JP2011158261A - 変形性関節症の進行し易さの検出方法 - Google Patents

変形性関節症の進行し易さの検出方法 Download PDF

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尚志 福井
Ryuji Suzuki
隆二 鈴木
Takahiro Ochi
隆弘 越智
Hiroyuki Okamoto
博之 岡本
Shoji Yamane
昌治 山根
Takeshi Ishihara
武 石原
Atsushi Morita
敦 森田
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Abstract

【課題】簡便に調製できるサンプルを用いて、変形性関節症の進行し易さを検出する方法、及び該方法に用いるキットを提供すること。
【解決手段】工程A:被検者由来の血液、血清及び血漿からなる群より選択される少なくとも1つの生体試料において、クラスタリン(Clusterin)、アファミン(Afamin)、ヘモペキシン(Hemopexin)、肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)、及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)からなる群より選択される、少なくとも1種類のタンパク質量を測定する工程、ならびに、工程B:工程Aで得られた被検者由来の生体試料における前記タンパク質量を基準値と対比することにより、被検者の変形性関節症の進行し易さを検出する工程、を含む変形性関節症の病態の進行し易さを検出するための方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、変形性関節症の進行し易さの検出方法に関する。さらに詳しくは、特定のタンパク質量を測定することにより変形性関節症の進行し易さを検出する方法、及び該方法に用いるキットに関する。
変形性関節症(Osteoarthritis、OA)は、関節の退行変性により、軟骨の破壊や、骨及び軟骨の増殖性変化を来たす疾患である。このような関節の構造変化により、痛みや機能障害が増し、進行するに従って日常生活に支障を及ぼすまでになる。また、OAは、30歳以下では1%に満たない罹患率であるが、年齢が上がるにつれて急激に増加し、65歳以上では約80%の人が罹患している。
OAの診断は、基本的には、関節に関する症状(腫れや痛み等)についての患者自身による自己申告と、X線写真等の放射線検査によって行われる。放射線検査では、関節裂隙(関節と関節の隙間の大きさ)が減少しているか、骨棘が形成されているか、軟骨が硬化しているか等を調べることができる。しかしながら、このような構造上の変化は、OAの初期患者においては正確には確認することができず、また、OA患者であっても関節裂隙の変化は一年で0.1〜2mm程度であるため、病態の進行を評価するのが困難である。さらに、OAと診断された患者においても、病態の進行が比較的早く、病態が進行し易い患者(進行群)と、病態の進行が極めて遅いか、ほとんど病態の進行が見られない患者(非進行群)に分類する事ができる。しかし、OAと診断された患者が、進行群、非進行群のいずれであるかを見極めるためには、X線写真等により関節裂隙を長期間に渡って経時的に測定してその減少を調べる以外に有効な手段は無く、OA患者の治療計画の策定、治療効果の判断、さらにはOAの治療薬の効果の確認には困難を伴う。さらなる診断方法として、バイオマーカーを用いる手法が検討されている。
例えば、特許文献1では、膝関節の滑液をサンプルとして用いてプロテオミクス解析を実施することにより、OA初期患者と健常人との間で発現に違いが認められるタンパク質、OAが進行した患者と健常人との間で発現に違いが認められるタンパク質、OA初期患者とOAが進行した患者との間で発現に違いが認められるタンパク質、OAのサブタイプ毎で発現に違いが認められるタンパク質を報告している。しかし、これらのマーカーとOA患者の進行し易さとの関連は不明である。
非特許文献1では、健常人とOA患者の軟骨組織におけるクラスタリン(clusterin)のmRNA発現量を調べている。そして、OA初期患者ではクラスタリンmRNAの発現量が増加して、それにより軟骨細胞が組織の保護や修復を担っているが、OA進行患者では、疾患の進行状況、即ち、組織の退行状態に応じて該発現量が減少していることが報告されている。
非特許文献2では、軟骨からの抽出液をサンプルとして用いてプロテオミクス解析を行うことにより、OA患者と健常人との間で発現に違いが認められる、814のタンパク質を開示している。
WO2008/074029号パンフレット
Osteoarthritis and Cartilage, 2001(9), p727-737 ARTHRITIS & RHEUMATISM, Vol.56, No.11, November 2007, pp3675-3684
しかしながら、従来技術では滑液や軟骨をサンプルとして用いており、これらの組織を採取するには特別な手技を必要としたり、患者に多大な負荷をかけたりすることになる。そのため、これらの方法を臨床に適用することは困難であり、さらなる方法が望まれる。また、従来のマーカーはOA患者の病態の進行し易さに関するマーカーではなく、変形性関節症の進行し易さを検出するマーカーが望まれる。
本発明の課題は、簡便に調製できるサンプルを用いて、変形性関節症の進行し易さを検出する方法、及び該方法に用いるキットを提供することにある。
本発明は、
〔1〕 以下の工程A及びBを含む、変形性関節症の病態の進行し易さを検出するための方法、
工程A:被検者由来の血液、血清及び血漿からなる群より選択される少なくとも1つの生体試料において、クラスタリン(Clusterin)、アファミン(Afamin)、ヘモペキシン(Hemopexin)、肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)、及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)からなる群より選択される、少なくとも1種類のタンパク質量を測定する工程
工程B:工程Aで得られた被検者由来の生体試料における前記タンパク質量を基準値と対比することにより、被検者の変形性関節症の進行し易さを検出する工程
ならびに、
〔2〕 クラスタリン(Clusterin)、アファミン(Afamin)、ヘモペキシン(Hemopexin)、肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)、及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)からなる群より選択される、少なくとも1種類のタンパク質に対する抗体を含有してなる、変形性関節症の進行し易さを検出するためのキット
に関する。
本発明の方法により、簡便に調製できるサンプルを用いて、より容易に変形性関節症の進行し易さを検出することができる。
図1は、OA患者の膝関節におけるクラスタリン(Clusterin)の存在を示すウェスタンブロット法による結果を示す図である。Cは軟骨抽出タンパク質、Mは滑膜抽出タンパク質を示す。数字はドナーの番号である。一番左のレーンのMは分子量マーカー、一番右のレーンのPはポジティブコントロールのリコンビナントタンパク質を示す。可溶化条件をその上に示している。 図2は、OA患者の膝関節におけるヘモペキシン(Hemopexin)の存在を示すウェスタンブロット法による結果を示す図である。Cは軟骨抽出タンパク質、Mは滑膜抽出タンパク質を示す。数字はドナーの番号である。一番左及び右のレーンのMは分子量マーカー、右から2番目のレーンのPはポジティブコントロールのリコンビナントタンパク質を示す。可溶化条件をその上に示している。 図3は、OA患者の膝関節におけるアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)の存在を示すウェスタンブロット法による結果を示す図である。Cは軟骨抽出タンパク質、Mは滑膜抽出タンパク質を示す。数字はドナーの番号である。一番左及び右のレーンのMは分子量マーカー、右から2番目のレーンのPはポジティブコントロールのリコンビナントタンパク質を示す(GST-tag付加であるため50kDa付近に検出された)。可溶化条件をその上に示している。
本発明は、タンパク質の量を測定する工程(工程A)及び測定された量を基準値と対比することにより変形性関節症の進行し易さを検出する工程(工程B)を含む、変形性関節症(OA)の進行し易さを検出するための方法であって、前記タンパク質が、OAと診断され、かつ、症状が進行しているOA進行群と、OAと診断されるものの非進行であるOA非進行群の両群における量の差を解析することにより見出されたものであることに一つの特徴を有する。このようなタンパク質を用いることにより、OAの進行し易さを判定することが可能となる。なお、本明細書において、OAの病態が「進行」又は「非進行」であるとは、次のようにして判断される状態を意味する。詳細な方法は後述するが、経時的に撮られた膝関節のX線写真において、関節の裂隙幅が狭小化しているものを「進行」状態、狭小化が認められないものを「非進行」状態という。「変形性関節症の進行し易さ」とは、変形性関節症患者の病態の進行状態が継続し易いか否かを意味する。また、病態の進行し易さを「検出」するとは、変形性関節症の病態の進行し易さの程度を決定及び/又は判定することを含む。
また、前記タンパク質が、血液由来成分中で確認されて同定されたものであることにも1つの特徴を有する。従来の方法では、サンプルが滑液や軟骨であるため外科的な施術が必要となり、患者に多大な負荷がかかるものであった。また、OAの病態という観点からでは、腫れや痛み等の症状を呈する関節組織又はその周囲からサンプルを採取して評価を行うのが常套手段であった。しかし、本発明の方法は、そのような組織からではなく、症状の程度や症状を呈する組織の場所に全く関係のない末梢血である、血液、血清及び血漿からなる群より選択される少なくとも1つの生体試料をサンプルとして用い、該生体試料中に存在するタンパク質の量に基づいて判断を行うものである。よって、本発明の方法に供するサンプルとしては、採血後そのまま又は処理されたサンプルであればよく、より簡便に本発明の判定方法を適用することができる。なお、本明細書において、血液由来成分としては、血液、血清、又は血漿を意味する。
<変形性関節症の病態の進行し易さを検出するための方法>
以下に、本発明の各工程について説明する。
工程Aは、被検者由来の血液、血清及び血漿からなる群より選択される少なくとも1つの生体試料(以下、血液サンプルともいう)において、変形性関節症(OA)の進行し易さに関連するマーカータンパク質の量を測定する工程である。
本発明において、変形性関節症(OA)の進行し易さに関連するマーカータンパク質、即ち、OA進行し易さを検出する際に用いるマーカータンパク質としては、クラスタリン(Clusterin)、アファミン(Afamin)、ヘモペキシン(Hemopexin)、肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)、及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)が挙げられる。本明細書において、「クラスタリン(Clusterin)」とは、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるクラスタリン(Clusterin)のポリペプチドのことを、「アファミン(Afamin)」とは配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるアファミン(Afamin)のポリペプチドのことを、「ヘモペキシン(Hemopexin)」とは配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるヘモペキシン(Hemopexin)のポリペプチドのことを、「肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)」とは配列番号4で表されるアミノ酸配列からなる肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)のポリペプチドのことを、「アルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)」とは配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)のポリペプチドのことをいう。さらに、それぞれのタンパク質をコードする遺伝子のスプライスバリアントがコードするタンパク質や、前記タンパク質の天然に存在する変異体も本発明に含まれる。以降、これら5種類のタンパク質をまとめて、本発明のタンパク質と記載することもある。なお、クラスタリン(Clusterin)は腎毒性のマーカーとして、ヘモペキシン(Hemopexin)は各種急性炎症の診断に用いられるものとして知られているが、クラスタリン(Clusterin)、ヘモペキシン(Hemopexin)を含む本発明のタンパク質全てがOAの進行し易さに関連するマーカータンパク質であるということは、本発明者らが初めて見出したことである。
前記タンパク質が、OAの進行し易さに関連するタンパク質(バイオマーカー)であると同定した方法を具体的に説明する。先ず、OAの進行が認められる患者群(OA進行群)、及び進行が認められない患者群(OA非進行群)について、それぞれ膝関節のX線写真を撮り、膝関節の裂隙幅を測定して変形性関節症の進行し易さを示す病態スコアを決定する。一方、血液サンプルも併せて採取し、該サンプル中に存在する糖タンパク質を公知のプロテオミクス手法により分離・同定し、候補タンパク質として選択する。次に、前記病態スコアと前記候補タンパク質の量との相関性、及び前記候補タンパク質の量の群間比較(2種類)について評価を行って、本発明におけるマーカータンパク質を同定した。
本発明における病態スコアとは、Δ1、Δ2、Δ3のパラメーターのことであり、これらは膝関節の裂隙幅測定値に基づいて定義される。具体的には、経時的に複数回の裂隙幅測定を行って、得られた測定値を以下の式にあてはめて算出する。
Δ1=〔(n−1)回目の裂隙幅〕−〔n回目の裂隙幅〕
Δ2=〔n回目の裂隙幅〕−〔(n+1)回目の裂隙幅〕
Δ3=〔(n−1)回目の裂隙幅〕−〔(n+1)回目の裂隙幅〕
なお、ここでいうn回目とは、血液サンプルを採取した検診回のことを意味し、Δ1、Δ2、Δ3の全ての病態スコアを算出するためには、少なくとも3回の検診を行う必要がある。
例えば、血液サンプルを2回目の検診時に採取した場合、
Δ1=〔1回目の裂隙幅〕−〔2回目の裂隙幅〕
Δ2=〔2回目の裂隙幅〕−〔3回目の裂隙幅〕
Δ3=〔1回目の裂隙幅〕−〔3回目の裂隙幅〕
の病態スコアが決定される。また、血液サンプルを3回目の検診時に採取した場合、
Δ1=〔2回目の裂隙幅〕−〔3回目の裂隙幅〕
Δ2=〔3回目の裂隙幅〕−〔4回目の裂隙幅〕
Δ3=〔2回目の裂隙幅〕−〔4回目の裂隙幅〕
の病態スコアが決定され、最低でも4回の検診が必要となる。
次に、血液サンプル中から候補タンパク質(バイオマーカー候補)を決定する方法の詳細について以下に説明する。
先ず、血液サンプル中に存在するタンパク質を公知のプロテオミクス手法、即ち、サンプル中のタンパク質を同時分離して同定する解析方法により同定する。
タンパク質を同時分離する方法としては、特に限定はなく、例えば、カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができ、例えば、イオン交換クロマトグラフィーによって分離後、さらに、疎水性クロマトグラフィーによって分離させる等、二次元クロマトグラフィーを好適に用いることができる。
タンパク質を同定する方法としては、MALDI(マトリックス支援レーザ脱離イオン化法)型質量分析装置、ESI(エレクトロスプレイイオン化法)型質量分析装置等を用いる質量分析方法が挙げられ、タンパク質の一部のペプチドから同定する方法であってもよい。
前記分析装置より得られたMSスペクトルは、公知のソフトウェアを用いて解析すればよく、例えば、DeView(登録商標)(MCBI, Inc.)を用いて、ピーク検出及び各検体間でのピークグルーピングを行って、特定のピークを抽出することができる。抽出されたピークは、同一スペクトル内にある内部標準ペプチドに基づいて標準化されて、Normalized Intensityが算出される。なお、得られたNormalized Intensityは、LOESSアルゴリズム(局所重み付け線形回帰型の平滑子を用いて、ノンパラメトリック回帰モデルをあてはめるデータ解析方法)や平均補正量に基づく補正により、検体内の正規化(検体内補正)を行ってもよい。
次に、抽出されたピークは、公知のソフトウェアを用いて同定することができる。例えば、Ultraflex II(Bruker社製)に搭載のMASCOTプログラムを用いて同定することができる。MASCOTによる同定は、MASCOTアルゴリズムに従って行われ、MASCOTスコアに基づいて判断される。
かくして、血液サンプル中に存在するタンパク質が同定されるが、本発明では、バイオマーカーとなり得る多くの血漿中タンパク質には、糖鎖修飾が付加しているため、同定されたタンパク質のうち、糖タンパク質を候補タンパク質と決定する。なお、糖タンパク質は、特定アミノ酸に対する試薬を反応させて判断することができ、例えば、アスパラギンからアスパラギン酸へ変換させるPNGase試薬を、上記の分離したタンパク質に反応させて判断してもよい。
このようにして得られた病態スコアと候補タンパク質を用いて、以下の項目について評価を行う。
1、病態スコアと候補タンパク質の量との相関性
2、候補タンパク質の量の群間比較(2種類)
病態スコアと候補タンパク質の量との相関性は、患者毎に算出された病態スコアと候補タンパク質のNormalized Intensityとを線形回帰させて相関係数を算出することにより評価される。相関係数は、好ましくは0.700以上、より好ましくは0.900以上である場合に、候補タンパク質がOAの進行状態と相関があると判断することができる。なお、相関係数は、例えば、採血が2回目と3回目に行われた場合には、n=2のΔ1、Δ2、Δ3、及びn=3のΔ1、Δ2、Δ3の合計6個の病態スコアについて算出する。そのうち、いずれか1つの相関係数が前記範囲内であればOAの進行状態と相関があると判断することができ、nに関係なく、Δ1、Δ2、Δ3の3個の病態スコアについて算出された相関係数が前記範囲内であることが好ましく、6個全ての相関係数が前記範囲内であることがより好ましい。
候補タンパク質の量の群間比較は、候補タンパク質のNormalized IntensityをOA進行群とOA非進行群とで比較する方法(Ratio法)と、候補タンパク質のNormalized Intensityについてある有意水準でのOA進行群とOA非進行群とのp値(p-value)を算出して判定する方法(p-value法)の2種類の方法に従って評価を行う。
Ratio法でのNormalized Intensityの比較とは、OA進行群とOA非進行群の平均値を比較することである。具体的には、OA進行群とOA非進行群のそれぞれにおいて、候補タンパク質のNormalized Intensityの平均値をそれぞれ算出して、比(OA進行群の平均値/非進行群の平均値)を求める。かかる比が、好ましくは3.00以上、より好ましくは6.00以上である場合を、候補タンパク質がOAの進行状態と相関があると判断することができる。
p-value法でのp値(p-value)は、パラメトリック検定、ノンパラメトリック検定等の公知の検定方法に基づいて求めることができる。本発明では、t検定に従って算出するp値が、好ましくは0.100以下、より好ましくは0.060以下である場合を、候補タンパク質がOAの進行状態と相関があると判断することができる。
なお、採血が2回目と3回目に行われた場合には、各場合のサンプルについて群間比較を行い、算出される比やp値が、そのうちの1回でも前記範囲内であればよく、全ての回が前記範囲内であることが好ましい。
かくして病態スコアとの相関性、及び2種類の群間比較について評価が行われ、その結果、これらのいずれの評価においてもOAの進行状態と相関があると判断することができたタンパク質として、クラスタリン(Clusterin)、アファミン(Afamin)、ヘモペキシン(Hemopexin)、肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)、及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)を、本発明における変形性関節症(OA)の進行し易さに関連するマーカータンパク質と同定した。
これらのタンパク質の量を測定する方法としては、特に限定はないが、例えば、質量分析方法が好適例として挙げられる。質量分析法としては、前述の本発明のタンパク質を同定する際に用いた方法と同様のものが挙げられ、なかでも、MALDI型質量分析装置を用いるMALDI-TOF MS法が好ましい。
また、測定対象のタンパク質を特異的に認識できる抗体を用いる方法も好適例として例示される。このような抗体は当業者に周知の方法により作製することができ、前記タンパク質の少なくとも1つを認識できるものであればよい。かかる抗体を用いる方法としては、ウェスタンブロット法、ELISA法等が好ましい。
工程Bは、前記工程Aで得られた被検者由来の生体試料における前記タンパク質の量を基準値と対比することにより、被検者の変形性関節症の進行し易さを検出する工程である。
基準値としては、病態が非進行である非進行群、及び病態が進行している進行群からなる群より選ばれる患者群の生体試料における、本発明のタンパク質の量から算出した値を「基準値」とする。そして、該基準値と、被検者の生体試料における前記タンパク質の量とを対比する。各基準値は、複数の非進行群患者又は複数の進行群患者に由来する生体試料における本発明のタンパク質の量の値を測定して、その統計から設定できる。なお、対比は、工程Aにおいて測定されたタンパク質それぞれについて行う。
次に、進行し易さを検出する方法を説明する。例えば、基準値として、非進行群に基づく値を用いる場合、当該対比により被検者の量が基準値に対して有意に多い場合は被検者は変形性関節症が進行状態にあり、変形性関節症の病態が進行し易い状態にあると判定することが可能である。具体的には、非進行群に基づく基準値と比較して50%以上上昇、好ましくは100%以上上昇、より好ましくは200%以上上昇していることを指標として行うことができる。また、進行群に基づく値を基準値として用いる場合には、当該対比により、変動が認められないとき、又は被検者の量が基準値に対して有意に多い場合は変形性関節症が進行状態にあり、変形性関節症の病態が進行し易い状態にあると判定することが可能である。具体的には、被験者の量が進行群に基づく基準値の70%の量以上であること、より好ましくは80%の量であること、さらに好ましくは90%の量であることを指標として行うことができる。なお、いずれの基準値を用いる場合でも、前記対比において、少なくとも1つのタンパク質について変動が認められる場合を「変動あり」と判断し、上記に従ってその後の判定を行うことができる。
<変形性関節症の進行し易さを検出するためのキット>
本発明の別の態様では、変形性関節症の進行し易さを検出するためのキットが提供される。
本発明のキットには、クラスタリン(Clusterin)、アファミン(Afamin)、ヘモペキシン(Hemopexin)、肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)、及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)の量を検出することができるものであれば全て含まれる。具体的には、前記タンパク質を認識できる抗体を含有するキットが挙げられ、サンプル中のタンパク質を検出する際に抗体を用いる検出方法であれば(例えば、ウェスタンブロット法、ELISA法等)、前記キットを用いることができる。なお、前記タンパク質が検出されるのであれば、前記タンパク質以外のタンパク質も前記抗体により同時に検出されることがあってもよく、本発明のキットは、変形性関節症の進行予測の1次スクリーニング用としても利用することが可能である。
本発明のキットを用いて、対照者と被検者のサンプル中に存在する変形性関節症の進行に関連する測定対象のタンパク質の量を測定して、両者の量に有意差が生じた場合には、被検者の将来的な変形性関節症の進行の危険性を予測し、変形性関節症の進行の疑いがある者の変形性関節症進行の診断を行うことができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、実施例は本発明をより良く理解するために例示するものであって、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されることを意図するものではない。
1、マーカータンパク質の同定
<変形性関節症患者の膝関節裂隙幅の測定及び血漿サンプルの調製>
変形性関節症と診断された患者について、約170日程度(133〜266日)の間隔毎に計4回にわたって検診を行い、すべての検診時(1〜4回)に膝関節のX線写真を撮影して裂隙幅を測定した。その結果から、経時的検診期間中に膝関節の裂隙幅の狭小化が認められものをOA進行群、狭小化が認められなかったものをOA非進行群として、それぞれ3名の患者を分類分けした。また、いずれの患者においても、検診時の2回目と3回目に採血を行って血漿サンプルを調製し、一方をトレーニング(候補タンパク質の選抜)用のサンプル、他方をテスト(選抜候補タンパク質の検証)用のサンプルとした。詳細は表1に示す。なお、トレーニング用サンプル及びテスト用サンプルについて、血漿の解析と候補タンパク質の選抜を同様に行い、トレーニング用サンプル及びテスト用サンプルの少なくとも一方で後述の選抜項目を満たすタンパク質を本発明におけるマーカータンパク質として同定した。
<変形性関節症患者の病態スコアの算出>
膝関節裂隙の狭小化の程度を示す数値(相対値)として、以下の式に従って、病態スコア(Δ1、Δ2、Δ3)を算出した。結果を表1に示す。
(2回目検診時)
Δ1=〔1回目の裂隙幅〕−〔2回目の裂隙幅〕
Δ2=〔2回目の裂隙幅〕−〔3回目の裂隙幅〕
Δ3=〔1回目の裂隙幅〕−〔3回目の裂隙幅〕
(3回目検診時)
Δ1=〔2回目の裂隙幅〕−〔3回目の裂隙幅〕
Δ2=〔3回目の裂隙幅〕−〔4回目の裂隙幅〕
Δ3=〔2回目の裂隙幅〕−〔4回目の裂隙幅〕
<血漿サンプルの解析>
(1)血漿サンプルの前処理
各患者血漿(一検体)100μLを、マルチプルアフィニティ除去LCカラム-Human 7(Agilent Technologies社製)を用いて該商品のプロトコールに従って処理後、Vivaspin 2(3,000 MWCO、Vivascience社製)を用いて、12,000×g、4℃で1時間程度遠心して200μLまで濃縮した。
次に、Affi-Gel Hz Immunoaffinity Kit(BIO-RAD社製、Cat.No. 153-6060)を用いて以下の操作を行い、糖タンパク質を捕捉した。具体的には、上記で得られたサンプル200μLに対して、10×Coupling buffer 50μLを添加し、さらに水を加えて全量500μLに調製した。そこに、Oxidiser solution 50μLを添加して、暗所にて25℃で1時間回転混和して反応後、平衡化したNAP-5カラム(GE healthcare社製)の上方にサンプル550μLを添加してゲルろ過を行い、1mLずつ分取した各フラクションをBradford法により定量して、タンパク質含有サンプル(脱塩サンプル)を回収した。
その後、平衡化したヒドラジドビーズに得られた脱塩サンプル1mLを添加し、ビーズが沈殿しない速度にて25℃で16時間回転混和して、ビーズにタンパク質を結合させた。タンパク質が結合したビーズは、低速遠心して完全に沈殿させた後、100% MeOH 1mL×3回、100mM NH4HCO3/8M urea 1mL×3回の順に洗浄した。洗浄後のビーズに、100mM NH4HCO3/8M urea 1mLを新たに添加して混和後、さらに、DTT solution(40mg/mL Dithiothreitol)150μLを添加して37℃で30分間保温した。その後、IAA solution(100mg/mL Iodoacetamide)150μLを添加し、暗所にて37℃で90分間保温した。保温後のサンプルは低速遠心して、ビーズを完全に沈殿させ、その上清を除去した。得られたビーズは、Digestion buffer 1(1M Urea/100mM NH4HCO3)1mL×3回で洗浄後、Digestion buffer 2(1M Urea/0.1% Rapigest SF/100mM NH4HCO3)100μL、Trypsin solution〔1mg/mL Trypsin(Promega社製、Cat.No. V5280) in 100mM NH4HCO3〕10μLを加え、37℃で一晩保温して反応させた。
反応後のビーズは、低速遠心して完全に沈殿させた後、2M NaCl 1mL×3回、100% MeOH 1mL×3回、100mM NH4HCO31mL×3回の順に洗浄した。続いて、洗浄後のビーズに、50mM NH4HCO3 100μL、PNGase F(New England BioLabs社製、Cat.No. P0704S)1μL(500U)を加え、37℃で20時間反応させた。
反応後、サンプルを低速遠心してビーズを完全に沈殿させ、上清を回収した。さらに、沈殿したビーズを50mM NH4HCO3 100μLで洗浄し、この上清を前記上清と混合した(回収量200μL)。得られたサンプルは、糖ペプチド由来のペプチドが高濃度で含まれるものである。前記サンプルは、分光光度計(吸収波長280nm)を用いて定量し、10μgずつ3本のチューブに分注して、減圧乾燥機にて乾燥後、二次元クロマトグラフィーによる使用前まで-20℃で凍結保存した。
(2)二次元クロマトグラフィーによるペプチド分離及び分取
二次元クロマトグラフ装置は、Ultimate3000(DIONEX社製)を使用した。凍結保存した10μgのペプチドは、13μLの0.1% ギ酸/2% アセトニトリルに溶解し、表2に示す条件で一次分離を行った。具体的には、強陽イオン交換カラム〔PolySULFOETHYL A、PolyLC Inc., USA社製、300Å孔径、5μm粒径、1mm内径×150mm(型番:151SE0503)〕上に10μLアプライし、酢酸アンモニウム濃度を徐々に増加させてペプチドを溶出し、8分画に分取した。次に、表3に示す条件で二次分離を行った。具体的には、強陽イオン交換カラムより溶出したサンプルは、C18逆相カラム(シリカベースモノリスカラム、京都モノテック社製、200μm i.d.)に保持させて、0.1% TFAで脱塩後、アセトニトリル濃度を徐々に増加させて溶出させた。溶出されたペプチドは、Proteener Fc(Bruker社製)にて、MALDIターゲットへアプライした。強陽イオン交換カラムで分取された1分画あたり、逆相カラムで190分画行ったので、一検体あたり、計1520分画した。MALDIターゲット上の各スポットには、事前に10fmolの内部標準ペプチド〔[Sar1, Thr8] Angiotensin II acetate hydrate(A9900、Sigma)〕を添加した。
(3)質量分析
サンプルが分取されたMALDIターゲットは、10mM Ammonium carbonate, monobasic/0.1% TFAで脱塩処理後、Ultrafle II(Bruker社製)を用いて、Flex controlのパラメーターを“RP Proteomics HPC”に設定して、全サンプルについて、一定のレーザ強度の元でMSスペクトルの取得を行った。1スポットあたり、1000shots分のMSスペクトルの積算を行った。
(4)MSスペクトルの処理
質量分析により得たスペクトルは、DeViewTM(登録商標)(MCBI, Inc.)上に読み込み、表4及び表5に示す条件で、ピークの検出及び各検体間でのピークグルーピングを行った。検出した全てのピークは、同一スペクトル内にある内部標準ペプチドのピークにて標準化して、Normalized Intensityを算出した。
得られたピークは、Cluster ID(ピークm/z)を縦軸、各検体(FU ID)を横軸とし、要素はNormalized Intensityとするピークリストを作成した。
(5)正規化
得られたピークリストは、LOESSアルゴリズム及び平均補正量に基づく補正を行って、検体内での正規化を行った。
(6)候補タンパク質の同定
ピークリストのピークのタンパク質の同定は、Ultraflex II(Bruker社製)で行った。具体的には、MS/MS測定後のデータをMascot検索し、Mascotのアリゴリズムに従って、Mascotスコアに基づいて同定の判断を行った。同定されたもののうち、糖ペプチド由来のペプチド(PNGase処理によるアスパラギンからアスパラギン酸への変換が確認されたもの)を、候補タンパク質(バイオマーカー候補)とした。
<候補タンパク質の選抜>
上記で得られた候補タンパク質について、以下に示す選抜項目に関して、OAの進行に関係する候補タンパク質の選抜をするための各値を進行群・非進行群ごとに算出した。結果を表6に示す。
〔選抜項目〕
1)病態スコア(Δ1〜Δ3)とNormalized Intensityの数値との相関係数(r)の少なくとも1つが0.700以上のもの
2)OA進行群とOA非進行群とのNormalized Intensityの数値の平均比(OA進行群の平均値/非進行群の平均値)が3.00以上のもの
3)OA進行群とOA非進行群とのP-value(t-test)が0.100以下のもの
表6において、項目毎に基準値を上回る値を背景色有りで記載した。その中から、上記全選抜項目について、トレーニング用サンプルとテスト用サンプルを用いた結果の少なくとも片方が基準値を上回るタンパク質を判別し、選抜されたタンパク質を表7にまとめて示す。
表7より、クラスタリン(Clusterin)、アファミン(Afamin)、ヘモペキシン(Hemopexin)、肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)、及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)が、変形性関節症(OA)の進行し易さに関連するマーカータンパク質であることが分かる。
2、マーカータンパク質の確認
同定されたマーカータンパク質のバリデーションを行うために、上記5つのタンパク質のうち、ウェスタンブロット法で高い親和性を示す抗体を入手出来たクラスタリン(Clusterin)、ヘモペキシン(Hemopexin)及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)について、OA患者から手術により摘出された関節病変部である膝軟骨、滑膜組織において存在するかをウェスタンブロット法により確認を行った。
具体的には、摘出組織(膝軟骨又は滑膜組織)を細切後、液体窒素中で凍結し、SKミル(トッケン社製、SK-200)を用いて凍結破砕を行った。破砕組織に、HEPESバッファー(500mM NaCl・50mM HEPES、pH7.2)、Ureaバッファー(8M Urea、4% w/v CHAPS、65mM DTE、Protease inhibitor)又はグアニジン塩酸バッファー(4M guanidine HCl(GuHCl)、50mM sodium Acetate、pH5.8)を加え4℃で一晩混和後、低速(HEPESバッファー添加サンプル、Ureaバッファー添加サンプル)又は高速(グアニジン塩酸バッファー添加サンプル)遠心分離により可溶化蛋白を抽出した。
可溶化蛋白は定量後、2-10μg/mLに調整し、NuPAGE(4-12% Bis-Tris Gels、1.0mm, 12 well、Invitrogen社製、cat. No.NP0322BOX)による電気泳動を行った。泳動後のゲルはiBlot ニトロセルロースメンブレン(Invitrogen社製、cat. No.IB301001)に電気的にトランスファーし、メンブレン上で各タンパク質に対する1次抗体とそれぞれ反応させた。1次抗体〔Anti-human Clusterin monoclonal Antibody(R&D systems)、Hemopexin(HPX)、Mouse anti-Human Polyclonal Antibody(LifeSpan BioSciences)、Antibody to ORM2(α1−acid glycoprotein 2)(ProteinteinTech Group, Inc)〕の検出は各抗体の免疫動物に応じて、HRP標識抗ヤギポリクローナル抗体又はHRP標識抗ウサギポリクローナル抗体の2次抗体を用いた。これら2次抗体のHRP活性の検出はECL Plus Western Blotting Detection Reagents(GEヘルスケア・ジャパン社製、cat.No.RPN2132)を使用した。結果を図1〜3に示す。
クラスタリン(Clusterin)及びヘモペキシン(Hemopexin)については、膝軟骨、滑膜組織において存在することが確認された。アルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)についても、滑膜組織において存在することが確認された。
これらより、血中で見出されたOAバイオマーカー候補がOAの病変部位に存在する分子であることが確認され、血中での候補分子の変化が病変部位由来のものであることが示唆される。
3、被検者の変形性関節症の進行し易さの判定
単純X線撮影及び問診、触診等でOAと診断された患者の末梢血を採取し、血漿中のOAバイオマーカー候補分子の濃度を測定する。測定方法の例としては、特異的抗体を用いたELISAなどの免疫測定法、又は質量分析計を用いたMultiple Reaction Monitoring法がある。
あらかじめ進行群及び非進行群における各分子の血漿中OAバイオマーカー候補分子濃度範囲を検討しておくことで、被検者血漿中のOAバイオマーカー候補分子濃度がどの群の分布に当てはまるかを検討して、当該患者の軟骨破壊が進行状態にあるのか、休止状態(非進行状態)にあるのかを判定することが可能である。
本発明の方法により、サンプル提供者が変形性関節症の進行し易いか否かを判定することができる。これにより、サンプル提供者は変形性関節症進行の進行を阻止する手段を講じることができるため、有用である。
配列表の配列番号1は、変形性関節症の進行し易さに関連するマーカータンパク質であるクラスタリン(Clusterin)のポリペプチドである。
配列表の配列番号2は、変形性関節症の進行し易さに関連するマーカータンパク質であるアファミン(Afamin)のポリペプチドである。
配列表の配列番号3は、変形性関節症の進行し易さに関連するマーカータンパク質であるヘモペキシン(Hemopexin)のポリペプチドである。
配列表の配列番号4は、変形性関節症の進行し易さに関連するマーカータンパク質である肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)のポリペプチドである。
配列表の配列番号5は、変形性関節症の進行し易さに関連するマーカータンパク質であるアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)のポリペプチドである。

Claims (8)

  1. 以下の工程A及びBを含む、変形性関節症の病態の進行し易さを検出するための方法。
    工程A:被検者由来の血液、血清及び血漿からなる群より選択される少なくとも1つの生体試料において、クラスタリン(Clusterin)、アファミン(Afamin)、ヘモペキシン(Hemopexin)、肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)、及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)からなる群より選択される、少なくとも1種類のタンパク質量を測定する工程
    工程B:工程Aで得られた被検者由来の生体試料における前記タンパク質量を基準値と対比することにより、被検者の変形性関節症の進行し易さを検出する工程
  2. 基準値が非進行群に基づくものである、請求項1記載の方法。
  3. 工程Aにおけるタンパク質量の測定を質量分析法により行う、請求項1又は2記載の方法。
  4. 質量分析法がMALDI-TOF MS法である請求項3記載の方法。
  5. 工程Aにおけるタンパク質量の測定を前記タンパク質に対する抗体を用いて行う、請求項1又は2記載の方法。
  6. 抗体を使用する方法がウェスタンブロット法である請求項5記載の方法。
  7. 抗体を使用する方法がELISA法である請求項5記載の方法。
  8. クラスタリン(Clusterin)、アファミン(Afamin)、ヘモペキシン(Hemopexin)、肝細胞成長因子様タンパク質(Hepatocyte growth factor-like protein)、及びアルファ1−酸性糖タンパク質2(α1-acid glycoprotein 2)からなる群より選択される、少なくとも1種類のタンパク質に対する抗体を含有してなる、変形性関節症の進行し易さを検出するためのキット。
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