JP2011159514A - 色素増感太陽電池の封止構造及び色素増感太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間安定して電解質を封止できる色素増感太陽電池の封止構造を提供する。
【解決手段】色素増感太陽電池の封止構造に、封止用樹脂組成物とその外枠として配置される構造接着用樹脂組成物で構成される二重構造を採用する。その際、封止用樹脂組成物として、所定の間隔を挟んで対向する2つの基材間に注入される電解質に対する耐溶剤性とガスバリア性を有するものを使用する。また、構造接着用樹脂組成物として、温度変化によって生じる電解質の蒸気圧に耐え得る接着性とギャップ保持性を有するものを使用する。
【選択図】図2
【解決手段】色素増感太陽電池の封止構造に、封止用樹脂組成物とその外枠として配置される構造接着用樹脂組成物で構成される二重構造を採用する。その際、封止用樹脂組成物として、所定の間隔を挟んで対向する2つの基材間に注入される電解質に対する耐溶剤性とガスバリア性を有するものを使用する。また、構造接着用樹脂組成物として、温度変化によって生じる電解質の蒸気圧に耐え得る接着性とギャップ保持性を有するものを使用する。
【選択図】図2
Description
本発明は、色素増感太陽電池の封止技術に関する。例えば色素増感太陽電池内の電解質(電解液)の封止に使用して好適な封止構造、当該封止構造に使用する構造接着用樹脂組成物、当該封止構造を採用した色素増感太陽電池に関する。
1991年にグレッツェルらが発表した色素増感太陽電池は、シリコン半導体のp-n接合による太陽電池とは異なるメカニズムによって作動し、変換効率が高くしかも製造コストが安いという利点を有している。この太陽電池は、内部に電解液を封入してあることから、色素増感太陽電池とも呼ばれる。
色素増感太陽電池は、透明基板の一方の面に形成された透明導電膜と、増感色素を坦持させた半導体電極(色素増感半導体電極)が形成された導電性基板とを電解液を含ませた状態で重ね合わせ、その周囲を樹脂によって封止する構造を採用する。導電性基板の表面に設けられた多孔質の酸化チタン皮膜を、ルテニウム錯体など太陽光を効率的に吸収できる増感色素でコーティングしたものを色素増感半導体電極として用いると、光によって励起された電子が酸化チタンに注入されて電気を流すことができるようになる。このタイプの太陽電池では、電子の授受のために電解液が必要であり、一般にはヨウ素電解液が用いられている。
前述の通り、色素増感太陽電池は電子を授受するために電解液を必要とするが、長期間の信頼性を確保するには、電解液の外部への漏洩防止や水分等の外部からの浸入防止が求められる。そのため、電解液の漏洩が少ないゲルや固体が開発されている。しかし、発電効率の点から液体の電解液、それもアセトニトリル等の極性が高くかつ揮発性の高い有機溶媒を用いることが多い。この電解液の封止には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の液状硬化性樹脂が用いられる(特許文献1及び2を参照)。しかし、電解液はこれらの樹脂を侵し易く、長期間電解液に接触することによって劣化し、電解液が漏洩するという欠点がある。
この他、電解液の封止に水ガラスなどのケイ酸塩を用い、その外側に合成樹脂を用いた多層構造が提案されている(特許文献3を参照)。しかし、水ガラスに含有される水やナトリウムが電解液に溶解すると、変換効率を低下させる恐れがある。
また、電解液の侵食を抑制するためにフッ素系化合物を電解液の封止材に使用した多層構造が提案されている(特許文献4及び5を参照)。しかし、フッ素系化合物によって電解液による侵食は抑制されるものの、ガスバリア性が劣るため長期的にはフッ素系化合物を揮発した電解液が透過して他の層に接し、侵食される恐れがある。
そのため、色素増感太陽電池の電解質(電解液)の封止には、電解質を太陽電池の外部に漏洩させないための耐溶剤性、電解液から発生するガス(揮発溶媒、昇華ヨウ素等)を外に漏洩さないためのガスバリア性、温度変化によって生じる電解液の蒸気圧に耐え得る電極基板間の接着性とギャップ保持性などの機能が必要となる。
しかし、これまで提案されている封止材並びにこれまで提案されている封止材及び封止構造は、いずれも色素増感太陽電池に必要とされる機能を満足させることができなかった。
本発明は、このような問題に対する発明者らの鋭意研究の成果としてなされたものであり、電解液に対する耐溶剤性とガスバリア性、温度変化によって生じる電解液の蒸気圧に耐え得る接着性とギャップ保持性を同時に確保可能な封止技術を提供することを目的とする。
本発明においては、色素増感太陽電池の封止構造として、(a) 電解質に対する耐溶剤性とガスバリア性を有する封止用樹脂組成物と、(b) 封止用樹脂組成物に対する同一面内の外枠として配置され、かつ、温度変化によって生じる電解質の蒸気圧に耐え得る接着性とギャップ保持性を有する構造接着用樹脂組成物とを有するものを提供する。
なお、構造接着用樹脂組成物は硬化性樹脂であることが好ましい。さらに、構造接着用樹脂組成物は硬化後80℃以上の耐熱性を有することが好ましく、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上の耐熱性を有することが好ましい。また、構造接着用樹脂組成物は、二液混合硬化樹脂、光硬化樹脂、湿気硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂のいずれかであることが好ましい。一方、封止用樹脂組成物は熱可塑性樹脂であることが好ましい。
また、前述した封止用樹脂組成物及び構造接着用樹脂組成物は、電解質を挟んで対向する2つの基材間を封止するだけでなく、電解質を挟んで対向する2つの基材のいずれか一方又は両方に形成された電解質の注入口を封止するのに用いて好適である。
本発明により、電解液に対する耐溶剤性とガスバリア性に優れると同時に、温度変化によって生じる電解液の蒸気圧に耐え得る接着性とギャップ保持性も確保される色素増感太陽電池の封止構造が提供される。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、後述する構造や製作プロセスの内容は一例であり、実施の形態と既知の技術との組み合わせや置換により他の実施の形態を実現することもできる。
以下に説明する色素増感太陽電池の封止構造は、電解質(電解液)を、封止用樹脂組成物とその外周を囲むように配置される構造接着用樹脂組成物とで二重に封止することを特徴とする。ここでの「二重」とは、硬化後の封止用樹脂組成物が電解質に対して1段目の封止壁を形成し、硬化後の構造接着用樹脂組成物が電解質に対して2段目の封止壁を形成することをいう。なお、実施の形態として提案する封止構造の場合、封止用樹脂組成物は、電解質又はその蒸気と直接触れ得る領域部分に配置する。
封止用樹脂組成物を形成する材料は、耐溶剤性とガスバリア性の両方に優れる熱可塑性樹脂であれば任意の材料を適用することができる。例えばポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリイソブチレン系、ポリエステル系等の材料を適用することができる。なお、使用環境に耐え得る耐湿性も考慮すると、これら材料のうちポリオレフィン系がより好ましい。
一方、構造用樹脂組成物を形成する材料は、接着性とギャップ保持性の両方に優れる硬化性樹脂であれば任意の材料を適用することができる。例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリル樹脂、反応性ホットメルト等の材料を適用することができる。なお、使用環境に耐え得る耐熱性及び耐湿性を考慮すると、これら材料のうちエポキシ樹脂がより好ましい。
なお、前述した封止用樹脂組成物及び構造接着用樹脂組成物には、必要に応じて、種々の充填材や添加剤を加えても良い。このような充填材及び添加剤の例としては、無機充填材、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、熱安定剤、離型剤、造核剤、可塑剤、導電性付与剤、帯電防止剤、着色防止剤、着色剤、顔料、染料、シランカップリング剤等が好適である。
続いて、実施の形態に係る封止構造を採用する色素増感太陽電池の作製工程を説明する。図1に、製造工程例100〜110を示す。なお、図1は、色素増感太陽電池の製造工程のうち実施形態に係る封止構造と関係する一部の工程のみを示している。
工程100は、透明基板1として、透明なガラス基板又はプラスチック基板を用意した状態を示す。なお、透明基板1は、可撓性を有する基板でも良い。
工程101では、透明基板1の一方の表面に透明導電性膜2を形成する。透明導電性膜2は、例えばITO(錫含有酸化インジュウム)、酸化錫、酸化亜鉛により形成する。もっとも、透明導電性膜2は、透過率を低下させない程度の膜厚を有する白金、Ti等のメタル又は炭素膜等により形成することもできる。この明細書では、透明導電性膜2が表面に形成された透明基板1を導電性基板という。
工程102では、透明導電性膜2の表面上に、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物微粒子と少量の有機高分子とを含有するコロイド溶液3を印刷法等により塗布する。コロイド溶液3の塗布形状や面積に制約はないが、一般には矩形形状に塗布する。なお、塗布後、コロイド溶液3は自然乾燥する。
工程103では、前工程までに得られた基板を500℃の温度で加熱処理し、コロイド溶液3から有機高分子を揮発させる。有機高分子の揮発後の基板表面には、金属酸化物微粒子で形成された金属膜が形成される。この金属膜の表面には、微細な細孔が形成されている。この際、表面の凹凸の高さを、αステップ等の表面形状評価装置を用いて測定しておく。
工程104では、透明導電性膜2の表面上に形成された多孔質の金属酸化膜を増感色素の溶液に浸漬し、その表面に増感色素を吸着させる。増感色素が吸着された部分が、色素増感半導体電極4を形成する。このように色素増感半導体電極4が形成された導電性基板を、色素増感半導体電極基板5と呼ぶ。
工程105では、色素増感半導体電極基板5上にスペーサー6を設置する。スペーサー6は、色素増感半導体電極基板5と対向基板7を一定の距離を保って対向させるために使用する。
工程106では、対向基板7の一方の表面(電解質が封入される側の面)に透明導電性膜2’を形成する。透明導電性膜2’の材質は、透明導電性膜2と同じである。さらに、透明導電性膜2’の表面に、熱可塑性樹脂からなる封止用樹脂組成物8と硬化性樹脂からなる構造用樹脂組成物9を塗布する。封止用樹脂組成物8と構造用樹脂組成物9の塗布には、例えばメルトガン又はディスペンサーを使用する。
ここで、封止用樹脂組成物8は、太陽電池の組み立て後に、電解液を閉じ込める構造(二重封止構造の内壁)として機能する。従って、封止用樹脂組成物8は、色素増感半導体電極4及びスペーサー6の全体を内側に収容するように環状に塗布される。勿論、封止用樹脂組成物8は、電解液を注入するために形成されている注入口(貫通孔)が、塗布領域の内側に位置するように形成する。一方、構造用樹脂組成物9は、封止用樹脂組成物8の外壁に沿うように環状に塗布される。この形態例の場合、構造用樹脂組成物9の内壁と封止用樹脂組成物8の外壁とが密着するように形成する。もっとも、構造用樹脂組成物9の内壁と封止用樹脂組成物8の外壁との間に隙間(空間)が存在しても良い。いずれにしても、太陽電池の組み立て後に、構造用樹脂組成物9は電解液を閉じ込める構造(二重封止構造の外壁)として機能する。
工程107では、封止用樹脂組成物8と構造用樹脂組成物9の形成面と、色素増感半導体電極4の形成面とが互いに対面するように、色素増感半導体電極基板5と対向基板7は保持する。また、色素増感半導体電極基板5と対向基板7が互いに所定の組み立て位置になるように、基板面(XY座標面)内で位置合わせする。その後、対向基板7を色素増感半導体電極基板5の上方側から重ね合わせる。この重ね合わせにより、対向基板7を色素増感半導体電極基板5に固定され、色素増感太陽電池の筐体が完成する。
工程108では、対向基板7に形成されている2つの注入口から基板間に形成されている空間にヨウ素電解液10を注入する。なお、電解液は、ヨウ素電解液に限定されるものではなく、酸化・還元種を含む有機電解液であれば良い。
工程109では、注入口の封止用に用意されたガラス板11の表面に熱可塑性樹脂からなる封止用樹脂組成物8と熱可塑性樹脂からなる封止用樹脂組成物8を塗布する。封止用樹脂組成物8と構造用樹脂組成物9の塗布には、例えばメルトガン又はディスペンサーを使用する。ここで、封止用樹脂組成物8は、注入口を通じて電解液又はその蒸気と直接接するように、少なくともその外縁部分が注入口の全体を覆う大きさで塗布する。なお、封止用樹脂組成物8は、注入口の全体を覆う形状だけでなく、注入口の外周を囲むように(すなわち環形状に)形成しても良い。いずれにしても、封止用樹脂組成物8は、太陽電池の組み立て後に、電解液を閉じ込める構造(二重封止構造の内壁)として機能する。一方、構造用樹脂組成物9は、封止用樹脂組成物8の外壁に沿うように環状に塗布される。やはり、この形態例の場合、構造用樹脂組成物9の内壁と封止用樹脂組成物8の外壁は密着するように形成する。この場合も、構造用樹脂組成物9の内壁と封止用樹脂組成物8の外壁との間に隙間(空間)が存在しても良い。いずれにしても、太陽電池組み立て後、構造用樹脂組成物9は電解液を閉じ込める構造(二重封止構造の外壁)として機能する。
工程110では、対向基板7の2つの注入口を前工程で作成したガラス板11によって封止する。以上により、図2に示す断面構造を有する色素増感太陽電池が完成する。
なお、図1に示す製造方法においては、対向基板7に形成する注入口の個数が2個である場合について説明しているが、その個数は1個でも良いし、3個以上でも良い。
また、図1に示す製造方法は、封止用樹脂組成物8と構造用樹脂組成物9を対向基板7上に直接塗布して封止構造を構成するいわゆる湿式の製造方法を採用するが、いわゆる乾式の製造方法を採用することもできる。例えば封止用樹脂組成物8と構造用樹脂組成物9の一方又は両方を剥離可能な基材(例えば剥離シート)表面に形成した封止構造部材(それ自体が製品として流通可能でも良い。)を用意しておき、工程106の実行の際、封止構造部材から樹脂組成物を剥離して対向基板7に転写しても良い。なお、この乾式の製造方法の場合、転写時に封止用樹脂組成物8及び又は構造用樹脂組成物9が、封止に必要な基本性能を維持していることが必要となる。例えば構造用樹脂組成物9にエポキシ接着剤を使用する場合、当該接着剤は24時間程度で硬化する特性を有するため、その硬化が始まる前に樹脂組成物の剥離と転写が行われる必要がある。もっとも、構造用樹脂組成物9にUV硬化樹脂(光硬化樹脂)や湿気硬化樹脂を用いる場合には、封止構造部材の製造から樹脂組成物の転写までの時間の自由度を高めることができる。
このように、電解液を封止する封止構造の形成方法は必ずしも1つに限らない。従って、この明細書においては、「色素増感太陽電池の封止構造」を、封止用樹脂組成物8と構造用樹脂組成物9によって色素増感半導体電極基板5と対向基板7が封止された状態の構造、封止用樹脂組成物8と構造用樹脂組成物9によって対向基板7に形成された電解液の注入口が封止された状態の構造、これらの樹脂組成物を形成した封止構造部材のいずれか、又は全てを含む意味で使用する。
また、この明細書においては、構造接着用樹脂組成物9を、ディスペンサーから塗布するための材料又は封止構造部材を製造するための材料としての意味でも使用する。
[実施例1]
以下、色素増感太陽電池の評価サンプルの製造方法について説明する。発明者らは、図1で説明した封止構造を有する色素増感太陽電池の評価サンプルを、以下に説明する手順で作製した。
以下、色素増感太陽電池の評価サンプルの製造方法について説明する。発明者らは、図1で説明した封止構造を有する色素増感太陽電池の評価サンプルを、以下に説明する手順で作製した。
まず、大きさが2×3cm、厚さが2.8mmのガラス基板を二枚用意し、透明導電性膜2となる ITO膜をスパッタ法によりガラス基板上に形成し、触針式の膜厚測定計(DektakII sloan社製)で測定した結果、厚さ200nmの透明導電性膜を得た。
次に、透明導電性膜2を形成した導電性基板のうち酸化チタンペーストの塗布領域以外をテープ等でマスキングした。なお、粒径が約20nm程度の光触媒用酸化チタン、水、ポリエチレングリコール、硝酸の混合物を良く撹拌することによって酸化チタンペースト(ペースト状のコロイド溶液3)を製造し、これを導電性基板上に印刷した。
次に、導電性基板上に印刷した酸化チタンペーストを500℃で30分間加熱処理し、その後冷却することにより平均厚さ10μm程度のチタニア膜を生成した。さらに、チタニア膜をルテニウム錯体のアセトニトリル色素溶液に浸漬した。これにより、被膜を構成する酸化チタン微粒子上に、増感色素であるルテニウム錯体を吸着、コーティングし、色素増感半導体電極4を形成した。
次に、色素増感半導体電極基板5と対向基板7の組み立て時に、色素増感半導体電極4の周辺位置を取り囲むように封止構造が形成されるように、封止用樹脂組成物8としてのホットメルト系接着剤(iシールA1051 エス・エフ・シー社製)と構造用樹脂組成物9としてのエポキシ接着剤(J-B WELD)を対向基板7の表面にホットディスペンサー又はディスペンサーを用いて塗布した。
なお、色素増感半導体電極基板5と対向基板7は、2つの基板間にスペーサー6を挟み込んだ状態で重ね合わせた。この後、両基板間の間に形成された空間に、ヨウ素電解液10を対向基板7に形成された注入口から注入した。ヨウ素電解液としては、0.5M(体積モル濃度)のヨウ化リチウムと0.05M(体積モル濃度)ヨウ素を3−メトキシプロピオニトリルとアセトニトリル混合溶液に溶解したものを用いた。
さらに、ガラス板11に形成された注入口(貫通孔)を、封止用樹脂組成物8と構造用樹脂組成物9をホットディスペンサー又はディスペンサーにより同一面内に二層(二重)に塗布したガラス板11で封止し、色素増感太陽電池の封止構造評価サンプルを作製した。
なお、実施例1に係る封止構造評価サンプルの技術的な効果を確認するため、発明者らは、以下に示す2つの封止構造評価サンプル(比較例1及び2)を製造した。
(比較例1)
比較例1は、オレフィン系ホットメルト接着剤の一層だけで電解液を封止する以外は、実施例1と同様の構造を有する色素増感太陽電池である。
比較例1は、オレフィン系ホットメルト接着剤の一層だけで電解液を封止する以外は、実施例1と同様の構造を有する色素増感太陽電池である。
(比較例2)
比較例2は、エポキシ樹脂の一層だけで電解液を封止する以外は、実施例1と同様の構造を有する色素増感太陽電池である。
比較例2は、エポキシ樹脂の一層だけで電解液を封止する以外は、実施例1と同様の構造を有する色素増感太陽電池である。
(試験方法)
前述した手順により作製した3個の評価サンプルに対し、室温環境下と温度負荷条件下のそれぞれについて、経年による電解液の保持性能(ただし、温度負荷条件下では負荷を与えた後の電解液の保持性能)とギャップ保持の性能を確認した。また、ガスバリア性を確認するために電解液の重量変化を測定し、多層構造による耐湿性の向上を確認するため、評価サンプルの全体の重量変化を測定した。
前述した手順により作製した3個の評価サンプルに対し、室温環境下と温度負荷条件下のそれぞれについて、経年による電解液の保持性能(ただし、温度負荷条件下では負荷を与えた後の電解液の保持性能)とギャップ保持の性能を確認した。また、ガスバリア性を確認するために電解液の重量変化を測定し、多層構造による耐湿性の向上を確認するため、評価サンプルの全体の重量変化を測定した。
(試験結果)
表1における○及び×の表記は、それぞれ以下の意味で記している。
・電解液の保持
〇:電解液の漏洩なし
×:電解液の漏洩あり
・ギャップ保持
〇:厚みの変化が0.01mm以下
×:厚みの変化が0.01mm以上
・電解液の重量変化(mg)
・サンプルの重量変化(mg)
表1における○及び×の表記は、それぞれ以下の意味で記している。
・電解液の保持
〇:電解液の漏洩なし
×:電解液の漏洩あり
・ギャップ保持
〇:厚みの変化が0.01mm以下
×:厚みの変化が0.01mm以上
・電解液の重量変化(mg)
・サンプルの重量変化(mg)
表1の結果から、実施例1の評価サンプルで採用した封止構造は、電解液の長期安定性に優れるだけでなく、電解液に対する耐溶剤性とガスバリア性にも優れ、かつ、温度変化に対する耐熱性と接着性とギャップ保持性にも優れていることが分かる。また、吸湿による重量の増加が見られなかったことから耐湿性にも優れていることが分かる。
1 透明基板
2 透明導電性膜
3 コロイド溶液
4 色素増感半導体電極
5 色素増感半導体電極基板
6 スペーサー
7 対向基板
8 封止用樹脂組成物
9 構造用樹脂組成物
10 ヨウ素電解液
11 ガラス板
2 透明導電性膜
3 コロイド溶液
4 色素増感半導体電極
5 色素増感半導体電極基板
6 スペーサー
7 対向基板
8 封止用樹脂組成物
9 構造用樹脂組成物
10 ヨウ素電解液
11 ガラス板
Claims (7)
- 色素増感太陽電池の封止構造において、
電解質に対する耐溶剤性とガスバリア性を有する封止用樹脂組成物と、
前記封止用樹脂組成物に対して同一面内の外枠として配置され、かつ、温度変化によって生じる前記電解質の蒸気圧に耐え得る接着性とギャップ保持性を有する構造接着用樹脂組成物と
を有することを特徴とする色素増感太陽電池の封止構造。 - 構造接着用樹脂組成物は硬化性樹脂である
ことを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池の封止構造。 - 前記構造接着用樹脂組成物は硬化後80℃以上の耐熱性を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の構造接着用樹脂組成物。 - 前記封止用樹脂組成物は熱可塑性樹脂である
ことを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池の封止構造。 - 前記封止用樹脂組成物及び前記構造接着用樹脂組成物は、前記電解質を挟んで対向する2つの基材間を封止する
ことを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池の封止構造。 - 前記封止用樹脂組成物及び前記構造接着用樹脂組成物は、前記電解質を挟んで対向する2つの基材のいずれか一方又は両方に形成された電解質の注入口を封止する
ことを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池の封止構造。 - 所定の間隔を挟んで対向する2つの基材と、
前記2つの基材間に注入される電解質と、
前記電解質に対する耐溶剤性とガスバリア性を有する封止用樹脂組成物と、
前記封止用樹脂組成物に対して同一面内の外枠として配置され、かつ、温度変化によって生じる前記電解質の蒸気圧に耐え得る接着性とギャップ保持性を有する構造接着用樹脂組成物と
を有することを特徴とする色素増感太陽電池。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
WO2014112624A1 (ja) * | 2013-01-18 | 2014-07-24 | 積水化学工業株式会社 | 電気デバイス及び電気デバイスの製造方法 |
JP2014241244A (ja) * | 2013-06-12 | 2014-12-25 | 日本電気硝子株式会社 | デバイス及びデバイスの製造方法 |
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2010
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