JP2011153370A - マイクロ構造体の製造方法および放射線用吸収格子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柱状の金メッキ物からなるマイクロ構造体の製造方法であって、基板上に、導電性を有するシード電極と、前記シード電極の一部が露出するようにシリコンからなる格子とが設けられたモールド基板を用意する工程と、前記シリコンからなる格子の頂上部から深さ方向に対して0度より大きな入射角にて絶縁物を斜方蒸着する工程と、前記絶縁物が斜方蒸着されたモールド基板に金メッキを行い、前記シリコンからなる格子の間隙に柱状の金メッキ物を形成する工程を有するマイクロ構造体の製造方法。
【選択図】図1
Description
また、実験室におけるX線管を用いた位相イメージングについても研究が行なわれ、伝播法やタルボ干渉法等が原理的に可能となっている。
また、本発明によれば、上記の製造方法により製造された柱状の金メッキ物からなるマイクロ構造体を用いた放射線用吸収格子を提供することができる。
本発明に係るマイクロ構造体の製造方法は、柱状の金メッキ物からなるマイクロ構造体の製造方法であって、基板上に、導電性を有するシード電極と、前記シード電極の一部が露出するようにシリコンからなる格子とが設けられたモールド基板を用意する工程と、前記シリコンからなる格子の頂上部から深さ方向に対して0度より大きな入射角にて絶縁物を斜方蒸着する工程と、前記絶縁物が斜方蒸着されたモールド基板に金メッキを行い、前記シリコンからなる格子の間隙に柱状の金メッキ物を形成する工程を有することを特徴とする。
前記絶縁物が斜方蒸着されたモールド基板の表面の一部にシランカップリング剤にてアルキルシリル基を導入することが好ましい。これによりシリコンと金との置換反応が抑制され、シリコンモールド側壁への金の析出が抑制される効果を奏する。
図1は、本発明の柱状の高アスペクト比の金メッキ物からなるマイクロ構造体の製造方法の概要を説明するための工程図である。
シード電極2は、互いに金が成膜されたシリコンウエハ面同士を金の成膜面を合わせて接合し、一方のシリコンウエハ面から金からなるシード電極2が露出されるまで、シリコンの異方性エッチングを行うことによって形成することができる。また、シリコンからなる格子を形成した後、電子ビーム蒸着や真空スパッタや化学堆積法等のドライプロセスや無電解メッキによるウェットプロセスにて金属等を成膜し半導体フォトリソグラフィにて選択的にシード電極2を形成しても良い。
本発明ではシリコンからなる格子の頂上部3から、図1(b)に示すように深さ方向に対して0度より大きな入射角にて絶縁物を斜方蒸着する。入射角Θはシリコンからなる格子の高さと、格子の間隙10の幅の大きさから適宜決定することにより、シード電極2上には絶縁物は形成されず格子の頂上部3とモールド側壁4に選択的に絶縁物5にて被覆することができる。
tanθ≧A/B
の関係を満たす入射角に設定することが好ましい。入射角θは、深さ方向に対して0度以上、好ましくは0度以上30度以下、さらに好ましくは0度以上10度以下である。また、入射角の大きさは、必ずしもモールド側壁4の全面が絶縁物5によって被覆されるように設定する必要はない。
モノアルキルのシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルブロムシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルブロムシラン、トリエチルクロロシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシランを用いることができる。
本発明のマイクロ構造体は、高アスペクト比の金メッキ物からなるためX線の吸収が大きいため、X線透過領域が小さく、空間的可干渉性が向上されたイメージングを可能にする放射線用吸収格子になる。
本実施例ではシリコンからなる格子が設けられたモールド基板を次のように用意した。4インチ(100mmΦ)で厚さ300μmと150μmのシリコンウエハを用意し、電子ビーム蒸着装置にてチタン、金の順番でそれぞれ10nm、300nm成膜した。互いの成膜面の金同士を接合装置を用いて接合し接合基板を作製した。接合基板の一方の面に保護マスク層として電子ビーム蒸着装置にてチタン、金の順番でそれぞれ10nm、500nm成膜した。保護マスク層の形成されていない面を水酸化カリウム水溶液にて厚さ100μmエッチングした。
本比較例では、斜方蒸着にて絶縁膜を成膜しなかった以外は上述の第1の実施例と同様の条件で、金メッキ物からなるマイクロ構造体の作製を行った。
本実施例ではシリコンからなる格子が設けられたモールド基板を次のように用意する。4インチ(100mmΦ)で厚さ300μmの低抵抗なシリコンウエハを用意し、電子ビーム蒸着装置にてクロムを100nm成膜する。その上にポジ型レジストを塗布し、半導体フォトリソグラフィにてラインアンドスペース4μmの1次元のストライプ状にパターニングを行なう。その後、クロムエッチング水溶液にてクロムをエッチングしシリコンを露出させ、ラインアンドスペース4μmの1次元のストライプ状にパターニングをする。続いて、ICP−RIEにて露出したシリコンを異方性の深堀りエッチングを行う。50μmの深堀りエッチングを行ったところで深堀りエッチングを停止する。これにより高さ50μmのシリコンからなる1次元格子が形成される(図3(a))。続いて、UVオゾンアッシングとクロムエッチング水溶液にてレジストとクロムを除去した基板を本実施例のモールド基板として用いる。
2 シード電極
3 格子の頂上部
4 モールド側壁
5 絶縁物
6 金メッキ層
Claims (6)
- 柱状の金メッキ物からなるマイクロ構造体の製造方法であって、基板上に、導電性を有するシード電極と、前記シード電極の一部が露出するようにシリコンからなる格子とが設けられたモールド基板を用意する工程と、前記シリコンからなる格子の頂上部から深さ方向に対して0度より大きな入射角にて絶縁物を斜方蒸着する工程と、前記絶縁物が斜方蒸着されたモールド基板に金メッキを行い、前記シリコンからなる格子の間隙に柱状の金メッキ物を形成する工程を有することを特徴とするマイクロ構造体の製造方法。
- 前記絶縁物はSiO2であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体の製造方法。
- 前記絶縁物が斜方蒸着されたモールド基板の表面の一部にシランカップリング剤にてアルキルシリル基を導入することを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ構造体の製造方法。
- 前記シード電極が金からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のマイクロ構造体の製造方法。
- 前記シード電極が、前記シリコンからなる格子の絶縁物が斜方蒸着されていない部分のシリコンからなることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ構造体の製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法により製造された柱状の金メッキ物からなるマイクロ構造体を用いた放射線用吸収格子。
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