JP2011155733A - 非接触送電システム、および非接触送電装置 - Google Patents

非接触送電システム、および非接触送電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アンテナ間距離に応じた送電側の交流電力の周波数制御を不要とし、高い送電効率を維持することが可能な非接触送電システム、および非接触送電装置を提供すること。
【解決手段】受電側アンテナは、機器に搭載され、電磁的結合により受電する。送電側アンテナは、受電側アンテナに対して電磁的結合により送電する。交流電力ドライバは、電源から受ける電力を、送電側アンテナから受電側アンテナへ送電可能な交流電力に変換する。整合回路は、交流電力ドライバと送電側アンテナとの間に設けられ、伝送線路のインピーダンスを調整可能である。アクチュエータは、送電側アンテナと受電側アンテナとの離間距離を調整可能である。制御回路は、交流電力の周波数が送電側アンテナの共振周波数となるように交流電力ドライバを制御した状態で、整合回路を制御してインピーダンス整合を行い、さらにアクチュエータを制御して離間距離を調整する。
【選択図】図1

Description

本願は、機器に非接触で送電する技術に関する。
近年、自動車車両の新たな走行駆動技術として、電気エネルギーを動力源として電動機により駆動力を発生する電気自動車や、内燃機関と電動機との補完により駆動力を発生する、いわゆるハイブリッド自動車の開発が進められ、実用化されてきている。
電気エネルギーは車両に搭載されている蓄電装置により車両内に蓄積される。蓄電装置にはニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの再充電可能な二次電池が使用されており、二次電池への充電は車両外部の電源からの送電により行われることが一般的である。送電の方法として、車両外部の電源と二次電池を含む蓄電装置との間をケーブルで接続する場合の他、非接触状態で送電する方法が注目されている。
車両外部の電源から非接触状態で充電電力を電動車両へ送電するために、高周波電力ドライバと、一次コイルと、一次自己共振コイルとを備える車両用送電装置が開示されている。高周波電力ドライバにより電源からの電力が高周波電力に変換され、一次コイルによって一次自己共振コイルに与えられる。一次自己共振コイルは車両にある二次自己共振コイルとの間で磁気的に結合され、非接触状態で車両に電力が送電される(特許文献1)。
また、関連技術として、特許文献2、非特許文献1が開示されている。
特開2009−106136号公報 特表2009−501510号公報
アリステイディス カラリス(Aristeidis Karalis)、他2名、「エフィシェント ワイヤレス ノンラディエイティブ ミッドレンジ エネルギー トランスファ(Efficient wireless non-radiative mid-range energy transfer)」、[online]、2007年4月27日、アニュアル オブ フィジックス(Annals of Physics) 323 (2008) p.34-48、[平成21年11月20日検索]、インターネット<URL:www.sciencedirect.com>
しかしながら、背景技術は、アンテナにより非接触状態で送電を行うための回路構成を例示するに過ぎない。アンテナを非接触状態で対向させて送電を行う場合、送電側の交流電力の周波数を共振周波数に合致させることで最も効率的に送電を行うことができるが、共振周波数はアンテナ間距離に応じて相互インダクタンスが変化するのに伴って変化する。したがって、アンテナ間距離が送電装置と車両との位置関係に応じて変動すると、共振周波数の変化により送電側の交流電力の周波数が共振周波数からずれてしまい、効率のよい送電を行うことができないおそれがある。
また、従来、この問題に対して、アンテナ間距離により変化する共振周波数に応じて送電側の交流電力の周波数を制御することも提案されている。しかしながら、共振周波数が送電側回路の動作可能な周波数範囲外にある場合には調整することができず、回路動作範囲内にある場合にも複雑な制御が必要になるおそれがあり好ましくない。
本願は、アンテナ間距離に応じた送電側の交流電力の周波数制御を不要とし、高い送電効率を維持することが可能な非接触送電システム、および非接触送電装置を提供することを目的とする。
本願に開示される非接触送電システムは、電気エネルギーを動力源として利用する機器に対して非接触状態で送電を行うシステムであって、受電側アンテナと、送電側アンテナと、交流電力ドライバと、整合回路と、アクチュエータと、制御回路と、を備える。受電側アンテナは、機器に搭載され、電磁的結合により受電する。送電側アンテナは、受電側アンテナに対して電磁的結合により送電する。交流電力ドライバは、電源から受ける電力を、送電側アンテナから受電側アンテナへ送電可能な交流電力に変換する。整合回路は、交流電力ドライバと送電側アンテナとの間に設けられ、伝送線路のインピーダンスを調整可能である。アクチュエータは、送電側アンテナと受電側アンテナとの離間距離を調整可能である。交流電力ドライバ、整合回路、およびアクチュエータを制御する制御回路は、交流電力の周波数が送電側アンテナの共振周波数あるいは受電側アンテナの共振周波数となるように交流電力ドライバを制御した状態で、整合回路を制御してインピーダンス整合を行い、さらにアクチュエータを制御して離間距離を調整する。
また、本願に開示される非接触送電装置は、電気エネルギーを動力源として利用する機器に対して非接触状態で送電を行う送電装置であって、送電側アンテナと、交流電力ドライバと、整合回路と、アクチュエータと、制御回路と、を備える。送電側アンテナは、機器に搭載される受電側アンテナに対して電磁的結合により送電する。交流電力ドライバは、電源から受ける電力を、送電側アンテナから受電側アンテナへ送電可能な交流電力に変換する。整合回路は、交流電力ドライバと送電側アンテナとの間に設けられ、伝送線路のインピーダンスを調整可能である。アクチュエータは、送電側アンテナと受電側アンテナとの離間距離を調整可能である。交流電力ドライバ、整合回路、およびアクチュエータを制御する制御回路は、交流電力の周波数が送電側アンテナの共振周波数あるいは受電側アンテナの共振周波数となるように交流電力ドライバを制御した状態で、整合回路を制御してインピーダンス整合を行い、さらにアクチュエータを制御して離間距離を調整する。
本願に開示される非接触送電システム、非接触送電装置によれば、交流電力ドライバの交流電力の周波数が送電側アンテナの共振周波数あるいは受電側アンテナの共振周波数に合わせられる。そして、整合回路によるインピーダンス整合が行われる。送電側アンテナの共振周波数あるいは受電側アンテナの共振周波数におけるインピーダンス整合の実施により、アンテナ間距離に応じた送電側の交流電力の周波数制御を不要とし、高い送電効率を維持することができる。さらに、アクチュエータによるアンテナの離間距離の調整により、インピーダンス整合の精度を向上することができる。
非接触送電システムを示す図である。 送電動作における共振周波数を示す図である。 送電装置の回路ブロック図である。 受電装置の回路ブロック図である。 整合回路の具体例を示す回路ブロック図である。 アンテナの構成を示す図である。 インピーダンスマッチング処理のフローチャートである。 整合回路の変形例を示す回路ブロック図である。
図1は、非接触送電システムを電気自動車あるいはハイブリッド自動車への送電に適用する場合のシステム構成図である。車両2が電気自動車あるいはハイブリッド自動車である。車両2が送電エリア1に入庫している状態を示す。送電エリア1には送電装置10が埋設されており、車両2に搭載されている受電装置20との間で、非接触送電が行われる。
非接触送電では、送電装置10の送電側アンテナ11と受電装置20の受電側アンテナ21とが共鳴して、電磁的結合により電力の送電が行われる。送電側アンテナ11は、送電エリア1の地表面に沿って、電磁的結合がなされる結合面11Aが配置される。受電側アンテナ21は、車両2の下面に沿って、電磁的結合がなされる結合面21Aが配置される。送電側アンテナ11は、交流電力を給電する交流電力ドライバを含む送電部12により駆動される。送電部12は制御回路13により制御される。また、受電側アンテナ21にて受電された交流電力は受電部22により整流されて蓄電池等に蓄積される。受電部22は制御回路23により制御される。
続いて、非接触送電におけるアンテナ間距離と共振周波数との一般的な関係について説明する。図2は、送電側アンテナ11および受電側アンテナ21を含む系の共振周波数の特性を示す。横軸は送電側アンテナ11と受電側アンテナ21との離間距離(D)であり、縦軸は共振周波数(f)である。離間距離(D)がD=D0以上の領域は、受電側アンテナ21との電磁的結合の影響が無視される領域である。系は受電側アンテナ21を含まず、送電側アンテナ11が有する固有の共振周波数(f=f0)で共振する。離間距離(D)がD=D0以下の領域では、系は送電側アンテナ11と受電側アンテナ21とが電磁的に結合された状態となる。電磁的結合に伴う相互インダクタンスによる影響を受ける領域である。この領域では、共振周波数は離間距離(D)に依存して変化する。送電側アンテナ11の固有の共振周波数(f=f0)を挟んで2つの共振点が存在し、離間距離(D)が短くなるにつれて2つの共振点が離れる。また、この領域での共振周波数で高い送電効率が得られる。
図3は、送電装置10の回路ブロック図である。送電装置10は、制御回路13、発振器14、駆動回路12A、整合回路12B、SWR(Standing Wave Ratio、以下、SWRと略記する)計12C、および送電側アンテナ11を備える。さらに、送電エリア1にはエリア内検出センサ15を備える。
発振器14から出力されるクロック信号は、制御回路13へ入力され、制御回路13内の動作クロックおよび駆動回路12Aの交流電力の給電などの周期制御に用いられる。
制御回路13は、発振器14、SWR計12C、エリア内検出センサ15から受信した信号をもとに、駆動回路12A、整合回路12Bを制御する。
駆動回路12Aは、インバータなどで構成される交流電力ドライバを含み、整合回路12BおよびSWR計12Cを通じて送電側アンテナ11に交流電力を供給する。該交流電力は、制御回路13により周期制御される。
整合回路12Bは、駆動回路12Aから供給される交流電力を送電側アンテナ11へ効率よく供給するために、制御回路13からの制御により、送電側アンテナ11と駆動回路12Aとのインピーダンス整合をとる。
SWR計12Cは、駆動回路12Aから送電側アンテナ11へと送られる交流電力についての定在波比を計測し、制御回路13に計測結果を送信する。交流電力の伝搬による反射波の有無を検出する。
送電側アンテナ11は、インダクタンス成分とキャパシタンス成分とを有するLC共振コイルであり、後述する受電装置20の受電側アンテナ21との間で磁気的に結合され、受電側アンテナ21へ電力を送電する。なお、コイルとコンデンサとの組み合わせでLC共振コイルを構成することができる。また、コイルの導線間の浮遊容量を考慮して、コイル自身に浮遊容量を持たせる設計をすれば、コイルのみでLC共振コイルを構成することもできる。
エリア内検出センサ15は、送電エリア1に車両2が進入したか否かを検出し、その結果を制御回路13に送信する。
図4は、受電装置20の回路ブロック図である。受電装置20は、制御回路23、発振器24、受電側アンテナ21、受電検出回路22A、切替回路22B、整合回路22C、整流平滑回路22D、および充電回路22Eを備える。
発振器24から出力されるクロック信号は、制御回路23に入力され、制御回路23内の動作クロックとして用いられる。
制御回路23は、発振器24、および受電検出回路22Aから受信した信号をもとに、切替回路22B、および充電回路22Eを制御する。
受電検出回路22Aは、例えば、電流センサを備えており、受電側アンテナ21に流れる電流を検出する。送電装置10からの交流電力の送電が行われているか否かを検出する。
切替回路22Bは、制御回路23から受信した信号により、受電側アンテナ21を閉ループ状態にするか、充電回路22Eに接続するか、開ループ状態にするか、を切替える。
整合回路22Cは、受電側アンテナ21に受電された交流電力が反射されずに整流平滑回路22Dを通じて充電回路22Eへと供給されるように、受電側アンテナ21から整流平滑回路22Dに至る系のインピーダンス整合をとる。
整流平滑回路22Dは、受電側アンテナ21から供給される交流電力を直流電力に変換および平滑化し、充電回路22Eに供給する。
充電回路22Eは、整流平滑回路22Dから供給される電力をバッテリー等の蓄電装置(不図示)に充電する回路である。ここで、蓄電装置は、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池や大容量のキャパシタから成る。充電回路22Eは、制御回路23から制御され、充電制御を行う。
受電側アンテナ21は、インダクタンス成分とキャパシタンス成分とを有するLC共振コイルであり、送電側アンテナ11との間で磁気的に結合され、送電側アンテナ11より交流電力を受電する。
図5は、送電装置10の整合回路12Bの具体例を示す回路ブロック図であり、合わせて駆動回路12Aの具体的な構成例も示す。駆動回路12Aは、例えば、AC−DCコンバータ12A1、インバータ12A2を含む。AC−DCコンバータ12A1は、ダイオードブリッジ、コンデンサを備え、交流電源16から受ける電力を整流する。インバータ12A2は、トランジスタを含んだフルブリッジ回路である。制御回路13(図3参照)が出力する制御信号により、各トランジスタはスイッチング動作を行う。これにより、インバータ12A2は、AC−DCコンバータ12A1によって整流された電力を、所望の周波数を有する交流電力に変換する。
整合回路12Bは、コンデンサC1〜C4、コイルL1〜L4、スイッチSW1〜SW8を備える。互いに並列に接続されたコンデンサC1〜C4の各々は、伝送線路に直列に挿入される。互いに並列に接続されたコイルL1〜L4の各々は、伝送線路間に挿入される。スイッチSW1〜SW8は、コンデンサC1〜C4およびコイルL1〜L4の各々に対応して設けられ、各コンデンサおよびコイルを伝送線路に接続するか否かを切り替える。これにより、制御回路13(図3参照)は、各スイッチのオンオフを切り替えて、整合回路12Bのインダクタンスおよびキャパシタンスの値を調整することができる。
図6は、送電側アンテナ11の構成を示す概略図である。図6に示されるように、送電側アンテナ11は、筺体内部において、伸縮可能な脚で支えられた板状部材の中にコイルが収容された構成を有する。脚および板状部材は、制御回路13(図3参照)からの指示で作動するアクチュエータ30として機能する。これにより、制御回路13は、アクチュエータ30を制御して送電側アンテナ11の位置を上下移動し、アンテナの離間距離(D)を調整することができる。
送電側アンテナ11と受電側アンテナ21とが相互に電磁的に結合している状態で、2つのアンテナの離間距離(D)は、送電装置10と車両2との位置関係に応じて変動する。図2で説明したように、離間距離(D)が変動すると、相互インダクタンスが変化して共振周波数が変化する。その結果、電源部から負荷側を見たインピーダンスが変化してしまう。すなわち、交流電力を給電する交流電力ドライバを含む駆動回路12Aから、負荷としての蓄電装置に繋がる受電側アンテナ21へ送電する送電側アンテナ11を見たインピーダンスが変化する。これに対して何の補償も施さなければ、離間距離(D)が最適距離からずれた場合に、送電効率が急激に低下する。そこで、本実施形態の非接触送電システムは、以下のインピーダンスマッチング処理を行い、インピーダンスの変化を補償する。
図7は、送電装置10の制御回路13により制御される、インピーダンスマッチング処理のフローチャートである。制御回路13は、送電側アンテナ11から受電側アンテナ21への送電を開始するか否かを判断する(S1)。制御回路13は、例えば、エリア内検出センサ15から送信される検出結果に基づいて、送電の開始を判断する。制御回路13は、送電を開始するまで待機し(S1:NO)、送電の開始に伴って、以降のインピーダンスマッチング処理を行う(S1:YES)。
送電の開始に従い、制御回路13は、インバータ12A2の制御を開始する(S2)。制御回路13は、交流電力の周波数が、送電側アンテナ11あるいは受電側アンテナ21が有する固有の共振周波数(f=f0=1/2π(LC)1/2)となるように、インバータ12A2を制御する。
そして、制御回路13は、整合回路12BのスイッチSW1〜SW8のオンオフを切り替えながら、SWR計12Cによって定在波比を計測する(S3)。制御回路13は、各スイッチのオンオフの組合せ、すなわち、整合回路12Bの各コンデンサおよびコイルの組合せのうち、送電側アンテナ11からの反射が最小となる組合せを探索する。
そして、制御回路13は、整合回路12Bの各コンデンサおよびコイルの組合せのうち反射が最小となる組合せを採用する(S4)。制御回路13は、反射が最小となる組合せで整合回路12Bの各スイッチをオンオフ制御する。
次に、制御回路13は、送電側アンテナ11と受電側アンテナ21とのギャップ調整を行う(S5)。具体的には、制御回路13は、アクチュエータ30を制御して送電側アンテナ11の位置を上下移動しながら、SWR計12Cによって定在波比を計測する。これにより、制御回路13は、送電側アンテナ11からの反射が最小となる離間距離(D)を探索する。
そして、制御回路13は、ギャップ調整において反射が最小となる離間距離(D)を採用する(S6)。制御回路13は、送電側アンテナ11の位置を、反射が最小となる位置に調整し、インピーダンスマッチング処理を終了する。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、制御回路13は、インバータ12A2を制御して、交流電力の周波数を送電側アンテナ11あるいは受電側アンテナ21の共振周波数に合わせる。そして、制御回路13は、送電側アンテナ11からの反射が最小となる条件で、整合回路12Bを制御する。これにより、相互インダクタンスの変化に応じて伝送線路のインピーダンスを調整し、インピーダンスの変化を補償することができる。このように、送電側アンテナ11の共振周波数あるいは受電側アンテナ21の共振周波数におけるインピーダンス整合を実施することで、アンテナの離間距離(D)に応じた送電側の交流電力の周波数制御を不要とし、高い送電効率を維持することができる。したがって、送電側と受電側との相対位置によって充電できない状況になることを防止し、非接触送電システムの使い勝手を向上することができる。従来のようにアンテナ間距離により変化する共振周波数に応じて送電側の交流電力の周波数を追従制御する方式や、周波数追従制御に併せてインピーダンス整合を行う方式と比較しても、高い伝送効率が得られ、特に近距離伝送で高い効果が得られる。
さらに、制御回路13は、アクチュエータ30を制御して反射が最小となるように送電側アンテナ11の位置を調整し、離間距離(D)を最適化する。これにより、整合回路12Bにおいてスイッチの切り替えで段階的に行われるインピーダンス整合の精度を向上することができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、駆動回路12Aは、交流電力ドライバを含んで構成される回路の一例であるが、図5に示した構成に限定されるものではない。AC−DCコンバータ12A1、インバータ12A2に加えて、増幅器等を備えて駆動回路12Aを構成してもよい。
また、送電側アンテナ11の共振周波数については、設計時に初期値として決定してもよいし、送電装置10において計測してもよい。
また、図5には、整合回路12BがコンデンサC1〜C4、コイルL1〜L4、スイッチSW1〜SW8を備える場合を一例として示したが、各素子の個数はこれに限定されるものではない。さらに、インダクタンスおよびキャパシタンスの値を調整可能な構成であれば、他の回路構成であってもよい。図8に、整合回路12Bの変形例として、整合回路12B−2を示す。整合回路12B−2は、可変コンデンサC5、可変コイルL5を備える。可変コンデンサC5は、制御回路13(図3参照)からの制御信号に基づいてキャパシタンスの値を変更可能であり、伝送線路に直列に挿入される。可変コイルL5は、制御回路13からの制御信号に基づいてインダクタンスの値を変更可能であり、伝送線路間に挿入される。これにより、制御回路13は、可変コイルL5のインダクタンス値および可変コンデンサC5のキャパシタンス値を切り替えて、整合回路12B−2のインダクタンスおよびキャパシタンスの値を調整することができる。この場合には、制御回路13は、インピーダンスマッチング処理のS3において、可変コイルL5のインダクタンス値、可変コンデンサC5のキャパシタンス値をステップ制御で段階的に切り替えながら、SWR計12Cによって定在波比を計測すればよい。
また、図6には、送電側アンテナ11を上下移動するアクチュエータ30の一例を示したが、アクチュエータ30の構成はこれに限定されるものではない。アクチュエータ30は、送電側アンテナ11と受電側アンテナ21との離間距離(D)を調整可能な構成であればよく、受電側に設けられてもよいことは言うまでもない。
また、前記実施形態では、車両2に対して非接触送電を行う場合を説明した。しかし、本発明は、車両に限らず、電気エネルギーを動力源として利用する機器、例えば、携帯電話機、デジタルカメラ、ノートパソコンといった携帯型機器をはじめ、テレビ、オーディオシステムといった据え置き型の機器、ロボット等の産業機器、医療機器などに対しても適用可能である。さらに、蓄電装置を使用せず、非接触送電だけで稼働させることも可能である。
1 送電エリア
2 車両
10 送電装置
11 送電側アンテナ
11A、21A 結合面
12 送電部
12A 駆動回路
12B 整合回路
12C SWR計
13、23 制御回路
14、24 発振器
15 エリア内検出センサ
20 受電装置
21 受電側アンテナ
22 受電部
22A 受電検出回路
22B 切替回路
22C 整合回路
22D 整流平滑回路
22E 充電回路
30 アクチュエータ
C1〜C4 コンデンサ
C5 可変コンデンサ
L1〜L4 コイル
L5 可変コイル
SW1〜SW8 スイッチ

Claims (6)

  1. 電気エネルギーを動力源として利用する機器に対して非接触状態で送電を行う非接触送電システムであって、
    前記機器に搭載され、電磁的結合により受電する受電側アンテナと、
    前記受電側アンテナに対して前記電磁的結合により送電する送電側アンテナと、
    電源から受ける電力を、前記送電側アンテナから前記受電側アンテナへ送電可能な交流電力に変換する交流電力ドライバと、
    前記交流電力ドライバと前記送電側アンテナとの間に設けられ、伝送線路のインピーダンスを調整可能な整合回路と、
    前記送電側アンテナと前記受電側アンテナとの離間距離を調整可能なアクチュエータと、
    前記交流電力ドライバ、前記整合回路、および前記アクチュエータを制御する制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記交流電力の周波数が前記送電側アンテナの共振周波数あるいは前記受電側アンテナの共振周波数となるように前記交流電力ドライバを制御した状態で、前記整合回路を制御してインピーダンス整合を行い、さらに前記アクチュエータを制御して前記離間距離を調整する
    ことを特徴とする非接触送電システム。
  2. 前記整合回路は、
    コイルと、
    コンデンサと、
    前記コイルおよび前記コンデンサの各々を前記伝送線路に接続するか否かを切り替え可能なスイッチと、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記スイッチのオンオフを切り替えて、前記整合回路のインダクタンスおよびキャパシタンスの値を調整することによってインピーダンス整合を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触送電システム。
  3. 前記伝送線路の定在波比を計測するSWR計をさらに備え、
    前記制御回路は、
    前記SWR計の計測結果に基づいて、前記スイッチのオンオフの組合せのうち前記送電側アンテナからの反射が最小となる組合せを探索し、前記反射が最小となる組合せで前記整合回路を制御することによってインピーダンス整合を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の非接触送電システム。
  4. 前記アクチュエータは、
    前記送電側アンテナを上下移動する装置であり、
    前記制御回路は、
    前記アクチュエータを制御して前記送電側アンテナを上下移動し、前記反射が最小となるように前記離間距離を調整する
    ことを特徴とする請求項3に記載の非接触送電システム。
  5. 前記整合回路は、
    インダクタンスの値を変更可能な可変コイルと、
    キャパシタンスの値を変更可能な可変コンデンサと、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記可変コイルのインダクタンス値および前記可変コンデンサのキャパシタンス値を切り替えて、前記整合回路のインダクタンスおよびキャパシタンスの値を調整することによってインピーダンス整合を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触送電システム。
  6. 電気エネルギーを動力源として利用する機器に対して非接触状態で送電を行う非接触送電装置であって、
    前記機器に搭載される受電側アンテナに対して電磁的結合により送電する送電側アンテナと、
    電源から受ける電力を、前記送電側アンテナから前記受電側アンテナへ送電可能な交流電力に変換する交流電力ドライバと、
    前記交流電力ドライバと前記送電側アンテナとの間に設けられ、伝送線路のインピーダンスを調整可能な整合回路と、
    前記送電側アンテナと前記受電側アンテナとの離間距離を調整可能なアクチュエータと、
    前記交流電力ドライバ、前記整合回路、および前記アクチュエータを制御する制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、前記交流電力の周波数が前記送電側アンテナの共振周波数あるいは前記受電側アンテナの共振周波数となるように前記交流電力ドライバを制御した状態で、前記整合回路を制御してインピーダンス整合を行い、さらに前記アクチュエータを制御して前記離間距離を調整する
    ことを特徴とする非接触送電装置。
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