JP2011144743A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーシング内において圧電ファンの振動板の中央部下方に実装される発熱体を冷却する冷却能力を向上させるとともに、装置本体の小型化を図った冷却装置を提供する。
【解決手段】ケーシング30内部では、発熱体50、51で発生する熱によって空気が暖められ、発熱体50、51の各上方に暖気が発生する。圧電ファン101の振動板111の固定端は、発熱体50の上方に振動板111の自由端以外の腹H2がくるとともに発熱体51の上方に振動板111の自由端の腹H1がくる位置で、振動板111の幅方向が発熱体50及び発熱体51の各上面に対して垂直となるよう回路基板P2に固定される。圧電ファン101の駆動時、振動板111の2箇所の腹H1、H2のそれぞれが、発熱体50及び発熱体51の各上方で揺動する。これにより、発熱体50、51の各上方の暖気が拡散される気流AF、AFが生じ、発熱体50と発熱体51が同時に冷却される。
【選択図】図5

Description

この発明は、発熱体の発熱によって暖められた空気を圧電ファンで拡散し、発熱体を冷却する冷却装置に関するものである。
近年の電子機器では、機器本体の小型化と部品の高密度実装化が進むにつれて、機器内部における発熱対策が課題となっている。例えばパーソナルコンピュータにおいては、機器本体の小型化とともに、情報処理性能を向上させるためにCPUの高速化が進んでいる。そのため、電子機器内部は、部品の高密度実装により電子機器内部の通風性が低下する一方で、発熱体であるCPUの発熱量が増大する環境となっている。よって、当該環境下において、CPUの温度上昇を抑えることが重要な課題となっている。
そこで、発熱体の発熱によって暖められた空気を圧電ファンで拡散し、発熱体を冷却する冷却装置が特許文献1において開示されている。この冷却装置は、圧電素子が夫々の両面に接合された複数枚の振動板を支持枠に連設した圧電ファンと、発熱体とをケーシング内に備える。
特開昭61−155700号公報
しかしながら、上記特許文献1の冷却装置は、ケーシング内における発熱体と圧電ファンとの位置関係が明確でない。そのため、ケーシング内において発熱体を圧電ファンの振動板の中央部下方に実装させる場合、どのように圧電ファンを配置するのが好ましいのか不明である。
そこで、本願の発明者は、以下に示す第1、第2の冷却装置を考案した。
図1(A)は、第1、第2の冷却装置に用いる圧電ファンの非駆動時の構成を示す斜視図である。図1(B)は、同圧電ファンの駆動時の構成を示す斜視図であり、図1(C)は、同圧電ファンの駆動時の構成を示す側面図である。圧電ファン10は、振動板11と、振動板11の両面の一端側に貼付された圧電素子12と、振動板11の固定端を挟持する固定具13とを備えている。圧電素子12は、圧電セラミクスの両面に電極が形成され、さらに分極処理が施されたもので、電圧印加に応じて伸縮する振動子である。
ここで、所定周波数の正弦波交流電圧を各圧電素子12の電極と振動板11との間に印加した場合、圧電ファン10は、2枚の圧電素子12の伸縮により、自由端の腹H0を生じる基本波で振動板11が屈曲する(図1(B)(C)参照)。
図2は、第1の冷却装置の構成を示す上面図である。第1の冷却装置は、上述の圧電ファン10と、回路基板P1と、吸気口41と排気口42が形成された直方体のケーシング40とを備える。
ケーシング40の内部には、発熱体50を実装した回路基板P1が取付けられている。第1の冷却装置では、発熱体50で発生する熱によって空気が暖められ、発熱体50の上方に暖気が発生する。
圧電ファン10の振動板11の固定端は、発熱体50の上方に振動板11の中心位置Cがくる位置で、自由端を排気口42に向け、振動板11の幅方向が発熱体50の上面に対して垂直となるように、固定具13を介して回路基板P1に固定される。
以上の構成では、圧電ファン10の駆動時、圧電ファン10の振動板11が、発熱体50の上方であって発熱体50の幅方向に発熱体50の上面に当接することなく揺動する。これにより、発熱体50の上方の暖気が排気口42を通過してケーシング40の外側へ排気される気流AFが生じ、発熱体50が冷却される。
図3は、第2の冷却装置の構成を示す側面断面図である。第2の冷却装置が第1の冷却装置と相違する点は、ヒートスプレッダ20を設けた点と、圧電ファン10の振動板11の幅方向に発熱体50の上面に対して平行に固定した点である。そのため、図3は、この2点を変更した場合における図2のS−S線の側面断面図である。第2の冷却装置では、発熱体50の上面にヒートスプレッダ20の底面が熱的に結合するように配置されている。この構成では、発熱体50で発生する熱がヒートスプレッダ20に伝導し、ヒートスプレッダ20によって空気が暖められ、ヒートスプレッダ20の上方に暖気が発生する。
圧電ファン10の振動板11の固定端は、発熱体50の上方に振動板11の中心Cがくる位置で(図1(C)参照)、自由端を排気口42に向け、発熱体50の上面に対して振動板11を平行に、固定具13を介してヒートスプレッダ20の支持板22に固定される。
以上の構成では、圧電ファン10の駆動時、圧電ファン10の振動板11が、ヒートスプレッダ20の上方であってヒートスプレッダ20の厚み方向にヒートスプレッダ20の上面に当接することなく揺動する。これにより、ヒートスプレッダ20の上方の暖気が振動板11の自由端側へ排気される気流AFが生じ、発熱体50が冷却される。
しかしながら、上記第1、第2の冷却装置は、ケーシング40内において圧電ファン10の振動板11の中央部下方に位置する発熱体50を冷却する能力が低かった。例えば正弦波交流電圧を各圧電素子12の電極と振動板11との間に印加した場合、振動板11が、基本波で屈曲する。そのため、振動板の自由端の揺動により排気口42から暖気が十分に排気されるものの、振動板11の中心位置Cの振幅が自由端に比べ非常に小さいため、発熱体50の上面近傍の暖気はあまり排気されなかった。よって、振動板11の中央部下方に位置する発熱体50が十分に冷却されなかった。
また、最も振幅が大きくなる自由端の振幅が大きいため、装置本体の内部に、他の部品と接触しないよう圧電ファン10を配置するための大きなスペースが必要となり、装置本体の大型化の一因となっていた。
さらに、第2の冷却装置では、圧電ファン10の駆動時に自由端がヒートスプレッダ20の上面に接触しないよう、振動板11をヒートスプレッダ20の上面から浮かして圧電ファン10を固定する必要がある。しかし、排出すべき暖気の高温部分はヒートスプレッダ20の上面近傍に集中して存在する。また、ヒートスプレッダ20の上方に空気を流したときの流速の分布は、ヒートスプレッダ20の上面に対する空気の粘性抵抗が存在するため、ヒートスプレッダ20の上面に近づくほど流速が低下する。そのため、第2の冷却装置では、ヒートスプレッダ20の上面近傍に存在する高温の暖気があまり排気されず、発熱体50の冷却効率が極めて低かった。
従って、近年、発熱量の大きい高速なCPUが多数登場しているが、第1、第2の冷却装置では、そのようなCPUを圧電ファン10の振動板11の中央部下方に実装させる場合、該CPUが十分に冷却されないという問題があった。
この発明の目的は、ケーシング内において圧電ファンの振動板の中央部下方に実装される発熱体を冷却する冷却能力を向上させるとともに、装置本体の小型化を図った冷却装置を提供することにある。
本発明の冷却装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(1)ケーシングと、
所定周波数の交流電圧の印加に応じて伸縮する圧電素子と、前記圧電素子が接合される振動板であって、前記圧電素子の伸縮により、自由端の腹を含む複数の腹を生じる3倍波以上の奇数倍波で屈曲する振動板と、を有する圧電ファンと、
前記ケーシング内に実装された第1の発熱体の上方に前記振動板の前記自由端以外の腹のうち少なくとも1つがくる位置で、前記圧電ファンの前記振動板の固定端を前記ケーシング内に固定する固定部と、を備えた。
この構成では、ケーシングの内部において、第1の発熱体で発生する熱によって空気が暖められ、第1の発熱体の上方に暖気が発生する。圧電ファンは、振動板の中央部で生じる自由端以外の腹のうち少なくとも1つが第1の発熱体の上方で揺動することにより、第1の発熱体の上方の暖気を振動板から離れる方向へ拡散する。
ここで、奇数倍波で屈曲する振動板の自由端の腹の振幅は、基本波で屈曲する振動板の自由端の腹の振幅に比べ数分の一に下がるものの、奇数倍波で屈曲する振動板の周波数は、基本波で屈曲する振動板の周波数の数倍となる。そのため、圧電ファンの振動板の自由端において、奇数倍波で屈曲する振動板の『振幅×周波数』の値が、基本波で屈曲する振動板の『振幅×周波数』の値と略等しくなる。
一方、奇数倍波で屈曲する振動板の自由端以外の腹の振幅は、基本波で屈曲する振動板の中心位置の振幅より少し下がるものの、奇数倍波で屈曲する振動板の周波数は、基本波で屈曲する振動板の周波数の数倍となる。そのため、圧電ファンの振動板の中央部において、奇数倍波で屈曲する振動板の『振幅×周波数』の値が、基本波で屈曲する振動板の『振幅×周波数』の値より大きい値となる。
よって、この構成における圧電ファンの自由端以外の腹の暖気拡散能力は、図2に示す第1の冷却装置の圧電ファン10の中心位置Cの暖気拡散能力より高い。そのため、この構成における冷却装置は、第1の発熱体を第1の冷却装置より低い温度に冷却することができる。
以上より、この構成における冷却装置によれば、ケーシング内において圧電ファンの振動板の中央部下方に実装される第1の発熱体を冷却する冷却能力を向上させることができる。また、この構成における冷却装置によれば、自由端の腹の振幅が第1の冷却装置より小さいため、装置本体の内部に、他の部品と接触しないよう圧電ファンを配置するためのスペースも小さいもので済む。従って、装置本体の小型化を図ることができる。
(2)前記固定部は、前記ケーシング内に実装された第2の発熱体の上方に前記振動板の前記自由端の腹がくる位置で、前記圧電ファンの前記振動板の前記固定端を前記ケーシング内に固定した。
この構成では、ケーシングの内部において、第1の発熱体および第2の発熱体で発生する熱によって空気が暖められ、第1の発熱体および第2の発熱体の各上方に暖気が発生する。圧電ファンは、振動板の自由端以外の腹の少なくとも1つが第1の発熱体の上方で揺動することにより、第1の発熱体の上方の暖気を振動板から離れる方向へ拡散する。さらに、圧電ファンは、振動板の自由端の腹が第2の発熱体の上方で揺動することにより、第2の発熱体の上方の暖気を振動板から離れる方向へ拡散する。これらにより、この構成では、第1の発熱体および第2の発熱体の両方を同時に冷却することができる。
(3)前記ケーシングには、前記ケーシング外部の空気を前記ケーシング内部に吸気するための吸気口と、前記ケーシング内部の空気を前記ケーシング外部へ排気するための排気口とが形成され、
前記固定部は、前記振動板の前記自由端を前記排気口に向けて、前記圧電ファンの前記振動板の前記固定端を前記ケーシング内に固定した。
この構成において、圧電ファンは、振動板の自由端が排気口に向かって揺動することにより、ケーシング内の暖気を排気口からケーシングの外側へ排気する。そして、吸気口からケーシングの内部に進入した冷気が第1の発熱体の上方に流入する気流が生じる。そのため、この構成によれば、第1の発熱体を上記(1)又は(2)の冷却装置より低い温度に冷却することができる。従って、冷却能力を一層向上させることができる。
(4)前記固定部は、前記圧電ファンの前記振動板の幅方向が、前記第1の発熱体の上面に対して垂直となるように固定した。
排出すべき暖気は第1の発熱体の発熱によって空気が暖められたものである。そのため、第1の発熱体の上方の空間の温度分布は不均一であり、高温部分が第1の発熱体の上面近傍に集中する。
また、第1の発熱体の上方に空気を流したときの流速の分布は、第1の発熱体の上面に対する空気の粘性抵抗が存在するため、第1の発熱体の上面に近づくほど流速は低下する。
そこで、この構成においては、圧電ファンの振動板の幅方向が、第1の発熱体の上面に対して垂直に固定されている。これにより、第1の発熱体の上面近傍の高温の暖気が圧電ファンの振動板の側面により掻き取られるため、放熱効果が高まって、冷却能力が一層向上する。
(5)前記固定部は、前記圧電ファンの前記振動板の幅方向が、前記第1の発熱体の上面に対して平行となるように固定した。
第1の発熱体の上面に対して垂直に固定した圧電ファンでは、振動板における第1の発熱体から遠い部分があまり冷却に寄与しない。即ち、垂直固定した圧電ファンの短手方向(幅方向)の長さが長すぎると、冷却寄与度の低い部分の体積や質量によって、印加電圧に対する振動板の屈曲変位量がその分小さくなり、上述の暖気拡散能力が却って低下する。
そこで、この構成では、振動板の面全体を冷却に寄与させるよう、圧電ファンの幅方向が、前記第1の発熱体の上面に対して水平となるように固定している。
(6)前記圧電ファンは、前記圧電素子が前記振動板を両面から挟むように接合された。
この構成では、圧電素子および振動板がバイモルフ型振動子を構成している。この構造により、印加電圧に対する屈曲変位量が大きくなり、自由端の腹を含む複数の腹の振幅が大きくなる。そのため、冷却能力が一層向上する。
この発明によれば、ケーシング内において圧電ファンの振動板の中央部下方に実装される発熱体を冷却する冷却能力を向上させるとともに、装置本体の小型化を図れる。
第1、第2の冷却装置に用いる圧電ファンの構成を示す図である。 第1の冷却装置の構成を示す上面図である。 第2の冷却装置の構成を示す側面断面図である。 第1の実施形態に係る冷却装置に用いる圧電ファンの構成を示す図である。 第1の実施形態に係る冷却装置の構成を示す上面図である。 第3の冷却装置の構成を示す上面図である。 第2の実施形態に係る冷却装置の構成を示す上面図である。 第3の実施形態に係る冷却装置の構成を示す側面断面図である。 第3の実施形態に係る冷却装置の主要部の構成を示す斜視図である。 第4の実施形態に係る冷却装置の主要部の構成を示す斜視図である。
《第1の実施形態》
本発明の第1の実施形態に係る冷却装置について以下説明する。
図4(A)は、第1の実施形態に係る冷却装置1に用いる圧電ファン101の非駆動時の構成を示す斜視図である。図4(B)は、同圧電ファン101の駆動時の構成を示す斜視図であり、図4(C)は、同圧電ファン101の駆動時の構成を示す側面図である。圧電ファン101は、図1に示す圧電ファン10と同じものであり、振動板111と、圧電素子112と、固定具113とを備えている。ただし、圧電ファン101は、圧電ファン10と動作が異なり、振動板111の両面に貼付された2枚の圧電素子112の伸縮により、自由端の腹H1を含む2つの腹H1、H2を生じる3倍波で振動板111が屈曲する。
振動板111は、例えば、幅15mm×長さ95mm×厚み0.1mmのステンレススチール製の板である。
圧電素子112は、幅15mm×長さ30mm×厚み0.05mmの寸法となっている。圧電素子112及び振動板111は、中間電極となる振動板111を両面から挟むように2枚の圧電素子112を貼付してなるバイモルフ型振動子である。2枚の圧電素子112は、それぞれの圧電セラミクス表面に電極膜を形成している。そして、各電極と中間電極となる振動板111との間に、圧電素子112の分極方向に応じた駆動電圧を印加することによって振動板111が長手方向に撓んで屈曲振動するよう分極処理している。
以上の圧電ファン101において、各圧電素子112の電極と振動板111との間に、例えば24Vppの64Hzの正弦波交流電圧を印加した場合、図4(B)(C)に示すように、自由端の腹H1を含む2つの腹H1、H2を生じる3倍波で振動板111が屈曲する。
また、圧電素子112及び振動板111はバイモルフ型振動子を構成しているため、圧電素子112による振動板111の印加電圧に対する振動板111の屈曲変位量を大きくすることができ、腹H1、H2の振幅をより効果的に増大できる。本実施形態における圧電ファン101では、24Vppの64Hzの正弦波交流電圧を印加した場合における腹H1、H2の振幅が、それぞれ9.0mm、6.0mmであることが実験により確認された。
固定具113は、振動板111の固定端を挟持するよう振動板111の両面に貼付されたガラスエポキシ製の板部材であり、その寸法は、幅15mm×長さ6mm×厚み1.5mmである。
図5は、第1の実施形態に係る冷却装置1の構成を示す上面図である。この冷却装置1は、上述の圧電ファン101と、回路基板P2と、直方体のケーシング30とを備える。
ケーシング30の内部には、発熱体50と発熱体51とを実装した回路基板P2が取付けられている。発熱体50及び発熱体51は、例えばCPU、ノースブリッジ、又はサウスブリッジであり、それぞれ幅20mm×長さ20mmの寸法となっている。ケーシング30の内部では、発熱体50及び発熱体51で発生する熱によって空気が暖められ、発熱体50及び発熱体51の各上方に暖気が発生する。
なお、発熱体50が、本発明の「第1の発熱体」に相当し、発熱体51が、本発明の「第2の発熱体」に相当する。
上記回路基板P2には、圧電ファン101の固定具113を装着して圧電ファン101を固定するための装着部(不図示)が形成されており、当該装着部に固定具113が装着される。
圧電ファン101の振動板111の固定端は、発熱体50の上方に振動板111の自由端以外の腹H2(図4参照)がくるとともに発熱体51の上方に振動板111の自由端の腹H1(図4参照)がくる位置で、固定具113を介して回路基板P2に固定される。さらに、当該振動板111の固定端は、当該振動板111の幅方向が発熱体50及び発熱体51の各上面に対して垂直となるよう、発熱体50及び発熱体51の各上面から振動板111を所定間隔(この実施形態では1mm)浮かして、固定具113を介して回路基板P2に固定される。
以上の構成では、圧電ファン101の駆動時、圧電ファン101の2箇所の腹H1、H2のそれぞれが、発熱体50及び発熱体51の各上方で発熱体50及び発熱体51の各上面に当接することなく揺動する。これにより、発熱体50の上方の暖気が振動板111から離れる方向へ拡散される気流AFが生じるとともに、発熱体51の上方の暖気が振動板111の自由端側へ拡散される気流AFが生じる。この結果、発熱体50と発熱体51の両方が同時に冷却される。
ここで、比較例であり第1の冷却装置の変形例である第3の冷却装置の冷却能力と本実施形態の冷却装置1の冷却能力とを比較するため、第3の冷却装置の構成について説明する。
図6は、第3の冷却装置の構成を示す上面図である。第3の冷却装置が第1の冷却装置と相違する点は、ケーシング40をケーシング30に置き換え、発熱体50及び発熱体51を実装した回路基板P2をケーシング30に取り付けた点である。即ち、第3の冷却装置は、圧電ファン10だけが本実施形態の冷却装置1と相違しており、他の構成は同じである。そのため、第3の冷却装置においても、発熱体50及び発熱体51で発生する熱によって空気が暖められ、発熱体50及び発熱体51の各上方に暖気が発生する。
図6に示すように、圧電ファン10の振動板11の固定端は、発熱体50の上方に振動板11の中心位置Cがくるとともに発熱体51の上方に振動板11の自由端の腹H0がくる位置で(図1参照)、振動板11の幅方向が発熱体50及び発熱体51の各上面に対して垂直となるよう固定具13を介して回路基板P2に固定される。
第3の冷却装置では、圧電ファン10の駆動時、圧電ファン10の振動板11が、発熱体50及び発熱体51の各上方で発熱体50及び発熱体51の各上面に当接することなく揺動する。これにより、発熱体50及び発熱体51の各上方の暖気が振動板11の自由端側へ拡散される気流AFが生じる(図6参照)。この結果、第3の冷却装置においても、発熱体50と発熱体51の両方が同時に冷却される。
次に、上記第3の冷却装置の冷却能力と本実施形態の冷却装置1の冷却能力とを比較する。ケーシング30内の気温が25℃の環境下において発熱体50及び発熱体51のそれぞれに4Wの電力を与えた条件で、両装置に実装される発熱体50及び発熱体51の温度を測定した実験結果について以下説明する。
なお、この実験では、第3の冷却装置の圧電ファン10に対して24Vppの15Hzの正弦波交流電圧を印加し、本実施形態の圧電ファン101に対して24Vppの64Hzの正弦波交流電圧を印加した。
まず、圧電ファン10及び圧電ファン101の非駆動時、発熱体50及び発熱体51の温度は共に83℃であった。
そして、圧電ファン10及び圧電ファン101の駆動時、第3の冷却装置では発熱体50の温度が81℃及び発熱体51の温度が73℃であるのに対し、本実施形態の冷却装置1では発熱体50の温度が77℃及び発熱体51の温度が73℃にまで低下した。
即ち、本実施形態の冷却装置1によれば、第3の冷却装置と比べ冷却能力が大幅に向上していることが実験により明らかとなった。
以上の実験結果は、本実施形態の冷却装置1の『振幅×周波数』で示される暖気拡散能力が第3の冷却装置の暖気拡散能力より優れるためであると考えられる。詳述すると、3倍波で屈曲する振動板111の自由端の腹H1の振幅(9mm)は、基本波で屈曲する振動板11の自由端の振幅(38mm)の約1/4倍であるものの、振動板111の周波数(64Hz)は振動板11の周波数(15Hz)の約4倍である。このため、両者の『振幅×周波数』はほぼ等しいため、両者の自由端の暖気拡散能力はほぼ等しい。一方、3倍波で屈曲する振動板111の腹H2の振幅(6mm)は、基本波で屈曲する振動板11の中心位置Cの振幅(10mm)の0.6倍であるものの、振動板111の周波数(64Hz)は振動板11の周波数(15Hz)の約4倍である。このため、振動板111の『振幅×周波数』の値(384mm/s)が振動板11の『振幅×周波数』の値(150mm/s)より大きい。よって、本実施形態の圧電ファン101の腹H2の暖気拡散能力は、第3の冷却装置の圧電ファン10の中心位置Cの暖気拡散能力より高い。
以上より、本実施形態の冷却装置1によれば、ケーシング30内において圧電ファン101の振動板111の中央部下方に実装される発熱体50を冷却する冷却能力を向上させることができる。また、上記の実験例では、自由端の腹H1の振幅が9mmであるため、装置本体の内部に、他の部品と接触しないよう圧電ファン101を配置するためのスペースも小さいもので済む。従って、装置本体の小型化を図ることができる。
なお、この実施形態では、発熱体50と発熱体51とを実装した回路基板P2がケーシング30の内部に取り付けられているが、実施の際は、発熱体50のみを実装した回路基板P1(後述の図7参照)をケーシング30の内部に取り付けても構わない。この場合、圧電ファン101の振動板111の固定端は、発熱体50の上方に振動板111の自由端以外の腹H2がくる位置で、振動板111の幅方向が発熱体50の上面に対して垂直となるように固定される。
《第2の実施形態》
図7は、第2の実施形態に係る冷却装置2の構成を示す上面図である。この実施形態の冷却装置2が図5に示す冷却装置1と相違する点は、ケーシング30をケーシング40に置き換え、発熱体50だけを実装した回路基板P1をケーシング40に取り付けた点である。即ち、この実施形態の冷却装置2は、圧電ファン101が図2に示す第1の冷却装置と相違しており、他の構成は同じである。
ケーシング40は、ケーシング40外部の空気をケーシング40内部に吸気するための吸気口41とケーシング40内部の空気をケーシング40外部へ排気するための排気口42とが側面に形成された直方体のケースである。また、ケーシング40の内部には、発熱体50を実装した回路基板P1が取付けられている。そのため、冷却装置2のケーシング40内部においては、発熱体50で発生する熱によって空気が暖められ、発熱体50の上方に暖気が発生する。
圧電ファン101の振動板111の固定端は、発熱体50の上方に振動板111の自由端以外の腹H2(図4(C)参照)がくる位置で、自由端を排気口42に向け、振動板111の幅方向が発熱体50の上面に対して垂直になるように、固定具113を介して回路基板P1に固定される。
ここで、圧電ファン101と回路基板P1との位置関係は、以下のとおりである。
・回路基板P1の縦の長さY=120mm
・回路基板P1の横の長さX=100mm
・発熱体50の当該固定端側の端から回路基板P1の当該固定端側の端までの長さX=45mm
・振動板111の固定端から回路基板P1の当該固定端側の端までの長さX=5mm。
以上の構成では、圧電ファン101の駆動時、圧電ファン101の2箇所の腹H1、H2のそれぞれが、発熱体50の上方と回路基板P1の排気口42側の端部の上方とで発熱体50及び当該端部の各上面に当接することなく揺動する。これにより、本実施形態の冷却装置2においても、発熱体50の上方の暖気が振動板111から離れる方向へ拡散される気流AFが生じる。さらに、本実施形態の冷却装置2では、ケーシング40内の暖気が排気口42を通過してケーシング40の外側へ排気される気流AFが生じるとともに、吸気口41からケーシング40の内部に進入した冷気が発熱体50の上方に流入する気流が生じる。そのため、本実施形態の冷却装置2は、発熱体50を本実施形態の冷却装置1より低い温度に冷却することができる。
以上より、本実施形態の冷却装置2によれば、冷却能力を一層向上させることができる。また、本実施形態の冷却装置2においても自由端の腹H1の振幅が小さいため、装置本体の小型化を図ることができる。
なお、この実施形態では、発熱体50のみを実装した回路基板P1をケーシング40の内部に取り付けているが、実施の際は、発熱体50と発熱体51とを実装した回路基板P2(図5参照)をケーシング40の内部に取り付けても構わない。この場合、圧電ファン101の振動板111の固定端は、発熱体50の上方に振動板111の自由端以外の腹H2がくるとともに発熱体51の上方に振動板111の自由端の腹H1がくる位置で、自由端を排気口42に向け、発熱体50及び発熱体51の各上面に対して振動板111を垂直に、固定具113を介して回路基板P1に固定される。
《第3の実施形態》
図8は、第3の実施形態に係る冷却装置3の構成を示す側面断面図であり、図9は、同冷却装置3の主要部の構成を示す斜視図である。この実施形態の冷却装置3が図7に示す冷却装置2と相違する点は、アルミニウム製のヒートスプレッダ20を設けた点と、圧電ファン101の振動板111の幅方向が発熱体50の上面に対して平行になるように固定した点である。そのため、図8は、この2点を変更した場合における図7のT−T線の側面断面図である。即ち、この実施形態の冷却装置3は、圧電ファン101が図3に示す第2の冷却装置と相違しており、他の構成は同じである。
冷却装置3では、発熱体50の上面にヒートスプレッダ20の底面が熱的に結合するように配置されている。そして冷却装置3のケーシング30内部では、発熱体50で発生する熱がヒートスプレッダ20に伝導し、ヒートスプレッダ20によって空気が暖められ、ヒートスプレッダ20の上方に暖気が発生する。
ヒートスプレッダ20の上面には、圧電ファン101の固定具113を装着して圧電ファン101を固定するための支持板25が形成されており、当該支持板25に固定具113が装着される。
そして、圧電ファン101の振動板111の固定端は、発熱体50の上方に振動板111の自由端以外の腹H2がくる位置で、自由端を排気口42に向け、固定具113を介して支持板25に固定される。さらに、当該振動板111の固定端は、振動板111の幅方向が発熱体50の上面(即ちヒートスプレッダ20の上面)に対して平行に、固定具113を介してヒートスプレッダ20の支持板25に固定される。
以上の構成では、圧電ファン101の駆動時、圧電ファン101の2箇所の腹H1、H2のそれぞれが、発熱体50の上方と回路基板P1の排気口42側の端部の上方とでヒートスプレッダ20の上面に当接することなく揺動する。これにより、振動板111の中央部とヒートスプレッダ20との間の暖気が振動板111の腹H2から遠ざかる方向へ拡散される気流AFが生じるとともに、ケーシング40内の暖気が排気口42を通過してケーシング40の外側へ排気される気流AFが生じる。さらに、吸気口41からケーシング40の内部に進入した冷気がヒートスプレッダ20の上方に流入する気流が生じる。この結果、発熱体50が冷却される。
ここで、冷却装置3では、圧電ファン101の振動板111における自由端の腹H1の振幅が小さい(例えば9mm)。そのため、冷却装置3では、圧電ファン101の駆動時に自由端がヒートスプレッダ20の上面に接触しないよう、振動板111をヒートスプレッダ20の上面から少なくとも振幅の1/2(例えば4.5mm)浮かして圧電ファン101を固定すれば良い。よって、本実施形態の冷却装置3では、振動板111とヒートスプレッダ20とを第2の冷却装置より近づけることができる。従って、冷却装置3では、ヒートスプレッダ20の上面近傍に存在する高温の暖気が十分に拡散され、発熱体50の冷却効率を大幅に向上できる。そのため、本実施形態の冷却装置3は、発熱体50を第2の冷却装置より低い温度に冷却することができる。
次に、比較例である第2の冷却装置の冷却能力と本実施形態の冷却装置3の冷却能力とを比較する。ケーシング40内の気温が25℃の環境下において発熱体50に8Wの電力を与えた条件で、両装置に実装される発熱体50の温度を測定した実験結果について以下説明する。
なお、この実験では、第2の冷却装置の圧電ファン10に対して24Vppの15Hzの正弦波交流電圧を印加し、本実施形態の圧電ファン101に対して24Vppの64Hzの正弦波交流電圧を印加した。
まず、圧電ファン10及び圧電ファン101の非駆動時、発熱体50の温度は両装置共に90℃であった。
そして、圧電ファン10及び圧電ファン101の駆動時、第2の冷却装置では発熱体50の温度が86℃(即ち冷却効果−4℃)であるのに対し、本実施形態の冷却装置3では発熱体50の温度が72℃(即ち冷却効果−18℃)にまで低下した。
即ち、本実施形態の冷却装置3によれば、比較例である第2の冷却装置と比べ冷却能力が大幅に向上していることが実験により明らかとなった。
以上より、本実施形態の冷却装置3によれば、冷却能力を向上させることができる。また、本実施形態の冷却装置3においても自由端の腹H1の振幅が小さいため、装置本体の小型化を図ることができる。
なお、この実施形態では、発熱体50のみを実装した回路基板P1をケーシング40の内部に取り付けているが、実施の際は、発熱体50と発熱体51とを実装した回路基板P2(図5参照)をケーシング40の内部に取り付けても構わない。この場合、圧電ファン101の振動板111の固定端は、発熱体50の上方に振動板111の自由端以外の腹H2がくるとともに発熱体51の上方に振動板111の自由端の腹H1がくる位置で、自由端を排気口42に向け、振動板111の幅方向が発熱体50及び発熱体51の各上面に対して平行となるように、固定具113を介してヒートスプレッダ20の支持板25に固定される。
《第4の実施形態》
図10は、第4の実施形態に係る冷却装置4の主要部の構成を示す斜視図である。この実施形態の冷却装置4が図8、図9に示す冷却装置3と相違する点は、圧電ファン101の振動板111の幅方向が発熱体50の上面に対して垂直となるように圧電ファン101を固定した点である。即ち、この実施形態の冷却装置4は、ヒートスプレッダ20を設けた点で図7に示す冷却装置2と相違しており、他の構成は同じである。
圧電ファン101の振動板111の固定端は、発熱体50の上方に振動板111の自由端以外の腹H2がくる位置で(図4(C)参照)、自由端を排気口42(図8参照)に向け、固定具113を介してヒートスプレッダ20の支持板26に固定される。さらに、当該振動板111の固定端は、発熱体50の上面(即ちヒートスプレッダ20の上面)に対して振動板111の幅方向が垂直となるように、ヒートスプレッダ20の上面から振動板111を所定間隔(この実施形態では1mm)浮かして、固定具113を介してヒートスプレッダ20の支持板26に固定される。
以上の構成では、圧電ファン101の駆動時、圧電ファン101の2箇所の腹H1、H2のそれぞれが、発熱体50の上方と回路基板P1の排気口42側の端部の上方とでヒートスプレッダ20の上面に当接することなく揺動する。これにより、発熱体50の上方の暖気が振動板111から離れる方向へ拡散される気流AFが生じるとともに、ケーシング40内の暖気が排気口42を通過してケーシング40の外側へ排気される気流AFが生じる。さらに、吸気口41からケーシング40の内部に進入した冷気がヒートスプレッダ20の上方に流入する気流が生じる。この結果、発熱体50が冷却される。
ここで、比較例であり第2の冷却装置の変形例である第4の冷却装置の冷却能力と本実施形態の冷却装置4の冷却能力とを比較する。この第4の冷却装置が冷却装置4と相違する点は、圧電ファン101を圧電ファン10に置き換えた点のみである。
ケーシング40内の気温が25℃の環境下において発熱体50に8Wの電力を与えた条件で、両装置に実装される発熱体50の温度を測定した実験結果について以下説明する。
なお、この実験では、第4の冷却装置の圧電ファン10に対して24Vppの15Hzの正弦波交流電圧を印加し、本実施形態の圧電ファン101に対して24Vppの64Hzの正弦波交流電圧を印加した。
まず、圧電ファン10及び圧電ファン101の非駆動時、発熱体50の温度は両装置共に90℃であった。
そして、圧電ファン10及び圧電ファン101の駆動時、第4の冷却装置では発熱体50の温度が82℃(即ち冷却効果−8℃)であるのに対し、本実施形態の冷却装置4では発熱体50の温度が75℃(即ち冷却効果−15℃)にまで低下した。
即ち、本実施形態の冷却装置4によれば、比較例である第4の冷却装置と比べ冷却能力が大幅に向上していることが実験により明らかとなった。
以上の実験結果は、本実施形態の圧電ファン101の振動板111の『振幅×周波数』の値(384mm/s)が、比較例である圧電ファン10の振動板11の『振幅×周波数』の値(150mm/s)より大きく、本実施形態の圧電ファン101の腹H2の暖気拡散能力が圧電ファン10の中心位置Cの暖気拡散能力より高いためであると考えられる。
以上より、本実施形態の冷却装置4によれば、冷却能力を向上させることができる。また、本実施形態の冷却装置4においても自由端の腹H1の振幅が小さいため、装置本体の小型化を図ることができる。
なお、この実施形態では、発熱体50のみを実装した回路基板P1をケーシング40の内部に取り付けているが、実施の際は、発熱体50と発熱体51とを実装した回路基板P2(図5参照)をケーシング40の内部に取り付けても構わない。この場合、圧電ファン101の振動板111の固定端は、発熱体50の上方に振動板111の自由端以外の腹H2がくるとともに発熱体51の上方に振動板111の自由端の腹H1がくる位置で、自由端を排気口42に向け、振動板111の幅方向が発熱体50及び発熱体51の各上面に対して垂直となるように、固定具113を介してヒートスプレッダ20の支持板26に固定される。
ここで、本実施形態のうち第3実施形態の冷却装置3の冷却能力と第4実施形態の冷却装置4の冷却能力とを比較する。ケーシング40内の気温が25℃の環境下において発熱体50に8Wの電力を与えた条件で、両装置に実装される発熱体50の温度を測定した実験結果について以下説明する。
なお、この実験では、両装置共に、圧電ファン101に対して24Vppの64Hzの正弦波交流電圧を印加した。
まず、圧電ファン101の非駆動時、発熱体50の温度は両装置共に90℃であった。
そして、圧電ファン101の駆動時、冷却装置4では発熱体50の温度が75℃(即ち冷却効果−15℃)であるのに対し、冷却装置3では発熱体50の温度が72℃(即ち冷却効果−18℃)にまで低下した。
即ち、本実施形態の冷却装置3の方が、冷却装置4より冷却能力が僅かに高いことが実験により明らかとなった。
以上の実験結果は、圧電ファン101の幅が、例えば15mmと長いためであると考えられる。詳述すると、水平固定型の冷却装置3では振動板111の面全体が冷却に寄与しているのに対し、垂直固定型の冷却装置4では振動板111におけるヒートスプレッダ20から遠い部分があまり冷却に寄与しない。即ち、垂直固定した圧電ファン101の幅が長すぎると、冷却寄与度の低い部分の体積や質量によって、印加電圧に対する振動板111の屈曲変位量がその分小さくなり、上述の暖気拡散能力が却って低下すると考えられる。
そこで、圧電ファン101の幅を例えば5mmに変更し、第3実施形態の冷却装置3の冷却能力と第4実施形態の冷却装置4の冷却能力とを同じ条件で比較した。この結果、圧電ファン101の駆動時、冷却装置3では発熱体50の温度が82℃(即ち冷却効果−8℃)であるのに対し、冷却装置4では発熱体50の温度が80℃(即ち冷却効果−10℃)にまで低下した。
即ち、圧電ファン101の幅を5mmに変更した場合、本実施形態の冷却装置4の方が、冷却装置3より冷却能力が僅かに高いことが実験により明らかとなった。従って、大きな圧電素子を使えない場合や、冷却対象物(ヒートスプレッダ20など)の幅が狭い場合など、圧電ファン101の幅を小さくする必要のある場合、垂直固定型の冷却装置4の方が好ましい。これは、発熱体50の上面近傍の高温の暖気が圧電ファンの振動板111の側面により、直接的に掻き取られるため、放熱効果が高まって、冷却能力が向上したものと推定される。
《その他の実施形態》
以上に示した実施形態では、自由端の腹H1を含む複数の腹H1、H2を生じる3倍波で圧電ファン101の振動板111を屈曲させたが、実施の際は、3倍波以上の奇数倍波で振動板111を屈曲させても構わない。この場合、圧電ファン101は、自由端の腹H1以外の腹のうち少なくとも1つが発熱体50上に位置するように固定されればよい。
また、振動板111を両面から挟むように圧電素子112をそれぞれ接合して、圧電素子112および振動板111でバイモルフ型振動子を構成するタイプを示したが、実施の際は、振動板111の一方の面に圧電素子112を接合したユニモルフ型振動子を構成するタイプであっても構わない。
また、以上に示した各実施形態において、振動板111はステンレススチール以外にリン青銅などバネ性の高い金属板や樹脂板を用いてもよい。
なお、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1、2、3、4…冷却装置
10…圧電ファン
11…振動板
12…圧電素子
13…固定具
20…ヒートスプレッダ
22…支持板
25…支持板
26…支持板
30…ケーシング
40…ケーシング
41…吸気口
42…排気口
50、51…発熱体
101…圧電ファン
111…振動板
112…圧電素子
113…固定具
H0、H1、H2…腹
P1、P2…回路基板

Claims (6)

  1. ケーシングと、
    所定周波数の交流電圧の印加に応じて伸縮する圧電素子と、前記圧電素子が接合される振動板であって、前記圧電素子の伸縮により、自由端の腹を含む複数の腹を生じる3倍波以上の奇数倍波で屈曲する振動板と、を有する圧電ファンと、
    前記ケーシング内に実装された第1の発熱体の上方に前記振動板の前記自由端以外の腹の少なくとも1つがくる位置で、前記圧電ファンの前記振動板の固定端を前記ケーシング内に固定する固定部と、を備えた冷却装置。
  2. 前記固定部は、前記ケーシング内に実装された第2の発熱体の上方に前記振動板の前記自由端の腹がくる位置で、前記圧電ファンの前記振動板の前記固定端を前記ケーシング内に固定した、請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記ケーシングには、前記ケーシング外部の空気を前記ケーシング内部に吸気するための吸気口と、前記ケーシング内部の空気を前記ケーシング外部へ排気するための排気口とが形成され、
    前記固定部は、前記振動板の前記自由端を前記排気口に向けて、前記圧電ファンの前記振動板の前記固定端を前記ケーシング内に固定した、請求項1又は2に記載の冷却装置。
  4. 前記固定部は、前記圧電ファンの前記振動板を、前記振動板の幅方向が前記第1の発熱体の上面に対して垂直となるように固定した、請求項1〜3のいずれかに記載の冷却装置。
  5. 前記固定部は、前記圧電ファンの前記振動板を、前記振動板の幅方向が前記第1の発熱体の上面に対して平行となるように固定した、請求項1〜3のいずれかに記載の冷却装置。
  6. 前記圧電ファンは、前記圧電素子が前記振動板を両面から挟むように接合された、請求項1〜5のいずれかに記載の冷却装置。
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