JP2011144953A - フィンチューブ型熱交換器およびこれを用いた空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の間隔で平行に積層されその間を気体が流通する複数の板状フィン1と、板状フィン1の積層方向に貫通して配置され、内部を作動流体が流動する複数の伝熱管2と、気体の流れ方向に対して直角方向に隣接する伝熱管2の間のフィンベース部に形成された複数列のスリット3、4、5とを有し、複数列のスリットのうち、気体の流れ方向に対して1列目と3列目のスリット3、5は、長手方向中央部で2分割されているとともに、伝熱管2に近いスリット脚部のスリット高さH1が分割部脚部のスリット高さH2よりも高くなっており、2列目のスリット4は、伝熱管2に近いスリット脚部のスリット高さH3が長手方向中央部のスリット高さH4よりも低くなっている。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2に示された熱交換器では、スリットの断面形状をたとえば山形状に形成したものであるが、最前列と最後列以外は全て同じようなスリット形状であるため、スリットの前縁効果を十分に引き出せていないという問題があった。
また、特許文献3では、スリット高さについて記載されているが、最後列についてだけであり、伝熱管側へ長くした方のスリット脚部を同じスリットの他の部分より高くしている。したがって、他の列のスリットについてはスリット高さが同じようなものであり、特許文献2と同様の問題がある。
前記複数列のスリットのうち、前記気体の流れ方向に対して前列と後列のスリットは、長手方向中央部で2分割されているとともに、伝熱管に近いスリット脚部のスリット高さが分割部脚部のスリット高さよりも高くなっており、
中間列のスリットは、伝熱管に近いスリット脚部のスリット高さが長手方向中央部のスリット高さよりも低くなっていることとしたものである。
図1は本発明の実施の形態1に係るフィンチューブ型熱交換器の一部分を示す平面図とスリット断面図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。図2は図1のフィンのスリット形状を拡大して示す平面図である。
本実施の形態に係るフィンチューブ型熱交換器は、所定の間隔で平行に積層されその間を気体(たとえば、空気)が流通する複数の板状フィン1と、板状フィン1の積層方向に貫通して配置され、内部を作動流体(たとえば、冷媒)が流動する複数の円形断面の伝熱管2とを有する。なお、図1(a)はこのフィンチューブ型熱交換器が2列配置されたものを示している。
板状フィン1には、空気の流れ方向10に対して直角方向(段方向)に隣接する伝熱管2の間のフィンベース部に複数列(ここでは、3列)のスリット3、4、5が切り起こしにより形成されている。そして、スリット3、4、5は、上記段方向に隣接する伝熱管2の中心を結ぶ中心線20に対して略対称に配置されている。なお、空気の流れ方向10に平行な方向を「列方向」といい、空気の流れ方向10に直角な方向を「段方向」というものとする。
ここで、1列目のスリット3と3列目のスリット5について、伝熱管2に近いスリット脚部をそれぞれ3a、5a、分割部におけるスリット脚部(分割部脚部)をそれぞれ3b、5b、スリット脚部3a、5aと分割部脚部3b、5bとを繋ぐスリットベース部をそれぞれ3c、5cであらわすものとすると、スリット脚部3a、5aのスリット高さH1は、分割部脚部3b、5bのスリット高さH2よりも高くしてある。すなわち、H1>H2である。このため、1列目のスリット3と3列目のスリット5は、断面形状が両側のスリットベース部3c、5cが内側に向かって傾斜した略凹状の形状をしている。
なお、1列目および3列目のスリット高さと2列目のスリット高さの関係については、下記に限定されるものではないが、2列目のスリット4の長手方向中央部のスリット高さH4は、1列目および3列目のスリット3、5のスリット脚部3a、5aのスリット高さH1と同等、もしくはそれ以下(H4≦H1)にすることが好ましい(図3(b)参照)。
1列目のスリット3と3列目のスリット5の列方向の幅については、伝熱管2に近いスリット脚部3a、5aの幅(立ち上がりの幅)B1より分割部脚部3b、5bの幅(立ち上がりの幅)B2が小さくしてある。すなわち、B1>B2である。またこれから、1列目のスリット3の後縁部3dは、伝熱管2の中心から延びる所定の中心角度の放射線22a上に配置されており、3列目のスリット5の前縁部5dは、同様に、伝熱管2の中心から延びる所定の中心角度の放射線22b上に配置されている。
このように、各列のスリット3、4、5を伝熱管2の中心線20に対し略対称に配置することで、スリットの加工が容易になる。また、上記のように各列のスリットの断面形状に変化をもたせても、従来と同程度のフィンピッチで熱交換器の小型化を実現できる。
図において、6は伝熱管2に近いスリット付近の空気の流れ、7はフィン段方向中央部の空気の流れである。
スリットには前縁効果と呼ばれる、温度・速度境界層を再構築する効果があるが、スリットの後縁部では後流と呼ばれる伝熱の低い領域ができる。本実施の形態では、1列目のスリット3が中央部(分割部)3eで2分割されており、中央部3eを通過する空気の流れ7の付近では、スリットが設けられていないため、2列目のスリット4において、1列目のスリット3の後流の無い状態の空気が、スリット高さが高い中央部で受け止められるので、前縁効果を十分に発揮することができ、伝熱を促進することができる。そしてさらに、2列目のスリット4の中央部の流れで伝熱に寄与しない後流部分を3列目のスリット5の中央部(分割部)付近で受け止めるので、3列目のスリット5の前縁効果が発揮され、これにより伝熱を促進することができる。
図5は、本発明の実施の形態2に係るフィンチューブ型熱交換器の一部のフィンのスリット形状を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は(a)のD−D断面図、(d)はフィンピッチFpと1列目のスリット3との関係示す図である。
本実施の形態では、1列目および3列目のスリット3、5において、伝熱管2に近いスリット脚部3a、5aからスリットベース部3c、5cに繋がる部位を三角形状(図中、3f、5fで示す三角部)に形成したものである。その他の構成は実施の形態1と同様である。
このように構成することにより、1列目のスリット3がそのスリット脚部3aにおける風を板状フィン段方向の中央部に導入する効果を強めると共に、スリットベース部3cを、積層されたフィンのピッチFpの半分に近い高さを保つことができ、熱交換能力を高めることができる。
図6は、本発明の実施の形態3に係るフィンチューブ型熱交換器の一部のフィンのスリット形状を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E断面図、(c)は(a)のF−F断面図である。
本実施の形態では、1列目および3列目のスリット3、5において、スリットベース部3c、5cを板状フィン1のフィンベース部1aと平行にしたものである。その他の構成は実施の形態1と同様である。
このように構成することにより、スリットベース部3c、5cは常にフィンピッチFpの半分の高さとなり、更に熱交換能力を高めることができる。
図7は、本発明の実施の形態4に係る空調装置の冷媒回路図である。図に示す冷媒回路は、圧縮機31、凝縮器熱交換器32、絞り装置33、蒸発器熱交換器34をこの順に冷媒配管で環状に接続し、凝縮器熱交換器32および蒸発器熱交換器34にはそれぞれ送風機35を配設することにより構成されている。
上述の実施の形態1〜3によるいずれか一つのフィンチューブ型熱交換器を凝縮器熱交換器32もしくは蒸発器熱交換器34、または両方に用いることにより、エネルギー効率の高い空調装置を実現することができる。
ここで、エネルギー効率は、次式で構成されるものである。
暖房エネルギー効率=室内熱交換器(凝縮器)能力/全入力
冷房エネルギー効率=室内熱交換器(蒸発器)能力/全入力
Claims (6)
- 所定の間隔で平行に積層されその間を気体が流通する複数の板状フィンと、板状フィンの積層方向に貫通して配置され、内部を作動流体が流動する複数の伝熱管と、前記気体の流れ方向に対して直角方向に隣接する伝熱管の間のフィンベース部に形成された複数列のスリットとを有するフィンチューブ型熱交換器において、
前記複数列のスリットのうち、前記気体の流れ方向に対して前列と後列のスリットは、長手方向中央部で2分割されているとともに、伝熱管に近いスリット脚部のスリット高さが分割部脚部のスリット高さよりも高くなっており、
中間列のスリットは、伝熱管に近いスリット脚部のスリット高さが長手方向中央部のスリット高さよりも低くなっていることを特徴とするフィンチューブ型熱交換器。 - 前記前列と後列のスリットは、伝熱管に近いスリット脚部の列方向の幅が分割部脚部のスリット脚部の列方向の幅よりも大きくなっており、
前記中間列のスリットは、伝熱管に近いスリット脚部の列方向の幅が中央部のスリットの列方向の幅よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1記載のフィンチューブ型熱交換器。 - 前記前列のスリットの後縁部および後列のスリットの前縁部、前記中間列のスリットの前縁部および後縁部のそれぞれは、伝熱管の中心から延びる放射線上に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のフィンチューブ型熱交換器。
- 前記前列と後列のスリットは、伝熱管に近いスリット脚部からスリットベース部につながる部位が三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィンチューブ型熱交換器。
- 前記前列と後列のスリットのスリットベース部が、フィンベース部と平行になっていることを特徴とする請求項4記載のフィンチューブ型熱交換器。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のフィンチューブ型熱交換器を蒸発器又は凝縮器のいずれか一方又は両方の熱交換器として用いたことを特徴とする空調装置。
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