JP2011147886A - 水処理部材、浄化槽、及び水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水処理部材120は、支持体210と、担体部材220とを有する。支持体210は、空中又は水中において一定の形態を保持できる硬さを有し、周囲に巻きつけられた担体部材220を支持する。担体部材220は、紐状又は帯状に形成された基幹部材310に、繊維状担体320を複数固定したものである。
【選択図】図2
Description
また、例えば、特許文献2には、排水処理装置に用いる微生物担体であって、微生物担体は複数の支持担体からなり、支持担体は支持部材と支持部材に上下方向に複数段配置した繊維束とを有し、繊維束は複数の繊維フィラメントからなり、一端又は途中を支持部材に束ねて固定し、他端又は端部が繊維フィラメントの自由端となっており、複数の支持担体を並設し、隣接する支持担体の繊維フィラメントの自由端が相互に一部重なり合うように配置したものである微生物担体が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、水処理装置の曝気槽内に設置されて微生物を付着するため支持枠にほぼ垂直に取り付けられた多数のひも状接触濾材からなる生物接触濾材において、各ひも状接触濾材の生物担体部は不連続に設けられ、かつ生物担体部は隣接のひも状接触濾材の生物担体部に対し高さが不揃いになるように配置されている生物接触濾材。
また、例えば、特許文献4には、嫌気性生物処理槽において濾材としてひも状固定部材を中心軸に複数の可撓性揺動部材が放射状に設けられている浄化槽が開示されている。
図1に例示するように、浄化槽1は、嫌気濾床槽第1室10と、可溶化槽20と、嫌気濾床槽第2室30と、接触曝気槽40と、処理水槽50と、消毒槽60とを有する。
図2に例示するように、水処理部材120は、支持体210と、担体部材220とを有する。本実施例では、水処理部材120は、さらに固定部材240を有する。
本実施例では、支持体210は、略円柱型の棒状に形成されている。本実施例に係る支持体210の軸線に対する垂直断面の外径は、特に限定するものではないが、周囲に巻きつけられる担体部材220の繊維状担体320が適度に広がることで、水流を阻害しないように、5〜80mmであることが好ましい。
また、支持体210は、浄化槽1内の水流に耐え、耐腐食性のある素材で形成されることが好ましく、さらに支持体210の交換又はメンテナンス等を考慮し、軽量である素材で形成されることがより好ましい。例えば、支持体210は、塩化ビニルなどの素材で形成されるとよい。
本実施例では、繊維状担体320は、基幹部材310に略直交する状態で固定されている。また、繊維状担体320は、可撓性を有しており、重力により斜め下方に撓る。これにより、担体部材220は、槽内水排出時に鉛直下方にかかる荷重により繊維状担体320に作用する剪弾力を軽減させることができる。
基幹部材310及び繊維状担体320の素材は、特に限定するものではないが、例えば、炭素繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリプロピレン繊維などであればよい。なかでも、炭素繊維は、耐久性に優れ、軽量であり、かつ生物親和性にも優れるので好適である。
本実施例では、担体部材220は、緊締部材230により支持体210に複数箇所で固定されている。緊締部材230は、担体部材230を支持体210に緊締することができるものであれば、何でもよい。例えば、緊締部材230は、ゴムバンド又はベルトなどである。
本実施例では、固定部材240は、支持体210の外径よりもやや大き目の穴を複数設けられた板である。固定部材240は、支持体210の両端部に位置するように、2枚平行に浄化槽内に設けられている。支持体210は、この平行に設けられた固定部材240の穴に挿入されることにより、両端部において固定される。
なお、固定部材240が固定する支持体210の数は、水処理部材120が設けられる浄化槽の容量又は浄化能力などに応じて、適宜変更されればよい。
また、水処理部材120は、担体部材220を支持体210に螺旋状に巻き付けることにより、螺旋状の整流効果と、繊維状担体320の十分な広がりとを実現し、浄化能力の向上が期待できる。さらに、水処理部材120は、固定部材240により、支持体210ごとの交換を容易にしている。
図5は、浄化槽2の全体構成を模式的に表す図である。
図5に例示するように、浄化槽2は、分離腐敗槽12と、可溶化槽20と、嫌気濾床槽32と、接触曝気槽40と、処理水槽50と、消毒槽60とを有する。なお、本図に示される各構成のうち、図1に示された各構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
以下、本図に示される各構成のうち、図1に示された構成と異なるものについて説明する。
図6は、浄化槽3の全体構成を模式的に表す図である。
図6に例示するように、浄化槽3は、嫌気濾床槽第1室14と、嫌気濾床槽第2室34と、接触曝気槽40と、処理水槽50と、消毒槽60とを有する。なお、本図に示される各構成のうち、図1に示された各構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
以下、本図に示される各構成のうち、図1に示された構成と異なるものについて説明する。
図7は、水処理部材122の全体構成を模式的に表す図である。
図7に例示するように、水処理部材122は、繊維状担体320が基幹材310の片側一方向
にのみ略直交する状態で固定された担体部材222を有する。このように繊維状担体320を基幹材310に固定することにより、繊維状担体320は、図2に例示した水処理部材120の繊維状担体320に比べ、平均して、より下方を向くことになる。これにより、水処理部材122は、槽内水排出時に鉛直下方にかかる荷重をさらに軽減させることができる。
図8に例示するように、水処理部材124は、支持体210と、担体部材224とを有する。本実施例では、水処理部材124は、さらに固定材240を有する。なお、本図に示される各構成のうち、図2に示された各構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
以下、本図に示される各構成のうち、図2に示された構成と異なるものについて説明する。
本実施例では、繊維束320は、基幹部材310に略直交する状態で固定されている。また、繊維束322は、可撓性を有しており、重力により下方に撓る。これにより、担体部材224は、槽内水排出時に鉛直下方にかかる荷重を軽減させることができる。さらに、担体部材224は、繊維束322を固定することにより、図2に例示した水処理部材120に比べ、表面積を増大させ、より多量の汚泥物質を保持することができる。
図10に例示するように、水処理装置400は、給水管410と、水処理部材124と、排水管412とを有する。給水管410から流入した液体(原水)は、水処理装置400において下から上へと水処理部材124の間を流れる。このとき、水処理部材124は、微生物を表面に担持し、この担持している微生物の働きにより、液体を処理する。このように処理された液体は、排水管412により、外部に流出される。また、液体を処理する過程で放出されたガスは、水処理装置400の上部から収集される。
なお、水処理装置400は、微生物を用いて液体を処理するものであれば何でもよい。従って、浄化槽は、水処理装置400の一例である。
上記実施形態では、支持体210に担体部材220を巻きつける形態を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、支持体210の表面に対して斜め方向に繊維状担体320を埋め込むようにしてもよいし、支持体210と繊維状担体320とを一体的に成型した後で、支持体210をねじってもよいし、長細い袋の表面に繊維状担体を接着又は縫着し、この袋を支持体210に被せるようにしてもよい。
2 浄化槽(変形例1)
3 浄化槽(変形例2)
10 嫌気濾床槽第1室
12 分解腐敗槽
14 嫌気濾床槽第1室(変形例2)
20 可溶化槽
30 嫌気濾床槽第2室
32 嫌気濾床槽(変形例1)
34 嫌気濾床槽第2室(変形例2)
40 接触曝気槽
50 処理水槽
60 消毒槽
110 固形材
115 固形材
120 水処理部材
122 水処理部材(変形例3)
124 水処理部材(実施例2)
130 接触材
135 生物ろ過部
140 散気装置
145 逆洗用散気装置
210 支持体
220 担体部材
222 担体部材(変形例3)
224 担体部材(実施例2)
230 緊締部材
240 固定部材
310 基幹材
320 繊維状担体
322 繊維束
400 水処理装置
410 給水管
412 排水管
Claims (7)
- 空中又は水中において一定の形態を保持できる程度の硬さを有する支持体と、
前記支持体から斜め方向に張り出した複数の繊維部材と
を有する水処理部材。 - 前記支持体は、棒状であり、
前記繊維部材の固定位置は、前記支持体表面に螺旋状に設けられてなる
請求項1に記載の水処理部材。 - 紐状又は帯状の可撓性部材
をさらに有し、
複数の前記繊維部材は、前記可撓性部材に配列されており、
前記前記可撓性部材が前記支持体の周囲に螺旋状に巻きつけられてなる
請求項2に記載の水処理部材。 - 前記繊維部材は、炭素繊維であり、
前記繊維部材の長軸方向は、前記可撓性部材の長軸方向に対して略直交する
請求項3に記載の水処理部材。 - 空中又は水中において一定の形態を保持できる程度の硬さを有する棒状の支持体と、
前記支持体から斜め方向に張り出した複数の繊維部材を螺旋状に配置することで懸濁固形物など汚泥を効率的に捕集できる水処理部材と、
前記支持体の長軸方向が処理水の流れる方向となるように形成された嫌気性処理槽と
を有する浄化槽。 - 前記繊維部材は、炭素繊維であり、
前記繊維部材の長軸方向は、前記可撓性部材の長軸方向に対して略直交する
請求項5に記載の浄化槽。 - 繊維部材が複数配列された紐状又は帯状の可撓性部材を、棒状の支持体の表面に螺旋状に巻き付け、
前記可撓性部材が巻き付けられた支持体を、処理水中に設置する
水処理方法。
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