JP2011148921A - コークス炉ガイド車のガイドウェイ - Google Patents

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Abstract

【課題】コークスとガイド車のガイドウェイ1の内面(底面2と側面3)との摩擦力を低減して、コークス押し出し負荷を低減することができ、これによりコークス押し出し時の発塵の発生量を低減できる、コークス炉ガイド車のガイドウェイを提供すること。
【解決手段】コークス炉からコークスを押し出す際の案内に用いるコークス炉ガイド車のガイドウェイ1において、ガイドウェイ1の内面とコークスとの接触面の少なくとも一部に、凹部および凸部がコークスの押し出し方向に連続した複数のスリットを形成することを特徴とするコークス炉ガイド車のガイドウェイを用いる。コークス押し出し方向に長手方向をそろえた複数の形鋼を設置することで複数のスリットを形成すること、形鋼が、コの字型鋼、I型鋼、H型鋼、L字鋼、半パイプ鋼の中から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、室炉式コークス炉からコークスを排出する際に用いるガイド車のガイドウェイに関する。
室炉式コークス炉で製造された赤熱コークスは、押し出し機を用いてコークス炉の炭化室から押し出され、ガイド車を介してバケットに収容される。赤熱コークスを収容したバケットは消火電車により消火設備へと搬送され、赤熱コークスが冷却される。
コークス炉ガイド車のガイドウェイは、赤熱コークスをコークス炉の炭化室からバケットへと押し出す際の案内ボックスの役割を果たしている。このボックス状のガイドウェイの内面は、赤熱コークスが通過することから、磨耗が激しく、熱的負荷も高いので、底面や側面には耐摩耗性の鋼板を用いたコーティング等が行われている。
例えば、特許文献1においては、ガイドウェイ(コークガイド)側面に取り付けられるコークガイド側板の出口端部近傍に硬化肉盛層を形成して、出口端部近傍の磨耗発生を低減させている。また、特許文献2においては、ガイドウェイ(コークガイド)の底部に取り付けられている底板に、耐高荷重、耐高熱性材料よりなる硬化肉盛層を設けて底板の磨耗を防止している。
特開平5−271659号公報 特開平5−171152号公報
コークス炉ガイド車のガイドウェイの内面(底面と側面)側に耐磨耗加工を施した鋼板を用いれば、通常の軟鋼平鋼板を用いる場合よりも長寿命化するものの、時間の経過に従って膨れや浮き上がりが発生して、底面と側面の平板が湾曲し、これによりコークスの押し出し負荷が上昇する。そして、この負荷上昇により、コークスケーキの崩壊が起こりやすくなるため、押し出し発塵の発生の要因ともなっている。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決し、コークスとガイド車のガイドウェイの内面(底面と側面)との摩擦力を低減して、コークス押し出し負荷を低減することができ、これによりコークス押し出し時の発塵の発生量を低減できる、コークス炉ガイド車のガイドウェイを提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)コークス炉からコークスを押し出す際の案内に用いるコークス炉ガイド車のガイドウェイにおいて、該ガイドウェイのコークスとの接触面の少なくとも一部に、凹部および凸部がコークスの押し出し方向に連続した複数のスリットを形成することを特徴とするコークス炉ガイド車のガイドウェイ。
(2)コークス押し出し方向に長手方向をそろえた複数の形鋼を設置することで複数のスリットを形成することを特徴とする(1)に記載のコークス炉ガイド車のガイドウェイ。
(3)形鋼が、コの字型鋼、I型鋼、H型鋼、L字鋼、半パイプ鋼の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、(2)に記載のコークス炉ガイド車のガイドウェイ。
本発明によれば、コークスとガイド車のガイドウェイの内面との摩擦力を低減させて、コークス押し出し負荷を低減させることができる。また、これによりコークス押し出し時の発塵の発生量を低下させることができる。さらに、形鋼を用いることで、コークスケーキとガイドウェイ本体の底板及び側板との間に空間が形成され、この空間(空気)による断熱効果でガイドウェイ本体の底板及び側板の熱的負荷が大いに低減でき、ガイドウェイ本体の変形も防止する。
ガイドウェイの概略図。 本発明の一実施形態を示す概略図(コの字型鋼)。 本発明の一実施形態を示す概略図(I型鋼)。 本発明の一実施形態を示す概略図(L字鋼)。 本発明の一実施形態を示す概略図(半パイプ鋼)。 コの字型鋼を設置した場合の参考図。 押し出し電流の最大値の変化を示すグラフ。 ガイドウェイ上部での発塵量の変化を示すグラフ。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、ガイド車のガイドウェイの内面のうち、コークスと接触する底面と側面について、その形状を凹凸を有するスリット型にすることを検討した。コークスの押し出し方向に凹部および凸部が連続するような状態で複数のスリットを形成することで、コークスとガイドウェイとの接触面積が小さくなり、摩擦力が低減されて、コークス押し出し負荷を低減させることができる。また、押し出し負荷が低減すれば、ガイド車のガイドウェイ内での赤熱コークスの崩壊が減少し、発塵の発生を抑制することもできる。複数のスリットは、コークスとガイドウェイとが接触する部分の少なくとも一部に形成する。複数のスリットをガイドウェイの底面のみ、または側面のみに形成する場合であっても効果があるが、底面と側面との両方に形成することが好ましい。
ガイドウェイの内面の複数のスリットにより形成される凸部は、コークスとの接触面積が小さいほど好ましく、コークス押し出し方向に平行な直線として形成されることが望ましい。このためには、ガイドウェイの内面の底面及び/又は側面に、コークス押し出し方向に長手方向をそろえた複数の形鋼を設置することが好ましい。形鋼としては、コの字型鋼、I型鋼(H型鋼)、L字鋼、半パイプ鋼の中から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。または、上記のように形鋼を並べた状態と同様の形状に加工した鋼板を設置しても良い。
複数のスリットの間隔は、押し出される赤熱コークス塊の大きさよりも小さくすることが好ましい。通常赤熱コークス塊の粒径は100〜150mm程度であるので、スリット間隔(形鋼の幅)は50〜80mm程度とすることが好ましい。
図1を用いて本発明の一実施形態を説明する。図1はガイドウェイの概略図であり、ガイドウェイ1は両端が開口した箱型で、底板2、側板3(3a、3b)、上板4で構成されている。図2の上部に示すようなコの字型鋼21を用いる場合、図1における側板3aの点線で囲んだ部分は、図2の下部に示すようにコの字型鋼21を並べて、側板3aの内面に複数のスリット(溝)を形成する。図3の上部に示すようなI型鋼22を用いる場合は、図1における側板3aの点線で囲んだ部分は、図3の下部に示すようにI型鋼22を並べて、側板3aの内面に複数のスリットを形成する。図4はL字鋼、図5は半パイプ鋼を用いる場合であり、同様にして複数のスリットを形成することができる。
上記のように形鋼を設置することで側板3の内面側に複数のスリットが形成されて、コークス押し出し方向に平行な直線状の凸部を形成することができる。底板2についても、同様にして複数のスリットを形成することができる。
図2に示すようにコの字型鋼21を設置すれば複数のスリットを形成できるが、図6に示すように図2の場合とは反対向きにコの字型鋼21を設置すると、側板3aとコークスとの間に空間が形成されるため断熱効果は期待できるが、コークスとの接触面は平板状となり、スリットが形成されないため、押し出し力を低下させることはできない。ただし図6において、コの字型鋼21を所定の間隔を置いて配置すれば、スリットが形成されて、本発明の効果を得ることができる。
ガイド車のガイドウェイ内面(底面と側面)に押し出し方向に連続した複数のスリットを形成するために、図3、図4に示すように幅70mmのI型鋼とL字鋼を底板と側板とに設置して、形鋼を設置しない場合(スリットなし)とのコークス押し出し負荷(押し出し力)の比較を行った。押し出し負荷は、コークス押し出し機の押し出し電流の最大値で評価した。結果を図7に示す。
図7によれば、I型鋼とL字鋼を設置してスリットを形成したことで、コークス押し出し負荷が低減することが分かる。
さらに、発塵状態の比較を行った。上記のそれぞれの場合について、ガイドウェイ上部での発塵量を測定した結果を図8に示す。
図8によれば、I型鋼とL字鋼を設置してスリットを形成したことで、コークス押し出し時の発塵量が減少することが分かる。
1 ガイドウェイ
2 底板
3(3a、3b) 側板
4 上板
21 コの字型鋼
22 I型鋼
23 L字鋼
24 半パイプ鋼

Claims (3)

  1. コークス炉からコークスを押し出す際の案内に用いるコークス炉ガイド車のガイドウェイにおいて、該ガイドウェイのコークスとの接触面の少なくとも一部に、凹部および凸部がコークスの押し出し方向に連続した複数のスリットを形成することを特徴とするコークス炉ガイド車のガイドウェイ。
  2. コークス押し出し方向に長手方向をそろえた複数の形鋼を設置することで複数のスリットを形成することを特徴とする請求項1に記載のコークス炉ガイド車のガイドウェイ。
  3. 形鋼が、コの字型鋼、I型鋼、H型鋼、L字鋼、半パイプ鋼の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項2に記載のコークス炉ガイド車のガイドウェイ。
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