JP2014241244A - デバイス及びデバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルの内部空間内に封入されている流動体が、漏れ出すおそれのないデバイス及びこのデバイスを製造する方法を提供する。
【解決手段】開口部15を有するガラスからなるセルと、セル内に封入される流動体と、開口部15を封止するための封止部17とを備えるデバイスであって、封止部17が、セルと、ガラスからなる封止部材16とを溶着させて形成されてなり、かつ、開口部15を囲むように溶着部18により囲まれて形成されてなる第一領域A1と、第一領域A1全域を囲むように溶着部18により囲まれて形成されてなる第二領域A2を有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、デバイス及びデバイスの製造方法に関する。特に、本発明は、発光体がセルの内部空間内に封入された発光デバイスやヨウ素溶液がセルの内部空間内に封入された太陽光発電デバイス、及び発光デバイスや太陽光発電デバイスの製造方法に関する。
近年、量子ドットからなる発光体を利用した発光デバイスが提案されており、例えば、ガラスからなるセルの内部空間内に、流動性を有する発光体が封入された発光デバイスが挙げられる。また、ギャップ材等を用いて2枚のガラス基板に所定の間隔を設けることで形成されたセルの内部空間内にヨウ素溶液を封入した色素増感型太陽光発電デバイス(以下、太陽光発電デバイスと記載する。)も提案されている。
発光デバイスや太陽光発電デバイスの内部空間内に発光体やヨウ素溶液等の流動体を封入するために、セルの一部に開口部を設け、開口部から流動体を注入している。注入した後、開口部を有機接着剤等により封止していた。
しかしながら、有機接着剤は、太陽光や風雨により劣化してしまうおそれがあった。
これらの問題を解決する為に、様々な対策が行われている。特許文献1には、セルと、前記セル内に封入された発光体とを備える発光デバイスにおいて、セル内の空間に連通する貫通孔が形成されており、貫通孔を塞ぐように配されており、セルに溶着しているガラス製の封止部材を設けている。このように、有機接着剤よりも劣化しにくいガラス製の封止部材を、レーザーを用いてセルに溶着させることで、太陽光や風雨により劣化しにくい発光デバイスを提供している。
特開2012−163936号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発光デバイスの場合、レーザーの照射方法によっては、溶着が十分ではなく、発光体が漏れ出すおそれがある。
具体的に説明すると、図5のように、セル110の開口部115を覆うようにガラス封止部材116を配置し、レーザーによりセル110とガラス封止部材116とを溶着させた溶着部118により、セルの内部空間を封止した場合、レーザー照射部位にゴミ等の異物が存在していると、その部分でのセル110とガラス封止部材116の溶着が不十分となり、当該部分から発光体が漏れ出すおそれがある。
本発明は上述したような問題点に鑑み、その目的は、セルの内部空間内に封入されている流動体が漏れ出すおそれのないデバイス及びこのデバイスを製造する方法を提供することにある。
本発明者は、溶着部の配置を従来とは異なる配置とすることで、上記の問題を解決できることを初めて見いだし、ここにその内容を提示するものである。
すなわち、本発明のデバイスは、開口部を有するガラスからなるセルと、前記セル内に封入される流動体と、前記開口部を封止するための封止部とを備えるデバイスであって、前記封止部が、セルと、ガラスからなる封止部材とを溶着させて形成されてなり、かつ、前記開口部を囲むように溶着部により囲まれて形成されてなる第一領域と、前記第一領域全域を囲むように溶着部により囲まれて形成されてなる第二領域を有することを特徴とする。
溶着部は、連続した線状であることが好ましい。
また、本発明のデバイスの製造方法は、開口部を有するガラスからなるセルと、前記セル内に封入される流動体と、前記開口部を封止するための封止部とを備えてなるデバイスの製造方法であって、開口部を有するガラスからなるセルを準備する工程と、前記開口部より前記セル内に流動体を封入する工程と、レーザー照射により前記セルと、ガラスからなる封止部材とを溶着させて封止部を形成する工程とを含み、前記封止部を形成する工程において、前記開口部を囲むように溶着部により囲まれて形成されてなる第一領域と、前記第一領域全域を囲むように溶着部により囲まれて形成されてなる第二領域となるように封止部を形成することを特徴とする。
また、本発明のデバイスの製造方法において、溶着部は、連続した線状であることが好ましい。
本発明により、セルの内部空間内に封入されている流動体が漏れ出す可能性が低くなる。
本発明の実施形態に係るデバイスの略図的斜視図である。 図1の線X−Xにおける略図的断面図である。 本発明の実施形態に係るデバイスの一部の略図的平面図である。 従来のデバイスの一部の略図的平面図である。 従来のデバイスの一部の略図的平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係るデバイス1の略図的斜視図である。図2は、図1の線X−Xにおける略図的断面図である。まず、図1及び図2を参照しながら本実施形態に係るデバイス1の構成について説明する。
デバイス1は、励起光が入射したときに励起光とは異なる波長の光を出射する発光デバイスや、太陽光により発電を行う太陽光発電デバイスである。
デバイス1は、セル10を有する。セル10は、内部空間10aを有する。内部空間10a内には、流動体11が封入されている。具体的には、内部空間10a内には、発光体が分散媒中に分散したものや、ヨウ素溶液が封入されている。流動体11は、流動する物質であり、状態としては、例えば、粒子(固体)、液体、気体である。
セル10は、一対のガラス板12、13を備えている。一対のガラス板12、13は、間隔をおいて互いに対向して配置されている。ガラス板12とガラス板13とは、略平行である。なお、ガラス板12、13の両方が発光体からの発光及び励起光や太陽光を透過させるものである必要は必ずしもないが、ガラス板12、13の少なくとも一方は、発光体からの発光、発光体の励起光、または太陽光を透過させるものである必要がある。
ガラス板12、13は、耐候性に優れており、かつ発光体やヨウ素溶液と反応し難いものであることが好ましい。ガラス板12、13は、例えば、珪酸塩系ガラス等により形成することができる。なお、ガラス板12、13は、結晶化ガラス板であってもよい。
ガラス板12、13の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.5〜2.0mm程度とすることができる。
ガラス板12、13の周縁部間には、ギャップ形成部材14が配されている。ギャップ形成部材14としては、例えば、帯状のガラスリボンが挙げられる。
本実施形態において、ギャップ形成部材14は、ガラス板12、13のそれぞれに溶着している。
ギャップ形成部材14は、平面視において額縁状に形成されており、ギャップ形成部材14と、ガラス板12、13とによって、内部空間10aが区画形成されている。また、ギャップ形成部材14は、スペーサとしての機能を有する。すなわち、ギャップ形成部材14によって、内部空間10aの厚みが決められている。
セル10には、内部空間10aに連通する開口部15が形成されている。この開口部15は、流動体11を内部空間10a内に封入するためのものである。流動体11は、セル10に溶着しているガラス封止部材16によって塞がれている。本実施形態では、ガラス封止部材16は、ガラスリボンにより構成されている。
次に、ガラス封止部材16により封止された状態について説明する。図3は、本実施形態におけるデバイス1の開口部15及びガラス封止部材16周囲の拡大平面図である。
図3に示すように、封止部17は、平面視でセル10のガラス板12に形成された開口部15を覆うようにガラス封止部材16を配置して形成される。具体的には、例えば、レーザーによる局所加熱により、レーザーが照射された部分のガラス板12及びガラス封止部材16を溶融して、溶着部18を形成したものである。溶着部18において、ガラス板12及びガラス封止部材16が溶融し、これらが冷え固まることにより、ガラス板12とガラス封止部材16が接着(溶着)し、封止部17が形成される。
封止部17は、開口部15を囲むように、溶着部18により囲まれて形成された第一領域A1と、第一領域A1全体を囲むように、溶着部18により囲まれて形成された第二領域A2からなる。なお、第二領域A2は、第一領域A1全体を囲むように形成されるものであれば、図3のA2a、A2bに表されるように、複数に分割されていても良い。また、複数の環を形成するものであっても良い。
このように、開口部15全体が、第一領域A1に取り囲まれ、かつ、第一領域A1全体が第二領域A2に取り囲まれているため、仮に、第一領域A1を形成している溶着部18の一部にゴミ等の異物が存在していて、溶着が不十分な部位が存在し、その部位から内部空間10a内に封入されている流動体11が第一領域A1外へ漏れ出したとしても、第二領域A2を形成する溶着部18により、第二領域A2外部への流動体11の漏れ出しを防ぐことができる。
例えば、図4に示すように第一領域A1全体が第二領域A2により取り囲まれておらず、溶着部28に取り囲まれていない領域B(第一領域A1と領域A3を除いた、ガラス板22及びガラス封止部材26上の領域)と接している場合、第一領域A1を形成する溶着部28が領域Bと接する部位Cにおいて、溶着が不十分である場合、部位Cから流動体21が漏れ出すおそれがある。
なお、図3に示すように、溶着部18が、連続した線状であれば、作業性の効率化を図ることができる。
1 デバイス
10 セル
10a 内部空間
12、13 ガラス板
14 ギャップ形成部材
15 開口部
16 ガラス封止部材
17 封止部
18 溶着部

Claims (4)

  1. 開口部を有するガラスからなるセルと、前記セル内に封入される流動体と、前記開口部を封止するための封止部とを備えるデバイスであって、
    前記封止部が、前記セルと、ガラスからなる封止部材とを溶着させて形成されてなり、かつ、前記開口部を囲むように溶着部により囲まれて形成されてなる第一領域と、前記第一領域全域を囲むように溶着部により囲まれて形成されてなる第二領域を有するデバイス。
  2. 前記溶着部は、連続した線状である請求項2に記載のデバイス。
  3. 開口部を有するガラスからなるセルと、前記セル内に封入される流動体と、前記開口部を封止するための封止部とを備えてなるデバイスの製造方法であって、
    開口部を有するガラスからなるセルを準備する工程と、
    前記開口部より前記セル内に流動体を封入する工程と、
    レーザー照射により前記セルと、ガラスからなる封止部材とを溶着させて封止部を形成する工程とを含み、
    前記封止部を形成する工程において、前記開口部を囲むように溶着部により囲まれて形成されてなる第一領域と、前記第一領域全域を囲むように溶着部により囲まれて形成されてなる第二領域となるように封止部を形成するデバイスの製造方法。
  4. 前記溶着部は、連続した線状である請求項3に記載のデバイスの製造方法。
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