JP2011159207A - 画像処理装置、およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】一般的な画像について汎用的に適用して、人間の潜在感覚に沿って画像が持つ複数の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、画像を通じた素材の質感を高められる画像処理装置を提供する。
【解決手段】入力画像から物理的な複数種類の画像特性パラメータを抽出する。抽出した複数種類の画像特性パラメータを第1の数値変換式で処理して一般的な潜在感覚をそれぞれ数値化した複数種類の低次感性量パラメータを演算する。演算した複数種類の低次感性量パラメータを第2の数値変換式で処理して素材ごとに異なる質感を数値化した高次感性量パラメータを演算する。演算された高次感性量パラメータが所定値に誘導されるように画像特性を変更する画像処理を複数種類組み合わせて行うことで、入力画像に含まれる画像の質感を高めた出力画像が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、入力画像の変換処理を行って画像の質感を異ならせた出力画像を形成する画像処理装置、詳しくは、表示媒体上に表示された画像を通じた素材ごとに異なる質感の感覚的な評価方法に関する。
デジタルカメラ、ビデオカメラ、テレビ、携帯電話、テレビゲーム装置、カラープリンタ等の画像表示装置には、入力画像の変換処理を行って画像の質感を異ならせた出力画像を形成する画像処理装置が組み込まれている。画像処理装置は、コンピュータであるマイコンや高速演算素子を用いて、肌色調整のような標準的な質感調整を行うプログラムを搭載している。
また、パーソナルコンピュータに入力画像を取り込んで、画面を通じて種々のパラメータを手動設定することにより、原画像の物理的な画像特性を個別に変更、調整する画像処理プログラムが実用化されている。このようなプログラムは、複数種類の画像特性(明度、色相、彩度、階調特性、周波数特性等)を相互に関連付けて同時に変更することにより、種々のフィルタ効果や画像の質感の向上を実現するプログラムを含む場合もある。
しかし、入力画像に対して個別の画像特性の変更やフィルタ処理の選択を行って所望の質感を得ることは、一般のユーザーにとっては容易ではない。1つならまだしも2つ以上の画像特性を複合的に変化させた場合、その相乗的な効果を推測することは難しく、画像処理の前後における画像の質感の変化量を想像することはさらに難しい。
特許文献1には、感覚的な画像品質を高める画像処理装置が示される。ここでは、質感、柔らかさ、明るさといった感覚的な改善効果の種類ごとに予めパッケージ化した複数の画像特性を相互に関連付けて複合的に変化させている。
特開平10−243240号公報
画像を通じた素材ごとに異なる質感は、単純な物理量の画像特性ではなくて、光沢感、重厚感、先鋭感、無機質感等、人間の潜在感覚が深く関与している。複数種類の画像特性が単純に等しく再現された画像よりも、その素材に誘起される複数の潜在感覚が高まる方向へそれぞれの画像特性を少しシフトさせた画像のほうがより自然に観察されることが判明した。
しかし、画像を通じた素材らしさを高めるために、どの画像特性とどの画像特性とをどれくらいずつ変化させれば最良の結果が得られるかは、試行錯誤を繰り返して、処理結果を観察比較する以外に求めようがない。このため、入力画像に写り込んだ素材の質感を高める画像処理は、高度の知識と経験を蓄えた専門家にとっても、個別の画像ごとに膨大な試行錯誤が繰り返されて終わりの見つけにくい作業となっている。一般的な画像について汎用的に適用して素材の質感を高め得るような画像処理の法則や判断手法が確立されていないからである。
本発明は、一般的な画像について汎用的に適用して、人間の潜在感覚に沿って画像が持つ複数の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、画像を通じた素材の質感を高められる画像処理装置を提供することを目的としている。
本発明の画像処理装置は、画像から抽出される複数種類の物理的な画像特性を個別に調整可能な調整手段を用いて、前記複数種類の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、入力画像とは画像の質感が異なる出力画像を形成するように入力画像の変換処理を行うものである。そして、前記画像特性をそれぞれ数値化した複数種類の画像特性パラメータを、画像から人間が受け取る潜在感覚をそれぞれ数値化した複数種類の低次感性量パラメータに変換可能な第1の数値変換手段を有し、前記第1の数値変換手段を用いて出力画像から演算される複数種類の前記低次感性量パラメータが、所定の関係を満たすそれぞれの数値に誘導されるように前記変換処理を行う。
本発明の画像処理装置では、人間が画像から無意識に複数種類の潜在感覚を読み取って質感を判断しているように、複数の画像特性を第1の数値変換手段によって複数種類の低次感性量パラメータに変換して数値演算的に質感を評価可能とする。画像の質感に比較すれば単純で、物理的な画像特性との関連性を理解し易い低次感性量パラメータを、複数の物理的な画像特性と最終的な画像の質感との間に介在させることで、変更すべき画像特性の組み合わせと画像の質感との関係が単純化される。
複数種類の低次感性量パラメータが所定の関係を満たすような数値に誘導されるように方向性のある変換処理を行うので、質感を変更したい方向に逆行するような無意味な試行錯誤をしないで済む。低次感性量パラメータの変化を通じて数値的に質感の変化を把握できるため、個別の画像特性の組み合わせと変更量とを異ならせて行う膨大な試行錯誤を排除できる。
従って、一般的な画像について汎用的に適用して、人間の潜在感覚に沿って画像が持つ複数の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、画像を通じた素材の質感を高められる。
図1は画像処理装置の構成の説明図である。 実施例1における質感認知モデルの説明図である。 実施例1の画像処理装置の構成の説明図である。 実施例1における画像処理制御のフローチャートである。 実施例3の画像処理装置の構成の説明図である。 実施例3における画像処理制御のフローチャートである。 実施例3における質感認知モデルの説明図である。 実施例3における質感調整処理のフローチャートである。 実施例5における質感認知モデルの説明図である。 実施例5における質感調整処理のフローチャートである。 実施例6における質感認知モデルの説明図である。 パラメータ操作画像の表示形式の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、複数の低次感性量パラメータを用いて画像処理を行う限りにおいて、実施形態の構成の一部又は全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
本実施形態では、モニタ画面に画像を表示して画像処理を行うパーソナルコンピュータ用のプログラムを説明する。しかし、本発明は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置、画像読取装置(スキャナ)、テレビ、携帯電話、テレビゲーム装置等の映像機器、カラープリンタ等の画像形成装置としても実施できる。つまり画像を取り扱う機器全てに応用することが可能である。これらの装置のマイコンや高速演算素子に格納されたプログラムとして実施できる。画像の表示媒体としては、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、印刷媒体、プリント画像、銀塩写真を含む。
なお、特許文献1に示される画像処理装置の構成やフィルタ処理に関する一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<感覚的な素材らしさ>
近年、高精細度テレビジョン放送に伴い高精細度テレビ(HDTV)の普及が進み、画質主要素である解像度の高精細化が進んでいる。また、映画分野においてもデジタルシネマシステムのように投影画素数の高画素数化が進んでいる。これにより、物理的仕様の向上による高画質化による画質の差別化が困難になってきた。
そこで、より人間の感性に訴える画質というものが重要視されている。このため、解像度・階調数・表示可能色数の増加など、装置の改良を行うことで物理的仕様を向上しつつも、その性能を活用して人間の感性に訴える高画質化画像処理を実現しようとしている。
このような高画質化画像処理は、画像設計者が個人の主観により様々な画像特性を調整することで実現されている。この際、個々の画像特性の変更は、設計者の経験によって調整されているため、設計者毎のばらつきが伴うことになる。よって、設計者に頼らずより客観的に人間の感性に沿った画像特性の変更手法が求められている。
また、視聴者が画質調整を行う場合、どの画像特性を変更すべきか分かりにくいことや、たとえ画像特性を変更しても、変化した画質がどのように変わったか分かりにくいことが問題とされている。また、画像処理の専門家であっても、中途半端な常識に邪魔されて、変更すべき画像特性の組み合わせや、個別の画像特性の変更量が不適切になることがある。よって、このような観点からも、人間の感性に沿った画像調整を、人間の主観的な判断を排除して機械的に行う画像処理手法が必要とされている。
このような問題を鑑みて、画像設計者の固有の経験や感性等に左右されないように画像の質感調整を行う画像処理方法として特許文献1が提案されている。
特許文献1では、入力画像に対してテクスチャの有無、色分布の解析、キャッチライトの有無の解析を行って入力画像の物理的な画像特徴量を算出している。そして、ユーザーの調整指示に基づいて画像の分類ルールを選択し、算出した画像特徴量を与えることで画像の分類を行っている。この分類結果に応じて、画像処理オペレータ及びパラメータを決定することにより、画像の特徴に応じた画像処理を行うことを可能にしている。
しかし、特許文献1では、画像の特徴にあった画像処理を行おうとしているが、画像の特徴と人間の感性がどのように対応しているかには触れられていない。変更すべき画像特性の組み合わせや、個別の画像特性の変更量は、依然として設計者の主観的な判断に委ねられている。よって、人間の質感認知に沿った処理になっているとは限らず、人間の感性に沿った画像の質感調整が実行されるとは限らない。また、画像の大まかな分類は可能であるが、画像に描画された対象物固有の材質感(例えば、金属、人肌、帆布など)といった様々な種類の質感に分類することが難しい。よって、様々な質感の中から対象となる特定の質感(以後、単に「特定の質感」とよぶ)を調整することができなかった。
ところで、金属光沢面、人間の肌、織布、海面といった素材の画像に対して、人間は、ある種の期待を持って観察しており、そのような期待に応えるような画像処理を施すことで、感覚的な画像の現実感が高まる。エッジ強調フィルタを施すことで冷たさが演出され、赤みを増すことで暖かさが演出されるように、画像自体は不自然な方向に変形されても、画像を通じた素材の質感は、より自然なものとなることが知られている。
このように感性に訴えるような画質を実現するためには、画像中の物体の質感を人間の感性に沿って調整することが必要となる。しかし、従来の画像処理技術では、人間の感性に沿った処理が困難であり、特定の素材の質感を調整するような処理はできなかった。
以下の実施例では、このような課題を解決するために、画像から人間が認知する質感に対する感性量を、画像の画像特性との対応関係から記述し、その対応関係を記憶保持した質感認知モデルを導入している。質感認知モデルを引用して画像の質感を調整する質感調整処理によって、人間の感性に沿った質感調整を行うことを可能にしている。
質感認知モデルを用いることにより、特定の質感を具体的な数値で調整することが可能となり、人間の感性に近い質感調整結果を得ることが可能となる。また、質感認知モデルを用いることで、従来は画像設計者が主観で変更すべき画像特性を決めることで行っていた高画質化が、より客観的かつ適応的に行うことが可能となる。最終的には、人間の感性に沿った質感調整により、人間の感性に訴えるような高質感な画質を得る画像処理が可能となる。
<画像処理装置>
図1は画像処理装置の構成の説明図である。図1の(a)に示すように、画像処理装置100は、コンピュータ100Aが画像処理のプログラムを実行して入力画像の変換処理を行う。コンピュータ100Aは、画像から抽出される複数種類の物理的な画像特性を個別に調整可能な調整手段(111a)を用いて、複数種類の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、入力画像とは画像の質感が異なる出力画像を形成する。
コンピュータ100Aは、パラメータ操作画像111を重ね合わせた処理画像110をモニタ画面108に表示して、後述する質感認知モデルを用いた質感調整処理を実行する。
図1の(b)に示すように、パラメータ操作画像111は、画像特性パラメータ111a、低次感性量パラメータ111b、及び高次感性量パラメータ111cを後述する質感認知モデルの演算式で連動させて表示する。パラメータは、それぞれの性質を相対評価するための無単位、無次元の目安の数値である。画像特性パラメータ111a、低次感性量パラメータ111b、及び高次感性量パラメータ111cのいずれかの階層でマウス106を操作してポインタをドラッグすると、他の階層のパラメータが後述する質感認知モデルの演算式で演算されて自動的に修正される。
処理画像110を見ながら、ユーザーがパラメータ操作画像111上でマウス106を操作して高次感性量パラメータ111cを変更すると、変更した高次感性量パラメータ111cに従って後述する質感認知モデルを用いた演算が実行される。
そして、演算結果が直ちに低次感性量パラメータ111b及び画像特性パラメータ111aに表示され、同時に、原画像に対して変更した画像特性パラメータ111aに基づく画像処理が実行されて、処理結果の処理画像110がモニタ画面108に表示される。
画像特性パラメータは、複数種類の画像特性をそれぞれ数値化して求められる。低次感性量パラメータは、画像から人間が受け取る複数種類の潜在感覚をそれぞれ数値化したものになっている。高次感性量パラメータは、画像を通じた素材ごとに異なる質感を数値化したものになっている。
コンピュータ100Aは、複数種類の低次感性量パラメータが、所定の関係を満たすそれぞれの数値に誘導されるように画像特性の変換処理を行う。より具体的には、特定の高次感性量パラメータが所定の数値に誘導されるように画像特性の変換処理を行う。
画像処理装置100は、各階層のパラメータを連動表示するパラメータ操作画像111を用いることにより、画像を通じた特定の材質の質感を、人間の感性に近い形式で調整できる。パラメータ操作画像111を参照することで、従来は画像設計者が主観で変更すべき画像特性を決めることで行っていた高(感性)画質化を、より客観的かつ適応的に行うことが可能となる。少ない試行錯誤で人間の感性に沿った質感調整を行うことができ、人間の感性に訴える高質感な画像を得る画像処理が可能となる。
<質感認知モデル>
図2は質感認知モデルの説明図である。図2に示すように、数値変換手段の一例である質感認知モデルは、人間が質感などを認知する際の構造をモデル化したもので、図1の(b)に示すパラメータ操作画像111の各階層のパラメータを連動させる方程式群のプログラムである。
質感認知モデルには、物理的な画像特性(色相、彩度、明度、階調特性、周波数特性)と、画像から人間が感じ取る一般化された潜在感覚と、特定の素材の画像を見た際に人間が感じる素材固有の質感との関係が定量的に表現されている。質感認知モデルは、人間の質感認知過程に沿って三層で構成されており、左から右へ質感認知過程が進んでいくよう配置されている。
第1の数値変換手段に相当するのは、画像特性と低次感性量との関係を規定する方程式群である。これにより、画像特性をそれぞれ数値化した複数種類の画像特性パラメータを、画像から人間が受け取る潜在感覚をそれぞれ数値化した複数種類の低次感性量パラメータに変換可能である。複数種類の画像特性パラメータと複数種類の低次感性量パラメータとは、実験的に準備された方程式群(第1の数値変換手段)によって相互変換可能である。
第2の数値変換手段に相当するのは、低次感性量と高次感性量との関係を規定する方程式群である。これにより、複数種類の低次感性量パラメータを、画像を通じた素材ごとに異なる質感を数値化した高次感性量パラメータに変換可能である。複数種類の低次感性量パラメータと個別の高次感性量パラメータとは、実験的に準備された方程式群(第2の数値変換手段)によって相互に変換可能である。
ここでは、金属質感に関する質感認知モデルの一例が示され、このモデルでは、画像の物理特性と画像から感じる金属の素材らしさとの関係が、実験的に求めた多数の重み係数である定数αij、βijを用いて定量的に表現されている。
ここで、簡単に人間の質感認知過程と質感認知モデルの各層の対応に関して説明する。人間が質感を認知する過程として、まず、視覚から画像の物理量が入力されることから始まる。具体的には、画像からの光が目に入射して網膜で受光され、視覚野において色、階調、解像度などの物理量が知覚される。これが質感認知モデルの下位層(画像特性)に対応する。画像特性を記述する物理量としては、明度、色相、彩度、階調特性、周波数特性などが代表的なものとして挙げられる。
その後、脳の高次視覚野において知覚された物理量から、材質に依存しない一般性のある潜在感覚が無意識のうちに認識される。潜在感覚は、物体の材質を認知する過程として中間的に認知される汎用的な感性量である。汎用的であるため、個別の素材を意識することがない、潜在的に認知される感性である。これが図2の中位層である低次感性量に対応する。
ただし、具体例からも分かるように、低次感性量は、物体の材質の質感の一部を構成する要素であるため、低次感性量を意識して認知することも可能である。そして、具体的に金属質感を認知する際に、潜在的に認知している低次感性量としては、光沢感、重厚感、鮮鋭感、鏡面感、ソフト感、無機質感、精彩感などがある。
そして、前述の低次感性量を統合して最終的に画像中の物体の材質に対応する質感(高次感性量)を認知すると考えられる。これが図2の上位層に対応する。高次感性量の具体例としては、金属質感、肌質感、繊維質感などである。
画像特性、低次感性量、及び高次感性量はそれぞれ数値化されたパラメータとして扱われる。画像特性、低次感性量、及び高次感性量のパラメータ各層には、複数の特徴量があり、ある質感(高次感性量)を認知するためには、複数の画像特性パラメータ、複数の低次感性量パラメータが互いに影響を及ぼしあう。質感認知モデルは、特徴量をノードとして、各ノードがネットワーク状に接続されており、それぞれの相関(影響度)の大きさに応じた重み係数が付与されている。
画像特性と低次感性量とは第1の数値変換手段である方程式群によって双方向に変換可能である。低次感性量と高次感性量とは第2の数値変換手段である別の方程式群によって双方向に変換可能である。
これにより、物理量の画像特性と潜在感覚量と質感との関係を、画像特性と低次感性量と高次感性量とを用いて定量的に扱うことが可能になる。すなわち、画像特性パラメータ(画像特性の値)と低次感性量パラメータ(低次感性量の評価値)と高次感性量パラメータ(高次感性量の評価値)とを用いて、入力画像の質感を数値的に評価して、質感を演算式により高める処理が可能となる。
なお、画像特性を表す物理量は、色相、彩度、明度、階調特性、周波数特性の組み合わせには限られない。質感の種類によっては、より少ない組み合わせでモデル化できるものもあり、さらに多くの物理量を組み合わせる場合もある。近似的には、影響度の少ない画像特性を省略する場合もある。
また、複数種類の画像特性は、後述する画像処理ソフトウエアによって個別の画像特性を連続的又は段階的に変更可能な各種の画像処理に対応させて定義されている。
<画像特性>
入力された画像の処理対象領域において、領域各画素のRGB信号を読み取り、HSV表色系やL*C*h表色系などに変換することで、明度・色相・彩度の色属性を算出する。
具体的な変換方法としては、HSV表色系の場合、以下の変換式によって色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)が決定される。
Figure 2011159207
HSV表色系は、RGB信号からの変換の簡便性からコンピュータ画像処理において一般に使われる表色系であるが、より人間の知覚均等性に優れた心理物理量であるL*C*h表色系を用いる事により、更に人間の感覚に近い色属性が導出される。RGB信号からL*C*h表色系への変換は、次の手順で行う。最初に、入力画像のRGB信号は、予め決められた変換式に従って、CIE XYZに変換される。具体例として、RGB信号の規格の1つであるsRGB信号からCIE XYZへの変換概略は次式のようになる。
Figure 2011159207
さらにXYZ値は、L*、a*、b*を介して、次式によりL*C*h表色系へと変換される。
Figure 2011159207
次に、階調特性の算出方法に関して述べる。階調特性は、前述した物理量である明度L*を用いて明度ヒストグラムを算出することで得られる。人間の知覚的に均一な明るさ知覚に対する頻度分布を得るためには、L*C*h表色系のL*信号でのヒストグラムを用いるのが好適である。
次に、周波数特性の算出方法に関して述べる。周波数特性は、画像をフーリエ変換することで取得する。ここで、二次元の周波数特性を用いても良いが、簡単のためある方向の周波数特性を用いても良いし、すべての方向の平均的な周波数特性を用いても良い。人間の知覚に近い周波数特性を得るためには、L*C*h表色系のL*信号に変換された画像信号をフーリエ変換し、視覚の空間周波数特性を考慮してVTF(視覚伝達関数)を掛け合わせるのが好適である。
このとき用いるVTF(視覚伝達関数)は、現在も様々な研究がなされている。例えば「視覚情報処理ハンドブック(日本視覚学会編)」5章「視覚の時空間特性」記載の図5.4「様々な平均網膜照度の刺激に対するコントラスト感度関数の変化」であらわされる特性を引用しても良い。
本実施例では、上述したように、L*C*h表色系を用いるが、L*C*h表色系以外の表色系を用いて画像処理を行うことも可能である。HSV表色系を用いることも可能であり、RGB階調値をそのまま用いて質感モデルを構築することも不可能ではない。
また、階調特性は、簡略にはG信号のヒストグラムであってもよく、RGB階調値をNTSC規格のYUV等の信号に変換して、物理量である輝度成分Yに関する輝度ヒストグラムとして用いてもよい。
<重み係数の決定方法>
図2に示すように、実施例1では、人間の質感認知構造に即したモデルを作るために、評価グリッド法によるインタビュー調査を実施し、質感を認知する際の評価構造を作成した。評価構造は、評価項目の因果関係が構成する客観性のある構造であり、関係する評価項目がリンクで接続されたネットワーク状の構造をとる。評価項目は、インタビュー調査により得られた言葉を整理して、類似する言葉同士を統合・包含する言葉で表現することで抽出される。更に、上位概念や下位概念の抽出を行うことで階層構造を抽出することが可能となる。
評価構造を形成したら、評価項目の因果関係の大きさを決定する必要がある。そのため、評定尺度法などを用いたアンケート調査を実施し、アンケート調査と評価構造を用いて共分散構造分析、又は重回帰分析などを行い、評価項目間の重み係数を算出する。
次に、図2に示す質感認知モデルの重み係数の具体的な取得方法に関して述べる。質感認知モデルの製造方法は、準備の第1工程と、実験の第2工程と、統計処理の第3工程とを含む。
第1工程では、特定の質感を持つ素材の画像を含む原画像に物理的な画像特性を異ならせる画像処理を施して、画像特性を個別的又は複合的にそれぞれ段階的に変化させた複数の評価用画像を作成する。第1工程では、出力画像が最終的に利用される表示媒体上に表示させる評価用画像を作成する。図1の(b)に示す画像特性パラメータ111aを個別に複数段階に変更して多数の評価用画像を準備した。
具体的には、金属質感の質感認知モデルを構築するために金属光沢面を撮影した3種類の原画像を準備した。3種類の原画像に対して7種類の画像特性(明度、色相、彩度、周波数特性、階調特性)を複数段階に変化させる画像処理を実験計画法に従って複合的に施して、多数の評価用画像を作成した。明度・色相・彩度の場合は、ソフトウエア上で直接その値を変更することで調整後の値にすることができる。階調特性の場合は、例えばトーンカーブ処理等を行うことで変更し、周波数特性の場合は、エッジ強調処理やスムージング処理を行うことで変更するなど、ソフトウエア上に準備された各種のフィルタ機能を利用できる。
第2工程では、多数の評価用画像を被験者に対比観察させて、複数種類の潜在感覚における感覚的な変化量と画像を通じた素材の質感の感覚的な変化量とを評価させ、前記質感に対する複数種類の潜在感覚の寄与度を測定する。
第2工程は、出力画像が最終的に利用される表示媒体上に表示した評価用画像を用いて、複数の被験者に対して実行される。複数の被験者で同様に第2工程を実行することで、1つの質感に対する複数種類の潜在感覚の寄与度が、特定の被験者に偏らない一般的な形で採取される。図1の(b)に示す個別の画像特性パラメータ111aに関連付けた個別の評価用画像について、低次感性量及び高次感性量を人間に相対評価させるアンケートを行った。
具体的には、液晶ディスプレイに原画像と1枚の評価用画像とを並べて表示させ、6種類の潜在感覚と1種類の素材質感とを5段階に評価させるアンケートを実施した。潜在感覚の評価項目は、重厚感、はっきり・くっきり感、無機質感、光沢感、なめらか感、鏡面感であり、素材質感の評価項目は、金属質感である。5段階評価は、評価項目に対して、個別の潜在感覚の印象の有無を、ある、ややある、どちらでもない、ややない、ないの5段階から1つを選択させた。
第3工程では、第2工程で得られた測定結果を統計処理して、複数種類の潜在感覚をそれぞれ数値化した低次感性量パラメータと画像特性パラメータの変換式を求める。特定素材に関する低次感性量パラメータの演算に必要な重み係数を決定する。また、第3工程では、第2工程で得られた測定結果を統計処理して、素材ごとに異なる質感を数値化した高次感性量パラメータと低次感性量パラメータの変換式を求める。特定素材に関する高次感性量パラメータの演算に必要な重み係数を決定する。
図1の(b)に示す個別の評価用画像に割り当てられる画像特性パラメータ111aの数値に対応させて、アンケートで得られた高次感性量パラメータ111cと低次感性量パラメータ111bの数値を割り当てる。統計処理を通じて、各層のパラメータ間の変換に用いる重み係数が具体的に決定され、具体的な重み係数を付与された方程式群によって図1の(b)に示す各層のパラメータが連動するようになる。
実施例1では、複数の画像処理/画像評価業務従事者に対してインタビュー調査およびアンケート調査を行うことによって質感認知モデルを構築するので、一人の画像設計者のみの主観に依存することなく高精度に画像調整を行うことが可能となる。
このように、画像特性を変化させるべきという主観的な判断を全く伴わず、変化させた画像特性を隠した評価用画像の客観的判断のみによって、質感認知モデルを構築するので、複数種類の画像特性の金属質感への個別の寄与度が正確に判断される。
いずれにせよ、アンケートにおいて評価用画像を用いて行われる試行錯誤の結果が具体的な質感認知モデルの数値変換式としてソフトウエアに組み込まれることで、ユーザーが行う個別の画像処理における無駄な試行錯誤が排除される。個別の画像処理の効果の方向性が漏れなくソフトウエアに反映されているため、経験の浅いユーザーでも、画像処理の目的にふさわしい画像処理の種類と処理量とを直接的かつ容易に選択できる。
また、多数の視聴者に対するインタビュー調査およびアンケート調査を行うことによって質感認知モデルを構築するので、一般的な視聴者の感性に沿った画像の調整を行うことが可能となる。
なお、質感は、物体の材質によって異なるため、個別素材の質感毎に質感認知モデルを構築する必要がある。また、年齢による視覚特性の変化により因果関係も変化するため、重み係数も変化する。よって、用途に応じては、年齢ごとにセクタを分けて第2工程のアンケート調査を実施することも必要となる。
また、評価グリッド法を紹介する文献としては、「レパートリー・グリッド発展手法による住環境評価構造の抽出」(讃井純一郎、乾正雄著、日本建築学会計画系論文報告集 第367号 昭和61年3月、15〜21頁)が挙げられる。
また、評価グリッド法以外の手法としては、SD法を用いたアンケート調査を行い、その結果を因子分析することで質感に関連する因子を抽出して評価構造を構築することも可能である。
また、共分散構造分析を紹介する文献としては、「共分散構造分析 入門編 ―構造方程式モデリング(豊田秀樹著、朝倉書店)」などが挙げられる。
<実施例1>
図3は実施例1の画像処理装置の構成の説明図である。図4は実施例1における画像処理制御のフローチャートである。
図3に示すように、画像処理装置100の画像入力部101には、質感を調整したい入力画像が入力される。ここで、単に画像を入力しただけでは、どの質感を調整するのか不明確であり、対象領域を指定した場合も、その対象領域がどんな質感のものなのか分からない。画像入力部101は、画像中のどの材質に対応する質感を調整するかを指定するとともに、更にその質感をどの程度調整するかという調整量も指定するための入力装置を含んで構成されている。入力画像は、画像全体を質感調整処理の対象としている場合と、特定の物体部分のみ質感調整処理をするよう対象領域を指定して、部分的に質感調整処理の対象としている場合とがある。
質感認知モデル記憶部102は、人間が質感を認知する際の構造をモデル化した質感認知モデルを記憶している。質感認知モデル記憶部102に記憶されている質感認知モデルは、図2を参照して説明したものである。
質感調整処理部103は、質感認知モデル記憶部102から該当する素材の質感認知モデルを呼び出して、画像を通じた素材の質感を向上させるなどの調整を行う。
画像出力部104は、質感が調整された画像を表示装置へ出力、または記憶媒体への画像の保存などの処理を行う。
図3を参照して図4の(a)に示すように、まず、画像入力部101に 特定の質感を調整するための入力画像が入力される(S1101)。
入力された画像および調整する質感の種類の情報は、質感調整処理部103へ入力されて、図3の(b)のフローチャートの手順に従って質感の調整が行われる(S1102)。
図4の(b)に示すように、始めに、入力された画像の画像特性の値を算出する(S1201)。画像特性の値としては、前述したように明度、色相、彩度、階調特性、周波数特性が挙げられる。質感調整処理部103は、指定された質感の種類の情報をもとに、質感認知モデル記憶部102から対応する質感認知モデルを取得し、指定された質感の調整値に従って画像特性を変換処理する(S1202)。
ここで、質感の調整値は、前述したように画像入力時に指定しても良いし、調整対象の質感ごとにどれだけ調整するか固定しておいてもよい。画像入力時に指定する場合は、モニタ画面に表示したユーザーインターフェース画面や画像入力部101に付設した操作部を通じて指定できるようにしても良い。
質感調整値に応じた画像特性の変更方法に関して述べる。画像特性の変更には、まず、質感を調整した場合の画像特性の値がいくつになるか算出する必要がある。そのために、図1の質感認知モデルにおいて、右側の上位層である高次感性量の値を変化させることで、高次感性量から低次感性量、画像特性へとリンクを辿りながら演算していく。高次感性量から低次感性量への演算は、次式で示される。
Figure 2011159207
ここで、係数αijは、高次感性量と低次感性量の相関を表す重み係数であり、係数εjは、質感認知モデル構築の際に発生する個人差などを含む高次感性量における誤差である。iは低次感性量の評価項目番号であり、jは高次感性量の評価項目番号を表している。また、Zjは、質感の調整値で調整された後の高次感性量の値であり、Yiは、質感の調整値に対する低次感性量の値となる。つまり、各低次感性量の値Yiは、質感調整後の高次感性量の値Zjから誤差εjを差し引いて、対応する相関係数αijを掛けた値となることを表している。すなわち、重み係数α11、α21、α31、α41、α51、α61及び係数ε1がメモリから読み込まれ、高次感性量の目標値Z1が設定され、低次感性量Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6が演算される。
高次感性量から低次感性量の値が算出されると、次の階層である画像特性の値を算出する演算に進む。低次感性量から画像特性の値への演算は、次式で示される。
Figure 2011159207
ここで、係数βijは、低次感性量と画像特性量の相関を表す重み係数であり、係数εjは、質感認知モデル構築の際に発生する個人差などを含む低次感性量における誤差である。iは画像特性の評価項目番号であり、jは低次感性量の評価項目番号を表している。
また、Yjは、質感調整値に対する低次感性量の値であり、Xiは、質感調整値に対する全ての低次感性量の値を考慮した画像特性の値となる。
つまり、各画像特性の値Ziは、質感調整後の各低次感性量の値Yjから誤差εjを差し引きして、対応する相関係数βijを掛けた値の和となることを表している。Xiは、質感の調整値に対する画像特性の調整値に対応する。このような演算により、質感調整後のそれぞれの画像特性の値が算出される。
なお、この際、予め複数段階の質感調整値に対応したそれぞれの画像特性の値をLUT(ルックアップテーブル)に保持しておき、質感調整値に対応したそれぞれの画像特性の値の組を1つ選択するようにしても良い。
質感調整処理部103は、画像特性の値が算出されたら、その値に近づくように各画像特性を変更させる画像処理を行う(S1202)。明度・色相・彩度の場合は、直接その値を変更することで、質感調整後の画像特性の値にすることができる。階調特性の場合は、例えばトーンカーブ処理等を行うことで変更し、周波数特性の場合は、エッジ強調処理やスムージング処理を行うことで変更するなど様々な手法がある。
なお、画像特性の値を質感調整後の画像特性の値に変更できるならば、画像特性を変更するための処理は、ここで挙げた処理には限定されない。
質感調整処理(S1102)を終えると、画像出力部104は、質感の調整が完了した画像を表示装置や画像出力装置、記憶媒体へと出力する(S1103)。
以上、説明したように、図1の質感認知モデルを用いることで、人間の感性に沿った質感調整を行うことが可能となる。更には、質感調整を行うことでより感性に訴える画像表現が可能となる。
実施例1では、静止画像について説明したが、映像に対しても同様な質感調整処理を適用することが可能である。実施例1で述べている画像は、静止画像だけでなく、動画像も含まれる。画像入力部101は、様々な形式の画像・映像に対応するための画像処理プログラムを持っている。よって、実施例1の画像処理装置は、撮像装置・表示装置・画像出力装置などに組み込むことにより、それぞれの装置において質感を調整した画像を得ることが可能となり、広範囲な装置に本提案を活用できる。
<実施例2>
図4の(c)は実施例2における質感調整処理の説明図である。実施例2は、図4の(b)のフローチャートが図4の(c)のフローチャートに置き換わる以外は実施例1と同様な手順で画像処理が実行される。
図1を参照して図4の(c)に示すように、実施例2では、入力画像をモニタ画面108に表示して、図2の質感認知モデルを用いた質感調整処理を実行する。最初に入力画像に重ねてパラメータ操作画像111が表示される。質感調整処理(S1202)後、処理結果の処理画像110とパラメータ操作画像111がモニタ画面108に表示される(S1203)。その結果を見ながら、ユーザーが随時、パラメータ操作画像111上で質感の調整値を変更できる。
変更した調整値に従って質感調整が再実行されて、直ちに処理結果の処理画像110と、処理画像110から抽出した各階層のパラメータがパラメータ操作画像111に表示される(S1203)。その結果を見て、ユーザーが了解すれば(S1204のYES)、質感調整処理(S1102)を終える。
<実施例3>
図5は実施例3の画像処理装置の構成の説明図である。図6は実施例3における画像処理制御のフローチャートである。図7は実施例3における質感認知モデルの説明図である。図8は実施例3における質感調整処理のフローチャートである。
図5に示すように、実施例3の画像処理装置200は、図2に示す実施例1と略同一の構成であるが、質感評価処理部202が追加されている。
図5を参照して図6の(a)に示すように、画像処理装置200の画像入力部101は、実施例1と同様に、入力画像と、質感を調整する素材の指定と、質感の調整量とを入力される(S2101)。質感認知モデル記憶部102は、実施例1と同様に、人間が質感を認知する際の構造をモデル化した質感認知モデルを記憶している。
質感評価処理部202は、入力画像の質感評価を行う(S2102)。図6の(b)に示すように、入力画像の質感評価処理(S2102)を実行する。最初に、実施例1と同様に入力画像の画像特性を算出する(S2201)。
次に、算出した画像特性の値と、質感認知モデル記憶部203に記憶されている質感認知モデルとを用いて質感の評価値を算出する(S2202)。
図7に示すように、質感認知モデルにおいて、左側の画像特性から右側に向かって低次感性量、高次感性量へとリンクを辿りながら次式のように演算を行って、各ノードにおける評価値を算出する。
Figure 2011159207
ここで、係数αijは、実験的に求められた各評価項目間の重みを表す係数であり、係数εiは、実験的に求められた質感認知モデル構築の際に発生する個人差などを含む各評価項目における誤差である。iは、注目階層の評価項目番号であり、jは、注目階層の一段下位層の評価項目番号を表している。
Xjは、注目階層の一段下位層の評価項目の評価値であり、Yiは、注目階層の評価値となる。例えば、注目階層を低次感性量にした場合、Xjは、図7の左の階層の画像特性の値に対応し、Yiは、低次感性量の評価値に対応する。同様に、注目階層が高次感性量の場合は、Xjが低次感性量の評価値に対応し、Yiは、高次感性量である質感の評価値に対応する。
よって、算出された物理特性である画像特性の値を用いて、各低次感性量の評価値が算出され、各低次感性量の評価値を用いて、最終的に高次感性量である金属質感の評価値を得る。
質感評価処理部202は、金属質感の評価値を算出したら(S2202)、質感評価処理(S2102)を終了する。質感調整処理部204は、質感認知モデル記憶部203から質感認知モデルを呼び出して、質感を向上させる調整を行う(S2103)。質感調整処理部204は、質感評価処理(S2102)で算出された高次感性量(金属質感)の評価値および低次感性量の評価値を判定して、調整する画像特性を選択する。質感調整処理部204は、金属質感の評価値から金属質感が高いか低いかを判定する。金属質感が低い場合は、金属質感を高めるような処理を行い、反対に金属質感が高すぎる場合は、金属質感を抑えるような処理を行う(S2103)。
質感調整処理部204は、金属質感をどのように調整するかの方向性が決まると、次に、どの画像特性の値をどれだけ変化させればよいかを求める。この際、画像特性の値は、他の低次感性量の評価値にも影響するため、他の低次感性量の評価値も参照しながら、変更する画像特性および変化量を決定する。質感調整処理部204は、画像特性の変化量が決定したら、それに従って画像処理を行う。
図5を参照して図8に示すように、質感調整処理部204は、変更する画像特性の決定方法および変化量の決定方法を含む処理を実行する。まず、金属質感の評価値に影響を与える低次感性量の評価値のうち、最も低い値を判定する(S2301)。次に、画像特性の中で選択された低次感性量への影響が最も大きい画像特性を重み係数から判断して選択する(S2302)。
続いて、選択された画像特性を調整した場合の低次感性量の評価値を再算出する(S2303)。低次感性量の評価値が目標値に達しているか判定し、満たない場合は調整量を変更して目標値に届くように設定する(S2304)。
ただし、画像特性を大きく変更した場合、違和感のある画像になる恐れがあるので、調整可能な最大値を設定し、それ以上の調整は行わないようにする。よって、調整可能な範囲で低次感性量が目標値に達しない可能性がある。このときは、次に影響が大きい画像特性の値を変化させるため、画像特性の中で選択された低次感性量への影響が次に大きい画像特性を選択する(S2302)。
目標値に達している場合(S2304のYES)は、選択された低次感性量を調整した場合の金属質感の評価値を再算出する(S2305)。そして、金属質感の評価値が目標値に達しているか判定する(S2306)。
目標値に満たない場合(S2306のNO)は、次に影響の大きい低次感性量を選択して(S2301)、次に影響の大きい低次感性量について同様に画像特性の調整を実行する(S2302〜S2306)。
一方、高次感性量の評価値が目標値に達した場合(S2306のYES)、ここまでの処理で決定された変更すべき画像特性に対して、その変更量を満たすように実施例1と同様な画像処理を行う(S2307)。これにより、質感を向上させる調整処理(S2103)を終了する。
質感を向上させる調整処理(S2103)が完了すると、実施例1と同様に画像が出力される(S2104:図6の(a))。画像出力部205は、質感が調整された画像を表示装置へ出力、または記憶媒体への画像の保存などの出力処理を行う(S2104)。
実施例3では、質感評価処理(S2102)を加える事により、ユーザーが質感調整量を入力する必要がなくなり、自動で質感認知モデル(図7)に従った最適な質感調整を行うことが可能となる。
また、全ての低次感性量に対して調整するのではなく、質感評価を行うことで、原画像上で不足している低次感性量を調整することが可能になり、より人間の感性に沿った質感調整を行うことが可能となる。
なお、ここでは、演算により評価値を求めたが、高速に評価値を算出するためには、予め様々な値について評価値(式(3))を演算しておき、LUT(ルックアップテーブル)として保持しておいてもよい。
<実施例4>
実施例3では、金属質感を高める場合について述べたが、金属質感を抑える場合には、図8のフローチャートにおいて、高次感性量の調整量を反対に金属質感が低減するようにすれば実現できる。
しかし、金属質感を抑えるような場合は、金属質感の評価値が高すぎる場合であり、画像中の金属部分がぎらついた感じとなるなどの違和感がある場合である。
この場合、金属質感の評価値に影響を与える低次感性量の評価値が調整可能な最大値を超えていないか判定し、調整範囲を超えている低次感性量があれば、それを抑えるように低次感性量に最も影響を与える画像特性を抑制してもよい。
また、前述の方法以外にも、金属質感に最も影響を及ぼす画像特性を選択して調整を行うなどの方法が考えられる。
実施例3、4では、画像特性の選択方法およびその変化量の設定方法の一例を述べたが、必ずしもこの方法に限定するものではない。いずれにせよ、質感認知モデルを用いることで所望の質感を任意に調整することが可能なように、画像特性を選択・変更する方法であればよい。
<実施例5>
図9は実施例5における質感認知モデルの説明図である。図10は実施例5における質感調整処理のフローチャートである。実施例5の画像処理装置の構成は、図5に示す実施例3の構成と同じであるが、質感認知モデルの一部を使用して質感調整を行うものである。
図9に示すように、使用する質感認知モデルの一部というのは、上位の高次感性量を除いた部分で、低次感性量と画像特性の評価構造部分である。低次感性量は、高次感性量である質感を認知する際に潜在的に認知されているものであるため、低次感性量を意識して画像を観賞した場合には、それ自体が質感の一部と考えることができる。これにより、高次感性量である質感を調整するのではなく、低次感性量を調整することで、画像全体の印象を調整することが可能となる。
様々な素材の質感に関して質感認知モデルを作成した場合、質感を認知する際に潜在的に知覚している低次感性量としてある程度決まった評価項目が現れる。代表的なものとしては、図9に示すように、光沢感、重厚感、鮮鋭感、無機質感、なめらか感、鏡面感、ソフト感などが挙げられる。
また、低次感性量と画像特性の相関は、質感の種類を増やすことで平均化された値となり、汎用性を持つことになる。これにより、個別の質感ごとに質感認知モデルを保持しておく必要がなくなり、高次感性量を除いた1つの質感認知モデルで代用することが可能となる。
実施例5の画像処理装置における処理の流れを、図5に示す実施例3の構成に適用した場合について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
図5を参照して図6に示すように、最初に、画像入力部201へ質感を調整するための画像が入力される(S2101)。質感評価処理部202は、実施例2と同様に、入力画像から画像特性を算出し、画像特性の値と質感認知モデルを利用して、式(1)を用いて評価値を算出する(S2102)。ここで、評価値は、低次感性量の評価値であり、高次感性量の評価値の算出は行わなくてよい。
質感調整処理部204は、質感評価処理部202で算出された低次感性量の評価値を用い、画像特性を変更することで質感調整処理を行う(S2103)。ここでの質感調整は低次感性量の調整を意味する。
実施例5では、質感調整処理(S2103)の動作を図10のフローチャートに従って実行する。
図5を参照して図10に示すように、まず、低次感性量の評価値を判定して、調整する低次感性量を選択する(S3101)。
選択にあたり、足りない質感を補うために低次感性量の評価値の最も小さいものを選択することが考えられる。しかし、より画像の特徴的な質感を伸ばすために、低次感性量の評価値の最も大きいものを選択することも考えられる。さらに、選択した低次感性量を向上させるか抑制するかを、他の低次感性量の評価値をもとに決定することも必要となる(S3101)。
ここで、評価値による質感の自動調整以外にも、図4の(a)に示す構成に適用し、質感調整を行うユーザーが、インターフェースを通じて、調整する低次感性量を選択してもよい。同時に、インターフェースを通じて、指定した低次感性量を向上させるか抑制させるかなどの調整量を指定しても良い。
次に、選択された低次感性量を選択された方向に調整するために、どの画像特性を調整するか質感認知モデルの重み係数によって判定し、同時に画像特性の変更量も決定する(S3102)。そして、決定した画像特性を、決定した変更量だけ変更した場合の低次感性量の評価値を推定する(S3103)。
次に、ステップS3103で推定された低次感性量の評価値が目標値に達しているか判定し(S3104)、達していない場合(S3104のNO)は、ステップS3102に戻って目標値に達するまで繰り返す。このとき、一つの画像特性の変更では目標値に達しない場合(S3104のNO)は、他の画像特性を変更する。また、画像特性を変更することで他の低次感性量も変化するため、可能な限り他の低次感性量には影響を与えないように、複数の画像特性を少しずつ変化させるのが良い。
目標値に達した場合(S3104のYES)は、ステップS3104の結果に応じて画像特性を変更する処理を行う(S3105)。
図5を参照して図6の(a)に示すように、質感を向上させる調整処理(S2103)が完了すると、実施例3と同様に画像が出力される(S2104)。画像出力部205は、質感が調整された画像を表示装置へ出力、または記憶媒体への画像の保存などの出力処理を行う(S2104)。
以上のように、実施例5の画像処理では、材質ごとの質感を調整するのではないため、画像中に複数の材質の物体があっても、特定の領域を指定する必要がない。材質によらない潜在感覚のレベルで、画像全体の印象を調整することが可能となる。また、画像中にある物体の材質に対応する質感認知モデルが無くても、低次の感性量により質感を調整することができ、より汎用的に使用することが可能となる。よって、高次感性量としての質感に対応する複数の質感認知モデルを保持しなくとも汎用的な質感調整が可能となる。
以上より、画像表示装置の画質モード切り替え等に応用することができ、ユーザーの好みの画像を表示するといったことが可能となる。この際、低次感性量である評価項目によって画質調整できるため、一般ユーザーに分かりやすい画質調整を提供することが可能となる。
<実施例6>
図11は実施例6における質感認知モデルの説明図である。実施例6における画像処理装置の構成は、前述した実施例1と同一であるが、実施例1での質感認知モデルとは構造が異なる質感認知モデルを使用する。ここでは、実施例1に用いたものとは構造が異なる質感認知モデルについて説明する。
図1に示すように、実施例1の場合の質感認知モデルは、全ての変数が線形結合された構成となっている。しかし、実際に求めた質感認知モデルでは、線形結合のみでは表現できない相関が存在する場合がある。
図11に示すように、線形結合以外の変数の相関を含む質感認知モデルは、低次感性量の階層において互いに相関がある場合のモデルである。図11中、太線で表示されている部分が相関のある部分にあたり、その相関係数をγで表している。
図11は、金属質感の場合の同階層の相関を含む質感認知モデルであり、例えば光沢感と鏡面感には相関があることが示されている。このように、低次感性量は、互いに独立なものと相関があるものとが存在し、その相関は、無視できる値から無視できない値など様々である。
実施例1の場合の質感認知モデルは、計算量の観点などからこれら低次感性量の相関を無視して近似した線形結合で表せるモデルとなっている。一方、実施例6の質感認知モデルは、より正確なモデルであり、線形結合では表せない部分を含むものとなっている。
実施例6では、このように、低次感性量の相関を考慮した質感認知モデルを用いることにより、より精度よく人間の感性に沿った質感調整が可能となる。
<実施例7>
図12はパラメータ操作画像の説明図である。実施例3では、入力画像の質感評価結果に応じて自動で質感を向上させる調整を行った。このような場合、ユーザーは処理結果が意に沿わない場合には、画像処理をやり直す必要がある。
図1を参照して図12の(a)に示すように、コンピュータ100Aは、選択された質感認知モデルを領域に適用して質感調整処理を行い、結果がその画像領域(金属)に反映されて表示される。
ユーザーが質感調整処理された領域上にポインタを位置決めると(またはクリックすると)、パラメータ操作画像の一例である質感調整サブウインドウ111Mが表示される。質感調整サブウインドウMを通じて、ユーザーは、感性量評価値(スコア)の確認及び微調整が行える。
図12の(b)に示すように、質感調整サブウインドウ111Mには、各感性量の評価値P、各種の質感の微調整用のスライダQ等が表示される。
スライダQを「低」、「高」どちらかに動かすことで、各感性量の微調整が可能である。各感性量の初期値は、総合質感の評価値(スコア)が最も高くなる位置に設定されているため、各感性量のスライダを個別に調整すると、「低」、「高」どちらに動かしても総合質感のスコアは下がる。
総合質感のスライダQは、初期値が最大値なので、それ以上「高」の方向へスライドする(総合質感を上げる)ことはできない。他の個別の感性量のスライダも、適用モデルや画像領域の特徴などにより、調整可能範囲は異なる。
図12の(a)に示すように、質感調整処理された画像上にポインタを位置決めることで、最新の質感調整処理で適用された質感認知モデルを確認できる。
100 画像処理装置、100A コンピュータ、101 画像入力部
102 質感認知モデル記憶部、103 質感調整処理部、104画像出力部
105 キーボード、106 マウス、108 モニタ画面
110 処理画像 111 パラメータ操作画像
111a 画像特性パラメータ、111b 低次感性量パラメータ
111c 高次感性量パラメータ

Claims (16)

  1. 画像から抽出される複数種類の物理的な画像特性を個別に調整可能な調整手段を用いて、前記複数種類の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、入力画像とは画像の質感が異なる出力画像を形成するように入力画像の変換処理を行う画像処理装置において、
    前記画像特性をそれぞれ数値化した複数種類の画像特性パラメータを、画像から人間が受け取る潜在感覚をそれぞれ数値化した複数種類の低次感性量パラメータに変換可能な第1の数値変換手段を有し、
    前記第1の数値変換手段を用いて出力画像から演算される複数種類の前記低次感性量パラメータが、所定の関係を満たすそれぞれの数値に誘導されるように前記変換処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記複数種類の低次感性量パラメータを、画像を通じた素材ごとに異なる質感を数値化した高次感性量パラメータに変換可能な第2の数値変換手段を有し、
    前記第1の数値変換手段及び前記第2の数値変換手段を用いて出力画像から演算される前記高次感性量パラメータが所定の数値に誘導されるように前記変換処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 画像から抽出される複数種類の物理的な画像特性を個別に調整可能な調整手段を用いて、前記複数種類の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、入力画像とは画像の質感が異なる出力画像を形成するように入力画像の変換処理を行う画像処理装置において、
    前記画像特性をそれぞれ数値化した複数種類の画像特性パラメータを、画像から人間が受け取る潜在感覚をそれぞれ数値化した複数種類の低次感性量パラメータに変換可能な第1の数値変換手段を有し、
    前記第1の数値変換手段を用いて出力画像から演算される前記低次感性量パラメータが、所定の数値に誘導されるように前記変換処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
  4. 画像から抽出される複数種類の物理的な画像特性を個別に調整可能な調整手段を用いて、前記複数種類の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、入力画像とは画像の質感が異なる出力画像を形成するように入力画像の変換処理を行う画像処理装置において、
    前記画像特性をそれぞれ数値化した複数種類の画像特性パラメータを、画像を通じた素材ごとに異なる質感を数値化した高次感性量パラメータに変換可能な数値変換手段を有し、
    前記数値変換手段を用いて出力画像から演算される前記高次感性量パラメータが所定の数値に誘導されるように前記変換処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記低次感性量パラメータを表示可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記高次感性量パラメータを表示可能であることを特徴とする請求項2又は4に記載の画像処理装置。
  7. 画像から抽出される複数種類の物理的な画像特性を個別に調整可能な調整手段を用いて、前記複数種類の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、入力画像とは画像の質感が異なる出力画像を形成するように入力画像の変換処理をコンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    前記画像特性をそれぞれ数値化した複数種類の画像特性パラメータを、画像から人間が受け取る潜在感覚をそれぞれ数値化した複数種類の低次感性量パラメータに変換可能な第1の数値変換手段を有し、
    前記第1の数値変換手段を用いて出力画像から演算される複数種類の前記低次感性量パラメータが、所定の関係を満たすそれぞれの数値に誘導されるように前記変換処理を行うことを特徴とするプログラム。
  8. 前記複数種類の低次感性量パラメータを、画像を通じた素材ごとに異なる質感を数値化した高次感性量パラメータに変換可能な第2の数値変換手段を有し、
    前記第1の数値変換手段及び前記第2の数値変換手段を用いて出力画像から演算される前記高次感性量パラメータが所定の数値に誘導されるように前記変換処理を行うことを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
  9. 画像から抽出される複数種類の物理的な画像特性を個別に調整可能な調整手段を用いて、前記複数種類の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、入力画像とは画像の質感が異なる出力画像を形成するように入力画像の変換処理をコンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    前記画像特性をそれぞれ数値化した複数種類の画像特性パラメータを、画像から人間が受け取る潜在感覚をそれぞれ数値化した複数種類の低次感性量パラメータに変換可能な第1の数値変換手段を有し、
    前記第1の数値変換手段を用いて出力画像から演算される前記低次感性量パラメータが、所定の数値に誘導されるように前記変換処理を行うことを特徴とするプログラム。
  10. 画像から抽出される複数種類の物理的な画像特性を個別に調整可能な調整手段を用いて、前記複数種類の物理的な画像特性を複合的に調整することにより、入力画像とは画像の質感が異なる出力画像を形成するように入力画像の変換処理をコンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    前記画像特性をそれぞれ数値化した複数種類の画像特性パラメータを、画像を通じた素材ごとに異なる質感を数値化した高次感性量パラメータに変換可能な数値変換手段を有し、
    前記数値変換手段を用いて出力画像から演算される前記高次感性量パラメータが所定の数値に誘導されるように前記変換処理を行うことを特徴とするプログラム。
  11. 前記低次感性量パラメータを表示可能であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のプログラム。
  12. 前記高次感性量パラメータを表示可能であることを特徴とする請求項8又は10に記載のプログラム。
  13. 特定の質感を持つ素材の原画像に物理的な画像特性を異ならせる画像処理を施して、複数種類の画像特性を個別又は複合的に異ならせた複数の評価用画像を作成する第1工程と、
    前記複数の評価用画像を被験者に対比観察させて、画像から人間が受け取る複数種類の潜在感覚について感覚的な変化量を評価させることにより、複数種類の潜在感覚に対する個別の画像特性の寄与度を測定する第2工程と、
    前記複数種類の潜在感覚に対する個別の画像特性の寄与度の測定結果を統計処理して、前記第1の数値変換手段を求める第3工程とを有することを特徴とする請求項7、8、9、11、12のいずれか1項に記載のプログラムの製造方法。
  14. 特定の質感を持つ素材の原画像に物理的な画像特性を異ならせる画像処理を施して、複数種類の画像特性を個別又は複合的に異ならせた複数の評価用画像を作成する第1工程と、
    前記複数の評価用画像を被験者に対比観察させて、画像を通じた素材ごとに異なる質感について感覚的な変化量を評価させることにより、前記質感に対する個別の画像特性の寄与度を測定する第2工程と、
    前記質感に対する個別の画像特性の寄与度の測定結果を統計処理して、前記数値変換手段を求める第3工程とを有することを特徴とする請求項10に記載のプログラムの製造方法。
  15. 前記第2工程は、複数の被験者に対して実行されることを特徴とする請求項13又は14に記載のプログラムの製造方法。
  16. 前記第1工程は、前記出力画像が表示される表示媒体上に表示される前記評価用画像を作成し、
    前記第2工程は、前記表示媒体上に表示させた前記評価用画像を用いて実行されることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載のプログラムの製造方法。
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