、ワイヤーハーネスの電線として使用されている。
特開2004−355839号公報 特開2003−197038号公報
したがって、ノイズ対策のために、通常の電線に代えてシールド線が使用されると、ワイヤーハーネスの価格が上昇するという問題が生ずる。
そこで、本発明では、良好にノイズ対策を施すことができるワイヤーハーネスおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、ワイヤーハーネスであって、電線束と、前記電線束の長手方向に延伸しつつ前記電線束の一部を囲繞することによって、前記電線束の一部を遮蔽するシールド材と、前記シールド材を囲繞しつつ自身の接合部で接合されることによって、前記電線束の一部および前記シールド材を保護する保護部とを備え、前記保護部は、基材と、前記基材より低融点のバインダ材とを有するとともに、前記保護部の接合部は、溶融した前記バインダ材が冷却凝固することによって、接合されることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のワイヤーハーネスにおいて、前記保護部は、前記基材により線状に形成された基本繊維と、前記基本繊維の周囲に鞘状の前記バインダ材が配置されたバインダ繊維とを有することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネスにおいて、前記保護部は、加熱および加圧に起因した圧縮残留応力によって、前記電線束を固定することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤーハーネスにおいて、前記保護部の外周面は、溶融した前記バインダ材が冷却凝固することによって、硬化することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、電線束と、シールド材と、保護部とを有するワイヤーハーネスの製造方法であって、前記保護部は、融点が第1温度の基材と、融点が第2温度であり、前記基材より低融点のバインダ材とを有しており(a)前記電線束の長手方向に延伸する前記シールド材によって、前記電線束の一部を囲繞する工程と、(b)前記長手方向に延伸する前記保護部によって、前記シールド材を囲繞する工程と、(c)前記工程(a)および(b)により前記電線束の一部および前記シールド材を囲繞した前記保護部を、前記第2温度以上前記第1温度未満の温度で加熱する工程と、(d)前記工程(c)により溶融した前記バインダ材を冷却凝固させる工程とを備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載のワイヤーハーネスの製造方法であって、前記工程(c)は、前記工程(a)および(b)により前記電線束の一部および前記シールド材を囲繞した前記保護部を、前記第2温度以上前記第1温度未満の温度で加熱しつつ、さらに加圧することを特徴とする。
請求項1から請求項4に記載の発明によれば、電線束の一部をシールド材および保護部で囲繞することによって、電線束の一部だけを遮蔽することができる。すなわち、電線束のうちノイズ対策の必要な部分だけが、遮蔽される。そのため、電線束の遮蔽を安価に実現することができる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、加熱および加圧に起因した圧縮残留応力が、保護部に生じており、シールド材および電線束は、この圧縮残留応力により保護部に固定される。このように、加熱および加圧処理を経た保護部は、シールド材および電線束を容易に束ねることができる。
特に、請求項4に記載の発明によれば、硬化した保護部の外周面によって、保護部内に配置された電線束およびシールド材を、さらに良好に保護することができる。また、硬化した保護部によって、電線束の経路を規制することができる。
また、請求項5および請求項6に記載の発明によれば、電線束の一部に、シールド材および保護部を設けることができる。これにより、電線束のうちノイズ対策が必要な部分だけを、シールド線として機能させることができる。そのため、ワイヤーハーネスによる遮蔽を安価に実現することができる。
特に、請求項6に記載の発明によれば、加熱および加圧に起因した圧縮残留応力を保護部に生じさせることができ、シールド材および電線束は、この圧縮残留応力により保護部に固定される。このように、加熱および加圧処理を経た保護部は、シールド材および電線束を容易に束ねることができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、加熱および加圧に起因して、保護部の外周面を硬化させることができる。そのため、保護部内に配置された電線束およびシールド材を保護することができる。さらに、硬化した保護部によって、電線束の経路を規制することができる。
本発明の第1から第3の実施の形態におけるワイヤーハーネスの構成の一例を示す平面図である。 本発明の第1および第3の実施の形態におけるシールド部の構成の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態において、シールド部の成形に使用される金型の構成の一例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態におけるワイヤーハーネスの製造方法の一例を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるワイヤーハーネスの製造方法の一例を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるワイヤーハーネスの製造方法の一例を示す正面図である。 本発明の第2の実施の形態におけるシールド部の構成の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態において、シールド部の成形に使用される金型の構成の一例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態におけるワイヤーハーネスの製造方法の一例を示す正面図である。 本発明の第3の実施の形態において、シールド部の成形に使用される金型の構成の一例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態におけるワイヤーハーネスの製造方法の一例を示す正面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1.1.ワイヤーハーネスの構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるワイヤーハーネス1の構成の一例を示す平面図である。図2は、シールド部30の構成の一例を示す分解斜視図である。ここで、ワイヤーハーネス1は、複数の電線を束にしたものであり、例えば自動車の配線に使用される。図1に示すように、ワイヤーハーネス1は、主として、複数の電線10と、コネクタ15と、ドレイン線20と、シールド部30と、を有している。
複数の電線10は、例えば自動車の電装品を電気的に接続するために用いられる。図1に示すように、電線10の両端には、接続用のコネクタ15が設けられている。ドレイン線20は、シールド部30の第1および第2シールド材32、36と電気的に接続されており、シールド部30を接地するために使用される。
シールド部30は、複数の電線10(電線束)の一部を、保護しつつ電磁的に遮蔽する。図2に示すように、シールド部30は、主として、第1および第2保護材31、37と、第1および第2シールド材32、36と、を備えている。
第1および第2保護材31、37は、図2に示すように、複数の電線10の長手方向(X軸と略平行な方向)に延伸する部材である。長手方向における第1および第2保護材31、37の長さは、複数の電線10の長さより小さくなるように設定されている。
本実施の形態において第1および第2保護材31、37のそれぞれは、不織布により形成されている。この不織布は、主として、PET(ポリエチレンテレフタレート:基材)により線状に形成された基本繊維と、基本繊維の周囲に鞘状のバインダ材が配置されたバインダ繊維と、を有している。
ここで、本実施の形態で用いられるバインダ材は、PETおよびPEI(ポリエチレンイソフタレート)の共重合により形成されている。また、バインダ材の融点(第2温度)は、110〜150℃であり、基材(PETの融点:約250℃(第1温度))より低融点となるように設定されている。
第1および第2シールド材32、36は、第1および第2保護材31、37と同様に、複数の電線10の長手方向に延伸する部材である。図2に示すように、長手方向における第1および第2シールド材32、36の長さは、複数の電線10の長さより小さくなるように設定されている。
本実施の形態において第1および第2シールド材32、36としては、銅やアルミ等により形成された金属箔テープが用いられる。この金属泊テープは、接着面を有している。これにより、第1および第2シールド材32、36は、それぞれ第1および第2シールド材32、36に貼付できる。
また、第2シールド材36および第2保護材37の間にドレイン線20が挟まれつつ、第2保護材37に対して第2シールド材36が貼付されることによって、第1および第2シールド材32、36は、ドレイン線20と電気的に接続される。
<1.2.ワイヤーハーネスの製造方法>
図3は、シールド部30の成形に使用される金型50の構成の一例を示す斜視図である。図4から図6は、ワイヤーハーネス1の製造方法の一例を示す正面図である。以下では、まず、金型50のハードウェア構成を説明した後、ワイヤーハーネス1の製造方法を説明する。
<1.2.1.金型の構成>
ここでは、金型50のハードウェア構成について説明する。金型50は、第1および第2保護材31、37を加熱および加圧することによって、シールド部30を所望の形状に成形する。図3に示すように、金型50は、主として、保持部51と、圧縮部53と、電熱線54と、を有している。
保持部51は、加熱および加圧対象となる第1および第2保護材31、37を保持する。ここで、保持部51による保持動作は、第1および第2保護材31、37を加熱空間51aに挿入することにより実行される。また、加熱空間51aは、図3に示すように、保持部51の側壁51bに挟まれた空間として形成されている。
圧縮部53は、加熱空間51aに挿入された第1および第2保護材31、37に対して圧力を付与する加圧要素である。図3に示すように、圧縮部53は、主として、平坦部53aと、挿入部53bと、を有している。
平坦部53aおよび圧縮部53のそれぞれは、略直方体状のブロックである。図3に示すように、挿入部53bは、平坦部53aの一側面に設けられている。また、挿入部53bは、保持部51の加熱空間51aに嵌め込み可能とされている。したがって、圧縮部53の挿入部53bが、加熱空間51aに嵌め込まれることによって、保持部51で保持された第1および第2保護材31、37が、加圧される。
電熱線54は、加熱空間51aに挿入された第1および第2保護材31、37を加熱する加熱要素である。図3に示すように、電熱線54は、側壁51b内に埋設されており、加熱空間51aを囲むように配置されている。したがって、電熱線54が駆動させられ、加熱空間51aの周囲が加熱されることによって、保持部51で保持された第1および第2保護材31、37が、加熱される。
<1.2.2.金型を用いたワイヤーハーネスの製造方法>
ここでは、図4から図6を参照しつつ、金型50を用いたワイヤーハーネス1の製造方法について説明する。
ワイヤーハーネス1の製造方法では、まず、第1シールド材32が第1保護材31に貼付される。また、ドレイン線20が第2シールド材36および第2保護材37の間に挟まれた状態で、第2シールド材36が第2保護材37に貼付される(図4参照)。
次に、第1保護材31に貼付された第1シールド材32と、第2保護材37に貼付された第2シールド材36と、の間に、複数の電線10(電線束)が挟み込まれる。続いて、複数の電線10と、ドレイン線20と、第1および第2保護材31、37と、第1および第2シールド材32、36と、が、保持部51の加熱空間51aに挿入される(図5参照)。
これにより、第1および第2シールド材32、36によって、複数の電線10(電線束)の一部が囲繞される。そのため、複数の電線10の一部が、第1および第2シールド材32、36により電磁的に遮蔽される。
また、第1および第2保護材31、37によって、複数の電線10の一部と、第1および第2シールド材32、36とが、囲繞される。そのため、複数の電線10の一部と、第1および第2シールド材32、36とは、第1および第2保護材31、37により保護される。すなわち、第1および第2保護材31、37は、複数の電線10の一部、および第1および第2シールド材32、36の保護部として機能する。
続いて、電熱線54が駆動させられることによって、複数の電線10と、第1および第2シールド材32、36と、を囲繞した第1および第2保護材31、37が、バインダ材の融点(第2温度)以上、基材の融点(第1温度)未満の温度で加熱される。また、第1および第2保護材31、37は、加熱処理に加え、圧縮部53により矢印AR1方向(圧縮方向:図5参照)に加圧される。
そして、加熱により溶融した第1および第2保護材31、37のバインダ材が、基材の間を広がった後、冷却凝固する。これにより、第1および第2保護材31、37の接合部39が接合され(図6参照)、ワイヤーハーネス1の製造工程が完了する。この場合において、長手方向(X軸と略平行な方向)から見たシールド部30の断面形状は、金型50の形状に従い、略矩形状となる。
ここで、加圧後にバインダ材が冷却凝固すると、第1および第2保護材31、37は、熱変形する。そして、第1および第2保護材31、37には、加熱および加圧に起因した圧縮残留応力が発生する。これにより、第1および第2シールド材32、36と、複数の電線10とは、この圧縮残留応力によって第1および第2保護材31、37に固定される。そのため、加熱および加圧処理を経た第1および第2保護材31、37は、第1および第2シールド材32、36と、複数の電線10と、を容易に束ねることができる。
また、第1および第2保護材31、37の外周面(すなわち、加熱空間51aと対向する面)のうち、バインダ材の融点(第2温度)以上、基材の融点(第1温度)未満の温度で加熱された面は、溶融したバインダ材が冷却凝固することによって硬化する。
そのため、第1および第2保護材31、37内(の内側)に配置された複数の電線10と、第1および第2シールド材32、36と、を、さらに良好に保護することができる。また、硬化した第1および第2保護材31、37によって、複数の電線10の経路を規制することができる。
<1.3.第1の実施の形態のワイヤーハーネスの利点>
以上のように、第1の実施の形態のワイヤーハーネス1は、複数の電線10の一部だけを遮蔽することができる。すなわち、複数の電線10のうちノイズ対策の必要な部分だけが、電磁的に遮蔽され、シールド線として機能する。そのため、複数の電線10の遮蔽を安価に実現することができる。
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態におけるワイヤーハーネス100は、第1の実施の形態のワイヤーハーネス1と比較して、
(1)シールド部の構成が異なる点と、
(2)シールド部の成形に使用される金型が異なる点と、
を除いては、第1の実施の形態と同じである。そこで、以下ではこの相違点を中心に説明する。
なお、以下の説明において、第1の実施の形態のワイヤーハーネス1および金型50の構成要素と同様なものについては、同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1の実施の形態において説明済みであるため、本実施形態では説明を省略する。
<2.1.ワイヤーハーネスの構成>
図7は、本発明の第2の実施の形態におけるシールド部130の構成の一例を示す分解斜視図である。シールド部130は、第1の実施の形態のシールド部30と同様に、複数の電線10の一部を、保護しつつ電磁的に遮蔽する。図7に示すように、シールド部130は、主として、保護材131(保護部)と、シールド材132と、を備えている。
保護材131は、図7に示すように、複数の電線10の長手方向)に延伸する部材である。長手方向における保護材131の長さは、複数の電線10の長さより小さくなるように設定されている。ここで、保護材131は、第1の実施の形態の第1および第2保護材31、37と同様な不織布によって、形成されている。
シールド材132は、保護材131と同様に、複数の電線10の長手方向に延伸する部材である。図7に示すように、長手方向におけるシールド材132の長さは、複数の電線10の長さより小さくなるように設定されている。ここで、シールド材132としては、第1の実施の形態の第1および第2シールド材32、36と同様に、銅やアルミ等により形成された金属箔テープが用いられる。
<2.2.ワイヤーハーネスの製造方法>
図8は、シールド部130の成形に使用される金型150の構成の一例を示す斜視図である。図9は、ワイヤーハーネス100の製造方法の一例を示す正面図である。以下では、まず、金型150のハードウェア構成を説明した後、ワイヤーハーネス100の製造方法を説明する。
<2.2.1.金型の構成>
ここでは、金型150のハードウェア構成について説明する。金型150は、保護材131を加熱および加圧することによって、シールド部130を所望の形状に成形する。図8に示すように、金型150は、主として、加熱部151と、保持部152と、圧縮部53と、電熱線154と、を有している。
加熱部151は、保持部152に保持された保護材131を加熱する。図8に示すように、加熱空間151aは、加熱部151の側壁151bに挟まれた空間として形成されている。また、保持部152は、加熱空間151aに嵌め込み可能とされている。
保持部152は、加熱および加圧対象となる保護材131を保持する。ここで、保持部51による保持動作は、折り曲げ線134(図7参照)で折り曲げられた保護材131が配置空間152aに挿入されることにより実行される。
圧縮部53は、配置空間152aに挿入された保護材131に対して圧力を付与する加圧要素である。図8に示すように、圧縮部53は、主として、平坦部53aと、挿入部53bと、を有している。そして、圧縮部53の挿入部53bが、配置空間152aに嵌め込まれることによって、保持部152で保持された保護材131が、加圧される。
電熱線154は、保持部152に保持された保護材131を加熱する加熱要素である。図8に示すように、電熱線154は、側壁151b内に埋設されており、加熱空間151aを囲むように配置されている。したがって、電熱線154が駆動させられ、加熱空間151aの周囲が加熱されることによって、保持部152で保持された保護材131が、加熱される。
<2.2.2.金型を用いたワイヤーハーネスの製造方法>
ここでは、図9を参照しつつ、金型150を用いたワイヤーハーネス100の製造方法について説明する。
ワイヤーハーネス100の製造方法では、まず、シールド材132が、保護材131に貼付される。次に、シールド材132が内側となるように、保護材131が折り曲げ線134を中心に折り曲げられる。続いて、複数の電線10およびドレイン線20が、折り曲げられたシールド材132の間に挟み込まれるように、配置される。続いて、複数の電線10、ドレイン線20、保護材131、およびシールド材132が、保持部152の配置空間152aに挿入される。
これにより、シールド材132によって、複数の電線10の一部が囲繞される。そのため、複数の電線10の一部が、シールド材132により電磁的に遮蔽される。
また、保護材131によって、複数の電線10の一部およびシールド材132が、囲繞される。そのため、複数の電線10の一部およびシールド材132は、保護材131により保護される。すなわち、保護材131は、複数の電線10の一部、およびシールド材132の保護部として機能する。
続いて、電熱線154が駆動させられることによって、複数の電線10と、シールド材132と、を囲繞した保護材131が、バインダ材の融点以上、基材の融点未満の温度で加熱される。また、保護材131が、加熱処理に加え、圧縮部53により矢印AR2方向(圧縮方向:図9参照)に加圧される。
そして、加熱により溶融した保護材131のバインダ材が、基材の間を広がった後、冷却凝固する。これにより、保護材131の接合部139が、接合され(図6参照)、ワイヤーハーネス100の製造工程が完了する。この場合において、長手方向(X軸と略平行な方向)から見たシールド部130の断面形状は、金型150の形状に従い、略矩形状となる。
ここで、加圧後にバインダ材が冷却凝固すると、保護材131には、第1の実施の形態と同様に、加熱および加圧に起因した圧縮残留応力が発生する。そのため、加熱および加圧処理を経た保護材131は、シールド材132および複数の電線10を、容易に束ねることができる。
また、保護材131の外周面(すなわち、加熱空間151aと対向する面)のうち、バインダ材の融点(第2温度)以上、基材の融点(第1温度)未満の温度で加熱された面は、溶融したバインダ材が冷却凝固することによって硬化する。
そのため、折り曲げられた保護材131内(の内側)に配置された複数の電線10と、シールド材132と、を、さらに良好に保護することができる。また、硬化した保護材131によって、複数の電線10の経路を規制することができる。
<2.3.第2の実施の形態のワイヤーハーネスの利点>
以上のように、第2の実施の形態のワイヤーハーネス100は、複数の電線10の一部だけを遮蔽することができる。すなわち、複数の電線10のうちノイズ対策の必要な部分だけが、電磁的に遮蔽され、シールド線として機能する。そのため、複数の電線10の遮蔽を安価に実現することができる。
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態におけるワイヤーハーネス200は、第1の実施の形態のワイヤーハーネス1と比較して、シールド部の成形に使用される金型が異なる点を除いては、第1の実施の形態と同じである。そこで、以下ではこの相違点を中心に説明する。
なお、以下の説明において、第1の実施の形態のワイヤーハーネス1および金型50の構成要素と同様なものについては、同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1の実施の形態において説明済みであるため、本実施形態では説明を省略する。
<3.1.ワイヤーハーネスの製造方法>
図10は、シールド部230の成形に使用される金型250の構成の一例を示す斜視図である。図11は、ワイヤーハーネス200の製造方法の一例を示す正面図である。以下では、まず、金型250のハードウェア構成を説明した後、ワイヤーハーネス200の製造方法を説明する。
<3.1.1.金型の構成>
ここでは、金型250のハードウェア構成について説明する。金型250は、第1および第2保護材31、37を加熱および加圧することによって、シールド部230を所望の形状に成形する。図10に示すように、金型250は、主として、保持部251と、圧縮部53と、電熱線254と、を有している。
保持部251は、第1の実施の形態の保持部51と同様に、加熱および加圧対象となる第1および第2保護材31、37を保持する。ここで、保持部251による保持動作は、第1および第2保護材31、37を、加熱空間251aおよび溝251dに挿入することにより実行される。また、加熱空間251aは、図10に示すように、保持部251の側壁251bに挟まれた空間として形成されている。さらに、溝251dは、加熱空間251aの下部に設けられており、略Y軸方向に延伸する凹み部として形成されている。
圧縮部53は、加熱空間251aに挿入された第1および第2保護材31、37に対して圧力を付与する加圧要素である。図10に示すように、圧縮部53は、主として、平坦部53aと、挿入部53bと、を有している。そして、圧縮部53の挿入部53bが、加熱空間251aに嵌め込まれることによって、保持部251で保持された第1および第2保護材31、37が、加圧される。
電熱線254は、保持部251に保持された第1および第2保護材31、37を加熱する加熱要素である。図10に示すように、電熱線254は、側壁251bおよび底部251c内に埋設されてる。したがって、電熱線254が駆動させられ、加熱空間251aおよび溝251dの周囲が加熱されることによって、保持部251で保持された第1および第2保護材31、37が、加熱される。
<3.1.2.金型を用いたワイヤーハーネスの製造方法>
ここでは、図11を参照しつつ、金型250を用いたワイヤーハーネス200の製造方法について説明する。
ワイヤーハーネス200の製造方法では、第1の実施の形態と同様に、まず、第1シールド材32が第1保護材31に貼付される。また、ドレイン線20が第2シールド材36および第2保護材37の間に挟まれた状態で、第2シールド材36が第2保護材37に貼付される。
次に、第1保護材31に貼付された第1シールド材32と、第2保護材37に貼付された第2シールド材36と、の間に、複数の電線10(電線束)が挟み込まれる。続いて、複数の電線10と、ドレイン線20と、第1および第2保護材31、37と、第1および第2シールド材32、36と、が、保持部251の加熱空間251aおよび溝251dに挿入される。そして、複数の電線10およびドレイン線20が溝251dに配置されるように、複数の電線10およびドレイン線20の位置が調整される。
これにより、第1および第2シールド材32、36によって、複数の電線10(電線束)の一部が囲繞される。また、第1および第2保護材31、37によって、複数の電線10の一部と、第1および第2シールド材32、36とが、囲繞される。
続いて、電熱線254が駆動させられることによって、複数の電線10と、第1および第2シールド材32、36と、を囲繞した第1および第2保護材31、37が、バインダ材の融点以上、基材の融点未満の温度で加熱される。また、第1および第2保護材31、37が、加熱処理に加え、圧縮部53により矢印AR3方向(圧縮方向:図11参照)に加圧される。
そして、加熱により溶融した第1および第2保護材31、37のバインダ材が、基材の間を広がった後、冷却凝固する。これにより、第1および第2保護材31、37の接合部239が接合され(図11参照)、ワイヤーハーネス200の製造工程が完了する。
この場合において、シールド部230の両側には、金型250の形状に従い、長手方向(X軸と略平行な方向)に延伸するフランジ239aが形成される。これらフランジ239aは、他の部分と比較して、基材の密度を高く設定することができる。これにより、両フランジ239aをさらに硬化させることができる。そのため、シールド部230の強度をさらに向上させることができる。
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
(1)第1から第3の実施の形態において、電線束は、複数の電線10により構成されるものとして説明したが、これに限定されるものでない。たとえは、電線束は、1本の電線10により構成され、この1本の電線に対して、シールド部30が成形されてもよい。この場合も、電線束のうちノイズ対策の必要な部分だけを遮蔽することができ。ワイヤーハーネスによる遮蔽を安価に実現することができる。
(2)また、第1から第3の実施の形態において、シールド材としては、金属箔テープが用いられるものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、スズメッキ銅線、裸銅線、またはアルミ線を編組状にした略筒体の編組シールドが、シールド材として用いられてもよい。この場合、編組シールド取り付けは、編組シールドの内側に複数の電線10を通すという簡便な作業により実現される。すなわち、第1から第3の実施の形態で行われている貼付作業が不要となる。これにより、シールド部30、130、230の製造工数を低減することができる。そのため、ワイヤーハーネス1、100、200の製造コストを低減できる。
1、100、200 ワイヤーハーネス
10 電線
15 コネクタ
20 ドレイン線
30、130、230 シールド部
31 第1保護材
32 第1シールド材
36 第2シールド材
37 第2保護材
39、139、239 接合部
50、150、250 金型
131 保護材
132 シールド材

Claims (6)

  1. ワイヤーハーネスであって、
    (a) 電線束と、
    (b) 前記電線束の長手方向に延伸しつつ前記電線束の一部を囲繞することによって、前記電線束の一部を遮蔽するシールド材と、
    (c) 前記シールド材を囲繞しつつ自身の接合部で接合されることによって、前記電線束の一部および前記シールド材を保護する保護部と、
    を備え、
    前記保護部は、基材と、前記基材より低融点のバインダ材と、を有するとともに、
    前記保護部の接合部は、溶融した前記バインダ材が冷却凝固することによって、接合されることを特徴とするワイヤーハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネスにおいて、
    前記保護部は、
    前記基材により線状に形成された基本繊維と、
    前記基本繊維の周囲に鞘状の前記バインダ材が配置されたバインダ繊維と、
    を有することを特徴とするワイヤーハーネス。
  3. 請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネスにおいて、
    前記保護部は、加熱および加圧に起因した圧縮残留応力によって、前記電線束を固定することを特徴とするワイヤーハーネス。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤーハーネスにおいて、
    前記保護部の外周面は、溶融した前記バインダ材が冷却凝固することによって、硬化することを特徴とするワイヤーハーネス。
  5. 電線束と、シールド材と、保護部と、を有するワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記保護部は、
    融点が第1温度の基材と、
    融点が第2温度であり、前記基材より低融点のバインダ材と、
    を有しており
    (a) 前記電線束の長手方向に延伸する前記シールド材によって、前記電線束の一部を囲繞する工程と、
    (b) 前記長手方向に延伸する前記保護部によって、前記シールド材を囲繞する工程と、
    (c) 前記工程(a)および(b)により前記電線束の一部および前記シールド材を囲繞した前記保護部を、前記第2温度以上前記第1温度未満の温度で加熱する工程と、
    (d) 前記工程(c)により溶融した前記バインダ材を冷却凝固させる工程と、
    を備えることを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
  6. 請求項5に記載のワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記工程(c)は、前記工程(a)および(b)により前記電線束の一部および前記シールド材を囲繞した前記保護部を、前記第2温度以上前記第1温度未満の温度で加熱しつつ、さらに加圧することを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
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