以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠13が組み付けられている。前枠13は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。前枠13は、遊技球を貯留可能な上皿14を一体成形した構成とされているとともに、裏面側には機内部に配置された遊技盤15を保護するガラス支持枠が組み付けられている。また、中枠12の前面側であって前枠13の下部には、上皿14から溢れ出た遊技球を貯留する下皿16が装着されているとともに、下皿16の右方には、遊技球を遊技盤15に発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル17が装着されている。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う電飾表示部(装飾ランプ)18と、各種音声を出力して音声演出を行う複数のスピーカ19が配置されている。
遊技盤15のほぼ中央には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)20が装着されているとともに、表示枠体20には液晶ディスプレイ型の表示装置としての演出表示装置21が装着されている。演出表示装置21には、複数種類の図柄を複数列(本実施形態では3列)で変動させて行うとともに図柄の変動開始から確定停止表示までを1回とする図柄変動ゲームが表示される。前記図柄変動ゲームは、大当りか否かの大当り抽選の抽選結果を導出する演出であり、大当り抽選で大当りに当選した場合には大当りを認識し得る大当り図柄が導出され、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合にははずれを認識し得るはずれ図柄が導出される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、各図柄列で変動させる複数種類の図柄を[1]〜[9]までの数字図柄としており、同一の数字図柄から構成される図柄組み合わせを大当り図柄としている。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、同一の数字図柄から構成されない図柄組み合わせをはずれ図柄とし、そのはずれ図柄は、例えば[123]、[121]などである。そして、図柄変動ゲームでは、当該ゲームの開始に伴って各図柄列の変動が開始し、所定時間の経過後に予め定めた変動停止順にしたがって図柄列の変動が停止することにより、図柄列毎に図柄が導出されるようになっている。本実施形態において変動停止順は、左列→右列→中列の順に定めている。そして、図柄変動ゲームにおいて左列と右列の変動が停止した際に、両列に導出された図柄が同一図柄である場合にはリーチが形成され、中列の図柄を導出するためのリーチ演出が行われる。本実施形態では、リーチを形成した時に左右2列に導出された図柄がリーチ形成図柄となり、左右2列がリーチ形成図柄を導出可能なリーチ形成図柄列となる。
リーチ演出は、図柄変動ゲームの展開に合わせて行われる遊技演出であって、大当り抽選で大当りに当選している場合にはリーチ演出において中列の変動を停止させた際にリーチ形成図柄と同一図柄が導出される。一方、大当り抽選で大当りに当選していない場合には、リーチ演出において中列の変動を停止させた際にリーチ形成図柄とは異なる図柄が導出される。図柄変動ゲームの展開とは、大当り抽選の抽選結果を示すものである。そして、リーチ演出は、様々な演出内容で行われるようになっている。
また、表示枠体20の下方には、遊技球の入球口22aを有する始動入賞口22が配置されている。始動入賞口22の奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されている。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口23が配設されている。大当り遊技が付与されると、大入賞口23が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技は、予め定めたラウンド遊技時間が経過する迄を上限時間として大入賞口23を開放させるラウンド遊技から構成されており、1回の大当り遊技は複数回のラウンド遊技から構成されている。
パチンコ遊技機10には、その機前面側に遊技者及び遊技場の従業員が操作可能な演出用操作手段としての演出用ボタン24が配置されている。本実施形態において演出用ボタン24は、押しボタン式とされており、上皿14に配置されている。演出用ボタン24は、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)を内蔵し、該発光体により発光可能に構成されている。また、演出用ボタン24は、その押下操作が有効となるボタン有効期間に遊技者によって押下操作されると、演出用ボタン24が操作されたことを示す制御信号(以下、「ボタン操作信号」という)を出力するように構成されている。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図2にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板25が装着されている。主制御基板25は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板27と、演出制御基板26が装着されている。統括制御基板27は、主制御基板25が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出制御基板26を統括的に制御する。また、演出制御基板26は、主制御基板25と統括制御基板27が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置21等の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。
最初に、主制御基板25について説明する。
主制御基板25には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU25aと、主制御用CPU25aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM25bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM25cが設けられている。また、主制御用CPU25aには、始動入賞口22に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1が接続されている。
主制御用CPU25aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。
主制御用ROM25bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、図柄が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の変動内容と変動時間が定められている。そして、変動パターンは、大当り抽選で大当りに当選した場合に選択可能な大当り演出用、及び大当り抽選で大当りに当選しなかった場合に選択可能なはずれ演出用(はずれリーチ演出を含む)に分類可能とされている。大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出には、リーチ演出を行うはずれ演出(以下、「リーチありのはずれ演出」と示す)と、リーチ演出を行わないはずれ演出(以下、「リーチなしのはずれ演出」と示す)がある。リーチありのはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチなしのはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。そして、大当り判定値として定める数値の個数により、大当り抽選で大当りに当選する確率(大当り確率)が定められている。例えば、大当り判定用乱数の値を「0〜599」までの全600通りの整数に定め、大当り判定値を「2個」に設定した場合、大当り確率は600分の2(=300分の1)となる。
そして、主制御用CPU25aは、大当り遊技中ではなく、かつ図柄変動ゲームの実行中でない場合、変動開始処理を実行する。変動開始処理において主制御用CPU25aは、主制御用RAM25cに大当り判定用乱数の値が記憶されている場合、その記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出し、該乱数の値と大当り判定値とを比較し、大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU25aは、大当りを決定し、大当り判定用乱数の値とともに取得し記憶した大当り図柄用乱数の値に基づき大当り図柄を決定する。また、大当りを決定した主制御用CPU25aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM25cから取得し、その取得した値をもとに大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
一方、主制御用CPU25aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU25aは、はずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU25aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU25aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM25cから取得し、その取得した値をもとにリーチありのはずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。一方、主制御用CPU25aは、はずれリーチ演出を実行するか否かの判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM25cから取得し、その取得した値をもとにリーチなしのはずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態において、大当り演出用及びはずれリーチ演出用の変動パターンの演出内容には、演出用ボタン24の操作による遊技演出(操作演出)が対応付けられている。
図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU25aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板27(統括制御用CPU27a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU25aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。また、主制御用CPU25aは、図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を指示する停止図柄指定コマンドを生成し、変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU25aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する図柄停止コマンドを生成し、前記変動時間の経過に伴って出力する。
次に、統括制御基板27について説明する。
統括制御基板27には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU27aと、統括制御用CPU27aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM27bと、必要なデータの書き込み及び書き出しができる統括制御用RAM27cが設けられている。統括制御用CPU27aには、演出用ボタン24が接続されているとともに、該演出用ボタン24が出力する「ボタン操作信号」を入力可能に構成されている。統括制御用CPU27aは、「ボタン操作信号」を入力すると、演出用ボタン24が押下されたことを示す制御コマンド、及び演出用ボタン24が押下されたことに基づき実行された抽選結果を示す制御コマンドを演出制御基板26に対して出力するようになっている。
具体的に言えば、統括制御用CPU27aは、演出用ボタン24の1回の押下に対応付けられた演出を指示する演出指定コマンド(図3のCFH30H)を、後述する維持期間中での演出用ボタン24の押下毎に出力する。また、統括制御用CPU27aは、後述する維持期間中以外に演出用ボタン24が押下されると、演出用ボタン24の操作による遊技演出中に演出表示装置21に表示される画像を選択するための抽選を行うようになっている。さらに、統括制御用CPU27aは、演出用ボタン24の押下に基づく抽選結果を指定するとともに、その指定された画像パターンを特定する画像指定コマンドを設定、抽選後に出力する。また、統括制御用CPU27aは、ボタン操作信号を入力すると、その入力回数をカウントし、そのカウント数を記憶したり、記憶したカウント数をクリアしたりするようになっている。また、統括制御用CPU27aは、演出用ボタン24を発光状態と消灯状態とに制御可能に構成されている。
統括制御用CPU27aは、主制御用CPU25aから大当り演出用及び外れリーチ演出用の変動パターンを入力すると、演出用ボタン24の押下操作が有効となるボタン有効期間を設定するようになっている。統括制御用ROM27bには、制御プログラムに加えて、抽選結果に対応した遊技演出を特定する複数種類の画像パターンが記憶されているとともに、維持期間及び抽選結果に対応した画像パターンを選択するための抽選テーブルTが記憶されている(図3に示す)。
ここで、図5に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、リーチ演出中に、遊技者が自己を投影する対象となるキャラクタAと、キャラクタAの対戦者として登場するキャラクタBとの対戦ゲームが、演出表示装置21で実行されるようになっている。対戦ゲームでは、演出表示装置21の表示画面を分割ラインLによって左右方向に2分割した表示領域のうちの一方(左方)の第1表示領域21aにキャラクタAが表示され、他方(右方)の第2表示領域21bにキャラクタBが表示されるようになっている。
この対戦ゲームでは、遊技者により演出用ボタン24が押下操作されると、分割ラインLが、キャラクタAの勝利に近づくように第1表示領域21aの表示領域を広げる方向へ移動表示されたり、キャラクタBの勝利に近づくように第2表示領域21bの表示領域を広げる方向へ移動表示されるようになっている。そして、分割ラインLが消滅し、キャラクタAのみが表示画面に表示された場合には、対戦ゲームにおいてキャラクタAの勝利となる演出となっている。一方、分割ラインLが消滅し、キャラクタBのみが表示画面に表示された場合には、対戦ゲームにおいてキャラクタBの勝利となる演出となっている。キャラクタAが勝利し、表示画面全体に亘ってキャラクタAのみが表示されることを「第1の表示結果」とし、キャラクタBのみが表示されることを「第2の表示結果」とする。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1の表示結果と第2の表示結果の間には、演出用ボタン24の押下(操作)に基づいて演出表示装置21の表示画面での画像を遷移させて複数の表示段階が表示されるようになっている。複数の表示段階が表示されるとは、画像が複数の段階に亘って遷移して同じ画像が連続して表示されたり、異なる画像が複数回に亘って表示されることであり、画像が遷移することである。そして、この複数の表示段階で表示される複数種類の画像は、演出用ボタン24の操作に基づく統括制御用CPU27aの抽選により決定された画像パターンE1〜E7(図3参照)によって特定されるようになっている。これら画像パターンE1〜E7は、統括制御用CPU27aにより抽選テーブルTを参照して決定されるようになっている。よって、本実施形態では、演出表示装置21に、第1の表示結果及び第2の表示結果の画像を表示させるとともに、演出用ボタン24の操作に基づいて表示画面の画像を遷移させて、第1の表示結果と第2の表示結果の間に存在する複数の表示段階を表示させる表示制御手段が統括制御用CPU27aによって構成されている。
次に、抽選テーブルTについて説明する。図3に示すように、抽選テーブルTは、第1〜第8抽選段階D1〜D8を有する。第1〜第8抽選段階D1〜D8には、維持期間に対応する抽選項目と、表示段階に対応する抽選項目とが、所定の抽選確率のもとで対応付けられている。
維持期間に対応する抽選項目は、現在表示されている画像を所定期間の間だけ維持させるために選択される項目であり、維持する期間を特定するための演出用ボタン24の押下(操作)回数が対応付けられた押下回数項目K1〜K3が設定されている。統括制御用CPU27aによって押下回数項目K1〜K3が抽選により決定されると、演出用ボタン24が設定された押下回数だけ押下される迄の間は、演出用ボタン24の押下に基づいた統括制御用CPU27aによる抽選が実行されないようになっている。そして、決定された押下回数だけ演出用ボタン24が押下された後(維持期間が終了した後)の最初の演出用ボタン24の操作によって抽選段階が一段階進展し、その進展後の抽選段階で次の抽選が行われるようになっている。
押下回数項目K1は演出用ボタン24の押下回数が3回、押下回数項目K2は演出用ボタン24の押下回数が5回、押下回数項目K3は演出用ボタン24の押下回数が10回に設定されている。そして、抽選テーブルTにおいて、第1抽選段階D1には、押下回数項目K1〜K3が対応付けられておらず、第2〜第5抽選段階D2〜D5には、押下回数項目K1〜K3が対応付けられている。また、第6〜第7抽選段階D6〜D7には、押下回数項目K2〜K3が対応付けられ、第8抽選段階D8には、押下回数項目K3が対応付けられている。
表示段階に対応する抽選項目は、表示段階を遷移させるとともに、現在表示されている画像を遷移させるために選択される項目であり、遷移させた画像を特定するための画像パターンE1〜E7が設定されている。そして、表示段階に対応する抽選項目が当選し、統括制御用CPU27aによって画像パターンE1〜E7のいずれかが抽選により決定されると、次の演出用ボタン24の押下によって抽選段階が一段階進展するようになっており、その進展後の抽選段階で次の抽選が行われるようになっている。
図5(a)に示すように、画像パターンE1は、演出表示装置21の表示領域全体における、第1表示領域21aの表示割合と、第2表示領域21bの表示割合が5対5となるように設定されている。そして、統括制御用CPU27aによって画像パターンE1が決定されると、統括制御用CPU27aは、画像パターンE1を指定する画像指定コマンド(CFH31H)を演出制御基板26に出力する。図5(b)に示すように、画像パターンE2は、演出表示装置21の表示領域全体における、第1表示領域21aの表示割合と、第2表示領域21bの表示割合が4対6となるように設定されおり、キャラクタBがキャラクタAよりも優勢な状態が表示されるようになっている。そして、統括制御用CPU27aによって画像パターンE2が決定されると、統括制御用CPU27aは、画像パターンE2を指定する画像指定コマンド(CFH32H)を演出制御基板26に出力する。
画像パターンE3は、演出表示装置21の表示領域全体における、第1表示領域21aの表示割合と、第2表示領域21bの表示割合が3対7となるように設定されており、キャラクタBがキャラクタAよりも優勢な状態が表示されるようになっている。すなわち、画像パターンE3は、図5(f)に示す状態に対し、第1表示領域21aと第2表示領域21bの大きさが逆転した状態を示す。そして、統括制御用CPU27aによって画像パターンE3が決定されると、統括制御用CPU27aは、画像パターンE3を指定する画像指定コマンド(CFH33H)を演出制御基板26に出力する。画像パターンE4は、演出表示装置21の表示領域全体における、第1表示領域21aの表示割合と、第2表示領域21bの表示割合が2対8となるように設定されており、キャラクタBがキャラクタAよりも優勢な状態が表示されるようになっている。すなわち、画像パターンE4は、図5(d)に示す状態に対し、第1表示領域21aと第2表示領域21bの大きさが逆転した状態を示す。そして、統括制御用CPU27aによって画像パターンE4が決定されると、統括制御用CPU27aは、画像パターンE4を指定する画像指定コマンド(CFH34H)を演出制御基板26に出力する。
画像パターンE5は、演出表示装置21の表示領域全体における、第1表示領域21aの表示割合と、第2表示領域21bの表示割合が6対4となるように設定されており、キャラクタAがキャラクタBよりも優勢な状態が表示されるようになっている。すなわち、画像パターンE5は、図5(b)に示す状態に対し、第1表示領域21aと第2表示領域21bの大きさが逆転した状態を示す。そして、統括制御用CPU27aによって画像パターンE5が決定されると、統括制御用CPU27aは、画像パターンE5を指定する画像指定コマンド(CFH35H)を演出制御基板26に出力する。
図5(f)に示すように、画像パターンE6は、演出表示装置21の表示領域全体における、第1表示領域21aの表示割合と、第2表示領域21bの表示割合が7対3となるように設定されており、キャラクタAがキャラクタBよりも優勢な状態が表示されるようになっている。そして、統括制御用CPU27aによって画像パターンE6が決定されると、統括制御用CPU27aは、画像パターンE6を指定する画像指定コマンド(CFH36H)を演出制御基板26に出力する。図5(d)に示すように、画像パターンE7は、演出表示装置21の表示領域全体における、第1表示領域21aの表示割合と、第2表示領域21bの表示割合が8対2となるように設定されており、キャラクタAがキャラクタBよりも優勢な状態が表示されるようになっている。そして、統括制御用CPU27aによって画像パターンE7が決定されると、統括制御用CPU27aは、画像パターンE7を指定する画像指定コマンド(CFH37H)を演出制御基板26に出力する。
抽選テーブルTには、第1〜第8抽選段階D1〜D8において、維持期間に対応する抽選項目(押下回数項目K1〜K3)と表示段階に対応する抽選項目(画像パターンE1〜E7)毎に、上記項目を特定するための抽選結果選択用乱数の値(101通りの整数)が振分けられている。抽選結果選択用乱数の値は、演出用ボタン24の操作に基づき統括制御用CPU27aにより抽選、決定される。
抽選テーブルTにおいて、第1抽選段階D1においては、維持期間に対応する抽選項目が対応付けられていない(所定の確率0%のもとで対応付けられている)。また、第1抽選段階D1においては、画像パターンE1〜E7のうち画像パターンE1のみが対応付けられていない。また、第1抽選段階D1では、表示段階に対応する抽選項目において、第1表示領域21aと第2表示領域21bとで大きさの差が小さくなるような画像パターン(画像パターンE2又は画像パターンE5)が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。加えて、第1抽選段階D1では、キャラクタAがキャラクタBより優勢となるような画像パターン(画像パターンE5〜E7)が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。
第2抽選段階D2においては、維持期間に対応する抽選項目の全て、及び表示段階に対応する抽選項目の全てが対応付けられている。そして、第2抽選段階D2では、維持期間に対応する抽選項目に関しては、押下回数項目K1が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が多く振分けられるとともに、押下回数項目K3が選択される可能性が低くなるように抽選結果選択用乱数の個数が少なく振分けられている。さらに、抽選結果選択用乱数の個数は、押下回数項目K2が押下回数項目K1より少なく、押下回数項目K3が押下回数項目K2より少なくなるように振分けられている。また、第2抽選段階D2では、表示段階に対応する抽選項目において、第1表示領域21aと第2表示領域21bとで大きさの差が大きくなるような画像パターン(画像パターンE4又は画像パターンE7)が選択される可能性が低くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。加えて、第2抽選段階D2では、キャラクタAがキャラクタBより優勢となるような画像パターン(画像パターンE5〜E7)が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。
第3抽選段階D3においては、維持期間に対応する抽選項目のみが対応付けられ、表示段階に対応する抽選項目は対応付けられていない(所定の確率0%のもとで対応付けられている)。第3抽選段階D3では、維持期間に対応する抽選項目のうち、押下回数項目K1,K2の両項目が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が多く振分けられるとともに、押下回数項目K3が選択される可能性が低くなるように押下回数項目K3の抽選結果選択用乱数の個数が少なく振分けられている。
第4抽選段階D4においては、維持期間に対応する抽選項目の全て、及び表示段階に対応する抽選項目の全てが対応付けられている。第4抽選段階D4は、同じく維持期間及び表示段階の抽選項目の全てが対応付けられた第2抽選段階D2と比較すると、維持期間に対応する抽選項目全体の抽選結果選択用乱数の個数が少なく、表示段階に対応する抽選項目全体の抽選結果選択用乱数の個数が多く振分けられている。また、第4抽選段階D4では、維持期間に対応する抽選項目に関しては、押下回数項目K3が選択される可能性が低くなるように抽選結果選択用乱数の個数が少なく振分けられている。
第4抽選段階D4では、表示段階に対応する抽選項目において、第1表示領域21aと第2表示領域21bとで大きさの差が大きくなるような画像パターン(画像パターンE4)が選択される可能性が低くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。加えて、第4抽選段階D4では、キャラクタAがキャラクタBより優勢となるような画像パターン(画像パターンE5〜E7)が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。
第5抽選段階D5においては、維持期間に対応する抽選項目が対応付けられるとともに、画像パターンE1〜E7のうち画像パターンE1のみが対応付けられている。第5抽選段階D5では、押下回数項目K1,K2の両項目が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が多く振分けられるとともに、押下回数項目K3が選択される可能性が低くなるように押下回数項目K3の抽選結果選択用乱数の個数が少なく振分けられている。
第6抽選段階D6においては、維持期間に対応する抽選項目のうち押下回数項目K2,K3が対応付けられるとともに、表示段階に対応する抽選項目の全てが対応付けられている。また、第6抽選段階D6では、維持期間に対応する抽選項目に関しては、押下回数項目K3が選択される可能性が低くなるように抽選結果選択用乱数の個数が少なく振分けられている。さらに、第6抽選段階D6では、表示段階に対応する抽選項目において、第1表示領域21aと第2表示領域21bとで大きさの差が大きくなるような画像パターン(画像パターンE4)が選択される可能性が低くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。加えて、第6抽選段階D6では、キャラクタAがキャラクタBより優勢となるような画像パターン(画像パターンE5〜E7)が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。そして、第6抽選段階D6では、第2抽選段階D2及び第4抽選段階D4よりも、キャラクタAがキャラクタBより優勢となるような画像パターン(画像パターンE5〜E7)が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。
第7抽選段階D7においては、維持期間に対応する抽選項目のうち押下回数項目K2,K3が対応付けられるとともに、画像パターンE1〜E7のうち画像パターンE1のみが対応付けられている。第7抽選段階D7では、維持期間に対応する抽選項目に関しては、押下回数項目K2が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が多く振分けられている。
第8抽選段階D8においては、維持期間に対応する抽選項目のうち押下回数項目K3のみが対応付けられるとともに、画像パターンE1〜E7のうち画像パターンE1のみが対応付けられていない。第8抽選段階D8では、維持期間に対応する抽選項目に関しては、押下回数項目K3のみが選択されるように抽選結果選択用乱数が振分けられているが、その抽選結果選択用乱数の個数は、表示段階に対応する抽選項目全体での抽選結果選択用乱数の値の個数に対して非常に少なく振分けられている。また、第8抽選段階D8では、キャラクタAがキャラクタBより優勢となるような画像パターン(画像パターンE5〜E7)が選択される可能性が高くなるように抽選結果選択用乱数の個数が振分けられている。そして、本実施形態では、統括制御用CPU27aは、抽選テーブルTを参照して、維持期間に対応する抽選項目及び表示段階に対応する抽選項目を演出用ボタン24の操作に基づいて抽選によって決定する抽選手段を構成している。
次に、演出制御基板26について説明する。
演出制御基板26には、演出制御用CPU26aと、演出制御用CPU26aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM26bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM26cが設けられている。そして、演出制御用ROM26bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用ROM26bには、音声演出用の音声データ(音楽用データ)や発光演出用の発光データが記憶されている。
演出制御用CPU26aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する変動内容をもとに、画像表示用データを生成するとともに、発光データ及び音声データを選択する。演出制御用CPU26aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置21の表示内容を制御するとともに、発光データをもとに電飾表示部(装飾ランプ)18及び演出用ボタン24の発光態様を制御し、さらに音声データをもとにスピーカ19の音声出力態様を制御する。
そして、演出制御用CPU26aは、図柄変動ゲームにおいて停止図柄指定コマンドにしたがって図柄(大当り図柄及びはずれ図柄の何れか)を導出するとともに、図柄停止コマンドの入力によって図柄を確定停止表示させるように演出表示装置21の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。また、演出制御用CPU26aは、図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの終了に伴って音声演出及び発光演出を終了させる。
演出表示装置21に表示される図柄変動ゲームでは、大当り演出用の変動パターンが選択されている場合、図柄の変動開始から変動パターンに定める変動時間の経過時に大当り図柄が確定停止表示される。その一方で、演出表示装置21に表示される図柄変動ゲームでは、はずれ演出用(はずれリーチ演出用を含む)の変動パターンが選択されている場合、図柄の変動開始から変動パターンに定める変動時間の経過時にはずれ図柄が確定停止表示される。
次に、演出用ボタン24の操作に基づく演出を行うための演出制御用CPU26aの制御内容を説明する。
演出制御用CPU26aは、演出用ボタン24の1回の押下に対応付けられた演出を指示する演出指定コマンド(CFH30H)を入力すると、表示画面における分割ラインLを点滅させるように演出表示装置21の表示内容を制御する。よって、本実施形態では、演出制御用CPU26aは、演出用ボタン24の操作がなされたことを表示画面に表示させる演出を実行させる操作結果表示手段を構成している。また、演出制御用CPU26aは、演出用ボタン24の操作に基づき、画像パターンE1〜E7を指定する画像指定コマンド(CFH31H〜CFH37H)を入力すると、該コマンドに指示される画像パターンに対応する画像表示用データを生成する。そして、演出制御用CPU26aは、画像表示用データをもとにリーチ演出を画像表示させるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU26aは、リーチ演出中に対戦ゲームが開始される直前に、演出用ボタン24を連打操作することを促すメッセージが表示されるように演出表示装置21の表示内容を制御する。
以下、統括制御基板27の統括制御用CPU27aが実行する具体的な制御について、図4に示すフローチャートに基づき詳細に説明する。
図4に示すボタン押下処理は、演出用ボタン24のボタン有効期間に実行される処理であり、このボタン押下処理にてリーチ演出に係る処理を実行する。
ボタン押下処理において、統括制御用CPU27aは、演出用ボタン24が押下され、ボタン操作信号を入力すると、現在の抽選段階が抽選テーブルTにおける最大値(第8抽選段階D8)であるか否かを判定する(ステップS101)。この判定結果が肯定の場合には、統括制御用CPU27aは、演出指定コマンド(CFH30H)を統括制御基板27におけるコマンドバッファ(統括制御用RAM27c)に出力する(ステップS102)。その後、統括制御用CPU27aは、ボタン押下処理に移行する。一方、統括制御用CPU27aは、ステップS101における判定結果が否定の場合には、抽選テーブルTの抽選項目のうち、表示段階に対応する抽選項目(画像パターンE1〜E7)が当選したか否かを判定する(ステップS103)。
この判定結果が肯定の場合には、表示段階に対応する抽選項目が当選したことになるため、統括制御用CPU27aは、抽選により決定された画像パターンE1〜E7を示す画像指定コマンド(例えば、E5:CFH35H)を決定する(ステップS104)。そして、統括制御用CPU27aは、決定した画像指定コマンドを演出制御基板26に出力する。すると、演出表示装置21には、決定した画像指定コマンド(例えば、CFH35H)によって特定される画像(第1表示領域21aの表示割合と、第2表示領域21bの表示割合が6対4)が表示される。その後、統括制御用CPU27aは、抽選段階を現在の抽選段階から一段階進展させ(ステップS105)、ステップS109へ移行する。
一方、ステップS103の判定結果が否定の場合には、統括制御用CPU27aは、演出用ボタン24の押下により出力されたボタン操作信号を入力することにより、カウンタの値に「1」加算(+1)する(ステップS106)。なお、統括制御用CPU27aは、維持期間に対応する抽選項目が当選した場合に、その抽選項目に設定された押下回数をカウントし、押下回数を超えるとカウント値をクリアするようになっている。よって、統括制御用CPU27aによるカウントは、ボタン有効期間の開始から終了までに押下される演出用ボタン24の回数を全て累積していくものではない。
ステップS103の判定結果が否定の場合は、維持期間に対応する抽選項目が当選したことになるため、統括制御用CPU27aは、カウンタの値に「1」加算(+1)する。次に、統括制御用CPU27aは、維持期間に対応する抽選項目が当選したことにより決定された押下回数項目K1〜K3に対応する押下回数が、カウンタに1加算された後に越えた否かを判定する(ステップS107)。この判定結果が否定の場合には、統括制御用CPU27aは、演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力し(ステップS108)、ステップS109へ移行する。一方、ステップS107の判定結果が肯定の場合には、ステップS105へ移行する。
ステップS109では、統括制御用CPU27aは、抽選段階が現在の抽選段階から一段階進展したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合には、統括制御用CPU27aは、進展した抽選段階の抽選テーブルTを参照して、現在位置する抽選段階を示す値(最大値)を更新するとともに、その抽選段階での抽選を行い、ステップS111へ移行する。そのステップS111へ進展する前の抽選段階では、維持期間に対応する抽選項目が決定されており、ステップS111に到達したときは、決定された押下回数が遊技者によって押下されている。このため、ステップS111では、遊技者による演出用ボタン24の押下により累積された押下回数をクリア(ゼロ)する(ステップS111)。一方、ステップS109の判定結果が否定の場合には、統括制御用CPU27aは、ボタン押下処理に移行する。
次に、演出用ボタン24の遊技演出の演出態様の一例として、本実施形態のパチンコ遊技機10において遊技演出として実行される対戦ゲームについて説明する。
さて、演出表示装置21では、変動パターンに基づく図柄変動ゲームが開始(変動開始)され、リーチ演出が実行されるとともにリーチ状態が形成される。なお、この例では、主制御用CPU25aによりはずれが決定されているものとする。そして、演出表示装置21では、対戦ゲームが開始されるとともに、遊技者に対し演出用ボタン24を連打操作する準備を促すメッセージが表示されるとともに、演出用ボタン24が発光状態とされる。
図5(a)に示すように、対戦ゲームが開始される前は、演出表示装置21には、第1表示領域21aと第2表示領域21bとが5対5となる画像がデフォルトとして設定されている。そして、対戦ゲームが開始され、演出表示装置21では、遊技者による演出用ボタン24の押下操作に基づく対戦ゲームが実行される。
最初の演出用ボタン24の押下により、統括制御用CPU27aによる抽選が行われ、表示段階に対応する抽選項目が当選して画像パターンE2が選択されると、統括制御用CPU27aは画像指定コマンド(CFH32H)を演出制御用CPU26aに出力する。すると、図5(b)に示すように、演出表示装置21には、第1表示領域21aと第2表示領域21bとが4対6となる画像が表示される。
2回目の演出用ボタン24の押下により、抽選段階が一段階進展して第2抽選段階D2に移行するとともに、統括制御用CPU27aによる抽選が行われ、維持期間に対応する抽選項目が当選して押下回数項目K1が選択されたとする。このとき、統括制御用CPU27aは演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力する。すると、図5(c)に示すように、演出表示装置21では、画像遷移が実行されず、分割ラインLが点滅状態とされる。
3回目の演出用ボタン24の押下では、2回目の演出用ボタン24の押下に基づく抽選により維持期間3回を指定する押下回数項目K1が選択されたため、統括制御用CPU27aは、3回目の演出用ボタン24の押下を3回のうちの1回目として押下回数のカウントを開始する。そして、演出用ボタン24が3回、4回、5回と押下されると、6回目の押下により抽選段階が一段階進展して第3抽選段階D3に移行するとともに、第3抽選段階D3で抽選が行われる。演出用ボタン24が3回目、4回目、5回目と押下される度に、統括制御用CPU27aは演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力する。よって、図5(c)に示すように、演出表示装置21では、画像遷移が実行されず、分割ラインLが点滅状態とされる。
第3抽選段階D3では、維持期間に対応する抽選項目しか設定されていない。そして、6回目の演出用ボタン24の押下に基づく抽選が行われ、維持期間に対応する抽選項目から押下回数項目K2が選択されたとする。このとき、統括制御用CPU27aは演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力する。すると、図5(c)に示すように、演出表示装置21では、画像遷移が実行されず、分割ラインLが点滅状態とされる。
6回目の演出用ボタン24の押下では、維持期間5回を指定する押下回数項目K2が選択されたため、統括制御用CPU27aは、7回目の演出用ボタン24の押下を5回のうちの1回目として押下回数のカウントを開始する。そして、演出用ボタン24が7回、8回、9回、10回、11回、(合計5回)と押下されると、12回目の押下の終了後に抽選段階が一段階進展して第4抽選段階D4に移行する。このとき、演出用ボタン24が7〜11回目までの5回押下される度に、統括制御用CPU27aは演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力する。よって、図5(c)に示すように、演出表示装置21では、画像遷移が実行されず、分割ラインLが点滅状態とされる。
12回目の演出用ボタン24の押下に基づき、第4抽選段階D4で抽選が実行され、この抽選により画像パターンE7が選択されると、統括制御用CPU27aは画像指定コマンド(CFH37H)を演出制御用CPU26aに出力する。すると、図5(d)に示すように、演出表示装置21には、第1表示領域21aと第2表示領域21bとが8対2となる画像が表示される。
13回目の演出用ボタン24の押下により、抽選段階が一段階進展して第5抽選段階D5に移行する。第5抽選段階D5では維持期間に対応する抽選項目しか設定されていないため、13回目の演出用ボタン24の押下に基づく抽選が実行され、押下回数項目K1が選択されたとする。このとき、統括制御用CPU27aは演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力する。すると、図5(e)に示すように、演出表示装置21では、画像遷移が実行されず、分割ラインLが点滅状態とされる。
維持期間3回を指定する押下回数項目K1が選択されたため、14回目の演出用ボタン24の押下では、統括制御用CPU27aは、14回目の演出用ボタン24の押下を3回のうちの1回目として押下回数のカウントを開始する。そして、演出用ボタン24が14回、15回、16回(合計3回)と押下されると、17回目の押下の終了後に抽選段階が一段階進展して第6抽選段階D6に移行する。このとき、演出用ボタン24が14〜16回目までの3回押下される度に、統括制御用CPU27aは演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力する。よって、図5(e)に示すように、演出表示装置21では、画像遷移が実行されず、分割ラインLが点滅状態とされる。
17回目の演出用ボタン24の押下に基づき、第6抽選段階D6で抽選が実行され、この抽選により画像パターンE6が選択されると、統括制御用CPU27aは画像指定コマンド(CFH36H)を演出制御用CPU26aに出力する。すると、図5(f)に示すように、演出表示装置21には、第1表示領域21aと第2表示領域21bとが7対3となる画像が表示される。
18回目の演出用ボタン24の押下により、抽選段階が一段階進展して第7抽選段階D7に移行する。第7抽選段階D7では維持期間に対応する抽選項目しか設定されていないため、18回目の演出用ボタン24の押下に基づき抽選が実行され、押下回数項目K2が選択されたとする。このとき、統括制御用CPU27aは演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力する。すると、図5(g)に示すように、演出表示装置21では、画像遷移が実行されず、分割ラインLが点滅状態とされる。
また、維持期間5回を指定する押下回数項目K2が選択されたため、19回目の演出用ボタン24の押下では、統括制御用CPU27aは、19回目の演出用ボタン24の押下を5回のうちの1回目として押下回数のカウントを開始する。そして、演出用ボタン24が19回、20回、21回、22回、23回(合計5回)と押下されると、24回目の押下の終了後に抽選段階が一段階進展して第8抽選段階D8に移行する。このとき、演出用ボタン24が19〜23回目までの5回押下される度に、統括制御用CPU27aは演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力する。よって、図5(g)に示すように、演出表示装置21では、画像遷移が実行されず、分割ラインLが点滅状態とされる。
24回目の演出用ボタン24の押下により、第8抽選段階D8で画像遷移抽選が実行され、この抽選により画像パターンE6が選択されると、統括制御用CPU27aは画像指定コマンド(CFH36H)を演出制御用CPU26aに出力する。すると、図5(f)に示すように、演出表示装置21には、第1表示領域21aと第2表示領域21bとが7対3となる画像が表示される。そして、ボタン有効期間が終了すると、図5(h)に示すように、キャラクタBが勝利し、表示画面全体に亘ってキャラクタBのみが表示されるとともに、はずれが導出される。なお、ボタン有効期間が終了する前に第8抽選段階D8に達した場合は、ボタン有効期間が終了するまでは、統括制御用CPU27aによる抽選は行われず、演出用ボタン24の押下に合わせて統括制御用CPU27aは演出指定コマンド(CFH30H)をコマンドバッファに出力し続ける。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)パチンコ遊技機10において、対戦ゲームの開始からキャラクタA又はキャラクタBの画像が表示される迄の間に、演出表示装置21での現在の画像を維持させる維持期間に対応する抽選項目が決定されると、演出用ボタン24が維持期間に設定された間、押下されるまでは画像の遷移が行われず、現在の画像が演出表示装置21に表示される。すなわち、維持期間に対応する抽選項目が決定されると、その維持期間の間に演出用ボタン24が操作されても、その操作に基づいて画像を遷移させるための制御が行われない。その結果として、演出用ボタン24の操作の際、その操作毎に画像を遷移させる制御を行う場合と異なり、画像が重なる等を抑制して、演出用ボタン24の連打操作(連続操作)に基づいて行われる演出を遊技者に視認しやすくすることができる。また、維持期間を決定するか、表示段階を決定するかは統括制御用CPU27aの抽選によるため、簡単な制御で画像が重なる等して演出が視認しにくくなることを抑制することができる。
(2)演出用ボタン24が操作されると、統括制御用CPU27aは、抽選テーブルTに基づき抽選結果を決定することができるため、統括制御用CPU27aによる演出表示装置21の制御を簡素化することができる。また、抽選の結果、維持期間に対応する抽選項目を決定した場合には、維持期間が終了する迄の間、演出用ボタン24の操作に基づく抽選が行われない。よって、演出用ボタン24の操作毎に、統括制御用CPU27aによる抽選が行われ、その抽選毎に画像を遷移させる制御が行われる場合と異なり、画像が重なる等を抑制して、演出用ボタン24の連打操作に基づいて行われる演出を遊技者に視認しやすくすることができる。
(3)演出用ボタン24が操作されると、統括制御用CPU27aは、抽選テーブルTに基づき抽選結果を決定する。そして、統括制御用CPU27aによる抽選の結果、表示段階に対応する抽選項目が決定された場合には、次に演出用ボタン24が操作されたときには、抽選テーブルTにおいて必ず抽選段階が一段階進展する。このため、演出用ボタン24の操作により、画像が遷移する可能性を高めることができ、演出表示装置21の表示画面での画像に変化をもたらすことができる。
(4)抽選テーブルTには、維持期間に対応する抽選項目のみが決定されるように抽選確率を設定した第3、第7抽選段階D3,D7、及び維持期間に対応する抽選項目と1つだけの表示段階に対応する抽選項目が決定されるように抽選確率を設定した第5抽選段階D5が設けられている。これら第3、第5、第7抽選段階D3,D5,D7では、維持期間に対応する抽選項目が決定されると演出用ボタン24が操作されても、現在の表示段階の画像が変化することなく画像の遷移が行われない。ここで、第1〜第8抽選段階D1〜D8の全てに対し、維持期間及び表示段階の抽選結果の両方が決定されるように各抽選項目の抽選確率が設定されていると、抽選によっては第1〜第8抽選段階D1〜D8の全てで表示段階を遷移させることが決定される可能性が残る。よって、第3、第5、第7抽選段階D3,D5,D7を設けることで、現在の表示段階での画像の遷移が行われないようにすることができ、画像が視認し難くなることを抑制することができる。
また、第1〜第8抽選段階D1〜D8の全てに対し、維持期間及び表示段階の抽選結果の両方が決定されるように各抽選項目の抽選確率が設定されていると、抽選によっては第1〜第8抽選段階D1〜D8の全てで表示段階を遷移させることが決定され、演出用ボタン24の押下1回毎に抽選段階が進展してしまう場合がある。この場合は、第8抽選段階D8に即座に到達してしまう。第8抽選段階D8に到達すると、画像の遷移が行われなくなってしまうため、画像の遷移を可能とするためには、抽選テーブルTにおける抽選段階を増やす必要が生じてしまう。しかし、本実施形態では、第3、及び第7抽選段階D3,D7を設けることで、第8抽選段階D8に到達するまでに維持期間を少なくとも2回は設けることができる。よって、第8抽選段階D8に到達するまでの時間を長くすることができ、画像の遷移を可能とし続けるために抽選テーブルTにおける抽選段階を増やす必要を無くすことができる。
(5)抽選テーブルTに設定された維持期間は、演出用ボタン24の操作回数によって設定されている。そして、演出用ボタン24が連打操作される回数のうちの何回かは、維持期間として設定された操作回数になる。よって、演出用ボタン24が連打操作されても、設定された操作回数が操作されるまでは、現在の表示段階での画像が維持され、表示段階を展開させて画像を遷移させる必要が無くなり、演出用ボタン24が連打操作されることで起こりやすいとされる画像の重なりを抑制することができる。
(6)パチンコ遊技機10は、演出用ボタン24の操作がなされたことを演出表示装置21の表示画面に表示させる(分割ラインLを点滅させる)演出を実行させる演出制御用CPU26aを備える。そして、演出制御用CPU26aの制御により、演出用ボタン24の操作がなされたことが表示画面に表示されるため、遊技者は演出用ボタン24の操作が受け付けられたことを表示画面から視認することができる。
(7)抽選テーブルTにおいて、維持期間に対応する抽選項目のみを設定した第3、第7抽選段階D3,D7、及び維持期間と表示段階の1抽選項目のみを設定した第5抽選段階D5の前後に、維持期間及び表示段階の両方の抽選項目が設定された第2、第4、第6、第8抽選段階D2,D4,D6,D8が設けられている。このため、維持期間が決定された前後では、画像が遷移する可能性を高めることができ、演出表示装置21の表示画面での画像に変化をもたらすことができる。言い換えると、維持期間ばかりが決定される可能性を低くして画像が遷移しなくなる可能性を低くすることができる。
(8)対戦ゲームの開始後、最初に演出用ボタン24が押下されると抽選テーブルTの第1抽選段階D1で抽選が実行される。第1抽選段階D1では表示段階に対応する抽選項目しか設定されておらず、しかも、第1表示領域21a及び第2表示領域21bのいずれかが広がる画像パターンE2〜E7しか設定されていない。また、対戦ゲームの開始時にはデフォルトとして第1表示領域21aと第2表示領域21bが5対5となる画像が設定されている。このため、最初の演出用ボタン24が押下されると、第1表示領域21aと第2表示領域21bが5対5となった画像から、第1表示領域21a及び第2表示領域21bのいずれかが広がった画像に遷移する。例えば、第1抽選段階D1に、第1表示領域21aと第2表示領域21bが5対5となる画像パターンE1が設定され、最初の演出用ボタン24の操作に基づく抽選により画像パターンE1が選択されると、画像が遷移せず、遊技者は演出に違和感を覚えることとなる。よって、第1抽選段階D1に画像パターンE2〜E7しか設定しないことで、画像を確実に遷移させ、遊技者に対戦ゲームが開始されたことを視認させることができる。
(9)第1〜第7抽選段階D1〜D7、特に第3、第5、第7抽選段階D3,D5,D7では、維持期間に対応する抽選項目(押下回数項目K1〜K3)の中でも、演出用ボタン24の押下回数が最も多くなる10回が設定された押下回数項目K3の抽選結果選択用乱数の個数が一番少なくなっている。このため、演出用ボタン24を3回又は5回押下することで画像が遷移する可能性を高くすることができ、画像を維持する期間を確保しながらも、画像を遷移させやすくすることができる。
(10)抽選テーブルTにおいて、維持期間及び表示段階の両方の抽選項目が設定された第2、第4、第6、第8抽選段階D2,D4,D6,D8では、維持期間に対応する抽選項目全体での抽選結果選択用乱数の個数が、表示段階に対応する抽選項目全体での抽選結果選択用乱数の個数より少なくなっている。このため、維持期間及び表示段階の両方の抽選項目が設定された第2、第4、第6、第8抽選段階D2,D4,D6,D8では、維持期間よりも表示段階が決定されやすくなっており、画像を遷移させやすくすることができる。
(11)抽選テーブルTのうち、後半の抽選段階となる第6、第7、第8抽選段階D6,D7,D8では、維持期間に対応する抽選項目のうち、押下回数が3回より多くなる押下回数項目K2,K3のみが設定されている。特に、最後の抽選段階となる第8抽選段階D8では、維持期間に対応する抽選項目が押下回数項目K3のみが設定されている。第6〜第8抽選段階D6〜D8は、ボタン有効期間の終了に近づいている時期にある可能性が高くなるため、ボタン有効期間の終了前に維持期間に対応する抽選項目が決定されても、画像を維持させる時間を長く確保して画像を遷移させにくくすることができる。
(12)維持期間に対応する抽選項目が対応付けられた抽選段階のうち、前半の第3、第5抽選段階D3,D5では演出用ボタン24の押下回数が10回より少なくなる押下回数項目K1,K2が選択されやすくなるように抽選結果選択用乱数が振分けられている。このため、対戦ゲームの開始直後は、維持期間に対応する抽選項目が決定されても、画像を維持させる時間を短くして画像を遷移させやすくすることができる。
(13)例えば、第1抽選段階D1で画像パターンE2が選択され、第2抽選段階D2でも画像パターンE2が選択された場合は、演出表示装置21では画像が遷移せず、第2抽選段階D2で維持期間に対応する抽選項目が選択された場合と同じように表示される。しかし、第2抽選段階D2で画像パターンE2が選択されると、抽選段階は直ぐに第3抽選段階D3へ進展する。よって、第3抽選段階D3では表示段階に対応する抽選項目が選択可能になるため、画像を遷移させやすくすることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、大当り及びはずれに対しキャラクタAとキャラクタBの優勢度合いに関係性を持たせなかったが、大当り及びはずれに対し関係性を持たせてもよい。例えば、大当り抽選で大当りに当選した場合には、キャラクタAが優勢となるようにし、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合には、キャラクタBが優勢となるようにしてもよい。この場合、大当りに当選した場合に参照される大当り用抽選テーブルTOと、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合に参照されるはずれ用抽選テーブルTHが設けられる。
図6に示すように、大当り用抽選テーブルTOは、キャラクタAが優勢になるような画像パターンが選択されやすくなるように、画像パターンE5〜E7の抽選結果選択用乱数全体の個数が、キャラクタBが優勢になる画像パターンE2〜E4の抽選結果選択用乱数全体の個数より多くなっている。さらに、キャラクタAの優勢度合いがより大きくなる画像パターンが選択されやすいように、画像パターンE5〜E7の中では抽選結果選択用乱数の個数は、画像パターンE7の個数が最も多く、画像パターンE6、画像パターンE5の順序で個数が少なくなっている。
一方、図7に示すように、はずれ用抽選テーブルTHは、キャラクタBが優勢になるような画像パターンが選択されやすくなるように、画像パターンE2〜E4の抽選結果選択用乱数全体の個数が、キャラクタAが優勢になる画像パターンE5〜E7の抽選結果選択用乱数全体の個数より多くなっている。さらに、キャラクタBの優勢度合いがより大きくなる画像パターンが選択されやすいように、抽選結果選択用乱数の個数は、画像パターンE2〜E4の中では画像パターンE4の個数が最も多く、画像パターンE3、画像パターンE2の順序で個数が少なくなっている。
○ 本実施形態は、確率変動(確変)機能を搭載した遊技機に具体化してもよい。確率変動機能は、大当り遊技終了後に、大当りの当選確率を通常確率(低確率)から高確率に変動させる確率変動状態を遊技者に付与する機能である。確率変動状態が付与されると、大当りの当選確率が、例えば通常確率時に比較して10倍程度高確率化され、次の大当り遊技を得られ易くなることから遊技者にとって有利な遊技状態である。そして、演出表示装置21において、遊技演出(対戦ゲーム)を実行し、遊技演出の結果に基づき確率変動図柄の図柄組み合わせ又は非確率変動図柄の図柄組み合わせが確定停止表示されるようにしてもよい。
○ 本実施形態において、対戦ゲームの態様による遊技演出の一例を示したが、遊技演出での演出態様は対戦ゲームではなくてもよい。例えば、演出表示装置21に表示された所定のゲージを、演出用ボタン24の連打操作によって一杯にする演出であったり、演出用ボタン24の連打操作によって綱引きがなされるものあってもよい。さらには、演出用ボタン24の連打操作によって炎等の大きさを大小させるものであってもよい。すなわち、演出用ボタン24の連打操作によって、表示態様(ゲージ、綱引き、炎等)が双方向へ動くものに適宜変更してもよい。
○ 本実施形態において、維持期間は演出用ボタン24の操作回数に設定したが、演出用ボタン24を連打し続けた時間や、演出用ボタン24を押下し続けた時間等に適宜変更してもよい。
○ 本実施形態において、演出用ボタン24の操作回数は適宜変更してもよい。
○ 抽選テーブルT、大当り用抽選テーブルTH、及びはずれ用抽選テーブルTOにおける抽選結果選択用乱数の個数は適宜変更してもよい。
○ 抽選テーブルT、大当り用抽選テーブルTH、及びはずれ用抽選テーブルTOにおける抽選段階の数や、維持期間に対応する抽選項目の数、表示段階に対応する抽選項目の数は適宜変更してもよい。
○ 本実施形態において、演出用操作手段として演出用ボタン24に具体化したが、タッチセンサ等に変更してもよい。
○ 本実施形態において、演出用ボタン24が押下されたことを演出表示装置21に表示させる演出(分割ラインLを点滅させる演出)は、適宜変更してもよい。
○ 本実施形態では、図柄変動ゲームを導出する図柄(特別図柄)を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
○ 本発明を大当り中の昇格演出に適用してもよい。
○ 本発明を再抽選演出に適用してもよい。