JP2011147080A - パルス発生器およびパルス発生方法 - Google Patents

パルス発生器およびパルス発生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パルスの開始電圧を任意に設定することのできるパルス発生器およびパルス発生方法を提供する。
【解決手段】標準パルス発生器では、充電電源11と、キャパシタ12と、水銀リレー13とが接続されている。キャパシタ12は、それぞれ異なる周波数−インピーダンス特性を有する複数のキャパシタが並列接続されて構成される。水銀リレー13は、オシロスコープ14に接続される。パルスの出力部には抵抗R4を介して電源15が接続している。電源15は、出力電圧V2を任意に設定可能である。また、出力部には可変抵抗R5を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、パルス発生器およびパルス発生方法に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化および大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅は益々狭くなっている。半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスクまたはレチクルを指す。以下では、マスクと総称する。)を用い、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。こうした微細な回路パターンをウェハに転写するためのマスクの製造には、微細パターンを描画可能な電子ビーム描画装置が用いられる。また、レーザビームを用いて描画するレーザビーム描画装置の開発も試みられている。尚、電子ビーム描画装置は、ウェハに直接パターン回路を描画する場合にも用いられる。
特許文献1には、可変成形型電子ビーム描画装置の一例が開示されている。こうした装置における描画データは、CADシステムを用いて設計された半導体集積回路などの設計データ(CADデータ)に、補正や図形パターンの分割などの処理を施すことによって作成される。例えば、図形パターンの分割処理は、電子ビームのサイズにより規定される最大ショットサイズ単位で行われ、併せて、分割された各ショットの座標位置、サイズおよび照射時間が設定される。そして、描画する図形パターンの形状や大きさに応じてショットが成形されるように、描画データが作成される。
電子ビームで描画する際には、パターン図形に応じて準備された寸法と形状のショットが成形偏向器により形成される。具体的には、電子銃から出射された電子ビームは、第1の成形アパーチャで矩形状に成形された後、成形偏向器で第2の成形アパーチャ上に投影されて、そのビーム形状と寸法を変化させる。その後、電子ビームは、対物偏向器により偏向されて、ステージ上に載置されたマスクに照射される。
このような電子ビーム描画装置において、上記偏向器に用いられる制御回路には、デジタルデータをアナログデータに変換するDA(Digital to Analog)変換器と、その出力を増幅するアンプから構成されるDAC(Digital to Analog Converter)アンプとが用いられている。
電子ビーム描画のスループットを向上するには、高速且つ高精度に電子ビームを偏向することが必要であるため、DACアンプで偏向器を目標とする偏向位置に整定するためのセトリング時間(整定時間)の短縮が要求されている。例えば、電圧が250V変化したときに、目標電圧から±500μVの範囲に5μ秒以内で整定する性能が要求される。ここで、DACアンプの調整や評価の際には、DACアンプの出力波形が精度よく測定できることが重要になる。しかし、例えば、オシロスコープの入力感度を500μV/DIVに設定すると、オシロスコープの入力回路が飽和して正確な波形測定ができないという問題があった。
上記問題に対しては、例えば、スイッチまたはダイオードを用いて、観測したい電圧範囲のみがオシロスコープに入力されるようにすることによって、オシロスコープのダイナミックレンジを有効に使う方法が考えられる。しかし、この場合、スイッチやダイオードの特性が観測波形に反映されてしまうといった問題が生じる。具体的には、スイッチを用いた場合、スイッチの動特性が大きく影響する。また、ダイオードを用いた場合、DACアンプの出力電圧が上記観測したい電圧範囲外から観測したい電圧範囲内に変動した際のダイオードのリカバリ特性が大きく影響する。こうした影響が観測波形に反映されることによって、DACアンプの真の出力波形とは異なる波形を観測してしまうことになる。
一方、オシロスコープの感度をDACアンプの出力振幅が飽和しない程度まで下げ、この状態で波形を取り込んだ後、データをA/D変換して拡大表示させる方法も考えられる。しかし、この場合には、拡大表示することによって、オシロスコープ固有の歪みが観測波形に現れてしまうという問題がある。こうした歪みは、高速で精度のよい標準パルスを用いて補正することができる(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−293670号公報 特開2009−171293号公報
ところで、オシロスコープ固有の歪みは、パルスの開始電圧によって異なる。しかしながら、従来の標準パルス発生器の開始電圧は0Vであるため、0V以外を開始電圧とするDACアンプ波形に対する補正が不完全になるという問題があった。つまり、DACアンプの出力波形から標準パルス波形を差し引いても開始電圧の差による歪みが残ってしまい、DACアンプの純粋な出力波形は得られなかった。
また、標準パルス発生器の出力の立ち上がり時間よりも、DACアンプの出力の立ち上がり時間の方が遅い場合、従来は、このDACアンプの出力波形と同じ歪みをオシロスコープに生成することはできなかった。したがって、この点からもオシロスコープ固有の歪みを十分に補正することができないという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、パルスの開始電圧を任意に設定することのできるパルス発生器およびパルス発生方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、出力パルスの立ち上がり時間を調整することのできるパルス発生器およびパルス発生方法を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、電荷を供給する第1の電源と、
周波数−インピーダンス特性の異なる複数のコンデンサが並列に接続され、第1の電源から供給される電荷を貯めるキャパシタと、
キャパシタに貯められた所定量の電荷を放出してパルスを発生させるリレーとを備えたパルス発生器であって、
前記パルスの出力部に抵抗を介して接続する第2の電源を有することを特徴とするものである。
リレーは、機械式リレーが好ましく、特に水銀リレーが好ましい。
本発明の第1の態様は、パルスの出力部に可変抵抗を有することが好ましい。
本発明の第1の態様において、リレーは波形測定器に接続されることが好ましい。波形測定器としては、オシロスコープまたはA/Dコンバータが挙げられる。
本発明の第2の態様は、周波数−インピーダンス特性の異なる複数のコンデンサを並列に接続してキャパシタを構成し、キャパシタに電荷を供給して蓄電し、リレーによって電荷を放出してパルスを発生させるパルス発生方法であって、
パルスの出力部に抵抗を介して電源を接続し、抵抗と電源の出力電圧の各値を選択することにより、任意の開始電圧でパルスを発生させることを特徴とするものである。
本発明の第2の態様においては、パルスの出力部に可変抵抗を設け、可変抵抗の値を調整して任意の立ち上がり時間でパルスを発生させることが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、任意の開始電圧でパルスを発生させることができる。
また、パルスの出力部に可変抵抗を設けることにより、パルスの立ち上がり時間を調整することのできるパルス発生器が提供される。
本発明の第2の態様によれば、パルスの開始電圧を任意に設定することのできるパルス発生方法が提供される。
また、パルスの出力部に可変抵抗を設けることで、任意の立ち上がり時間でパルスを発生させることができる。
本実施の形態による電子ビーム描画装置の構成図である。 DACアンプに入出力される信号の回路図である。 標準パルス発生器のブロック図である。 キャパシタの構成を説明する図である。 本実施の形態で、オシロスコープに接続された標準パルス発生器の回路図である。 標準パルスとDACアンプの出力波形を比較した図である。
図1は、本実施の形態による電子ビーム描画装置の構成図である。尚、電子ビームに変えてイオンビームなどの他の荷電粒子ビームを用いた描画装置であってもよい。
電子ビーム描画装置は、描画部100を備えており、描画部100は電子鏡筒102を備えている。電子鏡筒102の内部には、電子銃110から出射された電子ビーム112を第1の成形アパーチャ120に照射するための照明レンズ114が配置されている。
照明レンズ114と第1の成形アパーチャ120の間には、ブランキング(BLK)偏向器116と、ブランキング(BLK)アパーチャ118とが設けられている。ブランキングON時(非描画期間)には、ブランキング偏向器116で偏向された電子ビーム112が、ブランキングアパーチャ118でカットされる。
電子ビーム112は、矩形の開口を有する第1の成形アパーチャ120を透過することで、その断面形状が矩形に成形される。成形された電子ビーム112は、投影レンズ122で第2の成形アパーチャ126に投影される。第2の成形アパーチャ126と第1の成形アパーチャ120の間には、成形偏向器124が設けられており、成形偏向器124によって、第2の成形アパーチャ126上の第1の成形アパーチャ像の位置が制御される。この制御により、第1の成形アパーチャ像と第2の成形アパーチャ126の開口との重なり具合が変化する。したがって、電子ビーム112の形状と寸法を制御することができる。
第2の成形アパーチャ126を透過した電子ビーム112の焦点は、対物レンズ128で描画室104内の試料142に合わせられる。試料142は、XYステージ140上に載置される。XYステージ140は、描画室104内を駆動回路244によってX方向(図1で紙面に平行な方向)とY方向(図1で紙面に垂直な方向)に連続移動する。XYステージ140がX方向に連続移動することで、試料142上の描画領域を仮想的に分割したストライプ領域の描画が行われる。また、このストライプ領域の描画終了後にXYステージ140がY方向に移動し、さらに、XYステージ140が逆向きのX方向に連続移動することで、次のストライプ領域の描画が行われる。XYステージ140の移動位置は、レーザ側長計242によって測定される。
試料142と第2の成形アパーチャ126の間には、対物偏向器130が配置されており、対物偏向器130によって、試料142上での電子ビーム112の照射位置が決定される。
電子ビーム描画装置は、制御部200を備えている。制御部200は、電子ビーム描画装置の各種制御を行う制御計算機202を備えている。制御計算機202には、複数のパターンデータを記憶する記憶装置204と、記憶装置204から読み出されたパターンデータを分散し展開することで、各ショットの描画データを生成するパターンデータ処理回路206とが接続されている。
パターンデータ処理回路206には、ブランキング(BLK)偏向制御回路210、成形偏向制御回路220および位置偏向制御回路230がそれぞれバスを介して接続している。これらの偏向制御回路210、220、230には、各ショットの描画データがそれぞれ送られる。そして、各偏向制御回路210、220、230は、受け取った描画データから偏向器制御用のデジタル信号を生成する。
ブランキング偏向制御回路210は、ブランキングON(非描画期間)と、ブランキングOFF(描画期間)とを制御するものである。BLK(ブランキング)偏向制御回路210は、パターンデータ処理回路206からブランキングONとブランキングOFFの時間幅情報を受信し、この時間幅情報からタイミングパルス信号を生成してBLK(ブランキング)アンプ214に送る。BLKアンプ214は、受信したタイミングパルス信号を、ブランキング偏向器116の駆動可能な振幅まで増幅した後にブランキング偏向器116に送る。
ビーム形状およびサイズを制御する成形偏向制御回路220は、成形偏向器124の制御用デジタル信号を複数のDACアンプ222に同期をとりながら送る。各DACアンプ222は、受信したデジタル信号をDA変換し、DA変換後のアナログ信号を増幅した後、増幅したアナログ信号を対応する成形偏向器124の電極に送る。
試料142上で電子ビーム112の照射位置を制御する位置偏向制御回路230は、対物偏向器130の制御用のデジタル信号を、複数のDACアンプ232に同期をとりながら送信する。各DACアンプ232は、受信したデジタル信号をDA変換し、DA変換後のアナログ信号を増幅した後、増幅したアナログ信号を対応する対物偏向器130に送る。
図2は、DACアンプに入出力される信号の回路図である。尚、以下では、図1のDACアンプ232を例にとり説明するが、DACアンプ222についても同様である。
DACアンプ232は、デジタル部301、DAC(DAコンバータ)302およびアナログ部303を備えている。デジタル部301には、位置偏向制御回路230からのデジタルデータが入力される。例えば、16ビット(Hx8000〜7FFF)のデジタルデータがデジタル部301にパラレル入力される。入力されたデジタルデータは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)によって構成されるロジック部304により所定の処理(例えば、補正処理等)が施される。
ロジック部304から出力されたデジタルデータは、DAC302に入力されてアナログデータに変換される。次いで、アナログデータは、アナログ部303に入力される。アナログ部303は、アンプ回路によって構成されており、このアンプ回路によってアナログデータが増幅される。増幅されたアナログデータは、図1の対物偏向器130に出力されて対物偏向器130が制御される。
図3は、標準パルス発生器のブロック図である。この図に示すように、標準パルス発生器においては、電荷を供給するための充電電源11(第1の電源)と、充電電源11から供給される電荷を貯めるためのキャパシタ12と、キャパシタ12に貯められた電荷を放電するための水銀リレー13とが接続されている。ここで、キャパシタ12は、図4に示すように、それぞれ異なる周波数−インピーダンス特性を有する複数のキャパシタ12a、12b、12c〜12nが並列接続されて構成されている。そして、水銀リレー13は、波形測定機器としてのオシロスコープ14に接続される。
図5は、オシロスコープに接続された標準パルス発生器の回路図である。このようなパルス発生器は、例えば以下のようにして作製される。
まず、キャパシタ12として複数のコンデンサを用意し、これらを並列に接続したものを水銀リレー13に接続する。次いで、水銀リレー13を閉じ、充電電源11とオシロスコープ14を接続しない状態で、周波数−出力インピーダンス特性(以下、F−Z特性と称する。)をネットワークアナライザで測定する。
上記のコンデンサは、それぞれ規格の容量を有するとともに、それぞれ個別のESR(寄生抵抗)とESL(寄生インダクタンス)を有していて、周波数−インピーダンス特性が異なるものであるが、これらを複数組み合わせることで全体のインピーダンスを低下させることができる。そして、このような複数のコンデンサの組み合わせの中から、なるべく広範囲の周波数帯域でインピーダンスが一定となり、また、インピーダンス値のピーク周波数がなるべく高くなり、且つ、インピーダンス値が一番大きなピーク以外にピークを持たないようなものを、カットアンドトライで選択する。
以下は、コンデンサの内訳の一例である。
電界コンデンサ :100μF×2
47μF×1
10μF×1
フィルムコンデンサ: 10μF×1
マイカコンデンサ : 43μF×1
0.5μF×1
33pF×1
上記のようにして選択されたコンデンサを全て並列に接続する。そして、並列に接続されたコンデンサを、水銀リレー13に接続して、標準パルス発生器とする。
尚、水銀リレー13は、機械式リレーの一例である。一方、一般的なパルス発生器では、機械的な接触がなく、繰り返し周期も速い、半導体回路が出力段に用いられることが多い。しかし、オシロスコープの校正を目的とする場合、リレーに対しては、波高値が例えば0〜数百Vといった広い電圧範囲で速い立ち上がり時間(例えば、1n秒)のパルスを発生できることや、立ち上がり以降の電圧安定性が高いことが要求される。ここで、半導体回路を出力段に用いたパルス発生器は、自己消費電力により発熱するので、サーマルテールが生じ、またリンギングなどによって、立ち上がり以降の電圧安定性が得難いという問題がある。一方、機械式リレーの場合、繰り返し周期の速さは遅くなるものの、その値はオシロスコープの校正に用いるのには十分である。また、オシロスコープの入力抵抗(例えば、1MΩ)に対し、標準パルスを出力する際の消費電力は極僅かであるので、消費電力で発生する熱や、その熱で発生する抵抗分などの増減も無視できる程度である。したがって、サーマルテールも無視できる程度となり、立ち上がり以降の安定性が得られ易い。さらに、水銀リレーを用いることで、バウンスのない立ち上がり波形が得られる。以上の点から、本実施の形態では、機械式リレー、特に水銀リレーが好ましく用いられる。
オシロスコープ14で測定されたDACアンプの波形(第1の波形)は、DACアンプの出力波形にオシロスコープ14の歪が足し合わされた波形となっている。それ故、例えば、実際のセトリング時間は15μ秒以下であるにもかかわらず、オシロスコープの固体差に起因する歪があるために、60μ秒程度のセトリング時間と観測されてしまうといったことが起こる。
そこで、上記のようにして求めた等価回路定数を用いて、標準パルス発生器の出力波形をシミュレートする。そして、この波形を標準波形として用いることができるのを確認した後、標準パルス発生器で発生させた標準パルスをオシロスコープ14で測定する。このとき測定されるのは、ほぼ純粋にオシロスコープ14の歪のみの波形(第2の波形)である。したがって、オシロスコープ14の演算機能を用い、第1の波形から第2の波形を差し引くことによって、オシロスコープ14の歪みが補正されたDACアンプの出力波形を得ることができる。
ところで、実際のDACアンプの開始電圧や振幅は一定でない。このため、DACアンプの波形評価は、これらの値をできるだけ多く変えて行う必要がある。一方、オシロスコープで発生する歪はパルスの開始電圧によって異なる。しかしながら、従来の標準パルス発生器では、到達電圧値は任意の値に設定できるものの開始電圧は0Vに限られていたため、0V以外を開始電圧とするDACアンプの出力波形に対する補正は不完全なものとならざるを得なかった。つまり、開始電圧が0V以外のDACアンプの出力波形におけるオシロスコープの歪と、標準パルス発生器で発生した標準パルスをオシロスコープで観測した波形とは一致しない。したがって、0V以外を開始電圧とするDACアンプの出力波形に対し標準パルス波形を用いて補正しても、純粋なDACアンプの出力波形を得ることはできない。
そこで、本実施の形態においては、従来のパルス発生器の出力部に抵抗R4を介して新たな電源15(第2の電源)を接続する。新たな電源15は、出力電圧V2を任意に設定可能なものとする。この構成によれば、水銀リレー13が閉じていない状態での標準パルスの開始電圧の値はV2によって決定される。すなわち、V2の出力容量やインダクタンスが水銀リレー13による急峻なパルスの立ち上がりに影響しないようにR4の抵抗値を選択することで、従来と同様の急峻なパルスの立ち上がりと速い整定時間とを維持しつつ、パルスの開始電圧値と到達電圧値とに任意の2値を選ぶことができる。つまり、本実施の形態の標準パルス発生器によれば、開始電圧を任意の値に設定可能であるので、測定したいDACアンプの出力電圧と同じ開始電圧のパルスを発生させることができる。したがって、0V以外を開始電圧とするDACアンプの出力波形についても、この開始電圧と同じ開始電圧の標準パルス波形を用いて補正することで、純粋なDACアンプの出力波形を得ることができる。
さらに、本実施の形態においては、パルス発生器の出力部に可変抵抗R5を設けることが好ましい。以下でその理由について説明する。
図6は、標準パルスとDACアンプの出力波形を比較した図である。Aは、DACアンプの出力波形を示す。一方、SP1は立ち上がり時間を速く調整した標準パルスの波形であり、SP3はDACアンプの出力波形とほぼ同じ立ち上がり速度に調整した標準パルスの波形である。また、SP2は、SP1とSP3の中間の立ち上がり速度に調整した標準パルスの波形である。
図6から分かるように、標準パルスの立ち上がり速度が速ければ速いほど、DACアンプの出力波形との差が大きくなる。したがって、標準パルスの波形とDACアンプの波形との差を観測するのが容易になる。例えば、SP1の波形でAの波形を補正する場合、Aの波形からSP1の波形を差し引くことになるが、波形が収束に向かうところでも両者の差は比較的大きい。したがって、波形が完全に収束して差が0になる時間を把握し易い。これに対して、SP3の波形でAの波形を補正する場合には、両者の波形がほぼ同じような形状であるために差が明確でなく、目的とする電位に収束する時間、すなわち、整定時間を把握し難い。
一方、標準パルスの立ち上がり時間があまりに速くなると、オシロスコープの入力部のアンプが許容するスルーレートを超えてしまう。すると、この入力部のアンプが飽和して歪みを生じさせ、DACアンプの出力波形を正確に評価できなくなる。
そこで、図6のSP2のように、Aの波形との差を確保しつつ、歪みが発生しない程度の立ち上がり時間に調整した波形を選択する。SP2の波形でAの波形を補正すれば、両者の差をある程度維持しつつスルーレート起因の歪みに影響されない状態で測定できるので、正確な整定時間を把握することができる。
標準パルスの立ち上がり時間は、図5の可変抵抗R5によって調整することができる。したがって、可変抵抗R5の抵抗を適当な値に調整して、標準パルス発生器で発生するパルスの立ち上がり時間を、DACアンプの出力波形の立ち上がり時間と同じとする。これにより、DACアンプの出力波形に含まれるオシロスコープ固有の歪みと同じ歪みの標準パルス波形を生成することができるので、従来の標準パルス発生器を用いた補正より精度の高い補正が可能となる。
尚、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。例えば、上記実施の形態では、波形測定器としてオシロスコープを用いたが、オシロスコープに代えてA/Dコンバータとしても同様の効果が得られる。
11 充電電源
12 キャパシタ
13 水銀リレー
14 オシロスコープ
15 電源
100 描画部
102 電子鏡筒
104 描画室
110 電子銃
112 電子ビーム
114 照明レンズ
116 BLK偏向器
118 BLKアパーチャ
120 第1の成形アパーチャ
122 投影レンズ
124 成形偏向器
126 第2の成形アパーチャ
128 対物レンズ
130 対物偏向器
140 XYステージ
142 試料
200 制御部
202 制御計算機
204 記憶装置
206 パターンデータ処理回路
210 BLK偏向制御回路
214 BLKアンプ
220 成形偏向制御回路
230 位置偏向制御回路
222、232 DACアンプ
242 レーザ側長計
244 駆動回路
301 デジタル部
302 DAC
303 アナログ部
304 ロジック部

Claims (5)

  1. 電荷を供給する第1の電源と、
    周波数−インピーダンス特性の異なる複数のコンデンサが並列に接続され、前記第1の電源から供給される電荷を貯めるキャパシタと、
    前記キャパシタに貯められた所定量の電荷を放出してパルスを発生させるリレーとを備えたパルス発生器であって、
    前記パルスの出力部に抵抗を介して接続する第2の電源を有することを特徴とするパルス発生器。
  2. 前記パルスの出力部に可変抵抗を有することを特徴とする請求項1に記載のパルス発生器。
  3. 前記リレーは波形測定器に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載のパルス発生器。
  4. 周波数−インピーダンス特性の異なる複数のコンデンサを並列に接続してキャパシタを構成し、前記キャパシタに電荷を供給して蓄電し、リレーによって前記電荷を放出してパルスを発生させるパルス発生方法であって、
    前記パルスの出力部に抵抗を介して電源を接続し、前記抵抗と前記電源の出力電圧の各値を選択することにより、任意の開始電圧で前記パルスを発生させることを特徴とするパルス発生方法。
  5. 前記パルスの出力部に可変抵抗を設け、前記可変抵抗の値を調整して任意の立ち上がり時間で前記パルスを発生させることを特徴とする請求項4に記載のパルス発生方法。
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