JP2011148317A - 印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、インク滴の吐出方法 - Google Patents

印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、インク滴の吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インク滴を吐出する複数の吐出部列にて印刷される領域間における境界部分の画質の低下を抑えることが可能な印刷装置等を実現する。
【解決手段】複数の吐出部が、搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、互いに異なる印刷ヘッドの吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドの下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドの上流側吐出部とが、移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有し、印刷ヘッドが移動方向に移動する際に、吐出部並設部分の上流側吐出部及び下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する吐出方法を、吐出部並設部分ごとに、設定可能である。
【選択図】図21

Description

本発明は、媒体の搬送方向に沿って配置され、複数色のインクを色ごとに吐出する複数の吐出部列を有する印刷ヘッドが所定方向に移動しつつインク滴を吐出する印刷装置、印刷システム、及び、インク滴の吐出方法に関する。
近年、複数色のインク滴を色ごとに吐出する複数のノズル列を印刷用紙の搬送方向に沿って配置した印刷ヘッドを用いて印刷する印刷装置が考えられている。このような印刷装置では、印刷ヘッドが同色のインク滴を吐出する複数のノズル列を組み付けて構成されている。
このような印刷ヘッドを用いて印刷する場合には、搬送方向に沿って配置された異なるノズル列にて隣接する領域がそれぞれ印刷される場合があるが、各ノズル列の特性の違いにより、異なるノズル列により印刷された領域の境界部分の画質が悪化する畏れがある。このため、搬送方向に沿って配置される異なるノズル列を、各ノズル列の所定数のノズルが互いにヘッドの移動方向に並ぶように配置させ、移動方向に並べられた異なるノズル列のノズルから択一的にインク滴を吐出させて印刷することにより、画質の低下を抑えるためのいくつかのインク滴の吐出方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−1510号公報
しかしながら、前述の印刷方法にあっては、隣接する領域をそれぞれ印刷する2つのノズル列の各々所定数のノズルがヘッドの移動方向に並ぶように配置されていることを前提としたものである。このため、各ノズル列が組み付けの誤差等により組み付け位置がずれていたり、傾いて組み付けられた場合には、2つのノズル列において、ヘッドの移動方向に並ぶように配置されるノズルの数が所定量と異なる畏れがある。このような場合には、前述のインク滴の吐出方法では、隣接する領域における境界部分の画質の低下が抑えられない場合がある。このため、印刷される画像全体として画質の低下を抑えることができないという課題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インク滴を吐出する複数の吐出部列にて印刷される領域間における境界部分の画質の低下を抑えることが可能な印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、インク滴の吐出方法を実現することにある。
主たる発明は、インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、互いに異なる前記印刷ヘッドに各々設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有するように配置されており、前記印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、前記吐出部並設部分は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法にて、インク滴を吐出可能な印刷装置において、前記吐出部並設部分におけるインク滴の吐出方法を、前記吐出部並設部分ごとに、前記複数の吐出方法のうち一の吐出方法に設定可能であることを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明確にする。
本発明によれば、インクを吐出する複数の吐出部列にて印刷される領域間における境界部分の画質の低下を抑えることが可能な印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、インク滴の吐出方法を実現することが可能である。
本発明にかかる印刷装置としてのインクジェットプリンタの構成の概略を示す斜視図。 インクジェットプリンタが有する印刷部の構成の概略を示す説明図。 印刷部を説明するための断面図。 1つの印刷ヘッドの下面におけるノズルの配置を説明するための図。 キャリッジを矢印A(図3)の方向から見た図。 搬送方向に隣接する印刷ヘッドが有するノズル列の配置を説明するための図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 画像処理部にて実行される画像処理の概要を示すフローチャート。 キャリッジを移動したときに形成されるラスタの本数と互いの位置関係を模式的に示した図。 印刷用紙を搬送させながらラスタを形成していく様子を概念的に表した説明図。 搬送方向に隣接する2つの印刷ヘッドのうち、一方の印刷ヘッドが傾いた状態にて取り付けられた状態のノズル並設部分を説明するための図。 ノズル並設部分の並設されたノズルの数を確認するための印刷パターンを説明するための図。 メモリに記憶されるノズル並設部分の並設されたノズルの数を示す概念図。 ラスタ分類処理の流れを示すフローチャート。 キャリッジを移動させつつ印刷用紙上に画像を形成していく様子を概念的に表した図。 第1のインク滴の吐出方法にて印刷される画像を説明するための図。 第2のインク滴の吐出方法にて印刷される画像を説明するための図。 第3のインク滴の吐出方法にて印刷される画像を説明するための図。 第4のインク滴の吐出方法にて印刷される画像を説明するための図。 第5のインク滴の吐出方法にて印刷される画像を説明するための図。 印刷した画像から判定し各インク色のノズル列のノズル並設部分のインクの吐出方法としてメモリに記憶されている情報を示す図。 印刷システムの外観構成を示した説明図。 図22に示した印刷システムの構成を示すブロック図。
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、互いに異なる前記印刷ヘッドに各々設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有するように配置されており、前記印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、前記吐出部並設部分は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法にて、インク滴を吐出可能な印刷装置において、前記吐出部並設部分におけるインク滴の吐出方法を、前記吐出部並設部分ごとに、前記複数の吐出方法のうち一の吐出方法に設定可能であることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、搬送方向に隣接する印刷ヘッドに設けられた吐出部列でなる吐出部並設部分ごとに吐出方法を設定可能なので、吐出部並設部が有する上流側吐出部及び下流側吐出部の状態に応じて吐出方法を設定することが可能である。すなわち、異なる印刷ヘッドにて印刷する各々の領域の境界部分を、一方の印刷ヘッドが有する上流側吐出部と他方の印刷ヘッドが有する下流側吐出部とのうち、インク滴を吐出させる吐出部を適宜変更して印刷することが可能である。このため、異なる2つの印刷ヘッドにて印刷される印刷領域の境界部分に、上流側吐出部及び下流側吐出部のインク滴の吐出特性やインク滴の吐出精度誤差等による白スジ、黒スジや、ドットによるざらつきが発生しにくいので、画質の低下を抑えることが可能である。
かかる印刷装置において、前記一の吐出方法は、前記吐出部並設部分の並設された吐出部の数に基づいて、設定されることことが望ましい。
このような印刷装置によれば、吐出部並設部分の並設された吐出部の数に応じた吐出方法にて良好な画像を印刷することが可能である。特に、吐出部並設部分は、異なる印刷ヘッドに設けられた複数のノズル列にて構成されているため、各々の印刷ヘッドの取り付け等の誤差により並設された吐出部の数が吐出部列毎に相違しても、吐出部並設部分の並設された吐出部の数に応じて設定された吐出方法にて良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記一の吐出方法は、前記複数の吐出方法にて所定のパターンを印刷した結果に基づいて設定されることが望ましい。
このような印刷装置によれば、各吐出部並設部分により各吐出方法にて実際に印刷したパターンに基づいて、各吐出部並設部分の吐出方法が設定されるので、複数の吐出方法にて印刷したパターンに基づいて最も適した吐出方法を各吐出部並設部分の吐出方法として設定することが可能である。このため、より良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記所定のパターンは、中間調の領域を含む画像であることが望ましい。
画像の中間調の領域は、単位面積あたりに形成されるドットの量、所謂ドット密度が低いため、形成されたドットの位置がずれるとドットの形状が目立ちやすく画質が低下する畏れがある。特に、吐出部並設部分の上流側吐出部と下流側吐出部とが異なる吐出特性を有している場合には、上流側吐出部及び下流側吐出部により形成されたドットの位置が各々の目標位置とずれるため画質が低下しやすいが、このような印刷装置によれば、中間調の領域を含む画像を印刷した結果に基づいて各吐出部並設部分の吐出方法が設定されるので、画像にドット形状が目立つような画質の低下を抑えることが可能である。
かかる印刷装置において、前記所定のパターンは、ドット密度が高い領域を含む画像であってもよい。
画像のドット密度が高い領域は、隣接する吐出部列のインク滴の吐出位置が理想的な吐出位置より近い場合又は遠い場合に、黒スジや白スジとして発生しやすいが、このような印刷装置によれば、ドット密度が高い領域を含む画像を印刷した結果に基づいて各吐出部並設部分の吐出方法が設定されるので、黒スジや白スジなどによる画質の低下を抑えることが可能である。
かかる印刷装置において、前記複数の吐出方法は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部からそれぞれ吐出されたインク滴にて前記媒体にドットが形成される吐出方法を含むことが望ましい。
このような印刷装置によれば、複数の吐出方法には、上流側吐出部及び下流側吐出部からそれぞれ吐出されたインク滴にて媒体にドットが形成される吐出方法が含まれているので、吐出部並設部分にて印刷される媒体の印刷領域に、上流側吐出部にて形成したドットと下流側吐出部にて形成したドットとを混在させることにより、良好な画像を印刷することが可能である。特に、上流側吐出部と下流側吐出部とが各々異なるインク滴の吐出特性を有していた場合には、上流側吐出部及び下流側吐出部の吐出特性を目立たせることなく良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記複数の吐出方法は、前記吐出部並設部分により印刷する領域を印刷する際に、上流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数と、下流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数との割合が相違する吐出方法を含むことが望ましい。
このような印刷装置によれば、上流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数と、下流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数との割合を相違させた吐出方法により、規則的なムラなどが発生し難くなるため各吐出部並設部分に適した割合の吐出方法を設定することにより、より良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記複数の吐出方法は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち、いずれか一方の吐出部のみからインクを吐出する吐出方法を含むことが望ましい。
このような印刷装置によれば、上流側吐出部または下流側吐出部のいずれかが、吐出部のピッチむら等を有していたとしても、吐出部並設部分にて印刷される印刷領域を、ピッチムラ等のない吐出部のみにて印刷することにより、黒スジや白スジなどによる画質の低下を抑え良好な画像を印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記印刷ヘッドは、各々取り外し可能であることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、印刷ヘッドが取り外した後に再度取り付けると、取り付け誤差等が生じる畏れがあり、生じた誤差等により吐出部並設部が有する上流側吐出部及び下流側吐出部の状態が変更されてしまっても、印刷ヘッド再度取り付けた状態に応じて吐出方法を設定することが可能である。このため、上記印刷装置は、印刷ヘッドが取り外し可能な印刷装置にて、特に優れた効果を奏するものである。
かかる印刷装置において、前記複数のインク吐出部は、複数色のインクを吐出可能であり、前記吐出部列毎に吐出するインクの色が設定されていることが望ましい。
カラー画像は、複数色のインクにてそれぞれ形成される単色画像を重ねることにより印刷されるが、上記印刷装置によれば、吐出部並設部にて印刷する際のインク滴の吐出方法をインク色毎に設定できるため、各色の単色画像を良好に印刷することが可能であり、重ね合わされたカラー画像も、白スジ、黒スジや、ドットによるざらつきが発生しにくく画質の低下を抑え、良好な画像を印刷することが可能である。
また、インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、互いに異なる前記印刷ヘッドに各々設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有するように配置されており、前記印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、前記吐出部並設部分は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法にて、インク滴を吐出可能な印刷装置において、前記印刷ヘッドは、各々取り外し可能であり、前記複数のインク吐出部は、複数色のインクを吐出可能であり、前記吐出部列毎に吐出するインクの色が設定されており、前記複数の吐出方法は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部からそれぞれ吐出されたインク滴にて前記媒体にドットが形成され、前記吐出部並設部分により印刷する領域を印刷する際に、前記上流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数と、前記下流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数との割合が相違する吐出方法と、前記複数の吐出方法は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち、いずれか一方の吐出部のみからインクを吐出する吐出方法とを含み、前記吐出部並設部分におけるインク滴の吐出方法を、当該吐出部並設部分の並設された吐出部の数と、前記複数の吐出方法にて中間調の領域を含む画像を印刷した結果とに基づいて、前記吐出部並設部分ごとに、前記複数の吐出方法のうち一の吐出方法に設定することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、既述のすべての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、互いに異なる前記印刷ヘッドに各々設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有するように配置されており、前記印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、前記吐出部並設部分は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法にて、インク滴を吐出可能な印刷装置に、前記吐出部並設部分ごとに設定された、前記複数の吐出方法のうち一の吐出方法にて、前記吐出部並設部分からインク滴を吐出させる機能を実現するためのコンピュータプログラムも実現可能である。
また、コンピュータ本体、及び、このコンピュータ本体に接続され、インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、互いに異なる前記印刷ヘッドに各々設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有するように配置されており、前記印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、前記吐出部並設部分は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法にて、インク滴を吐出可能な印刷装置、を有する印刷システムにおいて、前記吐出部並設部分におけるインク滴の吐出方法を、前記吐出部並設部分ごとに、前記複数の吐出方法のうち一の吐出方法に設定可能であることを特徴とする印刷システムも実現可能である。
また、インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する少なくとも2つの印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、互いに異なる前記印刷ヘッドの各々に設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶように配置された複数の吐出部並設部分ごとに、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法のうち一の吐出方法に設定するステップと、設定された吐出方法に基づいて、前記吐出部並設部分からインク滴を吐出するステップと、を有することを特徴とするインク滴の吐出方法も実現可能である。
===印刷装置の全体構成===
図1は、本発明にかかる印刷装置としてのインクジェットプリンタの構成の概略を示す斜視図、図2は、インクジェットプリンタが有する印刷部の構成の概略を示す説明図、図3は、印刷部を説明するための断面図である。
本発明にかかる印刷装置としてのインクジェットプリンタ(以下、プリンタという)20は、例えばJIS規格のA列0番用紙やB列0番用紙やロール紙といった比較的大型の印刷用紙Pに対応したプリンタである。プリンタ20は、インクを吐出して印刷用紙Pに印刷する印刷部22と、印刷用紙Pを搬送するための印刷用紙搬送部21とに大別される。以下で各部について説明する。
===印刷部===
印刷部22は、複数の印刷ヘッド28を保持するキャリッジ30と、このキャリッジ30を、前記印刷用紙Pの搬送方向とほぼ直交する方向(以下、キャリッジ移動方向または左右方向ともいう)に往復移動可能に案内するための上下一対のガイドレール11と、前記キャリッジ30を往復移動させるためのキャリッジモータ12と、キャリッジモータ12の動力を伝達しキャリッジ30を往復移動させるための駆動ベルト13とを備えている。
ガイドレール11は、キャリッジ移動方向に沿って2本設けられ、搬送方向に互いに間隔を隔てて上下に配置され、左右の両端部側にて基台となるフレーム(図示せず)により支持されている。このとき、2本のガイドレール11は、下側のガイドレール11bが上側のガイドレール11aより手前に配置されている。このため、これら2本のガイドレール11a,11bに架け渡されるように配置されるキャリッジ30は、上部が後方に位置するように傾斜した状態にて移動する。
駆動ベルト13は、金属製の帯状体であり、上下のガイドレール11a,11bの中間位置にて、ガイドレール11a,11bの長さとほぼ等しい間隔を隔てて配置された2つのプーリ44a,44bに架け渡されている。これらプーリ44a,44bのうち一方のプーリ44bはキャリッジモータ12の軸に固定されている。この駆動ベルト13は、キャリッジ30の左端縁および右端縁にそれぞれ固定されている。
キャリッジ30には複数色のインクをそれぞれ吐出するための20個の印刷ヘッド28が設けられている。各印刷ヘッド28は同色のインクを吐出する複数のノズルnが列状に配置されたインク吐出部としてのノズル列を有し、後述する駆動制御部330(図7参照)に制御されて所定のノズルnからインクを吐出する。印刷ヘッド28及びノズルnの配列については後述する。また、キャリッジ30には、搭載された20個の印刷ヘッド28に、各印刷ヘッド28にて吐出するインクを一時的に貯留する複数のサブタンク3が搭載されている。キャリッジ30のキャリッジ移動方向の移動範囲の外側には、サブタンク3にインクを供給するためのメインタンク9が設けられている。
また、キャリッジ30は、図3に示すように2段のサブタンク用プレート30A、30Bを備えている。サブタンク用プレート30A、30B上には、それぞれ複数のサブタンク3が搭載されている。各サブタンク3は、バルブ4を経由して印刷ヘッド28の各々に接続されている。また、サブタンク3は、インク供給路14(図2)によってメインタンク9に接続されている。メインタンク9は、印刷ヘッド28から吐出するブラックK、シアンC、淡シアンLC、マゼンタM、淡マゼンタLM、イエロYの6種類のインクを格納している。
この実施の形態では、ブラックK、シアンC、淡シアンLC、マゼンタM、淡マゼンタLM、イエロYの6色のインクのサブタンク3a〜3fが設けられている。これらの6つのサブタンク3a〜3fは、対応する6つのメインタンク9a〜9fにそれぞれ接続されている。但し、利用可能なインクは6色に限らず、4色のインク(例えば、ブラックK、シアンC、マゼンタM、イエロY)や、7色のインク(例えば、ブラックK、淡ブラックLK、シアンC、淡シアンLC、マゼンタM、淡マゼンタLM、イエロY)等、上記の例に限ることなく利用することができる。
プリンタ20は、キャリッジ30がキャリッジモータ12により駆動される駆動ベルト13に牽引されて、ガイドレール11に沿ってキャリッジ移動方向に移動し、このキャリッジ30に備えられた20個の印刷ヘッド28からインクを吐出することにより、印刷用紙搬送部21により搬送された印刷用紙Pに印刷する。
===ノズル及び印刷ヘッドの配置===
図4は1つの印刷ヘッド28の下面におけるノズルの配置を説明するための図である。印刷ヘッド28の下面には、180個のノズルnが印刷用紙Pの搬送方向に列状に配置されたノズル列が、吐出するインク色毎に設けられている。各インク色のノズル列、すなわちブラックノズル列K、シアンノズル列C、淡シアンノズル列LC、マゼンタノズル列M、淡マゼンタノズル列LM、イエロノズル列Yは、ガイドレール11に沿う方向に間隔を隔てて並べて配置されている。各ノズルnには、各々のノズルnからインクを吐出するための駆動素子としてピエゾ素子が設けられている。
図5は、キャリッジ30を矢印A(図3)の方向から見た図である。当然のことながら図5に示す左右の方向は図1に示す左右の方向とは逆方向となる。キャリッジ30は、20個の印刷ヘッド28a,28b,・・・,28tから構成される印刷ヘッド群27を備えている。20個の印刷ヘッド28は、印刷用紙Pの搬送方向に沿って、互いに間隔を隔てて5個ずつ配置された印刷ヘッド列が、キャリッジ移動方向に沿って4列並べられている。
そして、図5に示すように、各印刷ヘッド列の最上位置に位置する4つの印刷ヘッド28a,28f,28k、28pでは、図5における最も右に位置する印刷ヘッド28aが最も上側に位置し、右から3列目の最上位置の印刷ヘッド28kが上から2番目に位置し、右から2列目の最上位置の印刷ヘッド28fが上から3番目に位置し、最も左に位置する列の最上位置の印刷ヘッド28pが上から4番目に位置している。
図6は、搬送方向に隣接する印刷ヘッドが有するノズル列の配置を説明するための図である。
図示するように、印刷用紙Pの搬送方向に沿って配置された20個の印刷ヘッドにおいて、搬送方向に互いに隣接する2つの印刷ヘッド28が有する例えば180個のノズルnは、理想的に製造、及び、組み立てられた場合には、それぞれ10個のノズルnが、キャリッジ30の移動方向に並設される。図6において、最上に位置する印刷ヘッド28aが搬送方向の最下流側に位置する印刷ヘッドであり、最下に位置する印刷ヘッド28tが搬送方向の最上流側に位置する印刷ヘッドである。そして、搬送方向に沿って配置されて隣接する各々2つの印刷ヘッドでは、搬送方向下流側に位置する一方の印刷ヘッドが有するノズル列のうち上流側に位置する10個の上流側吐出部としての上流側ノズルnと、搬送方向上流側に位置する他方の印刷ヘッドが有するノズル列のうち下流側に位置する10個の下流側吐出部としての下流側ノズルnとは、キャリッジ30の移動方向に並べて配置されている。例えば、最も下流側に位置する印刷ヘッド28aの上流側に位置する10個の上流側ノズルと、上から2番目に位置する印刷ヘッド28kの下流側に位置する10個の下流側ノズルとは、キャリッジ30の移動方向に並べて配置されている。以下、上から2番目の印刷ヘッド28kと3番目の印刷ヘッド28f、及び、3番目の印刷ヘッド28fと4番目の印刷ヘッド28pというように搬送方向に隣接する各々2つの印刷ヘッド28同士も、下流側に位置する印刷ヘッドの上流側に位置する10個の上流側ノズルと、上流側に位置する印刷ヘッド28の下流側に位置する10個の下流側ノズルとは、キャリッジ30の移動方向に並べて配置されている。
このように、隣接して異なる印刷ヘッド28のノズルnがキャリッジ30の移動方向に並べて配置されている部位を、以下ノズル並設部分(吐出部並設部分)という。また、以下の説明では、隣接して互いに異なる印刷ヘッド28に設けられた同色のインク滴を吐出するノズルnがキャリッジ30の移動方向に並べて配置されている部位を、ノズル並設部分(吐出部並設部分)ともいう。
===印刷用紙搬送部===
印刷用紙Pを搬送するための印刷用紙搬送部21は、前記2本のガイドレール11の背面側に設けられている。そして、この印刷用紙搬送部21は、下側ガイドレール11bより下方にて印刷用紙Pを回動自在に保持する用紙保持部15と、上側のガイドレール11aより上方にて印刷用紙Pを搬送する用紙搬送ホルダ16と、それら用紙保持部15と用紙搬送ホルダ16との間にて搬送される印刷用紙Pが沿わされるプラテン17とを有している。
プラテン17は、搬送される印刷用紙Pの全幅に亘る平面を有している。そして、この平面は、搬送方向に搬送される印刷用紙Pを同方向に沿わせて支持する支持面として機能する。
用紙保持部15は、印刷用紙Pを回転自在に保持するホルダ15aを備えている。このホルダ15aは、印刷用紙Pを保持した状態で回動軸となる軸体15bを有し、その軸体15bの両端部には、供給する印刷用紙Pの蛇行や斜行を防止するためのガイド円盤15cがそれぞれ設けられている。
用紙搬送ホルダ16は、印刷用紙Pを搬送するための搬送ローラ16aと、これと対向して配置され搬送ローラ16aとの間に印刷用紙Pを挟持する挟持ローラ16bと、搬送ローラ16aを回動させるための搬送モータ18とを備えている。搬送モータ18の軸には駆動ギア18aが、搬送ローラ16aの軸には駆動ギア18aと噛み合う中継ギア18bがそれぞれ設けられ、搬送モータ18の動力は、駆動ギア18aと中継ギア18bとを介して搬送ローラ16aに伝達される。すなわち、ホルダ15aに保持された印刷用紙Pは、搬送ローラ16aと挟持ローラ16bとの間に挟持され、プラテン17に沿わされて搬送モータ18によって搬送される。
===プリンタの制御部===
図7は、プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
プリンタ20には、1つの主制御部310、キャリッジ30上の複数の印刷ヘッド28にそれぞれ対応する複数のデータ処理部320、プリンタ20が接続されたコンピュータから入力された画像データをプリンタ20にて印刷可能な印刷データに変換する画像処理部350、キャリッジモータ12を駆動するためのCRモータ駆動ドライバ105、搬送モータ18を駆動するための搬送モータ駆動ドライバ106、メモリ401などが設けられている。
キャリッジ30には、各印刷ヘッド28が、それぞれ対応する駆動制御部330と1つにユニット化されている。また、プリンタ20には、各駆動制御部330と対応するデータ処理部320が設けられ、駆動制御部330と対応するデータ処理部320とは1本のフレキシブルケーブルにて接続されている。
主制御部310は、プリンタ全体の制御を行う制御回路であり、搬送方向に隣接する印刷ヘッド28においてキャリッジ30の移動方向に並設されているノズルnの数を示すノズル並設情報や、ノズル並設部分にて印刷を実行するための印刷情報等が記憶された記憶部としてのメモリ401とアクセス可能に構成されている。ノズル並設情報及び印刷情報については後述する。
データ処理部320は、プリンタ20とキャリッジ30との間の双方向通信を行うための制御回路である。駆動制御部330は、前述したように印刷ヘッド28にインクを吐出させるための制御を実行するとともに、データ処理部320と双方向通信を行うための制御回路である。
画像処理部350は、解像度変換処理部と、色変換処理部と、ハーフトーン処理部と、ラスタライズ処理部と、色変換ルックアップテーブルLUTとを有している。
===画像処理の概要===
プリンタ20は、このプリンタ20に接続されたホストコンピュータ等から供給された画像データを、画像処理部350にてプリンタ20にて印刷するための印刷データに変換する。
図8は、画像処理部にて実行される画像処理の概要を示すフローチャートである。
ホストコンピュータ等から画像処理部350に画像データが供給される(ステップS100)。供給されるデータは、例えばアプリケーションプログラムから供給されるデータであり、画像を構成する画素毎にR(レッド)・G(グリーン)・B(ブルー)それぞれの色について、0〜255の値で示された256階調を有するデータである。
供給されたRGBの画像データは、画像処理部350の解像度変換処理部にて、供給された画像データの解像度を、プリンタ20にて印刷する印刷解像度に変換される(ステップS102)。解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。
解像度変換された画像データは、色変換処理部の処理により色変換ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、画素毎にRGB画像データを、プリンタ20が利用可能な複数のインク色に対応したインク色ごとの多階調データに変換される(ステップS104)。色変換処理された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。
色変換処理されたインク色毎の多階調データは、ハーフトーン処理部にて、ディザ法等のいわゆるハーフトーン処理を実行してハーフトーン画像を2値データにて表現した2値画像データに変換される(ステップS106)。この2値画像データはドットの有無により表現された画像データである。
変換された2値画像データは、ラスタライズ処理部及びラスタロウ変換処理部によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられる。このとき、隣接して互いに異なる印刷ヘッド28に設けられた同色のインク滴を吐出するノズルがキャリッジ30の移動方向に並べて配置されているノズル並設部分にて印刷する際のインク滴の吐出方法に基づいて、ラスタライズ処理部及びラスタロウ変換処理部によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えが実行される。
データ順の並び替えは、まず、ラスタ分類処理から実行される(ステップS108)。ラスタ分類処理は、画像データを構成するラスタのそれぞれについて、キャリッジ30の何回目の移動中にいずれの印刷ヘッド28が有するどのノズル列にて形成するかを、ラスタ単位で分類していく処理である。本実施例のプリンタ20では、ラスタ分類処理によってノズル並設部分で形成するラスタを選別し、選別されたラスタは予め設定されたインク滴の吐出方法にてドットを形成するように制御している。ここで、ラスタとは、キャリッジ30を移動させつつ1つのノズルnから吐出したインク滴にて形成可能な、キャリッジ30の移動方向に沿う1ラインに相当する領域、及び、形成されたドット列を示している。ラスタ分類処理、ノズル並設部分におけるインク滴の吐出方法及びその設定方法については、後述する。
ラスタ分類処理が終了すると、ラスタライズ処理部及びラスタロウ変換処理部によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えが実行される(ステップS110)。並べ替えられた印刷データは、各印刷ヘッド28に出力され(ステップS112)、供給された印刷データに従って、ドットを形成することで印刷用紙に画像が印刷される。
===ノズル並設部分におけるインク滴の吐出方法===
図9は、キャリッジを移動したときに形成されるラスタの本数と互いの位置関係を模式的に示した図である。ここでは、説明の便宜上、4つの印刷ヘッドA〜Dにて説明する。また、各印刷ヘッド28は、6色のインクを色ごとに吐出する6列のノズル列を有しており、各ノズル列には180個のノズルnが設けられている。図中の数字は、対応する部分にて形成されるラスタの本数を示したものである。設計通りに製造、及び、組み立てられたプリンタ20は、搬送方向に隣り合う印刷ヘッドのノズル列は、搬送方向の上流側に位置する印刷ヘッドのノズル列の下流側に位置する10個のノズルnと、下流側に位置する印刷ヘッドのノズル列の上流側に位置する10個のノズルnとが、キャリッジ30の移動方向に並設されている。
カラー画像は、複数色のインクにてそれぞれ形成される単色画像を重ねることにより印刷される。すなわち、複数の印刷ヘッドを用いて1つの画像を印刷する際には、異なる印刷ヘッドに設けられた同色のインク滴を吐出するノズル列にて単色の画像が印刷されることになるため、隣接して異なる印刷ヘッドに設けられた同色のインク滴、例えばシアンインク滴を吐出する2つのシアンノズル列Cのノズル並設部分におけるインク滴の吐出方法について説明する。
キャリッジ30を移動させつつインク滴を吐出する際には、印刷ヘッドAのシアンインク滴を吐出するシアンノズル列Cが有する180個のノズルnのうち上流側ノズル10個を除く、シアンノズル列Cの単独部分の170個のノズルnにて170本のラスタが形成される。印刷ヘッドAのシアンノズル列Cと印刷ヘッドBのシアンノズル列Cとのノズル並設部分ABでは、ノズル並設部分においてキャリッジ30の移動方向に並べて配置されたノズルnのうち、実際にインク滴を吐出するノズルを適宜変更するインク滴の吐出方法にて10本分のラスタが形成される。印刷ヘッドBのシアンノズル列Cについては、両端で印刷ヘッドAのシアンノズル列Cと印刷ヘッドCのシアンノズル列Cとに重複しているので、印刷ヘッドBのシアンノズル列Cの単独部分では160本分のラスタが形成される。同様に、印刷ヘッドCのシアンノズル列Cの単独部分では160本分のラスタが、印刷ヘッドDのシアンノズル列Cの単独部分では170本分のラスタが形成され、それぞれのノズル並設部分BC,CDでは各々10本分のラスタが形成される。
図9では、各々180個のノズルnを有する4つの印刷ヘッドが上述したように配列されているので、キャリッジ30は690個のノズルnを備えた大型の印刷ヘッドとして機能する。
図10は、印刷用紙を搬送させながらラスタを形成していく様子を概念的に表した説明図である。図10の左側には印刷用紙を搬送する前と後での各印刷ヘッドの位置を示し、それぞれの印刷ヘッドの右側には、キャリッジ30の移動時にラスタ群が形成される領域を、ハッチングを施して模式的に表示している。
キャリッジ30を移動する度に、印刷ヘッドA〜Dがそれぞれ単独でラスタを形成する領域と、それら領域の間に2つの印刷ヘッドが重複してラスタを形成する領域とが現れる。図中で「a1」と表示した領域は1回目の移動にて印刷ヘッドAの単独部分によりラスタが形成される領域であり、「b1」と表示した領域は1回目の移動にて印刷ヘッドBの単独部分によりラスタが形成される領域である。また、「ab1」と表示した領域は1回目の移動にて2つの印刷ヘッドAと印刷ヘッドBとのノズル並設部分ABを用いてラスタが形成される領域であることを示している。
また、1回目のキャリッジ30の移動時に印刷ヘッドDで形成された領域と、2回目の移動時に印刷ヘッドAで形成される領域との繋ぎ目部分が目立ち、印刷画質を悪化させることのないよう、この部分でも印刷ヘッドDの上流側ノズルと印刷ヘッドAの下流側ノズルとを用いてラスタを形成する。つまり、図9で示したように、キャリッジは690個のノズルnを備えた大型ヘッドとして機能するが、キャリッジの1回目の移動時における印刷ヘッドDの10個の上流側ノズルと、2回目の移動時における印刷ヘッドAの10個の下流側ノズルとが重複するように、1回あたりの印刷用紙の搬送量をラスタ680本分としている。図中で「da2」と表示している領域は、1回目の移動時の印刷ヘッドDと2回目の移動時の印刷ヘッドAとの2つの印刷ヘッドを用いてラスタが形成される領域であることを示している。
本実施例のプリンタ20では、印刷ヘッド等が理想的に製造、及び、組み立てられていれば、キャリッジ30を、このようにしてラスタ680本分ずつ印刷用紙を搬送しながらラスタを形成していく。その結果、図10に示すように印刷ヘッドA,B,C,Dがそれぞれ単独部分にてラスタを形成する領域と、それら領域の間で2つの印刷ヘッドのノズル並設部分を用いてラスタを形成する領域とが、ちょうどラスタ680本分を周期として繰り返して形成されることになる。従って画像を印刷するためには、図8の画像処理(テステップS102〜ステップS112)でドットの有無による表現に変換された2値化データを、キャリッジの移動方向の位置に合わせながら、適切なタイミングで各々の印刷ヘッドに供給しなければならない。
ここまでは、印刷ヘッド等が理想的に製造、及び、組み立てられたプリンタについて説明してきたが、1つのキャリッジに複数の印刷ヘッドが取り付けられている場合には、必ずしも理想的に取り付けられているとは限らない。例えば、複数の印刷ヘッドのうち、いくつかの印刷ヘッドが傾いて取り付けられてしまう場合などがある。
図11は、搬送方向に隣接する2つの印刷ヘッドのうち、一方の印刷ヘッドが傾いた状態にて取り付けられた場合のノズル並設部分を説明するための図である。図11では印刷ヘッドAが理想的に組み付けられており、印刷ヘッドBが傾いた状態にて組み付けられている。このため、搬送方向に隣接する2つの印刷ヘッドの同色のインク滴を吐出するノズル列においてキャリッジの移動方向に並設されているノズルの数、すなわち、ノズル並設部分の並設されたノズルnの数は、ノズル列毎に相違する場合がある。このため、本実施形態のプリンタでは、各色のノズル列における各ノズル並設部にて、並設されているノズルnの数を、製造工程等にて予め確認し、制御部が有するメモリ401に各色のノズル列におけるノズル並設部毎に対応付けて記憶しておく。
ノズル並設部分の並設されたノズルnの数の確認は、例えば実際に各ノズル列からインク滴を吐出させて形成した印刷パターンを目視して行う。図12は、ノズル並設部分の並設されたノズルnの数を確認するための印刷パターンを説明するための図である。この印刷パターンは、例えば、搬送方向に隣接する2つの印刷ヘッドのうち、搬送方向下流側に位置する印刷ヘッドAの上流側ノズルを含む15個のノズルnと、上流側に位置する印刷ヘッドBの下流側ノズルを含む15個のノズルnと、を用いて、キャリッジ30を移動させつつ、約20mm移動する間だけ、タイミングを違えてそれぞれインク滴を吐出させることにより、それぞれ15本のラインを印刷させたパターンである。図中、各ラインの横に記載した数字は、説明のために各々のラインを形成するためにインク滴を吐出したノズルの番号を示しており、実際には印刷されない。図12の例では、このノズル並設部分には、8個のノズルnが並設されていることが確認され、このパターンを印刷したノズルに含まれるノズル並設部分に対応させて、並設されているノズル数を示す情報がメモリ401に記憶しておく。
図13は、メモリに記憶されるノズル並設部分の並設されたノズルの数を示す概念図である。図13は、上述したキャリッジに4つの印刷ヘッドが搭載されている例であり、印刷ヘッドBが傾いた状態にて取り付けられている場合である。図示するように、ノズル並設部分と吐出するインクの色、すなわちノズル列に対応付けられて記憶されている。図13は印刷ヘッドBが傾いた状態にて取り付けられている場合を示しているが、例えば印刷ヘッドBが傾くことなく、搬送方向のずれた位置に組み付けられる場合もある。この場合には、ノズル並設部分の並設されたノズルnの数が、各ノズル列とも同じ数となる。すなわち、搬送方向下流側にずれて組み付けられていた場合には、ノズル並設部分ABの並設されたノズル数は、各ノズル列とも「11」「12」等、「10」より大きな数字が記憶され、搬送方向上流側にずれて組み付けられていた場合には、ノズル並設部分ABの並設されたノズル数は、各ノズル列とも「9」「8」等、「10」より小さな数字が記憶されることになる。
このため、図8のラスタ分類処理(ステップS108)では、まず、メモリ401に記憶されている、ノズル並設部分の並設されたノズルnの数を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、画像処理後の2値化データを構成する各ラスタについて、どの印刷ヘッドに何回目の移動のタイミングにて供給すればよいかを次のようにして判断している。
===ラスタ分類処理===
図14は、ラスタ分類処理の流れを示すフローチャートであり、図15はキャリッジを移動させつつ印刷用紙上に画像を形成していく様子を概念的に表した図である。図15の破線で囲った領域がキャリッジによってラスタが形成されていく領域である。ここでも上述したようにキャリッジは4つの印刷ヘッドを有している例にて説明し、キャリッジの1回の移動毎に680本のラスタを形成していくこととする。
以下、本実施例のプリンタ20にて実行するラスタ分類処理について、図14および図15を参照しながら説明する。ラスタ分類処理は、吐出するインクの色ごとに実行するが、処理内容はいずれのインク色であっても同様である。ここではシアンインクを吐出するノズルについて説明する。
ラスタ分類処理では、最初にメモリ401に記憶されているノズル並設部分の並設されたノズルの数を示す情報を取得する(ステップS200)。このとき、図13の例では、ノズル並設部分ABの並設されたノズルの数が「7」、ノズル並設部分BCの並設されたノズルの数が「13」、ノズル並設部分CDの並設されたノズルの数が「10」、ノズル並設部分DAの並設されたノズルの数が「10」であることを示す情報が取得される。
次に、判断の対象とするラスタ(着目ラスタ)のラスタ番号LNを取得する(ステップS201)。ラスタ番号LNとは、印刷範囲の中でのラスタの位置を示す番号であり、図15に示すように印刷領域の上端からそのラスタが何番目にあるかを示す値である。
次いで、着目ラスタをキャリッジの何回目の移動にて形成するか、すなわち着目ラスタを形成する移動時期MN を算出する(ステップS202)。図15に示すように、印刷ヘッドは1回の移動毎に680本のラスタを形成するから、着目ラスタを形成する移動時期MNは次式によって求めることができる。
MN =int(LN/680)+1 ・・・(1)
ここで、int(A)とはAの整数部分を出力する演算子である。
例えば、着目ラスタのラスタ番号LN=170とすると、(1)式は、
MN =int(170/680)+1=0+1=1
となるから、ラスタ番号170のラスタはキャリッジの1回目の移動にて形成されるラスタであることが分かる。
こうして移動時期MNを算出すると、次は着目ラスタを形成する印刷ヘッドを判断する。そのための準備としてヘッドオフセットHOFを算出する(ステップS204)。
ヘッドオフセットHOFは次式を用いて算出する。
HOF=LN−680×(MN−1) ・・・(2)
ヘッドオフセットHOFとは、上式から分かるように、着目ラスタをキャリッジの最上部から何番目のラスタとして形成するかを示す値である。図15に示す例では、着目ラスタは4回目の移動にて形成されているから、(2)式から、(LN−680×3)番目のラスタとして形成されることになる。
ヘッドオフセットHOFが求まると、これを基に着目ラスタを形成する印刷ヘッド番号NZUを算出する(ステップS206)。図15に示すように、キャリッジを構成する4つの印刷ヘッドには、順番に1〜4の番号がつけられており、この番号が印刷ヘッド番号である。印刷ヘッド番号NZUは、次式を用いて算出する。
NZU=int(HOF/170)+1・・・(3)
つまりキャリッジは印刷ヘッド番号1〜4の4つの印刷ヘッドで構成されているから、キャリッジが1回の移動で形成する680本分のラスタを4等分して、各領域の170本分のラスタをそれぞれの印刷ヘッドが形成すると考えることができる。もちろん、印刷ヘッドのノズル並設部分では2つの印刷ヘッドを用いてラスタを形成しているので、ヘッドオフセットHOFのみから印刷ヘッドを選択することはできないが、これについては後から修正すればよい。
以上の処理を行うことによって、着目ラスタについての移動時期MNと印刷ヘッド番号NZUが決定されたら、それを着目ラスタの移動時期MNおよび印刷ヘッド番号NZUとして一旦記憶し(ステップS208)、印刷ヘッドのノズル並設部分に対応するラスタについては、次のようにして修正する。
ノズル並設部分の修正を行う準備として、先ず、着目ラスタについてのノズル列オフセットNOFを算出する(ステップS210)。ノズル列オフセットNOFとは次のような値である。前述したように、キャリッジの1回の移動にて形成される680本のラスタは310本ずつ、4つの印刷ヘッドにて形成されると考えることができるが、印刷ヘッド等が理想的に製造、組み立てられたプリンタでは、各ノズル列の上部、搬送方向下流側から10ラスタは他の印刷ヘッドにて形成されるドットが混在して形成されている。そこで、着目ラスタが各ノズル列の下流側から何番目に相当するかを知る必要がある。各ノズル列の下流側から何番目に相当するかを示す値を、ノズル列オフセットNOFと呼ぶ。
NOFは次式によって求めることができる。
NOF=HOF−int(HOF/170)×170・・・(4)
(4)式によりユニットオフセットNOFを求めたら、この値が10以下か否かを判断する(ステップS212)。つまり、印刷ヘッド等が理想的に製造、組み立てられたプリンタでは、NOFの値が10以上となるラスタは単独の印刷ヘッドでラスタを形成しているので、選択した印刷ヘッドを修正する必要はない。しかし、NOFが10以下のラスタは複数の印刷ヘッドを用いてラスタを形成しているので、先に選択した印刷ヘッドを再度修正する必要がある。そこで、ステップS212では、NOFの値が10以下か否かを判断している。すなわち、この判定基準値は、各ノズル並設部分にて並設されているノズルの数となる。
例えば、ノズル並設部分にて並設されているノズルの数が「10」でない場合、図13に示す情報により、シアンインクを吐出するノズルにおいては、ノズル並設部分ABでは7個のノズルが、ノズル並設部分BCでは13個のノズルが、ノズル並設部分CDでは10個のノズルが、ノズル並設部分DAでは10個のノズルが、並設されている情報が取得され、取得されたノズル数を示す情報が判定基準値となる。
ノズル列オフセットNOFの値が判定基準値以下と判断された場合は、選択した印刷ヘッドの修正を行うが、その前に、印刷ヘッド番号NZUが1番であるか否かを判断しておく(ステップS214)。これは次の理由による。図15に示すように、NZUが1番の印刷ヘッドはキャリッジの前回の移動のNZU4番の印刷ヘッドと混在してラスタを形成している。従ってNZUが1番の場合は、選択した印刷ヘッドだけでなく移動時期も修正しなければならないので、初めにNZUが1番であるか否かを判断しておくのである。また、ステップS212において、ノズル列オフセットNOFの値が判定基準値より大きいと判断された場合は、ステップS208で求められた移動時期MNおよび印刷ヘッド番号NZUを採用する。
選択した印刷ヘッドの修正は、着目ラスタを構成する偶数番目のドットのみ修正する。こうすることで、奇数番目のドットは先に選択していた印刷ヘッドで形成され、偶数番目のドットは修正した印刷ヘッドで形成されることになり、2つの印刷ヘッドで交互にドットが形成される。ここで、着目ラスタを構成する偶数番目のドットのみ修正する方法を示したが、これは、後述するノズル並設部分のインク滴の吐出方法として、2つの印刷ヘッドの上流側ノズルと下流側ノズルとにて交互にドットを形成するインク滴の吐出方法を設定した場合であり、他のインク滴の吐出方法を設定した場合には、適宜修正される。
ステップS214でノズル番号NZUが1番と判断されていた場合、着目ラスタを構成する全ドットについて、偶数番目のドットか否かを判断し(ステップS216)、偶数番目のドットについては移動時期を1つ前の移動時期に、印刷ヘッド番号は1番から4番に修正する(ステップS218)。奇数番目のドットについては修正せず、ステップS208で記憶した値を採用する。
ステップS214でノズル番号NZUが1番ではない場合についてもほぼ同様に、着目ラスタを構成する全ドットについて、偶数番目のドットか否かを判断し(ステップS220)、偶数番目のドットについては印刷ヘッド番号NZUを1つ前の番号に修正する(ステップS222)。奇数番目のドットについては修正せず、ステップS208で記憶した値を採用する。
以上のようにして、印刷ヘッドのノズル並設部分での修正も終了すると、全てのラスタについて処理を終了したかどうかを判断し(ステップS226)、未処理のラスタが残っている場合は、ステップS201に戻って続く一連の処理を行う。こうして全てのラスタについて、移動時期と印刷ヘッドを決定したら、ラスタ分類処理を終了して、図8の印刷処理ルーチンに戻り、ラスタ分類処理で決定したタイミングで各印刷ヘッドに印刷データを出力する。
===ノズル並設部分によるインク滴の吐出方法===
プリンタ20を用いて、所謂バンド送り方式にて印刷する際のインク滴の吐出方法について説明する。本実施例のプリンタ20では、キャリッジは20個の印刷ヘッドで構成され、各印刷ヘッドには180個のノズルが設けられているが、紙面に表現する都合からキャリッジは2つの印刷ヘッドにて構成されているものとし、印刷ヘッドあたりのノズル数や印刷ヘッドのノズル並設部分の長さも実際より短いものとして表現している。
<第1のインク滴の吐出方法>
図16は第1のインク滴の吐出方法にて印刷される画像を説明するための図である。
第1のインク滴の吐出方法は、印刷ヘッドのノズル並設部分にて、並設された異なる印刷ヘッドのノズルのうち、いずれかの印刷ヘッドのノズルのみを用いて印刷する例を示している。図16の場合では、印刷ヘッドAと印刷ヘッドBとにてそれぞれ印刷される領域の境界部分は、ノズル並設部分に設けられた印刷ヘッドAのノズルからインク滴を吐出している。このインク吐出方法にて印刷された画像では、各印刷ヘッドにて印刷された領域の境界を明確に分かれている。このため、複数の印刷ヘッドにて構成されたキャリッジでは、インク吐出特性が印刷ヘッド間で若干異なっていると繋ぎ目部分で画質が悪化する場合がある。ところが、いずれかの印刷ヘッドのノズル並設部分に、特異なインク吐出特性を有するノズルや、インク滴の軌道が他のノズルと相違するノズルが含まれていた場合には、他の印刷ヘッドのノズルを用いて境界部分を印刷した方が良好な画像が得られる場合がある。
<第2のインク滴の吐出方法>
図17は第2のインク滴の吐出方法にて印刷される画像を説明するための図である。
第2のインク滴の吐出方法では、印刷ヘッドのノズル並設部分にて印刷されるラスタを、並設された異なる印刷ヘッドのノズルのうち、いずれか一方を択一的に選択し、交互にインク滴を吐出してドットを形成する。このとき、ノズル並設部分にて印刷される複数のラスタにおいて用紙の搬送方向に沿って並ぶドットは、同一の印刷ヘッドに設けられたノズルからインク滴を吐出して印刷する。すなわち、ノズル並設部分にて印刷された部分に注目すると、異なる印刷ヘッドのノズルにて形成され搬送方向に沿ったドット列が交互に配置されることになる。第2のインク滴の吐出方法にて印刷すると、第1のインク滴の吐出方法にて印刷された画像に対し、印刷された領域間の境界が目立ちにくくなっている。従って、隣接する印刷ヘッドのインク吐出特性が若干異なっていても、異なる印刷ヘッドにて印刷された領域の繋ぎ目部分が目立ち難いので、画質の悪化を抑えることが可能である。しかしながら、印刷ヘッドのノズル並設部分で、同じ印刷ヘッドで形成されるドットが縦に並んでいるため、この部分に画像の濃淡などの特徴的な周期が認識されて、画質が低下する場合もある。
<第3のインク滴の吐出方法>
図18は第3のインク滴吐出方法にて印刷される画像を説明するための図である。
第2のインク滴の吐出方法では、ノズル並設部分にて印刷される複数のラスタの用紙の搬送方向に沿って並ぶドットを、同一の印刷ヘッドのノズルとしたが、第3のインク滴の吐出方法は、隣接するラスタにて搬送方向に並ぶドットを異なる印刷ヘッドのノズルからインク滴を吐出して印刷する。すなわち、ノズル並設部分にて印刷された部分を見ると、用紙の搬送方向においても、キャリッジの移動方向においても隣接するドットが、異なる印刷ヘッドのノズルにて形成されることになる。この場合には、ラスタ分散処理の概要は次のようなものになる。すなわち、図14に示したフローチャートでは、着目ラスタを構成している偶数番目のドットを修正しているが、着目ラスタのユニットオフセットNOFが奇数の場合は偶数番目のドットを修正し、NOFが偶数の場合は奇数番目のドットを修正すれば、ほぼ図14と同様の処理を行うことによって実現することができる。
<第4のインク滴の吐出方法>
図19は第4のインク滴の吐出方法にて印刷される画像を説明するための図である。
第3のインク滴の吐出方法では、用紙搬送方向に同じ印刷ヘッドのドットが並ぶことはないが、2種類のドットが一定のパターンで形成されることになる。すなわち、ノズル並設部分に、インク吐出特性が異なるノズルや、インク滴の軌道が他のノズルと相違するノズルが含まれている場合には、そのノズルの影響が周期的に現れる可能性がある。このため、第4のインク滴の吐出方法では、所定のノズルによる画像への影響を抑えるために、印刷ヘッドのノズル並設部分のドットを修正する処理において、乱数を発生させ、乱数の値が所定の閾値より大きくなるか否か等によって、修正するドットをランダムに選択している。第4のインク滴の吐出方法によればドットが一定のパターンで形成されることがなくなることにより、所定のノズルによる画像への影響により生じる画質の悪化を抑えることが可能である。
<第5のインク滴の吐出方法>
図20は第5のインク滴の吐出方法にて印刷される画像を説明するための図である。
第5のインク滴の吐出方法では、印刷ヘッドのノズル並設部分にて、2つの印刷ヘッドにて形成されるドットを均一に発生させるのではなく、形成される割合を滑らかに変化させている。
図20に示した例では、印刷ヘッドAと印刷ヘッドBとが重複している部分はラスタ4本分としている。このため、全ドットが印刷ヘッドAで形成されている領域から全ドットが印刷ヘッドBで形成されている領域に、各印刷ヘッドにて形成されるドットの割合が4つの段階を経て移り変わるようにする。すなわち、印刷ヘッドのノズル並設部分にて印刷されるラスタの中で、印刷ヘッドBの端部にあるラスタについては、20%のドットを印刷ヘッドAのドットで置き換える。印刷ヘッドBの端部から2番目のラスタについては、40%のドットを印刷ヘッドAのドットで置き換える。同端部から3番目のラスタについては60%のドットを、更に同端部から4番目のラスタ、すなわち印刷ヘッドAの端部にあるラスタについては80%のドットを、印刷ヘッドAのドットで置き換えていく。こうして端部から5番目のラスタでちょうど全てのドットが印刷ヘッドAで形成されるように、ノズル並設部分のドットの形成割合をなめらかに変化させていくのである。このように、印刷ヘッドのノズル並設部分において、端部までの距離が大きくなるほど、その印刷ヘッドのドットの形成割合を大きくしていけば、ノズル並設部分での印刷ヘッドの繋ぎ目を、更に目立たなくすることができる。図14に示すフローチャートでは着目ラスタの偶数番目のドットを修正しているが、ノズル列オフセットNOFの値に応じて、修正するドットを徐々に増加させるようにすれば良い。
以上、各種のインクの吐出方法例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。
===各ノズル並設部分におけるインク滴の吐出方法の設定===
ノズル並設部分におけるインク滴の吐出方法の例として、5つのインク滴の吐出方法について説明したが、ノズル並設部分に形成されているすべてのノズルが理想的に形成及び配置され、理想的にインク滴が吐出された場合には、上記第5吐出方法にて印刷するとより良好な画像を印刷することが可能である。しかしながら、個々のノズルによるインク滴の吐出特性や精度誤差等により、各々の印刷ヘッドから理想的にインク滴が吐出されず、良好な画像を印刷できない場合がある。また、例えば、印刷ヘッドが傾いた状態にて取り付けられると、前述したように隣接する2つの印刷ヘッド間において、各色のインクを吐出するノズル列毎にノズル並設部分が有するノズル数が異なる場合がある。この場合には、ノズル並設部分の一方のノズル列からは、本来インクを吐出すべきノズルではないノズルから吐出されたインクにてラスタが形成されるため、色ズレ等が生じ、良好な画像を印刷することができない畏れがある。
このため、より良好な画像を印刷するために、各インク色の単色画像を形成する際に、各ノズル列のノズル並設部分においていずれの吐出方法にて印刷すべきかは、実際に印刷した画像を用いて判定する。すなわち、各ノズル並設部分にて実際に画像を印刷し、各々のノズル並設部分にて良好な画像が印刷された吐出方法を選択し、その吐出方法を当該ノズル並設部分にて印刷するインク滴の吐出方法としてノズル列毎に設定しておく。
このとき印刷する画像としては、画質を低下させる原因となる現象が発生しやすいパターンが配置された画像とすることが望ましい。望ましいパターンとしては、例えば、いずれかのノズルから吐出したインク滴にて形成されたドットが印刷用紙の搬送方向にずれて形成された場合に発生する白スジ又は黒スジを確認するためのパターンとしては、各インク色のグラデーションにて印刷された帯状の画像が搬送方向に配置される画像である。また、ドットの形成される位置がずれることにより、画像を形成するドットによる画像のざらつき、すなわち画像上にてドットの外形形状が目立つ所謂粒状性を確認するためのパターンとしては、小径のドットにて印刷され、単位面積あたりに吐出されるインクの量が少ない中間調の画像である。
これらの画像を、各ノズル並設部分にて印刷される領域と、ノズル並設部分を構成する2つの印刷ヘッドの単独部分とにて各々印刷される領域とが繋がるように、各ノズル並設部分毎に吐出方法を違えて印刷する。例えば、図10に示した印刷ヘッドAにて印刷した領域a1、印刷ヘッドA及び印刷ヘッドBのノズル並設部分ABにて印刷した領域ab1、印刷ヘッドBにて印刷した領域b1、が印刷用紙の搬送方向に繋がって配置されるように、各インク吐出方法にて同色のインクを吐出するノズル列毎に印刷する。また、印刷ヘッドBと印刷ヘッドC、印刷ヘッドCと印刷ヘッドD、印刷用紙の搬送を挟んで、印刷ヘッドDと印刷ヘッドAについても同様である。
そして、印刷した画像に基づいて、各ノズル並設部分にて最も良好な画質にて印刷された画像を選択し、その画像を印刷したインク滴の吐出方法を当該ノズル並設部分のインク滴の吐出方法として設定しておく。
図21は、各インク色のノズル列のノズル並設部分のインクの吐出方法としてメモリに記憶されている情報を示す図である。
例えば、印刷ヘッド及びノズルが理想的に形成及び配置されている場合には、印刷ヘッドAと印刷ヘッドBとが有する各ノズル列の各ノズル並設部分AB、BC,CD,DAはいずれも第5のインク滴の吐出方法に設定されて、その情報がメモリに記憶されている。
上述したような印刷ヘッドBが傾いて取り付けられている場合には、例えばブラックノズル列Kのノズル並設部分ABは第3のインク滴の吐出方法、ノズル並設部分BCは第1のインク滴の吐出方法、ノズル並設部分CDは第5のインク滴の吐出方法、ノズル並設部分DAは第5のインク滴の吐出方法、にて印刷するように設定され、その情報がメモリ401に記憶される。また、シアンノズル列Cのノズル並設部分ABは第4のインク滴の吐出方法、ノズル並設部分BCは第2のインク滴の吐出方法、ノズル並設部分CDは第5のインク滴の吐出方法、ノズル並設部分DAは第5のインク滴の吐出方法、にて印刷するように設定され、その情報がメモリ401に記憶される。
このように、インク色毎に各ノズル列の各ノズル並設部分にて最も良好な画質にて印刷されるようにインク吐出方法を設定することにより、各印刷ヘッドにて印刷された領域の境界部分がより目立たなく、画像全体を良好な画質して印刷することが可能となる。
本実施形態のプリンタ20によれば、搬送方向に隣接する印刷ヘッド28に設けられたノズル列でなるノズル並設部分ごとにインク滴の吐出方法をノズル列毎に設定可能なので、ノズル並設部分が有する上流側ノズル及び下流側ノズルの状態に応じてインク滴の吐出方法を設定することが可能である。すなわち、異なる印刷ヘッドにて印刷する各々の領域の境界部分を、一方の印刷ヘッドが有する上流側ノズルと他方の印刷ヘッドが有する下流側ノズルとのうち、インク滴を吐出させるノズルを適宜変更して印刷することが可能である。このため、異なる2つの印刷ヘッドにて印刷される印刷領域の境界部分に、上流側ノズル及び下流側ノズルのインク滴の吐出特性やインク滴の吐出精度誤差等による白スジ、黒スジや、ドットによるざらつきが発生しにくいので、画質の低下を抑えることが可能である。
また、ノズル並設部分の並設されたノズルの数に応じたインク滴の吐出方法を設定して、良好な画像を印刷することが可能である。特に、ノズル並設部分は、異なる印刷ヘッド28に設けられているため、各々の印刷ヘッド28の取り付け等に、誤差により並設されたノズルの数がノズル列毎に相違しても、ノズル並設部分の並設されたノズルの数に応じて設定されたインク滴の吐出方法にて良好な画像を印刷することが可能である。
さらに、各ノズル並設部分によりインク滴の各吐出方法にて実際に印刷したパターンに基づいて、各ノズル並設部分のインク滴の吐出方法が設定されるので、印刷したパターンに基づいて最も適したインク滴の吐出方法を各ノズル並設部分の吐出方法として設定することが可能である。このため、より良好な画像を印刷することが可能である。
===その他の実施形態===
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
(2)本発明は、一般にインク滴を吐出するタイプの印刷装置に適用可能であり、カラーインクジェットプリンタ以外の種々の印刷装置に適用可能である。例えば、インクジェット方式のファクシミリ装置やコピー装置にも適用可能である。
<<<印刷システム等の構成>>>
次に、本発明に係る実施形態の一例である印刷システム、コンピュータプログラムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図22は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。コンピュータシステム700は、コンピュータ本体702と、表示装置704と、プリンタ706と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。このような印刷システムの場合には、上記実施形態にて、プリンタの制御部が有していた画像処理部は必ずしも必要ではなく、画像データを印刷データに変換する処理は、コンピュータ本体702に搭載されたプリンタドライバの処理として実行しても良い。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ706は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図23は、図22に示した印刷システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
なお、以上の説明においては、プリンタ706が、コンピュータ本体702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されてコンピュータシステムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータシステムが、コンピュータ本体702とプリンタ706から構成されても良く、印刷システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
また、例えば、プリンタ706が、コンピュータ本体702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ706が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
また、上述した実施形態における、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、プリンタコントローラのメモリに記憶されており、プリンタコントローラがこのコンピュータプログラムを実行することにより、上述した実施形態のプリンタ動作を達成してもよい。
このようにして実現された印刷システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
3,3a〜3f サブタンク、4 バルブ、9,9a〜9f メインタンク、11 ガイドレール、11a 上側のガイドレール、11b 下側のガイドレール、12 キャリッジモータ、13 駆動ベルト、14 インク供給路、15 用紙保持部、15a ホルダ、15b 軸体、15c ガイド円盤、16 用紙搬送ホルダ、16a 搬送ローラ、16b 挟持ローラ、17 プラテン、18 搬送モータ、18a 駆動ギア、18b 中継ギア、20 プリンタ、21 印刷用紙搬送部、22 印刷部、27 印刷ヘッド群、28,28a〜28t 印刷ヘッド、30 キャリッジ、30A,30B サブタンクプレート、44a,44b プーリ、105 CRモータ駆動ドライバ、106 搬送モータ駆動ドライバ、310 主制御部、320 データ処理部、330 駆動制御部、350 画像処理部、401 メモリ、700 印刷システム、702 コンピュータ本体、704 表示装置、706 プリンタ、708 入力装置、708A キーボード、708B マウス、710 読取装置、710A フレキシブルディスクドライブ装置、710B CD−ROMドライブ装置、802 内部メモリ、804 ハードディスクドライブユニット、A,B,C,D 印刷ヘッド、AB,BC,CD ノズル並設部分(吐出部並設部分)、LUT 色変換データテーブル、n ノズル、P 印刷用紙。

Claims (14)

  1. インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、
    互いに異なる前記印刷ヘッドに各々設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有するように配置されており、
    前記印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、
    前記吐出部並設部分は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法にて、インク滴を吐出可能な印刷装置において、
    前記吐出部並設部分におけるインク滴の吐出方法を、前記吐出部並設部分ごとに、前記複数の吐出方法のうち一の吐出方法に設定可能であることを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記一の吐出方法は、前記吐出部並設部分の並設された吐出部の数に基づいて、設定されることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置において、
    前記一の吐出方法は、前記複数の吐出方法にて所定のパターンを印刷した結果に基づいて設定されることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置において、
    前記所定のパターンは、中間調の領域を含む画像であることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の印刷装置において、
    前記所定のパターンは、ドット密度が高い領域を含む画像であることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記複数の吐出方法は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部からそれぞれ吐出されたインク滴にて前記媒体にドットが形成される吐出方法を含むことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置において、
    前記複数の吐出方法は、前記吐出部並設部分により印刷する領域を印刷する際に、前記上流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数と、前記下流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数との割合が相違する吐出方法を含むことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記複数の吐出方法は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち、いずれか一方の吐出部のみからインクを吐出する吐出方法を含むことを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記印刷ヘッドは、各々取り外し可能であることを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記複数のインク吐出部は、複数色のインクを吐出可能であり、
    前記吐出部列毎に吐出するインクの色が設定されていることを特徴とする印刷装置。
  11. インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、
    互いに異なる前記印刷ヘッドに各々設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有するように配置されており、
    前記印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、
    前記吐出部並設部分は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法にて、インク滴を吐出可能な印刷装置において、
    前記印刷ヘッドは、各々取り外し可能であり、
    前記複数のインク吐出部は、複数色のインクを吐出可能であり、
    前記吐出部列毎に吐出するインクの色が設定されており、
    前記複数の吐出方法は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部からそれぞれ吐出されたインク滴にて前記媒体にドットが形成され、前記吐出部並設部分により印刷する領域を印刷する際に、前記上流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数と、前記下流側吐出部からインク滴を吐出して形成したドットの数との割合が相違する吐出方法と、前記複数の吐出方法は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち、いずれか一方の吐出部のみからインクを吐出する吐出方法とを含み、
    前記吐出部並設部分におけるインク滴の吐出方法を、当該吐出部並設部分の並設された吐出部の数と、前記複数の吐出方法にて中間調の領域を含む画像を印刷した結果とに基づいて、前記吐出部並設部分ごとに、前記複数の吐出方法のうち一の吐出方法に設定することを特徴とする印刷装置。
  12. インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、
    互いに異なる前記印刷ヘッドに各々設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有するように配置されており、
    前記印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、
    前記吐出部並設部分は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法にて、インク滴を吐出可能な印刷装置に、
    前記吐出部並設部分ごとに設定された、前記複数の吐出方法のうち一の吐出方法にて、前記吐出部並設部分からインク滴を吐出させる機能を実現するためのコンピュータプログラム。
  13. コンピュータ本体、及び、
    このコンピュータ本体に接続され、インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する印刷ヘッドを少なくとも2つ備え、
    互いに異なる前記印刷ヘッドに各々設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶ複数の吐出部並設部分を有するように配置されており、
    前記印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、
    前記吐出部並設部分は、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法にて、インク滴を吐出可能な印刷装置、
    を有する印刷システムにおいて、
    前記吐出部並設部分におけるインク滴の吐出方法を、前記吐出部並設部分ごとに、前記複数の吐出方法のうち一の吐出方法に設定可能であることを特徴とする印刷システム。
  14. インク滴を吐出することにより、搬送方向に搬送された媒体にドットを形成可能な複数の吐出部が、前記搬送方向に沿って配置された吐出部列を複数有し、前記搬送方向と交差する移動方向に移動する少なくとも2つの印刷ヘッドが前記移動方向に移動する際に、
    互いに異なる前記印刷ヘッドの各々に設けられた前記吐出部列のうち、一方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の前記搬送方向の下流側に位置する下流側吐出部と、他方の印刷ヘッドに設けられた吐出部列の上流側に位置する上流側吐出部とが、前記移動方向に並ぶように配置された複数の吐出部並設部分ごとに、前記上流側吐出部及び前記下流側吐出部のうち実際にインク滴を吐出する吐出部を適宜変更する複数の吐出方法のうち一の吐出方法に設定するステップと、
    設定された吐出方法に基づいて、前記吐出部並設部分からインク滴を吐出するステップと、
    を有することを特徴とするインク滴の吐出方法。
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