JP2011153576A - 流体流通構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体流通構造において、上流側キャビティで旋回流が発生していても、この上流側キャビティから流通路を通して下流側キャビティに十分な量の流体を供給可能とする。
【解決手段】最終段羽根車22dの背面側に回転軸19を中心としてリング形状をなす上流側キャビティ31を形成する一方、中間段羽根車21eの背面側に回転軸19を中心としてリング形状をなす下流側キャビティ32を形成し、この上流側キャビティ31と下流側キャビティ32とを連通するバイパス通路26を形成し、上流側キャビティ31で旋回する復水の旋回流体がバイパス通路26を通って下流側キャビティ32に流れるように構成し、旋回流体の旋回方向に交差することでこの旋回流体が衝突して旋回を抑制する旋回抑制面35を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、ポンプ、水車、ポンプ水車などに設けられ、上流側キャビティ内で旋回する旋回流体が流通路を通って下流側キャビティに流れる流体流通構造に関するものである。
例えば、従来のポンプ水車は、回転軸の下端部に、シュラウドとクラウンと複数のランナベーンとコーンとからなる羽根車が装着されて構成される。従って、回転軸を駆動することで羽根車が回転すると、吸込ケーシングから羽根車ケーシング内に吸い込まれた流体は、この羽根車の回転により圧力が上昇し、羽根車ケーシング内を上昇して吐出される。
このようなポンプ水車では、羽根車の回転により、吸込ケーシング内の流体の圧力を上昇させながら、この流体を上昇して吐出側に送っている。そのため、流体の圧力は、吸込ケーシング側で低く、羽根車ケーシングで高いものとなり、回転軸に対して下向きの大きなスラスト力が作用する。その結果、回転軸を支持する軸受が大型化してしまうという問題がある。
このような問題を解決する技術として、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された遠心型ターボ機械では、回転自在な回転軸にケーシングに対向した背面に位置してハブを連結し、このハブに羽根を固着して羽根車を構成し、ケーシングのハブの背面に対向する表面に旋回抑制板を設けている。
特開2009−008021号公報
上述した従来の遠心型ターボ機械にあっては、ケーシングのハブの背面に対向する表面に旋回抑制板を設けることで、背圧室内の旋回流れを抑制して軸スラスト力を低減している。しかし、この場合であっても、背圧室内の旋回流れを抑制することで、少なからずポンプ効率が低下してしまうおそれがある。
また、ポンプ水車にて、クラウンの背面側からランナベーン出口側に開口するバランスホールを形成することで、高圧側となる羽根車ケーシングと低圧側となる吸込ケーシングとを連通し、羽根車の背面側の圧力を低下させ、回転軸に作用するスラスト力を低減するものがある。しかし、この構造では、羽根車の背面側に旋回流が発生しており、この旋回流がバランスホールに流れ込んでもその角運動量が保存され、バランスホール内で強い旋回流に発達する。バランスホール内で強い旋回流が生成されると、旋回流の中心近傍の静圧が低下し、キャビテーションが発生することで壊食が生じることがある。また、バランスホール内部の圧力損失が大きくなり、バランスホール内を通過する流体の流量を十分に確保できず、羽根車の背面側の圧力を低下させることが困難となってしまい、スラスト力を低減できなくなる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、流通路の入口よりも上流側のキャビティ内で旋回流が発生していても、流通路内での旋回を抑制して流通路を通してその下流側のキャビティに十分な流量の流体を供給可能とする流体流通構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の流体流通構造は、旋回流体を収容する上流側キャビティと、該上流側キャビティに基端部が連通される流通路と、該流通路の先端部に連通される下流側キャビティとを有し、前記上流側キャビティで旋回する前記旋回流体が前記流通路を通って前記下流側キャビティに流れる流体流通構造において、前記旋回流体の旋回方向に交差することで前記旋回流体が衝突して旋回が抑制される旋回抑制面を設ける、ことを特徴とするものである。
従って、上流側キャビティ内で旋回する旋回流体が流通路を通って下流側キャビティに流れるとき、この旋回流体は、旋回抑制面に衝突することでこの流体の旋回成分が除去または低減されることとなり、流通路に流れ込む流体の旋回が抑制され、上流側キャビティからこの流通路を通して下流側キャビティに十分な量の流体を供給することができる。即ち、旋回流体は、その旋回半径により角運動量が相違することから、流通路に流れ込む流体は、この角運動量の差により強い旋回流となる。しかし、上述した旋回抑制面を設けると、旋回半径により角運動量の異なる流体は、この旋回抑制面に衝突するときに、この流体の旋回成分が除去または低減されることとなり、角運動量の差が減少するため、流通路に流れ込む流体の旋回を抑制することができる。
本発明の流体流通構造では、前記旋回抑制面は、前記旋回流体の旋回方向に交差する方向に前記流通路の代表断面寸法より長く設定されることを特徴としている。
従って、旋回抑制面を適正位置に適正量確保することで、上流側キャビティ内で旋回する旋回流体がこの旋回抑制面に適正に衝突し、この流体の旋回成分を効率良く除去または低減することができる。なお、ここで、代表断面寸法とは、例えば、流通路の断面形状が円形の場合は内径、多角形の場合はその外接円の内径、長円形や楕円径の場合は断面長手方向の寸法(長径)である。
本発明の流体流通構造では、前記旋回抑制面は、前記流通路における前記旋回流体の下流側に位置すると共に、前記旋回流体の旋回方向に対して、鋭角が45度以上傾斜して形成されることを特徴としている。
従って、上流側キャビティ内で旋回する旋回流体がこの旋回抑制面に衝突すると、衝突した旋回流体は、旋回抑制面に沿って流れる。このとき、旋回抑制面に沿って流れる旋回流体の速度成分を、旋回成分と旋回成分に直交する法線成分とに分解した場合、「旋回成分≦法線成分」とすることができる。つまり、鋭角が45度の場合、旋回抑制面に沿って流れる旋回流体の旋回成分および法線成分は、「旋回成分=法線成分」となる。そして、鋭角が大きくなるに従って(直交に近づくにつれて)、「旋回成分<法線成分」となる。これにより、上流側キャビティ内で旋回する旋回流体がこの旋回抑制面に衝突することで、鋭角が直交に近づくほど、この流体の旋回成分を効率良く低減することができる。
本発明の流体流通構造では、前記旋回抑制面は、前記流通路における前記旋回流体の下流側に位置すると共に、前記旋回流体の旋回方向に直交して形成されることを特徴としている。
従って、上流側キャビティ内で旋回する旋回流体がこの旋回抑制面に直交して衝突することで、この流体の旋回成分を確実に除去または低減することができる。
本発明の流体流通構造では、前記上流側キャビティにおける前記旋回流体が旋回する旋回面に前記流通路の基端部が連通され、前記上流側キャビティと前記流通路との連通部に旋回抑制室が設けられ、該旋回抑制室に前記旋回抑制面が形成されることを特徴としている。
従って、上流側キャビティと流通路との連通部に旋回抑制室を設けることで、流通路の基端部、つまり、入口部側に旋回抑制面が位置することとなり、流通路内での旋回流の発達を効率良く抑制することができる。
本発明の流体流通構造では、前記旋回抑制室は、前記上流側キャビティの旋回面に凹部として形成され、該凹部の底面に前記流通路の基端部が連通されると共に、前記凹部の端面に前記旋回抑制面が形成されることを特徴としている。
従って、旋回抑制室を上流側キャビティの旋回面に凹部として形成することで、旋回抑制面を容易に形成することができ、加工性の向上を図ることができる。
本発明の流体流通構造では、前記凹部は、前記流通路の基端部の代表断面寸法に対して、前記旋回流体の旋回方向に沿ってほぼ同等の長さに形成される一方、前記旋回流体の旋回方向に交差する方向に沿って大きい長さに形成され、前記凹部における前記旋回流体の下流側の端面に前記旋回抑制面が形成されることを特徴としている。
従って、凹部を流通路の基端部での代表断面寸法(例えば、丸孔の場合は内径、多角形孔の場合はその外接円の内径、長丸孔及び楕円孔では長手方向の寸法)に対して、旋回流体の旋回方向に交差する方向に沿って長い溝(長孔)とすることで、旋回抑制室及び旋回抑制面を容易に形成することができ、更なる加工性の向上を図ることができる。
本発明の流体流通構造では、前記凹部は、前記旋回流体の下流側に向けて深くなって前記旋回抑制面に交差する傾斜面が形成されることを特徴としている。
従って、上流側キャビティ内を旋回する旋回流体は、傾斜面に沿って旋回抑制面に衝突するため、旋回流体を効率良く旋回抑制面に衝突させることができ、この流体の旋回成分を効率良く除去または低減することができる。
本発明の流体流通構造では、前記流通路は、丸孔、長丸孔、楕円孔、多角形孔のいずれかであり、代表断面寸法は、丸孔では内径であり、長丸孔及び楕円孔では長手方向の寸法であり、多角形孔では外接円の内径である。
本発明の流体流通構造によれば、上流側キャビティ内で旋回する旋回流体が流通路を通って下流側キャビティに流れる構造において、旋回流体の旋回方向に交差することで旋回流体が衝突して旋回が抑制される旋回抑制面を設けるので、上流側キャビティ内で旋回流が発生していても、この流通路内での旋回の発達を抑制して、上流側キャビティから流通路を通して下流側キャビティに十分な量の流体を供給することができる。
図1は、本発明の実施例1に係る流体流通構造を表す多段遠心ポンプの要部断面図である。 図2は、実施例1の流体流通構造における旋回抑制室(凹部)を表す概略図である。 図3は、実施例1の流体流通構造における旋回抑制室(凹部)の形状を表す概略図である。 図4−1は、実施例1の流体流通構造における旋回抑制室(凹部)の形状を表す概略図である。 図4−2は、実施例1の流体流通構造における旋回抑制室(凹部)の形状を表す断面図(図4―1のIV−IV断面図)である。 図5は、実施例1の流体流通構造が適用された多段遠心ポンプを表す概略構成図である。 図6は、本発明の実施例2に係る流体流通構造における旋回抑制室(凹部)を表す概略図である。 図7は、本発明の実施例3に係る流体流通構造における旋回抑制面を表す概略図である。 図8は、本発明の実施例4に係る流体流通構造が適用されたポンプ水車を表す概略構成図である。 図9−1は、本発明の流体流通構造における変形例を表す概略構成図である。 図9−2は、本発明の流体流通構造における変形例を表す概略構成図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る流体流通構造の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る流体流通構造を表す多段遠心ポンプの要部断面図、図2は、実施例1の流体流通構造における旋回抑制室(凹部)を表す概略図、図3は、実施例1の流体流通構造における旋回抑制室(凹部)の形状を表す概略図、図4−1は、実施例1の流体流通構造における旋回抑制室(凹部)の形状を表す概略図、図4−2は、実施例1の流体流通構造における旋回抑制室(凹部)の形状を表す断面図(図4―1のIV−IV断面図)、図5は、実施例1の流体流通構造が適用された多段遠心ポンプを表す概略構成図である。
実施例1では、本発明の流体流通構造を、例えば、複合発電プラントに用いられる給水ポンプに適用して説明する。この発電プラントは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたものであり、ガスタービンから排出された高温の排気ガスを排熱回収ボイラに送り、この排熱回収ボイラの加熱ユニットを用いて蒸気を生成し、生成した蒸気を蒸気タービンに送って駆動している。そして、蒸気タービンで使用した蒸気は、復水器で冷却されて復水となり、復水ポンプ及び給水ポンプにより排熱回収ボイラに戻され、加熱ユニットで過熱されて蒸気が再生され、再び、蒸気タービンに送られる。
このような複合プラントにて、復水器からの復水は、復水ポンプ及び給水ポンプにより排熱回収ボイラの加熱ユニットに送られる。この場合、給水ポンプは、水を複合プラント内で循環させる重要な役目を担っている。即ち、給水ポンプは、低流量から大流量まで給水が可能な能力を必要とすることから、多段式遠心ポンプが適用される。そして、この多段遠心ポンプは、複数段の羽根車からなる2つの羽根車集合体を設け、各羽根車集合体を背面同士が対向するように配設することで、回転軸に作用するスラスト力を低減している。また、この多段遠心ポンプは、下流側の羽根車集合体からの給水を上流側の羽根車集合体からの給水に戻すバイパス通路を形成し、循環流量を増加することで、低流量運転における不安定現象を抑制している。
以下、実施例1の多段遠心ポンプについて詳細に説明する。図5に示すように、実施例1の多段遠心ポンプ11において、外部ケーシング12は、中空円筒形状をなし、外周部にその長手方向の一方側に位置して吸込口13が設けられ、長手方向の中央部に位置して吐出口14が形成されている。この外部ケーシング12は、内部に、所謂、輪切構造をなす複数のリング部材からなる2つの内部ケーシング15,16が配置されている。この場合、第1内部ケーシング15は、吸込口13と吐出口14との間に位置し、第2内部ケーシング16は、吐出口14に対して吸込口13とは反対側に位置している。そして、外部ケーシング12は、一端部にケーシングカバー17が固定され、他端部にケーシングカバー18が固定されることで、外部ケーシング12、内部ケーシング15,16、ケーシングカバー17,18が一体化され、吸込口13と吐出口14を除く領域で密封構造となっている。
外部ケーシング12は、中心部に内部ケーシング15,16を貫通するように回転軸19が配置され、各ケーシングカバー17,18に設けられた図示しない軸受により回転自在に支持されている。そして、外部ケーシング12は、内部に吸込口13に対応して、流体を吸込む吸込羽根車としての第1段羽根車21aが収容されている。また、第1内部ケーシング15は、内部に複数の羽根車(インペラ)21b〜21eが配置されており、第2内部ケーシング16は、内部に複数の羽根車(インペラ)22a〜22dが配置されている。これらの羽根車21a〜21e、22a〜22dは、回転軸19にキーを介して固結されており、一体回転可能となっている。
この場合、上流側の羽根車集合体を構成する羽根車21a〜21eと、下流側の羽根車集合体を構成する羽根車22a〜22dは、各羽根の背面同士が対向するように配設されている。回転軸19は、外部ケーシング12の外側で、図示しない原動機に連結されている。そのため、この原動機により回転軸19を回転駆動すると、第1段羽根車21aが回転することで、吸込口13から流体を吸込み可能であり、羽根車21b〜21eは、内部に吸込んだ流体を昇圧して吐出口14側(図5にて左方側)に送給可能であり、羽根車22a〜22dは、流体を更に昇圧して吐出口14側(図5にて右方側)に送給可能である。
外部ケーシング12及び内部ケーシング15は、羽根車21aと羽根車21bとの間に位置して、両者を連通する第1給水通路23が形成されている。外部ケーシング12及び内部ケーシング16は、羽根車21eと羽根車22aとの間に位置して、両者を連通する第2給水通路24が形成されている。外部ケーシング12及び内部ケーシング16は、羽根車22dと吐出口14との間に位置して、両者を連通する第3給水通路25が形成されている。また、外部ケーシング12は、最終段羽根車22dと中間段羽根車21eとの間に位置して、両者を連通するバイパス通路26が形成されている。
従って、実施例1の多段遠心ポンプ11では、原動機により回転軸19を回転駆動すると、羽根車21a〜21e及び羽根車22a〜22dが回転し、復水が羽根車21aにより吸込口13から外部ケーシング12内に吸い込まれ、給水通路23を通って羽根車21bに送られ、羽根車21b〜21eで昇圧される。このとき、復水は、羽根車21a〜21eを流過する過程で昇圧された後、図示しないディフューザにより復水の動圧が静圧に変換される。
羽根車21eで昇圧された復水は、給水通路24を通って羽根車22aに送られ、羽根車22a〜22dで昇圧される。このとき、復水は、羽根車22a〜21dを流過する過程で昇圧された後、図示しないディフューザにより復水の動圧が静圧に変換される。そして、羽根車22dで昇圧された復水は、その一部(例えば、流量の20%)が高圧の上流側キャビティ31からバイパス通路26を通って、低圧の下流側キャビティ32および羽根車21eの吐出側に送給され、残り(例えば、流量の80%)が第3給水通路25を通って吐出口14に送られ、この吐出口14から吐出される。
この場合、回転軸19に対して、その軸方向一方側にある羽根車21a〜21eと、他方側にある羽根車22a〜22dは、各羽根の背面同士が対向するように配設され、復水の送給方向が逆となっている。そのため、羽根車21a〜21eから回転軸19に作用するスラスト力の方向と、羽根車22a〜22dから回転軸19に作用するスラスト力の方向とが逆になり、互いに打ち消しあうことで、回転軸19に作用する全体のスラスト力が低減され、回転軸19を支持する軸受の小型軽量化が可能となる。
また、羽根車22dと羽根車21eとを連通するバイパス通路26を設けている。すると、羽根車22dで昇圧された復水の一部が、バイパス通路26を通って羽根車21eに流れることとなり、多段遠心ポンプ11内を循環する復水の流量が増加する。そのため、羽根車21a〜21e及び羽根車22a〜22dを低回転とし、多段遠心ポンプ11の低流量運転を実施するとき、十分な循環流量を確保することで不安定現象の抑制が可能となる。
ところで、このように羽根車22dで昇圧された復水の一部をバイパス通路26から羽根車21eに戻して循環する機能を有する多段遠心ポンプ11では、羽根車22dで昇圧された復水が回転軸19を中心とする旋回流であることから、この旋回流がバイパス通路26に流れ込んだ後もその角運動量が保存され、バイパス通路26内部は強い旋回流れとなる。すると、バイパス通路26にて、旋回流の中心近傍の静圧が低下し、キャビテーションが発生することで壊食が生じたり、圧力損失が大きくなることでバイパス通路26内で十分な流量を確保することが困難となる。
そこで、実施例1の流体流通構造を有する多段遠心ポンプ11では、最終段羽根車22dで昇圧されて旋回する復水(旋回流体)が、バイパス通路(流通路)26を通って中間段羽根車21eに流れる構造において、復水(旋回流体)の旋回方向に交差することでこの復水(旋回流体)が衝突して旋回を抑制する旋回抑制面を設けている。
以下に、実施例1の流体流通構造における旋回抑制面について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。
実施例1の多段遠心ポンプ11において、図1及び図2に示すように、外部ケーシング12には、最終段羽根車22dと中間段羽根車21eとが背面で対向するように配置されている。そして、最終段羽根車22dの背面側に、回転軸19を中心としてリング形状をなす上流側キャビティ31が形成される一方、中間段羽根車21eの背面側に、回転軸19を中心としてリング形状をなす下流側キャビティ32が形成されている。この場合、上流側キャビティ31には、羽根車21a〜21e及び羽根車22a〜22dで順に昇圧された復水が供給され、下流側キャビティ32には、主に、羽根車21a〜21eで順に昇圧された復水が供給されることから、上流側キャビティ31と下流側キャビティ32との間に圧力差が発生し、上流側キャビティ31の圧力が下流側キャビティ32の圧力よりも高いものとなっている。なお、最終段羽根車22dで昇圧された復水は、旋回流となって上流側キャビティ31に流れることから、以下の説明では、ここで旋回する復水を旋回流体と称する。
外部ケーシング12には、最終段羽根車22dと中間段羽根車21eとの間で、上流側キャビティ31と下流側キャビティ32とを連通する本発明の流通路としてのバイパス通路26が形成されている。このバイパス通路26は、回転軸19の回転軸心から所定距離だけ径方向の外側にずれた位置に、周方向に均等間隔で複数設けられている。なお、本実施例のバイパス通路(流通路)26は長手方向に同径の通路としたが、長手方向にテーパ形状としてもよいし、異径の通路、例えば、上流側キャビティ31側に連通する小径の第1通路と、下流側キャビティ32側に連通する大径の第2通路とが段差をもって連通して構成されてもよい。また、円形断面を周方向に均等配置としたが、長円形や楕円形、多角形等の断面でもよいし、あるいは、均等配置でなくてもよい。
上流側キャビティ31は、旋回流体が旋回する底面、つまり、バイパス通路26側の面を旋回面31aとして規定し、旋回流体は、回転軸19の軸心を中心とし、且つ、この旋回面31aに沿って旋回する。そして、上流側キャビティ31内における旋回流体が旋回する旋回面31aにバイパス通路26の基端部が連通され、上流側キャビティ31とバイパス通路26との連通部に旋回抑制室33が設けられている。一方、バイパス通路26の基端部と反対側の先端部が下流側キャビティ32に連通されている。なお、バイパス通路(流通路)26は必ずしも旋回面31aに対して直交させる必要はなく、所定の方向に所定の角度をもって傾斜させても構わない。
実施例1では、この旋回抑制室33を、上流側キャビティ31の旋回面31aにバイパス通路26側へ掘り下げた凹部として形成し、この凹部、つまり、旋回抑制室33の底面にバイパス通路26の基端部を連通している。
この旋回抑制室33は、バイパス通路26の基端部の内径(代表断面寸法)に対して、旋回流体の旋回方向に沿ってほぼ同等の長さに形成される一方、旋回流体の旋回方向に交差する方向、つまり、径方向に沿って大きい長さに形成されている。即ち、旋回抑制室33は、上流側キャビティ31の旋回面31aに回転軸19の径方向に沿って長い溝(凹部)として形成され、旋回流体の上流側に前端面34が形成され、旋回流体の下流側に形成された後端面が旋回抑制面35として機能する。なお、本実施例にて、バイパス通路26が円形断面であることから、代表断面寸法はその内径であり、バイパス通路26が多角形断面である場合は、その外接円の内径、長円形や楕円形の断面である場合は、その長手方向の寸法を用いればよい。
この場合、旋回抑制室33における前端面34と後端面となる旋回抑制面35は、旋回流体の旋回方向に交差すると共に、交差する方向にバイパス通路26の内径(代表断面寸法)より長く設定される。但し、旋回抑制面35は、バイパス通路26における旋回流体の下流側に位置すると共に、旋回流体の旋回方向に直交して形成することが望ましい。
具体的に、バイパス通路26は、回転軸19の軸心を通ってその径方向に沿った中心線Osと、回転軸19の軸心から所定の半径位置を通り中心線Osと直交する中心線Ocとの交点を中心とする内径D(代表断面寸法、図3参照)を有する開口である。旋回抑制室33は、バイパス通路26の開口の内径Dと同じ幅を有し、回転軸19の径方向に長い凹部である。ここで、旋回抑制室33の前端面34及び旋回抑制面35は、上述した中心線Osと平行をなし、前端面34と旋回抑制面35とは、回転軸19の軸心側で曲面37により連続し、回転軸19の外周側で曲面38により連続している。この場合、旋回抑制室33の加工性を考慮して前端面34と旋回抑制面35とを平行としたが、前端面34と旋回抑制面35を回転軸19の径方向に沿った形状とし、旋回抑制室33を扇形状としてもよい。また、旋回抑制室33の前端面34と旋回抑制面35を曲面37,38により連続させたが、両方または一方を平面としてもよい。
なお、バイパス通路26に対する旋回抑制室33(旋回抑制面35)は、このような形状、位置に限定されるものではない。例えば、図3に示すように、旋回抑制面35は、バイパス通路26の内径Dに対して、旋回流体の旋回方向における最も下流側に接する位置に形成することが最適である。但し、この旋回抑制面35は、旋回流体の旋回方向にて、バイパス通路26の内径Dの最も下流側に接する位置に対して、上流側にCa=D/2、下流側にCb=D/2だけずれた領域内にあれば望ましい。また、旋回抑制面35は、バイパス通路26の内径Dより回転軸19の径方向(旋回流体の旋回方向に直交する方向)に長いことが望ましい。但し、この旋回抑制面35は、回転軸19の径方向(旋回流体の旋回方向に直交する方向)にて、バイパス通路26の内径Dより、回転軸19の軸心側にRa=D、外周側にRb=D以上確保できる領域内にあることが最適である。
また、バイパス通路26に対する旋回抑制室33(旋回抑制面35)は、このような形状、角度に限定されるものではない。例えば、図3に示すように、旋回抑制面35は、旋回流体の旋回方向に直交する方向に沿って形成することが最適である。但し、図4−1に示すように、この旋回抑制面35は、旋回流体の旋回方向に対して鋭角が45度以上傾斜して形成されていればよい。つまり、中心線Osに対して、時計回り方向θa=45度、反時計回り方向にθb=45度だけずれた領域内にあれば望ましい。この構成によれば、旋回抑制面35に沿って流れる旋回流体の速度成分を、旋回成分と旋回成分に直交する法線成分とに分解した場合、「旋回成分≦法線成分」とすることができる。つまり、鋭角が45度、すなわちθa,θb=45度の場合、旋回抑制面35に沿って流れる旋回流体の旋回成分および法線成分は、「旋回成分=法線成分」となる。そして、鋭角が大きくなるに従って(鋭角が90度に近づくにつれて)、すなわちθa,θbが0度に近づくにつれて、「旋回成分<法線成分」となる。これにより、上流側キャビティ31内で旋回する旋回流体がこの旋回抑制面35に衝突することで、この流体の旋回成分を効率良く低減することができる。また、図4−2に示すように、この旋回抑制面35は、中心線Osを通り旋回面31aに直交する面に対してθc=30度だけずれた領域内にあれば望ましい。
なお、ここでは、旋回抑制室33における旋回抑制面35の位置や角度について説明したが、前端面34もこのような形状に限定されるものではない。但し、この前端面34は、バイパス通路26へ流れる復水の旋回を抑制する機能を有するものではないことから、旋回抑制面35の機能を阻害する位置になければよい。具体的に、旋回抑制面35が旋回流体の旋回方向にずれても、前端面34は、バイパス通路26の最も上流側の内径Dに接する位置から下流側にD/2以上ずれない領域内にあればよいものである。また、旋回抑制面35の角度θa,θb,θcがずれても、前端面34は、バイパス通路26を1/2以上閉塞するような角度にしなければよいものである。
結果として、前端面34や旋回抑制面35の形状が上述した位置や角度などを満足すれば、旋回抑制室33の形状は、本実施例のような回転軸19の径方向に沿って長い溝(長孔形状)に限らず、矩形、正方形、楕円形など、いずれの形状であってもよい。換言すれば、前端面34や旋回抑制面35は平面に限らず曲面でもよい。
従って、図1及び図2に示すように、上流側キャビティ31内に発生している旋回流体は、バイパス通路26における回転軸19の軸心側の位置、つまり、半径rの位置で速度v、バイパス通路26における外周側の位置、つまり、半径rの位置で速度vとすると、v≠vとなる。そのため、上流側キャビティ31の旋回流体は、バイパス通路26に対して、半径rの位置における速度vと半径rの位置の速度vが異なることから、この旋回流体がバイパス通路26に入り込むとき、角運動量が残り、復水はバイパス通路26内でも旋回しながら流れることとなる。
ところが、実施例1では、バイパス通路26の基端部(入口部)に旋回抑制面35を有する旋回抑制室33が設けられていることから、上流側キャビティ31の旋回流体がバイパス通路26に入り込むとき、この旋回流体が旋回抑制面35に衝突してからバイパス通路26に流れ込むこととなる。そのため、旋回流体が有する角運動量は、この旋回抑制面35に衝突することで低減され、復水は旋回が抑制されてからバイパス通路26に入り込む。その結果、バイパス通路26では、復水が旋回することなくスムーズに流れ、キャビテーションの発生や圧力損失の増大が抑制され、十分な流量を確保することができる。
このように実施例1の流体流通構造にあっては、最終段羽根車22dの背面側に回転軸19を中心としてリング形状をなす上流側キャビティ31を形成する一方、中間段羽根車21eの背面側に回転軸19を中心としてリング形状をなす下流側キャビティ32を形成し、この上流側キャビティ31と下流側キャビティ32とを連通するバイパス通路26を形成し、上流側キャビティ31で旋回する復水の旋回流体がバイパス通路26を通って下流側キャビティ32に流れるように構成し、旋回流体の旋回方向に交差することでこの旋回流体が衝突して旋回を抑制する旋回抑制面35を設ける。
従って、上流側キャビティ31で旋回する復水の旋回流体がバイパス通路26を通って下流側キャビティ32に流れるとき、この旋回流体は、旋回抑制面35に衝突することでこの流体の旋回成分が除去または低減されることとなり、バイパス通路26に流れ込む流体の旋回が抑制され、上流側キャビティ31からこのバイパス通路26を通して下流側キャビティ32に十分な量の復水を供給することができる。即ち、復水の旋回流体は、その旋回半径により角運動量が相違することから、バイパス通路26に流れ込む復水は、この角運動量の差により旋回流体となってしまう。しかし、実施例1のように、旋回抑制面35を設けると、旋回半径により角運動量の異なる復水は、この旋回抑制面35に衝突するときに、この復水の旋回成分が除去または低減されることとなり、角運動量の差が減少するため、バイパス通路26に流れ込む復水の旋回を抑制することができ、従来の3倍程度の給水量を確保することができる。
また、実施例1の流体流通構造では、旋回抑制面35を旋回流体の旋回方向に交差する方向にバイパス通路26の内径より長く形成している。従って、旋回抑制面35を適正位置に適正量確保することで、上流側キャビティ31で旋回する旋回流体がこの旋回抑制面35に適正に衝突し、この流体の旋回成分を効率良く除去または低減することができる。
また、実施例1の流体流通構造では、旋回抑制面35がバイパス通路26における旋回流体の下流側に位置すると共に旋回流体の旋回方向に直交して形成している。従って、上流側キャビティ31で旋回する復水の旋回流体がこの旋回抑制面35に直交して衝突することで、この流体の旋回成分を効率良く除去または低減することができる。
また、実施例1の流体流通構造では、上流側キャビティ31における復水の旋回流体が旋回する旋回面31aにバイパス通路26の基端部を連通し、上流側キャビティ31とバイパス通路26との連通部に旋回抑制室33を設け、この旋回抑制室33に旋回抑制面35を形成している。従って、上流側キャビティ31とバイパス通路26との連通部に旋回抑制室35を設けることで、バイパス通路26の基端部に旋回抑制面35が位置することとなり、バイパス通路26での旋回流の生成を効率良く抑制することができる。
また、実施例1の流体流通構造では、旋回抑制室33を上流側キャビティ31の旋回面31aに凹部として形成し、凹部の底面にバイパス通路26の基端部を連通すると共に、凹部の後端面に旋回抑制面35を形成している。従って、旋回抑制室33を上流側キャビティ31の旋回面31aに凹部として形成することで、旋回抑制面35を容易に形成することができ、加工性の向上を図ることができる。
また、実施例1の流体流通構造では、旋回抑制室33としての凹部を、バイパス通路26の基端部の代表断面寸法(例えば、内径)に対して、旋回流体の旋回方向に沿ってほぼ同等の長さに形成する一方、旋回流体の旋回方向に交差する方向に沿って大きい長さに形成し、凹部における旋回流体の下流側の後端面に旋回抑制面35を形成している。従って、凹部をバイパス通路26の代表断面寸法(例えば、内径)に対して旋回流体の旋回方向に交差する方向に沿って長い溝(長孔)とすることで、旋回抑制室33及び旋回抑制面35を容易に形成することができ、更なる加工性の向上を図ることができる。
図6は、本発明の実施例2に係る流体流通構造における旋回抑制室(凹部)を表す概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の流体流通構造において、図6に示すように、上流側キャビティ31に対してバイパス通路26の基端部が連通されており、この上流側キャビティ31の旋回面31aにバイパス通路26に対応して傾斜面41が形成されることで、上流側キャビティ31とバイパス通路26との連通部に旋回抑制室42が設けられている。実施例2では、この旋回抑制室42を、上流側キャビティ31の旋回面31aにバイパス通路26側へ掘り下げた凹部として形成し、この凹部、つまり、旋回抑制室35の底面となる傾斜面41にバイパス通路26の基端部を連通している。
この旋回抑制室42は、実施例1と同様に、バイパス通路26の基端部の内径D(代表断面寸法)に対して、旋回流体の旋回方向に沿ってほぼ同等、または、大きく形成される一方、旋回流体の旋回方向に交差する方向、つまり、径方向に沿って大きく形成されている。即ち、旋回抑制室42は、上流側キャビティ31の旋回面31aに、旋回流体の下流側に向けて所定幅の深くなる傾斜面41を形成することで、回転軸19の径方向に沿った凹部(長穴)として形成され、この傾斜面41が旋回流体の下流側の後端面としての旋回抑制面43に交差している。
従って、上流側キャビティ31に発生している旋回流体は、バイパス通路26に入り込むとき、傾斜面41に沿って旋回抑制室42に入り、旋回抑制面43に衝突してからバイパス通路26に流れ込むこととなる。そのため、旋回流体が有する角運動量は、この旋回抑制面43に衝突することで低減され、復水は旋回が抑制されてからバイパス通路26に入り込む。その結果、バイパス通路26では、復水が旋回することなくスムーズに流れ、キャビテーションの発生や圧力損失の増大が抑制され、十分な流量を確保することができる。
このように実施例2の流体流通構造にあっては、上流側キャビティ31にバイパス通路26の基端部を連通し、この上流側キャビティ31とバイパス通路26の連通部に位置して、上流側キャビティ31の旋回面31aに旋回流体の下流側に向けて深くなる傾斜面41を形成することで旋回抑制室42を形成し、その後端面に旋回抑制面43を形成している。
従って、上流側キャビティ31で旋回する復水の旋回流体がバイパス通路26に入り込むとき、この旋回流体は、傾斜面41を介して旋回抑制面43に衝突することでこの流体の旋回成分が除去され、バイパス通路26に流れ込む流体の旋回が抑制され、上流側キャビティ31からこのバイパス通路26を通して下流側キャビティ32に十分な流量の復水を供給することができる。このとき、上流側キャビティ31を旋回する旋回流体は、傾斜面41に沿って旋回抑制面43に衝突するため、旋回流体を効率良く旋回抑制面43に衝突させることができ、この流体の旋回成分を効率良く除去または低減することができる。
図7は、本発明の実施例3に係る流体流通構造における旋回抑制面を表す概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の流体流通構造において、図7に示すように、上流側キャビティ31に対してバイパス通路26の基端部が連通されており、この上流側キャビティ31の旋回面31aに、バイパス通路26より旋回流体の旋回方向の下流側に位置して旋回抑制突起51が設けられている。実施例3では、この旋回抑制突起51を、上流側キャビティ31の旋回面31aにバイパス通路26に隣接した突起として形成し、この突起、つまり、旋回抑制突起51の端面に旋回抑制面52を形成している。
この旋回抑制突起51(旋回抑制面52)は、実施例1、2と同様に、バイパス通路26より旋回流体の旋回方向の下流側で、バイパス通路26の内径D(代表断面寸法)に対して旋回流体の旋回方向に交差する方向、つまり、径方向に沿って大きく形成されている。この場合、旋回抑制突起51は、上流側キャビティ31を区画形成する外部ケーシング12と一体に形成しても、別体として旋回面31aに固定して形成してもよい。
従って、上流側キャビティ31に発生している旋回流体は、バイパス通路26に入り込むとき、旋回抑制面52に衝突してからバイパス通路26に流れ込むこととなる。そのため、旋回流体が有する角運動量は、この旋回抑制面52に衝突することで低減され、復水は旋回が抑制されてからバイパス通路26に入り込む。その結果、バイパス通路26では、復水が旋回することなくスムーズに流れ、キャビテーションの発生や圧力損失の増大が抑制され、十分な流量を確保することができる。
このように実施例3の流体流通構造にあっては、上流側キャビティ31にバイパス通路26の基端部を連通し、この上流側キャビティ31におけるバイパス通路26より旋回流体の旋回方向の下流側に位置して、旋回流体の旋回方向に交差することでこの旋回流体が衝突して旋回を抑制する旋回抑制面52を形成している。
従って、上流側キャビティ31で旋回する復水の旋回流体がバイパス通路26に入り込むとき、この旋回流体が旋回抑制面52に衝突することでこの流体の旋回成分が除去または低減され、バイパス通路26に流れ込む流体の旋回が抑制され、上流側キャビティ31からこのバイパス通路26を通して下流側キャビティ32に十分な量の復水を供給することができる。
図8は、本発明の実施例4に係る流体流通構造が適用されたポンプ水車を表す概略構成図である。
実施例4では、本発明の流体流通構造を、ポンプ水車に適用して説明する。このポンプ水車は、所謂、フランシス形ポンプ水車であり、揚水を行うポンプとしての機能を有すると共に、発電を行う水車としての機能を有している。即ち、実施例4のポンプ水車は、取水口から導水路及び水圧鉄管を介して用水を取り込むポンプとして機能すると共に、取り込んだ用水により発電を行って放水路を介して用水を排水口へ排出する水車として機能する。
以下、実施例4のポンプ水車について詳細に説明する。図8に示すように、実施例4のポンプ水車61は、図示しない発電機に基端部(図8にて上端部)が連結された回転軸62と、この回転軸62の先端部(下端部)に固定されて一体に回転するランナ63とを有している。そして、ランナ63の回転に伴って回転軸62が回転することで、発電機により発電が行われ、この発電機によりランナ63を回転することにで、揚水が行われる。
回転軸62は、鉛直方向に沿って配設され、水車ケーシング64に軸受65を介して回転自在に支持されている。ランナ63は、この回転軸62の下端部にキー62aを介して一体回転可能に連結されている。
ランナ63は、回転軸62の先端部にキー62aにより固定される円盤状のクラウン66と、このクラウン66と同軸上に配設されたリング状をなすシュラウド67と、クラウン66とシュラウド67との間に挟まれた複数枚のランナベーン68により構成されている。
ランナ63へ用水が流入する用水流入口69は、ランナ63の外周に位置して水車ケーシング64に設けられ、ランナ63から用水が流出する用水流出口70は、ランナ63の回転軸方向に位置して水車ケーシング64に連結された吸込ケーシング71に設けられている。従って、ポンプ水車61が水車として機能する場合には、図8に矢印Aで表すように、用水が、用水流入口69からランナ63を回転させた後、用水流出口70に流れる。一方、ポンプ水車61がポンプとして機能する場合には、図8に矢印Bで表すように、ランナ63の回転により用水が、用水流出口70から用水流入口69に流れる。
ランナ63にて、回転軸62の下端部にはキー62aを介してクラウン66が固定され、このクラウン66の回転中心部分には、コーン72が複数のボルト73により固定されている。各ランナベーン68は、クラウン66とシュラウド67とを連結するように、ランナ63の周方向に沿って等間隔に配設されている。
ランナ63は、水車ケーシング64とクラウン66との間に回転隙間S1が設けられると共に、この回転隙間S1に段付シール74が設けられている。また、水車ケーシング64とシュラウド67との間に回転隙間S2が設けられると共に、この回転隙間S2に段付シール75が設けられている。
実施例4のポンプ水車61において、水車ケーシング64には、ランナ63(クラウン66)の背面側に、回転軸62を中心としてリング形状をなす高圧の上流側キャビティ81が形成される一方、ランナ63(クラウン66)の正面側に、回転軸62を中心としてリング形状をなす低圧の下流側キャビティ82が形成されている。この場合、上流側キャビティ81には、用水流入口69から用水の圧力が作用することから、上流側キャビティ81と下流側キャビティ82との間に圧力差が発生し、上流側キャビティ81の圧力が下流側キャビティ82の圧力よりも高いものとなっている。
クラウン66には、上流側キャビティ81と下流側キャビティ82とを連通する本発明の流通路としてのバランス通路83が形成されている。このバランス通路83は、回転軸62の回転軸心から所定距離だけ径方向の外側にずれた位置に、周方向に均等間隔で複数設けられている。
上流側キャビティ81は、旋回流体が旋回する底面、つまり、バランス通路83側の面を旋回面81aとして規定し、旋回流体は、回転軸62の軸心を中心とし、且つ、この旋回面81aに沿って旋回する。そして、上流側キャビティ81における旋回流体が旋回する旋回面81aにバランス通路83の基端部が連通され、上流側キャビティ81とバランス通路83との連通部に旋回抑制室84が設けられている。実施例4では、この旋回抑制室84を、上流側キャビティ81の旋回面81aにバランス通路83側へ掘り下げた凹部として形成し、この凹部、つまり、旋回抑制室84の底面にバランス通路83の基端部を連通している。
この旋回抑制室84は、上述した各実施例と同様に、バランス通路83の基端部の内径D(代表断面寸法)に対して、旋回流体の旋回方向に沿ってほぼ同等の長さに形成される一方、旋回流体の旋回方向に交差する方向、つまり、径方向に沿って大きい長さに形成されている。即ち、旋回抑制室84は、上流側キャビティ81の旋回面に回転軸62の径方向に沿った凹部(長穴)として形成され、旋回流体の下流側に形成された後端面が旋回抑制面85として機能する。
従って、上流側キャビティ81に発生している旋回流体は、バランス通路83に入り込むとき、旋回抑制室84に入って旋回抑制面85に衝突してからバランス通路83に流れ込むこととなる。そのため、旋回流体が有する角運動量は、この旋回抑制面85(旋回抑制室84)に衝突することで低減され、用水は、旋回が抑制されてからバランス通路83に入り込む。その結果、バランス通路83では、用水が旋回することなくスムーズに流れ、キャビテーションの発生や圧力損失の増大が抑制され、十分な流量を確保することができる。
このように実施例4の流体流通構造にあっては、ランナ63の背面側にリング形状をなす上流側キャビティ81を形成する一方、ランナ63の正面側にリング形状をなす下流側キャビティ82を形成し、この上流側キャビティ81と下流側キャビティ82とを連通するバランス通路83を形成し、上流側キャビティ81で旋回する用水の旋回流体がバランス通路83を通って下流側キャビティ82に流れるように構成し、旋回流体の旋回方向に交差することでこの旋回流体が衝突して旋回を抑制する旋回抑制面85(旋回抑制室84)を設ける。
従って、上流側キャビティ81で旋回する用水の旋回流体がバランス通路83に入り込むとき、この旋回流体は、旋回抑制面85に衝突することでこの流体の旋回成分が除去または低減され、バランス通路83に流れ込む流体の旋回が抑制され、上流側キャビティ81からこのバランス通路83を通して下流側キャビティ82に十分な量の用水を供給することができる。その結果、上流側キャビティ81と下流側キャビティ82との差圧を適正に低減し、回転軸62に作用するスラスト力を低減することができ、耐久性を向上することかできる。
なお、上述した各実施例では、旋回抑制室及び旋回抑制面を流通路の基端部(入口部)に設けたが、この構成に限らず、流通路の入口部よりも下流側で出口部を除く中間部に設けてもよいし、入口部および中間部に複数設けてもよい。
図9−1及び図9−2は、本発明の流体流通構造における変形例を表す概略構成図である。例えば、図9−1に示すように、バイパス通路92に対して、その周囲に十字をなすように複数(ここでは、4つ)の旋回抑制室90を設け、この旋回抑制室90にそれぞれ旋回抑制面91を設けてもよい。また、図9−2に示すように、バイパス通路92aに対して、その周囲に放射状に複数(ここでは、8つ)の旋回抑制室90aを設け、この旋回抑制室90aにそれぞれ旋回抑制面91aを設けてもよい。
また、上述した各実施例では、本発明の流体流通構造を複合プラントにおける多段遠心ポンプ、または、ポンプ水車に適用したが、この分野に限らず、いずれの流体機械にも適用可能である。
本発明に係る流体流通構造は、旋回流体の旋回方向に交差することで旋回流体が衝突して旋回が抑制される旋回抑制面を設けることで、上流側キャビティ内で旋回流が発生していても、この上流側キャビティから流通路を通して下流側キャビティに十分な量の流体を供給可能とするものであり、ポンプ、水車、ポンプ水車など、上流側キャビティ内の旋回流体が流通路を通って下流側キャビティに流れる構造を有する流体機械に適用することができる。
11 多段遠心ポンプ
12 外部ケーシング
13 吸込口
14 吐出口
15,16 内部ケーシング
19 回転軸
21a〜21e,22a〜22d 羽根車
23,24,25 給水通路
26,92,92a バイパス通路(流通路)
31 上流側キャビティ
32 下流側キャビティ
33,42,90,90a 旋回抑制室(凹部)
34 前端面
35,43,52,91,91a 旋回抑制面(後端面)
41 傾斜面
51 旋回抑制突起
61 ポンプ水車
62 回転軸
63 ランナ
66 クラウン
67 シュラウド
68 ランナベーン
81 上流側キャビティ
82 下流側キャビティ
83 バランス通路(流通路)
84 旋回抑制室(凹部)
85 旋回抑制面(後端面)

Claims (9)

  1. 旋回流体を収容する上流側キャビティと、
    該上流側キャビティに基端部が連通される流通路と、
    該流通路の先端部に連通される下流側キャビティとを有し、
    前記上流側キャビティで旋回する前記旋回流体が前記流通路を通って前記下流側キャビティに流れる流体流通構造において、
    前記旋回流体の旋回方向に交差することで前記旋回流体が衝突して旋回が抑制される旋回抑制面を設ける、
    ことを特徴とする流体流通構造。
  2. 前記旋回抑制面は、前記旋回流体の旋回方向に交差する方向に前記流通路の代表断面寸法より長く設定されることを特徴とする請求項1に記載の流体流通構造。
  3. 前記旋回抑制面は、前記流通路における前記旋回流体の下流側に位置すると共に、前記旋回流体の旋回方向に対して、鋭角が45度以上傾斜して形成されることを特徴とする請求項2に記載の流体流通構造。
  4. 前記旋回抑制面は、前記流通路における前記旋回流体の下流側に位置すると共に、前記旋回流体の旋回方向に直交して形成されることを特徴とする請求項3に記載の流体流通構造。
  5. 前記上流側キャビティにおける前記旋回流体が旋回する旋回面に前記流通路の基端部が連通され、前記上流側キャビティと前記流通路との連通部に旋回抑制室が設けられ、該旋回抑制室に前記旋回抑制面が形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の流体流通構造。
  6. 前記旋回抑制室は、前記上流側キャビティの旋回面に凹部として形成され、該凹部の底面に前記流通路の基端部が連通されると共に、前記凹部の端面に前記旋回抑制面が形成されることを特徴とする請求項5に記載の流体流通構造。
  7. 前記凹部は、前記流通路の基端部の代表断面寸法に対して、前記旋回流体の旋回方向に沿ってほぼ同等の長さに形成される一方、前記旋回流体の旋回方向に交差する方向に沿って大きい長さに形成され、前記凹部における前記旋回流体の下流側の端面に前記旋回抑制面が形成されることを特徴とする請求項6に記載の流体流通構造。
  8. 前記凹部は、前記旋回流体の下流側に向けて深くなって前記旋回抑制面に交差する傾斜面が形成されることを特徴とする請求項6または7に記載の流体流通構造。
  9. 前記流通路は、丸孔、長丸孔、楕円孔、多角形孔のいずれかであり、代表断面寸法は、丸孔では内径であり、長丸孔及び楕円孔では長手方向の寸法であり、多角形孔では外接円の内径であることを特徴とする請求項2から8のいずれか一つに記載の流体流通構造。
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